JPH11293462A - 表面処理装置および方法 - Google Patents

表面処理装置および方法

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JPH11293462A
JPH11293462A JP10505698A JP10505698A JPH11293462A JP H11293462 A JPH11293462 A JP H11293462A JP 10505698 A JP10505698 A JP 10505698A JP 10505698 A JP10505698 A JP 10505698A JP H11293462 A JPH11293462 A JP H11293462A
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gas
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原料ガスを高圧にしても電極、熱フィラメン
ト等の部品が消耗したり、活性化領域が狭くなったりす
るなどの不都合をなくして、成膜等各種表面処理を高速
かつ高品質で行うとともに、高い原料ガス利用効率、高
いエネルギー効率を達成する。 【解決手段】 原料ガス6がシリンダ1内に密閉され、
ピストン2が下死点2aから上死点2bまで作動される
ことによってシリンダ1内の原料ガス6が断熱圧縮され
る。こうして断熱圧縮により、高い濃度の中性ラジカル
が得られ、この原料ガス6の中性ラジカルが、ピストン
2の上死点2b側に配置された基板10に供給されるこ
とで、成膜が高速かつ高品質に行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多結晶シリコン、
アモルファスシリコン、ダイヤモンド、CBN等の機能
性多結晶薄膜を基板上に成膜するなど、基板を表面処理
する装置および方法に関し、特に、高成膜速度で高品質
の膜を成膜することができる装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
より、トーチで発生させたアーク放電の熱エネルギーに
より、原料ガスをプラズマ化し、これをノズルを介し
て、プラズマジェットとして基板に噴射させることによ
り、基板上にダイヤモンド薄膜を気相合成により成膜す
るなどの表面処理を行う装置が、成膜加工などの分野で
採用されている。この種の技術として特開昭64−33
096号公報に記載されたものがある。
【0003】すなわち、多結晶シリコン、アモルファス
シリコン、ダイヤモンド、CBN等の機能性多結晶薄膜
を成膜するには、直流アーク放電によりアーク放電経路
を生成し、このアーク放電経路で発生する熱エネルギー
を、原料ガス(メタンガスなど)および水素、酸素、ハ
ロゲンガス、不活性ガスなどの放電ガス(プラズマ形成
用のガス)に与えることで、原料ガスの分解した中性ラ
ジカルおよびプラズマ形成用ガスの分解した原子状ガス
を生成するようにしている。
【0004】そして、これらアーク放電により励起され
た原料ガスおよびプラズマ形成用ガスが、ノズルを介し
て基板上まで到達され、基板上でダイヤモンド薄膜など
が成膜される。
【0005】この場合に、アーク放電により励起された
原料ガスおよびプラズマ形成用ガスの活性化状態を維持
して基板上まで到達させることが、高成膜速度で高品質
の薄膜を成膜する上で必要となる。
【0006】ここで、原料ガスの活性化率は、温度のみ
ならず、圧力も関係している。
【0007】たとえば、ダイヤモンド薄膜を成膜する場
合を想定する。
【0008】この場合、原料ガスであるCH4(メタ
ン)がCH3ラジカルと原子状水素Hに分解されるが、
この分解によって生成されたCH3ラジカルが成膜に寄
与する。したがって、CH3ラジカルの濃度を高くすれ
ば、成膜が高速で品質よく行われる。反応が進行し過ぎ
てCH3ラジカルが更に分解されると、成膜に寄与する
CH3ラジカルが減り、成膜が高速で品質よく行われな
くなる。
【0009】結局、反応がCH3ラジカルとHの分解に
とどまり、CH3ラジカル濃度が高くなり、成膜が高速
で品質よく行われるという温度範囲、圧力範囲が存在
し、それは図3に示される。
【0010】図3は、温度と圧力によって変化するCH
