JPH11223545A - 水位センサ - Google Patents

水位センサ

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JPH11223545A
JPH11223545A JP10041259A JP4125998A JPH11223545A JP H11223545 A JPH11223545 A JP H11223545A JP 10041259 A JP10041259 A JP 10041259A JP 4125998 A JP4125998 A JP 4125998A JP H11223545 A JPH11223545 A JP H11223545A
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JP
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water level
electrodes
water
liquid
measurement
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Application number
JP10041259A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Okada
和廣 岡田
Nobumitsu Taniguchi
伸光 谷口
Hiromichi Itano
弘道 板野
Hideo Morimoto
森本  英夫
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitta Corp
Wako KK
Original Assignee
Nitta Corp
Wako KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気ポットなどに適した単純な構造の水位セ
ンサを実現する。 【解決手段】貯水用容器120の底部から排出管130
を介してくみ上げた湯を排出口135から排出する電気
ポットにおいて、貯水用容器120内の水位を直接検出
する代わりに、排出管130内の水位を検出する。排出
管130の外壁面には、上下方向に伸びた一対の測定用
電極11,12が貼り付けられ、容量素子が形成され
る。測定用電極11,12間の誘電率は、排出管130
内の水位に応じて変化するため、この容量素子の静電容
量値を測定することにより、水位を検出することができ
る。湯温などの影響による誤差を避けるため、管内が常
に湯で満たされた排出管130の底部に、参照用電極2
1,22を設け、補償を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水位センサに関し、
特に、排出管を通じて液体を外部へ排出する機構をもっ
た貯水用容器に利用するのに適した水位センサに関す
る。
【0002】
【従来の技術】水槽やダムなどに蓄積された水量を測定
するために水位センサが利用されている。従来、一般的
に利用されている水位センサとしては、機械式のフロー
トを用いたタイプと、圧力センサを転用したタイプとが
主流である。前者の機械式のフロートを用いたタイプで
は、液面にフロートを浮かした状態にし、このフロート
の上下移動を検出することにより、水位が求められる。
一方、後者の圧力センサを転用したタイプでは、液中に
沈めた圧力センサによって水圧を検出し、この水圧値か
ら間接的に水位が求められる。圧力センサとしては、た
とえば、金属ダイヤフラムが受けた水圧をピエゾ抵抗素
子の抵抗値の変化として検出するセンサなどが利用され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た機械式のフロートを用いたタイプは、機械的な駆動部
を有するために構造が複雑になるという問題がある。ま
た、ゴミなどの浮遊物によってフロートの動作が阻害さ
れるおそれがあり、信頼性にも欠けるという問題があ
る。一方、圧力センサを転用したタイプのものとして
は、ピエゾ抵抗素子などの感圧素子を用いたものが一般
に利用されているが、高温,多湿といった過酷な条件の
もとでの耐久性の点で問題が生じる。このため、たとえ
ば、電気ポットのような高温かつ多湿という環境下で利
用することは困難であった。
【0004】そこで本発明は、高温,多湿という過酷な
条件においても正常に動作し、しかも構造が単純な水位
センサを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】(1) 本発明の第1の態
様は、絶縁性の管内に収容されている液体の水位を測定
する水位センサにおいて、この絶縁性の管内の誘電率の
変動を静電容量の変化として検出しうる位置に配置され
た一対の測定用電極と、この一対の測定用電極の間の静
電容量に基づいて水位を測定する測定回路と、を設ける
ようにしたものである。
【0006】(2) 本発明の第2の態様は、所定の貯水
用容器内に収容されている液体の水位を測定する水位セ
ンサにおいて、内部に貯水用容器内の液体が流入するよ
うに貯水用容器に連結され、流入した液体の水位が貯水
用容器の水位に応じて定まるように構成された絶縁性の
管と、この絶縁性の管内の誘電率の変動を静電容量の変
化として検出しうる位置に配置された一対の測定用電極
と、この一対の測定用電極の間の静電容量に基づいて水
位を測定する測定回路と、を設けるようにしたものであ
る。
【0007】(3) 本発明の第3の態様は、液体を収容
するための貯水用容器と、この貯水用容器内の液体を外
部に排出するための絶縁性の排出管と、を有し、排出管
の下部が貯水用容器の底部近傍に接続され、上部が貯水
用容器の満水時の液面レベルよりも高い位置まで伸び、
