JPH11245044A - 溶接用電極及び溶接装置 - Google Patents

溶接用電極及び溶接装置

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JPH11245044A
JPH11245044A JP5207498A JP5207498A JPH11245044A JP H11245044 A JPH11245044 A JP H11245044A JP 5207498 A JP5207498 A JP 5207498A JP 5207498 A JP5207498 A JP 5207498A JP H11245044 A JPH11245044 A JP H11245044A
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JP
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electrode
welded body
welding
welded
pressing
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JP5207498A
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Inventor
Kazushi Sugishima
一志 杉島
Shigeru Kurosawa
茂 黒沢
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Asmo Co Ltd
Original Assignee
Asmo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業性を向上でき、作業コストの軽減できる
溶接用電極及び溶接装置を得る。 【解決手段】 本電極54は、モータの整流子片を押圧
してリード線へ圧接させる押圧部62を含む押圧側端面
58は、その中心62A周りの所定角度θの範囲の面積
が整流子片との接触部分Sの面積よりも広く、本体部分
56を中心62周りに角度θ分だけ回転変位させること
で、接触部分Sが重なることはない。したがって、一回
乃至所定回数の溶接作業終了後に本体部分56を中心6
2周りに角度θ分だけ回転させれば、押圧部62のう
ち、それ以前の溶接に使用されて磨耗や劣化が生じた部
位とは異なる新しい部位を溶接に使用できる。このた
め、電極54の交換頻度や研磨頻度を軽減でき、コスト
を削減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電極によって溶着
体を被溶着体へ圧接させた状態で通電して溶着体を被溶
着体へ溶着させる溶接用電極及び溶接装置に係り、特
に、モータの整流子片と電機子のリード線との溶接に好
適な溶接用電極及び溶接装置に関する。
【0002】
【従来の技術】モータの電機子のリード線と整流子片と
の接続には,一般的にヒュージングマシンと称される溶
接装置が用いられている。
【0003】このヒュージングマシンの一例が実公平6
−19283号に開示されている。このヒュージングマ
シンは複数の棒状の電極をその軸直交方向に沿って一列
に保持できる電極保持体を備えている。この電極保持体
は、複数の電極の配列方向及び各電極の軸方向に沿って
スライド可能とされており、電極の軸方向に沿ってスラ
イドすることで搬送台上に載置された電機子に対して接
離移動する。電極保持体が電機子へ接近した状態では複
数の電極のうちの1つが電機子の複数組のリード線と整
流子片のうちの1組へ圧接され、この状態で電極に所定
の電圧をかけることで電極に押圧されたリード線と整流
子片とが溶接される。
【0004】また、一回の溶接作業が終了した後には、
電極保持対が電機子から離間する方向へスライドすると
共に個々の電極間の距離分だけ電極の軸直交方向へ向け
てスライドする。この状態で電機子をその軸周りに所定
角度回転させて別の組のリード線と整流子片とを電極保
持体と対向させ、電極保持体を電機子へ接近する方向へ
スライドさせれば、この別の組のリード線と整流子片と