3ラジカル濃度を示している。ただし、CH4とH2が体
積比でそれぞれ5%、95%となっている場合である。
【0011】この図3からもわかるように、概ね290
0K〜3200KでCH3ラジカル濃度は最大となり、
圧力を100torrから760torr(1気圧)へ
と高くするほど、CH3ラジカル濃度を高くすることが
できる。
【0012】しかし、従来の直流アーク放電により原料
ガスの活性化を行う技術によれば、原料ガスを活性化に
適した温度にまで上昇させることはできるものの、さら
に活性化率を高めるために原料ガスの圧力を高くするこ
とはできない。
【0013】これは、原料ガスの圧力を高くすると、ア
ーク放電自体が困難となったり、電極の消耗が激しくな
るからである。また、圧力上昇によって、活性化できる
領域が非常に狭くなってしまうという問題もある。
【0014】また、アーク放電による方法は、原料ガス
の使用量が多く、電気エネルギーを投入したガスをチャ
ンバ外に排出しているため、原料ガスの利用効率および
電気エネルギーの利用効率が悪いという問題もある。
【0015】また、マイクロ波を原料ガスに投入して原
料ガスを活性化する方法において原料ガスの圧力を高く
する試みがなされているが、圧力を高くするほど活性化
できる領域が狭くなってしまい、高速で高品質の成膜を
行うことは難しい。
【0016】また、熱フィラメントにより原料ガスを加
熱して活性化する方法において原料ガスの圧力を高くし
た場合には、熱フィラメントの消耗が激しくなるので、
これを採用することはできない。
【0017】本発明は、こうした実状に鑑みてなされた
ものであり、原料ガスを高圧にしても電極、熱フィラメ
ント等の部品が消耗したり、活性化領域が狭くなったり
するなどの不都合をなくして、成膜等各種表面処理に高
速かつ高品質で行うとともに、高い原料ガス利用効率、
高いエネルギー効率を達成することができる表面処理装
置および表面処理方法を提供することを解決課題とする
ものである。
【0018】
【課題を解決するための手段および効果】そこで、本発
明の第1発明では、上記解決課題を達成するために、原
料ガスを所定の温度範囲でかつ所定の圧力範囲となる条
件で活性化して、この活性化したガスを基板に供給する
ことにより、当該基板を前記原料ガスにより表面処理す
る表面処理装置において、前記原料ガスをシリンダ内に
密閉して、ピストンを下死点から上死点まで作動させる
ことにより前記シリンダ内の原料ガスを断熱圧縮して、
前記ピストンの上死点側に配置された基板に、前記原料
ガスを供給するようにしている。
【0019】第1発明では、図1に示されるように、原
料ガス6がシリンダ1内に密閉され、ピストン2が下死
点2aから上死点2bまで作動されることによってシリ
ンダ1内の原料ガス6が断熱圧縮される。これによっ
て、原料ガス6が活性化に適した高い温度範囲であって
高い圧力にされ、成膜に寄与する活性種である中性ラジ
カルの濃度が高められる。しかも、断熱圧縮によりシリ
ンダ1内に密閉された原料ガス6が隅々まで活性化さ
れ、従来のように活性化領域が狭くなることはない。さ
らに、断熱圧縮による方法をとっており電極、熱フィラ
メント等を必要としないので、従来のようにこれらの部
品が消耗することはない。
【0020】こうして断熱圧縮により、高い濃度の中性
ラジカルが得られ、この多量の原料ガス6の中性ラジカ
ルが、ピストン2の上死点2b側に配置された基板10
に供給されることで、成膜が高速かつ高品質に行われ
る。さらに、断熱圧縮によりエネルギーを原料ガス6に
与えており、原料ガスの利用効率およびエネルギーの利
用効率を高めることができる。
【0021】また、第2発明では、第1発明において、
前記ストンが上死点まで作動されたときに前記原料ガス
が活性化に適した温度となるように、前記ピストンが下
死点にあるときに前記シリンダ内の原料ガスを予め所定
の温度まで上昇させておく予備加熱手段を、さらに具え
るようにしている。
【0022】第2発明によれば、予備加熱手段11によ
り、ピストン2が下死点2aにあるときにシリンダ1内
の原料ガス6が予め所定の温度まで上昇されておかれ、
ピストン2が上死点2bまで作動されたときに原料ガス
6が活性化に適した温度にされる。
【0023】また、第3発明では、第1発明において、
