JPH11295763A - アクティブマトリクス型液晶表示装置 - Google Patents

アクティブマトリクス型液晶表示装置

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JPH11295763A
JPH11295763A JP731099A JP731099A JPH11295763A JP H11295763 A JPH11295763 A JP H11295763A JP 731099 A JP731099 A JP 731099A JP 731099 A JP731099 A JP 731099A JP H11295763 A JPH11295763 A JP H11295763A
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electrode
liquid crystal
crystal display
display device
active matrix
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JP731099A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Umeda
啓之 梅田
Yasushi Tomioka
冨岡  安
Sukekazu Araya
介和 荒谷
Katsumi Kondo
克己 近藤
Shigeru Matsuyama
茂 松山
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低駆動電圧の横電界方式アクティブマトリクス
型液晶表示装置を長時間使用した際に生じる輝度ムラの
低減。 【解決手段】横電界方式アクティブマトリクス型液晶表
示装置において、電極と配向制御層との間に有機物層を
形成することにより、電極上の絶縁膜や保護絶縁膜に生
じた欠陥部に有機物層が形成され、電極が液晶と接触す
ることを防ぐことができる。また、誘電体基板上に絶縁
膜を介して形成される電極、たとえば信号電極や画素電
極を酸化膜で覆うことにより、走査電極よりも正電位に
ある電極が液晶と接触することを防ぐことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置に係
り、特に薄膜トランジスタ(TFT)を使用して液晶を
駆動するアクティブマトリクス型液晶表示装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のアクティブマトリクス型液晶表示
装置においては、液晶層を駆動する電極は2枚の基板上
にそれぞれ形成された、対向している透明電極を用いて
いた。これは液晶に印加する電界の方向を基板表面にほ
ぼ垂直な方向とすることで動作する、ツイステッドネマ
チック(TN)方式を採用していたことによるものであ
る。一方、液晶に印加する電界の方向を基板表面にほぼ
平行にして視野角を飛躍的に拡大した横電界方式が、例
えば特公昭63−21907 号,USP4345249号,WO91/10936
号,特開平6−222397 号及び、特開平6−160878 号等に
より提案され、実用化されている。これらのアクティブ
マトリクス型液晶表示装置では、通常基板上の金属電極
が液晶と直接接触することを防ぐために、電極上に無機
物の絶縁膜や保護絶縁膜が窒化珪素等で形成されてい
る。これらの絶縁膜にはその製造工程において、例えば
窒化珪素の成膜不良やエッチング不良によりピンホール
のような欠陥が生じる場合がある。この様な欠陥が生じ
た液晶表示装置を長時間使用すると、以下のような理由
により、表示面に輝度ムラが生じる。電極を覆う絶縁膜
や保護絶縁膜にピンホールのような欠陥があると、その
欠陥部分では液晶と金属電極とが直接接触する。ここ
で、走査電極は薄膜トランジスタがオンになる僅かな選
択期間を除いたほとんどの期間、他の電極に対して10
V以上の負電位に維持される。従って、長時間にわたっ
て液晶表示装置を駆動すると、常時10V以上の直流電
圧が液晶層を介して走査電極や他の電極に印加されるよ
うになるため、電気化学反応が徐々に生じてイオン性不
純物が発生する。この結果、欠陥部分の近辺で液晶中の
イオン濃度が増加したり、生じたイオンが配向膜に吸着
したりして、液晶に印加される実効的な駆動電圧が局所
的に低下し輝度ムラが発生する。横電界方式における液
晶と金属電極とが直接接触することに起因して生じる輝
度ムラの低減方法として、TFT基板上の電極の高さと
保護絶縁膜の膜厚との関係や、電極形状,保護絶縁膜材
料を規定することにより保護絶縁膜に欠陥が生じること
を抑制する方法が特開平10−206857号に提案されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記の横電界方式の公
知技術では、基板上の電極段差構造に起因したクラック
状の保護絶縁膜欠陥の発生を抑制する方法が提案されて
いるが、窒化珪素の成膜不良やエッチング不良により生
じる保護絶縁膜の欠陥は抑制できないという問題があ
る。
【0004】また、従来の横電界方式では、電極上の絶
縁膜や保護絶縁膜に生じた欠陥により液晶と金属電極と
が直接接触すると、縦電界方式に比べて輝度ムラが特に
顕著に生じるという問題がある。横電界方式では液晶を
駆動するための電界の方向が基板面内方向であるため
に、不純物イオンの発生源から画素領域への拡散を助長
する。また、横電界方式では液晶層の厚さが縦電界方式
に比べて薄いため、1画素当たりの液晶層の体積が小さ
く、同じ量の不純物イオンの発生によっても縦電界方式
に比べて液晶層のイオン濃度が高くなる。さらに液晶層
の容量が縦電界方式の1/10程度であるため液晶層の
イオン濃度が増加した時に液晶層に印加される実効的な
電圧の低下が縦電界方式に比べて大きい。これらの要因
により横電界方式では縦電界方式に比べて輝度ムラが顕
著に生じる。