貯水用容器内の液体を排出管の下部から上部へと導いて
外部へと排出する機能をもった貯水装置についての水位
を測定する水位センサにおいて、排出管の管内の誘電率
の変動を静電容量の変化として検出しうる位置に配置さ
れた一対の測定用電極と、この一対の測定用電極の間の
静電容量に基づいて水位を測定する測定回路と、を設け
るようにしたものである。
【0008】(4) 本発明の第4の態様は、上述の第1
〜第3の態様に係る水位センサにおいて、管の長手方向
に沿って細長い形状をした電極を測定用電極として用い
るようにし、この測定用電極を、必要な水位測定範囲に
相当する位置に配置するようにしたものである。
【0009】(5) 本発明の第5の態様は、上述の第4
の態様に係る水位センサにおいて、水位測定範囲の下限
に相当する水位レベルにおいて内部が液体で満たされた
状態を維持する管の特定部分に、一対の参照用電極を更
に設けるようにし、測定回路が、一対の測定用電極の間
の静電容量と一対の参照用電極の間の静電容量との双方
に基づいて水位を測定するようにしたものである。
【0010】(6) 本発明の第6の態様は、上述の第5
の態様に係る水位センサにおいて、一方の測定用電極お
よび一方の参照用電極を、単一の導電体で構成し、この
単一の導電体を測定用電極および参照用電極に共用する
ようにしたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】§1. 電気ポットに適用した実
施形態 以下、本発明を図示する実施形態に基いて説明する。こ
こでは、本発明に係る水位センサを、電気ポットに収容
されている液体の水位レベルを検出する用途に適用した
実施形態を述べる。
【0012】図1は、この実施形態に係る電気ポット1
00の側断面図であり、本発明に係る水位センサは、こ
の電気ポット100の内部の液体の水位を検出する機能
を有する。図において、外囲器110は、この電気ポッ
ト100の構成要素を収容する入れ物として機能し、こ
の例の場合、合成樹脂によって構成されている。また、
貯水用容器120は、水などの液体を収容するための収
容庫として機能する器であり、排出管130は、この貯
水用容器120内に収容されている液体を外部へと排出
するための管である。この電気ポット100は、もちろ
ん、水以外の液体にも利用することが可能であるが、こ
こでは、貯水用容器120内に水を入れ、これを加熱し
て湯として利用する形態について、以下の説明を行うこ
とにする。また、説明の便宜上、貯水用容器120内の
液体を水Wと呼んだり、湯Wと呼んだりして使い分ける
ことにする。
【0013】貯水用容器120の底面には、ヒータ14
0が設けられている。このヒータ140は、電源プラグ
142および電力供給線144を介して外部から供給さ
れる電力を利用して発熱する電熱器であり、このヒータ
140によって貯水用容器120全体が加熱されること
になる。貯水用容器120は、ヒータ140からの熱を
効率良く伝達させることができる材質で構成するのが好
ましく、具体的には、ステンレススチールなどの金属で
構成するのが好ましい。ヒータ140から貯水用容器1
20へと伝達された熱は、更に、収容されている水Wへ
と伝わることになる。一般的な給湯器として利用される
電気ポットの場合、ヒータ140は、貯水用容器120
に収容されている水Wを沸騰させるのに十分な熱量を供
給する機能をもっており、また、必要に応じて、収容さ
れている湯Wを所定温度に維持する保温機能をもってい
る。
【0014】一方、排出管130は、下部側の端が貯水
用容器120の底部近傍に接続され、上部側の端が排出
口135に接続されており、貯水用容器120に収容さ
れている湯Wを、底部近傍からくみ上げて排出口135
まで導き、ポットの外部へと排出させる機能を果たす。
なお、貯水用容器120の満水時の液面レベルは、排出
管130の上部の位置よりも低い位置に制限するように
する(たとえば、貯水用容器120の内壁に満水線を描
き、この満水線を越えて給水をしないようにユーザに注
意を促す)。これは、貯水用容器120内の水Wが、こ
の満水時の液面レベルを越えると、排出口135から不
用意に排出されるおそれがあるからである。別言すれ
ば、排出管130の上部が、貯水用容器120の満水時
の液面レベルより高い位置にくるように設計すればよ
い。なお、あくまでも排出管130の上部が、満水時の
液面レベルより高い位置まで伸びていればよいので、排
出口135の位置は、必ずしも満水時の液面レベルより
高い位置に設定する必要はない。たとえば、排出管13
0の排出側の部分(排出口135の近傍の部分)をより
下方へと伸ばす構造にすれば、排出口135の位置を下
げることができる。
【0015】本発明を適用するにあたって重要な点は、
この排出管130が、絶縁性の材料(この例ではガラス
を用いているが、もちろん樹脂でもよい)で構成されて
いる点である。上述したように、貯水用容器120とし
ては、熱伝導率の高い金属を用いるのが好ましいが、本
発明に係る水位センサを適用する場合、排出管130に
は金属を用いてはならない。後述するように、本発明で
は、排出管130の管内の誘電率の変動を管外から検出
することにより、水位レベルを検出することになるの
で、排出管130が導体で構成されていると、発明本来
の水位検出を行うことができなくなる。このように、本
発明特有の水位検出は、水位の変化に基く管内の誘電率
の変動を管外から検出する点にあるので、金属で構成さ
れた貯水用容器120内の水位レベルを、本発明に係る
方法で直接検出することはできない。
【0016】貯水用容器120の上部には、蓋150が
設けられている。この蓋150は、貯水用容器120に
対して開閉自在となるように、外囲器110に一部が固
定されている(この開閉機構の図示は省略する)。貯水
用容器120に給水する場合は、蓋150を開放状態に
