JPH11279482A - プリント配線板用絶縁樹脂フィルムの製造方法 - Google Patents

プリント配線板用絶縁樹脂フィルムの製造方法

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JPH11279482A
JPH11279482A JP8304598A JP8304598A JPH11279482A JP H11279482 A JPH11279482 A JP H11279482A JP 8304598 A JP8304598 A JP 8304598A JP 8304598 A JP8304598 A JP 8304598A JP H11279482 A JPH11279482 A JP H11279482A
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bisphenol
film
printed wiring
wiring board
resin film
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JP8304598A
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Yuji Tosaka
祐治 登坂
Mare Takano
希 高野
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Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルム形成が可能で、しかも接続信頼性を
損ねることのないプリント配線板用絶縁フィルムの製造
方法を提供する。 【解決手段】 (A)ビスフェノールA、ビスフェノー
ルFまたはビスフェノールADとホルムアルデヒドとの
重縮合物のグリシジルエーテル化物を含有するエポキシ
樹脂、(B)ビスフェノールAとホルムアルデヒドの重
縮合物、(C)硬化促進剤、(D)可撓性材料及び
(E)溶剤を必須成分として含有するワニスをキャリア
フィルムに塗布後、乾燥させプリント配線板用絶縁樹脂
フィルムを製造する。(D)可撓性材料がゴムであり、
その配合量が樹脂固形分の10〜20重量%であると好
ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板用
絶縁樹脂フィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体チップ等の電子部品はその集積密
度が非常に高くなって来ており、そのためこれを実装す
るプリント配線板も配線間隔や接続穴間隔の狭小化によ
り高密度化が行われている。また、多層プリント配線板
は予め複数の基板に導体回路を形成しておき、これらを
お互いに接合することによりより一層の高密度化を達成
できる。この多層プリント配線板は、予め導体回路を形
成したプリント配線板をプリプレグを介して銅箔と積層
し一体化して形成される。しかし年々要求される薄形
化、ファインピッチ化においてプリプレグを用いた多層
板ではコストが高く、多層板の全体厚みを薄くできない
という問題がある。そこで、プリプレグでなく樹脂を用
いて多層化する手法が近年開発されている。この方法
は、内層処理されたプリント配線板上に絶縁樹脂を形成
し多層化し、その上に配線パターンを形成する。この方
法には、直接樹脂層を形成しその後内層回路と外層回路
を接続するための接続穴を開ける方法、樹脂の塗布と銅
箔を同時に連続的に張り合わせて積層し、その後内層回
路と外層回路の接続のための接続穴を開ける方法、絶縁
樹脂付き銅箔を直接ラミネートし、その後内層回路と外
層回路の接続のための接続穴を開ける方法、光により硬
化する樹脂層を形成し露光した後、写真処理で接続穴を
開ける方法がある。このように、導体間隔がXYZの各
方向とも狭まり電気絶縁特性に対する要求や接続信頼性
に対する要求は年々厳しくなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】電気絶縁性や接続信頼
性に対する要求を満足するため、エポキシ樹脂のような
熱硬化性樹脂を使用して、高い絶縁性を確保し、また樹
脂のガラス転移温度(Tg)を高くすることにより熱膨
張量を抑え接続信頼性を改良してきた。しかし、薄型化
に対する要求には、絶縁層となるプリプレグの基材厚み
を薄くすることで対応しているが、基材が薄くなると基
