JPH11198636A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JPH11198636A
JPH11198636A JP488898A JP488898A JPH11198636A JP H11198636 A JPH11198636 A JP H11198636A JP 488898 A JP488898 A JP 488898A JP 488898 A JP488898 A JP 488898A JP H11198636 A JPH11198636 A JP H11198636A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車室内の複数のゾーンを独立に温度制御可能
な車両用空調装置における構成の簡素化を図る。 【解決手段】 空調ケース21内の複数の空気通路2
5、26のうち、一方の温度設定器により設定された低
い方の目標温度に対応する空気通路では、エアミックス
ドア31、32の操作位置により吹出空気温度を決定す
る。他方の温度設定器により設定された高い方の目標温
度に対応する空気通路では、この空気通路に位置する電
気発熱体91〜94に通電することにより、暖房用熱交
換器23と電気発熱体91〜94の両方の空気加熱量に
より吹出空気温度を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車室内の複数のゾ
ーン(例えば、運転席側のゾーンと助手席側のゾーン)
を独立に温度制御可能な車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、車室内の快適性向上のために、車
室内の所定区域を独立に温度制御可能なゾーン空調への
ニーズが高まっている。この種のゾーン空調の実現のた
めに、空調装置の通風路を複数に仕切り、この複数の通
風路にそれぞれ独立に操作可能な温度制御手段(例え
ば、エアミックスドア)を設置し、この温度制御手段の
操作位置を複数のゾーンの目標温度に対応して独立に制
御することにより、複数のゾーンを独立に温度制御して
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、従来装置で
は、必然的に、エアミックスドア等の温度制御手段を操
作するリンクやサーボモータ等の操作機構が複数必要と
なり、製品コストの上昇、製品体格の大型化を招くとい
う不具合がある。本発明は上記点に鑑みてなされたもの
で、車室内の複数のゾーンを独立に温度制御可能な車両
用空調装置における構成の簡素化を図ることを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】近年、車両エンジンの高
効率化に伴い、エンジン暖機後においても車両エンジン
の温水(冷却水)温度が従前に比して低めの温度となる
傾向にある。そのため、エンジン冷却水からの廃熱を利
用して車室内の暖房を行う温水式空調装置において、暖
房能力不足解消のために、温水式の暖房用熱交換器に電
気発熱体を一体化し、温水温度が低いときには電気発熱
体に通電して、電気発熱体の発熱により暖房空気を加熱
することが特開平5−69732号公報等で提案されて
いる。
【0005】本発明では、上記電気発熱体による空気加
熱作用に注目し、上記電気発熱体を複数ゾーンの独立温
度制御のために有効活用することにより、車両用空調装
置の構成の簡素化を実現しようとするものである。すな
わち,上記目的を達成するため、請求項1記載の発明で
は、空調ケース(21)内の複数の空気通路(25、2
6)に送風される空気を温水等を熱源とする暖房用熱交
換器(23)により加熱するとともに、複数の空気通路
(25、26)にそれぞれ電気発熱体(91〜94)を
設置して、この電気発熱体(91〜94)によっても送
風空気を加熱するようにし、暖房用熱交換器(23)に
よる空気加熱量を調整する温度制御手段(31、32)
を備え、この温度制御手段(31、32)により、複数
の吹出開口部(500、600)からの吹出空気温度を
制御するようにし、さらに、複数の吹出開口部(50
0、600)から空気が吹き出す車室内の複数のゾーン
の目標温度を設定する複数の温度設定器(386、38
7)を備え、複数の空気通路(25、26)のうち、一
方の温度設定器(386、387)により設定された低
い方の目標温度に対応する空気通路では、温度制御手段
(31、32)の操作位置により吹出空気温度を決定
し、他方の温度設定器(386、387)により設定さ
れた高い方の目標温度に対応する空気通路では、この空
気通路に位置する電気発熱体(91〜94)に通電する
ことにより、暖房用熱交換器(23)と電気発熱体(9
1〜94)の両方の空気加熱量により吹出空気温度を決
定するようにしたことを特徴としている。
【0006】これによると、複数の空気通路(25、2
6)からの吹出空気温度を電気発熱体(91〜94)の
通電有無により独立に制御することができる。そのた
め、温度制御手段(31、32)の操作位置を複数の空
気通路(25、26)ごとに独立に制御する必要がな
く、温度制御手段(31、32)の操作機構を1つのみ
設けるだけでよい。よって、複数のゾーンを独立に温度
制御可能な車両用空調装置の構成簡素化を達成でき、装
置体格の小型化、コスト低減を図ることができる。
【0007】本発明は、具体的には、請求項2記載のよ
うに、複数の電気発熱体(91〜94)の通電および温
度制御手段(31、32)の操作位置を制御する電子制