し、上方から水を注ぎ込めばよい。注水が完了したら、
蓋150を閉鎖すると、液面より上方に形成された空間
内が密閉状態になる。この実施形態では、蓋150の裏
側に、圧力発生機構155が設けられており、この圧力
発生機構155を駆動することにより、貯水用容器12
0内の液面に対して圧力Pを加えることができる。この
圧力Pによって、貯水用容器120内の湯Wは図の下方
へと押圧され、その一部が排出管130を通って排出口
135から外部へ排出されることになる。ユーザは、必
要なときに、圧力発生機構155を駆動することによ
り、排出口135から湯を排出させることができる。
【0017】図では、圧力発生機構155を単なるブロ
ックで示してあるが、具体的には、ユーザの操作によっ
て駆動する手動式ポンプや電動式ポンプを用いることが
できる。なお、排出口135から湯を排出させるための
排出駆動手段としては、図示のような圧力発生機構15
5に限定されるものではなく、貯水用容器120内の湯
Wが、排出管130を通じて汲み上げられ、排出口13
5から外部へ排出されるように、何らかの物理的な力を
作用させる機能をもった排出駆動手段であれば、どのよ
うな機構のものを用いてもかまわない。たとえば、排出
管130内に設けられたスクリュー式のポンプによっ
て、排出駆動手段を構成することも可能である。
【0018】本発明の特徴は、貯水用容器120に収容
されている湯Wの水位を、排出管130の外壁面に形成
された一対の測定用電極11,12を利用して検出する
ようにした点にある。図1に示す例では、貯水用容器1
20の底面位置θBOTTOMから水面位置θ1に至るまでの
距離が検出すべき水位となるが、図示のとおり、貯水用
容器120内の水面位置θ1と、排出管130内の水面
位置θ1とは一致する。したがって、排出管130内の
水面位置を検出し、これを貯水用容器120内の水面位
置と考えて取り扱っても問題は生じない。本発明では、
貯水用容器120内の水位を直接検出する代わりに、排
出管130内の水位を検出し、これを貯水用容器120
内の水位として取り扱うことになる。
【0019】測定用電極11,12は、排出管130の
管内の誘電率の変動を静電容量の変化として検出しうる
位置に配置されており、この測定用電極11,12によ
って、容量素子が形成される。この電気ポット100の
内部には、図示されていないが、この一対の測定用電極
11,12の間の静電容量に基いて水位を測定する測定
回路が組み込まれており、この測定回路から出力される
電気信号を利用すれば、種々の形態でユーザに水位を提
示することができ、また、この電気信号に基いて種々の
制御を行うことが可能になる。
【0020】図1に示す実施形態では、一対の測定用電
極11,12とともに、更に、一対の参照用電極21,
22が設けられている。この一対の参照用電極21,2
2も、排出管130の管内の誘電率の変動を検出しうる
位置に配置されているが、配置位置が、測定用電極1
1,12とは若干異なっている。この参照用電極21,
22は、本発明の実施に必須の構成要素ではないが、よ
り正確な水位検出を行うために必要になる構成要素であ
る。
【0021】図2は、図1に示す電気ポット100にお
ける排出管130周辺の構成要素のみを抽出して示した
側断面図であり、図3(a) は、図2に示す構成要素を切
断線a−aに沿って切った面を示す断面図であり、図3
(b) は、図2に示す構成要素を切断線b−bに沿って切
った面を示す断面図である。図示のとおり、この実施形
態では、排出管130は断面が円形の管であり、測定用
電極11,12は、この管の外壁面に対向するように形
成された電極であり、参照用電極21,22は、同じく
この管の外壁面に対向するように形成された電極であ
る。ただ、測定用電極11,12と、参照用電極21,
22とは、その形成位置および長さが異なっている。測
定用電極11,12は、図2に示すように、予め定めら
れた水位測定範囲(図2におけるθ0〜θ2の区間)に
相当する長さLをもった電極であり、排出管130の長
手方向に沿って、この水位測定範囲に相当する位置に配
置されている。逆に言えば、図2に示す構成によれば、
水面レベルが位置θ0〜θ2の区間内にある限り、水位
検出が可能になる。
【0022】一方、参照用電極21,22は、排出管1
30の下部近傍の特定部分に配置されている。この下部
の特定部分は、水位測定範囲の下限θ0に相当する水位
レベルにおいても内部が水で満たされた状態を維持する
部分である。別言すれば、実際の水位が、水位測定範囲
θ0〜θ2内のいずれのレベルにあったとしても、この
参照用電極21,22が形成された特定部分は、必ず水
で満たされていることになる。後述するように、参照用
電極21,22は、正確な水位を検出するために比較参
照するための電極であり、この参照用電極21,22を
設けた場合には、測定回路は、一対の測定用電極11,
12の間の静電容量と、一対の参照用電極21,22の
間の静電容量との双方に基づいて、水位を測定する演算
を行うことになる。
【0023】§2. 水位検出の基本原理 続いて、本発明における水位検出の基本原理を説明す
る。図2に示す例において、排出管130内の実際の水
位θ1は、基本的には、一対の測定用電極11,12に
よって構成される容量素子の静電容量値に基いて検出す
ることができる。これは、排出管130内の水位に応じ
て、一対の測定用電極11,12間の誘電率が変化する
からである。上述した実施形態では、図3(a) に示すよ
うに、排出管130は断面が円形の管であるため、測定
用電極11,12は、断面円弧状の形状をなすことにな
るが、ここでは、説明の便宜上、まず、測定用電極1
1,12が図4に示すような平行平板をなしていた場合
を考えてみよう。
【0024】すなわち、測定用電極11,12は、いず