が別の電極に押圧される。この状態で再度所定の電圧を
かければ、この別の組のリード線と整流子片とが溶着さ
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記構成の
ヒュージングマシンでは、複数本の電極を電極保持体に
セットできるため、電極を1本しかセットできないヒュ
ージングマシンと比べると、一度セットしてしまえば電
極の取換作業を軽減できるという利点はあるものの、取
換作業の際には全ての電極を交換しなければならず、し
かも、セットする際には全ての電極の先端を揃えなけれ
ばならないため、作業が煩雑になるという欠点がある。
【0006】また、電極は所定の回数の溶接作業が終了
した後にはその先端を研磨する必要があるが、上記構成
のヒュージングマシンでは全ての電極を研磨しなければ
ならない。
【0007】本発明は、上記事実を考慮して、作業性を
向上でき、作業コストの軽減できる溶接用電極及び溶接
装置を得ることが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の溶接用電
極は、導電性の被溶着体へ溶着されることで前記被溶着
体と一体とされる導電性の溶着体を介して前記被溶着体
とは反対側に設けられ、少なくとも一部が前記溶着体と
対向する押圧面で前記溶着体を押圧し、前記溶着体を前
記被溶着体へ圧接させた状態で通電されることにより前
記溶着体を前記被溶着体へ熱溶着させると共に、前記押
圧面の面積が前記圧接状態における前記溶着体との接触
面積の複数倍以上とされている。
【0009】上記構成の溶接用電極では、溶接用電極が
押圧面で溶着体を押圧して被溶着体へ溶着体を圧接さ
せ、この状態で溶接用電極が通電されることで溶着体が
被溶着体へ溶着させられる。
【0010】ここで、溶接用電極の押圧面の表面積は、
溶着体を被溶着体へ圧接した状態での押圧面と溶着体と
の接触面積の複数倍以上とされている。したがって、一
回乃至複数回の溶接を終了した後に、押圧面のうちのそ
れまでの溶接で溶着体と接触していた部位とは異なる部
位が溶着体と接触可能となる位置まで溶接用電極を変位
させることで、溶接による磨耗や劣化が生じていない部
位で溶接を行うことができるため、溶接の精度が向上す
る。
【0011】また、通常の溶接用電極では複数回の使用
の後に溶接用の装置から電極を取り外して押圧面を研磨
し、溶接による磨耗や劣化した部分を除去して、フレッ
シュな面を出して再利用しているが、本溶接用電極では
一回乃至複数回の使用の後に押圧面の別の部位(すなわ
ち、それまで使用されていない部位)を使用するため、
溶接用電極の交換頻度及び研磨頻度を少なくできる。し
たがって、交換及び研磨に要する工数を軽減でき、コス
トの軽減を図ることができると共に、交換及び研磨に伴
う溶接作業の中断回数が減るため、作業効率も向上でき
る。
【0012】なお、本発明において押圧面はその全てが
溶着体と対向していなくても、押圧面のうち溶接時に使
用される部位が溶着体と対向する構成であればよい(一
例としては、電極の形状を平面視多角形状或いは円形又
は楕円形等の平板或いは柱形状とし、その外周面を押圧
面として使用する構成)。このような構成の場合には、
押圧面の別の部位を使用する際にその部位が溶着体と対
向するように溶接用電極を適宜に変位させればよい。
【0013】請求項2記載の溶接用電極は、請求項1記
載の溶接用電極において、前記押圧面の全てを前記溶着
体と対向する側へ向けたことを特徴としている。
【0014】上記構成の溶接用電極によれば、押圧面が
溶着体と対向する側へ向けられているため、押圧面の溶
接に使用する部位を変更する際には押圧面に対して平行
な方向へ変位させることで、それまで使用していた部位
とは異なる部位(すなわち、それまで使用されていない
部位)が溶着体と対向する。
【0015】ここで、押圧面の全てを溶着体と対向する
側へ向けることで押圧面を研磨する際には、押圧面に対
して概ね直交する方向へ電極を削り込んでいけばよい。
したがって、研磨の際に押圧面の面精度を出すことが容
易となるうえ、例えば、電極を自動的に溶着体へ接離移
動させる構成の溶接装置に本電極を使用する場合には、
