JPH11288336A - 赤外線通信モジュール - Google Patents

赤外線通信モジュール

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Publication number
JPH11288336A
JPH11288336A JP35131898A JP35131898A JPH11288336A JP H11288336 A JPH11288336 A JP H11288336A JP 35131898 A JP35131898 A JP 35131898A JP 35131898 A JP35131898 A JP 35131898A JP H11288336 A JPH11288336 A JP H11288336A
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JP
Japan
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light
infrared
communication module
infrared light
scanning mechanism
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JP35131898A
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Inventor
Kiminori Sato
公紀 佐藤
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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  • Photo Coupler, Interrupter, Optical-To-Optical Conversion Devices (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のIrDA方式の赤外線通信では、通信
途中において、一方の情報機器の指向角が±30度以上
に傾いてしまうと、通信が遮断してしまうという不都合
があった。 【解決手段】 本発明は、LEDとLEDドライバから
成る発光部6と、フォトセンサと受信アンプから成る受
光部9と、赤外光以外の光が入射するのを防止する光学
フィルタ10と、空間を通過して多方向から入射する赤
外光を反射する1枚の微小ミラーの移動によりスキャン
して前記フォトセンサへ誘導するスキャン機構部11
と、スキャン機構部11のスキャン動作を制御するコン
トローラ12とを備え、コントローラ12は、スキャン
機構部11をスキャン動作させて通信相手側から送られ
る赤外光をフォトセンサ7に導き、さらに、通信相手側
からの赤外光をフォトセンサ7の中心で受光するように
スキャン機構部11を制御し、記受光部9は、受光した
赤外光を電気信号に変換する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報機器間のワイ
ヤレス通信に使用される赤外線通信モジュールに関す
る。
【0002】
【従来の技術】情報機器間のワイヤレス通信として、I
rDA(Infrared DataAssociat
ion)方式の赤外線通信が多く使われている。図22
は、従来のIrDA方式の赤外線通信の概略図、図23
は従来の赤外線通信モジュール51の概略図である。赤
外線通信モジュール51は、赤外線トランシーバ52と
モジュレータ3とから構成される。
【0003】赤外線トランシーバ52は、LED4とL
EDドライバ5からなる発光部6と、フォトダイオード
(以下、PDと記す)53と受信アンプ8からなる受光
部54と、赤外光以外の光(主に可視光)をカットする
光学フィルタ10から構成される。また、モジュレータ
3は、送信データを変調して発光部6に送る変調器55
と、受光部54によって受信された信号を復調して受信
データに変換する復調器56から構成される。
【0004】従来の赤外線通信モジュール51の動作に
ついて説明する。送信データ(シリアル)は、変調器5
5によりパルス幅変調をかけられた後、LEDドライバ
5に送られ、LED4により光信号に変換される。一
方、通信相手から送られた光信号は、PD53により電
気信号に変換された後、受信アンプ8により増幅され、
復調器56により復調されて、受信データ(シリアル)
として出力される。
【0005】送受信を同時に行うと、PD53には通信
相手である赤外線通信モジュール51’からの受信光だ
けでなく、自らの発信光も入力されてしまうため、信号
の分離が困難となる。そこで、IrDA方式では、送信
と受信とを時間的にずらして交互に実施する、いわゆる
半2重通信方式を採用する。また、IrDA方式では、
他の赤外線通信システムへの干渉や、外来光の影響を抑
えた通信を実現するため、通信距離を0〜1m、発光側
の指向角±15度〜±30度、受光側の指向角を±15
度に規定している。したがって、情報機器間でIrDA
方式の赤外線通信を行う場合は、お互いのIrポート
(赤外線通信モジュールの入出力ポート)を1m以内
で、ほぼ対面するように配置する必要があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のIrDA方式の
赤外線通信では、上述した情報機器間の配置上の制限が
ある。また、通信途中において、一方の情報機器の指向
角が±30度以上に傾いてしまうと、通信が遮断してし
まうという不都合があった。そこで、上記不都合を改善
するための手法として、従来から赤外光そのものの発光
指向角や受光指向角を拡大することが提案されている。
【0007】しかし、発光指向角や受光指向角を拡大す
ると、外来光や他の赤外線通信システムの影響を受けや
すくなり、S/Nを十分に確保できないといった問題点
がある。そこで本発明は、外来光などの影響を受けず
に、指向角の拡大を可能とした赤外線通信モジュールを
提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1記載の発明は、LEDとLEDドライバか
ら成る発光部と、フォトセンサと受信アンプから成る受
光部と、赤外光以外の光が入射するのを防止する光学フ
ィルタと、空間を通過して多方向から入射する赤外光を
反射する1枚の微小ミラーの移動によりスキャンして前
