JPH11235631A - 工作機械 - Google Patents

工作機械

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JPH11235631A
JPH11235631A JP3755298A JP3755298A JPH11235631A JP H11235631 A JPH11235631 A JP H11235631A JP 3755298 A JP3755298 A JP 3755298A JP 3755298 A JP3755298 A JP 3755298A JP H11235631 A JPH11235631 A JP H11235631A
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JP
Japan
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work table
slide
spindle
machine tool
pair
Prior art date
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JP3755298A
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English (en)
Inventor
Yoshio Wakazono
賀生 若園
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Toyoda Koki KK
Original Assignee
Toyoda Koki KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工具主軸を備えた主軸側スライドの両側に設
けられて所定の方向へ駆動する駆動手段のいずれか一方
に対して偏った荷重が作用するのを解消し、この主軸側
スライドの円滑な動きを維持して高加減速度での移動制
御を可能とする。 【解決手段】 主軸側第1スライド(サドル16)及び
ワークテーブル52を互いに直交する方向で、かつ自身
の移動方向と直交する方向の両側に配置した一対のガイ
ド機構及び一対の駆動機構により強固に案内しながら駆
動する。そして主軸側第1及び第2スライドの移動方向
の何れにも直交する方向の移動はワークテーブル52の
移動として与えるようにし、主軸側第1スライドを駆動
する一対の駆動機構には、この第1スライド上で工作物
64に向かって進退する工具主軸30がどのような位置
をとるときでも均等の送り負荷が作用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワークテーブルと
工具主軸とを相対的に移動制御することによって加工を
行うマシニングセンタ等の工作機械に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、三軸式の工作機械としては例えば
図9あるいは図10で示すタイプのものが知られてい
る。まず図9で示す技術では、フレーム90の内部空間
にガントリ91が配置され、このガントリ91の内部空
間にサドル94が配置され、しかもサドル94の内部空
間には工具主軸98を備えたラム97が配置されてい
る。前記ガントリ91はその上下両側に設けられたX軸
用リニアモータ92により、フレーム90に対して工作
機械の左右方向(以下、X軸方向という)へ高速で駆動
される。
【0003】前記サドル94はその左右両側に設けられ
たY軸用リニアモータ96により、ガントリ91に対し
て工作機械の上下方向(以下、Y軸方向という)へ高速
で駆動される。また前記ラム97はその下面に設けられ
たZ軸用リニアモータ99により、サドル94に対して
工作機械の前後方向(以下、Z軸方向という)へ工具主
軸98と共に高速で駆動される。
【0004】図10で示す技術では、サドル102がそ
の左右両側に設けられたY軸用リニアモータ104によ
り、左右一対のコラム100に対してY軸方向へ高速で
駆動されるようになっている。このサドル102の内部
空間には、工具主軸109を備えた主軸ヘッド106が
配置されており、この主軸ヘッド106はその上下両側
に設けられたX軸用リニアモータ108により、サドル
102に対してX軸方向へ高速で駆動される。