【0005】一方、従来の横電界方式液晶表示装置で
は、上記の輝度ムラを抑制するために窒化珪素の絶縁保
護膜を電極上に厚く形成していた。この様な構成とする
ことで成膜不良やエッチング不良により生じる窒化珪素
の欠陥数を減少させることができるが、横電界方式で
は、電極と液晶層の間の距離が遠くなるため駆動電圧が
上昇するという問題がある。つまり横電界方式では、長
期間使用した場合に生じる輝度ムラを抑制するために高
い液晶駆動電圧が必要であるという問題もある。
【0006】本発明はこれらの問題を解決するものであ
り、その目的は電極上の保護絶縁膜に欠陥が生じた場合
でも、電極と液晶の接触を抑制することにより液晶の劣
化を抑制して、長時間の駆動によっても輝度ムラを生じ
ない高画質で広視野角,低駆動電圧のアクティブマトリ
クス型液晶表示装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によるアクティブマトリクス型液晶表示装置
は、少なくとも一方が透明な一対の誘電体基板,該基板
間に誘電異方性を有する液晶組成物層,液晶を配向させ
るための配向制御層,誘電体基板上の電極群,偏光手
段,駆動電圧波形を発生させる駆動LSIを備え、これ
ら電極群のうち少なくとも1つの電極と配向制御層との
間に有機物層を有するようにしているものである。
【0008】上記手段によると、保護絶縁膜や絶縁膜に
欠陥が生じた場合でも金属電極が液晶と接触することを
防止できる。電極と配向制御層との間に有機物層を形成
すると、絶縁膜や絶縁保護膜に欠陥が生じた場合でも、
その欠陥部が有機物層で埋められるので、欠陥部での電
極と液晶との接触が防止され、電気化学反応によるイオ
ン性不純物の発生が抑制される。このとき、液晶に電圧
を印加する電極間の有機物層を除去して、有機物層が電
極部に選択的に形成された構成にすると、電極間におけ
る液晶層と電極との距離が離れず、電極間に印加した電
圧が有効に液晶層に印加されるので、駆動電圧の上昇を
抑制する効果が得られる。従って電極上の保護絶縁膜を
薄くした場合でも不純物イオンの発生を抑制することが
できるので、輝度ムラの抑制と駆動電圧の低減が同時に
可能となる。
【0009】また、前記有機物層を、絶縁保護膜や絶縁
膜の欠陥が電極上に生じた部分に選択的に形成すると、
絶縁保護膜や絶縁膜の欠陥部以外の電極上には有機物層
が形成されないので、駆動電圧をさらに低減する効果が
得られる。この様な有機物層としてはポリアミノ樹脂を
用いることができる。ポリアミノ樹脂は電着法で成膜す
ることができるので、樹脂溶液中で電圧印加することに
より電極が露出する欠陥部に選択的に成膜される。電着
法では、保護絶縁膜や絶縁膜に欠陥が生じた基板を対向
電極とともに樹脂溶液に浸漬して、基板上の電極と対向
電極との間に直流電圧を印加する。このとき、保護絶縁
膜の欠陥が電極上に生じた部分を電流は流れるため、保
護絶縁膜の欠陥が電極上で生じた部分に樹脂溶液中のポ
リマーが析出し、電極上の欠陥部分が選択的にポリマー
で覆われる。また、絶縁保護膜や絶縁膜の欠陥が電極上
に生じた部分に選択的に有機物層を形成する方法として
電解重合法を用いることもできる。電解重合法では保護
絶縁膜や絶縁膜に欠陥が生じた基板を対向電極とともに
原料モノマー溶液に浸漬して、基板上の電極と対向電極
との間に直流電圧を印加する。この時保護絶縁膜の欠陥
が電極上で生じた部分で電解重合が生じ、欠陥部分の電
極上に選択的にポリマーが形成されて電極が覆われる。
電解重合により形成されるポリマーは分子量の小さいモ
ノマーが電極上で重合して生成するので緻密な膜とな
る。また、モノマーが電極上で重合する際に気体の発生
を伴わないので、絶縁膜や保護絶縁膜の欠陥部分に気泡
が生じることなく緻密な有機膜が形成される。
【0010】尚、前記有機物が複素五員環化合物,芳香
族炭化水素,芳香族アミン,環状エーテルの少なくとも
1種を原料モノマーとするポリマーであることで、正極
性の電極上に電解重合による有機物を好適に形成するこ
とができる。
【0011】また、前記有機物はピロール,チオフォ
ン,フラン,インドール,ベンゼン,ナフタレン,アン
トランセン,アニリン,フェノール,テトラヒドロフラ
ンまたはこれらの誘電体のうち少なくとも1つを原料モ
ノマーとするポリマーである。また、前記有機物がビニ
ル化合物を原料モノマーとするポリマーであることで、
負極性の電極上に電解重合による有機物を好適に形成す
ることができる。
【0012】また、前記ビニル化合物はアクリロニトリ
ル,メタクリロニトリル,メチルアクリレート,メチル
メタクリレート,ブタジエン,スチレン,イソプレン,
α−メチルスチレンまたはこれらの誘電体である。
【0013】また、前記有機物が絶縁体であることで、
液晶と電極とが確実に絶縁され、電気化学反応によって
生じる液晶の劣化を抑制する効果が大きい。
【0014】また、前記液晶組成物中にシアノ基を有す
る化合物が少なくとも1種類含まれることで、駆動電圧
を低減することができるとともに、液晶組成物のインピ
ーダンスは低下するものの輝度ムラの発生を抑制するこ
とができる。
【0015】一方、本発明者らは、液晶と電極とが接触
して電気化学反応が生じる際、相対的に正電位になる電
極側で金属電極の溶解が生じ易いことを見出した。走査
電極上に絶縁膜を介して形成された信号電極などの電極
を酸化膜で覆うと、絶縁膜や絶縁保護膜に欠陥が生じた
場合でも、走査電極に対して10V以上も正電位にある
金属電極が液晶と接触しなくなり、金属電極の溶解が抑
制される。金属電極の溶解は、輝度ムラの原因となるイ
オン性不純物を発生させるので、金属電極の溶解を抑制
する上記の手段によって、輝度ムラの原因となるイオン
性不純物の発生を抑制することができる。また、電極を
覆う酸化膜を形成したことによって、電極上の保護膜が
多層構造になり、酸化膜の欠陥と保護絶縁膜の欠陥が同
じ場所に生じる確率が著しく低くなる。従って、酸化膜