御装置(310)を備え、この電子制御装置(310)
には、複数の温度設定器(386、387)により設定
された目標温度のうち、低い方の目標温度に対応して温
度制御手段(31、32)の操作位置を決定する操作位
置決定手段(330)と、複数の温度設定器(386、
387)により設定された高い方の目標温度に対応する
空気通路(25、26)に位置する電気発熱体(91〜
94)のみに通電する通電制御手段(320)とを備え
ることにより、請求項1に記載の車両用空調装置を好適
に実施できる。
【0008】さらに、温度制御手段は、請求項3に記載
のように、暖房用熱交換器(23)を通過する温風と暖
房用熱交換器(23)をパイパスする冷風との風量割合
を調整するエアミックスドア(31、32)であり、複
数の空気通路(25、26)にそれぞれエアミックスド
ア(31、32)を備えるとともに、この複数のエアミ
ックスドア(31、32)を1本の共通の回転軸(2
8)に連結することができる。
【0009】また、電気発熱体(91〜94)は、請求
項4に記載のごとく暖房用熱交換器(23)の熱交換用
コア部(233)に一体に組み込むことができる。な
お、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記
載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図に
基づいて説明する。本実施形態は車室内の運転席側のゾ
ーンと助手席側のゾーンを独立に温度制御可能な、いわ
ゆる左右独立温度制御方式の車両用空調装置に関するも
のであって、まず、最初に、車両用空調装置の通風系の
概要を図1、2により説明する。本実施形態の車両用空
調装置の通風系は、大別して、送風機ユニット10と空
調ユニット20との2つの部分に分かれている。送風機
ユニット10は車室内の計器盤下方部のうち、中央部か
ら助手席側へオフセットして配置されており、これに対
し、空調ユニット20は車室内の計器盤下方部のうち、
車両左右方向の略中央部に配置されている。
【0011】送風機ユニット10は周知の遠心多翼ファ
ン(シロッコファン)からなる送風ファン11を有し、
この送風ファン11は渦巻き状のスクロールケーシング
12内に配置され、図示しない電動モータにて回転駆動
される。送風ファン11の送風空気はスクロールケーシ
ング12の渦巻き形状に沿って矢印aのごとく送風され
る。
【0012】送風ファン11の吸入口(図示せず)は、
車両上方側(図1の紙面手前側)に設けられ、図示しな
い内外気切替箱を通して空気を吸入する。この内外気切
替箱は周知のごとく内気(車室内空気)吸入口と外気
(車室外空気)吸入口と、これらの吸入口を切替開閉す
る切替ドアとを有している。空調ユニット20部は、1
つの共通の空調ケース21内に蒸発器(冷房用熱交換
器)22とヒータコア(暖房用熱交換器)23を両方と
も一体的に内蔵するタイプのものである。空調ユニット
20部は、車室内の計器盤下方部の略中央部に、車両の
前後、左右および上下方向に対して、図1、2に示す形
態で配置され、そして、空調ケース21の、最も車両前
方側の部位には、空気入口24が配設されており、この
空気入口24には、前述の送風機ユニット10から送風
される空調空気が流入する。
【0013】空調ケース21内において空気入口24直
後の部位に蒸発器22が配置されている。この蒸発器2
2は図2に示すように、車両前後方向には薄型の形態で
空調ケース21内通路を横断するように配置されてい
る。この蒸発器22は周知のごとく冷凍サイクルの冷媒
の蒸発潜熱を空調空気から吸熱して、空調空気を冷却す
るものである。
【0014】そして、蒸発器22の空気流れ下流側(車
両後方側)に、所定の間隔を開けてヒータコア23が車
両後方側に傾斜して配置されている。このヒータコア2
3は、蒸発器22を通過した冷風を再加熱するものであ
って、その内部に高温の温水(エンジン冷却水)が流
れ、この温水を熱源として空気を加熱するものである。
このヒータコア23は後述の図3に示すように電気発熱
体91〜94を一体化したものである。
【0015】ところで、空調ケース21内部の空気通路
は図示するように車両前後方向に延びるように形成され
ており、この空調ケース21内部の空気通路は車両左右
方向に第1、第2の2つの空気通路25、26に仕切っ
てある。すなわち、第1空気通路25は助手席側空気通
路であり、第2空気通路26は運転席側空気通路であ
る。仕切り板27はこの2つの空気通路25、26を仕
切るために、蒸発器22の空気下流側部位からヒータコ
ア23周辺部を通ってヒータコア23の下流側端部に至
るまで、車両前後方向に配置されている。この仕切り板
27は樹脂にて空調ケース21と一体に成形することが
でき、ヒータコア23の配置部位ではヒータコア23と
の干渉を回避するための切欠き部が形成されている。
【0016】ヒータコア23は上記2つの空気通路2
5、26を横断するように配置されており、そして、ヒ
ータコア23の内部は偏平チューブ236(図3)の偏
平面により、仕切り板27と同一位置で2つの空気通路
25、26に仕切られている。空調ケース21内の2つ
の空気通路25、26において、ヒータコア23の上方
部位には、それぞれ、このヒータコア23をバイパスし
て空気(冷風)が流れる冷風バイパス通路29、30
(図2)が形成されている。
【0017】また、2つの空気通路25、26におい
て、ヒータコア23と蒸発器22との間の部位には、ヒ
ータコア23で加熱される温風と、冷風バイパス通路2