【0005】一方、前記工具主軸109の前方には位置
されたワークテーブル110は、その左右両側に設けら
れたZ軸用リニアモータ112によってZ軸方向へ高速
駆動されるようになっている。つまり図10で示す三軸
式の工作機械においては、工具主軸109のZ軸方向の
移動制御がワークテーブル110の移動制御に置き換え
られている。なお図9及び図10においては、各スライ
ド体を案内するリニアガイド機構の図示を省略してい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図9で示す工作機械に
おいて、前記ガントリ91に対するサドル94のY軸方
向の位置によっては、このサドル94(ラム97及び工
具主軸98を含む)の荷重がガントリ91の上下両側に
位置しているX軸用リニアモータ92のいずれかの側に
偏ることがある。このような状態で上下の両X軸用リニ
アモータ92の等しい駆動力によってガントリ91をX
軸方向へ高速で移動させると、ガントリ91の姿勢が変
化して振動が誘発され、その円滑な移動が妨げられる。
したがってこの振動が生じない範囲までX軸用リニアモ
ータ92の駆動力を下げる必要があり、結果的にガント
リ91(ひいては工具主軸98)をX軸方向へ高加減速
度で移動制御することは困難である。
【0007】また図10で示す工作機械においても、サ
ドル102に対する主軸ヘッド106のX軸方向の位置
によっては、主軸ヘッド106(工具主軸109を含
む)の荷重がサドル102の左右両側に位置しているY
軸用リニアモータ104のいずれかの側に偏るこ場合が
ある。このため両Y軸用リニアモータ104の駆動によ
ってサドル102をY軸方向へ高速で移動させると、図
9のガントリ91の場合と同様の理由によってサドル1
02の円滑な移動が妨げられる。したがって、この場合
にはサドル102(ひいては工具主軸109)をY軸方
向へ高加減速度で移動制御することが困難となる。
【0008】本発明の一つの目的は、工具主軸を備えた
主軸側スライドの両側に設けられて所定の方向へ駆動す
る駆動手段のいずれか一方に対して偏った荷重が作用す
るのを解消し、この主軸側スライドの円滑な動きを維持
して高加減速度での移動制御を可能とすることである。
【0009】本発明の他の一つの目的は、前記目的に加
えて例えばサドルをその左右両側に設けたリニアモータ
によって上下方向へ高加減速度で移動制御可能とするこ
とである。
【0010】本発明のさらに他の一つの目的は、前記目
的に加えてワークテーブルについてもその上下両側ある
いは前後両側に設けられたリニアモータによってそれぞ
れの方向へ高加減速度で移動制御可能とすることであ
る。
【0011】本発明のさらに他の一つの目的は、前記目
的に加えてワークテーブルのワーク取付面にセットされ
た工作物に対する旋回割り出しを可能とすることであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、回転自在な工具主軸を送る主軸側第1及び第2スラ
イドと、工作物を送るワークテーブルを設ける。主軸側
第2スライドは工具主軸と共に工作物に向かって進退で
きるように主軸側第1スライド上に案内し、主軸側第1
スライドは工具主軸の進退方向と直交する方向に案内
し、さらにワークテーブルは前記主軸側第1及び第2ス
ライドの移動方向の何れにも直交する方向に移動可能に
案内する。主軸側第1スライドを案内する一対のガイド
機構をワークテーブルの送り方向に離間して主軸側第1
スライドの両側に配置し、主軸側第1スライドを駆動す
る一対の駆動機構を同様にワークテーブルの送り方向に
離間して主軸側第1スライドの両側に配置する。一方、
ワークテーブルを案内する一対のガイド機構を主軸側第
1スライドの送り方向に離間してワークテーブル両側に
配置し、ワークテーブルを駆動する一対の駆動機構を同
様に主軸側第1及び第2スライドの送り方向の何れか一
方向に離間してワークテーブルの両側に配置する。
【0013】この構成により、主軸側第1スライド及び
ワークテーブルを互いに直交する方向でかつ自身の移動
方向と直交する方向の両側に配置した一対のガイド機構
及び一対の駆動機構により強固に案内し駆動できる。こ
の場合、主軸側第1及び第2スライドの移動方向の何れ
にも直交する方向の移動はワークテーブルの移動として
与えるようにしたので、主軸側第1スライドを駆動する