の膜厚以上に保護絶縁膜の膜厚を薄くしても、輝度ムラ
の原因となる不純物イオンの発生を抑制する効果が得ら
れるので、輝度ムラの抑制と駆動電圧の低減が同時に可
能となる。
【0016】本発明によれば保護絶縁膜や絶縁膜の欠陥
が電極上に生じた場合でも金属電極が液晶と接触するこ
とを防止できるので、輝度ムラの抑制と保護絶縁膜の薄
膜化による駆動電圧の低減が同時に可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により説明
するが、これらの実施例は本発明の例示であり、本発明
の範囲を何等制限するものではない。
【0018】(実施例1)図1に本発明によるアクティ
ブマトリックス型液晶表示装置における画素の断面の一
部を示す。図1において、1は第1誘電体基板、2は共
通電極、3は自己酸化膜、4は絶縁膜、5は画素電極、
6は信号電極、7は保護絶縁膜、8は配向膜、9は液晶
層、10は有機物層、11はオーバーコート膜、12は
カラーフィルタ、13はブラックマトリクス、14は第
2誘電体基板、15は偏光板である。本発明におけるア
クティブマトリックス型液晶表示装置では、共通電極2
と画素電極5との間に、第1誘電体基板1の表面にほぼ
平行な電界を発生させ、液晶層9内の液晶分子を第1誘
電体基板1の表面に平行方向に回転させることによって
画像表示を行う。
【0019】以下に本実施例の具体的な構成を説明す
る。第1誘電体基板上には各種電極群、短絡を防ぐため
の絶縁膜,薄膜トランジスタ,薄膜トランジスタや電極
群を保護する保護絶縁膜が形成されTFT基板が構成さ
れる。
【0020】図2はTFT基板上の1画素とその周辺を
示す平面図である。また、図1に示した液晶表示装置の
画素の一部を表す断面構造は図2のA−A′切断線部分
に対応している。図2に示すように、各画素は走査電極
16と、共通電圧信号線17と、隣接する2本の信号電
極6との交差領域内(4本の信号線で囲まれた領域内)に
配置される。各画素は薄膜トランジスタ18,蓄積容量
19,画素電極5および共通電極2を含んでいる。走査
電極16,共通電圧信号線17は図では左右方向に延在
し、上下方向に複数本配置されている。信号電極6は上
下方向に延在し、左右方向に複数本配置されている。画
素電極5は薄膜トランジスタ18と接続され、共通電極
2は共通電圧信号線17と一体になっている。画素電極
5と共通電極2は互いに対向して櫛歯状に構成され、そ
れぞれ、図の上下方向に長細い電極となっている。
【0021】図3は図2のB−B′切断線における薄膜
トランジスタ18の断面を示す図である。薄膜トランジ
スタ18は、走査電極16と兼用のゲート電極,絶縁膜
4,i型半導体層20,画素電極5と兼用で一体に形成
されたソース電極,信号電極6と兼用で一体に形成され
たドレイン電極を有する。
【0022】共通電極2と走査電極16はアルミニウム
(Al)をパターニングすることによって形成されてい
る。さらに共通電極2と走査電極16には陽極酸化法に
よって形成した自己酸化膜3が形成されている。また、
信号電極6と交差する部分は信号電極6との間で短絡す
る確率を小さくするために細くし、さらに短絡した場合
でもレーザートリミングで切り離すことができるように
二股にしてある。
【0023】共通電極と走査電極16の上には絶縁膜が
窒化珪素で形成されており、本実施例における膜厚は約
0.24μm である。
【0024】i型半導体層20は、0.2μmの 非晶質
シリコンで形成されている。また、走査電極16と信号
電極6との交差部及び、共通電圧信号線17と信号電極
6との交差部での短絡を低減するために、これらの交差
部にもi型半導体層20が形成されている。
【0025】ソース電極,ドレイン電極とi型半導体層
20の間にはオーミックコンタクト用にi型半導体層2
0の表面にリン(P)をドープしたN(+)型非晶質シ
リコン半導体層21が形成されている。
【0026】信号電極6と画素電極5はクロム(Cr)
をパターニングすることによって形成されている。
【0027】薄膜トランジスタ18や信号電極6,画素
電極5上には0.3μm の保護絶縁膜7が窒化珪素で形
成されている。
【0028】ここで、絶縁膜4や保護絶縁膜7には、そ
の製造工程において、窒化珪素の成膜不良やエッチング
不良によって、例えばピンホールのような欠陥が生じる
場合がある。このような欠陥が絶縁膜4や保護絶縁膜7
に生じると走査電極16や信号電極6等の電極が液晶と
接触し、電気化学反応による不純物イオンの発生を助長
して輝度ムラを生じる。そこで、TFT基板を対向電極
とともにポリアミノ樹脂溶液に浸漬して、TFT基板上
の電極が対向電極に対して負極性となるように直流電圧
20Vを印加した。このような工程を実施することによ
り、絶縁膜4や保護絶縁膜7の欠陥が電極上に生じた部
分にポリアミノ樹脂が有機物層10として形成され電極
が覆われる。
【0029】本実施例では絶縁膜4や保護絶縁膜7の欠
陥が電極上に生じた場合でも、欠陥部に形成された有機
物層10により電極と液晶とが物理的に接触しなくな
る。この結果、電気化学反応によるイオン性不純物の発
生が抑制され、輝度ムラの発生を抑制する効果が得られ
る。
【0030】図4は第2の誘電体基板上にブラックマト
リクス13,カラーフィルタ12,オーバーコート膜1
1を順次形成して構成したカラーフィルタ基板である。
ブラックマトリクス13には、たとえば、カーボンや有
機顔料をレジスト材に混入した材料が用いられる。カラ
ーフィルタ12は赤,青,緑の繰り返しでストライプ状
に構成されている。カラーフィルタ12には、たとえば
アクリル樹脂に顔料を分散した材料が用いられる。オー
バーコート膜11は、たとえば、アクリル樹脂,エポキ
シ樹脂等の透明樹脂材料で形成される。
【0031】TFT基板の保護絶縁膜7上および、カラ
ーフィルタ基板のオーバーコート膜11上には配向膜8
として膜厚約80nmのポリイミドが形成されており、
液晶を配向させるためにその表面がラビング処理されて
