JPH11206576A - 上引き式ロースター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 周囲環境に影響されて、排ガスが真っ直ぐ上
方に立ち昇らず、吸引空気量が増大する。 【解決手段】 供給流路の上部を閉塞するトップリング
に略上向きの噴出孔17、17a …を貫設すると共に、供給
流路に空気供給部を連通し、又調理部の上方に集煙フー
ド36を有した吸引作用される集煙筒を設けると共に、噴
出孔17、17a …の指向方向を集煙フード36より外側と成
すことによって、噴出孔17、17a …からの噴出空気Ｍに
よるエアカーテンで、周囲の空気流と排ガスＷの上昇流
を遮断して、排ガスＷを集煙フード36に向かって真っ直
ぐ上昇させると共に、エアカーテンを形成する噴出空気
Ｍを集煙フード36で吸引せず、排ガスＷだけに極力限定
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ロースターでの加
熱調理時に発生する排ガス（焼煙、油粒子、ミスト等を
含む燃焼ガス等）を吸引する上引き式ロースターに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、ロースターの排ガス吸引方式とし
ては、調理部から発生した排ガスをテーブル内に吸引し
た後、浄化するか、室外排気したり、或いは実公昭５９
ー１１２９９号公報の集煙筒付加熱器の様に、調理部の
上方で排ガスを吸引するものが知られている。

【０００３】かかる集煙筒付加熱器は、過熱器本体に設
けられた発熱体と、該発熱体の上部に載置された調理板
と、該調理板の上側に位置して吸煙口を有する水平筒部
と下部に排煙口を有する垂直筒部とから逆Ｌ字形に形成
されてなる集煙筒と、該筒の吸煙口部に着脱自在に取付
けられた煙浄化フィルタと、前記調理煙を前記集煙筒に
吸込むために該集煙筒内に設けられた吸込ファンとを具
えていた。従って、過熱器本体の調理板と集煙筒の吸煙
口は上下方向で離隔しているために、空調機器その他に
よる室内空気の流れにより、調理板から発生し、上昇し
た調理煙が揺らいで、吸煙口に吸引出来ない欠点を有し
ていた。又、上昇した調理煙の吸引に際して、調理煙だ
けの吸引は不可能で、大量の室内空気も同様に吸引する
ため、集煙筒の口径の大径化、大型化が必要となった
り、空調負担を増大する欠点を有していた。

【０００４】又、排ガスを上方で吸引する上記以外のも
のとして、特開平６ー３４７０４７号公報に見られる様
に、テーブルに調理物を加熱調理する調理部が設けら
れ、該調理部の上方に調理物から発生する煙を浄化する
煙浄化装置が配され、該煙浄化装置は、室内の上部から
垂下された煙浄化装置本体と、前記煙を吸引する吸引部
と、吸引された煙を浄化する浄化部とを備え、前記煙浄
化装置本体の下部に吸気口が形成され、前記煙浄化装置
本体の上部に浄化後の空気を排出する排気口が形成され
たものにおいて、調理部の周りに空気吹出口が形成さ
れ、該空気吹出口から空気を上方に吹き出す吹出部が設
けられた煙の浄化システムが知られている。

