JPH11241039A - 調色熱硬化型粉体塗料及びその調色方法 - Google Patents

調色熱硬化型粉体塗料及びその調色方法

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JPH11241039A
JPH11241039A JP10044759A JP4475998A JPH11241039A JP H11241039 A JPH11241039 A JP H11241039A JP 10044759 A JP10044759 A JP 10044759A JP 4475998 A JP4475998 A JP 4475998A JP H11241039 A JPH11241039 A JP H11241039A
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JP
Japan
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color
powder coating
coating
resin
thermosetting powder
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JP10044759A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Onishi
和彦 大西
Hidefumi Takanashi
秀文 高梨
Hideaki Kobayashi
英昭 小林
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】調色を簡単に行うことができ、且つその塗膜は
仕上がり外観及び塗膜性能に優れた着色粉体塗料を提供
する。 【解決手段】原色粉体塗料に着色液を湿式混合して指定
された塗膜色に調色してなる調色粉体塗料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、少量の熱硬化型粉体塗
料を使用して多色化ができ、且つ安価で簡単に調色がで
きる調色熱硬化型粉体塗料及びその調色方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来、粉体塗料の調色は、例えば次の様な
方法で行っている。
【0003】着色粉体塗料は、ユーザーから指定された
塗膜の色調になるように着色顔料を粉末基体樹脂、硬化
剤などと混合分散し、次に得られた混合分散物を2軸分
散機を使用して着色顔料、硬化剤などを基体樹脂中に溶
融混合分散したのち、冷却、粗粉砕、微粉砕、濾過(篩
い)を行うことにより目的とする着色粉体塗料が製造さ
れる。
【0004】着色粉体塗料の製造は、上記した様な行程
により製造されるため決まった色の粉体塗料を多量に製
造するには問題とならないが、一方少量の粉体塗料を多
色にわたって製造しようとすると、粉体塗料のロスが多
くなること、手間が掛かること、コンタミが多くなるこ
となどの問題点がある。
【0005】着色粉体塗料の調色方法として、例えば特
公表4ー504431号公報、特開昭59ー58064
号公報などが知られている。特公表4ー504431号
公報のものは2種類以上の異なった色の粒子の混合物も
しくは凝集物を着色粉体塗装組成物として使用すること
が記載されている。しかしながら、このものでは色別れ
がなく、しかも塗膜性能に優れた着色粉体塗膜が得られ
ないといった欠点がある。また特開昭59ー58064
号公報のものは着色顔料含有の水相分散体を着色顔料不
含有の微粉体と混合する粉体塗料の着色方法が記載され
ている。しかしながら、この方法は水相分散体の添加量
を多くすると塗膜の仕上がり外観が低下し、一方水相分
散体の添加量を少なくすると塗膜の隠蔽性が悪くなり両
者のバランスを取ることが困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、仕上がり外
観、塗膜性能に優れ、且つ小口多色化が容易に行うこと
ができる調色粉体塗料及びその着色方法を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、原色熱硬化型粉体
塗料に、特定の着色液を湿式混合することにより、仕上
がり外観、塗膜性能及び調色性に優れた着色熱硬化型粉