いる。ラビング方向は上下基板で互いに平行であり、か
つ印加電界方向とのなす角度は75°になっている。液
晶層は、TFT基板とカラーフィルタ基板の間に構成さ
れ、両基板の配向膜を形成した面が液晶層に接してい
る。また、TFT基板とカラーフィルタ基板の間には、
液晶層の厚み(ギャップ)を一定に保つためのスペーサ
としてポリマビーズが分散され、両基板間の液晶層は表
示領域を取り囲むようにシール材で密封されている。シ
ール材としては、たとえば、エポキシ樹脂が用いられ
る。
【0032】液晶材料LCとしては、誘電率異方性Δε
が正でその値が7.3 、屈折率異方性Δnが0.074
(589nm,20℃)のネマチック液晶を用いた。液
晶層の厚み(ギャップ)は、上下基板間に分散したポリ
マビーズで制御し、4.0μmとした。
【0033】偏光板15は、TFT基板上の偏光板15
の偏光透過軸をラビング方向に一致させ、カラーフィル
タ基板上の偏向板15の偏光透過軸を、それに直交させ
てある。これにより、本発明の画素に印加される電圧
(画素電極5と共通電極2の間の電圧)を増加させるに
伴い、透過率が上昇するノーマリクローズ特性の液晶パ
ネルが得られる。
【0034】表示マトリクス部の等価回路とその周辺回
路の結線図を図5に示す。同図は回路図ではあるが、実
際の幾何学的配置に対応して描かれている。22は複数
の画素を2次元状に配列したマトリクス・アレイであ
る。図中、Xは信号電極6を意味し、添字G,Bおよび
Rがそれぞれ緑,青および赤画素に対応して付加されて
いる。Yは走査電極16を意味し、添字1,2,3,
…,end は走査タイミングの順序に従って付加されてい
る。走査電極Y(添字省略)は垂直走査回路23に接続
されており、信号電極X(添字省略)は映像信号駆動回
路24に接続されている。25は1つの電圧源から複数
の分圧した安定化された電圧源を得るための電源回路で
あり、ホスト(上位演算処理装置)からのCRT(陰極
線管)用の情報をTFT液晶表示装置用の情報に交換す
る回路や、共通電圧信号線17を駆動する回路を含めて
も良い。
【0035】図6は、液晶表示モジュール26の各構成
部品を示す分解斜視図である。27は金属板から成る枠
状のシールドケース(メタルフレーム)、28はその表
示窓、29は液晶表示パネル、30は映像信号駆動回路
基板、31は走査信号駆動回路基板、32は電源回路基
板、33は駆動回路基板どうしを電気的に接続するフラ
ットケーブル、34は光拡散板、35は導光体、36は
反射板、37はバックライト蛍光管、38はバックライ
トケース、39はインバータ回路であり、図に示すよう
な上下の配置関係で各部材が積み重ねられてモジュール
MDLが組み立てられている。
【0036】モジュール26は、シールドケース27に
設けられた爪とフックによって全体が固定されるように
なっている。バックライトケース38はバックライト蛍
光管37,光拡散板34,導光体35,反射板36を収
納する形状になっており、導光体35の側面に配置され
たバックライト蛍光管37の光を、導光体35,反射板
36,光拡散板34により表示面で一様なバックライト
にし、液晶表示パネル29側に出射する。バックライト
蛍光管37にはインバータ回路基板39が接続されてお
り、バックライト蛍光管37の電源となっている。
【0037】本実施例のアクティブマトリクス型液晶表
示装置は、上下左右160°以上においてコントラスト
比10以上を維持しつつ階調反転が生じない広視野角を
保持し、かつ連続100日間の使用によっても輝度ムラ
による表示不良は生じなかった。
【0038】(比較例1)本比較例は以下を除いて実施
例1と同じ構成である。
【0039】保護絶縁膜を形成した後、電着工程を実施
せずに配向膜を形成した。従って本比較例では、絶縁膜
や保護絶縁膜の欠陥部分に有機物層10が形成されない
ため、電極が液晶と配向膜を介して接触する。
【0040】このようにして得られたアクティブマトリ
クス型液晶表示装置は上下左右160度以上においてコン
トラスト比10以上を維持しつつ階調反転が生じない広
視野角ではあるが、連続して10日間使用したところ輝
度ムラが多数発生した。これは欠陥部における配向膜の
成膜性が悪く、配向膜による絶縁効果が低下したため
に、段差構造のある欠陥部分で電極と液晶とを十分に絶
縁できなかったためと考えられる。
【0041】(比較例2)本比較例は以下を除いて比較
例1と同じ構成である。
【0042】窒化珪素で形成した保護絶縁膜7の膜厚を
0.9μmとした。
【0043】本実施例のアクティブマトリクス型液晶表
示装置は、上下左右160度以上においてコントラスト
比10以上を維持しつつ階調反転が生じない広視野角を
保持し、かつ連続100日間の使用によっても輝度ムラ
による表示不良は生じなかったが、保護絶縁膜を厚膜化
したことにより、駆動電圧が実施例1に比べて0.7V
増加した。但し、ここでは液晶パネルの透過率が最大と
なる信号電圧を駆動電圧とした。この結果、映像信号駆
動回路などからの出力電圧では、液晶層を充分に駆動で
きなくなり、表示の輝度が低下した。
【0044】(実施例2)本実施例は以下を除いて実施
例1と同じ構成であり、有機物層10が電解重合法によ
り形成されている例である。
【0045】共通電極,走査電極16,信号電極6およ
び画素電極を白金(Pt)で形成し、保護絶縁膜を形成
後、ポリアミノ樹脂水溶液の代わりにテトラエチルアン
モニウムテトラフルオロボレイトを溶解させたアニリン
水溶液にTFT基板を対向電極と共に浸漬し、TFT基
板上の電極が対向電極に対して正極性となるように直流
電圧3.5V を印加した。このような工程を実施するこ
とにより、絶縁膜や保護絶縁膜の欠陥が電極上に生じた
部分で電解重合が生じポリアニリンが有機物層10とし
て緻密に形成される。
【0046】電解重合により形成されるポリマーは分子
量の小さいモノマーが電極上で重合して生成するので緻