前記ピストンが上死点まで作動されたときにスキッシュ
流となって、前記原料ガスが前記基板上に供給されるよ
うに、前記シリンダと前記ピストンとの間にスキッシュ
エリアを形成するようにしている。
【0024】第3発明によれば、図2に示すように、シ
リンダ1とピストン2との間にスキッシュエリア20が
形成されており、ピストン2が上死点2bまで作動され
たときにスキッシュ流21となって、原料ガス6の中性
ラジカルが基板10上に供給される。このスキッシュ流
21は、流速の大きいジェット流であり、渦を発生する
スワール流である。
【0025】よって、スキッシュ流21によって、きわ
めて速い流速で原料ガス6の中性ラジカルが基板10に
到達する。また、原料ガス6がスワール流となることに
よって原料ガス6全体の温度が均一になるとともに、基
板全体にわたって均一に原料ガス6の中性ラジカルが到
達する。また、スキッシュエリア20から噴出されるジ
ェット流によって、シリンダ1とピストン2との間に存
在する全ての原料ガス6を隅々に至るまで、基板10上
に搬送することができ、原料ガス6の利用効率がさらに
高められる。
【0026】また、第4発明では、原料ガスを所定の温
度範囲でかつ所定の圧力範囲となる条件で活性化して、
この活性化したガスを基板に供給することにより、当該
基板を前記原料ガスにより表面処理する表面処理方法に
おいて、前記原料ガスをシリンダ内に密閉する密閉行程
と、前記ピストンを下死点から上死点まで作動させるこ
とにより前記シリンダ内の原料ガスを断熱圧縮する断熱
圧縮行程と、前記ピストンが上死点まで作動された際
に、前記ピストンによって断熱圧縮された前記原料ガス
を、上死点側に配置された基板に、供給するガス供給行
程とを具えている。
【0027】第4発明の方法によれば、第1発明の装置
と同様の効果が得られる。
【0028】また、第5発明では、第4発明において、
前記ピストンが上死点まで作動されたときに前記原料ガ
スが活性化に適した温度となるように、前記ピストンが
下死点にあるときに前記シリンダ内の原料ガスを予め所
定の温度まで上昇させておく予備加熱行程を、前記断熱
圧縮行程の前に実行するようにしている。
【0029】第5発明の方法によれば、第2発明の装置
の同様の効果が得られる。
【0030】また、第6発明では、原料ガスを所定の温
度範囲でかつ所定の圧力範囲となる条件で活性化して、
この活性化したガスを基板に供給することにより、当該
基板を前記原料ガスにより表面処理する表面処理方法に
おいて、前記原料ガスをシリンダ内に密閉する密閉行程
と、前記ピストンを下死点から上死点まで作動させるこ
とにより前記シリンダ内の原料ガスを断熱圧縮する断熱
圧縮行程と、前記ピストンが上死点まで作動された際
に、前記ピストンによって断熱圧縮された前記原料ガス
を、スキッシュ流にして、上死点側に配置された基板
に、供給するガス供給行程とを具えるようにしている。
【0031】第6発明の方法によれば、第3発明の装置
と同様の効果が得られる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る表面処理装置および方法の実施の形態について説明す
る。
【0033】なお、本実施形態では、表面処理として、
ダイヤモンド薄膜を成膜する場合を想定している。
【0034】図1は、実施形態の全体構成図であり、ダ
イヤモンド薄膜を気相成長させる装置を示している。図
2は、スキッシュ流発生の様子を示す図であり、図1の
一部を取り出して示したものである。
【0035】本実施形態装置は、図1、図2に示すよう
に、大きくは、原料ガス6が密閉されているシリンダ1
と、下死点2aから上死点2bまで作動されることによ
りシリンダ1内の原料ガス6を断熱圧縮するピストン2
と、ピストン2の上死点2b側に配置され、ピストン2
により圧縮された原料ガス6が供給される基板10とか
ら構成されている。
【0036】ピストン2は、油圧プレス3を駆動源とし
て、下死点2aから上死点2bまでの方向Aに向けてシ
リンダ1内を摺動しつつ下降移動されるとともに、上死
点2bから下死点2aまでの方向Bに向けてシリンダ1
内を摺動しつつ上昇移動される。ここで、ピストン2が
A方向に下降移動し、さらにB方向に上昇移動すること
で元の位置に復帰するまでの行程を、この実施形態では