【０００５】かかる煙の浄化システムでは、次の様な作
用を有していた。「調理部上の調理物を加熱調理する
と、調理物から煙が発生する。このとき、吹出部により
空気吹出口から空気が上方に吹き出されて、煙浄化装置
に至る調理部の直上の空間を囲むエアカーテンが形成さ
れる。発生した煙は、エアカーテンに囲まれた空間を上
昇して、エアカーテンにより拡散が規制されながら煙浄
化装置の吸気口まで達し、吸引部の吸引力により吸気口
から煙浄化装置本体内に吸引される。浄化部を通過して
浄化された空気は、排気口から室内の上方に排出され
る。」従って、上昇する煙の揺らぎをエアカーテンで防
止出来るとしても、真上方向に吹き出されエアカーテン
を形成する空気も、煙と同時に吸気口に導くフードを介
して、煙浄化装置本体内に吸引されるために、煙浄化装
置で処理を必要とする空気量が格段に大量となる欠点を
有していた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上昇する排
ガスを効率的に吸引する様にした上引き式ロースターを
提供する。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記従来技術
に基づく、周囲環境に影響されて、排ガスが真っ直ぐ上
方に立ち昇らず、吸引空気量が増大する課題に鑑み、供
給流路の上部を閉塞するトップリングに略上向きの噴出
孔を貫設すると共に、供給流路に空気供給部を連通し、
又調理部の上方に集煙フードを有した吸引作用される集
煙筒を設けると共に、噴出孔の指向方向を集煙フードよ
り外側と成すことによって、噴出孔からの噴出空気によ
るエアカーテンで、周囲の空気流と排ガスの上昇流を遮
断して、排ガスを集煙フードに向かって真っ直ぐ上昇さ
せると共に、エアカーテンを形成する噴出空気を集煙フ
ードで吸引せず、排ガスだけに極力限定する様にして、
上記課題を解決する。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて説明する。図１、２、３、４に示す様に、ロー
スター１と排ガスＷの吸引装置２は一体化され、キャビ
ネット３で支持されたテーブル４の略中央位置に調理部
５を開口している。そして、調理部５の周囲におけるテ
ーブル４に、下部が空気供給部６に連通された外箱７を
嵌合支持し、該外箱７の内部に、所定間隔の供給流路８
を外箱７との間に有する様にして、内箱９を取付けてい
る。

【０００９】上記外箱７と内箱９は共に円形状であり、
外箱７の外周上部をフランジを介してテーブル４に固定
している。又、外箱７と内箱９の一側に貫通させた対向
一対の連結筒を連結することにより、外箱７の外側と内
箱９の内側に連結開口した連結部11を形成している。
又、内箱９の上方部を外側に屈曲して形成した鍔状の平
坦部を、セラミック炭12、12a …を支承する壺体13の載
置部14と成している。

【００１０】15は環状のトップリングであり、該トップ
リング15は外箱７と内箱９間の供給流路８の上方開口部
を被冠閉塞する天板部16と、内箱９の載置部14及び外箱
７の上方に位置させた内外壁を一体形成している。そし
て、トップリング15の天板部16に、上方が拡開方向とな
る様に、傾斜させた噴出孔17、17a …を貫設している。

【００１１】又、内箱９の内底部に、水が貯留されるド
レンパン18を載置すると共に、該ドレンパン18の底部か
らバーナー受け19を立設している。そして、バーナー受
け19上にリング状のバーナー20を載置すると共に、該バ
ーナー20の基端導入部21を連結部11内に挿通し、外箱７
外側のガス供給部、点火装置22等に連結している。尚、
図中、テーブル４の右端下面に点火装置22のコントロー
ル装置23を設けている。

【００１２】上記壺体13は、下方縮径の漏斗部の上下方
に載置部を夫々設けて、下方の載置部に設けた金網24上
に天然炭を模したセラミック炭12、12a …を載置すると
共に、上方の載置部上に、加熱調理用の金網25、ロスト
ル及び五徳のいずれかを選択載置する様に成している。

【００１３】又、トップリング15の内壁下端を壺体13の
上方の載置部の外側に配置することにより、トップリン
グ15を外さずに壺体13、セラミック炭12、12a …、金網
24、25等を交換する様に成している。尚、燃焼部（内箱
９、セラミック炭12、12a …、ドレンパン18など）、調
理部５の金網25、トップリング15その他のロースター部
分は、上述の第１実施例及び後述する第２実施例のタイ
プ以外のものであっても、勿論、本発明を適用可能であ
る。