記フォトセンサへ誘導するスキャン機構部と、前記スキ
ャン機構部のスキャン動作を制御するコントローラとを
備え、前記コントローラは、前記スキャン機構部をスキ
ャン動作させて通信相手側から送られる赤外光を前記フ
ォトセンサに導き、さらに、通信相手側からの赤外光を
前記フォトセンサの中心で受光するように前記スキャン
機構部を制御し、前記受光部は、受光した赤外光を電気
信号に変換することを特徴とする。
【0009】また、請求項2記載の発明は、LEDとL
EDドライバから成る発光部と、フォトセンサと受信ア
ンプから成る受光部と、赤外光以外の光が入射するのを
防止する光学フィルタと、空間を通過して多方向から入
射する赤外光を反射する1枚の微小ミラーの移動により
スキャンして前記フォトセンサへ誘導するスキャン機構
部と、前記スキャン機構部のスキャン動作を制御するコ
ントローラとを備え、前記コントローラは、前記スキャ
ン機構部をスキャン動作させて通信相手側から送られる
赤外光を前記フォトセンサに導き、さらに、通信相手側
からの赤外光を前記フォトセンサの中心で受光するよう
に前記スキャン機構部を制御し、前記受光部が受光した
赤外光を電気信号に変換して受光動作を終了した後、前
記コントローラは、受光動作終了時における赤外光の入
射角度を保持するように前記スキャン機構部を制御し、
前記発光部から出射する赤外光を前記スキャン機構部を
介して通信相手側に送ることを特徴とする。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の赤外線通信モジュールにおいて、前記スキャン機
構部は、1枚の微小ミラーと、平行な2平面上で相互に
直角をなす位置関係にあって前記1枚の微小ミラーを支
持する2組のヒンジと、前記2組のヒンジにねじり力を
与えるアクチュエータとにより構成され、前記アクチュ
エータは、前記ヒンジをそれぞれねじることにより、前
記1枚の微小ミラーの傾き角度を2自由度にわたり変化
させて赤外光の入出射角度を調整することを特徴とす
る。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項1または2
記載の赤外線通信モジュールにおいて、前記スキャン機
構部は、1枚の微小ミラーと、前記1枚の微小ミラーを
支持し、かつ、傾斜自在に設けられた支柱と、前記1枚
の微小ミラーの裏面に取り付けられたマグネットおよび
このマグネットと体面するように取り付けられたコイル
からなる電磁アクチュエータとにより構成され、前記電
磁アクチュエータが前記支柱を傾けることにより、前記
微小ミラーの傾き角度を2自由度にわたり変化させて赤
外光の入出射角度を調整することを特徴とする。
【0012】請求項5記載の発明は、請求項1または2
記載の赤外線通信モジュールにおいて、前記スキャン機
構部は、1枚の微小ミラーと、前記1枚の微小ミラーを
支持し、かつ、傾斜自在に設けられた支柱と、前記支柱
を移動させる圧電アクチュエータとにより構成され、前
記圧電アクチュエータが前記支柱を傾けることにより、
前記1枚の微小ミラーの傾き角度を2自由度にわたり変
化させて赤外光の入出射角度を調整することを特徴とす
る。
【0013】請求項6記載の発明は、LEDとLEDド
ライバから成る発光部と、フォトセンサと受信アンプか
ら成る受光部と、赤外光以外の光が入射するのを防止す
る光学フィルタと、空間を通過して多方向から入射する
赤外光の進行方向を変更させつつ透過させる透過部の移
動によりスキャンして前記フォトセンサへ誘導するスキ
ャン機構部と、前記スキャン機構部のスキャン動作を制
御するコントローラとを備え、前記コントローラは、前
記スキャン機構部をスキャン動作させて通信相手側から
送られる赤外光を前記フォトセンサに導き、さらに、通
信相手側からの赤外光を前記フォトセンサの中心で受光
するように前記スキャン機構部を制御し、前記受光部
は、受光した赤外光を電気信号に変換することを特徴と
する。
【0014】請求項7記載の発明は、LEDとLEDド
ライバから成る発光部と、フォトセンサと受信アンプか
ら成る受光部と、赤外光以外の光が入射するのを防止す
る光学フィルタと、空間を通過して多方向から入射する
赤外光の進行方向を変更させつつ透過させる透過部の移
動によりスキャンして前記フォトセンサへ誘導するスキ
ャン機構部と、前記スキャン機構部のスキャン動作を制
御するコントローラとを備え、前記コントローラは、前
記スキャン機構部をスキャン動作させて通信相手側から
送られる赤外光を前記フォトセンサに導き、さらに、通
信相手側からの赤外光を前記フォトセンサの中心で受光
するように前記スキャン機構部を制御し、前記受光部が
受光した赤外光を電気信号に変換して受光動作を終了し
た後、前記コントローラは、受光動作終了時における赤
外光の入射角度を保持するように前記スキャン機構部を
制御し、前記発光部から出射する赤外光を前記スキャン
機構部を介して通信相手側に送ることを特徴とする。
【0015】請求項8記載の発明は、請求項6または7
記載の赤外線通信モジュールにおいて、前記透過部は、
平行に配置される凹レンズおよび凸レンズであり、前記
スキャン機構部は、前記凹レンズおよび前記凸レンズの
うち一方のレンズが支持される平行リンクと、他方のレ
ンズが固定される固定部と、前記平行リンクの側部に取
り付けたマグネットおよびこのマグネットと対面するよ
うに固定側に取り付けられたコイルからなる電磁アクチ
ュエータとにより構成され、前記電磁アクチュエータ
は、前記平行リンクを2自由度にわたり並進運動させ
て、透過する赤外光の入出射角度を調整することを特徴
とする。
【0016】請求項9記載の発明は、請求項6または7
記載の赤外線通信モジュールにおいて、前記透過部は、
光ファイバーであり、前記スキャン機構部は、前記光フ
ァイバーを移動させる圧電アクチュエータにより構成さ
れ、前記圧電アクチュエータは、光ファイバーの傾き角
度を2自由度にわたり変化させて透過する赤外光の入出
射角度を調整することを特徴とする。
【0017】請求項10記載の発明は、請求項1〜請求
項9の何れか1項に記載の赤外線通信モジュールにおい
て、前記フォトセンサは、2次元の半導体位置検出素子
であることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図に沿って本発明の実施形
態を説明する。図1は本発明の実施形態の赤外線通信モ
