JPH1121367A - 発泡性ゴム変性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法 - Google Patents
発泡性ゴム変性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法Info
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- JPH1121367A JPH1121367A JP19519397A JP19519397A JPH1121367A JP H1121367 A JPH1121367 A JP H1121367A JP 19519397 A JP19519397 A JP 19519397A JP 19519397 A JP19519397 A JP 19519397A JP H1121367 A JPH1121367 A JP H1121367A
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Abstract
軟性に優れた発泡体を得ることができる発泡性ゴム変性
スチレン系樹脂粒子及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 スチレン系樹脂100重量部と,1,4
−シス構造の割合が70%以上のブタジエン重合体5〜
20重量部と,ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンから
なる熱可塑性ブロック共重合体0.05〜5.0重量部
とからなり,上記スチレン系樹脂の連続相中に上記ブタ
ジエン重合体の分散粒子と上記熱可塑性ブロック共重合
体の分散粒子が粒子状に分散しているゴム変性スチレン
系樹脂であって,かつ沸点が80℃以下の揮発性発泡剤
を1〜15重量%含有している。
Description
あり,耐衝撃性や柔軟性に優れた発泡成形体を得るため
の,発泡性ゴム変性スチレン系樹脂粒子及びその製造方
法に関する。
優れた緩衝性,断熱性を有し,成形も容易であるため,
包装材,断熱材として多く用いられている。しかし,耐
衝撃性や柔軟性が不充分であるため,欠けが発生し易
く,例えば精密機器製品の包装などには適さないという
問題がある。一方,ポリプロピレン樹脂からなる発泡成
形体は,柔軟性,耐衝撃性に優れた発泡成形体ではある
が,発泡成形体の成形時に大がかりな設備を必要とす
る。また,樹脂の性質上,発泡粒子の形態で製造メーカ
ーから成形加工メーカーに輸送しなければならない。そ
のため,製造コストが上昇するという問題があった。
成形体よりも耐衝撃性及び柔軟性を改良したものとし
て,ゴム変性スチレン系樹脂発泡成形体が,特開平3−
182529号,特開平5−116227号,特開平7
−11043号,及び特開平7−90105号等に提案
されている。
撃性及び柔軟性の改良の程度が不充分であったり,発泡
成形体の製造工程,即ち発泡粒子の金型内への充填・加
熱・冷却の各工程の内で冷却時間が相対的に長い。その
ため,成形サイクルが長く,生産性が低い。
成形体の成形サイクルが短く,耐衝撃性,柔軟性に優れ
た発泡成形体を得ることができる発泡性ゴム変性スチレ
ン系樹脂粒子及びその製造方法を提供しようとするもの
である。
系樹脂100重量部と,1,4−シス構造の割合が70
%以上のブタジエン重合体5〜20重量部と,ビニル芳
香族炭化水素と共役ジエンからなる熱可塑性ブロック共
重合体0.05〜5.0重量部とからなり,上記スチレ
ン系樹脂の連続相中に上記ブタジエン重合体の分散粒子
と上記熱可塑性ブロック共重合体の分散粒子が粒子状に
分散しているゴム変性スチレン系樹脂であって,かつ沸
点が80℃以下の揮発性発泡剤を1〜15重量%含有し
ていることを特徴とする発泡性ゴム変性スチレン系樹脂
粒子である。
脂のスチレン系樹脂は,ブタジエン重合体をスチレン,
p−メチルスチレン,α−メチルスチレン等の芳香族ビ