1行程と呼ぶ。この明細書では、油圧プレス3に最も近
くなるピストン2の位置を下死点2aと呼び、油圧プレ
ス3から最も遠くなるピストン2の位置を上死点2bと
呼ぶ。
【0037】なお、油圧プレス3以外の駆動源を使用し
てもよい。
【0038】シリンダ1内は、シリンダ径の大きい予備
加熱室8と、基板10が配置された、シリンダ径の小さ
い成膜室9とに分かれている。
【0039】これらシリンダ1とピストン2による圧縮
比は、たとえば16に設定される。
【0040】シリンダ1内には、ガス供給路4を介し
て、原料ガス6と希釈用ガス7が供給される。この実施
形態では、原料ガス6は、CH4(メタン)ガスが使用
される。また、この原料ガス6を希釈するための希釈用
ガス7は、H2(水素)ガスが使用される。
【0041】水素ガス7に対するメタンガス6の体積比
は、1気圧下で、CH4/H2=5/95の比とする。
【0042】このような体積比の原料ガス6および希釈
用ガス7は、ガス供給路4に設けられたバルブ5が開か
れることによりシリンダ1の予備加熱室8に導入され
る。
【0043】シリンダ1には、予備加熱室8内に導入さ
れた原料ガス6および希釈用ガス7を、予め所定の温
度、たとえば500°C程度まで上昇させておくヒータ
11が配設されている。すなわち、ヒータ11は、ヒー
タ用電源12を電源として作動され、予備加熱室温度コ
ントローラ13によって制御される。予備加熱室温度コ
ントローラ13は、温度センサである熱電対14で検出
された予備加熱室8内の温度検出信号をフィードバック
信号として、予備加熱室8内の温度をフィードバック制
御する。つまり、予備加熱室温度コントローラ13から
ヒータ11に対して駆動制御信号が出力されることで予
備加熱室8内の温度が上記所定の温度まで上昇され、こ
の所定の温度に維持される。
【0044】また、基板10の下方には、この基板10
の温度を所定の温度に調整するための基板加熱用ヒータ
15が配設されている。すなわち、基板加熱用ヒータ1
5は、基板加熱用ヒータ電源17を電源として作動さ
れ、基板用温度コントローラ18によって制御される。
基板用温度コントローラ18は、温度センサである熱電
対16で検出された基板10の温度検出信号をフィード
バック信号として、基板10の温度をフィードバック制
御する。つまり、基板用温度コントローラ18から基板
加熱用ヒータ15に対して駆動制御信号が出力されるこ
とで基板10の温度が、ダイヤモンド薄膜生成のために
適正な反応温度、たとえば500°C〜1200°Cの
適正温度範囲内に保持される。なお、ピストン2が上死
点2bまで下降され、成膜がなされるときには、600
°C〜1200°Cの温度範囲内に保持される。
【0045】なお、ヒータ15以外に、冷却水を基板1
0の下面に向けて噴射することで基板10を冷却する冷
却装置を設けて、上記温度制御を行うようにしてもよ
い。
【0046】また、ピストン2の上昇下降の行程が数行
程がなされると、上記CH4/H2の体積比が5/95から
ずれてくることがある。そこで、数工程が繰り返された
なら、排気管路19を介して予備加熱室8内のガスを排
気して、体積比を調整してもよい。なお、この排気管路
19は排気時以外は、シリンダ1内のガスが排出されな
いように排気管路19は閉じられているものとする。
【0047】また、上記ピストン2は下降移動によって
断熱圧縮を行うものであり、シリンダ1の壁は断熱材料
で構成されている。ただし、基板10の下方に向かう方
向には熱が逃げられるようにしておく。
【0048】また、図2に示すように、シリンダ1とピ
ストン2との間には、スキッシュエリア20が形成され
ている。すなわち、シリンダ1の予備加熱室8の径に対
して成膜室9の径が小さくなっており、これによりスキ
ッシュエリア20が形成される。スキッシュエリア20
は、ピストン2が上死点2bに位置されたときにシリン
ダ1とピストン2との間に形成されるごく狭いすきまの
ことである。
【0049】ピストン2が上死点2bまで圧縮される
と、スキッシュエリア20から基板10に向けてスキッ
シュ流21が発生する。スキッシュ流21は、流速の大
きいジェット流であり、渦を発生するスワール流であ
る。
【0050】つぎに、図1に示す装置を用いて行われる
成膜処理の手順について説明する。