材自体の製造が困難であり、また、薄い基材を用いての
プリプレグの製造にもトラブルが生じ、結果的にプリプ
レグの製造コストが嵩んでしまうなどの価格面や薄いプ
リプレグの取扱い性の悪さから、これに代わるものとし
て、絶縁層に樹脂フィルムを用いる方法が検討されてい
る。しかし、絶縁層に要求される電気絶縁性や接続信頼
性のための高Tg化したエポキシ樹脂のフィルム化は困
難であった。本発明は、かかる状況に鑑みなされたもの
で、接続信頼性を損ねることのないプリント配線板用絶
縁樹脂フィルムの製造方法を提供することを目的とし
た。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)ビスフ
ェノールA、ビスフェノールFまたはビスフェノールA
Dとホルムアルデヒドとの重縮合物のグリシジルエーテ
ル化物を含有するエポキシ樹脂、(B)ビスフェノール
Aとホルムアルデヒドの重縮合物、(C)硬化促進剤、
(D)可撓性材料及び(E)溶剤を必須成分として含有
するワニスをキャリアフィルムに塗布後、乾燥させるこ
とを特徴とするプリント配線板用絶縁樹脂フィルムの製
造方法である。そして、(D)可撓性材料が、ゴムであ
ると好ましく、また、その配合量が樹脂固形分の10〜
20重量%であると好ましいプリント配線板用絶縁樹脂
フィルムの製造方法である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 (A)エポキシ樹脂としては必須成分としてビスフェノ
ールA、ビスフェノールFまたはビスフェノールADと
ホルムアルデヒドとの重縮合物のグリシジルエーテル化
物あるいはそれらの混合物を1〜100重量%含有する
が、このエポキシ樹脂の分子量に制限はない。上記以外
の成分として用いられるエポキシ樹脂の種類として、例
えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボ
ラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エ
ポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダン
トイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹
脂、およびそれらのハロゲン化物、水素添加物などがあ
り任意の何種類を併用することもできる。また、これら
のエポキシ樹脂を混合する方法、手順、温度にも制限は
ない。製造された絶縁樹脂に難燃性が必要とされる場合
は、必須成分のビスフェノールA、ビスフェノールFま
たはビスフェノールADとホルムアルデヒドとの重縮合
物のグリシジルエーテル化物あるいはそれらの混合物の
他にハロゲン化エポキシ樹脂を配合する。また、それら
のハロゲン化エポキシ樹脂を添加せずに難燃性を満足さ
せるためにテトラブロモビスフェノールA、デカブロモ
ジフェニルエーテル、酸化アンチモン、テトラフェニル
フォスフィン、酸化亜鉛等の一般に難燃剤、難燃助剤と
言われる化合物を特性が著しく低下しない範囲で添加し
てもよい。これらは、およそエポキシ樹脂100重量部
に対して30重量部以下が望ましい。
【0006】(B)のビスフェノールAとホルムアルデ
ヒドの重縮合物の分子量については特に制限はなく、ビ
スフェノールAモノマが含まれていても良い。配合量は
制限はないがエポキシ樹脂100重量部に対して1〜1
20重量部が好ましい。この範囲を外れると耐熱性の低
下、接着性の低下、ガラス転移温度の低下を招く。ま
た、特性を著しく低下させない範囲でフェノールノボラ
ック樹脂を併用して良い。
【0007】(C)の硬化促進剤としては、イミダゾー
ル化合物、有機リン化合物、第3級アミン、第4級アン
モニウム塩などが使用されるが、イミダゾール化合物の
第2級アミノ基をアクリロニトリル、イソシアネート、
メラミン、アクリレートなどでマスク化して潜在性を持
たしたマスク化されたイミダゾール化合物を用いること
によりプリント配線板用絶縁樹脂フィルムの保存安定性
を高めることができ好ましい。ここで用いられるイミダ
ゾール化合物としてイミダゾール、2−メチルイミダゾ
ール、4−エチル−2−メチルイミダゾール、2−フェ
ニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−
ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシル
イミダゾール、4,5ジフェニルイミダゾール、2−メ
チルイミダゾリン、2−エチル−4−メチルイミダゾリ
ン、2−ウンデシルイミダゾリン、2−フェニル−4−
メチルイミダゾリンなどがあり、マスク剤としてはアク
リロニトリル、フェニレンジイソシアネート、トルイジ
ンイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
メチレンビスフェニルイソシアネート、メラミンアクリ
レート等がある。これらの硬化促進剤は単独でも併用し
てもよく配合量はエポキシ樹脂100重量部に対して
0.01〜6重量部が好ましい。0.01重量部未満で
は、硬化促進効果が小さく、6重量部を超えると保存安
定性が悪化する。
【0008】(D)の可撓性材料には、ポリスチレン、
ポリオレフィン、ポリウレタン、アクリル樹脂等が挙げ
られ、エポキシ樹脂と相溶性が良く少量で製膜性が良好
なゴムを用いると、絶縁性やTg等の特性を低下させる
ことなく製膜性を向上させることができる。ゴムとして
はアクリロニトリルブタジエンゴム、アクリルゴム、ブ
タジエンゴム、ブチルゴム等がある。また各ゴムにエポ
キシ樹脂と反応する官能基を導入しても良い。また、添
加するゴムを架橋するための成分を適宜添加しても良
い。これらのゴムは単独でも併用してもよく、配合量は
ワニスの樹脂固形分全量に対して10〜20重量%が好
ましい。10重量%未満では効果が小さく、20重量%
を超えると絶縁特性、Tgが悪化してくる。
【0009】(E)の溶剤としては、アセトン、ブタノ
ン、トルエン、キシレン、4−メチル−2−ペンタノ
ン、酢酸エチル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、エタノール等が挙げられ、単独もしくは
併用して使用してよい。また、(A)、(B)、
(C)、(D)及び(E)は必須成分であり必要に応じ
て本発明の効果を阻害しない範囲で他の化合物を混合す
ることも可能である。上記(A)、(B)、(C)、
(D)及び(E)を配合して得られたワニスをキャリア
フィルム上に塗布後、60℃〜180℃の範囲で溶剤を
除去し、半硬化を行いプリント配線板用絶縁樹脂フィル
ムを作製する。
【0010】キャリアフィルムには、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート
(PBT)、ポリ−4−メチルペンテン−1などの乾燥
温度に絶えうる有機フィルムや銅、アルミニウム、ニッ
ケル、ステンレス等の金属箔等があり、それら単独もし
くは組み合わせた例えば銅とニッケルの複合箔やPET
とアルミニウムの複合箔など、それをそのまま若しくは
必要に応じて表面を離型剤処理を行って使用してよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
【0011】
【実施例】(実施例1)ビスフェノールA 2000
g、37重量%ホルマリン 450g、蓚酸15gを冷
却管付き攪拌装置に入れ2時間還流させて反応し、脱水
濃縮しビスフェノールAノボラック樹脂(BPA−N)
を作製した。これを用いて下記のプリント配線板用絶縁
樹脂フィルムワニスを配合した。 ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(エピクロンN−865:大日本イ ンキ化学工業株式会社製商品名) 100重量部 ビスフェノールAノボラック樹脂(BPA−N) 60重量部 1−シアノ−2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ−CN:四国化 成工業株式会社製商品名) 0.7重量部 末端カルボキシル化アクリロニトリルブタジエンゴム(PNR−1H:日本合成 ゴム株式会社製商品名) 30重量部 アルキルフェノールフォルムアルデヒド樹脂(ヒタノール2400:日立化成工 業株式会社製商品名) 3.5重量部 ブタノン 150重量部
【0012】上記のプリント配線板用絶縁樹脂フィルム
ワニスを、表面を離型剤で離型処理を行ったアルミ箔
(セパニウム:サンアルミ社製商品名)に乾燥硬化後に
絶縁層が100μmになるように塗布し、乾燥(80℃
で3分、120℃で3分)しプリント配線板用絶縁樹脂
フィルムを作製した。その後、このプリント配線板用絶
縁樹脂フィルムを内層回路処理を行った配線板の最外層