9、30を通ってヒータコア23をバイパスする冷風と
の風量割合を調整する平板状のエアミックスドア31、
32が配置されている。ここで、この2つのエアミック
スドア31、32は、水平方向に配置された1本の回転
軸28と一体に結合されており、この回転軸28ととも
に車両上下方向に一体に回動可能になっている。このエ
アミックスドア31、32は上記風量割合の調整により
左右2つの空気通路25、26からの吹出空気温度を制
御する温度制御手段をなす。
【0018】回転軸28は、空調ケース21および仕切
り板27に回転自在に支持され、かつ回転軸28の一端
部は空調ケース21の外部に突出して、図示しないリン
ク機構を介して、サーボモータ等を用いたアクチュエー
タ機構に連結され、このアクチュエータ機構によりエア
ミックスドア31、32の回動位置を一体に調整するよ
うになっている。このアクチュエータ機構は空調装置の
電子制御装置310(図5)により回転量が自動制御さ
れるようになっている。
【0019】そして、空調ケース21内において、ヒー
タコア23の空気下流側(車両後方側の部位)には、ヒ
ータコア23との間に所定間隔を開けて上下方向に延び
る壁面33(図2参照)が空調ケース21に一体成形さ
れている。この壁面33によりヒータコア23の直後か
ら上方に向かう温風通路34、35が空気通路25、2
6にそれぞれ形成されている。
【0020】図2に示すように、温風通路34、35の
下流側(上方側)はヒータコア23の上方部において冷
風バイパス通路29、30と合流し、冷風と温風の混合
を行う冷温風混合空間36、37を空気通路25、26
にそれぞれ形成している。空調ケース21の上面部にお
いて、車両前方側の部位には空気通路25、26にそれ
ぞれ対応して左右のデフロスタ開口部38、39が開口
している。このデフロスタ開口部38、39は冷温風混
合空間36、37から温度制御された空調空気が流入す
るものであって、図示しないデフロスタダクトを介して
デフロスタ吹出口に接続され、このデフロスタ吹出口か
ら、車両前面窓ガラスの内面に向けて風を吹き出す。
【0021】デフロスタ開口部38、39はそれぞれデ
フロスタドア40、41により開閉される。このデフロ
スタドア40、41は、空調ケース21の上面部近傍に
て水平方向に配置された1本の共通の回転軸42により
連動して回動するようになっており、デフロスタドア4
0、41が一点鎖線位置に操作されると、デフロスタ開
口部38、39を全開するとともに連通口66、67を
閉じるようになっている。この連通口66、67は空気
通路25、26にそれぞれ形成され、冷温風混合空間3
6、37から後述のフェイス、フット開口部側へ空気を
流すための通路となる。
【0022】空調ケース21の上面部において、車両後
方側(乗員寄り)の部位には、図1に示すように、合計
6個の左右のフェイス開口部43〜48が設けられてお
り、これらの各フェイス開口部43〜48のうち中央側
のフェイス開口部43、44には冷温風混合空間36、
37から温度制御された空調空気が上記連通口66、6
7を介して流入する。
【0023】中央側のセンタフェイス開口部43、44
には図示しないフェイスダクトを介して、計器盤左右方
向の中央部上方側に配置されているセンターフェイス吹
出口が接続され、この吹出口から車室内中央部の乗員頭
部に向けて風を吹き出す。また、センタフェイス開口部
43、44の車両左右方向の両側に配置された左右のサ
イドフェイス開口部45〜48はそれぞれ左右のサイド
フェイスダクトに連結されて、このダクトを介して計器
盤左右両端部の左右のサイドフェイス吹出口に接続され
る。そして、この吹出口から車室内左右両側部の乗員頭
部側または車両側面窓ガラスに向けて風を吹き出す。
【0024】なお、左右のサイドフェイス開口部45〜
48は冷温風混合空間36、37と直接連通しているの
で、デフロスタドア40、41およびフットフェイス切
替用ドア57、58の操作位置と無関係に、全吹出モー
ドにおいて常に、冷温風混合空間36、37からの空気
を吹出すことができる。次に、空調ケース21内で、冷
温風混合空間36、37より車両後方側の部位に、左右
のフット用空気入口部55、56が各空気通路25、2
6ごとに開口している。このフット用空気入口部55、
56はセンタフェイス開口部43、44に対向して設け
られ、各空気通路25、26ごとに配置されたフットフ
ェイス切替用ドア57、58により切替開閉される。こ
のフットフェイス切替用ドア57、58は1本の共通の
回転軸59により連動して回動するようになっている。
【0025】フット用空気入口部55、56からの空気
はフット開口部60、61に流れ、さらに図示しない前
席用フットダクト、前席用吹出口を経て前席の乗員足元
に吹き出す。次に、図3は上記したヒータコア23の具
体的構造を例示するもので、ヒータコア23は、温水入
口側タンク231と、温水出口側タンク232と、この
両タンク231、232の間に設けられた熱交換用コア
部233とを有している。
【0026】温水入口側タンク231の長手方向(図3
の左右方向)の一端部には図示しない車両エンジンから
のエンジン冷却水、すなわち温水(熱源流体)が流入す
る入口パイプ234が設けられている。同様に、温水出
口側タンク232の長手方向の一端部には出口パイプ2
35が設けられており、この出口パイプ235から温水
を外部へ流出させ、エンジン側に還流させる。
【0027】各タンク231、232のシートメタル部