削り込んだ分だけ電極を溶着体側へ変位させた状態で電
極を取り付けるだけで取り付け精度を出すことができ
る。
【0016】請求項3記載の溶接用電極は、請求項2記
載の溶接用電極において、前記押圧面の中心周りに所定
角度の範囲の面積を前記溶着体との接触面積以上とした
ことを特徴としている。
【0017】上記構成の溶接用電極によれば、押圧面の
中心周りに所定角度の範囲の面積が溶着体との接触面積
以上とされており、溶接時にはその角度の範囲内が溶着
体へ接触する。したがって、押圧面の溶接に使用する部
位を変更する際には、押圧面の中心周りに電極を回転さ
せることで押圧面の溶接に使用する部位が変更される。
このため、溶接に使用する部位が変更する際に電極は回
転するだけで、押圧面に対して平行な方向及び直交する
方向の何れにも変位しない。したがって、電極の設置に
必要なスペースを少なくできる。
【0018】請求項4記載の溶接装置は、導電性の溶着
体を導電性の被溶着体へ圧接させると共に当該圧接状態
で通電させて前記溶着体を前記被溶着体へ溶着させて一
体とする溶接装置であって、前記溶着体を介して前記被
溶着体とは反対側へ配置され、当該配置状態で少なくと
も一部が前記溶着体と対向し、前記圧接状態では前記溶
着体と対向した部位が前記溶着体へ接近することで前記
溶着体を押圧する押圧面とされると共に、前記押圧面の
面積が前記圧接状態で前記溶着体と接触する面積の複数
倍以上とされた電極と、前記押圧面に対して平行に前記
電極を変位させ、前記押圧面の前記溶接体との接触部位
を前記押圧面の別の部位に変更する電極変位手段と、を
備えることを特徴としている。
【0019】上記構成の溶接装置では、電極が溶着体へ
接近移動し、電極の押圧面のうち溶着体と対向した部位
が溶着体を押圧することで溶着体が被溶着体へ圧接させ
られる。この状態で電極が通電されことで溶着体及び被
溶着体の一部が溶融し、この溶融部分が冷却固化するこ
とで溶着体が被溶着体へ溶着されて一体とされる。
【0020】ここで、電極の押圧面の面積の広さは、溶
着体を押圧した状態での溶着体との接触面積の複数倍以
上とされており、電極変位手段が押圧面に対して平行な
方向に沿って電極を変位させることで、押圧面のうちそ
れまで溶接に使用していた部位(すなわち、それまでの
溶接において溶着体と接触していた部位)とは別の部位
が溶着体と対向し、この状態で電極を溶着体へ接近移動
させると、この別の部位(すなわち、押圧面のうちの新
たに溶着体と対向した部位)が溶着体を押圧する。
【0021】このように、本発明の溶接装置では、一回
乃至複数回の溶接作業終了後に、電極変位手段によって
電極を変位させることで、押圧面のうちそれまでの溶接
により磨耗や劣化が生じた部位とは異なる新しい別の部
位で溶接が行えるため、溶接の精度を向上できる。
【0022】また、通常の溶接装置では、複数回の溶接
作業を終了した後には、電極を取り外し、押圧面を研磨
して押圧面の面精度を出すことで溶接精度を保っている
が、本溶接装置では、一回乃至複数回の溶接作業終了後
に押圧面のそれまで使用していた部位とは異なる部位を
使用するため、交換頻度及び研磨頻度を少なくできる。
したがって、電極の交換及び研磨に要する工数を軽減で
き、コストの軽減を図ることができると共に、電極の交
換及び研磨に伴う溶接作業の中断回数が減るため、作業
効率も向上できる。
【0023】なお、本発明において電極の押圧面はその
全てが溶着体と対向していなくても、押圧面のうち溶接
時に使用される部位が溶着体と対向する構成であればよ
い。その一例としては、電極の形状を平面視多角形状或
いは円形又は楕円形等の平板或いは柱形状とし、その外
周面を押圧面として使用する構成が挙げられる。
【0024】請求項5記載の溶接装置は、請求項4記載
の溶接装置において、前記電極の押圧面の全てを前記溶
着体と対向する側へ向けたことを特徴としている。
【0025】上記構成の溶接装置では、電極の押圧面が
溶着体と対向する側へ向けられているため、押圧面の溶
接に使用する部位を変更する際には押圧面に対して平行
な方向へ変位させることでそれまで使用していた部位と
は別の部位が溶着体と対向する。