密な膜となる。また、電着法では、保護絶縁膜の欠陥が
微細な場合、ポリマー分子が電極上に析出する際に水が
電気分解して生じるガスが微細な欠陥部分に気泡として
溜まるため、ポリマー溶液と電極との接触を妨げ、絶縁
膜が形成されない場合が生じるが、電解重合法ではモノ
マーが電極上で重合する際に気体の発生を伴わず欠陥部
分に気泡が生じないため、保護絶縁膜の欠陥が電着膜を
形成できないほど微細な場合でも欠陥部分に緻密な有機
膜が形成される。この結果、液晶と電極との接触を抑制
するのに十分な絶縁効果が得られる。したがって、電気
化学反応によるイオン性不純物の発生が抑制され、輝度
ムラの発生を抑制する効果が得られる。
【0047】本実施例では絶縁膜や保護絶縁膜の欠陥が
電極上に生じた場合でも、欠陥部に形成された緻密な有
機物層により電極と液晶とが物理的に接触しなくなる。
また、欠陥部分が有機物層10で埋められた後に絶縁性
の配向膜が形成されるので、配向膜による絶縁効果が欠
陥部分でも低下しない。従って有機物層10がポリアニ
リンのような半導体膜である場合でも、有機物層10に
よる物理的な遮蔽効果と配向膜による絶縁効果により、
電気化学反応によって生じる液晶の劣化が抑制され、輝
度ムラを抑制する効果が生じる。また、本実施例では有
機物層として芳香族アミンであるポリアニリンを用いた
が、電解重合により緻密な膜が正極性の電極上に形成さ
れる材料であれば特にこの材料に限定する必要はない。
この様な有機材料として、ポリピロール,ポリチオフェ
ン,ポリフラン等の複素五員環化合物,ポリ−p−フェ
ニレン,ポリナフタレン等の芳香族炭化水素,ポリアズ
レン,ポリインドール,ポリ−p−フェニレンオキシド
等の芳香族化合物、これらポリマーの原料モノマーやそ
の誘導体を少なくとも1種含むポリマーの共重合体等が
挙げられる。また、テトラヒドロフラン等の環状エーテ
ルを原料モノマーとして用いる事もできる。
【0048】本実施例のアクティブマトリクス型液晶表
示装置は、上下左右160°以上においてコントラスト
比10以上を維持しつつ階調反転が生じない広視野角を
保持し、かつ連続100日間の使用によっても輝度ムラ
による表示不良は生じなかった。
【0049】(比較例3)本比較例は以下を除いて実施
例2と同じ構成である。
【0050】共通電極2,走査電極16としてAlを、
信号電極66,画素電極5としてCrを用いた。さらに
共通電極2と走査電極16には信号電極66との交差部
での絶縁信頼性を向上させるために陽極酸化法によって
自己酸化膜3を形成した。このようにして得られたアク
ティブマトリクス型液晶表示装置では、表示面に線欠陥
や点欠陥が多数発生した。これは、電極材料として用い
たAlやCrは有機物層の原料モノマーであるアニリン
よりも酸化還元電位が低いため、電解重合工程でアニリ
ンが酸化されずに金属電極が酸化溶解して断線が生じた
ためである。従って、TFT基板を正極性として電解重
合膜を形成する場合には、TFT基板上の電極材料のう
ちで最も低い酸化還元電位の金属(本比較例においては
Al)よりも低い酸化還元電位を有する原料モノマーを
用いる必要がある。また、本明細書中ではTFT基板を
正極性とした電解重合工程で金属電極が溶解せずに有機
物層が形成される電圧条件が存在する場合に、原料モノ
マーの酸化還元電位がTFT基板上の電極群のうち最も
低い酸化還元電位を有する電極の酸化還元電位よりも低
いものとする。
【0051】(実施例3)本実施例は以下を除いて比較
例3と同じ構成である。
【0052】アニリン溶液の代わりにメチルメタクリレ
ートをアセトニトリルに溶解したメチルメタクリレート
溶液にTFT基板を対向電極と共に浸漬し、TFT基板
上の電極が対向電極に対して負極性となるように直流電
圧20Vを印加した。このような工程を実施することに
より、絶縁膜や保護絶縁膜の欠陥が電極上に生じた部分
で電解重合が生じポリメチルメタクリレートが有機物層
10として緻密に形成された。この結果、絶縁膜や保護
絶縁膜の欠陥が電極上に生じた場合でも、欠陥部に形成
された緻密な有機物層により電極と液晶が接触しなくな
るので、液晶の劣化が抑制され、輝度ムラを抑制する効
果が生じる。また、本実施例では欠陥部に形成される有
機物層が絶縁膜なので、液晶と電極とが確実に絶縁さ
れ、電気化学反応によるイオン性不純物の発生を抑制す
る効果が大きい。
【0053】また、本実施例では有機物層としてポリメ
チルメタクリレートを用いたが、電解重合により緻密な
膜が負極性の電極上に形成される材料であれば特にこの
材料に限定する必要はない。この様な有機材料として、
ポリアクリロニトリル,ポリメタクリロニトリル,ポリ
メチルアクリレート,ポリブタジエン,ポリスチレン,
ポリイソプレン,ポリメチルスチレン等のビニル化合物
や、これらのポリマーの原料モノマーやその誘導体を少
なくとも1種含むポリマーの共重合体等が挙げられる。
本実施例に示した様にTFT基板を負極性として電解重
合膜を形成する場合には、原料モノマーが各種電極群の
うちで最も還元され易い電極よりも還元され易ければ良
い。本明細書中ではTFT基板を負極性とした電解重合
工程で電極が還元されずに有機物層が形成される電圧条
件が存在する場合に、TFT基板上の電極群のうち最も
還元され易い電極よりも原料モノマーが還元され易いも
のとする。
【0054】本実施例のアクティブマトリクス型液晶表
示装置は、上下左右160°以上においてコントラスト
比10以上を維持しつつ階調反転が生じない広視野角を
保持し、かつ連続100日間の使用によっても輝度ムラ
による表示不良は生じなかった。
【0055】(実施例4)本実施例は以下を除いて実施
例3と同じ構成である。
【0056】TFT基板と対向基板の間に挟んだネマチ
ック液晶組成物にシアノ基を有する液晶化合物として4
−(4−シアノ−3,5−ジフルオロフェニル)ペンチ
ルシクロヘキサンを5重量%添加した。
【0057】シアノ基を有する液晶化合物は駆動電圧を