231a、232a(図3参照)には偏平状のチューブ
挿入穴(図示せず)が多数個、図3の左右方向に並んで
形成されている。熱交換用コア部233は暖房用空気の
流れ方向(図3の紙面垂直方向)に対して平行な偏平状
に形成された偏平チューブ236を多数個図3の左右方
向に並列配置している。そして、この多数個の偏平チュ
ーブ236相互の間に波形状に成形されたコルゲートフ
ィン(フィン部材)237を配置し接合している。この
コルゲートフィン237には周知のごとく暖房用空気の
流れ方向aに対して所定角度で斜めに多数のルーバ(図
示せず)が切り起こし成形されており、このルーバの形
成によりフィン熱伝達率を向上させている。
【0028】偏平チューブ236の両端開口部は、各タ
ンク231、232のシートメタル部231a、232
aのチューブ挿入穴内にそれぞれ挿通され、接合され
る。また、コア部233の最外側(図3の左右両端部)
のコルゲートフィン237のさらに外側にはサイドプレ
ート238a、238bが配設され、このサイドプレー
ト238a、238bは最外側のコルゲートフィン23
7およびタンク231、232に接合される。
【0029】そして、熱交換用コア部233のうち、電
気発熱体91〜94が設置される部位では、図4に示す
ように、隣接するコルゲートフィン237の折り曲げ頂
部に、それぞれ偏平チューブ236の長手方向に延びる
平板状の金属製保持板239、240を接合するととも
に、この2枚の金属製保持板239、240の間に所定
間隔L(L=電気発熱体91〜94の厚み)を設定し
て、この2枚の保持板239、240の間に電気発熱体
91〜94を組み付ける構造となっている。なお、2枚
の保持板239、240の長さは、図3において熱交換
用コア部3の幅(図3上下方向の寸法)と略同一にして
ある。
【0030】本例におけるヒータコア23では、上記各
構成部品231〜238bおよび2枚の保持板239、
240のすべてがアルミニュウム(アルミニュウム合金
も含む)にて成形されており、これらのアルミニュウム
製の構成部品231〜238bおよび保持板239、2
40はろう付けにて接合され、熱交換器が組立られる。
【0031】ところで、熱交換用コア部233の一部の
部位に、偏平チューブ236の代わりに、電気発熱体9
1〜94を設置しているため、2枚の金属製保持板23
9、240の板厚と電気発熱体9の厚さL(図4)とを
含む全体の厚さが偏平チューブ6の厚さ(例えば、1m
m)と同一となるように設定してある。図3の例では、
熱交換用コア部3の左右対称位置の4箇所(斜線部)に
電気発熱体91〜94を設置している。
【0032】この電気発熱体91〜94は図4に示すよ
うに、板状の発熱体素子90aと、この発熱体素子90
aの表裏両面に配置された細長の平板状の電極板90b
と電極板90cとからなる3層のサンドウイッチ構造に
なっている。発熱体素子90aは所定の設定温度(例え
ば、150°C付近)T0 にて抵抗値が急増する正の抵
抗温度特性を有する抵抗体材料(例えば、チタン酸バリ
ウム)からなるPTCヒータ素子である。そして、発熱
体素子90aと電極板90b、90cの間は互いに圧接
することにより、両者間の電気的導通を得るようにして
ある。発熱体素子90aの片面に位置する電極板90b
は例えば、正極側電極板であり、また、他の片面に位置
する電極板90cは例えば、負極側(設置側)電極板で
あり、この両電極板90b、90cを通して発熱体素子
90aに通電するようになっている。
【0033】一方、両電極板90b、90cの周囲を全
周にわたって電気的絶縁材料(高耐熱性の樹脂)からな
る被覆部材90dにより被覆してある。そして、この被
覆部材90dが保持板239、240に圧接するように
して、2枚の保持板239、240の間に電気発熱体9
1〜94が組み付けられる。なお、熱交換用コア部23
3には、多数本の偏平チューブ236群と直交する方向
に締付け力を作用させる締結(バンド)部材(図示せ
ず)を装着して、この締結部材の締付け力により電気発
熱体91〜94を熱交換用コア部233の2枚の保持板
239、240の間に保持するとともに、発熱体素子9
0aと両電極板90b、90cとを圧接させる。
【0034】また、本例においては、図1の仕切り板2
7が図3の左右方向の中央部に位置することにより、電
気発熱体91〜94のうち、左側の2個の電気発熱体9
1、92が図1の助手席側の第1空気通路25内に位置
し、右側の2個の電気発熱体93、94が図1の運転席
側の第2空気通路26内に位置するようになっている。
【0035】次に、図5により電気発熱体91〜94の
通電制御、エアミックスドア31、32の操作位置制御
等を行う制御系について説明すると、エアミックスドア
31、32の回転軸28を駆動するアクチュエータ機構
にはサーボモータ300が設けられており、このサーボ
モータ300の回転量を制御することによりエアミック
スドア31、32の操作位置を制御するようになってい
る。
【0036】空調用電子制御装置310はマイクロコン
ピュータ等から構成されるものであり、予め設定された
プログラムに基づいて所定の演算処理を行って電気発熱
体91〜94等への通電を制御する。電子制御装置31
0には、各電気発熱体91〜94に対応してそれぞれ設
けられたリレー(図示せず)を有する第1駆動回路部3
20が設けられ、この第1駆動回路部320のリレーに
よって電気発熱体91〜94の発熱体素子90aへの通
電を断続する。第1駆動回路部320は、請求項2の通
電制御手段を構成するものである。