ジュールのブロック図である。図1に示すような実施形
態である赤外線通信モジュール1は、赤外線トランシー
バ2とモジュレータ3とからなる。赤外線トランシーバ
2は、LED4とLEDドライバ5から成る発光部6
と、フォトセンサ7と受信アンプ8から成る受光部9
と、赤外光以外の光(主として可視光)が赤外線通信モ
ジュール1に入射するのをカットする光学フィルタ10
と、入射する赤外光をスキャンして入射角度を変更し、
入射する赤外光を多軸方向にわたりスキャンする機能を
有し、また、出射する赤外光の出射角度も変更する機能
を有するスキャン機構部11と、スキャン機構部11の
スキャン動作を制御するコントローラ12とを備えてい
る。また、モジュレータ3は、送信データを変調して発
光部6に送る変調器55と、受光部9によって受信され
た信号を復調して受信データに変換する復調器56から
構成される。
【0019】このような赤外線通信モジュール1と、通
信相手側であって同じ構成の赤外線通信モジュール1’
との間で通信を行うために、先ず、赤外線通信モジュー
ル1の送信範囲(受信範囲)が赤外線通信モジュール
1’の受信範囲(送信範囲)と重なる必要がある。そこ
で赤外線通信モジュール1の送受信範囲が赤外線通信モ
ジュール1’の送受信範囲に重なるように通信相手のサ
ーチ動作を行う。このサーチ動作について説明する。な
お、説明のため、赤外線通信モジュール1’は同一の構
成要素を備えるものとし、その同一の構成要素の符号に
ダッシュ( ’)を付して区別を行う。
【0020】図2は、本実施形態の赤外線通信モジュー
ルを用いる通信システムの概略図、図3は、本実施形態
の赤外線通信モジュールのサーチ動作のタイムチャート
である。なお、サーチ動作は、赤外線通信モジュール1
と赤外線通信モジュール1’とがイニシャル動作を行う
場合に送受信が行われていないと認識したとき(たとえ
ば信号を送信しても相手側から返答がないときなど)赤
外線通信モジュール1と赤外線通信モジュール1’とが
自動的にサーチ動作を開始するようにプログラム処理さ
れている。
【0021】赤外線通信モジュール1’は、スキャン機
構部11’を動作させて、図2に示すように、送信範囲
を範囲aとして所定期間にわたり赤外光の発光を続ける
(T1)。赤外線通信モジュール1は、スキャン機構部
11を動作させ、所定期間内に受信可能な全ての範囲を
スキャンし、赤外線通信モジュール1’が出力する赤外
光の受信を試みる(T2)。
【0022】赤外光が受信されないとき、赤外線通信モ
ジュール1のコントローラ12は、赤外線通信モジュー
ル1および赤外線通信モジュール1’の送受信範囲は互
いに重なりあっていない状態であると判断する。また、
所定期間内に赤外線通信モジュール1が出力する受信通
知信号を受信しなかったとき、赤外線通信モジュール
1’のコントローラ12’も、赤外線通信モジュール1
および赤外線通信モジュール1’の送受信範囲は互いに
重なりあっていない状態であると判断する。
【0023】続いて、赤外線通信モジュール1’は、ス
キャン機構部11’を動作させて送信方向を変更し、送
信範囲を範囲bとする(T3)。そして、所定期間にわ
たり赤外光の発光を続ける(T1)。赤外線通信モジュ
ール1は、スキャン機構部11を動作させ、所定期間内
に受信可能な全ての範囲をスキャンし、赤外線通信モジ
ュール1’が出力する赤外光の受信を試みる(T2)。
以下、赤外線通信モジュール1と赤外線通信モジュール
1’とは、互いに送受信範囲が重なるまで、送受信信範
囲を変更していき、T1からT3までの動作を繰り返
す。
【0024】もし、赤外線通信モジュール1’の送信範
囲が範囲cであり、赤外線通信モジュール1の受信範囲
が範囲dとなり、赤外線通信モジュール1’が発光する
赤外光を受信したと、赤外線通信モジュール1のコント
ローラ12が判定したならば、赤外線通信モジュール1
は、スキャンモード(T2)から追従モード(T4)に
切り替え、赤外線通信モジュール1は、赤外光を受信し
たことを通知する受信通知信号を送信する(T5)。赤
外線通信モジュール1’はこの受信通知信号を受信し
(T6)、送受信範囲が重なったことを認識する。そし
て、赤外線通信モジュール1は、赤外線通信モジュール
1’が発光する赤外光に常時追従する追従モードになっ
たため、仮に赤外光の送信範囲が多少変動したとしても
常に赤外光に追従し良好な受信を行うことができる。
【0025】受信通知信号の送受信が行われたのちは、
赤外線通信モジュール1’と赤外線通信モジュール1と
の送受信は可能となったが、さらに良好な通信を行うた
めに、微調整を開始する。今度は赤外線通信モジュール
1が発光する赤外光を利用する。赤外線通信モジュール
1は、スキャン機構部11をそのままにして、所定期間
にわたり赤外光の発光を続ける(T7)。
【0026】赤外線通信モジュール1’は、スキャン機
構部11’を動作させ、赤外線通信モジュール1から送
信される赤外光が最適に受信される受信範囲を探索する
微調整を行い、調整終了後微調整モード(T8)から追
従モード(T9)に切り替え、赤外光を受信したことを
通知する受信通知信号を送信する(T10)。赤外線通
信モジュール1はこの受信通知信号を受信する(T1
1)。これにより赤外線通信モジュール1と赤外線通信
モジュール1’とは、互いが送信する赤外光に追従する
追従モードとなり、最適な通信を維持する。そして、通
信動作の開始後は、赤外線通信モジュール1および赤外
線通信モジュール1’の受光部における受光量は最大に
なっており、良好な通信が可能である。
【0027】なお、本発明の赤外線通信モジュールにお
いて、一方の赤外線通信モジュール1の送受信範囲の指
向性は狭いものの他方の赤外線通信モジュール1”の送
受信範囲の指向性が広いというように、指向性の異なる
赤外線通信モジュールを組み合わせて利用しても良い。
図4は、本発明の他の実施形態の赤外線通信モジュール
を用いる通信システムの概略図である。図4にしめす赤
外線通信モジュール1”は、例えば指向角±60°とい
う広指向性の発光部を有する以外は、指向角±15°の
赤外線通信モジュール1と同じ構成を有している。
【0028】赤外線通信モジュール1”と赤外線通信モ
ジュール1を用いて送受信を行うと、図4に示すよう
に、送信範囲または受信範囲が広い場合には、サーチ動
作に要する時間を低減させることができる。このような
指向性の広い赤外線通信モジュール1”は、天井または
壁等に取り付けられて使用される。
