JPH11298517A - 電子メールのクライアント装置、および、そのプログラムが記録された記録媒体 - Google Patents

電子メールのクライアント装置、および、そのプログラムが記録された記録媒体

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JPH11298517A
JPH11298517A JP10099699A JP9969998A JPH11298517A JP H11298517 A JPH11298517 A JP H11298517A JP 10099699 A JP10099699 A JP 10099699A JP 9969998 A JP9969998 A JP 9969998A JP H11298517 A JPH11298517 A JP H11298517A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電源遮断中に現在時刻を更新する回路に頼ら
ずに現在時刻を取得可能で、かつ、必要なメモリ量や回
路規模の小さな電子メールのクライアント装置を提供す
る。 【解決手段】 クライアント装置1の制御部17は、メ
ール通信部11へ指示して、自分宛の電子メール4をメ
ールサーバ2へ送出した後、メールサーバ2から自分宛
の電子メールを読み出させる。メールサーバ2は、電子
メール4を受け取ると、そのヘッダ部分41に受信時刻
を記録し、電子メール5として格納すると共に、クライ
アント装置1からの要求に応じて、当該電子メール5を
送り返す。一方、クライアント装置1のメール通信部1
1が当該電子メール5を受け取ると、時刻設定部16
は、そのヘッダ部分51から、メールサーバ2が電子メ
ール5を受信した時刻を抽出し、当該受信時刻を現在時
刻として、時刻処理部12に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子メールのクラ
イアント機能を有する電子メールのクライアント装置に
関し、特に、電源遮断中に現在時刻を更新する回路に頼
らずに現在時刻を取得可能な電子メールのクライアント
装置、および、そのプログラムが記録された記録媒体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】メールサーバと交信して電子メールを送
受可能な電子メールのクライアント装置は、従来より、
広く使用されている。近年では、インターネットの急速
な普及に伴って、携帯可能なクライアント装置も使用さ
れつつあり、電子メールのクライアント機能は、例え
ば、ルータや携帯電話など、他の用途の電子機器にも付
加される傾向にある。
【0003】一方、クライアント装置を含む多くの電子
機器には、現在時刻を表示あるいは取得する機能が設け
られている。例えば、電子メールのクライアント装置で
は、電子メールに作成時刻や受信時刻が添付されてお
り、当該時刻に基づいて、電子メールの新旧が判断され
る。また、携帯電話などでは、着信時刻を表示したり、
通話の履歴を記憶する際、現在時刻を取得する機能が用
いられる。さらに、当該機能は、電子機器の用途に限ら
ず、使用者へ現在時刻を報知する際にも使用される。
【0004】ここで、各電子機器は、動作中であれば、
ハードウェアあるいはソフトウェアで実現されるカウン
タやタイマによって、ある時刻からの経過時間を容易に
知ることができる。ところが、現在時刻を取得するため
には、少なくとも1回は、基準となる時刻を設定しなけ
ればならない。さらに、例えば、電子機器の電源が遮断
された場合など、上記カウンタやタイマが停止した場合
は、時刻を設定しなおす必要がある。
【0005】したがって、従来のクライアント装置で
は、上記機能を実装するために、主として、以下の3つ
の方法が使用されている。第1の方法は、クライアント
装置の電源を投入する度に、使用者が現在時刻を設定す
る方法である。また、第2の方法は、例えば、RTC
(リアル・タイム・クロック)チップなどを設け、当該
RTCチップをバッテリ・バックアップする方法であ
る。この方法によれば、RTCチップは、クライアント
装置の電源がオフの期間であっても、現在時刻を更新し
続ける。これにより、電源がオフの期間であっても、現
在時刻値を保有できる。さらに、第3の方法として、N
TP( Network Time Protocol)など、時刻取得専用の
プロトコルを搭載する方法が挙げられる。NTPを搭載
したクライアント装置は、ネットワークを介して、タイ
ムサーバと交信する。これにより、ネットワーク上にタ
イムサーバが設けられていれば、タイムサーバから、正
しい現在時刻を取得できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のクライアント装置は、時刻設定時の手間、回路規
模、あるいは、ソフトウェアの規模が増大しやすいとい
う問題を有している。
【0007】具体的には、第1の方法を採用すると、使
用者は、クライアント装置の電源を投入する度に現在時
刻を手動入力する必要があり、非常に手間がかかる。ま
た、第2の方法では、RTCチップと、バックアップ用
のバッテリとが不可欠なので、クライアント装置を構成
する部品数が多くなり、製造時のコストが高騰しがちで
ある。さらに、第3の方法を採用した場合は、ネットワ
ーク上に、新たにタイムサーバを設ける必要がある。加
えて、時刻取得専用のプロトコルを搭載する必要がある
ため、クライアント装置に必要なメモリ量が増大し、コ
ストアップにつながってしまう。
【0008】特に、携帯可能なクライアント装置やクラ