一対の駆動機構には、この第1スライド上で工作物に向
かって進退する工具主軸がどのような位置をとるときで
も均等の送り負荷が作用する。これにより、1方向に移
動する主軸側の一つのスライド上に他の一つのスライド
を同一面内の直交する方向に移動可能に積層した構成の
従来技術において生じる問題、つまり前記他の一つのス
ライドがその移動ストロークの何れかに偏倚したときに
前記一つのスライドを騒動する一対のリニアモータに不
衡平な送り負荷が作用するといった問題が解消される。
従って、本発明によれば、主軸側第1スライドとワーク
テーブルを振動を伴わずに高速送りできる。
【0014】特に、請求項2に記載の発明のように、前
記主軸側第1スライド及び前記ワークテーブルを駆動す
るそれぞれの一対の駆動機構をリニアモータで構成した
場合では、第1スライド及びワークテーブルを例えば1
G以上で加減速でき、超高速送りが実現される。工具主
軸と共に工作物に向かって進退送りされる主軸側第2ス
ライドの駆動機構もリニアモータにて構成することが好
ましい。
【0015】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の工作機械であって、前記主軸側第1スライドが前記ワ
ークテーブルに向かって進退する前記主軸側第2スライ
ドと一体的に工作機械の上下方向に移動可能であり、前
記ワークテーブルがそのワーク取付面を垂直にした状態
で工作機械の左右方向に水平移動可能であり、前記ワー
クテーブルを駆動する前記一対のリニアモータが前記ワ
ークテーブルの上下両側に配置されていることを特徴と
する。
【0016】請求項4に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の工作機械であって、前記主軸側第1スライドが
前記ワークテーブルに向かって進退する前記主軸側第2
スライドと一体的に工作機械の上下方向に移動可能であ
り、前記ワークテーブルがそのワーク取付面を水平にし
た状態で工作機械の左右方向に水平移動可能であり、前
記ワークテーブルを駆動する前記一対のリニアモータが
前記主軸側第2スライドの移動方向における前記ワーク
テーブルの前後両側に配置されていることを特徴とす
る。
【0017】請求項3,4に記載の発明によれば、工作
物の種類や加工の態様に応じて垂直あるいは水平のワー
ク取付面を使用して合理的でかつ適正な加工を行うこと
ができるとともに、ワークテーブルについてもその上下
両側あるいは前後両側に配置された一対のリニアモータ
によってそれぞれの方向へ高加減速度で移動制御され
る。
【0018】請求項5に記載の発明は、請求項3に記載
の工作機械であって、前記テーブルを駆動する前記一対
のリニアモータは、ワークテーブルの上下に配置された
個々のスライダーとベース側の部材との間にそれぞれ構
成されているとともに、これらのスライダーに対してワ
ークテーブルが垂直軸線回りの回転制御可能に支持され
ていることを特徴とする。
【0019】請求項6に記載の発明は、請求項4に記載
の工作機械であって、前記テーブルを駆動する前記一対
のリニアモータは、ワークテーブルの下部に配置された
スライダーの前後両側とベース側の部材との間にそれぞ
れ構成されているとともに、このスライダーに対してワ
ークテーブルが垂直軸線回りの回転制御可能に支持され
ていることを特徴とする。
【0020】請求項5,6に記載の発明にあっては、垂
直あるいは水平のワーク取付面を備えたワークテーブル
を垂直軸線回りに回転制御することにより、これらのワ
ーク取付面にセットされた工作物に対する旋回割り出し
を簡単に行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1はマシニングセンタ等の工作機械の概要を表
した平面図、図2は図1のC−C線矢視図、図3は同じ
く図1のD−D線矢視図、図4は図3のF−F線矢視図
である。これらの図面で示すように工作機械の枠組み構
造は、ベース10の上面に対して左右一対のコラム12
と、これらのコラム12から所定の距離を隔てて対向す
るフレーム40とがそれぞれ組み付けられた構成となっ
ている。
【0022】前記の両コラム12の上端部には、これら
の相互間に掛け渡された格好の上板14が固定されてい
る。そして両コラム12の間には主軸側第1スライドを
構成するサドル16が配置されている。このサドル16