【0051】(行程1)原料ガス6および希釈ガス7の
導入 まず、バルブ5が開かれ、ガス供給路4を介して、水素
ガス7に対するメタンガス6の体積比が、1気圧下で、
CH4/H2=5/95の比となるように、これら原料ガス
6および希釈用ガス7が、シリンダ1の予備加熱室8内
に導入される。ガス導入後は、バルブ5が閉じられる。
【0052】(行程2)予備加熱および基板温度調整 つぎに、予備加熱室温度コントローラ13によりヒータ
11が制御され、シリンダ1の予備加熱室8内に導入さ
れた原料ガス6および希釈用ガス7の温度が、予め50
0°C程度まで上昇され、この温度に保持される。
【0053】また、基板用温度コントローラ18により
基板加熱用ヒータ15が制御され、基板10の温度が、
ダイヤモンド薄膜生成のために適正な反応温度、たとえ
ば500°C〜1200°Cの適正温度範囲内に保持さ
れる。なお、ピストン2が上死点2bまで下降され、成
膜がなされるときには、600°C〜1200°Cの温
度範囲内に保持される。
【0054】なお、つぎの断熱圧縮行程で、ピストン2
が上死点2bに到達したときに原料ガス6を活性化に適
した温度範囲(1500°C〜3500°C)まで上昇
させることができるのであれば、上記予備加熱の処理を
省略する実施も可能である。
【0055】(行程3)断熱圧縮行程 つぎに、油圧プレス3が駆動されることにより、ピスト
ン2が下死点2aから上死点2bまで矢印A方向に下降
移動され、これによりシリンダ1内の原料ガス6および
希釈用ガス7が断熱圧縮される。これによって、原料ガ
スであるCH4が活性化に適した高い温度範囲、たとえ
ば1500°C〜3500°Cまで上昇されるととも
に、活性化率の高い大きな圧力まで上昇される。このた
め、CH4の分解反応は、CH4→CH3+Hにとどま
り、成膜に寄与する中性ラジカルCH3の濃度が高めら
れる。
【0056】しかも、断熱圧縮によってシリンダ1内に
密閉された原料ガス6が隅々まで活性化され、従来のよ
うに活性化領域が狭くなることはない。さらに、断熱圧
縮による方法をとっており電極、熱フィラメント等を必
要としないので、従来のようにこれらの部品が消耗する
ことはない。
【0057】こうして断熱圧縮により、高い濃度の中性
ラジカルCH3が得られ、この多量の中性ラジカルCH3
が、ピストン2の上死点2b側に配置された基板10に
供給されることで、成膜が高速かつ高品質に行われる。
さらに、断熱圧縮によりエネルギーを原料ガス6に与え
ているので、原料ガス6の利用効率およびエネルギーの
利用効率を高めることができる。
【0058】しかも、本実施形態によれば、シリンダ1
とピストン2との間にスキッシュエリア20が形成され
ており、ピストン2が上死点2bまで作動されたときに
スキッシュ流21となって、原料ガス6の中性ラジカル
CH3が基板10上にきわめて速い流速で到達する。
【0059】また、原料ガス6がスワール流となること
によって原料ガス6全体の温度が均一になるとともに、
基板10の全体にわたって均一に原料ガス6の中性ラジ
カルCH3が到達する。また、スキッシュエリア20か
ら噴出されるジェット流によって、シリンダ1とピスト
ン2との間に存在する全ての原料ガス6を隅々に至るま
で、基板10上に搬送することができ、原料ガス6の利
用効率がさらに高められる。
【0060】このようにしてスキッシュエリア20を設
けることによって、さらに成膜の速度、成膜の品質を高
めることができる。
【0061】(行程4)ピストン保持 ピストン2は、上死点2b位置に、0〜数分保持され
る。保持時間は、成膜の種類等に応じて決定される。
【0062】(行程5)ピストン上昇 その後、油圧プレス3が駆動されることにより、ピスト
ン2が下死点2aまで上昇移動される。そして、基板1
0上のダイヤモンド成膜で消費された分の炭素(C)を
補充するために、バルブ5が開かれ、原料ガスであるメ
タン(CH4)がガス供給路4からシリンダ1の予備加
熱室8内に、補充に必要な分だけ導入される。
【0063】以上が1行程である。以後、手順は行程2
に移行され、同様の処理が繰り返し実行される。
【0064】なお、数行程がなされると、上記CH4/H
2の体積比が理想の体積比5/95からずれてくることが
ある。そこで、数行程が繰り返されたなら、排気管路1