イアント機能が付加された電子機器の場合、製造コス
ト、あるいは、装置の寸法や重量などの点から、時刻取
得に使用可能なメモリ量や回路規模が制限されているこ
とが多い。したがって、これらのクライアント装置に
は、例えば、50キロバイト以上のメモリ量が必要なN
TPや、RTCチップなどの専用回路を搭載できないこ
とがある。
【0009】本発明は、上記の問題点を鑑みてなされた
ものであり、その目的は、電源遮断中に現在時刻を更新
する回路に頼らずに現在時刻を取得可能で、かつ、必要
なメモリ量や回路規模の小さな電子メールのクライアン
ト装置、および、そのプログラムが記録された記録媒体
を実現することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る電
子メールのクライアント装置は、上記課題を解決するた
めに、予め定められた電子メール送受用のプロトコルに
従い、メールサーバと電子メールを送受する通信手段が
設けられた電子メールのクライアント装置において、自
分宛の電子メールを上記メールサーバへ送出し、かつ、
上記メールサーバから当該電子メールを受信するよう
に、上記通信手段へ指示する制御手段と、受信した電子
メールのうちの上記プロトコルで定められた部分から、
上記メールサーバが当該電子メールを受信した時刻を抽
出し、この受信時刻に基づいて、現在の時刻を設定する
時刻設定手段とを備えていることを特徴としている。
【0011】上記構成の電子メールのクライアント装置
(以下ではクライアント装置と略称する)において、例
えば、電源投入時で現在時刻が未設定の場合など、現在
時刻を取得する必要がある場合、制御手段は、通信手段
へ指示して、自分宛の電子メールをメールサーバへ送信
する。当該電子メールは、メールサーバに受信される
と、所定の部分(ヘッダ部分など)に受信時刻が記録さ
れ、クライアント装置からの要求に応じて当該電子メー
ルを取り出せるように格納される。
【0012】さらに、クライアント装置の制御手段は、
上記メールサーバから電子メールを読み出すように、通
信手段へ指示する。これにより、通信手段は、当該電子
メールの送出をメールサーバへ指示し、メールサーバ
は、格納した電子メールをクライアント装置へ送出す
る。
【0013】通信手段が電子メールを受け取ると、時刻
設定手段は、上記所定の部分から受信時刻を抽出し、例
えば、当該受信時刻をそのまま、あるいは、当該受信時
刻へオフセット時間を加算するなどして、クライアント
装置の現在時刻を設定する。なお、クライアント装置
は、現在時刻が必要になる都度、電子メールを送受して
現在時刻を取得してもよいし、電子メールで取得した時
刻に基づいて、それ以降の現在時刻を求めてもよい。
【0014】上記構成によれば、電子メールの送受によ
って、現在時刻が設定されるので、電子メールの送受と
時刻の設定との双方に、電子メールの送受用の通信手段
を共用できる。また、通信手段への指示や受信時刻の抽
出などの処理は、例えば、電子メールの送受や時刻取得
用の専用プロトコルなどの通信処理よりも簡単な処理な
ので、制御手段や時刻設定手段は、比較的小規模なプロ
グラムや回路によって実現できる。この結果、電子メー
ルのクライアント装置へ、上記専用プロトコルを追加す
る場合に比べて、プログラムに要するメモリ量や回路規
模などを大幅に削減できる。
【0015】さらに、上記構成において、クライアント
装置は、電源断中に現在時刻を更新しなくても、現在の
時刻を取得できる。この結果、例えば、RTCチップな
ど、電源断中も現在時刻を更新するための回路が不要に
なる。また、電源投入毎に、現在時刻を手動で設定する
必要がないため、電源投入時の手間を削減できる。
【0016】なお、クライアント装置が取得する時刻
は、上記現在時刻更新用の回路自体の起動時における時
刻設定や、当該回路の誤差修正に使用できる。したがっ
て、専用のプロトコルを追加する場合よりも少ないメモ
リ量や回路規模で、現在時刻更新用の回路の精度を向上
でき、設定時の手間を削減できる。
【0017】ここで、受信時刻の記録は、電子メールの
伝送経路を追跡するために極めて有効であり、メールサ
ーバの基本的な機能として、殆どのメールサーバに備え
られている。したがって、上記クライアント装置のメー
ルサーバとして、従来と同様のメールサーバを使用でき
る。さらに、上記専用プロトコルを用いる場合とは異な
り、時刻取得専用のサーバを設ける必要がない。この結
果、ネットワークを特に変更せずに、クライアント装置
を接続できるので、クライアント装置を設置する際の手
間は、現在時刻更新用の回路を持ったクライアント装置
と同等にまで抑えることができる。
【0018】ところで、例えば、メールサーバの処理速
度が遅い場合などには、メールサーバが電子メールを受
信してから送出可能になるまでの時間は長くなる。この
時間は、メールサーバの処理能力だけではなく、メール
サーバが電子メールの処理と同時に行っている処理な
ど、メールサーバの使用状況によっても変動する。した
がって、クライアント装置が受信時刻をそのまま現在時
刻として設定したり、あるいは、受信時刻に固定のオフ
セット時間を加えて現在時刻としたりすると、誤差が大
きくなる虞れがある。
【0019】これに対して、請求項2の発明に係る電子
メールのクライアント装置は、請求項1記載の発明の構
成において、上記通信手段は、送出した電子メールの受
信に失敗した場合、当該電子メールの受信を再度試みる
と共に、さらに、受信の成否に応じて、上記時刻設定手
段の設定する現在時刻と、上記受信時刻とのオフセット
時間を調整する調整手段が設けられていることを特徴と
している。