体塗膜が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0008】即ち、本発明は、 1、原色熱硬化型粉体塗料に着色液を湿式混合して指定
された塗膜色に調色してなり、該着色液が原色粉体塗料
の樹脂成分に対して不溶性の有機溶媒に硬化型樹脂を分
散もしくは溶解してなることを特徴とする調色熱硬化型
粉体塗料、 2、予め決められた塗膜色(A)を持つ複数個の原色熱
硬化型粉体塗料を製造する工程、目的とする塗膜色
(B)と上記塗膜色(A)とを比較して塗膜色(B)の
近似する塗膜色(A)を持つ原色熱硬化型粉体塗料を選
択する工程、選択した原色粉体塗料に請求項1に記載の
着色液を湿式混合にて(微)調色して目的とする塗膜色
(B)を持つ着色熱硬化型粉体塗料を製造する工程を含
むことを特徴とする調色方法、及び 3、上記複数個の原色熱硬化型粉体塗料がそれぞれ近接
する塗膜間(A)での色差(△E)が0.1〜30であ
ることを特徴とする調色方法に関する。
【0009】本発明粉体塗料で使用する原色熱硬化型粉
体塗料は、白色顔料、黒色顔料、赤色顔料、黄色顔料、
青色顔料、緑色顔料、鱗片状アルミニウム粉、着色マイ
カ粉、銅粉、スズ粉、ステンレス粉及びこれらの2種以
上の組合せた着色顔料を含有する着色熱硬化型粉体塗料
である。これらの顔料の配合量は使用される塗膜の隠蔽
性、平滑性や性能が満たされるように、適宜選択して配
合することができる。配合量としては、顔料の種類によ
って異なるが、通常粉体樹脂成分100重量部に対して
1〜100重量部、特に2〜80重量部の範囲が好まし
い。原色熱硬化型粉体塗料は、例えば日本塗料工業会が
発行する色見本、各社で決められた色見本の原色に従っ
て原色熱硬化型粉体塗料を製造することができる。
【0010】原色熱硬化型粉体塗料の樹脂成分として
は、好ましくはそれ自体加熱により溶融、流動する熱硬
化型粉体樹脂(軟化温度約30〜100℃)に硬化剤を
配合してなるものを使用することができる。該熱硬化型
粉体樹脂としては、熱により硬化剤と反応する官能基を
有する樹脂が使用できる。具体的には、例えばアクリル
系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、フッ素
系樹脂、シリコン系樹脂及びこれらのハイブリッド系樹
脂などが好適である。官能基としては、例えば水酸基、
カルボキシル基、エポキシ基、ブロックされたイソシア
ネ−ト基等が挙げられる。また、硬化剤としては、該硬
化剤に含まれる官能基が該粉体樹脂中に含まれる官能基
と反応し硬化塗膜を形成するものであり、例えば水酸基
を含有する粉体樹脂ではアミノ基を含有するアミノ樹脂
(ヘキサメトキシメラミン樹脂等)、ブロックポリイソ
シアネ−ト基を含有するブロックイソシアネ−ト化合物
(カプロラクタムブロックイソホロンジイソシアネ−ト
等)等の硬化剤、カルボキシル基含有粉体樹脂ではエポ
キシ基を含有するポリエポキシド(トリグリシジルイソ
シアネ−ト等)及びβ−ヒドロキシエチルアルキルアミ
ド等の硬化剤等の硬化剤、エポキシ基含有粉体樹脂では
カルボキシル基を含有するポリカルボン酸(ドデカン二
酸、トリメリット酸、ポリエステルポリカルボン酸樹脂
等)等の硬化剤、ブロックされたイソシアネ−ト基含有
粉体樹脂では水酸基を含有するポリオ−ル(トリメチロ
−ルプロパン等)等の硬化剤及びベンジル−4−ヒドロ
キシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチ
モネ−トエポキシ重合開始剤等の硬化剤が挙げられる。
【0011】原色熱硬化型粉体塗料の成分として上記し
た配合物以外に必要に応じて硬化触媒、充填剤、紫外線
安定剤、紫外線吸収剤、流動性調整剤、ハジキ防止剤等
が配合できる。
【0012】原色熱硬化型粉体塗料は、従来からの方
法、例えば粉体樹脂、硬化剤、着色顔料及び必要に応じ
てその他の成分を配合しミキサ−でドライブレンドした
後、加熱溶融混練し、冷却、粗粉砕、微粉砕、濾過する
溶融混練り方法や凍結乾燥方法などにより製造すること
ができる。
【0013】原色熱硬化型粉体塗料の平均粒子径は約1
〜50ミクロン、特に2〜40ミクロンの範囲のものが
好適である。平均粒子径が約1ミクロンを下回ると最終
的に得られる粉体塗料の流動性が低下するため静電塗装