【0029】サーチ動作を行うためには、赤外光をスキ
ャンするスキャン機構部が必要となるが、本実施形態の
スキャン機構部11については各種想定することができ
る。以下、スキャン機構部についての各実施例について
説明する。スキャン機構部として微小ミラーを用い、微
小ミラーを回転させることで、入出力角度を調整する機
構が考えられる。図5はスキャン機構部として微小ミラ
ーを有する赤外線通信モジュールのブロック図である。
図6は、微小ミラー部を備えるスキャン機構部の概念
図、図7は、微小ミラー部のスキャン角度と受光可能角
度との関係図、図8は、このような微小ミラーを備える
スキャン機構部による傾き角度とフォトセンサ上の入射
光点との関連図である。図5〜図8を参照しながら、実
施例の受光動作について説明する。
【0030】図5に示すように、スキャン機構部11と
して特に微小ミラーを有する微小ミラー部11aが設け
られている以外は、図1で示した赤外線通信モジュール
1の構成は同一であるものとし、同一の符号を付す。図
6に示すように、発光部6から発光される赤外光および
通信相手側の赤外線通信モジュール1’または赤外線通
信モジュール1”(以下、通信相手側の赤外線通信モジ
ュール1’または赤外線通信モジュール1”を 赤外線
通信モジュール1’(1”) と表記する。)から送信
される赤外光は、微小ミラー部11aにより入出射角が
変更されるように構成されている。図7からわかるよう
に微小ミラー部11aを±30度振ることにより、フォ
トセンサ7の位置及び赤外光のフォトセンサ7への入射
角度を一定に保ったまま、受光可能な範囲を±60度に
することができる。
【0031】前述したスキャン動作は、微小ミラー部1
1aを回動させて、通信相手側から送信される赤外光を
サーチ動作により受信可能とし、更に、調整動作により
良好な受信を可能とすることである。スキャン動作とし
て、先ず、受信開始時に、コントローラ12は、微小ミ
ラー部11aをスキャンさせ、通信相手側である赤外線
通信モジュール1’(1”)からの赤外光をフォトセン
サ7に導く(図8(a)又は図8(c))。
【0032】上記赤外光をフォトセンサで捕捉したら、
トラッキングモードに入る。つまり、コントローラ12
は、フォトセンサ7上の入射光点13の位置誤差信号を
もとに、フォトセンサ7の中心で赤外光を受けるように
微小ミラー部11aの傾き角度を制御する(図8
(b))。
【0033】トラッキングモードにおいて、フォトセン
サ7で受けた赤外光(光信号)は、電気信号に変換さ
れ、受信アンプ8により増幅され、復調器56により復
調されて、受信データ(シリアル)に変換される(図5
参照)。このようにスキャン動作終了後に、所定の通信
を行うようにすることができる。なお、図5〜図8では
1自由度の微小ミラー部を図示しており、追従可能な領
域はスキャンされる同一平面上であるが、2自由度のミ
ラーを用いれば、追従可能な領域を3次元に広げること
が可能である。
【0034】図9は、スキャン機構部11の第1の実施
例の構成図である。スキャン機構部11は、微小ミラー
14が回転モータ15により駆動される1自由度の調整
部を2個用いて微小ミラー部11aとする。このよう
に、微小ミラー14と回転モータ15を2組用意して、
それぞれX方向・Y方向に±30度スキャンできるよう
に設置すれば、長さ1m、頂角±60度の円錐の範囲で
自在に通信が可能となる。しかしながら、2枚の微小ミ
ラー14と2個の回転モータ15が必要となるため、2
自由度のミラーを用いる場合にはさらなる工夫が必要で
ある。
【0035】そこで1枚の微小ミラーを用い、2自由度
に調整可能な調整機構を有するスキャン機構部とする。
図10は、スキャン機構部11の第2の実施例の構成図
である。スキャン機構部11は、2自由度の微小ミラー
部11aであって、微小ミラー部11aは、ねじり可能
な2組のヒンジ16a,16bで微小ミラー14を支え
ており(アクチュエータは図示していない)、微小ミラ
ー14はヒンジ16bの上に配置されている。前記ヒン
ジ16a、16bは、平行な2平面に存在し、相互に直
角を成すように2段構成(ねじれの位置関係)に配置さ
れる。
【0036】そして、アクチュエータは、ヒンジ16
a,16bをそれぞれ独立してねじることにより、微小
ミラー14の傾き角度を変化させる。それぞれX方向・
Y方向に±30度スキャンできるように微小ミラー14
を設置することで、長さ1m、頂角±60度の円錐の範
囲で自在に通信が可能となる。微小ミラー部11aの第
2実施例によれば、前述した第1の実施例に比べ、微小
ミラー14が1枚で済み、光路の取り回しが単純になる
ため、微小ミラー部11aを小型化することができ、ひ
いては赤外線通信モジュール1を小型化することができ
る。
【0037】図11は、スキャン機構部11の第3の実
施例の構成図である。スキャン機構部11は、2自由度
の微小ミラー部11aであって、微小ミラー部11a
は、微小ミラー14と、微小ミラー14を支持する支柱
17と、4個の電磁アクチュエータ18a,18b,1
8c,18dを備えている。4個の電磁アクチュエータ
18a,18b,18c,18dは、微小ミラー14の
裏面に取り付けられた4個のマグネット19a,19
b,19c,19dと、4個のマグネット19a,19
b,19c,19dと対向するように取り付けられた4
個のコイル20a,20b,20c,20dとから成
る。マグネット19a,19cとコイル20a,20c
との間に発生する電磁力により微小ミラー14を傾けて
X方向の角度を調整し、マグネット19b,19dとコ
イル20b,20dとの間に発生する電磁力により微小
ミラー14を傾けてY方向の角度を調整する。
【0038】支柱17は、可撓性を有する材質により構
成され、具体的には、ゴムなどの弾性体などが用いられ
る。または、根元を移動自在に固定された構造を有する
支柱17としてもよい。このような支柱17を移動させ
て、微小ミラー14の傾き角度を調整することにより、
通信相手からの赤外光を反射させてフォトセンサ7の中
央へ導き、また、自らのLED4からの赤外光を反射さ
せて相手通信方向へと導く。赤外光のスキャン角度は、
微小ミラー14の可能な傾き角度の2倍になる。
【0039】図12は、スキャン機構部11の第4の実
施例の構成図である。スキャン機構部11は、2自由度
の微小ミラー部11aであって、微小ミラー部11a
は、微小ミラー14、微小ミラー14を支持する支柱1