【0026】ここで、押圧面の全てを溶着体と対向する
側へ向ける構成とすることで押圧面を研磨する際には、
押圧面に対して概ね直交する方向へ電極を削り込んでい
けばよい。したがって、研磨の際に押圧面の面精度を出
すことが容易となるうえ、例えば、電極を自動的に溶着
体へ接離移動させる構成の溶接装置に本電極を使用する
場合には、削り込んだ分だけ電極を溶着体側へ変位させ
た状態で電極を取り付けるだけで取り付け精度を出すこ
とができる。
【0027】請求項6記載の溶接装置は、請求項5記載
の溶接装置において、前記電極の押圧面は前記押圧面の
中心周りに所定角度の範囲の面積が前記溶着体との接触
面積以上とされると共に、前記電極変位手段は前記押圧
面の中心周りに前記電極を回転変位させることを特徴と
している。
【0028】上記構成の溶接装置によれば、押圧面の中
心周りに所定角度の範囲の面積が溶着体との接触面積以
上とされており、溶接時にはその角度の範囲内が溶着体
へ接触する。したがって、押圧面の溶接に使用する部位
を変更する際には、押圧面の中心周りに電極を回転させ
ることで押圧面の溶接に使用する部位が変更される。こ
のため、溶接に使用する部位が変更する際に電極は回転
するだけで、押圧面に対して平行な方向及び直交する方
向の何れにも変位しない。したがって、電極の設置に必
要なスペースを少なくできる。
【0029】
【発明の実施の形態】図2には本発明の一実施の形態に
係る溶接装置10の側面図が示されている。この図に示
されるように、溶接装置10は基台12を備えている。
この基台12上には略上下方向(図2の矢印UP方向及
びその反対方向)が軸方向とされた略円柱形状のチャッ
ク14が設けられている。このチャック14はモータ等
の駆動手段(図示省略)の駆動力により基台12に対し
て自らの中心軸周りに回転可能とされている。
【0030】また、このチャック14にはその中心軸に
沿って保持孔16が形成されている。この保持孔16の
内部にはチャック機構(図示省略)が設けられており、
保持孔16の内部に挿入されたモータ18の出力軸20
を保持できるようになっている。
【0031】一方、チャック14の右方(図2の矢印L
Fとは反対方向側)には案内軌道22が設けられてお
り、この案内軌道22上には移動フレーム24が案内軌
道22に沿って略左右方向(図2の矢印LF方向及びそ
の反対方向)へ向けてスライド可能に配置されている。
図2に示されるように、案内軌道22へ取り付けられた
基部26の左右両端部からは上方向へ向けて軸受部2
8、30が延出されており全体的に上方へ向けて開口し
た凹形状とされている。これらの軸受部28、30には
左右方向に沿って長手とされ、後述する平歯車36、4
2やモータ38等と共に電極変位手段としての電極回転
アクチュエータ32を構成する回転軸34が回転可能に
支持されている。この回転軸34の長手方向一端側(図
2の矢印LFとは反対方向側)は軸受部28を貫通して
おり、更にその端部には外歯の平歯車36が同軸的且つ
一体的に取り付けられている。この平歯車36にはモー
タ38の出力軸40に同軸的且つ一体的に取り付けられ
た外歯の平歯車42と噛み合っている。この平歯車42
は平歯車36よりも小径とされており、モータ38が駆
動して出力軸40が回転した際には、この出力軸40の
回転力が平歯車42によって減速して平歯車36へ伝え
られて平歯車36が回転する。ここで、図2に示される
ように、平歯車42の厚さ(軸方向長さ寸法)は平歯車
36の厚さよりも厚く、平歯車36がその軸方向に沿っ
て所定ストローク変位したとしても噛合状態を保つこと
ができるようになっている。
【0032】一方、回転軸34の他端側は軸受部30を
貫通しており、その先端部には電極保持部50が一体的
に取り付けられている。この電極保持部50には左右方
向に沿って軸方向とされた取付孔52が形成されてい
る。この取付孔52は上述した回転軸34と同軸とされ
ており、その開口端(図2の矢印LF方向側の端部)か
らは電極54が挿入される。
【0033】ここで、図1に示されるように、電極54
は円柱形状の本体部分56を備えており、この本体部分
56の軸方向一端側(図1及び図2の矢印LFとは反対