れも幅W,高さLの長方形状の平板電極(導電性材料か
ら構成されている)であり、所定間隔dをおいて互いに
対向するように、平行に配置されているものとする。こ
のように一対の電極を対向して配置した場合、両電極に
よって容量素子が形成され、その静電容量値Cは、電極
間の誘電率をε、電極の面積をS、電極間隔をdとすれ
ば、 C=εS/d (1) で与えられる。測定用電極11,12が長方形状の平板
であるとすれば、面積Sは、S=W・Lであるから、上
式は、 C=ε・W・L/d (2) となる。
【0025】ここでは、図4に示すように、所定間隔d
をおいて配置された一対の測定用電極11,12と、こ
の一対の測定用電極11,12の間の静電容量に基づい
て水位を測定する測定回路30と、によって水位センサ
を構成したものとする。いま、この測定用電極11,1
2の間に、何らかの液体が満たされた場合を考える。図
5は、測定用電極11,12の下方40%程度の部分
に、液体が満たされた状態を示す正面図である。ここで
は、図示のように、測定用電極11,12の下端位置を
θ0、電極間に満たされた液体の液面位置をθ1、測定
用電極11,12の上端位置をθ2とし、この水位セン
サによって、位置θ0を基準位置としたときの液面まで
の水位hを測定する原理を説明する。
【0026】水位センサがこのような状態にあるとき、
測定用電極11,12で構成される容量素子の静電容量
Cは、液面より上の部分(位置θ1〜θ2までの高さk
に相当する部分)の静電容量Ckと、液面より下の部分
(位置θ0〜θ1までの高さhに相当する部分)の静電
容量Chとの和として求められる。ここで、液面より上
の部分の静電容量Ckは、空気の誘電率をεαとすれ
ば、 Ck=εα・W・k/d (3) で表され、液面より下の部分の静電容量Chは、液体の
誘電率をεβとすれば、 Ch=εβ・W・h/d (4) で表される。よって、全容量Cは、 C=(εα・k+εβ・h)・W/d (5) で表されることになる。測定回路30内に、一対の測定
用電極11,12についての全静電容量Cを検出する回
路を設けておけば、k=L−hであり、L,W,dは既
知の寸法値であり、εα,εβは既知の値(実際には、
温度などの環境条件により変動するが、この変動に対す
る対策は後述する)であるから、検出されたCの値を式
(5) に適用すれば、水位hを求めることができる。
【0027】このように、図4に示す水位センサを用い
れば、測定用電極11,12の長手方向の長さLの範囲
内(図5の位置θ0〜θ2の範囲内)での水位測定が可
能になる。別言すれば、測定用電極11,12の長手方
向の長さLを、必要な水位測定範囲よりも長く設定して
おけばよい。また、測定用電極11,12の幅Wを一定
にしておけば、静電容量値と水位とがほぼ線形関係を示
し、測定値の取扱いが便利になる。もっとも、実用上
は、εα,εβなどの具体値を式(5) に代入した演算を
行う必要はない。たとえば、水位が最低位置θ0にある
ときの静電容量値CLOW と、水位が最高位置θ2にある
ときの静電容量値CHIGHとを予め実際に測定しておけ
ば、上記線形関係を利用して、任意の静電容量値Cが得
られたときの水位θ1を、より単純な演算で求めること
ができる。
【0028】図3(a) に示すような断面円弧状の測定用
電極11,12を用いた場合の水位測定原理も、ほぼ同
様である。図3(a) に示すような円弧状の電極対からな
る容量素子の静電容量値を求める式はかなり複雑にな
り、また、排出管130の管壁部分の誘電率を考慮した
式が必要になるが、本発明を実施するにあたって、具体
的な静電容量値を演算によって求める必要はない。図2
に示すように、測定用電極11,12は、排出管130
の長手方向に沿って配置されているので、両電極間の静
電容量値は、水位測定範囲(位置θ0〜θ2の範囲)に
関する限り、実際の水位θ1とほぼ線形関係を維持しな
がら変化することになる。したがって、やはり、水位が
最低位置θ0にあるときの静電容量値CLOW と、水位が
最高位置θ2にあるときの静電容量値CHIGHとを予め実
際に測定しておけば、この線形関係を利用して、任意の
静電容量値Cが得られたときの水位θ1を、単純な線形
演算で求めることができる。
【0029】§3. 参照用電極を用いた検出原理 上述したように、本発明を実施するにあたって、実用上
は式(5) の演算そのものを行う必要はなく、予め測定し
ておいた静電容量値CLOW ,CHIGHの既知値を利用した
線形演算を行えばよい。しかしながら、このような既知
値を利用した演算方法では、厳密には、正しい水位を得
ることができない。なぜなら、式(5) における各パラメ
ータの値は、厳密には、温度によって変化するからであ
る。たとえば、液体の誘電率εβは、温度によって変化
するパラメータであり、排出される湯の温度が異なれ
ば、式(5) における誘電率εβの値も異なってくる。ま
た、排出管130や測定用電極11,12は、熱によっ
て膨脹するため、電極の寸法値も温度によって変化する
パラメータとなる。更に、この電気ポット100に、コ
ーヒーや紅茶といった水以外の液体を入れて利用するよ
うな場合も考慮すると、式(5) における誘電率εβの値
は予想できない値となる。もちろん、一般的な温度の湯
を入れて利用するという標準的な条件において、標準的
な既知値CLOW,CHIGHを求めておき、この標準的な既
知値CLOW ,CHIGHをあらゆる場合に適用する、という
手法を採れば、ある程度の誤差を覚悟の上で、利用する
ことは可能である。しかし、より正確な水位を検出する
必要がある場合には、参照用電極21,22を利用した
以下のような方法を採るのが好ましい。
【0030】ここでは、説明の便宜上、測定用電極1
1,12が図4に示すような一対の平行平板電極からな