【0037】また、電子制御装置310には、サーボモ
ータ300の回転量を制御する第2駆動回路部330が
設けられている。この第2駆動回路部330は請求項2
の操作位置決定手段を構成するものである。電子制御装
置310には車両エンジン340の運転を断続するイグ
ニッションスイッチ350を介して車載バッテリ360
から電源が供給される。この車載バッテリ360にはオ
ルタネータ(交流発電機)370が接続され、このオル
タネータ370の出力電圧によりバッテリ360が充電
される。
【0038】一方、電子制御装置310には次の各種セ
ンサ類からの信号が入力される。すなわち、車室内温度
(内気温)を検出する内気温センサ380、車室外温度
(外気温)を検出する外気温センサ381、車室内への
日射量を検出する日射センサ382、水冷式車両エンジ
ン340の温水温度を検出する水温センサ383、蒸発
器22の吹出空気温度を検出する蒸発器後温度センサ3
84、車載バッテリ360の充電電圧に応じた信号を発
生するバッテリ電圧センサ(バッテリ充電信号発生手
段)385、空調操作パネル(図示せず)に設けられ、
運転席側の目標温度を設定する運転席側温度設定器38
6、空調操作パネルに設けられ、助手席側の目標温度を
設定する助手席側温度設定器387、および空調操作パ
ネルに設けられ、空調の作動信号を発生する空調作動ス
イッチ388等からの信号が電子制御装置310に入力
される。
【0039】そして、電子制御装置310には、運転席
側温度設定器386により設定された運転席側目標温度
に、車室内の運転席側ゾーンの温度を維持するために必
要な運転席側必要吹出温度を後述の数式1により算出す
る運転席側必要吹出温度算出手段390が備えられてい
る。また、助手席側温度設定器387により設定された
助手席側目標温度に、車室内の助手席側ゾーンの温度を
維持するために必要な助手席側必要吹出温度を後述の数
式2により算出する助手席側必要吹出温度算出手段39
1が備えられている。
【0040】さらに、この両算出手段390、391に
より算出された運転席側必要吹出温度と助手席側必要吹
出温度との大小を比較する比較手段392が電子制御装
置310に備えられている。前記した第1、第2駆動回
路部320、330は、上記両算出手段390、391
と上記比較手段392の演算結果に基づいて、電気発熱
体91〜94の通電およびエアミックスドア31、32
の操作位置を制御する。
【0041】なお、図5において、400は車両エンジ
ン340の温水回路であり、エンジン340により駆動
される温水ポンプ410の作動より温水弁420を介し
てヒータコア23に温水が循環する。温水弁420は最
大冷房時以外のときは開弁状態となり、ヒータコア23
への温水循環を許容する。また、図5には図示しなかっ
たが、送風機ユニット10の送風ファン11の回転数
(風量)、吹出モードドア40、41、57、58の操
作位置等も電子制御装置310により制御される。
【0042】次に、上記構成において作動を説明する。
本実施形態の車両用空調装置は、デフロスタドア40、
41とフットフェイス切替用ドア57、58の操作位置
を選択することにより、以下の吹出モードを設定でき
る。 (1)フェイス吹出モード デフロスタドア40、41を図2の実線位置に操作し
て、デフロスタ開口部38、39を閉じるとともに連通
口66、67を全開する。また、フットフェイス切替用
ドア57、58を図2の一点鎖線位置に操作してフット
用空気入口部55、56を閉塞する。これにより、送風
機ユニット10からの送風空気を蒸発器22で冷却して
冷風とし、この冷風を空気通路25、26から主にセン
ターフェイス開口部43、44を通して乗員頭部側に吹
き出す。
【0043】また、同時に、冷風の一部は左右のサイド
フェイス開口部45〜48を通って、車室内の左右側方
部にも吹き出される。 (2)バイレベル吹出モード デフロスタドア40、41を図2の実線位置に操作し
て、デフロスタ開口部38、39を閉じるとともに連通
口66、67を全開する。また、フットフェイス切替用
ドア57、58を図2の実線位置と一点鎖線位置の中間
位置に操作して、フェイス開口部43、44およびフッ
ト用空気入口部55、56をともに開放する。
【0044】このため、送風機ユニット10からの送風
空気を、フェイス開口部43、44、45〜48を通し
て乗員の頭部側に吹き出すと同時に、フット開口部6
0、61を通して乗員の足元側にも吹き出す。 (3)フット吹出モード フットフェイス切替用ドア57、58を図2の実線位置
に操作して、フェイス開口部43、44を閉塞して、フ
ット用空気入口部55、56を全開する。一方、デフロ
スタドア40、41は図2の実線位置から若干量反時計
方向に操作されて、デフロスタ開口部38、39を小開
度で開放するとともに、連通口66、67を全開する。
【0045】これにより、送風機ユニット10からの送
風空気をヒータコア23が加熱して温風とした後に、連
通口66、67を通って、主にフット開口部60、61
を通して乗員の足元側に風を吹き出す。また、温風の一
部はデフロスタ開口部38、39を通してデフロスタ吹
出口から車両前面窓ガラスに向けて吹き出すとともに、
サイドフェイス開口部45〜48を通って、車両側方の
窓ガラスにも吹き出す。
【0046】これにより、デフロスタ開口部38、39
とサイドフェイス開口部45〜48への吹出風量を20
%程度に設定して、窓ガラスの曇り止めを行いながら、
乗員足元への温風吹出による暖房作用を行うことができ