は前後両面が開放された箱形をしているとともに、その
左右両側部の各々には、上下及び前後それぞれ一対ず
つ、計4個のリニアガイド20が設けられている。これ
らのリニアガイド20は各コラム12の内面に前後一対
ずつ固定されたレール18に対してスライド自在に係合
しており、これによってサドル16は4本のレール18
に案内される8個のリニアガイド20を介して工作機械
の上下方向(Y軸方向)へ移動可能となっている。
【0023】また両コラム12とサドル16の両側部と
の間には、このサドル16をY軸方向へ高速で駆動する
ためのY軸用の電気リニアモータ22が、サドル16の
左右の各側に設けた一対のレール18間のスペースを利
用してそれぞれ配置されている。これらのY軸用の電気
リニアモータ22は、サドル16に固定されたコイル2
2aとコラム12に固定されたマグネット22bとによ
って構成されている。なお前記上板14の左右両側には
カウンタバランス用のエアシリンダ24がそれぞれ下向
きの姿勢で取り付けられており、両エアシリンダ24の
ピストンロッド26はサドル16の上部に結合されてい
る。これらのエアシリンダ24は、周知のように前記Y
軸用の電気リニアモータ22の駆動に対するサドル16
(後述のラム28及び工具主軸30を含む)の重力影響
を除去するように機能する。
【0024】前記サドル16の内部空間には、主軸側第
2スライドを構成するラム28が配置されている。この
ラム28には工具主軸30が回転自在に支持されている
とともに、その上面に1本、下面に2本の計3本のレー
ル32が設けられている。これらの各レール32は、サ
ドル16の対応箇所にそれぞれ固定されたリニアガイド
34に対してスライド自在に係合している。これによっ
てラム28はサドル16に対し、工具主軸30と共に工
作機械の前後方向(Z軸方向)へ移動可能となってい
る。
【0025】前記ラム28の下面とサドル16の内面と
の間には、このラム28をZ軸方向へ高速で駆動するた
めのZ軸用の電気リニアモータ36が配置されている。
このZ軸用の電気リニアモータ36は、サドル16の内
面に固定されたコイル36aと、ラム28の下面に固定
されたマグネット36bとによって構成されている。な
おラム28は、前記工具主軸30を回転駆動するための
ビルトインモータ(図示外)を備えている。
【0026】前記工具主軸30の先端部には、フライス
カッタ等の工具31が交換可能に取り付けられている。
また前記上板14には各種の工具をあらかじめセットし
たマガジン(図示外)が工具主軸30の上方に位置する
ように設けられており、サドル16のY軸方向の移動制
御とラム28のZ軸方向の移動制御とによってマガジン
から任意の工具をピックアップして工具主軸30に取り
付けれるようになっている。
【0027】図5は図1のE−E線矢視図である。この
図面からも明らかなように、前記フレーム40の内部空
間には、上下のスライダー42,44に上下端部が支持
されたワークテーブル52が配置されている。そして上
のスライダー42の上面及び下のスライダー44の下面
には個々に4個のリニアガイド48が設けられている。
一方、フレーム40の上部内面と前記ベース10の上面
とには、これらの各面上で一対をなすレール46がそれ
ぞれ固定されており、これら4本のレール46に対して
スライダー42,44のリニアガイド48がスライド自
在に係合している。これによって両スライダー42,4
4はワークテーブル52と共にレール46に沿って工作
機の左右方向(X軸方向)へ移動可能である。なお上述
したX軸、Y軸及びZ軸の各々は他の2軸に対して直交
する関係となっている。
【0028】図1,2で明らかなように上のスライダー
42とフレーム40との間及び下のスライダー44とベ
ース10との間には、両スライダー42,44を通じて
ワークテーブル52をX軸方向へ高速で駆動するための
X軸用の電気リニアモータ50が、上部及び下部に設け
た各一対のレール46の間のスペースを利用してそれぞ
れ配置されている。これらのX軸用の電気リニアモータ
50は、スライダー42,44に固定されたコイル50
aとフレーム40及びベース10に固定されたマグネッ
ト50bとによって構成されている。
【0029】前記ワークテーブル52はそのワーク取付
面53が垂直となるように、ワークテーブル52の上下
中央にそれぞれ形成された軸部54がスライダー42,