に絶縁層を内側に向け、真空下でラミネート(ロール温
度:120℃、圧力5Kg/cm2)し、その後アルミ
箔を除去し、180℃で1時間熱硬化した。そして絶縁
層上にアディティブ用接着剤層(HA−21:日立化成
ポリマー株式会社製商品名)を形成し、非貫通スルーホ
ール(直径150μm)及び貫通スルーホールを形成し
た。この後、無電解めっき用シーダ処理(HS−202
B:日立化成工業株式会社製商品名)し、回路形成部以
外をめっきレジスト(SR−3000:日立化成工業株
式会社製商品名)でマスクし、クロム−硫酸溶液で粗化
処理を行い、中和及び水洗工程を経て無電解めっき液
(L−59めっき液:日立化成工業株式会社製商品名)
に浸漬し、スルーホール回路部に銅を20μm析出させ
て最外層パターンを作製し、多層プリント配線板を得
た。
【0013】(実施例2)実施例1のビスフェノールA
ノボラック樹脂(BPA−N)を用いて以下の配合を行
い、プリント配線板用絶縁樹脂フィルムワニスを作製し
た。 臭素化ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(アラルダイト8011:日 本チバ・ガイギー株式会社製商品名) 80重量部 ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(エピクロンN−865:大日本イ ンキ化学工業株式会社製商品名) 20重量部 ビスフェノールAノボラック樹脂(BPA−N) 30重量部 イソシアネートマスクイミダゾールLX−1006(第一工業製薬株式会社製商 品名) 0.5重量部 アクリロニトリルブタジエンゴム(N220S:日本化薬株式会社製商品名) 35重量部 アルキルフェノールフォルムアルデヒド樹脂(ヒタノール2400:日立化成工 業株式会社製商品名) 3.5重量部 ブタノン 150重量部 このプリント配線板用絶縁樹脂フィルムワニスを、銅箔
(TSA:古河サーキットフォイル株式会社製商品名)
に乾燥硬化後の絶縁層の厚みが80μmになるように塗
布し、乾燥(80℃で3分、120℃で3分間)し、プ
リント配線板用絶縁樹脂フィルム付き銅箔を作製した。
【0014】その後、このプリント配線板用絶縁樹脂フ
ィルム付き銅箔を内層回路処理及び貫通スルーホールを
行った配線板の最外層に絶縁樹脂層を内側に向け、真空
下でプレスラミネート(高温保持温度:170℃、保持
圧力30Kg/cm2、保持時間90分)し絶縁層形成
と内層スルホールの穴埋めを同時に行った。そして外層
の非貫通穴を形成する位置にエッチングにより穴を形成
しその穴にレーザ加工で直径150μmの非貫通穴を形
成した。またドリル加工により貫通スルーホ一ルを形成
した。それを無電解めっき用シーダ処理(HS−202
B:日立化成工業株式会社製商品名)し、回路形成部以
外をめっきレジスト(SR−3000:日立化成工業株
式会社製商品名)でマスクし、クロム−硫酸溶液で粗化
処理を行い、中和及び水洗工程を経て無電解めっき液
(L−59めっき液:日立化成工業株式会社製商品名)
に浸漬し、スルーホール回路部に銅を18μm析出させ
て最外層と内層の接続を行い、その後ティンティング法
により外層パターンを作製し、多層プリント配線板を得
た。
【0015】(実施例3)実施例1のビスフェノールA
ノボラック樹脂(BPA−N)を用いて以下の配合を行
いプリント配線板用絶縁樹脂フィルムワニスを作製し
た。 ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(エビクロンN−880:大日本イ ンキ化学工業株式会社製商品名) 50重量部 ビスフェノールAノボラック樹脂(BPA−N) 40重量部 ブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(YDB−400:東都化成株式会社 製商品名) 50重量部 1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン(ア ミキュアVDH)(味の素株式会社製商品名) 0.5重量部 アクリロニトリルブタジエンゴム(N220S:日本化薬株式会社製商品名) 35重量部 2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3ヘキシン(パーヘ キシン25B:日本油脂株式会社製商品名) 2.0重量部 ブタノン 150重量部 このプリント配線板用絶縁樹脂フィルムワニスを銅箔