【0020】上記構成において、クライアント装置の通
信手段は、電子メールの受信に成功するまで、電子メー
ルの受信を繰り返し試みる。一方、調整手段は、例え
ば、受信の失敗回数を数えたり、あるいは、失敗毎にオ
フセット時間を増加させるなどして、上記時刻設定手段
が現在時刻を設定する際のオフセット時間を、受信の成
否に応じて調整する。
【0021】これにより、クライアント装置は、メール
サーバが電子メールを送出可能になるまでの時間に応じ
て、オフセット時間の長さを調整できる。この結果、現
在時刻を設定する際、メールサーバの処理速度に起因す
る誤差を削減できる。したがって、処理速度の異なるメ
ールサーバへ接続される場合、あるいは、メールサーバ
の使用状況によって処理速度が大きく変動する場合であ
っても、時刻の誤差が少ないクライアント装置を実現で
きる。
【0022】一方、請求項3の発明に係るプログラムが
記録された記録媒体は、コンピュータを電子メールのク
ライアント装置として動作させるためのプログラムが記
録された記録媒体であって、上記課題を解決するため
に、自分宛の電子メールをメールサーバへ送出する送信
工程と、上記メールサーバから、当該電子メールを受信
する受信工程と、受信した電子メールのうちの上記プロ
トコルで定められた部分から、上記メールサーバが当該
電子メールを受信した時刻を抽出する抽出工程と、抽出
された受信時刻に基づいて、現在時刻を設定する時刻設
定工程とを実行するプログラムが記録されていることを
特徴としている。
【0023】上記構成において、上記記録媒体から上記
プログラムが読み出され、コンピュータによって実行さ
れると、当該コンピュータは、クライアント装置として
動作可能となる。当該クライアント装置は、上記各工程
を行って、自分宛の電子メールをメールサーバへ送出
し、当該電子メールを読み出す。ここで、メールサーバ
は、電子メールを受信した場合、例えば、ヘッダ部分な
どの所定の部分に、受信時刻を記録している。したがっ
て、クライアント装置がメールサーバから受け取った電
子メールには、当該部分に受信時刻が記録されている。
さらに、クライアント装置は、電子メールの上記部分か
ら受信時刻を抽出し、当該受信時刻に基づいて、現在時
刻を設定する。
【0024】この結果、上記プログラムを実行すること
によって、請求項1と同様に、電源断中に時刻を更新す
る回路に頼らずに現在時刻を取得でき、かつ、より少な
いメモリ量で実装可能な電子メールのクライアント装置
を実現できる。
【0025】
【発明の実施の形態】〔第1の実施形態〕本発明の一実
施形態について図1および図2に基づいて説明すると以
下の通りである。すなわち、図1に示すように、本実施
形態に係るネットワークシステムは、電子メールを送受
可能なクライアント・サーバ型のネットワークシステム
であって、電子メールのクライアント装置1と、メール
サーバ2と、両者間に設けられたネットワーク3とを備
えている。また、本実施形態に係るネットワークシステ
ムでは、各クライアント装置1毎に、予めメールアドレ
スが割り当てられており、電子メール送受用のプロトコ
ルとして、例えば、POP( Post Office Protocol )
3とSMTP( Simple Mail Transfer Protocol)とが
採用されている。これにより、クライアント装置1は、
ネットワーク3を介して、メールサーバ2へ電子メール
4を送出し、かつ、メールサーバ2へ到着した自分宛の
電子メール5を、メールサーバ2から受け取ることがで
きる。なお、本実施形態では、ネットワーク3の一例と
して、ローカル・エリア・ネットワークが用いられてお
り、クライアント装置1とメールサーバ2との間の伝送
遅延は、極めて小さく設定されている。
【0026】ここで、本実施形態で送受される電子メー
ル4(5)の形式について簡単に説明する。すなわち、
本実施形態に係る電子メール4(5)は、例えば、RF
C(Request For Comments )822など、インターネ
ットで標準的に使用されているメールフォーマットで記
述されており、最初の空行までのヘッダ部分41(5
1)と、残余のメール本体42(52)とに大別されて
いる。ヘッダ部分41には、行頭に配されたフィールド
名と、セパレータとなる文字":" と、それに続くフィー
ルド内容を示す文字列とからなるフィールドが、任意の
数だけ設けられている。例えば、電子メール4(5)の
宛て先を示すフィールドは、"To: メールアドレス" と
記述される。
【0027】また、上記ヘッダ部分41(51)には、
電子メール4(5)の配送経路を示す Received フィー
ルドが設けられている。具体的には、例えば、SMTP
プロトコルに従って通信するネットワーク機器は、応答
や最終配信を受け付けるネットワーク機器であるか否か
に拘わらず、受信した電子メール4(5)のヘッダ部分
41(51)の先頭に、 Received フィールドを挿入す
ることが義務付けられている。この Received フィール
ドは、"Received: 受信ネットワーク機器の情報 ; 受
信時刻" の形式で記述され、例えば、IPアドレス(U
RL)など、受信ネットワーク機器自身を示す情報だけ
ではなく、当該受信ネットワーク機器が電子メール4
(5)を受信した時刻も、文字列あるいは数値列などと
して記述される。この受信時刻は、通常、日付、時刻、
曜日、時間帯などを含んでいる。したがって、ネットワ
ークシステムの管理者は、例えば、ネットワークシステ
ムに不具合が発生した場合などに、電子メール4(5)
のヘッダ部分41(51)へ含まれる各 Received フィ
ールドを参照することにより、当該電子メール4(5)
