JPH11223020A - 仮設屋根構下で建物を建設する工法 - Google Patents

仮設屋根構下で建物を建設する工法

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JPH11223020A
JPH11223020A JP4131398A JP4131398A JPH11223020A JP H11223020 A JPH11223020 A JP H11223020A JP 4131398 A JP4131398 A JP 4131398A JP 4131398 A JP4131398 A JP 4131398A JP H11223020 A JPH11223020 A JP H11223020A
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temporary
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temporary roof
constructing
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勉 冨田
Kazuo Takei
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多様な奥行き長さ、又は間口幅の建物を全天
候下で建設しうる工法を提供することにある。 【解決手段】 仮設屋根構下で建物を建設する工法にお
いて、屋根部標準ブロック(15)とこれの左右に取り
合う2個の側壁部標準ブロック(3)とを、適当間隔を
介して相互に結合することにより標準仮設屋根構ユニッ
トを構成し、複数の標準仮設屋根構ユニットの間を、長
さが選択調整しうる継ぎ材(5)にて結合して仮設屋根
構(A)を構成し、これを正逆回転自在の電動ネジ方式
により上昇させることにより多様な奥行き長さ,間口幅
の建物(D)に対する全天候建設施工環境を形成するこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、仮設屋根構下で
建物を建設する工法に係る技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】 近年の全天候下でビルなどの建物を建
設する工法において、使用する全天候型の仮設屋根構
は、固有仕様であった。(例えば、月刊鉄構技術 19
96.11 Vol.9N101「全天候ビル自動化施
工システムと溶接ロボット」参照)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 固有仕様の全天候型
の仮設屋根構は、公団住宅のような定形型の建物の建設
に適用させる場合には問題ないが、その他の建物に対し
ては汎用性に欠け、また、汎用目的で開発された仮設屋
根構にあっては、適用対称とする建物に制約があり、仮
設屋根構の利用頻度がきわめて少く不経済であった。
【0004】本発明の目的は、多様な奥行き長さ又は間
口幅の建物を全天候下で建設しうる工法を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】 本発明の仮設屋根構下
で建物を建設する工法は、次のような手段を援用する。
【0006】上記目的は、仮設屋根構下で建物を建設す
る工法において、屋根部標準ブロックとこれの左右に取
り合う2個の側壁部標準ブロックとを適当間隔を介して
相互に結合することにより、標準仮設屋根構ユニットを
構成し、複数の標準仮設屋根構ユニットの間を、長さが
選択調整しうる継ぎ材にて結合した仮設屋根構を用い、
多様な奥行き長さの建物の建設に対応できるようにした
ことにより達成される。
【0007】上記目的は、請求項1の仮設屋根構下で建
物を建設する工法において、屋根部標準ブロックと側壁
部標準ブロックとの取り合い場所を変えることにより、
仮設屋根構を間口幅の異る建物に対応させることにより
達成される。
【0008】上記目的は、基礎上に仮設屋根構及び仮設
マストを立設し、この仮設マストに少なくとも階高一層
分以上の長さを有する電動ネジとこれに螺合するナット
からなる仮設屋根構の昇降手段を介装し、全天候施工環
境の工事空間を作る第1行程、仮設屋根構の下側に形成
された工事空間を利用して少なくとも一階層の建物躯体
を施工する第2行程、施工された建物躯体の床版などに
仮設マストの上部を水平拘束したのち、電動ネジを回転
駆動しナットを介して仮設屋根構を少なくとも階高一層
分以上上昇させ、建設中の建物と仮設屋根構の間に上層
階躯体を積み上げ施工するための新たな工事空間を形成
する第3行程、仮設屋根構下部を仮設マスト上部に固定
し、上層階躯体を施工する第4行程、前後して、新たな
仮設マストを継ぎ足しするとともに、この新たな仮設マ
ストの上部を上層階の床版などと水平連結し、電動ネジ
を逆回転してナットを上昇させ、新たな仮設マストの上
部に固定する第5行程、以下、第2行程〜第5行程を繰
り返して行ない、所望階層の建物を全天候下で建設する
ことにより達成される。
【0009】上記目的は、請求項3の仮設屋根構下で建
物を建設する行程において、電動ネジを回転させずにナ
ットを回転させ、仮設屋根構を上昇することにより達成
される。
【0010】上記目的は、請求項1〜4の何れかの仮設
屋根構下で建物を建設する工法において、仮設屋根構を
構成する屋根部の下端側に、搬送クレーンなどの荷扱い
手段を介装し、この荷扱い手段を用いて建材や器具を搬
入荷扱いし建物を建設することにより達成される。
【0011】上記目的は、請求項1〜5の何れかの仮設
屋根構下で建物を建設する工法において、全ての仮設マ
ストに介装した電動ネジを同調制御して、仮設屋根構を
均一に上昇させることにより達成される。
【0012】