ニル化合物に溶解させ,アゾビスイソブチロニトリル等
のアゾ化合物あるいは過酸化ベンゾイル,t−ブチルパ
ーオキシベンゾエート等の過酸化物の存在下で,ラジカ
ル重合させ,バルク重合,溶液重合,懸濁重合,バルク
−懸濁重合法等を用いて得られるものである。
平均分子量は,発泡成形体の強度が低下しないようにす
るため,350,000以上であることが好ましい。更
に好ましくは400,000以上である。なお,上限は
1,000,000である。
子における,ゴム変性スチレン系樹脂中のブタジエン重
合体は,1,4−シス構造の割合が70%以上,好まし
くは90%以上のブタジエン重合体からなる。1,4−
シス構造の割合が上記70%よりも低いブタジエン重合
体を用いた場合には,発泡成形体の柔軟性や耐衝撃性が
不充分になる。なお,その上限は99%とすることが好
ましい。
るブタジエン重合体は,例えば希土類金属(原子番号2
1,39,57〜62)系触媒,好ましくはセリウム族
(原子番号57〜62)系触媒の存在下で,ブタジエン
の配位イオン重合を行うことにより得ることができる。
希土類金属系触媒の基本構成は,(a)一般式MR
3(Mは希土類金属,Rは有機酸の反応残基である。)
で表される希土類金属化合物,(b)有機アルミニウム
化合物及び(c)ハロゲン化合物からなる。なお,上記
の希土類金属化合物を構成する有機酸としては,例えば
カルボン酸,アルコール,アミン等の希土類金属と置換
可能な活性水素を有する有機化合物である(特開昭55
−66903号及び特開昭60−23406号公報参
照)。
13C−NMRスペクトルの測定や赤外吸収スペクトル
(Morrero法)の測定により決定することができ
る。
ン系樹脂100重量部に対して5〜20重量部である。
5重量部未満の場合には,充分な柔軟性や耐衝撃性を有
する発泡成形体が得られない。一方,20重量部を超え
る場合には使用割合に見合う強度向上が得られない上
に,発泡成形体の表面が溶融する等の成形性が著しく悪
化する。 なお,好ましくは8〜13重量部,更に好ま
しくは9〜12重量部である。
は,スチレン重合用の重合槽の攪拌装置の形状,攪拌回
転数,攪拌時間,重合温度等の要因により調整できる。
即ち,重合時にブタジエン重合体に対し剪断応力のかか
る様な条件,例えば攪拌回転数を変えることによって,
上記の範囲に調整することができる。なお,ブタジエン
重合体の分散粒子の平均粒子径は,透過型電子顕微鏡写
真において,ブタジエン重合体粒子50〜100個の粒
子径を測定し,次式により計算した値である。 平均粒子径=ΣNiD2 /ΣNiD (ここに,Niはブタジエン粒子の個数,Dはブタジエ
ン粒子の粒子径である。)
有量は,スチレン系樹脂100重量部に対して0.05
〜5.0重量部である。0.05重量部未満では成形サ
イクルの短縮効果が不充分であり,5.0重量部を超え
ると発泡粒子を用いて発泡成形体を製造する際,成形品
表面が溶融する等の成形性が著しく悪化する。なお,好
ましくは,0.3〜1.0重量部である。
子の平均粒子径は,透過型電子顕微鏡写真において,熱
可塑性ブロック共重合体粒子100〜200個の粒子径
を測定し,次式により計算した値である。 平均粒子径=ΣNiD2 /ΣNiD (ここに,Niは熱可塑性ブロック共重合体粒子の個
数,Dは熱可塑性ブロック共重合体粒子の粒子径であ
る。)
スチレン,α−メチルスチレンなどのビニル芳香族炭化
水素とブタジエン,イソプレンなどの共役ジエンから構
成される。熱可塑性ブロック共重合体の分散粒子の平均
粒子径を上記の範囲とするためには,熱可塑ブロック共
重合体中のビニル芳香族炭化水素の割合が,20〜60
重量%とすることが好ましい。
悪化する問題があり,一方60重量%を超えると,成形
サイクル短縮効果が不充分となる問題がある。なお,更
には30〜50重量%であることが好ましい。
子径を上記の範囲とするためには,熱可塑性ブロック共
重合体が,直鎖状であることが好ましい。なお,上記熱
可塑性ブロック共重合体は,例えば,市販のシェルジャ