7、支柱の根元付近に取り付けられた4個の圧電アクチ
ュエータ21a,21b,21c,21dとからなる。
圧電アクチュエータ21a,21cにより支柱をX方向
に傾ける。また、圧電アクチュエータ21b,21dに
より支柱をY方向に傾ける。圧電アクチュエータのスト
ロークは、1μm程度と微小であるが、支柱17の根元
近くに力点を置くことで、微小ミラー14の傾き角度を
大きくとることができる。
【0040】支柱17は、第3の実施例で説明した支柱
と同様の構成であり、説明を省略する。支柱17を移動
させるため、圧電アクチュエータ21a,21b,21
c,21dにより微小ミラー14の傾き角度を調整し、
通信相手からの赤外光を反射させてフォトセンサ7の中
央へ、また、自らのLED4からの赤外光を反射させて
通信相手方向へと導く。赤外光のスキャン角度は、微小
ミラー14の傾き角度の2倍である。
【0041】スキャン機構部11として、微小ミラー部
11aについて第1〜第4実施例を用いて説明した。こ
れら微小ミラー部11aについては、第1実施例の微小
ミラー部11aでは、2枚の微小ミラー14と回転駆動
を行う2個の回転モータ15とを用いるため所定空間が
必要となり小型化が困難であったが、第2〜第4実施例
の微小ミラー部11aでは、微小ミラー14を1個のみ
とすることができ、小型化に有利である。外来光などの
影響を受けずに、指向角の拡大を可能とし、製品等に実
際に採用し易い赤外線通信モジュールを提供することが
できる。なお、微小ミラー部11a以外のスキャン機構
部11であってもこのように小型化に有利なスキャン機
構部11とすることもできる。以下、そのようなスキャ
ン機構部11について説明する。
【0042】図13は、スキャン機構部11の第5の実
施例の構成図である。スキャン機構部11は、微小な第
1レンズ22、この第1レンズ22を所定位置に固定す
る固定部23、第1レンズ22と平行に配置される微小
な第2レンズ24、第2レンズ24を支持する平行リン
ク25、平行リンク25を駆動する4個の電磁アクチュ
エータ26a,26b,26c,26dとからなる。な
お、第1レンズ22と第2レンズ24は、一方が凸レン
ズで他方が凹レンズの関係を有し、入射する赤外光を進
行方向を変化させて透過する透過部としての機能を有し
ている。また、4個の電磁アクチュエータ26a,26
b,26c,26dは、平行リンク25の側部に取り付
けられた4個のマグネット27a,27b,27c,2
7dと、それぞれのマグネットと対向するように取り付
けられた4個のコイル28a,28b,28c,28d
とからなり、マグネットとコイルの反発力により平行リ
ンクをXY方向に並進運動させる。
【0043】このように第1レンズ22と第2レンズ2
4とは、凹レンズと凸レンズとの組み合わせとすること
でスキャン動作を実現する。図14は、第1レンズ22
を凹レンズ、第2レンズ24を凸レンズとし、平行リン
ク25を動かして第2レンズ(凸レンズ)24を平行に
移動させる場合のスキャン動作例を説明する説明図であ
る。以下、図14を参照しながら、スキャン動作の原理
について説明する。第2レンズ(凸レンズ)24への入
射光は平行光とする。
【0044】図14(a)に示すように、第1レンズ
(凹レンズ)22と第2レンズ(凸レンズ)24との光
軸が一致している状態から、図14(b)に示すように
平行リンク25を移動させたとき、赤外光線Aは、第2
レンズ(凸レンズ)24の中央を通過するため、直進
し、第1レンズ(凹レンズ)22の中心からXpだけず
れた位置に入射した後、第1レンズ(凹レンズ)22に
よって角度θだけ曲げられる。ここで角度θは第1レン
ズ(凹レンズ)22の焦点距離fnとXpから(1)式
のようになる。
【0045】 θ=arctan(Xp/fn) ・・・・・(1)
【0046】赤外光線Bは、第2レンズ(凸レンズ)2
4により角度θだけ曲げられ、第1レンズ(凹レンズ)
22の中心に入射する。この中心を通る赤外光線は、直
進すると見なしてよいので、この光はそのまま第2レン
ズ(凸レンズ)24の焦点Fp’に向かう。ここで第1
レンズ(凹レンズ)22と第2レンズ(凸レンズ)24
は、(2)式の関係を満たすように配置される。
【0047】 fp−fn=Z ・・・・・(2)
【0048】この場合、光の進行方向は、θと等しくな
る。つまり、この光学系により、第2レンズ(凸レン
ズ)24側から垂直に入射する平行光は、θだけ曲げら
れた後、第1レンズ(凹レンズ)22側から再び平行光
として出射されることとなる。逆に第1レンズ(凹レン
ズ)22側からθの角度で入射する平行光は第2レンズ
(凸レンズ)24側から垂直に出射される。
【0049】図15は、第1レンズ22を凸レンズ、第
2レンズ24を凹レンズとし、平行リンク25を動かし
て第2レンズ(凹レンズ)24を平行に移動させる場合
のスキャン動作例を説明する説明図である。以下、図1
5を参照しながら、スキャン動作の原理について説明す
る。第2レンズ(凹レンズ)24への入射光は平行光と
する。赤外光線Aは、第2レンズ(凹レンズ)24の中
央を通過するため、直進し、第1レンズ(凸レンズ)2
2の中心からXpだけずれた位置に入射した後、第1レ
ンズ(凸レンズ)22によって−θ方向に曲げられる。
ここでθは第2レンズ(凹レンズ)24の焦点距離fp
とXpから(3)式のようになる。
【0050】 θ=arctan(Xp/fp) ・・・・・(3)
【0051】赤外光線Bは、第2レンズ(凹レンズ)2
4により焦点Fnから拡がる方向へ曲げられ、凸レンズ
中心に入射し、そのまま直進する。ここで第1レンズ
(凸レンズ)22と第2レンズ(凹レンズ)24とは、
(4)式の関係を満たすように配置される。
【0052】 fp−fn=Z ・・・・・(4)
【0053】この場合、光の進行方向は、−θと等しく
なる。つまり、この光学系により、第2レンズ(凹レン
ズ)24側から垂直に入射する平行光は、−θだけ曲げ
られた後、第1レンズ(凸レンズ)22側から再び平行
光として出射されることとなる。逆に第1レンズ(凸レ
ンズ)22側から−θの角度で入射する平行光は第2レ
ンズ(凹レンズ)24側からレンズに垂直な平行光とし
て出射される。通常fn(fp)は、レンズ直径以上の
長さであり、Xpはレンズ半径が最大であるから、スキ
ャン角θは最大(5)式のようになる。
【0054】 θ=±arctan(0.5)=±26.7deg ・・・・・(5)