低減するために有効であるが、液晶層のインピーダンス
が低下し易いという問題がある。したがって電極と液晶
が接触した場合には電気化学反応によるイオン性不純物
の発生を助長する。しかしながら、本実施例のアクティ
ブマトリクス型液晶表示装置は、上下左右160°以上
においてコントラスト比10以上を維持しつつ階調反転
が生じない広視野角を保持し、かつ連続100日間の使
用によっても輝度ムラによる表示不良は生じなかった。
この様に、シアノ基を有する液晶化合物のような液晶層
のインピーダンスを低下させる液晶化合物を用いた場合
でも、絶縁膜や保護絶縁膜の欠陥部に形成された有機物
層の効果が十分に高いため、輝度ムラが発生しない高画
質な画像を得る事ができる。
【0058】(比較例4)本比較例は以下を除いて実施
例4と同じ構成である。
【0059】保護絶縁膜を形成した後、電解重合工程を
実施せずに配向膜を形成した。従って本比較例では、絶
縁膜や保護絶縁膜の欠陥部分に有機物層が形成されない
ため、電極が液晶と配向膜を介して接触する。
【0060】このようにして得られたアクティブマトリ
クス型液晶表示装置は上下左右160度以上においてコン
トラスト比10以上を維持しつつ階調反転が生じない広
視野角ではあるが、連続して2日間使用したところ輝度
ムラが多数発生した。これは欠陥部における配向膜の成
膜性が悪く、配向膜による絶縁効果が低下したために、
段差構造のある欠陥部分で電極と液晶とを十分に絶縁で
きなかったためと考えられる。また、液晶組成物以外は
同じ構成である比較例1に比べて輝度ムラが短期間の連
続使用で発生した理由は、シアノ基を有する液晶化合物
を用いたことにより液晶層のインピーダンスが低下し、
欠陥部での電気化学反応によるイオン性不純物の発生を
助長したためと考えられる。
【0061】(実施例5)図7に本実施例のアクティブ
マトリクス型液晶表示装置における画素の断面の一部を
示す。本実施例では電極上の保護絶縁膜上に有機絶縁膜
が有機物層10として形成されていることを除いて比較
例4と同じ構成である。有機絶縁膜としては、たとえば
アクリル樹脂,エポキシ樹脂,ポリイミドなどが用いら
れ、画素電極5と共通電極2との間の有機絶縁膜はフォ
トリソグラフィー技術を用いて除去されている。この様
に、画素電極5と共通電極2との間の開口部に有機絶縁
膜が形成されない構成にすることにより、開口部での液
晶層と電極との距離が離れないので、駆動電圧の上昇を
抑制する効果が得られるとともに、絶縁膜や保護絶縁膜
の欠陥が電極上に生じた場合でも、有機絶縁膜によって
電極と液晶とが接触しないので、輝度ムラを抑制する効
果が生じる。
【0062】本実施例のアクティブマトリクス型液晶表
示装置は、上下左右160°以上においてコントラスト
比10以上を維持しつつ階調反転が生じない広視野角を
保持し、かつ連続100日間の使用によっても輝度ムラ
による表示不良は生じなかった。
【0063】(実施例6)図8に本実施例のアクティブ
マトリクス型液晶表示装置における画素の断面の一部を
示す。本実施例では信号電極6上に信号電極6を覆うよ
うに0.3μm の電極保護膜40が酸化珪素で形成さ
れ、その上に0.3μm の保護絶縁膜7が窒化珪素で形
成されていることを除いて比較例4と同じ構成である。
このような構成にすることにより、窒化珪素の成膜不良
やエッチング不良によって数μm程度の比較的大きな欠
陥が保護絶縁膜7に生じた場合においても、電極保護膜
40の欠陥が同じ場所に生じる可能性は低いので、信号
電極6が液晶と接触することを有効に防ぐことができ
る。また、信号電極6と走査電極16の交差部では、信
号電極6が走査電極16に極めて接近した状態になって
いるとともに、信号電極6が走査電極16に対して10
V以上も高い正電位になっている。従って、この交差部
で保護絶縁膜7と絶縁膜4に欠陥が生じて信号電極6と
走査電極16が液晶中に露出すると、電気化学反応によ
る信号電極6の溶解が顕著に生じる。従って、走査電極
16との交差部が多数存在する信号電極6を電極保護膜
40で覆うことで、電気化学反応によるイオン性不純物
の発生が著しく抑制できる。
【0064】このようにして得られたアクティブマトリ
クス型液晶表示装置は上下左右160度以上においてコン
トラスト比10以上を維持しつつ階調反転が生じない広
視野角を保持し、かつ連続100日間の使用によっても
輝度ムラによる表示不良は生じなかった。
【0065】(実施例7)図9に本実施例のアクティブ
マトリクス型液晶表示装置における画素の断面の一部を
示す。本実施例では信号電極6と画素電極5を覆うよう
に0.3μm の電極保護膜40が酸化珪素で形成されて
いることを除いて実施例6と同じ構成である。
【0066】画素電極5には薄膜トランジスタ素子18
部を除いて走査電極16と重なる部分が無いため信号電
極6に比べると電気化学反応による溶解は生じにくい
が、その電位は走査電極16に対して10V以上も高く
なっている。従って、画素電極5を電極保護膜40で覆
うことにより保護絶縁膜7の欠陥部で走査電極16に対
して正極性となる電極が液晶と接触することを防ぐ効果
をより高めることができる。
【0067】このようにして得られたアクティブマトリ
クス型液晶表示装置は上下左右160度以上においてコン
トラスト比10以上を維持しつつ階調反転が生じない広
視野角を保持し、かつ連続100日間の使用によっても
輝度ムラによる表示不良は生じなかった。
【0068】(比較例5)本実施例は以下を除いて実施
例7と同じ構成である。
【0069】酸化珪素の電極保護膜を形成せずに、窒化
珪素の保護絶縁膜を膜厚0.6μmで形成した。
【0070】本実施例のアクティブマトリクス型液晶表
示装置は、上下左右160度以上においてコントラスト
比10以上を維持しつつ階調反転が生じない広視野角で
はあるが、連続して10日間使用したところ輝度ムラが
数ヶ所で発生した。これは膜厚0.6μm の窒化珪素で
は無欠陥の保護絶縁膜を形成できなかったためと考えら