【発明の実施の形態】 図面に基づいて、本発明工法の
実施の形態を説明する。
【0013】図1a,b〜図4a,bについて、建物を
建設する前段階として仮設屋根構Aの組立て工法を説明
する。
【0014】図1aに示すように、設計された建物間口
より外側に基礎2を設け、図1bに示す如く、この基礎
2の上に仮設屋根構Aを構成する標準寸法化された側壁
部標準ブロック3の幅間隔に適合する2本一組の仮設マ
スト4を、複数組1通り〜n通り適当間隔を介して立設
する。この際、1通り〜2通り,3通り〜4通り,…
(n−1)通り〜n通りの間隔は、側壁部標準ブロック
3の幅間隔に適合するが、2通り〜3通り,4通り〜5
通りなどの間隔は、対象とする建物の長さにより異る。
【0015】図2a,bのように、1通り〜n通りに立
設された仮設マスト4の外側に、階高一層分以上の長さ
を有する単一高さをもつ側壁部標準ブロック3、あるい
は、複数積み重ねて所望高さに構成しうる側壁部標準ブ
ロック3をクレーンで配設する。対象建物の大小によっ
て任意の間隔に設定された側壁部標準ブロック3を、夫
々の間隔に対応した長さを有する継ぎ材5にて連結し、
所定寸法の側壁Bを長手方向にそって完成させる。図中
13は、側壁部標準ブロック3の仮組立て時にこれを乗
載するために使用する施工ブロックで、この施工ブロッ
ク13の使用は省略することがある。
【0016】各側壁部3の内面両側で仮設マスト4に対
応する部位には、図7に示すように、階高一層分以上の
長さを有する電動ネジ6が夫々立設されており、この電
動ネジ6の上端部には仮設マスト4の前後壁面にそって
昇降される支持枠7に固定されたナット8が螺合され、
又電動ネジ6の下端部にはこれを正逆回転駆動する電動
モータと減速機のユニット9を夫々設置する。この電動
モータなどのユニット9は仮設マスト4の前後壁面にガ
イドされ昇降する支持枠10に固定されている。そして
両支持枠7,10は、仮設マスト4の上下部に設けた孔
11にピン12で各別に結合されるよう構成したもので
ある。
【0017】そして、図3a,bで示すように、地上よ
りクレーンにより仮設屋根構Aを構成するに当り、下側
に搬送クレーン14を介設した複数に分割せる屋根部標
準ブロック15を夫々吊架搬入し、これの両端部を既に
完成されている両側壁部標準ブロック3の上端間に橋架
的に取り合いしたのち、各屋根部標準ブロック15の長
手間を継ぎ材(図示略)にて結合し、この完成された屋
根Cの上面全面にはテント16を、側壁Bの両外側全域
にネット(目合15mm程度)17を張設養生すること
により、仮設屋根構Aは完成される。(図4a,b参
照)豪雪地帯などでは、テント16,ネット17に換え
て折板などを用いることもできる。
【0018】次いで図5で示すように、屋根Cに介装さ
れた搬送クレーン14を用いて種々の建材,器具類を搬
送供給し、建物Dを完成させる。
【0019】次に、図6a〜fについて仮設屋根構Aの
扛上する手段について説明する。図6aは、例えば1階
層の建物の建設における仮設屋根構Aの位置を示してい
る。そして、1階層分の建物が完成すると、電動ネジ6
の下端部に設けた支持枠10と仮設マスト4とを係止し
ているピン12を抜去し、両者の係合支持関係を解除す
る。次いで電動ネジ6を電動モータ9の駆動により正回
転させると、ナット8を有する支持枠7が仮設マスト4
に固定されているので、仮設屋根構Aは図7bで示すよ
うに上昇し、やがては図7cのように、下方の支持枠1
0が上方の支持枠7に接するまで上昇した時点で、この
下方の支持枠10と仮設マスト4とをピン12で結合す
る。この時点で階高一層分以上仮設屋根構Aが上昇さ
れ、屋根cと建物との間に一層分以上の新たな工事空間
が形成される。
【0020】新たに形成された工事空間を利用して上層
階建物の建設中に、既設の仮設マスト4の上端に、階高
一層分以上の長さをもつ新たな仮設マスト4aを継ぎ足
し、上層階の建物床版18などに水平拘束する。(図d
参照)そして、当該工事空間における建物の建設が完了
したら、上方の支持枠7のピン12を抜き、上方の支持
枠7と仮設マスト4の係止関係を解除したのち、電動モ
ータ9を駆動して電動ネジ6を逆回転させると、ナット
8は図6eのように仮設マスト4aにそって単独上昇
し、図6fに示すように、ナット8の上昇を仮設マスト
4aの上端部で停止させるとともに、上方の支持枠7と
仮設マスト4aとをピン12で係止連結する。尚、図6
d〜図6eに移行する際、電動モータ9を微小転させ、
ナット8を微小昇降させることにより仮設屋根構Aの全
荷重を支持枠7又は10の間で盛り替え、荷重から解放
されフリーとなった支持枠7又は10のピン12を抜
去,挿入を容易にするものである。上述の操作を繰り返
し行ない、所望階層の建物Dを完成させる。
【0021】上述のように、上層階が順次積み上げ方式
で建物が建設される過程において、順次上方に構成され
る建物床版18は、図7,図8に示すように各仮設マス
ト4,4a〜4nの上端部が、水平連結材19によって
各建物床版18など毎に拘束されるものである。
【0022】図9aに示すように、屋根部標準ブロック
15の両側端面が両側壁部標準ブロック3の上端内側面
に取り合うように仮設屋根構Aを構成することにより、
間口幅が最大の建物Dの建設に対応でき、図9bのよう
に側壁部標準ブロック3の上端面と屋根部標準ブロック
15の両端部下面を目一杯に取り合うように仮設屋根構
Aを構成することにより、図9aに比べ間口幅がやや小
さい建物Dの建設に対応し得られ、又図9cに示すよう
に、両側壁部標準ブロック3の側面から大巾に屋根部標
準ブロック15の両端が突出するように両者を取り合う
ように仮設屋根構Aを構成することにより、図9bに比
べ更に間口幅が小さい建物Dの建設に対応できる。この
ように本発明は大小さまざまな建物建設時の仮設屋根構