の配送経路を辿ることができる。
【0028】ここで、上記メールサーバ2は、ネットワ
ーク3を介して、クライアント装置1および他のネット
ワーク機器(図示せず)と通信して、電子メール4・5
を送受するメール通信部21と、受け取った電子メール
4を格納するスプール22とを備えている。上記メール
通信部21は、上記電子メール送受用のプロトコルに従
って、クライアント装置1などと通信可能であり、電子
メール4を受け取った場合、電子メール4のヘッダ部分
41に基づいて、送信先(宛て先)のメールアドレスを
識別し、当該メールアドレスとの関連が判るように、電
子メール4をスプール22へ格納できる。また、メール
通信部21は、上述したように、ヘッダ部分41の先頭
に Received フィールドを追加するなどして、受信時刻
を記録できる。さらに、メール通信部21は、クライア
ント装置1からの要求に応じて、スプール22に格納さ
れた電子メールのうち、クライアント装置1に割り当て
られたメールアドレス宛の電子メール5を送出できる。
【0029】一方、本実施形態に係るクライアント装置
1は、例えば、電子メール端末や、電子メールのクライ
アント機能を有するルータ、プリンタあるいは携帯電話
などの電子機器であり、ネットワーク3を介してメール
サーバ2と通信するメール通信部(通信手段)11と、
他の部材からの問い合わせに応えて、現在時刻を出力す
る時刻処理部12とを備えている。
【0030】上記メール通信部11は、上記メール通信
部21と同様、予め定められた電子メール送受用のプロ
トコルに従って、電子メール4をメールサーバ2へ送出
すると共に、メールサーバ2に格納された自分宛の電子
メール5をメールサーバ2から読み出すことができる。
【0031】また、上記メール通信部11あるいは後述
する制御部17には、メールサーバ2と通信するための
情報、および、自分宛の電子メールを読み出すための情
報が記録されている。前者の情報としては、例えば、メ
ールサーバ2のIPアドレスなどが挙げられ、後者の情
報としては、クライアント装置1に割り当てられたメー
ルアドレスと、当該メールアドレスへの電子メールを読
み出す際、メールサーバ2へ送出するパスワードとなど
が挙げられる。なお、これらの情報は、電子メールのク
ライアント装置であれば、必要な情報であり、後述する
時刻設定時だけではなく、通常の電子メールを送受する
際にも使用される。
【0032】さらに、時刻処理部12は、例えば、所定
の時間間隔毎にカウント値(ティック値)を増加させる
ティックカウンタ13と、基準となる時刻を記憶する基
準時刻記憶部14と、ティック値と基準時刻とに基づい
て現在時刻を出力する算出部15とを備えている。上記
ティックカウンタ13のカウント値は、基準時刻記憶部
14に現在時刻が格納されると0リセットされ、その後
は、例えば、1秒あたりに100ティックなど、所定の
時間間隔で増加する。一方、算出部15は、時刻の出力
が指示されると、ティックカウンタ13のカウント値を
参照し、例えば、当該カウント値と上記時間間隔とを乗
算するなどして、上記基準時刻からの経過時間を算出す
る。さらに、算出部15は、基準時刻記憶部14に格納
された基準時刻と、経過時間とを加算する。これによ
り、時刻処理部12は、現在時刻を出力できる。
【0033】なお、本実施形態では、例えば、バックア
ップ電源など、クライアント装置1の電源がオフの期間
中も、ティックカウンタ13にカウントさせるための手
段が設けられていない。したがって、ティックカウンタ
13は、クライアント装置1の電源が投入されてから、
上記基準時刻記憶部14へ基準時刻が設定されるまでの
間、時刻処理部12は、正しい現在時刻を出力できな
い。
【0034】ここで、本実施形態に係るクライアント装
置1には、上記構成に加えて、メール通信部11が受信
した電子メール5のヘッダ部分51に基づいて、時刻処
理部12へ現在時刻を設定する時刻設定部(時刻設定手
段)16と、上記メール通信部11および時刻設定部1
6へ現在時刻の設定を指示する制御部(制御手段)17
とが設けられている。なお、当然ながら、制御部17
は、各部材11・16へ能動的に指示を出してもよい
し、各部材11・16からの問い合わせに応えて指示し
てもよい。
【0035】具体的には、上記時刻設定部16は、上記
電子メール5のヘッダ部分51のうち、先頭の Receive
d フィールドから、メールサーバ2の受信時刻を抽出す
る。上述したように、 Received フィールドは、例え
ば、"Received: 受信ネットワーク機器の情報 ; 受信
時刻" のように記述されているので、例えば、フィール
ド末から";" までの文字列を抽出するなどすれば、極め
て容易に受信時刻を抽出できる。また、時刻設定部16
は、上記時刻処理部12の基準時刻記憶部14へ、電子
メール5から抽出した時刻を書き込む。なお、時刻設定
部16は、必要に応じて、電子メール5から抽出した時
刻を、上記基準時刻記憶部14へ格納可能な形式へ変換
する。
【0036】一方、制御部17は、例えば、クライアン
ト装置1の起動時など、時刻処理部12に正しい時刻が
設定されていない場合に、メール通信部11へ指示し
て、自分宛の電子メール4をメールサーバ2へ送出させ
ることができる。また、当該電子メール4を送出した
後、当該電子メール4をメールサーバ2から読み出すよ
うに、メール通信部11へ指示することができる。な
お、メールサーバ2は、受信した電子メール4に、受信
時刻を添付した後、電子メール5として格納しているの
で、メール通信部11は、実際には、電子メール5を読
み出す。