作業性が悪くなり、一方約50ミクロンを越えると塗膜
の平滑性、耐色むら性等が劣る。
【0014】本発明において、平均粒子径は粒度分布を
測定(例えばマイクロトラック、FRA粒度分析計、商
標名、“日機装株式会社製”)してその累積頻度が50
%になる粒子径を示す。
【0015】本発明粉体塗料で使用する着色液は、原色
熱硬化型粉体塗料の樹脂成分に対して不溶性の有機溶媒
に硬化型樹脂を分散もしくは溶解してなるものである。
該不溶性の有機溶媒は、粉体塗料に着色液を混合分散す
ることにより粉体塗料が溶解して融着し固まり(ブロッ
キング)を生じないものが使用される。また、該有機溶
媒は粉体塗膜を焼き付ける際に揮発することが好ましい
が、塗膜の性能等に悪影響を及ぼさなければ塗膜中に残
存しても差し支えない。
【0016】着色液で使用する有機溶剤としては、粉体
塗料で使用される樹脂の種類や配合量によって異なるた
め、特定することは難しいが、例えば、水:メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレン
グリコール、プロピレングリコール等のアルコール系:
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、セロソルブ、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル
系:ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、石油ナ
フサ等の炭化水素系:酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プ
ロピル、酢酸セロソルブ等のエステル系等が挙げられ
る。また、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、
カチオン界面活性剤、両性イオン界面活性剤等の界面活
性剤や親水性有機溶媒を水と組み合わせて使用すること
ができる。これらの中でも水を主成分とする有機溶媒が
好ましい。
【0017】着色液で使用する硬化型樹脂としては、着
色液単独で硬化できるものが好ましい。このものとして
は、自己硬化型樹脂や硬化剤による硬化樹脂等が含ま
れ、例えばアミノ硬化型樹脂、イソシアネート硬化型樹
脂、エポキシ硬化型樹脂、シリコン硬化型樹脂、オキサ
ゾリン硬化型樹脂、アジリジン硬化型樹脂等が挙げられ
る。具体的には、アミノ硬化型樹脂としては、水性メラ
ミン樹脂、水性尿素樹脂、水性メラミン樹脂(又は水性
尿素樹脂)とこのものと反応する官能基(水酸基等の活
性水素基)を有する水性硬化型樹脂(アクリル系樹脂、
ポリエステル系樹脂、シリコン系樹脂等)の混合物、油
性(水以外の有機溶媒に溶解もしくは分散できるものを
表す、以下、同様の意味を示す。)メラミン樹脂、油性
尿素樹脂、油性メラミン樹脂(又は油性尿素樹脂)とこ
のものと反応する官能基(水酸基等の活性水素基)を有
する油性硬化型樹脂(アクリル系樹脂、ポリエステル系
樹脂、シリコン系樹脂等)の混合物等:イソシアネート
硬化型樹脂としては、水分散性ポリイソシアネート化合
物とイソシアネート基と反応する官能基(水酸基等の活
性水素基)を有する水性硬化型樹脂(アクリル系樹脂、
ポリエステル系樹脂、シリコン系樹脂等)の混合物、油
性ブロックポリイソシアネート化合物とイソシアネート
基と反応する官能基(水酸基等の活性水素基)を有する
油性硬化型樹脂(アクリル系樹脂、ポリエステル系樹
脂、シリコン系樹脂等)の混合物等:エポキシ硬化型樹
脂としては、水性エポキシ樹脂とエポキシ基と反応する
官能基(カルボキシル基等の活性水素基)を有する水性
硬化型樹脂(アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、シ
リコン系樹脂等)の混合物、油性エポキシ樹脂とエポキ
シ基と反応する官能基(カルボキシル基等の活性水素
基)を有する油性硬化型樹脂(アクリル系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、シリコン系樹脂等)の混合物等:シリコ
ン硬化型樹脂として、加水分解性シラン基含有水性化合
物、加水分解性シラン基含有油性化合物等:オキサゾリ
ン硬化型樹脂として、ポリオキサゾリン化合物とオキサ