【００１４】又、キャビネット３内に設けた空気供給部
６に供給ファン26を設けると共に、空気供給部６と外箱
７内の供給流路８を連通させ、適宜開口を有するキャビ
ネット３を通過した室内空気を、供給ファン26の作用で
空気供給部６、供給流路８、トップリング15の噴出孔1
7、17a …を介して、調理部５の外周で斜め上方拡開方
向に噴出する様に成している。

【００１５】又、テーブル４の一側に排気筒30を立設す
ると共に、該排気筒30の下端を、床ＦＬ下に埋設した吸
引作用される排気ダクト31に連通させている。又、排気
筒30の上端に集煙筒32の鉛直筒部33を立設すると共に、
該鉛直筒部33の上端に水平筒部34を連結し、該水平筒部
34の先端に下向きに設けた吸煙筒部35に、逆椀形状で末
広がりの集煙フード36を取付けている。

【００１６】又、図４に示す様に、集煙フード36内に浄
化装置40を取付けている。集煙筒32の吸煙筒部35に集煙
フード36を取付けるに際し、吸煙筒部35を集煙フード36
の頂部を貫通して下方突出状態と成し、又集煙フード36
の下面側で、吸煙筒部35と集煙フード36の外周縁の中間
部に複数の整流フィン41、41a …を垂下させている。
又、吸煙筒部35の下方部を中心として集煙フード36の下
方部に、吸煙筒部35との間に上下の流路間隙42を有する
様に、洗浄液体Ｓ又は固体状の捕集物質の受皿となる下
面板43を設けると共に、該下面板43の外周を、集煙フー
ド36との間に基本的に上下の流路間隙44を有する様に、
整流フィン41、41a …を介して集煙フード36の下面に取
付けている。上記洗浄液体Ｓは不燃性、難燃性の水、グ
リセリン水溶液などの液体と成し、中央が下方傾斜した
受皿（下面板43）に洗浄液体Ｓを貯溜している。又、整
流フィン41、41a …は円弧状のものと成すと共に、整流
フィン41、41a…の内周端側を吸煙筒部35の外側に指向
する様に全体的に傾斜配置している。

【００１７】次に、かかる浄化装置40による作用を説明
する。集煙筒32の吸煙筒部35に付与された吸引作用によ
り、分離室Ｒ内の排ガスＷは下面板43の下面に沿って外
側に流れると共に、集煙フード36の下面に沿って内側に
吸引され、集煙フード36と下面板43間の流路間隙44から
吸煙筒部35の方向へ吸引される。そして、流路間隙44か
ら吸引された排ガスＷは、整流フィン41、41a …で回転
流となり、上方寄りの排ガスＷ（集煙フード36の下面に
近い空気）は集煙フード36に沿って、中央に向かって若
干上昇しつつ回転し、次に吸煙筒部35に向かう様に下方
への螺旋流となり、最後に吸煙筒部35の下端近傍で、下
降流及び上昇流を描いてＵターン状に吸引される。又、
下方寄りの排ガスＷ（下面板43に近い空気）は、整流フ
ィン41、41a …に沿って回転しつつも、短絡的に吸煙筒
部35に吸引される傾向があるが、上方寄りの螺旋流の影
響を受けて、水平方向に短絡せず、吸煙筒部35の下端付
近で下降流及び上昇流を描いたり、最下方寄りの排ガス
Ｗは流路間隙44からの流入時に下面板43及び洗浄液体Ｓ
の上面に沿って、若干下向きの略水平方向に流れた後、
上昇流となって吸煙筒部35に吸引される。

【００１８】即ち、集煙フード36と下面板43間の流路間
隙44から吸引された排ガスＷは、吸煙筒部35の手前で一
旦下降流となるか、洗浄液体Ｓへの衝突流を有し、これ
らの段階で排ガスＷに含有されたミスト等は慣性力を有
しているため、排ガス流から分離して、洗浄液体Ｓに捕
集される。尚、下面板43と吸煙筒部35間の流路間隙42、
下面板43と集煙フード36間の流路間隙44の設置位置を図
示の様に成して、洗浄液体Ｓでミスト等を捕集する様に
成したが、適宜変更可能である。例えば、吸煙筒部35を
流路間隙44より低くすれば、下降流はより大きく発生
し、ミスト等の捕集も効率的となる一方、洗浄液体Ｓの
貯溜量を減少させるか、下面板43を深皿状と成す必要が
発生する。又、洗浄液体Ｓの交換、補充のための供給排
出装置を別途設けても良い。