れる。
【0071】(比較例6)本実施例は以下を除いて比較
例5と同じ構成である。
【0072】窒化珪素で形成した保護絶縁膜7の膜厚を
0.9μmとした。
【0073】本実施例のアクティブマトリクス型液晶表
示装置は、上下左右160度以上においてコントラスト
比10以上を維持しつつ階調反転が生じない広視野角を
保持し、かつ連続100日間の使用によっても輝度ムラ
による表示不良は生じなかったが、保護絶縁膜を厚膜化
したことにより実施例7と比べて駆動電圧が0.4V増
加した。但し、ここでは液晶パネルの透過率が最大とな
る信号電圧を駆動電圧とした。この結果、映像信号駆動
回路などからの出力電圧では、液晶層を充分に駆動でき
なくなり、表示の輝度が低下した。
【0074】(実施例8)本実施例は以下を除いて実施
例7と同じ構成である。
【0075】信号電極6と画素電極5の上を覆う電極保
護膜40を陽極酸化法により形成した自己酸化膜とし
た。また、信号電極6と画素電極5にはAl,Ta,N
b,Mo,Ti,Cuなどやこれらの合金を用い、その
自己酸化膜を電極保護膜40として用いても良い。この
ような構成により、高真空を必要とする酸化珪素を形成
するためのプラズマCVD工程が不必要となるため生産
性が向上する。
【0076】このようにして得られたアクティブマトリ
クス型液晶表示装置は上下左右160度以上においてコン
トラスト比10以上を維持しつつ階調反転が生じない広
視野角を保持し、かつ連続100日間の使用によっても
輝度ムラによる表示不良は生じなかった。
【0077】(実施例9)本実施例は以下を除いて実施
例7と同じ構成である。
【0078】信号電極6と画素電極5の上を覆う電極保
護膜40をITOで形成した。このような構成とするこ
とにより、電極保護膜40は内側の金属電極を保護する
機能と電極としての機能を兼ね備えることがわかった。
この結果、電極保護膜の部分も電極として機能するので
配線抵抗を低減することができる。また、電極保護膜4
0の厚さ分だけ画素電極5が液晶層9に近づくため、電
極と液晶層9の間で生ずる電圧降下が減り液晶を駆動す
る為の駆動信号電圧が液晶層9に有効に印加されるよう
になり、駆動電圧を0.2V 低減することができた。但
し、ここでは透過率最大となる信号電圧を駆動電圧とし
た。
【0079】導電性酸化膜が内側の金属電極を保護する
機能と電極としての機能を兼ね備えることができるのは
以下の理由によると考えられる。信号電極6や画素電極
5はTFTがOnとなる僅かな選択期間を除いたほとん
どの間、走査電極16に対して正電位となる。従って信
号電極6や画素電極5のイオン化による溶解は酸化反応
によって生ずる。ITOのように既に酸化されている導
電性酸化物はこれ以上の酸化が起こり難いので信号電極
6や画素電極5の電極保護膜として機能するのだと考え
られる。また、共通電極2が走査電極16の上層に絶縁
層を介して形成されている構成の場合には共通電極2の
電極保護膜40としても用いることができる。また、電
極保護膜40にはITOの代わりに酸化インジウム,酸
化スズ,酸化チタンなどの導電性酸化膜を用いても良
い。さらに、画素電極5や共通電極2などをこれらの導
電性酸化膜で形成して電極保護膜と兼用させても良く、
この場合は画素電極5や共通電極2などの電極上に保護
絶縁膜のような無機膜を形成しなくても良い。
【0080】このようにして得られたアクティブマトリ
クス型液晶表示装置は上下左右160度以上においてコン
トラスト比10以上を維持しつつ階調反転が生じない広
視野角を保持し、かつ連続100日間の使用によっても
輝度ムラによる表示不良は生じなかった。
【0081】
【発明の効果】本発明により横電界方式アクティブマト
リクス型液晶表示装置において、電極と配向制御層との
間に有機物層を形成するか、誘電体基板上に絶縁膜を介
して形成される電極、たとえば信号電極や画素電極をそ
れぞれ酸化膜で覆うことにより、長時間の使用によって
も輝度ムラの生じない高画質で、広視野角,低駆動電圧
の液晶表示装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示装置における単位画素内の断
面の一部を示す図。
【図2】本発明の液晶表示装置における1画素とその周
辺の電極構造の典型例を示す図。
【図3】本発明の液晶表示装置における薄膜トランジス
タ素子の断面図。
【図4】本発明の液晶表示装置におけるカラーフィルタ
基板の典型例を示す図。
【図5】本発明の液晶表示装置のマトリクス部とその周
辺を含む回路図。
【図6】本発明の液晶表示装置における液晶モジュール
の分解斜視図。
【図7】本発明の液晶表示装置の第5実施例における単
位画素内の断面の一部を示す図。
【図8】本発明の液晶表示装置の第6実施例における単
位画素内の断面の一部を示す図。
【図9】本発明の液晶表示装置の第7実施例における単
位画素内の断面の一部を示す図。
【符号の説明】
1…第1誘電体基板、2…共通電極、3…自己酸化膜、
4…絶縁膜、5…画素電極、6…信号電極、7…保護絶
縁膜、8…配向膜、9…液晶層、10…有機物層、11
…オーバーコート膜、12…カラーフィルタ、13…ブ
ラックマトリクス、14…第2誘電体基板、15…偏光
板、16…走査電極、17…共通電圧信号線、18…薄
膜トランジスタ、19…蓄積容量、20…i型半導体
層、21…N(+)型非晶質シリコン半導体層、22…
複数の画素を2次元状に配列したマトリクス・アレイ、
23…垂直走査回路、24…映像信号駆動回路、25…
電源回路、26…液晶表示モジュール、27…シールド
ケース、28…表示窓、29…液晶表示パネル、30…
映像信号駆動回路基板、31…走査信号駆動回路基板、
32…電源回路基板、33…フラットケーブル、34…
光拡散板,35…導光体、36…反射板、37…バック
ライト蛍光管、38…バックライトケース、39…イン