Aとして利用でき、汎用性が高い。
【0023】上述した仮設屋根構Aの上昇において、全
ての電動モータなどのユニット9の駆動を同調制御する
ことにより、仮設屋根構Aの均一上昇がなしうるように
したものである。同調制御の手段としては、各仮設マス
ト位置に上昇量を管理する磁気スケールを設けて、この
データによりコンピュータ管理したり、連通管方式のセ
ンサーを各仮設マストに設けてコンピュータ管理するな
どの方法がある。
【0024】建物が完成したあと、仮設屋根構Aを解体
する手順について説明すると、先ず屋根Cを構成する全
ての屋根部標準ブロック15と、側壁 部標準ブロック
3間の継ぎ材5を撤去したのち、仮設マスト4の最上端
に設けたレール(図示略)上を屋根部標準ブロック15
を水平に移動させ、順次分解しクレーンにより地上に分
解降下させる。前後して、前述した仮設屋根構Aの上昇
手段と逆の操作手順で側壁部標準ブロック3を地上まで
降下させ分解する。その後、各段の仮設マスト4,4a
〜4nと建物床版18などとを水平結合する連結材19
を除去することは当然である。
【0025】
【発明の効果】 上述のように本発明の構成によれば、
次のような効果が得られる。 (a)請求項1によれば、仮設屋根構下で建物を積み上
げ方式で建設する工法において、屋根部標準ブロックと
側壁部標準ブロックとを、長さが選択調整しうる継ぎ材
に結合構成することにより、仮設屋根構を多様な長さの
建物の建設に対応させることができ、経済的効果の大き
い全天候建物建設がなしうる。 (b)請求項2において、前述の効果に加え、図10で
示されるように、仮設屋根構を間口巾の異る建物の建設
に対応させることができる。 (c)請求項3において、建物の積み上げ工法の進行に
応じて仮設屋根構を支持する仮設マストを継ぎ足しする
とともに、夫々の仮設マストを建物床版などに水平拘束
することにより、全天候下、詳しくは仮設屋根構下の建
物建設が効率よく安定して行える。 (d)仮設屋根構の上昇が電動ネジとこれに螺合するナ
ットの回転駆動からなる制御し易い昇降手段によってな
され、建設精度の向上が図れる。 (e)請求項5において、前述の効果に加え、仮設屋根
構を構成する屋根部標準ブロックの下側に介装した搬送
クレーンなどの荷扱い手段により、建材や器具類の搬入
荷扱いができることから、建物の建設工期の短縮が図れ
る。 (f)請求項6において、前述の効果に加え、全ての仮
設マストに介装した電動ネジを同調制御することによ
り、仮設屋根構を円滑に均一上昇することができ、建設
作業性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 a,bは、標準ブロック化された側壁部に対
応する仮設マストの組を、建物設計間口幅に併せて立設
する行程を示す説明図である。
【図2】 a,bは、2本一組の仮設マストに側壁部を
搬入セットし、各側壁部を任意長さの継ぎ材にて結合す
る行程を示す説明図である。
【図3】 a,bは、側壁部上端に屋根部を取り合う行
程を示す説明図である。
【図4】 a,bは、完成された仮設屋根構の説明図で
ある。
【図5】 仮設マストを継ぎ足し、建物を積み上げ建設
する行程を示す説明図である。
【図6】 a〜fは、仮設屋根構の上昇行程を示す流れ
図である。
【図7】 仮設屋根構を昇降ガイドする仮設マストと建
物床版の水平拘束を示す説明図である。
【図8】 図8の横断平面図である。
【図9】 a,b,cは、仮設屋根構を構成する屋根部
と側壁部との取り合い変化を示す説明図である。
【符号の説明】
A 仮設屋根構 B 側壁 C 屋根 D 建物 1 杭 2 基礎 3 側壁部標準ブロック 4 仮設マスト 4a 仮設マスト 5 継ぎ材 6 電動ネジ 7 支持枠 8 ナット 9 電動モータ,減速機 10 支持枠 11 孔 12 ピン 13 施工ブロック 14 搬送クレーン 15 屋根部標準ブロック 16 テント 17 ネット 18 建物床版 19 水平連結材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年2月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 仮設屋根構下で建物を建設する工法
【特許請求の範囲】
請求項4】 請求項1〜の何れかの仮設屋根構下で
建物を建設する工法において、仮設屋根構を構成する屋
根部標準ブロックの下端側に、搬送クレーンなどの荷扱
い手段を介装し、この荷扱い手段を用いて建材や器具を
搬入荷扱いし建物を建設することを特徴とする仮設屋根
構下で建物を建設する工法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、仮設屋根構下で
建物を建設する工法に係る技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】 近年の全天候下でビルなどの建物を建
設する工法において、使用する全天候型の仮設屋根構
は、固有仕様であった。(例えば、月刊鉄構技術 19
96.11 Vol.9N101「全天候ビル自動化施
工システムと溶接ロボット」参照)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 固有仕様の全天候型
の仮設屋根構は、公団住宅のような定形型の建物の建設
に適用させる場合には問題ないが、その他の建物に対し
ては汎用性に欠け、また、汎用目的で開発された仮設屋
根構にあっては、適用対称とする建物に制約があり、仮
設屋根構の利用頻度がきわめて少く不経済であった。
【0004】本発明の目的は、多様な奥行き長さ又は間
口幅の建物を全天候下で建設しうる工法を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】 本発明の仮設屋根構下