9を開き、予備加熱室8内のガスを排気して、体積比を
調整してもよい。なお、この排気処理が不要であるなら
ば、排気管路19の配設を省略する実施も可能である。
【0065】以上説明した実施形態では、ダイヤモンド
薄膜を成膜加工する場合を想定しているが、本発明とし
ては、原料ガスを基板に到達させることで表面処理を行
うものであれば、エッチング、酸化、窒化等の各種表面
処理に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施形態装置の構成を示す図で
ある。
【図2】図2は図1に示す装置でスキッシュ流が発生す
る様子を示す図である。
【図3】図3は温度と圧力によって変化するラジカル濃
度を示す図である。
【符号の説明】
1 シリンダ 2 ピストン 4 ガス供給路 6 原料ガス 7 希釈用ガス 8 予備加熱室 9 成膜室 10 基板 11 ヒータ 13 予備加熱室温度コントローラ 15 基板加熱用ヒータ 18 基板用温度コントローラ 20 スキッシュエリア 21 スキッシュ流

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料ガスを所定の温度範囲でかつ所
    定の圧力範囲となる条件で活性化して、この活性化した
    ガスを基板に供給することにより、当該基板を前記原料
    ガスにより表面処理する表面処理装置において、 前記原料ガスをシリンダ内に密閉して、ピストンを下死
    点から上死点まで作動させることにより前記シリンダ内
    の原料ガスを断熱圧縮して、前記ピストンの上死点側に
    配置された基板に、前記原料ガスを供給するようにした
    表面処理装置。
  2. 【請求項2】 前記ピストンが上死点まで作動され
    たときに前記原料ガスが活性化に適した温度となるよう
    に、前記ピストンが下死点にあるときに前記シリンダ内
    の原料ガスを予め所定の温度まで上昇させておく予備加
    熱手段を、さらに具えるようにした請求項1記載の表面
    処理装置。
  3. 【請求項3】 前記ピストンが上死点まで作動され
    たときにスキッシュ流となって、前記原料ガスが前記基
    板上に供給されるように、前記シリンダと前記ピストン
    との間にスキッシュエリアを形成するようにした請求項
    1記載の表面処理装置。
  4. 【請求項4】 原料ガスを所定の温度範囲でかつ所
    定の圧力範囲となる条件で活性化して、この活性化した
    ガスを基板に供給することにより、当該基板を前記原料
    ガスにより表面処理する表面処理方法において、 前記原料ガスをシリンダ内に密閉する密閉行程と、 前記ピストンを下死点から上死点まで作動させることに
    より前記シリンダ内の原料ガスを断熱圧縮する断熱圧縮
    行程と、 前記ピストンが上死点まで作動された際に、前記ピスト
    ンによって断熱圧縮された前記原料ガスを、上死点側に
    配置された基板に、供給するガス供給行程とを具えた表
    面処理方法。
  5. 【請求項5】 前記ピストンが上死点まで作動され
    たときに前記原料ガスが活性化に適した温度となるよう
    に、前記ピストンが下死点にあるときに前記シリンダ内
    の原料ガスを予め所定の温度まで上昇させておく予備加
    熱行程を、 前記断熱圧縮行程の前に実行するようにした請求項4記
    載の表面処理装置。
  6. 【請求項6】 原料ガスを所定の温度範囲でかつ所
    定の圧力範囲となる条件で活性化して、この活性化した
    ガスを基板に供給することにより、当該基板を前記原料
    ガスにより表面処理する表面処理方法において、 前記原料ガスをシリンダ内に密閉する密閉行程と、 前記ピストンを下死点から上死点まで作動させることに
    より前記シリンダ内の原料ガスを断熱圧縮する断熱圧縮
    行程と、 前記ピストンが上死点まで作動された際に、前記ピスト
    ンによって断熱圧縮された前記原料ガスを、スキッシュ
    流にして、上死点側に配置された基板に、供給するガス
    供給行程とを具えた表面処理方法。
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