バータ回路基板、40…電極保護膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 克己 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 松山 茂 千葉県茂原市早野3300番地 株式会社日立 製作所電子デバイス事業部内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一方が透明な一対の誘電体基
    板,該基板間に誘電異方性を有する液晶組成物層,液晶
    を配向させるための配向制御層,誘電体基板上の電極
    群,偏光手段,駆動電圧波形を発生させる駆動LSIを
    備え、表示画素が、走査電極,共通電極,信号電極,画
    素電極及びアクティブ素子により前記誘電体基板上に構
    成されており、前記誘電体基板上の電極群は同一基板上
    に形成され、前記電極群が前記液晶組成物層に対して、
    主として基板面に平行な電界を印加する構造を有する液
    晶表示装置において、 前記電極群のうち少なくとも1つの電極と前記配向制御
    層との間に有機物層を有することを特徴とするアクティ
    ブマトリクス型液晶表示装置。
  2. 【請求項2】前記有機物層が前記電極部に選択的に形成
    されていることを特徴とする請求項1項記載のアクティ
    ブマトリクス型液晶表示装置。
  3. 【請求項3】前記有機物層がポリアミノ樹脂であること
    を特徴とする請求項2項記載のアクティブマトリクス型
    液晶表示装置。
  4. 【請求項4】前記有機物層が電解重合により形成された
    ことを特徴とする請求項2項記載のアクティブマトリク
    ス型液晶表示装置。
  5. 【請求項5】前記有機物層が複素五員環化合物,芳香族
    炭化水素,芳香族アミン,環状エーテルの少なくとも1
    種を原料モノマーとするポリマーであることを特徴とす
    る請求項4項記載のアクティブマトリクス型液晶表示装
    置。
  6. 【請求項6】前記有機物層がピロール,チオフェン,フ
    ラン,インドール,ベンゼン,ナフタレン,アントラセ
    ン,アニリン,フェノール,テトラヒドロフランまたは
    これらの誘導体のうち少なくとも1つを原料モノマーと
    するポリマーであること特徴とする請求項5項記載のア
    クティブマトリクス型液晶表示装置。
  7. 【請求項7】前記有機物層がビニル化合物を原料モノマ
    ーとするポリマーであることを特徴とする請求項4項記
    載のアクティブマトリクス型液晶表示装置。
  8. 【請求項8】前記ビニル化合物がアクリロニトリル,メ
    タクリロニトリル,メチルアクリレート,メチルメタク
    リレート,ブタジエン,スチレン,イソプレン,α−メ
    チルスチレンまたはこれらの誘導体であること特徴とす
    る請求項7項記載のアクティブマトリクス型液晶表示装
    置。
  9. 【請求項9】前記有機物層が有機絶縁膜であることを特
    徴とする請求項1項から請求項8項記載のアクティブマ
    トリクス型液晶表示装置。
  10. 【請求項10】前記電極群と前記配向制御層との間に無
    機物により形成される保護絶縁膜を備え、前記保護絶縁
    膜の一部が前記有機物層により形成されていることを特
    徴とする請求項1項から請求項9項記載のアクティブマ
    トリクス型液晶表示装置。
  11. 【請求項11】前記電極群を形成した基板を樹脂溶液中
    または前記モノマー溶液中に浸漬させ、前記電極群に電
    圧を印加する工程を含むことを特徴とする請求項2項か
    ら請求項10項記載のアクティブマトリクス型液晶表示
    装置の製造方法。
  12. 【請求項12】少なくとも一方が透明な一対の誘電体基
    板,該基板間に誘電異方性を有する液晶組成物層,液晶
    を配向させるための配向制御層、誘電体基板上の電極
    群,偏光手段,駆動電圧波形を発生させる駆動LSIを
    備え、表示画素が、走査電極,共通電極,信号電極,画
    素電極及びアクティブ素子により前記誘電体基板上に構
    成されており、前記誘電体基板上の電極群は同一基板上
    に形成され、前記電極群が前記液晶組成物層に対して、
    主として基板面に平行な電界を印加する構造を有する液
    晶表示装置において、 前記走査電極の前記液晶組成物層側の面上に絶縁層を介
    して形成された電極が酸化膜で覆われていることを特徴
    とするアクティブマトリクス型液晶表示装置。
  13. 【請求項13】前記酸化膜は前記電極の自己酸化膜であ
    ることを特徴とする請求項12項記載のアクティブマト
    リクス型液晶表示装置。
  14. 【請求項14】前記酸化膜は導電性酸化膜であることを
    特徴とする請求項12項記載のアクティブマトリクス型
    液晶表示装置。
  15. 【請求項15】前記電極はAl,Ta,Nb,Mo,C
    r,Ti,Cuのうち少なくとも1種を含むことを特徴
    とする請求項12項から請求項14項記載のアクティブ
    マトリクス型液晶表示装置。
  16. 【請求項16】前記電極は信号電極であることを特徴と
    する請求項12項から請求項15項記載のアクティブマ
    トリクス型液晶表示装置。
  17. 【請求項17】前記酸化膜を陽極酸化法により形成する
    ことを特徴とする請求項12項から請求項16項記載の
    アクティブマトリクス型液晶表示装置の製造方法。
  18. 【請求項18】前記液晶組成物層中にシアノ基を有する
    化合物が少なくとも1種類含まれることを特徴とする請
    求項1項から請求項10項および請求項12項から請求
    項16項記載のアクティブマトリクス型液晶表示装置。
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