で建物を建設する工法は、次のような手段を援用する。
【0006】上記目的は、仮設屋根構下で建物を建設す
る工法において、屋根部標準ブロックとこれの左右に取
り合う2個の側壁部標準ブロックとを適当間隔を介して
相互に結合することにより、標準仮設屋根構ユニットを
構成し、複数の標準仮設屋根構ユニットの間を、長さが
選択調整しうる継ぎ材にて結合した仮設屋根構を用い、
多様な奥行き長さの建物の建設に対応できるようにした
ことにより達成される。
【0007】上記目的は、請求項1の仮設屋根構下で建
物を建設する工法において、屋根部標準ブロックと側壁
部標準ブロックとの取り合い場所を変えることにより、
仮設屋根構を間口幅の異る建物に対応させることにより
達成される。
【0008】上記目的は、基礎上に仮設屋根構及び仮設
マストを立設し、この仮設マストに少なくとも階高一層
分以上の長さを有する電動ネジとこれに螺合するナット
からなる仮設屋根構の昇降手段を介装し、全天候施工環
境の工事空間を作る第1行程、仮設屋根構の下側に形成
された工事空間を利用して少なくとも一階層の建物躯体
を施工する第2行程、施工された建物躯体の床版などに
水平拘束せる仮設マストと係合した仮設屋根構の昇降手
段を設け、この昇降手段の電動ネジを回転駆動しナット
を介して仮設屋根構を少なくとも階高一層分以上上昇さ
せ、建設中の建物と仮設屋根構の間に上層階躯体を積み
上げ施工するための新たな工事空間を形成する第3行
程、仮設屋根構下部を仮設マスト上部に固定し、上層階
躯体を施工する第4行程、前後して、新たな仮設マスト
を継ぎ足しするとともに、この新たな仮設マストの上部
を上層階の床版などと水平連結し、電動ネジを逆回転し
てナットを上昇させ、新たな仮設マストの上部に固定す
る第5行程、以下、第2行程〜第5行程を繰り返して行
ない、所望階層の建物を全天候下で建設することにより
達成される。
0009】上記目的は、請求項1〜の何れかの仮設
屋根構下で建物を建設する工法において、仮設屋根構を
構成する屋根部標準ブロックの下端側に、搬送クレーン
などの荷扱い手段を介装し、この荷扱い手段を用いて建
材や器具を搬入荷扱いし建物を建設することにより達成
される。
0010
【発明の実施の形態】 図面に基づいて、本発明工法の
実施の形態を説明する。
0011】図1a,b〜図4a,bについて、建物を
建設する前段階として仮設屋根構Aの組立て工法を説明
する。
0012】図1aに示すように、設計された建物間口
より外側に基礎2を設け、図1bに示す如く、この基礎
2の上に仮設屋根構Aを構成する標準寸法化された側壁
部標準ブロック3の幅間隔に適合する2本一組の仮設マ
スト4を、複数組1通り〜n通り適当間隔を介して立設
する。この際、1通り〜2通り,3通り〜4通り,…
(n−1)通り〜n通りの間隔は、側壁部標準ブロック
3の幅間隔に適合するが、2通り〜3通り,4通り〜5
通りなどの間隔は、対象とする建物の長さにより異る。
0013】図2a,bのように、1通り〜n通りに立
設された仮設マスト4の外側に、階高一層分以上の長さ
を有する単一高さをもつ側壁部標準ブロック3、あるい
は、複数積み重ねて所望高さに構成しうる側壁部標準ブ
ロック3をクレーンで配設する。対象建物の大小によっ
て任意の間隔に設定された側壁部標準ブロック3を、夫
々の間隔に対応した長さを有する継ぎ材5にて連結し、
所定寸法の側壁Bを長手方向にそって完成させる。図中
13は、側壁部標準ブロック3の仮組立て時にこれを乗
載するために使用する施工ブロックで、この施工ブロッ
ク13の使用は省略することがある。
0014】各側壁部3の内面両側で仮設マスト4に対
応する部位には、図7に示すように、階高一層分以上の
長さを有する電動ネジ6が夫々立設されており、この電
動ネジ6の上端部には仮設マスト4の前後壁面にそって
昇降される支持枠7に固定されたナット8が螺合され、
又電動ネジ6の下端部にはこれを正逆回転駆動する電動
モータと減速機のユニット9を夫々設置する。この電動
モータなどのユニット9は仮設マスト4の前後壁面にガ
イドされ昇降する支持枠10に固定されている。そして
両支持枠7,10は、仮設マスト4の上下部に設けた孔
11にピン12で各別に結合されるよう構成したもので
ある。
0015】そして、図3a,bで示すように、地上よ
りクレーンにより仮設屋根構Aを構成するに当り、下側
に搬送クレーン14を介設した複数に分割せる屋根部標
準ブロック15を夫々吊架搬入し、これの両端部を既に
完成されている両側壁部標準ブロック3の上端間に橋架
的に取り合いしたのち、各屋根部標準ブロック15の長
手間を継ぎ材(図示略)にて結合し、この完成された屋
根Cの上面全面にはテント16を、側壁Bの両外側全域
にネット(目合15mm程度)17を張設養生すること
により、仮設屋根構Aは完成される。(図4a,b参
照)豪雪地帯などでは、テント16,ネット17に換え
て折板などを用いることもできる。
0016】次いで図5で示すように、屋根Cに介装さ
れた搬送クレーン14を用いて種々の建材,器具類を搬
送供給し、建物Dを完成させる。
0017】次に、図6a〜fについて仮設屋根構Aの
扛上する手段について説明する。図6aは、例えば1階
層の建物の建設における仮設屋根構Aの位置を示してい
る。そして、1階層分の建物が完成すると、電動ネジ6
の下端部に設けた支持枠10と仮設マスト4とを係止し
ているピン12を抜去し、両者の係合支持関係を解除す
る。次いで電動ネジ6を電動モータ9の駆動により正回
転させると、ナット8を有する支持枠7が仮設マスト4
に固定されているので、仮設屋根構Aは図7bで示すよ
うに上昇し、やがては図7cのように、下方の支持枠1
0が上方の支持枠7に接するまで上昇した時点で、この
下方の支持枠10と仮設マスト4とをピン12で結合す
る。この時点で階高一層分以上仮設屋根構Aが上昇さ