【0055】なお、電磁アクチュエータの代わりに圧電
アクチュエータを使用することもできるが、圧電アクチ
ュエータのストロークは1μm程度なので、第1レンズ
22および第2レンズ24という単レンズをマイクロミ
ラーアレイに変更し、並進距離Xpを小さくする必要が
ある。
【0056】図16は、スキャン機構部11の第6の実
施例である。スキャン機構部11は、光ファイバー2
9、光ファイバー29をX方向・Y方向へ駆動させる4
個の圧電アクチュエータ30a,30b,30c,30
dとからなる。光ファイバー29は、入射する赤外光を
進行方向を変化させて透過する透過部としての機能を有
している。圧電アクチュエータ30a,30cにより光
ファイバー29をX方向に傾ける。また、圧電アクチュ
エータ30b,30dにより光ファイバー29をY方向
に傾ける。圧電アクチュエータのストロークは、1μm
程度と微小であるが、光ファイバー29の固定端近くに
力点を置くことで、傾き角度を大きくとることができ
る。
【0057】次に赤外線通信モジュール1の発光動作に
ついて説明する。従来例でも述べたようにIrDA方式
では、半二重通信方式を採用しているため、自らの発光
は相手の発光が終了した後に開始される。コントローラ
12は、相手の発光終了時つまり自らの受光終了時のス
キャン機構部11の角度を、自らの発光動作中も保持さ
せる。これにより発光動作中、通信相手側の赤外線通信
モジュール1’(1”)へ赤外光を送ることができる。
送信データを発光信号に変換する方法は、従来例と同様
である。受光時と同様、スキャン機構部11を±30度
振ることにより、LED4からの出射角度・位置を一定
に保ったまま、発光可能な範囲を±60度にすることが
できる。
【0058】なお、追従精度を向上させるためには、一
定間隔で通信相手側の発光モジュールを光らせて(つま
り相手側から確認のための発光パルスを送信させる、も
しくは相互で送受信を切り替える)、発光に追従するよ
うにスキャン機構部11の方向を修正すればよい。ま
た、通信相手側の赤外線通信モジュール1’(1”)に
も同様のスキャン機構部11があれば、相手側がこちら
の発光方向にあわせたトラッキングを行うことになるの
で、通信チャネルはより強固に確保される。
【0059】図17は、フォトセンサ7の第1の実施例
である。フォトセンサ7としては、2次元の半導体位置
検出素子の一つである4分割のPD31(第一象限から
順にA,B,C,Dと名付ける)を使用する。図18は
4分割PD31の受光例である。第1象限のPD(A)
で発生する電流をIA、第2象限のPD(B)で発生す
る電流をIB、第3象限のPD(C)で発生する電流を
IC、第4象限のPD(D)で発生する電流をIDとする
と、X方向の誤差信号はEx=(IA+ID)−(IB+
IC)、Y方向の誤差信号はEy=(IA+IB)−(IC
+ID)で与えられる。また、受信信号はIA+IB+IC
+IDである。
【0060】コントローラ12により、Ex,Eyをゼ
ロにするようにスキャン機構部11を駆動させることに
より、通信相手側からの入射光点13を、常に4分割P
D31の中央で受け、高い検出感度の信号を得ることが
できる。またスキャン機構部11の角度をこの状態に保
持したまま、発光を行えば、発光信号を通信相手の赤外
線通信モジュール1’(1”)へ送ることができる。
【0061】図19は、フォトセンサ7の第2の実施例
である。フォトセンサ7として2次元の半導体位置検出
素子の一つである表面分割型PSD(Position
Sensitive Detector)32を用いて
いる。図20はPSD32の断面図を示す。PSD32
はP層33、中間層34、N層35から構成され、PS
D18に入射した光は、光電変換され、光電流として抵
抗層(P層33)を通り、電極X1、X2、Y1、Y2
より出力される。
【0062】電極X1、X2、Y1、Y2から出力され
る電流をそれぞれIX1、IX2、IY1、IY2とすると、X
方向の中心からの誤差信号はEx=(IX2−IX1)/
(IX2+IX1)、Y方向の中心からの誤差信号はEy=
(IY2−IY1)/(IY2+IY1)で与えられる。受信信
号はIX1+IX2+IY1+IY2である。コントローラ12
により、Ex、Eyをゼロにするようにスキャン機構部
11を駆動させることにより、通信相手からの入射光
を、PSD32の中央で受け、高い検出感度の信号を得
ることができる。またスキャン機構部11の角度をこの
状態に保持したまま、発光を行えば、発光信号を通信相
手側の赤外線通信モジュール1’(1”)へ送ることが
できる。
【0063】図21は、コントローラ12の内部ブロッ
ク図である。誤差信号Ex,Eyをスキャン機構部11
の角度誤差θX,θYにスケール変換するAMPi部10
1と、θX,θY入力をON/OFFするスイッチ部10
2と、スキャン機構部11のX方向,Y方向の目標スキ
ャン角Rx,Ryを出力する目標角度発生部103と、
目標スキャン角Rx,Ryと角度誤差θX,θYとから追
従角度を求める追従角度演算部104と、追従角度演算
部104の出力を増幅してスキャン機構部11へ角度指
令を出力するAMPo部105と、受信時、以下の条件
に基づいて前記スイッチ部102へのSW信号および目
標角度発生部103へのSCAN信号を出力するモード
切り替え部106からなる。
【0064】条件 フォトセンサ7の出力和≧ITHのときSW=ON、SC
AN=Start フォトセンサ7の出力和<ITHのときSW=OFF、S
CAN=Stop
【0065】ここで、フォトセンサ7の出力和は、フォ
トセンサ7として4分割PD31を用いる場合はIA+
IB+IC+ID、PSD32を用いる場合はIX1+IX2
+IY1+IY2である。ITHはフォトセンサ7に赤外線通
信光が入射したか否かを分ける閾値である。
【0066】SCAN=Start時、スキャン動作が
実行され(目標角度発生部103からはスキャンのため
の角度が逐次出力される)、SCAN=Stop時、ス
キャン動作は停止される(目標角度発生部103から
は、一定の角度が継続して出力される)ようにコントロ
ーラ12は構成されている。
【0067】次にコントローラ12の動作について簡単
に説明する。サーチ動作開始時、発光側である赤外線通
信モジュール1’(1”)のコントローラ12’(1
2”)では、モード切り替え部106’(106”)
を、SW=OFF、SCAN=Stopとし、目標角度