ゾリン基と反応する官能基(水酸基、カルボキシル基等
の活性水素基)を有する水性硬化型樹脂(アクリル系樹
脂、ポリエステル系樹脂、シリコン系樹脂等)の混合
物、ポリオキサゾリン化合物とオキサゾリン基と反応す
る官能基(水酸基、カルボキシル基等の活性水素基)を
有する油性硬化型樹脂(アクリル系樹脂、ポリエステル
系樹脂、シリコン系樹脂等)の混合物等:アジリジン硬
化型樹脂として、ポリアジリジン化合物とアジリジン基
と反応する官能基(水酸基、カルボキシル基等の活性水
素基)を有する水性硬化型樹脂(アクリル系樹脂、ポリ
エステル系樹脂、シリコン系樹脂等)の混合物、ポリア
ジリジン化合物とアジリジン基と反応する官能基(水酸
基、カルボキシル基等の活性水素基)を有する油性硬化
型樹脂(アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコ
ン系樹脂等)の混合物等が挙げられる。
【0018】また、着色液で使用する硬化型樹脂におい
て、ブロックポリイソシアネート化合物、エポキシ樹
脂、ポリオキサゾリン化合物、ポリアジリジン化合物な
どの水性もしくは油性のものは、着色液でこれらのもの
を単独で使用し、原色熱硬化型粉体塗料中の官能基(水
酸基、カルボキシル基等)と反応させることもできる。
【0019】上記した硬化型樹脂の中でも、特に水性ア
ミノ樹脂を使用することが好ましく、このものとして
は、例えばメラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセト
グアナミン、ステログアナミン、スピログアナミン、ジ
シアンジアミド等のアミノ成分とアルデヒドとの反応に
よって得られるメチロール化アミノ樹脂があげられる。
アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、パラホルムア
ルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等があ
る。また、このメチロール化アミノ樹脂を適当なアルコ
ールによってエーテル化したものも使用でき、エーテル
化に用いられるアルコールの例としてはメチルアルコー
ル、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、i−
プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチ
ルアルコール、2−エチルブタノール、2−エチルヘキ
サノールなどがあげられる。アミノ樹脂としては、特に
メラミン樹脂、更にアミノ樹脂のメチロール基の一部も
しくは全部を、例えばメチルアルコール、エチルアルコ
ール、プロピルアルコール等の低級アルコールでエーテ
ル化して水溶性にしたアルキルエーテル化シメラミン樹
脂を使用することが好ましい。具体的には、例えばトリ
アジン核1個当り、メチロール基が平均3個以上メチル
エーテル化されたメラミンやそのメトキシ基の一部を炭
素数2個以上のアルコールで置換したメラミン樹脂が好
ましい。
【0020】アルキルエーテル化メラミン樹脂として
は、市販品として、例えばサイメル303、サイメル3
25、サイメル327、サイメル350、サイメル37
0[いずれも三井サイテック社製、商品名]、ニカラッ
クMS17、ニカラックMS15[いずれも三和ケミカ
ル社製、商品名]、レジミン741[モンサント社
製]、スミマ−ルM−55[住友化学社製、商品名]、
スミマールM30W[住友化学社製、商品名]等のメチ
ルエ−テル化メラミン、サイメル202、サイメル23
5、サイメル238、サイメル254、サイメル27
2、サイメル1130[いずれも三井サイテック社製、
商品名]、ニカラックMX−485、ニカラックMX−
487[いずれも三和ケミカル社製、商品名]、レジミ
ン755[モンサント社製、商品名]等のメチルエ−テ
ル・ブチルエ−テル混合エ−テル化メラミン樹脂等を挙
げることができる。
【0021】着色液は、着色顔料約5〜70重量%、好
ましくは約10〜60重量%、硬化性樹脂約1〜20重
量%、好ましくは約2〜15重量%、有機溶媒約10〜
89重量%、好ましくは約20〜83重量%の範囲が良
い。上記以外に必要に応じて湿潤剤、泡消剤、防腐剤、
中和剤等を配合することができる。
【0022】着色顔料としては特に制限なしに従来のも