れ、屋根cと建物との間に一層分以上の新たな工事空間
が形成される。
0018】新たに形成された工事空間を利用して上層
階建物の建設中に、既設の仮設マスト4の上端に、階高
一層分以上の長さをもつ新たな仮設マスト4aを継ぎ足
し、上層階の建物床版18などに水平拘束する。(図d
参照)そして、当該工事空間における建物の建設が完了
したら、上方の支持枠7のピン12を抜き、上方の支持
枠7と仮設マスト4の係止関係を解除したのち、電動モ
ータ9を駆動して電動ネジ6を逆回転させると、ナット
8は図6eのように仮設マスト4aにそって単独上昇
し、図6fに示すように、ナット8の上昇を仮設マスト
4aの上端部で停止させるとともに、上方の支持枠7と
仮設マスト4aとをピン12で係止連結する。尚、図6
d〜図6eに移行する際、電動モータ9を微小転させ、
ナット8を微小昇降させることにより仮設屋根構Aの全
荷重を支持枠7又は10の間で盛り替え、荷重から解放
されフリーとなった支持枠7又は10のピン12を抜
去,挿入を容易にするものである。上述の操作を繰り返
し行ない、所望階層の建物Dを完成させる。
0019】上述のように、上層階が順次積み上げ方式
で建物が建設される過程において、順次上方に構成され
る建物床版18は、図7,図8に示すように各仮設マス
ト4,4a〜4nの上端部が、水平連結材19によって
各建物床版18など毎に拘束されるものである。
0020】図9aに示すように、屋根部標準ブロック
15の両側端面が両側壁部標準ブロック3の上端内側面
に取り合うように仮設屋根構Aを構成することにより、
間口幅が最大の建物Dの建設に対応でき、図9bのよう
に側壁部標準ブロック3の上端面と屋根部標準ブロック
15の両端部下面を目一杯に取り合うように仮設屋根構
Aを構成することにより、図9aに比べ間口幅がやや小
さい建物Dの建設に対応し得られ、又図9cに示すよう
に、両側壁部標準ブロック3の側面から大巾に屋根部標
準ブロック15の両端が突出するように両者を取り合う
ように仮設屋根構Aを構成することにより、図9bに比
べ更に間口幅が小さい建物Dの建設に対応できる。この
ように本発明は大小さまざまな建物建設時の仮設屋根構
Aとして利用でき、汎用性が高い。
0021】上述した仮設屋根構Aの上昇において、全
ての電動モータなどのユニット9の駆動を同調制御する
ことにより、仮設屋根構Aの均一上昇がなしうるように
したものである。同調制御の手段としては、各仮設マス
ト位置に上昇量を管理する磁気スケールを設けて、この
データによりコンピュータ管理したり、連通管方式のセ
ンサーを各仮設マストに設けてコンピュータ管理するな
どの方法がある。
0022】建物が完成したあと、仮設屋根構Aを解体
する手順について説明すると、先ず屋根Cを構成する全
ての屋根部標準ブロック15と、側壁部標準ブロック3
間の継ぎ材5を撤去したのち、仮設マスト4の最上端に
設けたレール(図示略)上を屋根部標準ブロック15を
水平に移動させ、順次分解しクレーンにより地上に分解
降下させる。前後して、前述した仮設屋根構Aの上昇手
段と逆の操作手順で側壁部標準ブロック3を地上まで降
下させ分解する。その後、各段の仮設マスト4,4a〜
4nと建物床版18などとを水平結合する連結材19を
除去することは当然である。
0023
【発明の効果】 上述のように本発明の構成によれば、
次のような効果が得られる。 (a)請求項1によれば、仮設屋根構下で建物を積み上
げ方式で建設する工法において、屋根部標準ブロックと
側壁部標準ブロックとを、長さが選択調整しうる継ぎ材
に結合構成することにより、仮設屋根構を多様な長さの
建物の建設に対応させることができ、経済的効果の大き
い全天候建物建設がなしうる。 (b)請求項2において、前述の効果に加え、図10で
示されるように、仮設屋根構を間口巾の異る建物の建設
に対応させることができる。 (c)請求項3において、建物の積み上げ工法の進行に
応じて仮設屋根構を支持する仮設マストを継ぎ足しする
とともに、夫々の仮設マストを建物床版などに水平拘束
することにより、全天候下、詳しくは仮設屋根構下の建
物建設が効率よく安定して行える。 ()請求項において、前述の効果に加え、仮設屋根
構を構成する屋根部標準ブロックの下側に介装した搬送
クレーンなどの荷扱い手段により、建材や器具類の搬入
荷扱いができることから、建物の建設工期の短縮が図れ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 a,bは、標準ブロック化された側壁部に対
応する仮設マストの組を、建物設計間口幅に併せて立設
する行程を示す説明図である。
【図2】 a,bは、2本一組の仮設マストに側壁部を
搬入セットし、各側壁部を任意長さの継ぎ材にて結合す
る行程を示す説明図である。
【図3】 a,bは、側壁部上端に屋根部を取り合う行
程を示す説明図である。
【図4】 a,bは、完成された仮設屋根構の説明図で
ある。
【図5】 仮設マストを継ぎ足し、建物を積み上げ建設
する行程を示す説明図である。
【図6】 a〜fは、仮設屋根構の上昇行程を示す流れ
図である。
【図7】 仮設屋根構を昇降ガイドする仮設マストと建
物床版の水平拘束を示す説明図である。
【図8】 図8の横断平面図である。
【図9】 a,b,cは、仮設屋根構を構成する屋根部
と側壁部との取り合い変化を示す説明図である。
【符号の説明】 A 仮設屋根構 B 側壁 C 屋根 D 建物 1 杭 2 基礎 3 側壁部標準ブロック 4 仮設マスト 4a 仮設マスト 5 継ぎ材 6 電動ネジ 7 支持枠 8 ナット 9 電動モータ,減速機 10 支持枠 11 孔 12 ピン 13 施工ブロック 14 搬送クレーン 15 屋根部標準ブロック 16 テント 17 ネット 18 建物床版 19 水平連結材 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 仮設屋根構下で建物を建設する工法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、仮設屋根構下で