【0037】ここで、メール通信部11が送出する電子
メール4は、自分宛の電子メールであれば、内容は問わ
ない。この場合、メール通信部11および制御部17
は、例えば、送信先が自らのメールアドレスであるか否
かなどによって、時刻設定用の電子メールを識別する。
ただし、時刻設定時に送受される電子メール4は、他の
電子メールと区別しやすいように、例えば、ヘッダ部分
41のタイトル(Subject )や、メール本体42の内容
などが、予め決められている方がよい。
【0038】上記各部11ないし17は、CPUが所定
のプログラムを実行することによって実現される機能ブ
ロックであってもよいし、同様の動作を行う回路であっ
てもよい。ただし、ソフトウェアで実現した場合は、記
録媒体あるいは通信路を介して、上記各プログラムを配
付し、通信機能を有するコンピュータに当該プログラム
を実行させるだけで、クライアント装置1を実現でき
る。したがって、ハードウェアで実現する場合に比べて
容易に配付できる。
【0039】上記構成のネットワークシステムにおい
て、クライアント装置1の時刻を設定する際の動作につ
いて、図2に基づき説明すると、以下の通りである。す
なわち、例えば、クライアント装置1の起動時など、時
刻処理部12の基準時刻記憶部14に正しい時刻が格納
されていない場合、制御部17は、メール通信部11へ
指示して、メールサーバ2に自分宛の電子メール4を送
出させる(S1a)。S1bにおいて、メールサーバ2
が当該電子メール4を受け取ると、S2bにおいて、メ
ール通信部21は、SMTPプロトコルに従って電子メ
ール4を処理し、電子メール4のヘッダ部分41の先頭
には、受信時刻を含む Received フィールドが追加され
る。これにより、電子メール4には、受信時刻が添付さ
れる。さらに、メール通信部21は、S3bにおいて、
受信時刻を添付した電子メール4を、電子メール5とし
て、スプール22へ格納する。
【0040】一方、クライアント装置1において、制御
部17は、メール通信部11へ指示して、上記S1aで
送出した電子メール4の受信要求を、メールサーバ2へ
送出させる(S2a)。メールサーバ2は、受信要求を
受け取ると(S4b)、これに応えて、上記電子メール
5をスプール22より読み出し、クライアント装置1へ
送出する(S5b)。当該電子メール5のヘッダ部分5
1には、上記S2bで添付された受信時刻も含まれてい
る。
【0041】上記クライアント装置1では、S3aにお
いて、上記電子メール5がメール通信部11へ受け取ら
れると、S4aにおいて、時刻設定部16は、電子メー
ル5のヘッダ部分51から、メールサーバ2が電子メー
ル4を受信した時刻を抽出する。さらに、時刻設定部1
6は、抽出した受信時刻を現在時刻として、時刻処理部
12の基準時刻記憶部14に格納する(S5a)。な
お、ティックカウンタ13は、基準時刻記憶部14に時
刻(基準時刻)が設定された時点でティック値を0クリ
アする。
【0042】ここで、時刻処理部12において、ティッ
クカウンタ13は、クライアント装置1の電源がオンの
間、所定の時間間隔でティック値を増加させる。したが
って、算出部15は、基準時刻が設定された後、当該基
準時刻とティック値とに基づいて、正しい現在時刻を出
力できる。
【0043】上記構成では、時刻処理部12に正しい時
刻が設定されいない場合、電子メールの送受によって、
時刻処理部12の時刻が設定される。したがって、クラ
イアント装置1は、正しい時刻を取得するために、バッ
テリバックアップされたRTCチップを設ける必要がな
い。また、RTCチップが設けられていないにも拘わら
ず、クライアント装置1の起動毎に、時刻処理部12へ
手動で時刻を設定する必要がないので、電源投入時の手
間を削減できる。
【0044】ここで、クライアント装置にNTPなどの
専用プロトコルを追加して現在時刻を設定する場合(比
較例)、NTPに従って、タイムサーバと通信するため
のプログラムが必要である。このプログラムは、時刻取
得用の通信などを自分で処理する必要があるため、通常
50キロバイト以上のメモリ量を消費する。一方、プリ
ンタサーバ、ルータあるいは組み込み型の電子機器な
ど、外部記録装置を持たず、半導体メモリでデータを記
憶するような電子機器では、搭載可能なメモリ量が制限
されており、電子メールのクライアント機能や時刻の取
得機能を実現するためのプログラムに使用可能なメモリ
量は、例えば、500キロバイト以下程度に抑えられて
いることが多い。したがって、一般に、現在時刻の取得
のためだけに、50キロバイトのメモリ量を割くことは
難しい。
【0045】これに対して、本実施形態に係るクライア
ント装置1では、通信処理は、既存のメール通信部11
が行っており、新たに設けられた時刻設定部16および
制御部17は、メール通信部11へ通信を指示したり、
メール通信部11が受信した電子メール5から受信時刻
を抽出するだけでよい。これらの処理は、通信処理に比
べて簡単な処理であり、例えば、5キロバイト以下のプ
ログラムで実現できる。この結果、NTPを設ける場合
に比べて、クライアント装置1に必要なメモリ量を十分
の一以下と大幅に削減でき、上述の電子機器に電子メー
ルのクライアント機能を付加する場合であっても、何ら
支障なく当該プログラムを実装できる。
【0046】さらに、受信時刻の記録は、電子メールの
伝送経路を追跡するために極めて有効であり、メールサ
ーバ2の基本的な機能として、殆どのメールサーバに備
えられている。したがって、上記クライアント装置1の
メールサーバ2として、従来と同様のメールサーバを使
用できる。加えて、上記専用プロトコルを用いる場合と