るとともに、参照用電極21,22も、同様に一対の平
行平板電極からなり、各電極間に直接液体が満たされて
いるという単純な場合を考えてみる。この場合、測定用
電極11,12と、参照用電極21,22との条件的な
違いは、測定用電極11,12の間に満たされている液
体の水位は任意であるのに対し、参照用電極21,22
の間は、常に液体で完全に満たされた状態になっている
という点である。
【0031】演算の都合上、まず、測定用電極11,1
2の寸法を、幅W1,高さL1とし、両者の間隔をd1
とする。同様に、参照用電極21,22の寸法を、幅W
0,高さL0とし、両者の間隔をd0とする。また、空
気の誘電率をεα、測定対象となる液体の誘電率をεβ
とする。はじめに、電気ポット100内に液体が全く入
っていないという条件下において、一対の測定用電極1
1,12からなる容量素子の静電容量C1(emp) および
一対の参照用電極21,22からなる容量素子の静電容
量C0(emp) を考えると、 C1(emp) =εα・W1・L1/d1 (6) C0(emp) =εα・W0・L0/d0 (7) となる。一方、電気ポット100内に図5の状態まで
(位置θ1まで)液体が入っているという条件下におい
て、一対の測定用電極11,12からなる容量素子の静
電容量C1(in)および一対の参照用電極21,22から
なる容量素子の静電容量C0(in)を考えると、 C1(in)=εα・W1・k/d1+εβ・W1・h/d1 (8) C0(in)=εβ・W0・L0/d0 (9) となる。
【0032】そこで、液体が入っていないときと、入っ
ているときとの静電容量の差ΔC1,ΔC0を、それぞ
れ次のように定義する。
【0033】 ΔC1=C1(in)−C1(emp) (10) ΔC0=C0(in)−C0(emp) (11) 式(10),(11)の右辺に式(6) 〜(9) を代入すれば、 ΔC1=Δε・h・W1/d1 (12) ΔC0=Δε・L0・W0/d0 (13) ただし、Δε=εβ−εα (14) が得られる。ここで、W1,W0,L0,d1,d0
は、いずれも既知の値であるから、ΔC1およびΔC0
の値を測定することができれば、未知数はΔεとhのみ
になり、式(12)および(13)を連立させることにより、水
位hを求めることができる。
【0034】もっとも、実用上は、W1=W0=W,d
1=d0=dに設定すれば、 ΔC1=Δε・h・W/d (15) ΔC0=Δε・L0・W/d (16) となり、式(15)の両辺を式(16)の両辺で割り算すれば、 ΔC1/ΔC0=h/L0 (17) となるので、結局、 h=(ΔC1/ΔC0)・L0 (18) なる単純な演算式で、水位hを求めることができる。
【0035】以上、測定用電極11,12および参照用
電極21,22が平行平板の場合について説明したが、
図3(a) ,(b) に示すような断面円弧状の測定用電極1
1,12および参照用電極21,22を用いた場合も、
ほぼ同様の理由により、電気ポット100内に液体が入
っていないときと、入っているときとについての、測定
用電極11,12からなる容量素子の静電容量値の差Δ
C1と、同じく、電気ポット100内に液体が入ってい
ないときと、入っているときとについての、参照用電極
21,22からなる容量素子の静電容量値の差ΔC0
と、の比に基いて、水位hを求めることができる。
【0036】図6は、本発明に係る水位センサに用いる
測定回路30の具体的な構成例を示すブロック図であ
る。ここで、図の左端に示されたC1は、一対の測定用
電極11,12によって構成される容量素子を示してお
り、C0は、一対の参照用電極21,22によって構成
される容量素子を示している。容量変化量検出部31,
32は、各容量素子の静電容量の変化量ΔC1,ΔC0
を信号として出力する回路であり、C/V変換部33,
34は、これらの信号を電圧値V1,V0に変換する回
路である。また、除算部35は、両電圧値の除算を行
い、V1/V0に相当する信号を出力する回路であり、
水位演算部36は、式(18)に基づく演算(入力されたV
1/V0の値は、ΔC1/ΔC0の値に相当するので、
これにL0に相当する値を乗算する演算)を行い、水位
hを求める回路である。この実施形態では、更に、加算
部37において、図2に示す位置θBOTTOM〜θ0の距離
mを加算して、最終的に(h+m)で示される水位(貯
水用容器120の底面の位置を基準位置とした水位)が
出力されるようにしている。
【0037】§4. いくつかの変形例 続いて、本発明に係る水位センサの変形例をいくつか述
べる。
【0038】(1) 電極の配置形態 図7は、断面が方形の排出管132の外壁面にそれぞれ
一対の測定用電極を形成した例を示す断面図である。図
7(a) では、方形の排出管132の対向する外壁面に、
一対の測定用電極13,14が形成されている。これに
対し、図7(b)では、方形の排出管132の直交隣接す
る外壁面に、一対の測定用電極15,16が形成されて
いる。更に、図7(c) では、方形の排出管132の同一
の外壁面に、一対の測定用電極17,18が並んで形成
されている。図7(b) あるいは図7(c) に示す形態の場
合、一対の測定用電極によって構成される容量素子は、
一般的な意味での容量素子(2枚の平行平板からなる容
量素子)とはやや異なる。しかしながら、本発明では、
排出管132内の誘電率の変動を検出しうる位置に一対
の測定用電極を配置すれば足りるので、図7に示すいず
れの配置を採ってもかまわない。これは、一対の参照用
電極の配置に関しても全く同様である。なお、測定回路
における演算を単純化するためには、測定用電極の配置
形態と参照用電極の配置形態とは統一するのが好まし
い。
【0039】(2) 電極の形成形態 図3あるいは図7に示すような各測定用電極あるいは各