建物を建設する工法に係る技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】 近年の全天候下でビルなどの建物を建
設する工法において、使用する全天候型の仮設屋根構
は、固有仕様であった。(例えば、月刊鉄構技術 19
96.11 Vol.9N101「全天候ビル自動化施
工システムと溶接ロボット」参照)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 固有仕様の全天候型
の仮設屋根構は、公団住宅のような定形型の建物の建設
に適用させる場合には問題ないが、その他の建物に対し
ては汎用性に欠け、また、汎用目的で開発された仮設屋
根構にあっては、適用対称とする建物に制約があり、仮
設屋根構の利用頻度がきわめて少く不経済であった。
【0004】本発明の目的は、多様な奥行き長さ又は間
口幅の建物を全天候下で建設しうる工法を提供すること
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】 本発明の仮設屋根構下
で建物を建設する工法は、次のような手段を援用する。
【0006】上記目的は、仮設屋根構下で建物を建設す
る工法において、屋根部標準ブロックとこれの左右に取
り合う2個の側壁部標準ブロックとを適当間隔を介して
相互に結合することにより、標準仮設屋根構ユニットを
構成し、複数の標準仮設屋根構ユニットの間を、長さが
選択調整しうる継ぎ材にて結合した仮設屋根構を用い、
多様な奥行き長さの建物の建設に対応できるようにした
ことにより達成される。
【0007】上記目的は、請求項1の仮設屋根構下で建
物を建設する工法において、屋根部標準ブロックと側壁
部標準ブロックとの取り合い場所を変えることにより、
仮設屋根構を間口幅の異る建物に対応させることにより
達成される。
【0008】上記目的は、請求項1の仮設屋根構下で建
物を建設する工法において、基礎上に仮設屋根構及び仮
設マストを立設し、この仮設マストに少なくとも階高一
層分以上の長さを有する電動ネジとこれに螺合するナッ
トからなる仮設屋根構の昇降手段を介装し、全天候施工
環境の工事空間を作る第1行程、仮設屋根構の下側に形
成された工事空間を利用して少なくとも一階層の建物躯
体を施工する第2行程、施工された建物躯体の床版など
に水平拘束せる仮設マストと係合した仮設屋根構の昇降
手段を設け、この昇降手段の電動ネジを回転駆動しナッ
トを介して仮設屋根構を少なくとも階高一層分以上上昇
させ、建設中の建物と仮設屋根構の間に上層階躯体を積
み上げ施工するための新たな工事空間を形成する第3行
程、仮設屋根構下部を仮設マスト上部に固定し、上層階
躯体を施工する第4行程、前後して、新たな仮設マスト
を継ぎ足しするとともに、この新たな仮設マストの上部
を上層階の床版などと水平連結し、電動ネジを逆回転し
てナットを上昇させ、新たな仮設マストの上部に固定す
る第5行程、以下、第2行程〜第5行程を繰り返して行
ない、所望階層の建物を全天候下で建設することにより
達成される。
【0009】上記目的は、請求項1〜3の何れかの仮設
屋根構下で建物を建設する工法において、仮設屋根構を
構成する屋根部標準ブロックの下端側に、搬送クレーン
などの荷扱い手段を介装し、この荷扱い手段を用いて建
材や器具を搬入荷扱いし建物を建設することにより達成
される。
【0010】
【発明の実施の形態】 図面に基づいて、本発明工法の
実施の形態を説明する。
【0011】図1a,b〜図4a,bについて、建物を
建設する前段階として仮設屋根構Aの組立て工法を説明
する。
【0012】図1aに示すように、設計された建物間口
より外側に基礎2を設け、図1bに示す如く、この基礎
2の上に仮設屋根構Aを構成する標準寸法化された側壁
部標準ブロック3の幅間隔に適合する2本一組の仮設マ
スト4を、複数組1通り〜n通り適当間隔を介して立設
する。この際、1通り〜2通り,3通り〜4通り,…
(n−1)通り〜n通りの間隔は、側壁部標準ブロック
3の幅間隔に適合するが、2通り〜3通り,4通り〜5
通りなどの間隔は、対象とする建物の長さにより異る。
【0013】図2a,bのように、1通り〜n通りに立
設された仮設マスト4の外側に、階高一層分以上の長さ
を有する単一高さをもつ側壁部標準ブロック3、あるい
は、複数積み重ねて所望高さに構成しうる側壁部標準ブ
ロック3をクレーンで配設する。対象建物の大小によっ
て任意の間隔に設定された側壁部標準ブロック3を、夫
々の間隔に対応した長さを有する継ぎ材5にて連結し、
所定寸法の側壁Bを長手方向にそって完成させる。図中
13は、側壁部標準ブロック3の仮組立て時にこれを乗
載するために使用する施工ブロックで、この施工ブロッ
ク13の使用は省略することがある。
【0014】各側壁部3の内面両側で仮設マスト4に対
応する部位には、図7に示すように、階高一層分以上の
長さを有する電動ネジ6が夫々立設されており、この電
動ネジ6の上端部には仮設マスト4の前後壁面にそって
昇降される支持枠7に固定されたナット8が螺合され、
又電動ネジ6の下端部にはこれを正逆回転駆動する電動
モータと減速機のユニット9を夫々設置する。この電動
モータなどのユニット9は仮設マスト4の前後壁面にガ
イドされ昇降する支持枠10に固定されている。そして
両支持枠7,10は、仮設マスト4の上下部に設けた孔
11にピン12で各別に結合されるよう構成したもので
ある。
【0015】そして、図3a,bで示すように、地上よ
りクレーンにより仮設屋根構Aを構成するに当り、下側
に搬送クレーン14を介設した複数に分割せる屋根部標