パン社製,商品名カリフレックスTRとして入手でき
る。
ものを用いる。80℃を超えると所望の発泡倍率まで発
泡し難いという問題がある。なお,下限は−50℃であ
る。上記の揮発性発泡剤としては,プロパン,ノルマル
ブタン,イソブタン,ノルマルペンタン,イソペンタ
ン,ネオペンタン,シクロペンタン,ヘキサン,トリク
ロロフロロメタン,ジクロロジフロロメタン,ジクロロ
テトラフロロエタン,クロロメタン,クロロエタン,ジ
クロロメタン,メタノール,ジエチルエーテル等の,沸
点が80℃以下の有機化合物を単独または2種類以上混
合して用いることができる。
レン系樹脂粒子中における含有量が1〜15重量%であ
る。1重量%未満では発泡が不充分となって耐衝撃性,
柔軟性にすぐれた発泡成形体を得難く,一方15重量%
を超えると,発泡成形体とした時に収縮や変形が起きる
おそれがある。
動パラフィン,ホワイトオイル等の鉱油を,発泡成形体
の柔軟性の調整の目的で添加することができる。鉱油の
含有量は,ゴム変性スチレン樹脂中に3.0重量%以下
とすることが好ましい。3.0重量%を超える場合は発
泡成形体としたときに収縮や変形が起きるおそれがあ
る。なお,更に好ましくは,2.0重量%以下である。
なお,鉱油は必ずしも添加する必要はない。
ク,クレイ,炭酸カルシウム,酸化チタン等の無機充填
剤,またステアリン酸アルミニウム,ステアリン酸亜
鉛,p−t−ブチル安息香酸アルミニウム,エチレンビ
スステアリルアミド等の滑剤,またトリス(ジブロモプ
ロピル)ホスフェート,ペンタブロモジフェニルエーテ
ル,テトラブロモブタン,ジブロモエチルベンゾール,
1,2,5,6,9,10−ヘキサブロモシクロデカン
等の難燃剤,或いは酸化防止剤,帯電防止剤,紫外線吸
収剤,カーボンブラック等が含有されていてもよい。
ジエン重合体の分散粒子は,その平均粒子径が1.5〜
3.0μmとすることが好ましい。1.5μm未満では
発泡成形体の耐衝撃強度が不充分であり,3.0μmを
超える場合には安定的な気泡形成が行われ難く,発泡成
形体が収縮しやすい等の問題が生じる。なお,更に好ま
しくは2.0〜2.8μmである。
可塑性ブロック共重合体の,分散粒子はその平均粒子径
が0.01〜0.5μmであることが好ましい。平均粒
子径が0.01μm未満では成形サイクルの短縮効果が
不充分であり,0.5μmを超える場合には発泡成形体
を製造する際,成形品表面が溶融する等の成形性が著し
く悪化する。なお,更に好ましくは,0.01〜0.1
μmである。
粒子を製造する方法としては,請求項4に記載の発明の
ように,1,4−シス構造の割合が70%以上であるブ
タジエン重合体とスチレン単量体とをグラフト重合する
と共にスチレン単量体を重合させてなるゴム変性スチレ
ン樹脂と,ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなる
熱可塑性ブロック共重合体とを溶融状態で混練し,0.
5〜10mg/個の大きさのゴム変性スチレン系樹脂の
樹脂粒子を作製し,次いで該樹脂粒子を密閉容器内で水
性媒体に分散させた状態で,上記樹脂粒子内に揮発性発
泡剤を含浸させることを特徴とする発泡性ゴム変性スチ
レン系樹脂粒子の製造方法がある。
は,上記ゴム変性スチレン系樹脂と熱可塑性ブロック共
重合体とを溶融混練して作製した上記特定の大きさの樹
脂粒子を,水性媒体中で分散させながら,該樹脂粒子中
に揮発性発泡剤を含浸させることである。上記の製造方
法によれば,上記のごとき優れた発泡性ゴム変性スチレ
ン系樹脂粒子を容易,確実に製造することができる。
ス構造の割合は70%以上である。その理由は上記と同
様である。また,上記ゴム変性スチレン系樹脂は,上記
ブタジエン重合体をスチレン単量体に溶解させてこれら
を反応させることにより得られる。これにより,ブタジ
エン重合体とスチレン単量体とがグラフト重合し,また
スチレン単量体同志も重合反応し,ゴム変性スチレン系
樹脂が得られる。