は異なり、時刻取得専用のタイムサーバを設ける必要が
ない。この結果、ネットワークシステムを特に変更せず
に、クライアント装置1を接続できるので、クライアン
ト装置1を設置する際の手間は、RTCチップを持った
クライアント装置と同等にまで抑えられる。
【0047】〔第2の実施形態〕ところで、上述の説明
では、クライアント装置1が電子メール5の受信に成功
する場合、すなわち、メールサーバ2が充分な処理速度
を有しており、クライアント装置1が電子メール5の受
信を要求するまでに、メールサーバ2が電子メール5を
送出可能な場合について説明した。
【0048】しかしながら、メールサーバ2の処理速度
が遅くなるに従って、メールサーバ2が電子メール4を
受信してから電子メール5を送出可能になるまでの時間
は、長くなる。この結果、上記受信要求を受け取って
も、電子メール5を送出できないことがある。
【0049】ここで、電子メール4が送出されてから受
信要求を出すまでの期間を、メールサーバ2の処理速度
に応じた長さに予め設定しておき、時刻設定部16が、
受信時刻と当該期間(オフセット時間)とを加えた時刻
を現在時刻として設定すれば、クライアント装置1は、
電子メール5を受け取ることができる。
【0050】ただし、メールサーバ2の処理速度は、メ
ールサーバ2自体の処理能力だけでなく、メールサーバ
2が電子メール4の受信と並列に処理している処理量な
どによっても変動するため、確実に電子メール5を受け
取るためには、この期間を充分に長く設定する必要があ
る。一方、時刻処理部12は、この期間が経過して、正
しい時刻が設定されるまでの間、正しい現在時刻を出力
できないので、より早い時点で、時刻処理部12を正常
動作させるためには、上記期間を短く設定する方がよ
い。この結果、この期間を適切な長さに設定することは
難しい。
【0051】これに対して、本実施形態では、メールサ
ーバ2の処理速度に拘わらず、できるだけ早い時点で現
在時刻を設定可能なクライアント装置について、図3な
いし図5に基づき説明する。すなわち、図3に示すよう
に、本実施形態に係るクライアント装置1aには、図1
に示す制御部17に代えて、制御部17aが設けられて
おり、受信に失敗した場合、所定の時間T〔秒〕が経過
した後に、メール通信部11へ指示して、電子メール5
の受信要求を再送出できる。
【0052】また、ソフトウェアあるいはハードウェア
によって実現されたリトライ回数カウンタ18aが、新
たに設けられており、受信要求の再送回数(リトライ回
数)を数えることができる。さらに、時刻設定部16に
代えて設けられた時刻設定部16aは、電子メール5か
ら抽出した受信時刻に、上記リトライ回数に応じたオフ
セット時間を加えて、時刻処理部12へ設定する時刻を
調整する。
【0053】なお、上記時刻設定部16aおよびリトラ
イ回数カウンタ18aが、特許請求の範囲に記載の調整
手段に対応している。また、残余の構成は、図1と同様
であるため、同じ機能を有する部材には、同じ参照符号
を付して説明を省略する。
【0054】上記構成では、図2に示す処理に代えて、
図4に示す処理が行われる。なお、図4では、説明の便
宜上、クライアント装置1aが行うステップのみを記載
している。すなわち、図2と同様に、クライアント装置
1aのメール通信部11は、S1aおよびS2aにおい
て、制御部17aの指示に応じて、電子メール4を送出
し(図5に示すt1の時点)、電子メール5の受信を要
求する(t2の時点)。さらに、S11aにおいて、メ
ール通信部11は、電子メール5の受信に成功したか否
かを判定する。
【0055】ここで、メールサーバ2は、時点t1から
t4までの期間、電子メール4を処理しており、図5に
て破線の矢印で示すように、電子メール5を送出できな
い。この結果、クライアント装置1aは、t2の時点で
は、電子メール5の受信に失敗する。
【0056】電子メール5の受信に失敗すると(上記S
11aにて No の場合)、リトライ回数カウンタ18a
は、S12aにおいて、リトライ回数を増加させる。さ
らに、S13aでは、制御部17aによって、リトライ
回数が、予め定められた規定回数S0 を超過しているか
否が判定される。規定回数S0 を越えていない場合、制
御部17aは、S14aにおいて、所定の時間(T秒)
が経過するまで待機した後、上記S2aの処理を行い、
再度、電子メール5の受信を試みる(t3の時点)。上
記S2a、S11aないしS14aの処理は、電子メー
ル5の受信に成功するまで繰り返される。
【0057】メールサーバ2は、t4の時点において、
電子メール5を送出可能になり、その後、t5の時点に
おいて、クライアント装置1aから受信要求を受け取る
と、当該要求に応えて、電子メール5を送出する(図中
では、実線の矢印で示す)。
【0058】クライアント装置1aが電子メール5の受
信に成功すると(上記S11aにてYES の場合)、時刻
設定部16は、図2と同様に、電子メール5から受信時
刻を抽出する(S4a)。さらに、時刻設定部16は、
リトライ回数に応じたオフセット時間と、受信時刻とに
基づいて、時刻処理部12の時刻を設定する(S15
a)。
【0059】例えば、リトライ回数がS回の場合、すな
わち、S回目で成功した場合、クライアント装置1aが
最初に受信要求を送出してから、最後に受信要求を送出
するまでの時間(t2からt5までの時間)は、T×S
秒である。したがって、時刻設定部16aは、オフセッ
ト時間として、T×S秒を上記受信時刻に加え、それに
より得られた時刻を現在時刻として時刻処理部12に設
定する。
【0060】これにより、時刻処理部12に時刻を設定