44に対してベアリング56により垂直軸線回りの回転
可能に支持されている。そして下のスライダー44に支
持されているワークテーブル52の軸部54にはウォー
ムホイール58が固定されている。また下のスライダー
44にはサーボモータ60と、その駆動によって前記ウ
ォームホイール58に噛み合った状態で回転するウォー
ム62とが設けられている。したがってこのサーボモー
タ60の駆動により、ワークテーブル52を垂直軸線回
りに回転制御することができる。
【0030】つづいて前記の工作機械による加工作業に
ついて説明する。まず前記ワークテーブル52のワーク
取付面53に対して図2及び図5の仮想線で示すように
ワーク(工作物)64をセットし、かつ所定の工具31
が取り付けられた前記工具主軸30を軸心回りに回転駆
動させる。この状態でのY軸用の電気リニアモータ22
によるサドル16の移動制御と、Z軸用の電気リニアモ
ータ36によるラム28の移動制御とにより、工具主軸
30が工具31を回転させながらY軸及びZ軸の両方向
に関して高速で移動制御される。これと同時にX軸用の
電気リニアモータ50によってワークテーブル52をワ
ーク64と共にX軸方向に関して高速で移動制御するこ
とにより、工具31によってワーク64に所定の加工が
行われる。また前記のようにワークテーブル52を垂直
軸線回りに回転制御することで、ワーク64の旋回割り
出しを行うことができる。
【0031】さてX軸及びY軸の両方向に関する工具主
軸30とワークテーブル52との相対的な移動において
は、ワークテーブル52のX軸方向への移動制御に伴
い、このワークテーブル52の重心位置と前記サドル1
6の左右両側に位置するY軸用の電気リニアモータ22
とのそれぞれの間の距離の変化に差が生じる。つまりワ
ークテーブル52の移動により、その重心位置と両Y軸
用の電気リニアモータ22の一方との間の距離が増加す
るとき、他方との間の距離は減少することとなる。
【0032】しかしX軸方向についてはX軸用の電気リ
ニアモータ50(テーブル側駆動手段)の駆動によるワ
ークテーブル52の移動制御であるので、工具主軸30
と共に移動するサドル16を一つの「移動体」としたと
き、その左右両側に位置するY軸用の電気リニアモータ
22(主軸側駆動手段)のいずれか一方の側に荷重が偏
ることは回避される。したがって主軸側の「移動体」で
あるサドル16の移動時において、その姿勢の変化に伴
う振動の発生が抑えられて円滑な動きが維持される。こ
の結果、サドル16をY軸方向へ高加減速度で移動制御
できるとともに、ワークテーブル52についてもX軸方
向へ高加減速度で移動制御することができる。
【0033】なおX軸及びY軸の両方向の移動は相対的
なものであるから、図9の従来技術で説明したようにX
軸方向へ移動するガントリ91を主軸側第1スライドと
する変更例を採用することも可能である。この従来技術
ではサドル94のY軸方向への移動に伴い、このサドル
94の重心位置とガントリ91の上下に位置しているX
軸用リニアモータ92(主軸側の駆動手段)とのそれぞ
れの間の距離の変化に差が生じ、これらのX軸用リニア
モータ92のいずれか一方の側に荷重が偏ることにな
る。
【0034】そこでこの変更例では、サドル94を除去
してガントリ91の上下方向(Y軸方向)の中間位置で
ラム97をZ軸方向に直接案内し、前記ワークテーブル
52をY軸用リニアモータ(テーブル側駆動手段)の駆
動によってY軸方向へ移動制御する構成とすればよい。
ただしワークテーブル52をY軸方向へ移動制御し、か
つ前記のように垂直軸線回りに回転制御するにはその構
造が複雑となるので、前記のようにX軸方向の移動をワ
ークテーブル52の移動制御とする方が好ましい。
【0035】図6で示すようにワークテーブル52が支
持されている上下の両スライダー42,44の両端部を
補強部材66によって相互に連結してもよい。この補強
部材66には剛性の高いT型鋼などが使用され、上下の
スライダー42,44をしっかりと結合して相互の一体
化を図っている。これによってX軸用の電気リニアモー
タ50によるワークテーブル52のX軸方向への高速駆
動がより円滑で、かつ安定したものとなる。
【0036】図7(A)はラム28のZ軸方向への移動
に伴う重心位置の変化とY軸用の電気リニアモータ22
との関連を図4と対応させて表した概略図、図7(B)