【００１９】又、集煙筒32を連結するテーブル４の下面
側の排気筒30に、所定数の吸気孔50、50a …を貫設する
と共に、排気筒30に円筒状の風量調節リング51を回転自
在に嵌装し、該風量調節リング51に、排気筒30の吸気孔
50、50a …に対応する吸気孔52、52a …を貫設してい
る。

【００２０】次に、焼肉等の調理時に発生する排ガスＷ
の上昇状態を説明する。図５に示す様に、ロースター１
の調理部５から発生した排ガスＷは、室内空気に比して
高温であるため上昇するが、その上昇状態は一様でない
ことが確認された。例えば、室内に若干でも空気流があ
った場合には、上昇する排ガスＷが揺らぎ、又上昇に伴
って基本的に拡散が発生するが、調理部５から上方へ３
０ｃｍ位の高さにおいては、室内空気に比して高温であ
る排ガスＷは、上昇速度が速くて、拡散に抗して一時的
に集束する傾向があった（図中、集束・一次拡散域）。
そして、調理部５から３０〜５０ｃｍ位の高さにおい
て、集束と拡散が平衝して排ガスＷの上昇面積が略同一
となる凝集・拡散平衝域が存在した。又、調理部５から
５０ｃｍ位以上の高さにおいて、拡散範囲が大きくなる
上方拡開状の二次拡散域があった。

【００２１】そして、本願の集煙フード36は、二次拡散
域に配置しており、又ロースター１側に傾斜配置された
噴出孔17、17a …の先端指向位置を、集煙フード36の外
周端より外側と成し、噴出孔17、17a …からの噴出空気
Ｍは集煙フード36に指向せず、吸引されない様に成して
いる。即ち、上述の拡散現象により、集煙フード36の外
周端は噴出孔17、17a …の鉛直線上より若干外側と成し
て排ガスＷの吸引を可能と成し、且つ、噴出孔17、17a
…の傾斜角度は集煙フード36の外周端とトップリング15
の内周縁（又は噴出孔17、17a …）を結んだ基準線Ｘ
（図中、一点鎖線で表示）より大きな角度で傾斜させれ
ば良い。

【００２２】次に本発明に係る上引き式ロースターの作
用について説明する。調理部５から立ち昇る排ガスＷに
対して、その周囲で噴出孔17、17a …からの噴出空気Ｍ
による空気流でエアカーテンを形成することにより、室
内空気に流れがあっても、両者を遮断して、排ガスＷを
真っ直ぐ上方に立ち昇らせる。そして、若干拡散した排
ガスＷを集煙フード36で誘導して吸引し、集煙筒32、排
気ダクト31等を経由して排気する。かかる吸引、排気時
に浄化装置40で排ガスＷを浄化したり、風量調節リング
51による室内空気の吸引で低温化を行う。

【００２３】尚、上述の実施例では、ロースター１の調
理部５で発生した排ガスＷを吸引した後、床ＦＬ下の排
気ダクト31から排気する様に成したが、排気ダクト31を
天井に設けて、排ガスＷを吸引した後、天井に設けた排
気ダクト31から排気しても良く、更には、浄化して室内
へ戻す様にしても良い。又、集煙筒32の集煙フード36の
近傍に浄化装置40を設けたが、かかる浄化装置40の設置
は必ずしも必要でなく、又その形式は何ら限定されず、
更に、浄化装置40の設置位置は集煙フード36近傍以外で
も勿論良く、且つ、２種類以上のものを設置しても良
く、その一例としては、テーブル４下面の排気ダクト31
に設置する。