参照用電極は、たとえば、排出管の外壁面に、金属を蒸
着したり、金属鍍金を施したり、金属層を印刷形成した
りする方法によって形成することが可能である。あるい
は、予め必要な電極パターンを形成した電極フィルムを
用意し、この電極フィルムを排出管の外壁面に貼り付け
ることにより形成することもできる。
【0040】図8は、絶縁性の樹脂からなるベースフィ
ルム45上に、一対の測定用電極41,42(たとえ
ば、配線用リード線)を貼り付けて電極フィルム40を
形成した状態を示す平面図であり、図9は、図8に示す
電極フィルム40を切断線9−9に沿って切った状態を
示す断面図である。実用上は、この図9に示す電極フィ
ルム40の上面に、更に、絶縁性の樹脂からなる保護フ
ィルム46を被覆し、電極フィルム40を形成するの
が好ましい。図10は、この電極フィルム40の断面
図である。予め、このような電極フィルム40を用意
しておけば、この電極フィルム40を排出管の外壁に
貼り付ける作業を行うだけで、本発明に係る水位センサ
の検出部を構成することができるので便利である。図1
1(a) は、円形断面を有する排出管130の外壁面に、
図10に示す電極フィルム40を貼り付けた状態を示
す断面図であり、図11(b) は、方形断面を有する排出
管132の外壁面に、図10に示す電極フィルム40
を貼り付けた状態を示す断面図である。
【0041】(3) 電極の共用 図2に示す例では、測定用電極11,12および参照用
電極21,22が、それぞれ物理的に独立した電極によ
って構成されている。しかしながら、実用上は、一方の
測定用電極および一方の参照用電極を、単一の導電体で
構成し、この単一の導電体を測定用電極および参照用電
極に共用すると、電極構成を単純化させることができ好
ましい。
【0042】図12は、このように電極構成を単純化し
た実施形態を示す側断面図である。この例では、排出管
130の外壁面には、物理的に3枚の電極19,20,
21のみが形成されている。ここで、電極21は、図2
に示す参照用電極21と全く同一のものである。また、
電極19は、図2に示す測定用電極11とほぼ同じもの
である(若干、下端が下方に伸びており、水位検出範囲
Lが広がっている)。一方、電極20は、図2に示す測
定用電極12および参照用電極22を融合させたもので
あり、共用電極として機能する。図6に示す測定回路3
0を見てもわかるように、測定用電極12および参照用
電極22は、いずれも回路上では接地することが可能で
あり、両者を単一の導電体からなる共用電極20で構成
しても何ら問題は生じない。
【0043】(4) 水位の表示方法 既に述べたように、本発明に係る水位センサを利用すれ
ば、測定回路から得られる測定値に基いて、水位を任意
の方法で表示することが可能である。たとえば、上述し
た実施形態のように、電気ポットに適用した場合であれ
ば、発光ダイオードを用いた表示素子を外囲器110に
埋め込んで、ダイオードの発光状態に基いて水位を表示
したり、液晶ディスプレイを用いた表示部を設けて、デ
ジタル数値として水位を表示したりすることが可能であ
る。もちろん、測定回路からは電気信号として測定値が
得られるので、この電気信号を利用して、種々の制御を
行うことも可能である。たとえば、ヒータ140を駆動
するときに、水位に応じた電力で駆動するようにすれ
ば、貯水用容器120内の水量に見合った熱量を供給す
ることができるようになる。あるいは、外囲器110の
内部にブザーを設けておき、水位が満水レベルもしくは
枯渇レベルに達したことを示す測定値が電気信号として
得られた場合には、この電気信号に基いてブザーを鳴動
させるようなことも可能である。
【0044】ただ、本発明に係る水位センサを上述した
ような電気ポットに利用した場合、測定回路から得られ
る測定値をそのまま用いた水位表示を行うと好ましくな
いことがある。たとえば、ヒータ140により、貯水用
容器120内の水を沸騰させるための加熱が行われてい
る場合を考える。このような加熱時には、貯水用容器1
20内の水Wが沸き立ち、多数の泡が発生する状態にな
る。このため、測定回路から得られる測定値は、時間的
に大きく変動を生じることになり、そのような測定値に
基く水位表示を行うと、水位が激しく変動している状態
がそのまま表示されることになり好ましくない。そこ
で、水位を何らかの表示手段によって表示させる際に
は、ヒータ140により内部の水を沸騰させるための加
熱が行われている場合には、測定回路から与えられる測
定値の時間的平均値(水位の変動が平滑化される程度の
時間幅ごとに算出した平均値)に基づく水位表示を行う
ようにするとよい。
【0045】また、排出口135から湯を排出する作業
を行っている場合にも、測定回路から得られる測定値を
そのまま用いた水位表示を行うことは好ましくない。こ
のような排出作業中は、貯水用容器120内の湯Wが排
出管130を通じて排出口135へと上ってゆくので、
排出管130内の水位レベルは上昇し、測定回路からの
測定値も、水位の上昇を示すものになる。しかしなが
ら、この場合、貯水用容器120内の水位は上昇してい
るわけではなく、むしろ減少していることになる。した
がって、この排出作業中も、測定回路から得られる測定
値をそのまま用いた水位表示を行うと、かえって不自然
な表示となる。そこで、測定回路から与えられる測定値
が水位の上昇を示す変化をした場合には、変化前の測定
値に基づく水位表示が継続してなされるように、表示手
段に補正機能を設けておくのが好ましい。
【0046】このように、通常の電気ポットの利用形態
では、貯水用容器120内の水位は減少はするものの、
自然に増加することはないので、測定回路から与えられ
る測定値が水位の上昇を示した場合には、この上昇には
追従しないような表示を行うようにすれば、不自然な表
示を避けることができる。ただし、貯水用容器120へ