(TSA:古河サーキットフォイル株式会社製商品名)
に乾燥硬化後の絶縁層の厚みが80μmとなるように塗
布、乾燥(80℃で3分、120℃で3分間)し、プリ
ント配線板用絶縁樹脂フィルム付き銅箔を作製した。
【0016】このプリント配線板用絶縁樹脂フィルム付
き銅箔の内層回路と接続する部分にレーザ穴あけ加工
し、その穴部分を導電性ぺ一スト(MP−200V:日
立化成工業株式会社製商品名)によって充填した。その
後、内層回路処理を行った配線板の最外層に絶縁樹脂層
を内側に向け、内層回路と導電性ペ一スト穴埋め部の位
置合わせを行い、真空下でプレスラミネート(高温保持
温度170℃、保持圧力30Kg/cm2、保持時間9
0分)して絶縁層を形成した。そしてドリル加工により
貫通スルーホールを形成した。その後無電解めっき用シ
ーダ処理(HS−202B:日立化成工業株式会社製商
品名)し、回路形成部以外をめっきレジスト(SR−3
000:日立化成工業株式会社製商品名)でマスクし、
クロム−硫酸溶液で粗化処理を行い、中和及び水洗工程
を経て無電解めっき液(L−59めっき液:日立化成工
業株式会社製商品名)に浸漬し、スルーホール、回路部
に銅を18μm析出させて最外層と内層の接続を行い、
その後ティンティング法により外層パターンを作製し、
多層プリント配線板を得た。
【0017】(比較例1)実施例1の配合で末端カルボ
キシル化アクリロニトリルブタジエンゴム、アルキルフ
ェノールフォルムアルデヒド樹脂を配合しないこと以外
は、実施例1と同様に行い多層プリント配線板を作製し
ようとしたが、プリント配線板用絶縁樹脂フィルムワニ
スを離型剤で離型処理したアルミ箔に塗布し、乾燥する
際にアルミ箔からワニスがはじかれ樹脂成分が凝集しフ
ィルムを形成できなかった。
【0018】(比較例2)実施例1の配合でビスフェノ
ールAノボラック樹脂(BPA−N)を配合せず、代り
にジシアンジアミドを5重量部、末端カルボキシル化ア
クリロニトリルブタジエンゴムを22重量部、アルキル
フェノールフォルムアルデヒド樹脂を2.4重量部に配
合変更した以外は、実施例1と同様に行い多層プリント
配線板を得た。
【0019】(比較例3)実施例1の配合で末端カルボ
キシル化アクリロニトリルブタジエンゴム、アルキルフ
ェノールフォルムアルデヒド樹脂を配合せず、熱可塑性
樹脂であるフェノキシ樹脂(YP−50:東都化成株式
会社製商品名)を40重量部配合したこと以外は実施例
1と同様に行い多層プリント配線板を得ようとしたが、
プリント配線板用絶縁樹脂フィルムワニスを離型剤で離
型処理したアルミ箔に塗布し、乾燥する際にアルミ箔か
らワニスがはじかれ樹脂成分が凝集しフィルムを形成で
きなかった。
【0020】(比較例4)実施例1の配合で末端カルボ
キシル化アクリロニトリルブタジエンゴム、アルキルフ
ェノールフォルムアルデヒド樹脂を配合しないこと以外
は、実施例1と同様な配合でプリント配線板絶縁樹脂フ
ィルムワニスを作製した。このワニスを用いて実施例2
に示した多層プリント配線板の製造方法(銅箔に塗布)
と同様にして多層プリント配線板を得た。
【0021】(比較例5)比較例3の配合と同じであ
る、実施例1の配合で末端カルボキシル化アクリロニト
リルブタジエンゴム、アルキルフェノールフォルムアル
デヒド樹脂を配合せず、熱可塑性樹脂であるフェノキシ
樹脂(YP−50:東都化成株式会社製商品名)を40
重量部配合したこと以外は実施例1と同様にして作製し
たプリント配線板用絶縁樹脂フィルムワニスを用い、実
施例2に示した多層プリント配線板の製造方法(銅箔に
塗布)と同様にして多層プリント配線板を得た。
【0022】以上の実施例及び比較例で得られた多層プ
リント配線板について、接続信頼性試験を行った。ま
た、各実施例と各比較例のプリント配線板用絶縁樹脂フ
ィルムワニスの製膜性、その硬化物のガラス転移温度を
測定し、その結果を表1に示した。なお、測定方法は、
以下のようにして行った。 製膜性:プリント配線板用絶縁樹脂フィルムワニスをキ
ャリアフィルムとして離型剤処理したPETフィルムに
塗布、乾燥(80℃で3分、120℃で3分)した後、
PETフィルムから剥がしたときにキャリアフィルムが
無くても可撓性がありフィルム形状を維持できるものを
○で、キャリアフィルムの存在によりフィルム形状を維
持しているが、剥がしたときには折れてしまったり、割
れてしまいフィルム形状を維持できないものを△で、ま