【００２４】次に、図６以降に示す第２実施例のものに
ついて説明する。基本的な構成は第１実施例のものと同
一であり、大きく相違する点は、噴出孔17、17a …を貫
設するトップリング15の形状である。

【００２５】即ち、図６〜１０に示す様に、テーブル４
の外箱７等に載置され、空気供給部６に連通された供給
流路８を閉塞すると共に、噴出孔17、17a …を貫設する
トップリング15において、第１実施例のものでは、トッ
プリング15とテーブル４を略同一高さと成したが、第２
実施例のものでは、トップリング15の頂端をテーブル４
より高く形成している。

【００２６】そして、図６に示す様に、テーブル４とト
ップリング15の頂端の間隔Ｈ２を５０〜２００ｍｍ程度
に設定し、テーブル４と集煙フード36の下端の間隔Ｈ１
を４００〜６５０ｍｍ程度に設定している。上記の好ま
しい数値において、テーブル４よりトップリング15を高
くすることにより、且つ、トップリング15内に金網25
（焼き面）を配置する（図７参照）ことにより、煙発生
個所及び拡散開始位置を上昇させ、集煙フード36と焼き
面の距離を短くして排ガスＷの拡散を抑制している。

【００２７】又、トップリング15の突出量である間隔Ｈ
２を好ましくは５０ｍｍとした理由は、これより低い、
と上述の作用が得られず、又２００ｍｍ以上とすると、
調理操作、焼き具合の確認等に支障が生じる。又、集煙
フード36の高さである間隔Ｈ１に関しては、焼き肉は複
数人数で会食が行われることに配慮したものである。そ
して、間隔Ｈ１を好ましくは４００ｍｍ以上と成した理
由は、これより低いと、会食相手の表情が見にくくな
り、又６５０ｍｍ以上すると、排ガスＷの拡散が増大
し、排ガスＷの吸引に支障が生じる。

【００２８】そして、図６等に示すトップリング15の形
状にあっては、平面視リング状で、上端閉塞、下面開口
で断面が逆Ｕ字状であり、外箱７及び内箱９の上端に対
する開口載置部60、外側への噴出孔17、17a …を形成し
た天板部16、及び中空部61を有する上方突出部62で形成
し、トップリング15の上方突出部62の内部に金網25又は
ロストル等を載置する突片63を設けている。

【００２９】そして、天板部16に設けた噴出孔17、17a
…は、図８に示す様に、天板部16の板部に噴出孔17、17
a …を単に貫設しても良いが、図９、１０に示す様に、
天板部16の外方側又は内方側に、噴出孔17、17a …に面
した略同一形状の筒状の噴出ガイド64を設けても良い。

【００３０】又、上方突出部62の下方には中空部61を閉
塞する閉鎖板65を設けても良く、或いは上方突出部62の
内部に噴出孔66を設け、上方突出部62における中空部61
の断熱化、冷却化を図っても良い。又、中空部61内に断
熱材を収納したり、中空部61を無くして上方突出部62を
板材と成しても良い。

【００３１】又、図７に示す様に、バーナー20のバーナ
ー受け19の上部に支持柱67、67a を設けて、バーナー20
の上方に赤熱板68を設け、その上方に、上述の金網25又
はロストルを設けても良い。尚、図７において、符号69
は防火フィルターである。

【００３２】最後に、噴出孔17、17a …の指向方向を集
煙フード36の外端縁より外側と成したことによる作用の
補足説明を行う。即ち、噴出孔17、17a …と集煙フード
36の間隔、大きさ、噴出空気Ｍの強さによっては、噴出
孔17、17a …からの噴出空気Ｍは、排ガスＷを引き込む
恐れがあり、噴出空気Ｍの先端内方部が集煙フード36の
外端縁より外側の場合には、排ガスＷを外部に放出する
恐れがある（例えば、図４の場合、図７のＭの表示）。