の給水時には、測定値に追従して水位の上昇が表示され
ないと困る。
【0047】そこで、実用上は、蓋150の開閉状態を
検知する検知器を用意しておき、この検知器の検知状態
に応じて、水位の表示形態を変えるようにするとよい。
図13に示す電気ポット200は、このような検知器1
61を設けた例を示す側断面図である。図示の例では、
検知器161は、単なるスイッチ素子であり、蓋150
を閉鎖状態にすると、検出端子162と金属製の貯水用
容器120との間が電気的に導通状態になる。一方、蓋
150を開放状態にすると、検出端子162と金属製の
貯水用容器120との間は電気的に遮断した状態にな
る。したがって、検出端子162と貯水用容器120と
の導通状態をチェックすることにより、蓋150が開放
状態にあるのか、閉鎖状態にあるのかを認識することが
できる。
【0048】このような検知器161により、蓋150
が閉鎖状態であることが認識できたときには、測定回路
から与えられる測定値が水位の上昇を示す変化をした場
合には、この上昇を湯の排出操作に基く変化であると判
断し、変化前の測定値に基づく水位表示を継続して行う
ようにする。一方、蓋150が開放状態であることが認
識できたときに、測定回路から与えられる測定値が水位
の上昇を示す変化をした場合には、この上昇を貯水用容
器120への給水操作に基く変化であると判断し、この
変化中の測定値に基づく水位表示をそのまま行うように
すればよい。
【0049】(5) 排出管を用いない例 これまで述べてきた例は、いずれも排出管を通して湯を
排出する機能をもった電気ポットについてのものであっ
たが、本発明は、排出管を用いずに、ポット本体を傾斜
させることにより湯を注ぎ出すタイプの電気ポットにも
適用可能である。この場合は、内部に液体が流入するよ
うに貯水用容器に連結された絶縁性の管(水位検出のた
めに用いられる特別な管)を用意し、しかもこの管内の
液体の水位が、貯水用容器内の水位に応じて定まるよう
に構成し、この絶縁性の管内の誘電率の変動を検出しう
る位置に一対の測定用電極を配置し、この一対の測定用
電極の間の静電容量に基づいて水位を測定するような構
成にすればよい。
【0050】もちろん、本発明に係る水位センサは、電
気ポットへの適用に限らず、あらゆる用途での水位検出
に利用できる。要するに、本発明の基本概念をまとめる
と、次のようになる。
【0051】まず、貯水用容器が絶縁性の材料で構成さ
れており、しかも、内部の誘電率の変動を、外壁面から
静電容量の変化として検出できるような容器であれば、
この容器に対して直接本発明に係る水位センサを適用す
ることができる。すなわち、容器の外壁面に一対の測定
用電極を取り付け、この測定用電極間の静電容量の値に
基いて水位を検出すればよい。
【0052】一方、貯水用容器が導電性の材料で構成さ
れている場合や、容器の大きさが非常に大きかったり、
壁厚が非常に大きかったりしたために、誘電率の変動を
外壁面から直接検出することができないような場合に
は、別途に絶縁性の管を用意し、この管を貯水用容器に
接続して液体を流入させるようにする。そして、この絶
縁性の管の内部の誘電率の変動を検出することにより、
間接的に貯水用容器の水位を検出するようにすればよ
い。もちろん、この場合、絶縁性の管内に流入した液体
の水位が、貯水用容器内の液体の水位に応じて定まるよ
うな構成にしておき(一般的には、絶縁性の管内の水位
と、貯水用容器内の水位とが等しくなるように構成すれ
ばよいが、両水位の関係が一義的に定まるのであれば、
必ずしも両水位が等しくなるような構成に限ることはな
い)、絶縁性の管内の水位を測定することにより、間接
的に貯水用容器内の水位が求まるようにしておく必要が
ある。
【0053】本発明は、特に、液体を収容するための貯
水用容器と、この貯水用容器内の液体を外部に排出する
ための絶縁性の排出管と、を有し、排出管の下部が貯水
用容器の底部近傍に接続され、上部が前記貯水用容器の
満水時の液面レベルよりも高い位置まで伸び、貯水用容
器内の液体を排出管の下部から上部へと導いて外部へと
排出する機能をもった貯水装置についての水位を測定す
る場合に格別な効果を奏することができる。すなわち、
このような構成をもった貯水装置について、貯水用容器
内の水位を検出するのであれば、排出管の管内の誘電率
の変動を静電容量の変化として検出しうる位置に一対の
測定用電極を設け、この一対の測定用電極の間の静電容
量に基づいて排出管内の水位を測定し、この排出管内の
水位を、貯水用容器内の水位として取り扱うようにすれ
ばよい。
【0054】以上、本発明をいくつかの実施形態に基づ
いて説明したが、本願での「水位」とは、必ずしも「液
体のレベル」に限定されず、「粉体のレベル」なども広
く含む概念であり、本発明に係る水位センサは粉体のレ
ベルを測定するために利用することも可能である。本明
細書では、便宜上、「水位」、「貯水用容器」、「液
面」などの液体を示す用語を用いているが、本発明は上
述したような粉体をはじめ、ある程度の粘性をもった流
体などにも適用することができ、上記各用語も適宜拡張
して解釈されるべきものである。
【0055】
【発明の効果】以上のとおり本発明によれば、一対の電
極によって管内の誘電率の変化を検出し、この変化に基
いて水位を検出できるようにしたため、高温多湿という
過酷な環境においても十分に機能し、かつ、構造が単純
な水位センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水位センサを適用した電気ポット
の側断面図である。
【図2】図1に示す電気ポットにおける排出管130周
辺の構成要素を抽出して示す側断面図である。
【図3】図2に示す排出管130および各電極11,1
2,21,22の横断面図である。
【図4】本発明に係る水位検出の基本原理を示す斜視図