た、キャリアフィルムから剥がすと脆く割れてしまうな
どのフィルムに形成できないものを×として評価した。 硬化物のTg:プリント配線板用絶縁樹脂フィルムワニ
スを銅箔に塗布、乾燥後そのまま170℃、1時間熱処
理を行い硬化させ、銅箔をエッチング除去してプリント
配線板用絶縁樹脂フィルムを得、これをTMA(熱機械
分析)法により、昇温速度10℃/分、窒素雰囲気下で
測定した。 接続信頼性:各実施例、比較例で作製した多層プリント
配線板の直径150μmのIVHの熱サイクル試験(−
65℃〜125℃)を行い、抵抗値の変化が初期値の1
10%になるまでのサイクル数を測定した。
【0023】
【表1】 項目 製膜性 硬化物のTg(℃) 接続信頼性(サイクル) 実施例1 ○ 142 >100 実施例2 ○ 132 >100 実施例3 ○ 145 >100 比較例1 × 168 − 比較例2 ○ 104 37 比較例3 × 85,158 − 比較例4 × 168 >100 比較例5 × 85,158 42
【0024】(A)ビスフェノールA、ビスフェノール
FまたはビスフェノールADとホルムアルデヒドとの重
縮合物のグリシジルエーテル化物を含有するエポキシ樹
脂、(B)ビスフェノールAとホルムアルデヒドの重縮
合物、(C)硬化促進剤、(D)可撓性材料及び(E)
溶剤を必須成分として作製したプリント配線板用絶縁樹
脂フィルムを用いた実施例は、いずれも製膜性が良好で
あり、フィルム化が可能である。また、その硬化物のガ
ラス転移温度(Tg)は高く、IVHの接続信頼性も高
い。これに対し、比較例2を除いた(D)の可撓性材料
を配合しない比較例は、フィルム形成性に劣り、比較例
1と比較例3の離型処理したアルミ箔を用いて塗工する
とワニスは乾燥中にはじかれフィルム化することができ
ず、多層プリント配線板を作製できなかった。比較例3
ではフィルム形成性を発現させるために配合した分子量
が比較的に高いフェノキシ樹脂を配合しているにも係わ
らず製膜性に劣り、フェノキシ樹脂とエポキシ樹脂に起
因すると思われるTgが2つ現れ、相溶性が悪いことを
示した。比較例2は、本発明で使用する(B)ビスフェ
ノールAとホルムアルデヒドの重縮合物を配合せず、そ
の代わりにジシアンジアミドを配合したものであるが、
(D)可撓性材料のゴムを含有しているため製膜性は良
好であるが、硬化物のTgに劣り、接続信頼性が低下し
た。
【0025】
【発明の効果】本発明の(A)ビスフェノールA、ビス
フェノールFまたはビスフェノールADとホルムアルデ
ヒドとの重縮合物のグリシジルエーテル化物を含有する
エポキシ樹脂、(B)ビスフェノールAとホルムアルデ
ヒドの重縮合物、(C)硬化促進剤、(D)可撓性材料
及び(E)溶剤を必須成分として含有するワニスをキャ
リアフィルムに塗布後、乾燥させることにより製造され
るプリント配線板用絶縁樹脂フィルムを用いて多層プリ
ント配線板を作製することにより、その硬化物のガラス
転移温度(Tg)が高く、接続信頼性を向上させること
ができる。また、このプリント配線板用絶縁樹脂フィル
ムは、絶縁層が薄く形成できるため多層プリント配線板
の薄板化に寄与し製膜性も良好であると共に製造も簡便
でありプリント配線板材料として好適である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ビスフェノールA、ビスフェノー
    ルFまたはビスフェノールADとホルムアルデヒドとの
    重縮合物のグリシジルエーテル化物を含有するエポキシ
    樹脂、(B)ビスフェノールAとホルムアルデヒドの重
    縮合物、(C)硬化促進剤、(D)可撓性材料及び
    (E)溶剤を必須成分として含有するワニスをキャリア
    フィルムに塗布後、乾燥させることを特徴とするプリン
    ト配線板用絶縁樹脂フィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 (D)可撓性材料が、ゴムである請求項
    1に記載のプリント配線板用絶縁樹脂フィルムの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 (D)可撓性材料がゴムであり、その配
    合量が樹脂固形分の10〜20重量%である請求項2に
    記載のプリント配線板用絶縁樹脂フィルムの製造方法。
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