発生部103’(103”)からある一定角度を出力す
る。受光側である赤外線通信モジュール1のコントロー
ラ12では、モード切り替え部106をSW=OFF、
SCAN=Startとし、目標角度発生部103の出
力信号をもとにスキャン機構部11をスキャンさせて通
信相手を探す。相手側からの赤外光がフォトセンサ7に
入射したら(フォトセンサ7の出力和≧ITH)、SW=
ON、SCAN=Stopに切り替え、追従モードに入
り、通信動作を開始する。
【0068】通信動作時、受光側のコントローラ12
は、追従誤差信号に基づいてスキャン機構部11を駆動
し、目標角度発生部103はSW・SCAN切り替え時
の値を維持する。発光側のコントローラ12’(1
2”)は、受信から送信に切り替わる時、受信終了時の
スキャン機構部11’(11”)の角度を目標角度発生
部103’(103”)に記録しておき、送信時SW=
OFF、SCAN=Stopとして、記録しておいた角
度にスキャン機構部11’(11”)を保持する。
【0069】
【発明の効果】以上のように請求項1〜請求項10記載
の発明によれば、受光動作中、フォトセンサの中心で相
手の発光信号を受けるようにスキャン機構部を調整させ
ることにより、フォトセンサの受光指向角外からの赤外
光信号に対しても、感度よく受信することができる。こ
れにより、従来のIrDA方式の赤外線通信の指向角±
15〜30度を±60度(スキャン機構部のスキャン角
を±30度とした場合)にまで広げることができ、通信
時のセッティングの煩わしさが軽減されるとともに、通
信中の機器の姿勢変動に対しても通信チャネルを強固に
保つことが可能となる。すなわち、利用者にとって使い
やすい赤外線通信システムを提供することができる。ま
た赤外光そのものの指向角を広げているわけではないの
で外光(もしくは他の赤外線通信システム)の影響が大
きくなることはなく、S/Nを十分確保することがで
き、精度の高い赤外線通信を行うことができる。
【0070】特に請求項2記載または請求項7の発明に
よれば、受光時のスキャン機構部による入出射方向を一
定に保ったまま、発光を行うことにより、発光動作中に
相手側の赤外線通信モジュールへ(相手がLEDの発光
指向角外にあっても)赤外光を送ることができる。
【0071】請求項3、4、5、8、9に記載の発明に
よれば、赤外線通信モジュールを小型化することがで
き、機器への組み込みが容易になる。
【0072】このように本発明によれば、外来光などの
影響を受けずに、指向角の拡大を可能とした赤外線通信
モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の赤外線通信モジュールのブ
ロック図である。
【図2】本発明の実施形態の赤外線通信モジュールを用
いる通信システムの概略図である。
【図3】本発明の実施形態の赤外線通信モジュールのサ
ーチ動作のタイムチャートである。
【図4】本発明の他の実施形態の赤外線通信モジュール
を用いる通信システムの概略図である。
【図5】スキャン機構部として微小ミラーを有する赤外
線通信モジュールのブロック図である。
【図6】微小ミラー部を備えるスキャン機構部の概念図
である。
【図7】微小ミラー部のスキャン角度と受光可能角度と
の関係図である。
【図8】微小ミラーを備えるスキャン機構部による傾き
角度とフォトセンサ上の入射光点との関連図である。
【図9】スキャン機構部の第1の実施例の構成図であ
る。
【図10】スキャン機構部の第2の実施例の構成図であ
る。
【図11】スキャン機構部の第3の実施例の構成図であ
る。
【図12】スキャン機構部の第4の実施例の構成図であ
る。
【図13】スキャン機構部の第5の実施例の構成図であ
る。
【図14】第1レンズを凹レンズ、第2レンズを凸レン
ズとした場合のスキャン動作例を説明する説明図であ
る。
【図15】第1レンズを凸レンズ、第2レンズを凹レン
ズとした場合のスキャン動作例を説明する説明図であ
る。
【図16】スキャン機構部の第6の実施例の構成図であ
る。
【図17】フォトセンサの第1の実施例である。
【図18】4分割PDの受光例である。
【図19】フォトセンサの第2の実施例である。
【図20】PSDの断面図である。
【図21】コントローラのブロック図である。
【図22】従来のIrDA方式の赤外線通信の概略図で
ある。
【図23】従来の赤外線モジュールのブロック図であ
る。
【符号の説明】
1 赤外線通信モジュール 2 赤外線トランシーバ 3 モジュレータ 4 LED 5 LEDドライバ 6 発光部 7 フォトセンサ 8 受信アンプ 9 受光部 10 光学フィルタ 11 スキャン機構部 12 コントローラ 13 入射光点 14 微小ミラー 15 回転モータ 16 ヒンジ 17 支柱 18 電磁アクチュエータ 19 マグネット 20 コイル 21 圧電アクチュエータ 22 第1レンズ 23 固定部 24 第2レンズ 25 平行リンク 26 電磁アクチュエータ 27 マグネット 28 コイル 29 光ファイバー 30 圧電アクチュエータ 31 4分割PD 32 PSD 33 P層 34 中間層 35 N層 55 変調器 56 復調器 101 AMPi部 102 スイッチ部 103 目標角度発生部 104 追従角度演算部 105 AMPo部 106 モード切り替え部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】LEDとLEDドライバから成る発光部
    と、 フォトセンサと受信アンプから成る受光部と、 赤外光以外の光が入射するのを防止する光学フィルタ
    と、 空間を通過して多方向から入射する赤外光を反射する1
    枚の微小ミラーの移動によりスキャンして前記フォトセ
    ンサへ誘導するスキャン機構部と、 前記スキャン機構部のスキャン動作を制御するコントロ
    ーラとを備え、 前記コントローラは、前記スキャン機構部をスキャン動
    作させて通信相手側から送られる赤外光を前記フォトセ
    ンサに導き、さらに、通信相手側からの赤外光を前記フ
    ォトセンサの中心で受光するように前記スキャン機構部
    を制御し、 前記受光部は、受光した赤外光を電気信号に変換するこ
    とを特徴とする赤外線通信モジュール。
  2. 【請求項2】LEDとLEDドライバから成る発光部
    と、 フォトセンサと受信アンプから成る受光部と、 赤外光以外の光が入射するのを防止する光学フィルタ