(一部はブロック図)である。
【図5】図4に示す原理に基いて水位検出を行っている
状態を示す正面図である。
【図6】本発明で利用される水位センサの測定回路の詳
細な構成を示すブロック図である。
【図7】方形断面を有する排出管132についての測定
用電極の形成例を示す横断面図である。
【図8】測定用電極として利用できる電極フィルム40
の平面図である。
【図9】図8に示す電極フィルム40の横断面図であ
る。
【図10】図9に示す電極フィルム40上に、更に保護
フィルム46を被覆して、電極フィルム40を形成し
た状態を示す横断面図である。
【図11】円形断面および方形断面を有する排出管に、
図10に示す電極フィルム40を貼り付けた状態を示
す横断面図である。
【図12】本発明において、測定用電極および参照用電
極の一方を共用電極20で構成した例を示す側断面図で
ある。
【図13】本発明に係る水位センサを適用した電気ポッ
トの変形例を示す側断面図である。
【符号の説明】
11〜19…測定用電極 20…共用電極 21,22…参照用電極 30…測定回路 31,32…容量変化量検出部 33,34…C/V変換部 35…除算部 36…水位演算部 37…加算部 40,40…電極フィルム 41,42…測定用電極 45…ベースフィルム 46…保護フィルム 100…電気ポット 110…外囲器 120…貯水用容器 130…排出管(円形断面) 132…排出管(方形断面) 135…排出口 140…ヒータ 142…電源プラグ 144…電力供給線 150…蓋 155…圧力発生機構 161…検知器 162…検出端子 200…電気ポット C,C0,C1…静電容量/容量素子 d…電極間隔 h,k,m…長さ/水位 L…水位測定区間/電極の長さ P…圧力 W…電極の幅/水/湯 εα,εβ…誘電率 θ0〜θ2,θBOTTOM…水位の位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 板野 弘道 埼玉県上尾市菅谷4丁目73番地 株式会社 ワコー内 (72)発明者 森本 英夫 奈良県大和郡山市池沢町172 ニッタ株式 会社奈良工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性の管内に収容されている液体の水
    位を測定する水位センサにおいて、 前記絶縁性の管内の誘電率の変動を静電容量の変化とし
    て検出しうる位置に配置された一対の測定用電極と、 この一対の測定用電極の間の静電容量に基づいて水位を
    測定する測定回路と、 を備えることを特徴とする水位センサ。
  2. 【請求項2】 所定の貯水用容器内に収容されている液
    体の水位を測定する水位センサにおいて、 内部に前記貯水用容器内の液体が流入するように前記貯
    水用容器に連結され、流入した液体の水位が前記貯水用
    容器の水位に応じて定まるように構成された絶縁性の管
    と、 前記絶縁性の管内の誘電率の変動を静電容量の変化とし
    て検出しうる位置に配置された一対の測定用電極と、 この一対の測定用電極の間の静電容量に基づいて水位を
    測定する測定回路と、 を備えることを特徴とする水位センサ。
  3. 【請求項3】 液体を収容するための貯水用容器と、こ
    の貯水用容器内の液体を外部に排出するための絶縁性の
    排出管と、を有し、前記排出管の下部が前記貯水用容器
    の底部近傍に接続され、上部が前記貯水用容器の満水時
    の液面レベルよりも高い位置まで伸び、前記貯水用容器
    内の液体を前記排出管の下部から上部へと導いて外部へ
    と排出する機能をもった貯水装置についての水位を測定
    する水位センサにおいて、 前記排出管の管内の誘電率の変動を静電容量の変化とし
    て検出しうる位置に配置された一対の測定用電極と、 この一対の測定用電極の間の静電容量に基づいて水位を
    測定する測定回路と、を備えることを特徴とする水位セ
    ンサ。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の水位セ
    ンサにおいて、 管の長手方向に沿って細長い形状をした電極を測定用電
    極として用いるようにし、この測定用電極を、必要な水
    位測定範囲に相当する位置に配置したことを特徴とする
    水位センサ。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の水位センサにおいて、 水位測定範囲の下限に相当する水位レベルにおいて内部
    が液体で満たされた状態を維持する管の特定部分に、一
    対の参照用電極を更に設けるようにし、測定回路が、一
    対の測定用電極の間の静電容量と一対の参照用電極の間
    の静電容量との双方に基づいて水位を測定するようにし
    たことを特徴とする用水位センサ。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の水位センサにおいて、 一方の測定用電極および一方の参照用電極を、単一の導
    電体で構成し、この単一の導電体を測定用電極および参
    照用電極に共用するようにしたことを特徴とする水位セ
    ンサ。
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US11754430B2 (en) 2018-03-09 2023-09-12 Kautex Textron Gmbh & Co. Kg Operating fluid container with capacitive detection of filling levels

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