方向側)から本体部分56が取付孔52(図2参照)へ
挿入されると共に、挿入状態では、電極54は電圧制御
回路を介して電源(何れも図示省略)へ電気的に接続さ
れる。一方、図1に示されるように、電極54の軸方向
他端面は押圧側端面58とされており、上述したチャッ
ク14へ固定されたモータ18の出力軸20周りに所定
角度毎に複数形成された整流子片60のうちの1つと対
向する。また、押圧側端面58には本体部分56よりも
小径な円盤状とされた押圧部62(特許請求の範囲で言
うところの『溶着体』)がモータ18側へ向けて同軸的
に突出形成されており、電極54がその軸方向に沿って
モータ18へ接近する方向へ移動させられると、押圧部
62が整流子片60を押圧して整流子片60を介して押
圧部62とは反対側に設けられているモータ18の電機
子64のリード線66(特許請求の範囲で言うところの
『溶着体』、図3参照)へ整流子片60を圧接させる。
【0034】ここで、上述したように、押圧部62の整
流子片60側の端面は円形とされており、更に、図1に
示されるように、比較的細幅とされる整流子片60との
接触部分(図1の二点鎖線で囲まれたSの部分)の面積
よりも十分に広い。しかも、押圧部62の整流子片60
との接触部分は、押圧部62の中心62Aよりも径方向
外側とされており、中心62A周りに角度θ(180≧
θ>0)の範囲に押圧部62との接触部分が納まる。
【0035】また、この電極54の本体部分56には筒
状のスリーブ68が嵌め込まれている。電極54はスリ
ーブ68が嵌め込まれた状態で電極保持部50の取付孔
52内へ挿入されており、これにより、電極保持部50
への取付状態における電極54のガタが防止されてい
る。
【0036】一方、図2に示されるように、基台12の
外側端にはブラケット72が固定されており、加圧アク
チュエータ74を構成するシリンダ76が取り付けられ
ている。このシリンダ76にはピストン78が左右方向
に沿ってスライド可能に支持されており、油圧や水圧、
或いはモータ等の駆動力によりピストン78がシリンダ
76に対して左右にスライドするようになっている。こ
のピストン78の先端部には押圧板80が固定されてい
る。この押圧板80は上端側には筒部82が形成されて
おり上述した回転軸34が貫通している。この筒部82
の軸受部30側の端部には回転軸34の半径方向外側に
設けられた圧縮コイルスプリング84の一端が当接して
いる。この圧縮コイルスプリング84の他端は、筒部8
2の軸受部30側で筒部82と対向配置された押圧筒8
6へ当接している。この押圧筒86は全体的に円筒形状
とされており、回転軸34が貫通していると共に軸受部
30と対向する側の端部は圧縮コイルスプリング84の
付勢力によって軸受部30と当接している。
【0037】すなわち、ピストン78が左方へスライド
して押圧板80が共に左方へ移動すると、押圧板80の
筒部82が圧縮コイルスプリング84を押圧して圧縮
し、このときの圧縮コイルスプリング84の復元力が押
圧筒86及び軸受部30を介して電極保持部50を左
方、すなわち、モータ18へ接近する方向へ移動させ、
これと共に回転軸34が左方へスライドする構成であ
る。
【0038】一方、軸受部28の筒部82とは反対側に
は圧縮コイルスプリング88が設けられている。この圧
縮コイルスプリング88は一端が軸受部28へ当接し、
他端が平歯車36へ当接している。
【0039】次に本実施の形態の作用並びに効果につい
て説明する。上述したように、本溶接装置10では、ピ
ストン78が左方へ移動することにより筒部82が圧縮
コイルスプリング84を押圧して圧縮すると、圧縮コイ
ルスプリング84が復元力により押圧筒86及び軸受部
30を介して電極保持部50を左方へ移動させる。これ
によって、電極54がモータ18へ接近移動し、押圧部
62が整流子片60を押圧し、整流子片60をリード線
66へ圧接させる。この状態で高圧電流が電極54にか
けられると、整流子片60及びリード線66の一部が溶
融して、これが冷却固化されることで整流子片60とリ
ード線66とが電気的且つ構造的に一体となる。
【0040】次いで、整流子片60とリード線66との