    と、 空間を通過して多方向から入射する赤外光を反射する1
    枚の微小ミラーの移動によりスキャンして前記フォトセ
    ンサへ誘導するスキャン機構部と、 前記スキャン機構部のスキャン動作を制御するコントロ
    ーラとを備え、 前記コントローラは、前記スキャン機構部をスキャン動
    作させて通信相手側から送られる赤外光を前記フォトセ
    ンサに導き、さらに、通信相手側からの赤外光を前記フ
    ォトセンサの中心で受光するように前記スキャン機構部
    を制御し、 前記受光部が受光した赤外光を電気信号に変換して受光
    動作を終了した後、前記コントローラは、受光動作終了
    時における赤外光の入射角度を保持するように前記スキ
    ャン機構部を制御し、前記発光部から出射する赤外光を
    前記スキャン機構部を介して通信相手側に送ることを特
    徴とする赤外線通信モジュール。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の赤外線通信モジュ
    ールにおいて、 前記スキャン機構部は、1枚の微小ミラーと、平行な2
    平面上で相互に直角をなす位置関係にあって前記1枚の
    微小ミラーを支持する2組のヒンジと、前記2組のヒン
    ジにねじり力を与えるアクチュエータとにより構成さ
    れ、 前記アクチュエータは、前記ヒンジをそれぞれねじるこ
    とにより、前記1枚の微小ミラーの傾き角度を2自由度
    にわたり変化させて赤外光の入出射角度を調整すること
    を特徴とする赤外線通信モジュール。
  4. 【請求項4】請求項1または2記載の赤外線通信モジュ
    ールにおいて、 前記スキャン機構部は、1枚の微小ミラーと、前記1枚
    の微小ミラーを支持し、かつ、傾斜自在に設けられた支
    柱と、前記1枚の微小ミラーの裏面に取り付けられたマ
    グネットおよびこのマグネットと体面するように取り付
    けられたコイルからなる電磁アクチュエータとにより構
    成され、 前記電磁アクチュエータが前記支柱を傾けることによ
    り、前記微小ミラーの傾き角度を2自由度にわたり変化
    させて赤外光の入出射角度を調整することを特徴とする
    赤外線通信モジュール。
  5. 【請求項5】請求項1または2記載の赤外線通信モジュ
    ールにおいて、 前記スキャン機構部は、1枚の微小ミラーと、前記1枚
    の微小ミラーを支持し、かつ、傾斜自在に設けられた支
    柱と、前記支柱を移動させる圧電アクチュエータとによ
    り構成され、 前記圧電アクチュエータが前記支柱を傾けることによ
    り、前記1枚の微小ミラーの傾き角度を2自由度にわた
    り変化させて赤外光の入出射角度を調整することを特徴
    とする赤外線通信モジュール。
  6. 【請求項6】LEDとLEDドライバから成る発光部
    と、 フォトセンサと受信アンプから成る受光部と、 赤外光以外の光が入射するのを防止する光学フィルタ
    と、 空間を通過して多方向から入射する赤外光の進行方向を
    変更させつつ透過させる透過部の移動によりスキャンし
    て前記フォトセンサへ誘導するスキャン機構部と、 前記スキャン機構部のスキャン動作を制御するコントロ
    ーラとを備え、 前記コントローラは、前記スキャン機構部をスキャン動
    作させて通信相手側から送られる赤外光を前記フォトセ
    ンサに導き、さらに、通信相手側からの赤外光を前記フ
    ォトセンサの中心で受光するように前記スキャン機構部
    を制御し、 前記受光部は、受光した赤外光を電気信号に変換するこ
    とを特徴とする赤外線通信モジュール。
  7. 【請求項7】LEDとLEDドライバから成る発光部
    と、 フォトセンサと受信アンプから成る受光部と、 赤外光以外の光が入射するのを防止する光学フィルタ
    と、 空間を通過して多方向から入射する赤外光の進行方向を
    変更させつつ透過させる透過部の移動によりスキャンし
    て前記フォトセンサへ誘導するスキャン機構部と、 前記スキャン機構部のスキャン動作を制御するコントロ
    ーラとを備え、 前記コントローラは、前記スキャン機構部をスキャン動
    作させて通信相手側から送られる赤外光を前記フォトセ
    ンサに導き、さらに、通信相手側からの赤外光を前記フ
    ォトセンサの中心で受光するように前記スキャン機構部
    を制御し、 前記受光部が受光した赤外光を電気信号に変換して受光
    動作を終了した後、前記コントローラは、受光動作終了
    時における赤外光の入射角度を保持するように前記スキ
    ャン機構部を制御し、前記発光部から出射する赤外光を
    前記スキャン機構部を介して通信相手側に送ることを特
    徴とする赤外線通信モジュール。
  8. 【請求項8】請求項6または7記載の赤外線通信モジュ
    ールにおいて、 前記透過部は、平行に配置される凹レンズおよび凸レン
    ズであり、 前記スキャン機構部は、前記凹レンズおよび前記凸レン
    ズのうち一方のレンズが支持される平行リンクと、他方
    のレンズが固定される固定部と、前記平行リンクの側部
    に取り付けたマグネットおよびこのマグネットと対面す
    るように固定側に取り付けられたコイルからなる電磁ア
    クチュエータとにより構成され、 前記電磁アクチュエータは、前記平行リンクを2自由度
    にわたり並進運動させて、透過する赤外光の入出射角度
    を調整することを特徴とする赤外線通信モジュール。
  9. 【請求項9】請求項6または7記載の赤外線通信モジュ
    ールにおいて、 前記透過部は、光ファイバーであり、 前記スキャン機構部は、前記光ファイバーを移動させる
    圧電アクチュエータにより構成され、 前記圧電アクチュエータは、光ファイバーの傾き角度を
    2自由度にわたり変化させて透過する赤外光の入出射角
    度を調整することを特徴とする赤外線通信モジュール。
  10. 【請求項10】請求項1〜請求項9の何れか1項に記載
    の赤外線通信モジュールにおいて、 前記フォトセンサは、2次元の半導体位置検出素子であ
    ることを特徴とする赤外線通信モジュール。
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