のから適宜選択して使用することができる。顔料として
は、例えば白色顔料、黒色顔料、赤色顔料、黄色顔料、
青色顔料、緑色顔料などが挙げられる。これらの顔料は
1種もしくは2種以上組み合わせて使用することができ
る。
【0023】着色液の配合割合は、原色粉体塗料100
重量部に対して固形分換算で約0.01〜5重量部、好
ましくは約0.01〜3重量部の範囲である。約0.0
1重量部を下回るものは一般的に微調色の必要がないも
のと考えられ、一方5重量部を越えるものは耐色別れ
性、塗膜性能などが悪くなるので好ましくない。
【0024】本発明の調色粉体塗料は、例えば原色粉体
塗料を攪拌しながら指定された色になるまで水性着色液
を徐々に添加することにより製造できる。得られた着色
粉体塗料の平均粒子径は約1〜50ミクロン、特に2〜
40ミクロンの範囲のものが好適である。
【0025】本発明の着色粉体塗料には、必要に応じ
て、例えば撥油剤、紫外線安定剤、紫外線吸収剤(ベン
ゾトリアゾール化合物等)、抗菌剤、ハジキ防止剤、硬
化触媒、充填剤、防錆剤、流動性調整剤等を配合するこ
とが好ましい。
【0026】本発明の着色粉体塗料は、被塗物に静電粉
体塗装し、焼付け(例えば約160〜200℃以上の温
度で約20〜40分間)によって硬化塗膜を形成するこ
とができる。該被塗物としては、静電粉体塗装が可能な
素材であれば特に制限なしに従来から公知のものを使用
することができる。該被塗物としては、例えば金属類、
表面処理が施された金属類、プラスチック類、これらの
素材に塗料が塗装されたもの等が挙げられる。
【0027】粉体塗装は、それ自体公知の方法、例えば
静電粉体塗装、摩擦帯電粉体塗装、流動浸漬粉体塗装等
で行うことが好ましい。塗装膜厚は、特に制限されない
が、約20ミクロン〜200ミクロン、好ましくは約2
0ミクロン〜150ミクロンの範囲が好適である。
【0028】本発明の着色粉体塗料は、例えば自動車、
電気製品、鋼製家具、事務用品、建材、パイプなど従来
から粉体塗料が使用されている用途に制限なしに適用で
きる。
【0029】本発明の調色方法は、予め決められた塗膜
色(A)を持つ複数個の原色粉体塗料を製造する工程、
目的とする塗膜色(B)と上記塗膜色(A)とを比較し
て塗膜色(B)の近似する塗膜色(A)を持つ原色粉体
塗料を選択する工程、選択した原色粉体塗料に水性着色
液を湿式混合にて(微)調色して目的とする塗膜色
(B)を持つ着色粉体塗料を製造する工程を含む調色方
法である。
【0030】予め決められた塗膜色(A)は、例えば日
本塗料工業会が発行する色見本帳、各社で独自で決めら
れた色見本帳(板、物等)等を塗膜色(A)として使用
することができる。
【0031】塗膜色(A)は、例えばL*a*b* 表
色系(JIS Z 8729)の色調が全体的に表現でき
るように、例えばお互いの塗膜の色差(JIS Z 87
30)ΔEが約30以下、好ましくは0.1〜25、更
には1〜20の範囲になるように複数の色を準備してお
くことが良い。△Eが約30を越えると調色に必要な水
性着色液の配合量が多くなるため、粉体塗料の静電塗装
作業性、塗膜仕上がり外観が劣り、また色別れが著しく
なるので好ましくない。
【0032】原色粉体塗料の塗膜色(A)が目的とする
塗膜色(B)と同じであり微調色する必要がなければそ
のまま使用することができる。
【0033】上記原色粉体塗料を選択する工程として
は、目的とする塗膜色(B)と複数の塗膜色(A)を人
の目によって比較して色が近似する塗膜色(A)を選択
することができ、また分光光度計等により複数の塗膜色
(A)を測定して出てきた発色データーをコンピュータ
に入力しておき、次いで目的とする塗膜色(B)を同様
にして色調を測定し出てきた発色データーを塗膜色
(A)の発色データーと比較することにより近似の塗膜
色(A)を選択することもできる。
【0034】水性着色液の添加量は、このものの添加量
と発色データーとの関係を予め検討しておき、その得ら
れたデーターをコンピュータに入力しておくことによ
り、目的とする塗膜色(B)に調色するために必要な水
性着色液の添加量をコンピュータで決定することができ
る。
【0035】塗膜色(B)を持つ着色粉体塗料の製造は
上記したと同様の方法で行うことができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。尚、部及び%はそれぞれ重量部及び重量%を示す。