溶接が終了すると、ピストン78を右方へスライドさせ
て押圧板80を右方へ移動させる。このとき、押圧板8
0の軸受部28側の端部が軸受部28を右方へ押圧して
移動フレーム24を右方へスライドさせる。これによ
り、圧縮コイルスプリング88が圧縮され、圧縮コイル
スプリング88の復元力が平歯車36を右方へ押圧して
回転軸34を右方へスライドさせる。これにより、本体
部分56がモータ18から離間して電極54が整流子片
60から離間する。
【0041】さらに、溶接が終了した整流子片60に対
して出力軸20の周方向に沿って隣接する他の整流子片
60を電極54の押圧部62と対向する位置までチャッ
ク14を回転させることで、モータ18側での次の溶接
の準備が完了する。
【0042】ここで、本溶接装置10では、この状態で
電極回転アクチュエータ32を駆動させ、出力軸40、
平歯車42、平歯車36を介して所定角度θ(図1参
照)分だけ回転軸34を回転させる。これにより、電極
保持部50は電極54を伴って回転し、押圧部62がそ
の中心62A周りの一方(すなわち、図1の矢印A方
向)へ向けて整流子片60に対して回転変位する。した
がって、この状態では押圧部62のうち、それ以前に整
流子片60とリード線66との溶接に使用されていた部
位に対して角度θだけ変位した部位が整流子片60と対
向し、電極54をモータ18へ接近移動させ押圧部62
で整流子片60を押圧した場合には、それ以前に溶接に
使用していた部位に対して角度θだけ変位した部位が整
流子片60を押圧する。このため、本溶接装置10で
は、電極54の押圧部62のうち、溶接に使用されるこ
とによる磨耗や劣化が生じていない部位、或いは、磨耗
や劣化が少ない部位を用いて溶接を行うことができるた
め、溶接の精度を向上できる。
【0043】また、通常の溶接用の電極は、適当な回数
の溶接が終了した後に装置から取り外して溶接に使用さ
れた部分(すなわち、本溶接装置10の電極54でいう
ところの押圧側端面58及び押圧部62)を研磨して成
形し、再利用しているが、本溶接装置10の電極54で
は、電極54を回転させてそれ以前に溶接に使用されて
いた部位とは異なる部位を溶接に使用するため、したが
って、押圧部62のうちの一部(すなわち、角度θの範
囲)を従来の電極と同じ回数だけ連続して溶接に用いた
としても、電極54がその中心(すなわち、押圧部62
の中心62A)周りに一周するまでは、電極54を電極
保持部50から取り外して研磨する必要がなくなる。し
たがって、電極54の電極保持部50からの取り外し、
組み付け、及び研磨に要する工数を極めて効果的に軽減
でき、ひいては、コストの大幅な削減が可能となる。し
かも、上述した取り外し及び及び研磨に伴う溶接作業の
中断回数が減るため、作業効率も大幅に向上できる。
【0044】また、本溶接装置10の電極54では、軸
方向一方の端部(すなわち、押圧側端面58)に押圧部
62を形成し、この部分で溶接を行っているため、押圧
部62及び押圧側端面58を軸方向に沿って(すなわ
ち、押圧側端面58及び押圧部62の端面に対して直交
する方向に沿って)研磨していけばよい。このため、押
圧側端面58及び押圧部62の面精度を出すことが容易
となるうえ、研磨によって削り込んだ分だけ電極54を
モータ18側へ変位させた状態で電極保持部50へ取り
付ければ取付精度を出すことができる。
【0045】但し、特許請求の範囲の請求項1に係る本
発明の観点からすれば、必ずしも押圧側端面58及び押
圧部62の全ての部分が整流子片60側へ向けられてい
る必要はない。このように、押圧部62の一部が整流子
片60側へ向けられている態様の一例を図4に示す。
【0046】図4に示される変形例では、電極100は
全体的に平面視多角形(図4に示される変形例では正十
六角形)の平板状とされており、電極100の外周部の
うち平面状とされている外周平面部102が上述した電
極54の押圧側端面58に相当しており、この外周平面
部102の厚さ方向一端側が上述した電極54の押圧部
62に相当する押圧部104とされている。整流子片6
0(図4では図示を省略している)は図4の矢印B方向