熱可塑性ブロック共重合体とは,両者を溶融状態で混練
して樹脂粒子とする。この樹脂粒子は,上記混練物を例
えば押出機によって小径に押し出し,水中へ投入して急
冷することにより作製する。このとき樹脂粒子の大きさ
は,1個当り0.5〜10mgの重量とする。0.5m
g未満では,樹脂粒子の生産性が悪化するという問題が
あり,一方10mgを超えると樹脂粒子内部まで発泡剤
が含浸されにくいという問題がある。また,上記大きさ
に切断する方法としては,ストランドカット,水中カッ
ト,ホットカット等の方法がある。
体中には,0.01〜2.0モル/リットルの電解質を
含有していることが好ましい。この場合には,美しく艶
のある発泡成形体を成形することができる。上記,電解
質の濃度が,水性媒体中に0.01モル/リットル未満
の場合には,樹脂粒子間における内部水分減少効果が充
分に得られない。一方2.0モル/リットルを超える
と,それに見合った内部水分減少効果が得られないばか
りではなく,電解質の種類によっては懸濁安定性が著し
く損なわれ塊状化しやすくなる場合がある。
物質であればよく,例えば,塩化リチウム,塩化ナトリ
ウム,塩化マグネシウム,塩化カリウム,塩化カルシウ
ム,塩化アンモニウム,硫酸ナトリウム,硫酸マグネシ
ウム,硫酸カリウム,硫酸カルシウム,硫酸アルミニウ
ム,硫酸アンモニウム,硝酸ナトリウム,硝酸マグネシ
ウム,硝酸カリウム,硝酸カルシウム,硝酸アンモニウ
ム,炭酸ナトリウム,炭酸マグネシウム,炭酸カリウ
ム,炭酸カルシウム,炭酸アンモニウム等の無機塩類,
あるいは酢酸カリウム,酢酸ナトリウム,オクタン酸ナ
トリウム,安息香酸ナトリウム,コハク酸二ナトリウム
等の水に可溶なカルボン酸のアルカリ金属塩等があげら
れる。
属塩は,少量の添加重量で内部水分の減少効果が大き
く,発泡性ゴム変性スチレン系樹脂粒子を容易に得るこ
とができるので好ましく,また特には塩化ナトリウムや
硫酸ナトリウムは上記効果が大きいうえ,工業的に安価
に大量に入手できるので好ましい。
から添加しておいても,揮発性発泡剤含浸途中で添加し
てもよいが,通常は最初から添加する方が操作上好まし
い。また,水性媒体の温度は,ゴム変性スチレン系樹脂
粒子の凝結防止と揮発性発泡剤のゴム変性スチレン系樹
脂への含浸性の点から60〜130℃が好ましい。
水性媒体に分散させる懸濁剤としては,一般に市販され
ているものを利用しても,合成してもよく,例えばポリ
ビニルアルコール,メチルセルロース,ポリビニルピロ
リドン等の水溶性高分子,ピロリン酸マグネシウム,第
3リン酸カルシウム等の難水溶性無機塩等を用いること
ができ,これらは界面活性剤を併用してもよい。なお,
難水溶性無機塩を用いる場合は,ラウリルスルホン酸ナ
トリウム,ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の
アニオン性界面活性剤を併用するのが好ましい。
脂粒子の全重量100重量部に対し,0.01〜5.0
重量部が好ましく,上記した難水溶性無機塩とアニオン
性界面活性剤との併用系では,それぞれゴム変性スチレ
ン系樹脂粒子の全重量100重量部に対し難水溶性無機
塩を0.05〜3.0重量部,アニオン性界面活性剤を
0.0001〜0.5重量部とすることが好ましい。
て発泡成形体を成形するに当たっては,例えば,まずス
チーム等によりゴム変性スチレン系樹脂のガラス転移温
度付近に加熱し所定の倍率まで発泡させて発泡粒とし,
次いで金型内に該発泡粒を充填し,スチーム等の加熱に
より最終的な形状に成形する。
ン重合体とからなるゴム変性スチレン系樹脂と,熱可塑
性ブロック共重合体とを混合し,30mm単軸押出機に
て溶融状態で混練した後,水中カットダイにより1.4
mg/個の球形の樹脂粒子を得た。
イオン水900gと,懸濁剤としてのピロリン酸ナトリ
ウム4.0g及び硫酸マグネシウム8.0g,界面活性
剤としてのアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.