本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0037】原色粉体塗料種類 エバクラッド#4800白:関西ペイント株式会社製、
商品名、平均粒子径45ミクロン、ブロックイソシアネ
ート硬化型ポリエステル樹脂粉体塗料、塗膜L*値93
(測定:SMカラーコンピュータ、モデルSMー4、ス
ガ試験株式会社製、JIS Z 8729、以下同様の意味) エバクラッド#4800黒:関西ペイント株式会社製、
商品名、平均粒子径45ミクロン、ブロックイソシアネ
ート硬化型ポリエステル樹脂粉体塗料、塗膜L*値4) エバクラッド#4800グレー:上記2種類の粉体塗料
を適当な割合で混合し次いで溶融混合、粉砕、濾過を行
って平均粒子径45ミクロンのL*値がそれぞれ24、
44、64、71及び77のグレーの原色粉体塗料を得
た。
【0038】水性着色液の添加量と発色データーの関係 予め上記したエバクラッド#4800白の原色粉体塗料
に対する黒の水性着色液Aの添加量、上記エバクラッド
#4800グレーの原色粉体塗料に対する白の水性着色
液B又は黒の水性着色液Aの添加量及びエバクラッド#
4800黒の原色粉体塗料に対する白の水性着色液Bの
添加量を変動させることにより変化するL* 値の発色
データーをコンピュータに入力した。
【0039】水性着色液A:サイメル303(三井サイ
テック社製、商品名、メラミン樹脂)18部(固形分換
算)、カーボンMA−100(三菱化成工業社製、商品
名、黒顔料)20部、水145部の混合物をペブルミル
で分散した顔料濃度13%のもの。
【0040】水性着色液B:サイメル303(上記と同
じもの)18部、チタン白CR95(石原産業社製、商
品名)25部、水140部の混合物をペブルミルで分散
した顔料濃度13重量%のもの。
【0041】実施例1ユーザーから提供された有機溶剤
型塗料を塗装焼き付けした見本板(目的とする塗膜色
(B))のL*値を測定した結果51であった。データ
ーをコンピュータに入力した。L*値51に近似するL
*値44(色差△E7)の上記グレーの原色粉体塗料を
コンピュータにより選択した。
【0042】上記水性着色液の添加量と発色データーと
の関係から原色粉体塗料(塗膜)L* 値44をL* 値
51に調色するために必要な白の水性着色液Bの配合量
をコンピュータから検出し、その検出された添加量20
重量部(粉体塗料1000重量部に対して)を湿式混合
して実施例1の粉体塗料を製造した。
【0043】実施例2 ユーザーから提供された有機溶剤型塗料を塗装焼き付け
した見本板(目的とする塗膜色(B))のL*値13を
測定した。データーをコンピュータに入力した。L*値
13に近似するL*値4(色差△E9)の原色粉体塗料
をコンピューターにより選択した。
【0044】上記原色粉体塗料に対する水性着色液の添
加量と発色データーとのデーターからL* 値4をL*
値13に調色するために必要な白の水性着色液Bの配合
量をコンピュータから検出し、その検出された添加量1
0重量部(粉体塗料1000重量部に対して)を湿式混
合して実施例2の粉体塗料を製造した。
【0045】実施例3 ユーザーから提供された有機溶剤型塗料を塗装焼き付け
した見本板(目的とする塗膜色(B))のL*値59を
測定した。データーをコンピュータに入力した。L*値
59に近似するL*値64(色差△E5)の原色粉体塗
料をコンピュータにより選択した。
【0046】上記原色粉体塗料に対する水性着色液の添
加量と発色データーとのデーターからL* 値64をL
* 値59に調色するために必要な黒の水性着色液Aの
配合量をコンピュータから検出し、その検出された添加
量0.2重量部(粉体塗料1000重量部に対して)を
湿式混合して実施例3の粉体塗料を製造した。
【0047】比較例1 上記エバクラッド#4800白980重量部とエバクラ
ッド#4800黒20重量部との混合物をヘンシェルミ
キサーで分散混合して比較例1の粉体塗料を製造した。
【0048】比較例2 実施例1において、水性着色液として、下記白の水性着
色液Cを使用した以外は実施例1と同様にして比較例2
の粉体塗料を製造した。
【0049】実施例及び比較例の結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】表1において試験方法は次の基準で行っ