はワーク64の重心位置の変化とX軸用の電気リニアモ
ータ50との関連を図2の一部と対応させて表した概略
図である。まず図7(A)で示すようにラム28がZ軸
方向に関して実線位置から仮想線位置に移動したとき、
それに伴って重心位置がa1からa2に変化するが、これ
らの重心位置a1,a2から前記サドル16の左右両側に
位置するY軸用の電気リニアモータ22までの距離は左
右両側において常に等しい。したがってラム28のZ軸
方向の移動は、左右のリニアモータ22に加わる負荷の
アンバランスを招くことがなく、サドル16のY軸方向
の高速駆動に何ら悪影響を及ぼさない。
【0037】また図7(B)で示すようにワークテーブ
ル52のワーク取付面53からのワーク64の張り出し
寸法の違いに伴い、ワーク64を含むワークテーブル5
2の側の重心位置がb1からb2に変化する。この場合に
おいても個々のの重心位置b1,b2からワークテーブル
52の上下両側に位置するX軸用の電気リニアモータ5
0までの距離は上下において常に等しい。このためワー
ク64の形状の違いに伴う重心位置の変化が生じても上
下のリニアモータモーター50に加わる負荷のアンバラ
ンスを招くことがなく、ワークテーブル52のX軸方向
の高速駆動に支障をきたすことはない。
【0038】図8は異なる実施の形態の工作機械を図2
と対応させて表した構成図である。この図面で示す工作
機械においては、ベース10の前方において上面を開放
した形状のフレーム70が配置されている。そしてこの
フレーム70の内部にはスライダー72が、その下面に
設けられた一対のリニアガイド76をフレーム70の内
底面に固定された個々のレール74に対してX軸方向へ
スライド自在に係合させた状態で配置されている。前記
スライダー72の上面には、ワーク取付面81を水平に
向けたワークテーブル80が設けられている。
【0039】前記スライダー72の前後両側には、この
スライダー72を通じて前記ワークテーブル80をX軸
方向へ高速で駆動するためのX軸用の電気リニアモータ
78(テーブル側駆動手段)がそれぞれ配置されてい
る。これらのX軸用の電気リニアモータ78は、ラム2
8の進退方向におけるスライダー72の前後両側に固定
されたコイル78aとフレーム70の側に固定されたマ
グネット78bとによって構成されている。
【0040】前記ワークテーブル80についても、前記
スライダー72に対して垂直軸線回りの回転可能に支持
されている。そしてワークテーブル80は、モータ、ウ
ォーム及びウォームホイールなどの回転駆動機構(図示
外)により、垂直軸線回りに回転制御されるようになっ
ており、それによって水平のワーク取付面81にセット
されたワーク64の旋回割り出しを行うことができる。
【0041】図8で示す工作機械のように水平のワーク
取付面81にセットされるワーク64の荷重はワークテ
ーブル80に対して垂直に作用するので、この方がX軸
方向への移動制御についてもより安定したものとなる。
なお図8の工作機械における工具主軸30の側の構成に
ついては、図1〜図4で示す工作機械と同じであるの
で、その説明は省略する。
【0042】上述した各実施の形態では、駆動機構とし
て電気リニアモータを開示したが、回転タイプのサーボ
モータを用いるボールネジ式の送り機構でもよいし、ボ
ールネジ式送り機構と電気リニアモータとの組み合わせ
でもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】工作機械の概要を表した平面図。
【図2】図1のC−C線矢視図。
【図3】図1のD−D線矢視図。
【図4】図3のF−F線矢視図。
【図5】図1のE−E線矢視図。
【図6】ワークテーブルを支持している両スライダーを
補強した場合の構成図。
【図7】重心位置の変化とリニアモータとの関連を表し
た概略図。
【図8】異なる実施の形態の工作機械を表した構成図。
【図9】従来の工作機械を表した構成図。
【図10】従来の異なるタイプの工作機械を表した構成
図。
【符号の説明】
16 サドル(主軸側第1スライド) 22 Y軸用リニアモータ 28 ラム(主軸側第2スライド) 30 工具主軸 36 Z軸用リニアモータ 50 X軸用リニアモータ 52 ワークテーブル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工具主軸を直線移動するために移動可能