る。 (4)フットデフロスタ吹出モード 上記したフット吹出モードの状態からデフロスタドア4
0、41を所定量だけさらに図2の反時計方向に回動操
作して、デフロスタ開口部38、39の開度を大きくす
るとともに、連通口66、67の開度を小さくすること
により、デフロスタ開口部38、39、サイドフェイス
開口部45〜48への吹出風量と、フット開口部60、
61への吹出風量をともに50%程度(同等の風量)に
設定することができ、フットデフロスタ吹出モードが得
られる。
【0047】(5)デフロスタ吹出モード デフロスタドア40、41を図2の一点鎖線位置に操作
して、連通口66、67を閉じると、フェイス開口部4
3、44およびフット開口部60、61への送風が遮断
される。これにより、送風機ユニット10からの送風空
気は空気通路25、26から主にデフロスタ開口部3
8、39に流入し、デフロスタ吹出口から車両前面窓ガ
ラスに向けて吹き出され、前面窓ガラスの曇り止めを行
う。
【0048】このとき、同時に、送風空気の一部は左右
のサイドフェイス開口部45〜48を通って、サイドフ
ェイス吹出口から車両側面窓ガラスに向かって吹き出さ
れ、側面窓ガラスの曇り止めを行う。ところで、上記の
ごとき作動を行う空調装置において、冬期暖房時におけ
る電気発熱体91〜94の作用について説明すると、車
室の暖房を行うときには、送風機ユニット10の送風フ
ァン11を作動させるとともに、ヒータコア23への温
水回路400に備えられた温水弁420を開弁させる。
送風ファン11の作動によって、送風空気は空調ケース
21内の蒸発器22を通過した後に、ヒータコア23の
偏平チューブ236とコルゲートフィン237との間の
空隙部を送風空気が通過する。一方、車両用エンジン3
40の温水ポンプ410の作動によりエンジン340か
らの温水が温水弁420を介してヒータコア23の入口
パイプ234より温水入口側タンク231内に流入す
る。
【0049】そして、温水は、入口側タンク231にて
多数本の偏平チューブ236に分配され、この偏平チュ
ーブ236を並列に流れる間にコルゲートフィン237
を介して送風空気に放熱する。多数本の偏平チューブ2
36を通過した温水は、温水出口側タンク232に流入
し、ここで集合され、出口パイプ235から温水はヒー
タコア23の外部へ流出し、エンジン340側に還流す
る。
【0050】一方、暖房時において、温水温度が低く
て、電気発熱体91〜94を発熱させる必要があるとき
は、第1駆動回路部320により電気発熱体91〜94
に車載バッテリ360の電圧を印加する。これにより、
各電気発熱体91〜94が通電され発熱する。各電気発
熱体91〜94の発熱は両側のコルゲートフィン237
に伝導されて、このコルゲートフィン237から送風空
気に放熱される。従って、温水の低温時でも暖房空気を
速やかに加熱して即効暖房を行うことができる。
【0051】ここで、電気発熱体91〜94の発熱体素
子90aは所定のキューリ点にて抵抗値が急増する正の
抵抗温度特性を有するPTC素子であるから、周知のご
とく、その発熱温度をキューリ点に自己制御する自己温
度制御機能を備えている。次に、本発明の特徴とする車
室内の複数ゾーンを独立に温度制御する温度制御の作動
について詳述する。
【0052】図6は本発明の比較例(従来周知の一般的
なもの)における、複数ゾーン、例えば、運転席側ゾー
ンと助手席側ゾーンの独立温度制御方式を示すもので、
この比較例においては、ケース21内を仕切り板27に
より助手席側の第1空気通路25と運転席側の第2空気
通路26とに仕切るとともに、第1、第2空気通路2
5、26側にそれぞれ配置したエアミックスドア31、
32を独立の回転軸28a、28bに連結して、エアミ
ックスドア31、32を図6に示すようにそれぞれ独立
の回転位置に操作できるようにしている。
【0053】具体的な制御例を述べると、運転席側温度
設定器386により設定された運転席側目標温度が28
°Cで、助手席側温度設定器387により設定された助
手席側目標温度が25°Cである場合は、助手席側エア
ミックスドア31に比して運転席側エアミックスドア3
2の操作位置を図6(b)に示すように温風量が増える
側の位置に操作して、運転席側の第2空気通路26の吹
出空気温度を助手席側の第1空気通路25よりも高くす
ることができる。
【0054】このようにして、第1、第2空気通路2
5、26側の吹出開口部500、600からの吹出空気
温度を独立に制御することができ、運転席側ゾーンと助
手席側ゾーンを独立に温度制御できる。なお、吹出開口
部500は、図1、2における吹出開口部38、39、
43〜48、60、61のうち助手席側の吹出開口部を
総称して示しており、吹出開口部600は、図1、2に
おける吹出開口部38、39、43〜48、60、61
のうち運転席側の吹出開口部を総称して示している。
【0055】上記比較例によると、必然的に、エアミッ
クスドア31、32を独立に操作するために、各ドア3
1、32毎にそれぞれ独立にリンクやサーボモータ等の
操作機構が必要となる。一方、図7は本実施形態による
複数ゾーン、例えば、運転席側ゾーンと助手席側ゾーン
の独立温度制御方式の考え方を示すもので、運転席側温
度設定器386により設定された運転席側目標温度が2
8°Cで、助手席側温度設定器387により設定された
助手席側目標温度が25°Cである場合は、助手席側目
標温度が運転席側目標温度より低いので、助手席側目標
温度に基づいて、エアミックスドア31、32の操作位