する際、メールサーバ2が電子メール4を受信してか
ら、電子メール5を送出するまでの時間に起因する誤差
が打ち消される。この結果、メールサーバ2の処理速度
が変動する場合であっても、常に正確な時刻を設定でき
る。加えて、メールサーバ2の処理速度が遅くなっても
確実に電子メール5を受信するために、受信要求を出す
時点を予め充分に遅く設定する場合と比較すると、クラ
イアント装置1aは、より早い時点で現在時刻を取得で
きる。
【0061】ところで、電子メール5の受信を規定回数
0 繰り返しても、成功しない場合(上記S13aにて
YES の場合)は、例えば、ネットワーク3の障害などに
よって、メールサーバ2へ電子メール4が届いていない
可能性がある。この場合、クライアント装置1aは、ス
テップS1a以降の処理を繰り返し、自分宛の電子メー
ル4を再送する。これにより、ネットワーク3に一時的
に障害が発生した場合であっても、何ら支障なく、現在
時刻を取得できる。
【0062】なお、本実施形態では、リトライ回数カウ
ンタ(18a)がリトライ回数を数え、時刻設定部(1
6a)がリトライ回数に応じて、オフセット時間を算出
しているが、オフセット時間を調整する方法は、これに
限るものではない。例えば、リトライ回数カウンタを設
ける代わりに、オフセット時間を記憶しておき、失敗す
る毎にオフセット時間を増加させてもよい。また、受信
の成否に応じて、リトライまでの時間を変化してもよ
い。受信の成否に応じて、オフセット時間を調整できれ
ば、本実施形態と同様の効果が得られる。
【0063】また、上記第1および第2の実施形態で
は、制御部(17・17a)は、起動時に基準時刻の取
得を指示しているが、取得を指示するタイミングは、こ
れに限るものではない。例えば、基準時刻記憶部(1
4)に格納されている基準時刻などに基づいて、時刻取
得の要否やタイミングを指示してもよい。
【0064】さらに、上記各実施形態では、時刻処理部
(12)の一例として、基準時刻記憶部などからなる構
成について説明したが、これに限るものではない。例え
ば、現在時刻を示す値が格納される記憶部を設け、所定
の時間間隔毎に、現在時刻値を更新してもよい。この場
合、時刻設定部(16・16a)が、電子メール(5)
から抽出した受信時刻に基づいて、上記記憶部の現在時
刻値を設定すれば、現在時刻を設定できる。なお、当該
構成では、クライアント装置(1・1a)は、上記記憶
部の現在時刻値を参照して現在時刻を取得する。いずれ
の構成であっても、クライアント装置の各部材から要求
された場合、現在時刻を出力でき、かつ、外部から現在
時刻を設定可能であれば、各実施形態と同様の効果が得
られる。
【0065】なお、上記各実施形態では、クライアント
装置とメールサーバ(2)とが同一のネットワークシス
テムに含まれている場合を例にして説明したが、これに
限らず、互いに異なるネットワークシステムに含まれて
いてもよい。両者が電子メールを送受できれば、同様の
効果が得られる。ただし、互いに異なるネットワークシ
ステムに含まれる場合には、電子メールの遅延による誤
差が発生する虞れがある。したがって、遅延が発生しな
いように、両者間の距離を短くする方が望ましい。
【0066】ところで、上記各実施形態では、クライア
ント装置の回路構成を簡略化するために、クライアント
装置の電源がオフの間、時刻処理部の動作が停止してい
る場合を例にして説明したが、これに限るものではな
い。本発明は、例えば、バッテリ・バックアップされた
RTCチップなどのハードウェアによって、上記時刻処
理部を実現した場合にも、以下のような効果が得られ
る。
【0067】具体的には、上記ハードウェアによって、
クライアント装置の電源がオフの期間も時刻処理部を動
作させると、クライアント装置のオン/オフに拘わら
ず、時刻処理部は、常に現在時刻を更新できる。ところ
が、この場合であっても、時刻処理部の製造時、あるい
は、バッテリの交換時など、時刻処理部が動作を開始す
る時点において、現在時刻の設定が不可欠である。さら
に、時刻を設定してからの経過時間が長くなるに従っ
て、時刻処理部の出力する時刻と実際の時刻との誤差が
大きくなる。例えば、一般的なRTCチップの場合、時
刻を設定してから年単位の時間が経過すると、分単位の
誤差が発生する虞れがある。したがって、精度を向上さ
せるためには、RTCチップが設けられている場合であ
っても、ある程度の時間が経過すると時刻を再設定する
方がよい。
【0068】ここで、上記各実施形態に係るクライアン
ト装置は、電子メールの送受によって、電子メールのク
ライアント装置の現在時刻を設定しているので、現在時
刻の手動入力が不要であるにも拘わらず、専用プロトコ
ルを用いる場合よりもメモリ量および回路規模を削減で
きる。この結果、メモリ量や回路規模および時刻設定の
手間を増大させることなく、時刻の精度を向上できる。
【0069】また、上記各実施形態では、電子メールの
送受プロトコルとして、SMTPなどを例にして説明し
たが、これに限るものではない。また、電子メールの形
式も上述の形式に限るものではない。受信した電子メー
ルに受信時刻を付加するようなプロトコルを採用したネ
ットワークシステムであれば、上記各実施形態と同様の
効果が得られる。
【0070】
【発明の効果】請求項1の発明に係る電子メールのクラ
イアント装置は、以上のように、自分宛の電子メールを
上記メールサーバへ送出し、かつ、上記メールサーバか
ら当該電子メールを受信するように指示する制御手段
と、受信した電子メールから抽出した受信時刻に基づい
て、現在の時刻を設定する時刻設定手段とを備えている
構成である。