た。
【0052】塗膜性能試験 塗装板の調整:燐酸亜鉛処理板に焼き付け塗膜が60ミ
クロンになるように静電粉体塗装を行い180℃30分
間焼き付けを行い得られた塗装板を試験に供した。
【0053】塗膜平滑性:塗膜表面を目視で観察し評価
した。◎は平滑性、チヂミ等の異常がないもの、○は平
滑性、チヂミ等があるが実用上問題がないもの、△は平
滑性、チヂミ等の異常が認められるもの、×は平滑性、
チヂミ等の異常が著しく認められるもの。
【0054】塗膜の耐色別れ性:塗膜の耐色別れ性を目
視で観察し評価した。◎は色別れを全く感じさせないも
の、○は若干色別れが認められるが実用上問題がないも
の、△は色別れが認められるもの、×は色別れが著しく
認められるもの。
【0055】鏡面反射率:JIS K−5400の60
度の鏡面光沢度を測定した。
【0056】塗膜の隠蔽性:膜厚の異なったフリー粉体
塗膜を作成したのち、得られた塗膜をJISK5400
7.2に規定される白黒の隠蔽試験紙に重ねて隠蔽試
験紙の白黒模様が見えなくなる膜厚を調べた。
【0057】エリクセン値:JIS K−5400
8.2に従って試験を行った。
【0058】塗膜が割れ及び剥がれが生じるまでの鋼球
を押し出す破断距離(cm)を求めた。
【0059】耐水性:35℃の水道水に10日間浸漬し
た後、セロハンテープによる碁盤目付着試験(2mmの
碁盤目50個)を行った。◎は全く剥がれないもの、○
は剥離面積が1〜5%のもの、△は剥離面積が6〜10
%のもの、×は剥離面積が11%以上のもの。
【0060】塗膜の耐色落性:焼き付け塗膜の表面をメ
チルエチルケトンを浸したガーゼで指で強く往復10回
擦り、その色落ち程度を目視で観察し評価した。◎は色
落ちがないもの、○は若干色色落ちが認められるが実用
上問題がないもの、△は色落ちが認められるもの、×は
色落ちが著しく認められるもの。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、小口調色を簡単に行う
ことができ、且つ得られた塗膜は仕上がり外観及び塗膜
性能に優れるといった顕著な効果を発揮するものであ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原色熱硬化型粉体塗料に着色液を湿式混合
    して指定された塗膜色に調色してなり、該着色液が原色
    粉体塗料の樹脂成分に対して不溶性の有機溶媒に硬化型
    樹脂を分散もしくは溶解してなることを特徴とする調色
    熱硬化型粉体塗料。
  2. 【請求項2】予め決められた塗膜色(A)を持つ複数個
    の原色熱硬化型粉体塗料を製造する工程、目的とする塗
    膜色(B)と上記塗膜色(A)とを比較して塗膜色
    (B)の近似する塗膜色(A)を持つ原色熱硬化型粉体
    塗料を選択する工程、選択した原色粉体塗料に請求項1
    に記載の着色液を湿式混合にて(微)調色して目的とす
    る塗膜色(B)を持つ着色熱硬化型粉体塗料を製造する
    工程を含むことを特徴とする調色方法。
  3. 【請求項3】上記複数個の原色粉体塗料がそれぞれ近接
    する塗膜間(A)での色差(△E)が0.1〜30であ
    ることを特徴とする調色方法。
JP10044759A 1998-02-26 1998-02-26 調色熱硬化型粉体塗料及びその調色方法 Pending JPH11241039A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002235040A (ja) * 2001-02-08 2002-08-23 Mitsubishi Electric Corp 基材の塗装方法
US7691451B2 (en) 2004-11-25 2010-04-06 Kansai Paint Co., Ltd. Composite powder coating material, process for production thereof and method for the color matching of powder coating material

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