置(回転位置)を決定し、一方、目標温度が高い運転席
側の吹出空気温度を助手席側より高めるために、ヒータ
コア23の電気発熱体91〜94のうち、運転席側の電
気発熱体93、94のみに通電し、助手席側の電気発熱
体91、92の通電はオフする。
【0056】ここで、運転席側目標温度と助手席側目標
温度との差が減少したとき(例えば、温度差が2°C以
内のとき)は、運転席側の電気発熱体93、94の1本
のみを通電する。以上のように、暖房補助熱源として用
いる電気発熱体91〜94に着目して、この電気発熱体
91〜94を助手席側の第1空気通路25と運転席側の
第2空気通路26とに区分して配置し、この電気発熱体
91〜94の通電を運転席側目標温度と助手席側目標温
度との差に応じて断続制御することにより、助手席側お
よび運転席側エアミックスドア31、32の操作位置を
同一位置とすることができる。よって、2つのエアミッ
クスドア31、32を1つの操作機構で操作することが
でき、操作機構の簡素化を図ることができる。
【0057】次に、本実施形態による複数ゾーン独立温
度制御方法の具体例を図5に基づいて説明すると、電子
制御装置310の運転席側必要吹出温度算出手段390
は、下記の数式1により運転席側必要吹出温度TAOD
を算出し、同様に、助手席側必要吹出温度算出手段39
1は下記の数式2により助手席側必要吹出温度TAOP
を算出する。
【0058】
【数1】TAOD=Kset ×Tsetd−Kr ×Tr −Kam
×Tam−Ks ×Ts +C (Tsetdは運転席側目標温度、Tr は内気温、Tamは外
気温、Ts は日射量) (Kset 、Kr 、Kamは各ゲイン、Cは補正用の定数)
【0059】
【数2】TAOP=Kset ×Tsetp−Kr ×Tr −Kam
×Tam−Ks ×Ts +C (Tsetpは助手席側目標温度、他は数式1と同じ) なお、数式1、2において、内気温Tr および日射量T
s はセンサ380、382により運転席側ゾーンと助手
席側ゾーンの概略平均値を検出するようにしている。
【0060】そして、上記両算出手段390、391に
より算出された運転席側必要吹出温度TAODと助手席
側必要吹出温度TAOPとの大小を比較手段392によ
り比較し、TAODとTAOPのうち、低い方の必要吹
出温度が比較手段392を介して、第2駆動回路部33
0に入力される。いま、助手席側目標温度Tsetp=25
°Cで、運転席側目標温度Tsetd=28°Cであると、
運転席側必要吹出温度TAOD>助手席側必要吹出温度
TAOPになり、第2駆動回路部330においては、助
手席側必要吹出温度TAOPに基づいて下記の数式3に
よりエアミックスドア31、32の操作位置SWを算出
する。
【0061】
【数3】SW={(TAOP−Te )/(Tw −Te
)}×100 (%) (Te は蒸発器22の吹出空気温度、Tw はヒータコア
23に流入する水温) 第2駆動回路部330は、上記助手席側必要吹出温度T
AOPに基づいて算出された操作位置SWにエアミック
スドア31、32を操作する。
【0062】一方、第1駆動回路部330においては、
比較手段392の比較結果に基づいて、必要吹出温度が
高い方のゾーン、本例では、運転席側ゾーンに対応する
電気発熱体93、94のみに通電して、助手席側ゾーン
に対応する電気発熱体91、92には通電しない。この
結果、助手席側の第1空気通路25においては、エアミ
ックスドア31の操作位置SWにより温度制御された空
気が車室内へ吹出し、助手席側のゾーンを助手席側温度
設定器387により設定された助手席側目標温度(25
°C)に維持する。
【0063】これに対し、運転席側の第2空気通路26
においては、エアミックスドア31の操作位置SWによ
り温度制御された空気に、運転席側の電気発熱体93、
94の発熱量が加わるので、この発熱量の分だけ運転席
側の吹出空気温度を高めることができ、運転席側のゾー
ンを運転席側温度設定器386により設定された運転席
側目標温度(28°C)に維持できる。
【0064】(他の実施形態)なお、上記の実施形態で
は、車室内の運転席側ゾーンと助手席側ゾーンとを独立
に温度制御する場合について説明したが、車両用空調装
置には、前述のバイレベルモードにおいて、フェイス側
の吹出温度とフット側の吹出温度とを独立に温度制御す
る、いわゆる上下独立温度制御方式を採用するものが知
られており、本発明はこの上下独立温度制御方式に対し
ても適用できる。
【0065】すなわち、ヒータコア23における複数本
の電気発熱体91〜94が車両上下方向の空気通路に対
して区分して配列されるようにして、上記実施形態と同
様に吹出空気温度を高くする方のゾーン(通常は下方側
のゾーン)に対応する電気発熱体のみに通電して、吹出
空気温度が高い方のゾーンでは電気発熱体の発熱により
吹出空気温度を上昇させればよい。
【0066】また、車両用空調装置には、前席側ゾーン
の吹出温度と後席側ゾーンの吹出温度とを独立に温度制
御する、いわゆる前後独立温度制御方式を採用するもの
が知られており、本発明はこの前後独立温度制御方式に
対しても適用できる。この場合も前後の吹出空気温度の
うち、吹出空気温度の高い方のゾーンに対応する電気発
熱体のみに通電して、吹出空気温度の高い方のゾーンで
は電気発熱体の発熱により吹出空気温度を上昇させれば
よい。
【0067】また、上記の実施形態では、冷温風の風量
割合の調整により吹出空気温度を制御するエアミックス
タイプの車両用空調装置について説明したが、ヒータコ
ア23を循環する温水の流量、あるいは温水の温度を温