【００３３】又、噴出空気Ｍは、先端側ほど、拡大する
傾向がある（図８、９、１０参照）。そこで、噴出空気
Ｍの先端内方部が集煙フード36の外端縁より若干内側と
成る様に、噴出孔17、17a …の指向方向、中心指向方向
を設定しても良い。その一例としては、図７、９のＭ１
で表示する様に、噴出孔17、17a …の中心指向方向を集
煙フード36の外端縁より外側に設定したり、図７、１０
のＭ２で表示する様に、噴出される噴出空気Ｍが拡大し
て集煙フード36の外端縁より内側と成る様に噴出孔17、
17a …を設定している。

【００３４】尚、これらの場合において、排ガスＷの一
部を噴出空気Ｍが引き込んでも、噴出空気Ｍの上昇速度
が早いため、排ガスＷは噴出空気Ｍ内に混流することが
なく、表層部だけに引き込まれて、集煙フード36へ到達
する。

【００３５】次に、図１１、１２に示す第３実施例のも
のについて説明する。第１、２実施例のものに比して、
第３実施例のものでは、集煙フード36と浄化装置40の配
置関係が相違すると共に、浄化装置40の内部構成（流路
方向）が相違する。即ち、排ガスＷの吸引装置２におけ
る水平筒部34の先端に浄化装置40を取付け、該浄化装置
40の下面板43の下端中央に排ガスＷを吸引する円形状の
流路間隙44を設けている。そして、流路間隙44の下方に
逆椀形状の集煙フード36を取付け、噴出孔17、17a …か
らの噴出空気Ｍの到達位置を、上述の実施例と同一、即
ち、集煙フード36に一部がかかったり、集煙フード36の
外側に流れる様にしている。尚、集煙フード36に比して
浄化装置40の下面板43は大きいために、噴出空気Ｍの全
体又は外層流部は下面板43にかかる。又、浄化装置40に
おいて、逆椀形状の上面板70及び下面板43で形成される
分離室Ｒの中央で、流路間隙44の上部に気流制御板71を
設けると共に、気流制御板71と下面板43の間に整流フィ
ン41、41a …を立設し、流路間隙44から流入した排ガス
Ｗは整流フィン41、41a …間を抜けて水平筒部34から吸
引される。即ち、これらを通過する時に、流路間隙44か
ら流入した排ガスＷは、上昇流、水平流、螺旋流、上昇
流の様に、順次、複雑な流路を描き、油煙の分離作用を
行う。

【００３６】

【発明の効果】要するに本発明は、テーブル４に開口し
た調理部５に外箱７を取付け、該外箱７の内側に、外箱
７との間に供給流路８を有する様に内箱９を取付け、供
給流路８の上部を閉塞するトップリング15に略上向きの
噴出孔17、17a …を貫設すると共に、供給流路８に空気
供給部６を連通したので、排ガスＷと室内空気をエアカ
ーテンで遮断することにより、排ガスＷを真っ直ぐ上方
に立ち昇らせ、排ガスＷだけを吸引することが出来、従
って、室内空気の吸引を低減して効率化を図ることが出
来、又調理部５の上方に集煙フード36を有した吸引作用
される集煙筒32を設けると共に、噴出孔17、17a …の指
向方向を集煙フード36の外端縁より外側と成したので、
エアカーテンの噴出空気Ｍを集煙フード36に沿って吸引
しないため、集煙筒32等の小径化、小型化を図ることが
出来たり、空調負担を低減することが出来る。

【００３７】又、噴出孔17、17a …の中心指向方向を集
煙フード36の外端縁より外側と成し、噴出孔17、17a …
からの噴出空気Ｍの先端内方部を集煙フード36の外端縁
より内側と成したので、排ガスＷが噴出空気Ｍに引き込
まれても、噴出空気Ｍの内層側は集煙フード36に到達
し、排ガスＷを外部に引き出すことを防止することが出
来る。