準ブロック15を夫々吊架搬入し、これの両端部を既に
完成されている両側壁部標準ブロック3の上端間に橋架
的に取り合いしたのち、各屋根部標準ブロック15の長
手間を継ぎ材(図示略)にて結合し、この完成された屋
根Cの上面全面にはテント16を、側壁Bの両外側全域
にネット(目合15mm程度)17を張設養生すること
により、仮設屋根構Aは完成される。(図4a,b参
照)豪雪地帯などでは、テント16,ネット17に換え
て折板などを用いることもできる。
【0016】次いで図5で示すように、屋根Cに介装さ
れた搬送クレーン14を用いて種々の建材,器具類を搬
送供給し、建物Dを完成させる。
【0017】次に、図6a〜fについて仮設屋根構Aの
扛上する手段について説明する。図6aは、例えば1階
層の建物の建設における仮設屋根構Aの位置を示してい
る。そして、1階層分の建物が完成すると、電動ネジ6
の下端部に設けた支持枠10と仮設マスト4とを係止し
ているピン12を抜去し、両者の係合支持関係を解除す
る。次いで電動ネジ6を電動モータ9の駆動により正回
転させると、ナット8を有する支持枠7が仮設マスト4
に固定されているので、仮設屋根構Aは図7bで示すよ
うに上昇し、やがては図7cのように、下方の支持枠1
0が上方の支持枠7に接するまで上昇した時点で、この
下方の支持枠10と仮設マスト4とをピン12で結合す
る。この時点で階高一層分以上仮設屋根構Aが上昇さ
れ、屋根cと建物との間に一層分以上の新たな工事空間
が形成される。
【0018】新たに形成された工事空間を利用して上層
階建物の建設中に、既設の仮設マスト4の上端に、階高
一層分以上の長さをもつ新たな仮設マスト4aを継ぎ足
し、上層階の建物床版18などに水平拘束する。(図d
参照)そして、当該工事空間における建物の建設が完了
したら、上方の支持枠7のピン12を抜き、上方の支持
枠7と仮設マスト4の係止関係を解除したのち、電動モ
ータ9を駆動して電動ネジ6を逆回転させると、ナット
8は図6eのように仮設マスト4aにそって単独上昇
し、図6fに示すように、ナット8の上昇を仮設マスト
4aの上端部で停止させるとともに、上方の支持枠7と
仮設マスト4aとをピン12で係止連結する。尚、図6
d〜図6eに移行する際、電動モータ9を微小転させ、
ナット8を微小昇降させることにより仮設屋根構Aの全
荷重を支持枠7又は10の間で盛り替え、荷重から解放
されフリーとなった支持枠7又は10のピン12を抜
去,挿入を容易にするものである。上述の操作を繰り返
し行ない、所望階層の建物Dを完成させる。
【0019】上述のように、上層階が順次積み上げ方式
で建物が建設される過程において、順次上方に構成され
る建物床版18は、図7,図8に示すように各仮設マス
ト4,4a〜4nの上端部が、水平連結材19によって
各建物床版18など毎に拘束されるものである。
【0020】図9aに示すように、屋根部標準ブロック
15の両側端面が両側壁部標準ブロック3の上端内側面
に取り合うように仮設屋根構Aを構成することにより、
間口幅が最大の建物Dの建設に対応でき、図9bのよう
に側壁部標準ブロック3の上端面と屋根部標準ブロック
15の両端部下面を目一杯に取り合うように仮設屋根構
Aを構成することにより、図9aに比べ間口幅がやや小
さい建物Dの建設に対応し得られ、又図9cに示すよう
に、両側壁部標準ブロック3の側面から大巾に屋根部標
準ブロック15の両端が突出するように両者を取り合う
ように仮設屋根構Aを構成することにより、図9bに比
べ更に間口幅が小さい建物Dの建設に対応できる。この
ように本発明は大小さまざまな建物建設時の仮設屋根構
Aとして利用でき、汎用性が高い。
【0021】上述した仮設屋根構Aの上昇において、全
ての電動モータなどのユニット9の駆動を同調制御する
ことにより、仮設屋根構Aの均一上昇がなしうるように
したものである。同調制御の手段としては、各仮設マス
ト位置に上昇量を管理する磁気スケールを設けて、この
データによりコンピュータ管理したり、連通管方式のセ
ンサーを各仮設マストに設けてコンピュータ管理するな
どの方法がある。
【0022】建物が完成したあと、仮設屋根構Aを解体
する手順について説明すると、先ず屋根Cを構成する全
ての屋根部標準ブロック15と、側壁部標準ブロック3
間の継ぎ材5を撤去したのち、仮設マスト4の最上端に
設けたレール(図示略)上を屋根部標準ブロック15を
水平に移動させ、順次分解しクレーンにより地上に分解
降下させる。前後して、前述した仮設屋根構Aの上昇手
段と逆の操作手順で側壁部標準ブロック3を地上まで降
下させ分解する。その後、各段の仮設マスト4,4a〜
4nと建物床版18などとを水平結合する連結材19を
除去することは当然である。
【0023】
【発明の効果】 上述のように本発明の構成によれば、
次のような効果が得られる。 (a)請求項1によれば、仮設屋根構下で建物を積み上
げ方式で建設する工法において、屋根部標準ブロックと
側壁部標準ブロックとを、長さが選択調整しうる継ぎ材
に結合構成することにより、仮設屋根構を多様な長さの
建物の建設に対応させることができ、経済的効果の大き
い全天候建物建設がなしうる。 (b)請求項2において、前述の効果に加え、図10で
示されるように、仮設屋根構を間口巾の異る建物の建設
に対応させることができる。 (c)請求項3において、建物の積み上げ工法の進行に
応じて仮設屋根構を支持する仮設マストを継ぎ足しする
とともに、夫々の仮設マストを建物床版などに水平拘束
することにより、全天候下、詳しくは仮設屋根構下の建
物建設が効率よく安定して行える。 (d)請求項4において、前述の効果に加え、仮設屋根
構を構成する屋根部標準ブロックの下側に介装した搬送
クレーンなどの荷扱い手段により、建材や器具類の搬入