水弁により調整し、これにより吹出空気温度を制御する
温水制御タイプの車両用空調装置も周知であり、この温
水制御タイプの車両用空調装置にも本発明は同様に適用
できる。
【0068】この場合は、吹出空気温度が低い方のゾー
ンでは、温水流量あるいは温水温度の調整により吹出空
気温度を決定し、吹出空気温度の高い方のゾーンではさ
らに電気発熱体に通電して、電気発熱体の発熱により吹
出空気温度を上昇させればよい。また、電気発熱体91
〜94の設置形態(設置場所、設置本数等)を図2の形
態に限らず、ヒータコア(暖房用熱交換器)23の仕様
の変化に対応して種々変更し得ることはもちろんであっ
て、電気発熱体91〜94をヒータコア23に一体化せ
ずに、ヒータコア23から分離してケース21内の空気
通路に設置することも可能である。
【0069】また、ヒータコア23のチューブ236に
流入する熱源流体は、温水の他にオイル等であってもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態おける送風機ユニットと空
調ユニットの平面配置図である。
【図2】図1の空調ユニット部のB矢視断面図である。
【図3】本発明の一実施形態による暖房用熱交換器の正
面図である。
【図4】図3の暖房用熱交換器の電気発熱体設置部の拡
大斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態における電気制御ブロック
図である。
【図6】従来装置(比較例)による左右独立温度制御方
式の説明図である。
【図7】本発明の一実施形態による左右独立温度制御方
式の説明図である。
【符号の説明】
21…空調用ケース、23…暖房用熱交換器、25、2
6…空気通路、31、32…エアミックスドア(温度制
御手段)、91〜94…電気発熱体、310…電子制御
装置、386、387…温度設定器、500、600…
吹出開口部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数に仕切られた空気通路(25、2
    6)を有する空調ケース(21)と、 前記複数の空気通路(25、26)に送風される空気を
    加熱する暖房用熱交換器(23)と、 前記複数の空気通路(25、26)にそれぞれ設置さ
    れ、空気を加熱する複数の電気発熱体(91〜94)
    と、 前記複数の空気通路(25、26)からの空気をそれぞ
    れ車室内へ吹き出す複数の吹出開口部(500、60
    0)と、 前記暖房用熱交換器(23)による空気加熱量を調整し
    て、前記複数の吹出開口部(500、600)からの吹
    出空気温度を制御する温度制御手段(31、32)と、 前記複数の吹出開口部(500、600)から空気が吹
    き出す車室内の複数のゾーンの目標温度を設定する複数
    の温度設定器(386、387)とを備え、 前記複数の空気通路(25、26)のうち、前記複数の
    温度設定器(386、387)の一方により設定された
    低い方の目標温度に対応する空気通路では、前記温度制
    御手段(31、32)の操作位置により前記吹出空気温
    度を決定し、 前記複数の温度設定器(386、387)の他方により
    設定された高い方の目標温度に対応する空気通路では、
    この空気通路に位置する前記電気発熱体(91〜94)
    に通電することにより、前記暖房用熱交換器(23)と
    前記電気発熱体(91〜94)の両方の空気加熱量によ
    り前記吹出空気温度を決定することを特徴とする車両用
    空調装置。
  2. 【請求項2】 前記複数の電気発熱体(91〜94)の
    通電および前記温度制御手段(31、32)の操作位置
    を制御する電子制御装置(310)を備え、 この電子制御装置(310)には、前記複数の温度設定
    器(386、387)により設定された目標温度のう
    ち、低い方の目標温度に対応して前記温度制御手段(3
    1、32)の操作位置を決定する操作位置決定手段(3
    30)と、 前記複数の温度設定器(386、387)により設定さ
    れた高い方の目標温度に対応する前記空気通路(25、
    26)に位置する前記電気発熱体(91〜94)のみに
    通電する通電制御手段(320)とを備えることを特徴
    とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記温度制御手段は、前記暖房用熱交換
    器(23)を通過する温風と前記暖房用熱交換器(2
    3)をパイパスする冷風との風量割合を調整するエアミ
    ックスドア(31、32)であり、 前記複数の空気通路(25、26)にそれぞれ前記エア
    ミックスドア(31、32)が備えられており、 前記エアミックスドア(31、32)が1本の共通の回
    転軸(28)に連結されていることを特徴とする請求項
    1または2に記載の車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 前記電気発熱体(91〜94)は、前記
    暖房用熱交換器(23)の熱交換用コア部(233)に
    一体に組み込まれていることを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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