45g,電解質としての硫酸ナトリウム18.0gを,
撹拌機付き3リットルのオートクレーブに入れた。な
お,上記懸濁剤として用いたピロリン酸ナトリウムと硫
酸マグネシウムとは,両者が反応して実際の懸濁効果を
発揮するピロリン酸マグネシウムと,副生物であると共
に電解質として作用する硫酸ナトリウムとを生成する。
ここに,水性媒体中の電解質の濃度は,0.17モル/
リットルである。
昇温し,100℃に到達後,揮発性発泡剤としてのペン
タン54gを添加した。そして,そのまま5時間100
℃に保持した後,30℃まで冷却した。
子をオートクレーブより取り出し,硝酸で表面に付着し
たピロリン酸マグネシウムを溶解させ,水洗後,遠心分
離装置にかけた。次いで,上下に網目が0.1mmの金
網を取り付けた内径10cm高さ25cmの金属製円筒
形容器に発泡性ゴム変性スチレン系樹脂粒子を入れ,毎
分500リットルの流量で20℃の乾燥窒素を,円筒形
容器の下部から10分間吹き込み乾燥させた。
粒子100重量部と,ブロッキング防止剤0.1重量部
及び帯電防止剤0.04重量部とを混合して,これらを
コーティングした。そして,0℃で24時間熟成した。
トルバッチ式発泡機に投入し,圧力が0.1MPaのス
チームを吹き込み加熱発泡させて,20kg/m3 のゴ
ム変性スチレン系樹脂粒子の発泡粒子を得た。こうして
得られた発泡粒子を成形金型内に充填し,スチーム圧力
0.07MPaで20秒間加熱し,次いで冷却後金型か
ら取り出し,発泡成形体を得た。
1,4−シス構造の割合,熱可塑性ブロック共重合体中
のブタジエンの割合,平均粒子径中のブタジエン重合体
の分散粒子の粒子径及び熱可塑性ブロック共重合体の分
散粒子の粒子径(表1中のブタジエン重合μm,ブロッ
ク共重合体μm),スチレン単量体の平均分子量,ゴム
変性スチレン系樹脂中の鉱油含有量,発泡性ゴム変性ス
チレン系樹脂粒子中の揮発性発泡剤の量,発泡性ゴム変
性スチレン系樹脂粒子中の内部水分量について表1に示
した。
ック共重合体中のブタジエン含有量,ブタジエンゴムの
シス割合,Z平均分子量,及び上記のようにして得られ
た発泡性樹脂粒子中の揮発性発泡剤の量,内部水分量,
及び発泡成形体の表面外観,圧縮強度,曲げ強度,柔軟
性,落球衝撃強度を下記の方法で評価した。
重合体の分散粒子,及び熱可塑性ブロック共重合体の分
散粒子の粒径測定)透過型電子顕微鏡観察写真におい
て,分散粒子100〜200個の粒子径を測定し,次式
により計算した。 平均粒径=ΣNiD2 /ΣNiD ここでNiはゴム粒子の個数,Dはゴム粒径である。
シス割合の決定)ゴム変性スチレン系樹脂を重水素化ク
ロロホルムに溶解させ10重量%の濃度に調整し,テト
ラメチルシランを内部標準(80.0ppm)に用い
て,67.8MHzで13C−NMRスペクトルを測定し
ブタジエン含有量及びブタジエンゴムのシス割合を決定
した。
ゴム変性スチレン系樹脂を0.25重量%のTHF溶液
に調整し,不溶分をろ過により除去し,ゲルパーミエイ
ションクロマトグラフィーを用いて測定した。
揮発性発泡剤量の測定)秤量した発泡性ゴム変性スチレ
ン系樹脂粒子のサンプルを120℃で4時間加熱した後
再び秤量し,加熱前後による減少重量に対する加熱前の
サンプル重量の割合を揮発分量とした。
内部水分量)カールフィッシャー法にて水分量を測定し
た。
樹脂粒子から上記のごとくして製造した発泡成形体の物
性,発泡成形体の成形時の冷却時間について,表2に示
した。また,その物性の評価,測定は次のように行なっ
た。
により,下記基準にて評価した。 ○;収縮,メルト,間隙がほとんどない。 △;収縮,メルト,間隙が見られる。 ×;著しい収縮,メルト,間隙が見られる。 上記のメルトとは,発泡成形体の表面が加熱過多等によ
り溶融してしまった状態をいう。
準拠して,5%圧縮強度を求めた。
して,曲げ強度を求めた。
縦200mm,横40mm,厚さ25mmに切断して試
験片とし,重さ255gの鋼球を落下させてJIS K
7211に準拠して,50%破壊高さ(cm)を求め
た。これにより,耐衝撃強度を評価した。
mm,横30mm,厚さ20mmに切断して試験片と
し,軸径が100mmから10mmまでの円筒軸を用
い,円筒軸の円周上面に試験片の中央部を当て,等速
度,約5秒間で円筒軸に沿って両側から180゜折り曲
げる。軸径が100mmの円筒軸で試験を開始し,試験
片が割れるまで軸径を小さくしていき,割れたときの1
つ前の軸径の値を記録し,試験片10個の平均値(m
m)から柔軟性を評価した。従って,値が小さいほど柔
軟性に優れる。
面圧計を取り付け,金型に発泡粒子を充填し,スチーム
により加熱後(スチーム圧力0.07MPa,加熱時間
20秒),5秒間水冷後,真空放冷開始から面圧が0.