    な主軸側第1スライドと、前記工具主軸を回転自在に支
    持すると共にこの工具主軸を前記主軸側第1スライドの
    移動方向と直交する方向において工作物に向かって進退
    するように前記主軸側第1スライド上に支持された主軸
    側第2スライドと、工作物を取付けでき前記工具主軸の
    前方において前記主軸側第1及び第2スライドの移動方
    向の何れにも直交する方向に移動可能なワークテーブル
    と、前記主軸側第1及び第2スライド及びワークテーブ
    ルをそれぞれの移動方向に案内するガイド手段と、前記
    主軸側第1及び第2スライド及びワークテーブルをそれ
    ぞれの移動方向に駆動する駆動手段とを有し、前記工具
    主軸と前記ワークテーブルとを互いに直交する3方向に
    相対移動して前記工作物を前記工具主軸上の工具により
    加工するようにした工作機械において、前記主軸側第1
    スライドを案内し駆動する前記ガイド手段及び前記駆動
    手段をそれぞれ前記ワークテーブルの移動方向に離間し
    て前記主軸側弟1スライドの両側に配置した一対のガイ
    ド機構及び一対の駆動機構にて構成し、前記ワークテー
    ブルを案内し駆動する前記ガイド手段及び前記駆動手段
    をそれぞれ前記主軸側第1及び第2スライドの移動方向
    の何れか一方向に離間して前記ワークテーブルの両側に
    配置した一対のガイド機構及び一対の駆動機構にて構成
    したことを特徴とする工作機械。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の工作機械であって、前
    記主軸側第1スライドを駆動する前記一対の駆動機構の
    各々及び前記ワークテーブルを駆動する前記一対の駆動
    機構の各々がリニアモータにて構成されていることを特
    徴とする工作機械。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の工作機械であって、前
    記主軸側第1スライドが前記ワークテーブルに向かって
    進退する前記主軸側第2スライドと一体的に工作機械の
    上下方向に移動可能であり、前記ワークテーブルがその
    ワーク取付面を垂直にした状態で工作機械の左右方向に
    水平移動可能であり、前記ワークテーブルを駆動する前
    記一対のリニアモータが前記ワークテーブルの上下両側
    に配置されていることを特徴とする工作機械。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の工作機械であっ
    て、前記主軸側第1スライドが前記ワークテーブルに向
    かって進退する前記主軸側第2スライドと一体的に工作
    機械の上下方向に移動可能であり、前記ワークテーブル
    がそのワーク取付面を水平にした状態で工作機械の左右
    方向に水平移動可能であり、前記ワークテーブルを駆動
    する前記一対のリニアモータが前記主軸側第2スライド
    の移動方向における前記ワークテーブルの前後両側に配
    置されていることを特徴とする工作機械。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の工作機械であって、前
    記テーブルを駆動する前記一対のリニアモータは、ワー
    クテーブルの上下に配置された個々のスライダーとベー
    ス側の部材との間にそれぞれ構成されているとともに、
    これらのスライダーに対してワークテーブルが垂直軸線
    回りの回転制御可能に支持されていることを特徴とする
    工作機械。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の工作機械であって、前
    記テーブルを駆動する前記一対のリニアモータは、ワー
    クテーブルの下部に配置されたスライダーの前後両側と
    ベース側の部材との間にそれぞれ構成されているととも
    に、このスライダーに対してワークテーブルが垂直軸線
    回りの回転制御可能に支持されていることを特徴とする
    工作機械。
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