側に位置しており、上述した外周平面部102が整流子
片60と対向した状態で上述した加圧アクチュエータ7
4の如き加圧アクチュエータ(図示省略)によって図4
の矢印B方向へ移動させることで整流子片60を押圧し
て整流子片60を電機子64のリード線66(図4では
図示省略)へ圧接させることができる。溶接が終了した
後には、上述した電極回転アクチュエータ32の如き電
極回転アクチュエータ(図示省略)で電極100をその
中心軸電極100A周りに(すなわち、図4の矢印C方
向へ向けて)角度θ分だけ回転させ、溶接に使用してい
た押圧部104及び外周平面部102に隣接する別の押
圧部104及び外周平面部102を整流子片60と対向
させて、この別の押圧部104及び外周平面部102が
次の溶接に使用される。このような電極100の場合に
は、複数の押圧部104及び外周平面部102のうち、
整流子片60と対向するのは1組だけであるが、次の溶
接にはそれまで使用していた押圧部104及び外周平面
部102とは別の押圧部104及び外周平面部102を
使用するため、上述した電極54を適用した溶接装置1
0と同様に溶接の精度を向上でき、また、電極100の
取り外し及び研磨に要する工数を極めて効果的に軽減で
きる。
【0047】さらに、上述した本溶接装置10の電極5
4は、押圧部62の中心62A周りに角度θ分だけ回転
させて押圧部62の他の部位を整流子片60と対向させ
る構成であり、実質的に電極54はそのセット位置に止
まっている。このため、溶接装置10全体からみれば、
従来と同様に電極54をモータ18に対して接離移動で
きるスペースがあればよく、装置の大型化を抑制でき
る。
【0048】但し、特許請求の範囲の請求項2に係る本
発明の観点からすれば、押圧部62のうち溶接に使用す
る部位を変更する際に電極54自体が移動する構成であ
ってもよい。このような態様の一例を図5に示す。
【0049】図5に示される変形例では、電極120は
全体的に長尺とされており、その幅方向一方の端部が上
述した電極54の押圧側端面58に相当する押圧側端面
122とされており、更に、この押圧側端面122のう
ち、厚さ方向中間部よりも一端側が全体的に幅方向一方
へ向けて突出した押圧部124とされており、この押圧
部124が上述した電極54の押圧部62に相当する。
【0050】整流子片60(図5では図示を省略してい
る)は図5の矢印D方向側に位置しており、上述した押
圧側端面122が整流子片60と対向した状態で上述し
た加圧アクチュエータ74の如き加圧アクチュエータ
(図示省略)によって図5の矢印D方向へ移動させるこ
とで整流子片60を押圧して整流子片60を電機子64
のリード線66(図5では図示省略)へ圧接させること
ができる。溶接が終了した後には、電極移動アクチュエ
ータ(図示省略)で整流子片60との接触した部分の寸
法に対応する寸法Lの分だけ電極120をその長手方向
に沿って(すなわち、図5の矢印E方向へ向けて)変位
させて溶接時に整流子片60と接触した部位に隣接する
別の押圧部124及び押圧側端面122を整流子片60
と対向させて、この別の押圧部124及び押圧側端面1
22が次の溶接に使用される。このような電極120の
場合には、押圧側端面122に対して平行方向に沿って
電極120が移動する構成であるが、次の溶接にはそれ
まで使用していた押圧部124及び押圧側端面122と
は別の押圧部124及び押圧側端面122を使用するた
め、上述した電極54を適用した溶接装置10と同様に
溶接の精度を向上でき、また、電極120の取り外し及
び研磨に要する工数を極めて効果的に軽減できる。
【0051】なお、本実施の形態は、モータ18の整流
子片60とリード線66とを溶接するための溶接装置1
0に本発明を適用した構成であったが、モータ18又は
モータ18以外の他の部材を溶接するための溶接装置と
して本発明を適用してもよい。
【0052】また、本実施の形態では、溶接装置10に
電極54を1つしか設けていなかったが、モータ18の
出力軸20を中心として、その周囲に複数の電極54を
設けて設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る溶接用電極の斜視