【００３８】又、トップリング15は平面視リング状、且
つ、断面逆Ｕ字状で、トップリング15の頂端をテーブル
４より高く設定し、空気供給部６に連通する開口載置部
60、該開口載置部60の上部に設けた上方突出部62、及び
開口載置部60に連通し上方突出部62の下部外側に設けた
天板部16で構成し、天板部16に噴出孔17、17a …を形成
したので、煙発生部をテーブル４より上方と成して、集
煙フード36の位置を低く設定しなくても、煙発生部と集
煙フード36の距離を短くして排ガスＷの吸引を容易にす
ることが出来る。

【００３９】又、上方突出部62は内部を中空部と成した
ので、トップリング15の加熱を防止して飲食客の火傷を
防止することが出来る。

【００４０】又、集煙筒32に接続する排気筒30をテーブ
ル４の一側に立設すると共に、排気筒30を床ＦＬ下に設
けた排気ダクト31に連結したので、ロースター１の調理
部５と吸引装置２の集煙フード36の対向位置のセッティ
ングを容易に行うことが出来る等その実用的効果甚だ大
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る上引き式ロースターの断面図であ
る。

【図２】図１の平面図である。

【図３】図１の側面図である。

【図４】浄化装置を示すと共に、排ガスの吸引状態を示
す図である。

【図５】ロースターから立ち上がる焼煙の上昇状態を説
明する図である。

【図６】第２実施例の上引き式ロースターの側面図であ
る。

【図７】図６の縦断面図である。

【図８】噴出孔の形成状態を示す拡大断面図である。

【図９】噴出孔の他の形状を示す拡大断面図である。

【図１０】噴出孔の他の形状を示す拡大断面図である。

【図１１】集煙フードの他の形状を示す拡大縦断面図で
ある。

【図１２】図１１の水平断面図である。

【符号の説明】

４ テーブル ５ 調理部 ６ 空気供給部 ７ 外箱 ８ 供給流路 ９ 内箱 15 トップリング 16 天板部 17、17a … 噴出孔 30 排気筒 31 排気ダクト 32 集煙筒 36 集煙フード 60 開口載置部 62 上方突出部 ＦＬ 床 Ｍ 噴出空気

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 テーブルに開口した調理部に外箱を取付
   け、該外箱の内側に、外箱との間に供給流路を有する様
   に内箱を取付け、供給流路の上部を閉塞するトップリン
   グに略上向きの噴出孔を貫設すると共に、供給流路に空
   気供給部を連通し、又調理部の上方に集煙フードを有し
   た吸引作用される集煙筒を設けると共に、噴出孔の指向
   方向を集煙フードの外端縁より外側と成したことを特徴
   とする上引き式ロースター。
2. 【請求項２】 噴出孔の中心指向方向を集煙フードの外
   端縁より外側と成したことを特徴とする請求項１の上引
   き式ロースター。
3. 【請求項３】 噴出孔からの噴出空気の先端内方部を集
   煙フードの外端縁より内側と成したことを特徴とする請
   求項１の上引き式ロースター。
4. 【請求項４】 トップリングは平面視リング状、且つ、
   断面逆Ｕ字状で、トップリングの頂端をテーブルより高
   く設定し、空気供給部に連通する開口載置部、該開口載
   置部の上部に設けた上方突出部、及び開口載置部に連通
   し上方突出部の下部外側に設けた天板部で構成し、天板
   部に噴出孔を形成したことを特徴とする請求項１、２又
   は３の上引き式ロースター。
5. 【請求項５】 上方突出部は内部を中空部と成したこと
   を特徴とする請求項４の上引き式ロースター。
6. 【請求項６】 集煙筒に接続する排気筒をテーブルの一
   側に立設すると共に、排気筒を床下に設けた排気ダクト
   に連結したことを特徴とする請求項１の上引き式ロース
   ター。