02MPa以下になるまでの時間を冷却時間とした。
熱可塑性ブロック共重合体を用いる他は,実施例1と同
様に行った。以上の各実施例および各比較例の結果を表
2,表4に示す。
本発明の条件を満たしているすべての実施例は,落球衝
撃強度(耐衝撃性),柔軟性を損なうことなく,発泡成
形体製造時の冷却時間を短縮できることが分かる。そし
て,ブタジエン重合体が添加されていない場合(比較例
C1)や熱可塑性ブロック共重合体の添加量が少ない場
合(比較例C2)は,冷却時間が長く,生産性が悪いこ
とが分かる。
が多い場合(比較例C3)や,スチレン樹脂への分散性
の悪い熱可塑性ブロック共重合体(熱可塑性ブロック共
重合体中のブタジエン重合体の割合が低い)を添加して
用いた場合(比較例C4)では,成形品外観が悪く,耐
衝撃性(50%破壊高さ)に劣る発泡成形体しか得られ
ないことが分かる。また,鉱油含有量が4重量%のゴム
変性スチレン系樹脂を用いた場合(比較例C5)では,
発泡成形体とした時に著しい収縮を生じ成形性が悪いこ
とが分かる。
泡性ゴム変性スチレン系樹脂粒子の透過型電子顕微鏡写
真を図1,図2に示した。両図より,2〜3μmのブタ
ジエン重合体のサラミ状分散粒子がスチレン系樹脂連続
相中に分散していることが分かる。更に図1では,約
0.05μmの熱可塑性ブロック共重合体の分散粒子が
分散していることが分かる。
クルが短く,耐衝撃性,柔軟性に優れた発泡成形体を得
ることができる発泡性ゴム変性スチレン系樹脂粒子及び
その製造方法を提供することができる。
の透過型電子顕微鏡観察による図面代用写真(倍率2
0,000倍)。
の透過型電子顕微鏡観察による図面代用写真(倍率2
0,000倍)。
Claims (5)
- 【請求項1】 スチレン系樹脂100重量部と,1,4
−シス構造の割合が70%以上のブタジエン重合体5〜
20重量部と,ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンから
なる熱可塑性ブロック共重合体0.05〜5.0重量部
とからなり,上記スチレン系樹脂の連続相中に上記ブタ
ジエン重合体の分散粒子と上記熱可塑性ブロック共重合
体の分散粒子が粒子状に分散しているゴム変性スチレン
系樹脂であって,かつ沸点が80℃以下の揮発性発泡剤
を1〜15重量%含有していることを特徴とする発泡性
ゴム変性スチレン系樹脂粒子。 - 【請求項2】 請求項1において,上記ブタジエン重合
体の分散粒子は,その平均粒子径が1.5〜3.0μm
であることを特徴とする発泡性ゴム変性スチレン系樹脂
粒子。 - 【請求項3】 請求項1又は2において,上記熱可塑性
ブロック共重合体の分散粒子は,その平均粒子径が0.
01〜0.5μmであることを特徴とする発泡性ゴム変
性スチレン系樹脂粒子。 - 【請求項4】 1,4−シス構造の割合が70%以上で
あるブタジエン重合体とスチレン単量体とをグラフト重
合すると共にスチレン単量体を重合させてなるゴム変性
スチレン樹脂と,ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンか
らなる熱可塑性ブロック共重合体とを溶融状態で混練
し,0.5〜10mg/個の大きさのゴム変性スチレン
系樹脂の樹脂粒子を作製し,次いで該樹脂粒子を密閉容
器内で水性媒体に分散させた状態で,上記樹脂粒子内に
揮発性発泡剤を含浸させることを特徴とする発泡性ゴム
変性スチレン系樹脂粒子の製造方法。 - 【請求項5】 請求項4において,上記水性媒体中に
は,0.01〜2.0モル/リットルの電解質を含有し
ていることを特徴とする発泡性ゴム変性スチレン系樹脂
粒子の製造方法。
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JP19519397A JP3647611B2 (ja) | 1997-07-04 | 1997-07-04 | 発泡性ゴム変性スチレン系樹脂粒子 |
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JP19519397A JP3647611B2 (ja) | 1997-07-04 | 1997-07-04 | 発泡性ゴム変性スチレン系樹脂粒子 |
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JP2010077309A (ja) * | 2008-09-26 | 2010-04-08 | Sekisui Plastics Co Ltd | 発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法 |
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1997
- 1997-07-04 JP JP19519397A patent/JP3647611B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2010077309A (ja) * | 2008-09-26 | 2010-04-08 | Sekisui Plastics Co Ltd | 発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法 |
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JP3647611B2 (ja) | 2005-05-18 |
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