荷扱いができることから、建物の建設工期の短縮が図れ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 a,bは、標準ブロック化された側壁部に対
応する仮設マストの組を、建物設計間口幅に併せて立設
する行程を示す説明図である。
【図2】 a,bは、2本一組の仮設マストに側壁部を
搬入セットし、各側壁部を任意長さの継ぎ材にて結合す
る行程を示す説明図である。
【図3】 a,bは、側壁部上端に屋根部を取り合う行
程を示す説明図である。
【図4】 a,bは、完成された仮設屋根構の説明図で
ある。
【図5】 仮設マストを継ぎ足し、建物を積み上げ建設
する行程を示す説明図である。
【図6】 a〜fは、仮設屋根構の上昇行程を示す流れ
図である。
【図7】 仮設屋根構を昇降ガイドする仮設マストと建
物床版の水平拘束を示す説明図である。
【図8】 図8の横断平面図である。
【図9】 a,b,cは、仮設屋根構を構成する屋根部
と側壁部との取り合い変化を示す説明図である。
【符号の説明】 A 仮設屋根構 B 側壁 C 屋根 D 建物 1 杭 2 基礎 3 側壁部標準ブロック 4 仮設マスト 4a 仮設マスト 5 継ぎ材 6 電動ネジ 7 支持枠 8 ナット 9 電動モータ,減速機 10 支持枠 11 孔 12 ピン 13 施工ブロック 14 搬送クレーン 15 屋根部標準ブロック 16 テント 17 ネット 18 建物床版 19 水平連結材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 仮設屋根構下で建物を建設する工法にお
    いて、屋根部標準ブロックとこれの左右に取り合う2個
    の側壁部標準ブロックとを適当間隔を介して相互に結合
    することにより、標準仮設屋根構ユニットを構成し、複
    数の標準仮設屋根構ユニットの間を、長さが選択調整し
    うる継ぎ材にて結合した仮設屋根構を用い、多様な奥行
    き長さの建物の建設に対応できるようにしたことを特徴
    とする仮設屋根構下で建物を建設する工法。
  2. 【請求項2】 請求項1の仮設屋根構下で建物を建設す
    る工法において、屋根部標準ブロックと側壁部標準ブロ
    ックとの取り合い場所を変えることにより、仮設屋根構
    を間口幅の異る建物に対応させることを特徴とする仮設
    屋根構下で建物を建設する工法。
  3. 【請求項3】 基礎上に仮設屋根構及び仮設マストを立
    設し、この仮設マストに少なくとも階高一層分以上の長
    さを有する電動ネジとこれに螺合するナットからなる仮
    設屋根構の昇降手段を介装し、全天候施工環境の工事空
    間を作る第1行程、 仮設屋根構の下側に形成された工事空間を利用して少な
    くとも一階層の建物躯体を施工する第2行程、 施工された建物躯体の床版などに仮設マストの上部を水
    平拘束したのち、電動ネジを回転駆動しナットを介して
    仮設屋根構を少なくとも階高一層分以上上昇させ、建設
    中の建物と仮設屋根構の間に上層階躯体を積み上げ施工
    するための新たな工事空間を形成する第3行程、 仮設屋根構下部を仮設マスト上部に固定し、上層階躯体
    を施工する第4行程、 前後して、新たな仮設マストを継ぎ足しするとともに、
    この新たな仮設マストの上部を上層階の床版などと水平
    連結し、電動ネジを逆回転してナットを上昇させ、新た
    な仮設マストの上部に固定する第5行程、 以下、第2行程〜第5行程を繰り返して行ない、所望階
    層の建物を全天候下で建設することを特徴とする仮設屋
    根構下で建物を建設する工法。
  4. 【請求項4】 請求項3の仮設屋根構下で建物を建設す
    る行程において、電動ネジを回転させずにナットを回転
    させ、仮設屋根構を上昇することを特徴とする仮設屋根
    構下で建物を建設する工法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかの仮設屋根構下で
    建物を建設する工法において、仮設屋根構を構成する屋
    根部の下端側に、搬送クレーンなどの荷扱い手段を介装
    し、この荷扱い手段を用いて建材や器具を搬入荷扱いし
    建物を建設することを特徴とする仮設屋根構下で建物を
    建設する工法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れかの仮設屋根構下で
    建物を建設する工法において、全ての仮設マストに介装
    した電動ネジを同調制御して、仮設屋根構を均一に上昇
    させることを特徴とする仮設屋根構下で建物を建設する
    工法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017128907A (ja) * 2016-01-20 2017-07-27 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 ライニングプレート据付兼雨養生治具及びこの治具を用いたライニングプレート据付方法
CN108612325A (zh) * 2018-05-31 2018-10-02 深圳汇林达科技有限公司 一种智能集成化的自动化施工工厂

Cited By (3)

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CN108612325A (zh) * 2018-05-31 2018-10-02 深圳汇林达科技有限公司 一种智能集成化的自动化施工工厂
CN108612325B (zh) * 2018-05-31 2024-04-26 深圳汇林达科技有限公司 一种智能集成化的自动化施工工厂

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