図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る溶接装置の側面図
である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る溶接装置の電極
(溶接用電極)の近傍部分を拡大した側面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る溶接用電極の変形
例を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る溶接用電極の別の
変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 溶接装置 32 電極回転アクチュエータ(電極変位手段) 54 電極(溶接用電極) 60 整流子片(溶着体) 62 押圧部(押圧面) 66 リード線(被溶着体) 100 電極(溶接用電極) 104 押圧部(押圧面) 120 電極(溶接用電極) 124 押圧部(押圧面)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性の被溶着体へ溶着されることで前
    記被溶着体と一体とされる導電性の溶着体を介して前記
    被溶着体とは反対側に設けられ、少なくとも一部が前記
    溶着体と対向する押圧面で前記溶着体を押圧し、前記溶
    着体を前記被溶着体へ圧接させた状態で通電されること
    により前記溶着体を前記被溶着体へ熱溶着させると共
    に、前記押圧面の面積が前記圧接状態における前記溶着
    体との接触面積の複数倍以上とされた溶接用電極。
  2. 【請求項2】 前記押圧面の全てを前記溶着体と対向す
    る側へ向けたことを特徴とする請求項1記載の溶接用電
    極。
  3. 【請求項3】 前記押圧面の中心周りに所定角度の範囲
    の面積を前記溶着体との接触面積以上としたことを特徴
    とする請求項2記載の溶接用電極。
  4. 【請求項4】 導電性の溶着体を導電性の被溶着体へ圧
    接させると共に当該圧接状態で通電させて前記溶着体を
    前記被溶着体へ溶着させて一体とする溶接装置であっ
    て、 前記溶着体を介して前記被溶着体とは反対側へ配置さ
    れ、当該配置状態で少なくとも一部が前記溶着体と対向
    し、前記圧接状態では前記溶着体と対向した部位が前記
    溶着体へ接近することで前記溶着体を押圧する押圧面と
    されると共に、前記押圧面の面積が前記圧接状態で前記
    溶着体と接触する面積の複数倍以上とされた電極と、 前記押圧面に対して平行に前記電極を変位させ、前記押
    圧面の前記溶接体との接触部位を前記押圧面の別の部位
    に変更する電極変位手段と、 を備えることを特徴とする溶接装置。
  5. 【請求項5】 前記電極の押圧面の全てを前記溶着体と
    対向する側へ向けたことを特徴とする請求項4記載の溶
    接装置。
  6. 【請求項6】 前記電極の押圧面は前記押圧面の中心周
    りに所定角度の範囲の面積が前記溶着体との接触面積以
    上とされると共に、前記電極変位手段は前記押圧面の中
    心周りに前記電極を回転変位させることを特徴とする請
    求項5記載の溶接装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008161910A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Asmo Co Ltd 接合装置、物品の接合方法及び整流子の製造方法

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JP2008161910A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Asmo Co Ltd 接合装置、物品の接合方法及び整流子の製造方法

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