【0071】当該構成によれば、電子メールの送受によ
って、現在時刻が設定されると共に、電子メールの送受
と時刻の設定との双方に、電子メールの送受用の通信手
段を共用できる。この結果、電源断中に時刻を更新する
回路に頼らずに現在時刻を取得でき、かつ、より少ない
メモリ量および回路規模で実装可能な電子メールのクラ
イアント装置を実現できるという効果を奏する。また、
時刻取得用のサーバを新たに設ける必要がないので、電
子メールのクライアント装置の設置に要する手間を削減
できるという効果を併せて奏する。
【0072】請求項2の発明に係る電子メールのクライ
アント装置は、以上のように、請求項1記載の発明の構
成において、上記通信手段は、送出した電子メールの受
信に失敗した場合、当該電子メールの受信を再度試みる
と共に、さらに、受信の成否に応じて、上記時刻設定手
段の設定する現在時刻と、上記受信時刻とのオフセット
を調整する調整手段が設けられている構成である。
【0073】上記構成によれば、電子メールのクライア
ント装置は、メールサーバが電子メールを送出可能にな
るまでの時間に応じて、オフセットの長さを調整でき
る。この結果、さらに正確に時刻を設定できるという効
果を奏する。
【0074】請求項3の発明に係るプログラムが記録さ
れた記録媒体は、以上のように、自分宛の電子メールを
メールサーバへ送出する送信工程と、上記メールサーバ
から、当該電子メールを受信する受信工程と、受信した
電子メールから、上記メールサーバが当該電子メールを
受信した時刻を抽出する抽出工程と、抽出された受信時
刻に基づいて、現在時刻を設定する時刻設定工程とを実
行するプログラムが記録されている構成である。
【0075】それゆえ、上記プログラムを実行すること
によって、請求項1と同様に、電源断中に時刻を更新す
る回路に頼らずに現在時刻を取得でき、かつ、より少な
いメモリ量で実装可能な電子メールのクライアント装置
を実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、電子メ
ールのクライアント装置とメールサーバとを含むネット
ワークシステムの要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記ネットワークシステムの動作を示すフロー
チャートである。
【図3】本発明の他の実施形態を示すものであり、電子
メールのクライアント装置とメールサーバとを含むネッ
トワークシステムの要部構成を示すブロック図である。
【図4】上記ネットワークシステムにおいて、クライア
ント装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】上記ネットワークシステムにおいて、クライア
ント装置が電子メールの受信に失敗した場合の動作を示
すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1・1a 電子メールのクライアント装置 2 メールサーバ 11 メール通信部(通信手段) 16 時刻設定部(時刻設定手段) 16a 時刻設定部(時刻設定手段;調整手段) 17・17a 制御部(制御手段) 18a リトライ回数カウンタ(調整手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G06F 12/00 545 G06F 13/00 351G 13/00 351 353V 353

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】予め定められた電子メール送受用のプロト
    コルに従い、メールサーバと電子メールを送受する通信
    手段が設けられた電子メールのクライアント装置におい
    て、 自分宛の電子メールを上記メールサーバへ送出し、か
    つ、上記メールサーバから当該電子メールを受信するよ
    うに、上記通信手段へ指示する制御手段と、 受信した電子メールのうちの上記プロトコルで定められ
    た部分から、上記メールサーバが当該電子メールを受信
    した時刻を抽出し、この受信時刻に基づいて、現在の時
    刻を設定する時刻設定手段とを備えていることを特徴と
    する電子メールのクライアント装置。
  2. 【請求項2】上記通信手段は、送出した電子メールの受
    信に失敗した場合、当該電子メールの受信を再度試みる
    と共に、 さらに、受信の成否に応じて、上記時刻設定手段の設定
    する現在時刻と上記受信時刻とのオフセット時間を調整
    する調整手段が設けられていることを特徴とする請求項
    1記載の電子メールのクライアント装置。
  3. 【請求項3】予め定められた電子メール送受用のプロト
    コルに従い、メールサーバと電子メールを送受する電子
    メールのクライアント装置として、コンピュータを動作
    させるためのプログラムが記録された記録媒体であっ
    て、 自分宛の電子メールをメールサーバへ送出する送信工程
    と、 上記メールサーバから、当該電子メールを受信する受信
    工程と、 受信した電子メールのうちの上記プロトコルで定められ
    た部分から、上記メールサーバが当該電子メールを受信
    した時刻を抽出する抽出工程と、 抽出された受信時刻に基づいて、現在時刻を設定する時
    刻設定工程とを実行するプログラムが記録された記録媒
    体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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