JPH11197013A - 炊飯器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 蓋体装置をねじりコイルばねのみの部品で構
成し、金属が擦れる音をなくして製造コストの低減を図
り、品質向上で高い信頼性を提供すること。 【解決手段】 炊飯器本体１の上面開口部を開閉自在に
覆う蓋体３と、蓋体３に配設し開閉自在に軸支する一対
の支軸４と、炊飯器本体１の一端に前記蓋体３を開蓋付
勢するねじりコイルばね７を内装するヒンジ部６と、ヒ
ンジ部６に配設し前記支軸４と枢支する軸受凹部５と、
前記ねじりコイルばね７の先端部７ｂと掛止するバネフ
ック８を前記蓋体３に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は一般家庭などで使用
される炊飯器に関する。

【０００２】

【従来の技術】最近の炊飯器では、炊飯器本体の上部を
覆う蓋体を簡単な操作により自動的に開成できるものが
主流となっている。

【０００３】従来、この種の蓋体装置の構成は一般に、
図１０〜図１５に示すような構成をしている。以下、そ
の構成ついて図を参照しながら説明する。図１０におい
て、１４は上面を開口した炊飯器本体で、この炊飯器本
体１４の開口部は蓋体１５で開閉自在に覆われている。
蓋体１５は金属材のヒンジ軸１６にねじりコイルばね１
７を挿入し、ヒンジ軸１６が移動して外れないようにキ
ャップ１８を挿着し係止させている。この蓋体１５のヒ
ンジ軸１６とねじりコイルばね１７の下端部１７ａを、
前記炊飯器本体１４の一端のヒンジ部１９に形成したＵ
形の軸受部１９ａと係止穴１９ｂに挿着して、蓋体１５
を炊飯器本体１４に取付けている。このとき、蓋体１５
と炊飯器本体１４を電気的につなぐリ−ド線２０が配線
通路１９ｃ以外、例えばねじりコイルばね１７の可動ア
ームとアーム溝１９ｄに挟み込んで断線などが発生しな
いように取付けている。最後にヒンジカバーで覆って蓋
体装置が構成される。

【０００４】以上のように構成された炊飯器の蓋体動作
について図１１と図１３により説明する。炊飯器本体１
４の上部前方には蓋体１５の前方の係止部と係合するフ
ックボタン２２が設けてあり、このフックボタン２２の
操作により蓋体１５の係止部との係合が解除されると、
蓋体１５はねじりコイルばね１７の開成方向の付勢力に
より、ヒンジ軸１６を中心に回動し開成するものであ
る。

【０００５】次に、上記構成の蓋体装置の組立手順につ
いて図１０と図１４および図１５により説明する。まず
ねじりコイルばね１７を挿入したヒンジ軸１６の先端を
蓋体１５のヒンジ穴１５ａに押込み、反対側のヒンジ穴
１５ｂにヒンジ軸１６の他端を引き戻して挿通し、ヒン
ジ軸１６を軸支するキャップ１８を蓋体１５に挿着す
る。次に蓋体１５に形成した断面コ形の係止リブ１５ｃ
の開口部よりねじりコイルばね１７の可動側の先端部１
７ｂをスライドさせて挿着して蓋体１５の組立が完了す
る。さらに完成した蓋体１５を炊飯器本体１４に取付け
るには、リード線２０が挟み込まないように、ねじりコ
イルばね１７の下端部１７ａを係止穴１９ｂに挿入しな
がら、ヒンジ軸１６を軸受部１９ａへ挿着して取付け、
ヒンジカバー２１を炊飯器本体１４に挿着して組立を完
了する。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな構成では、蓋体１５はねじりコイルばね１７を挿入
したヒンジ軸１６をヒンジ穴１５ａに押込んで引き戻
し、キャップ１８でヒンジ軸１６を軸止した後、ねじり
コイルばね１７の先端部１７ｂを係止リブ１５ｃに挿着
している。さらに蓋体１５を炊飯器本体１４に取付ける
とき、リード線２０がねじりコイルばね１７が可動する
アーム溝１９ｄなどに挟み込むと断線する恐れがあるた
めにリード線２０の位置を確認しながら、配設場所の離
れているねじりコイルばね１７の下端部１７ａとヒンジ
軸１６を挿入して取付けなければならない。また通常、
ねじりコイルばね１７のコイル巻の部分は、無荷重の時
は円筒形を保持しているが、負荷がかかると支点の位置
よりねじれるため、蓋体１５の開閉時にねじりコイルば
ね１７が傾き（図１２による）金属材のヒンジ軸１６に
擦れながら回動する。このとき、金属同士が擦れる音が
発生する。そのため防止策としてグリースを塗布して消
音を行っていることから、部品点数が多く、作業工程も
増えて組立がしづらく、品質も安定しないという問題点
を有していた。

【０００７】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、ヒンジ軸、キャップおよびグリースを必要とせず、
組立を簡素化するとともに、蓋体の開閉時に発生する擦
れ音をなくし、製造コストの低減と、品質向上による高
い信頼性を得ることを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、本体開口部を蓋で開閉自在に覆うための支
軸及び軸受部と、前記蓋体を開蓋付勢するねじりコイル
ばねとを備え、前記ねじりコイルばねは、そのコイル部
及び両端部の少なくとも一方向への動きが抑制されてな
るものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】請求項１に記載の発明は、本体開
口部を蓋で開閉自在に覆うための支軸及び軸受部と、前
記蓋体を開蓋付勢するねじりコイルばねとを備え、前記
ねじりコイルばねは、そのコイル部及び両端部の少なく
とも一方向への動きが抑制されてなることにより、ねじ
りコイルばね単独で開閉時の蓋の動作の抑制がなしえる
ことから、組立が簡素化されるとともに、蓋体の開閉時
に発生する金属材が擦れる音もなくなるという作用を有
する。即ち、ヒンジ軸、キャップを必要とせず、組立が
簡素化されて製造コストの低減が図ることができ、ま
た、ねじりコイルばね単独で実現できるため、蓋体の開
閉時に発生する金属材が擦れる音がなくなり、擦れ音防
止用のグリースの塗布も必要とせず、コスト低減と品質
向上で高い信頼性が得られる。

【００１０】請求項２に記載の発明は、炊飯器の本体中
央でねじりコイルばねの可動側のアームが可動するよう
に挿着し、リード線の配線通路をヒンジカバーのツメと
係合する開口部と軸受凹部に介在させたものであり、リ
ード線の配線を妨げるヒンジ軸がなく、配線通路を広く
でき、ねじりコイルばねのアームおよびアームの逃がし
用溝も近設しない構成であることから、配線処理を簡単
に行うことができるという作用を有する。

【００１１】請求項３に記載の発明は、軸受凹部の奥面
に側壁を設け、軸受凹部の開口側部を連結させて形成し
たものであり、軸受凹部の強度アップと、蓋体の支軸先
端と軸受凹部の奥面との間で蓋体の左右方向のガタツキ
を規制できるという作用を有する。

【００１２】請求項４に記載の発明は、支軸に別部品が
挿着できる外面開口の孔部を形成したものであり、この
孔部に、ねじ、ピン、軸などの別部品が挿着できるよう
に形成し、支軸の強度を更にアップすることができると
いう作用を有する。

【００１３】請求項５に記載の発明は、支軸を金属材で
構成したものであり、支軸径が細くても強度を確保でき
るため、蓋体外面と支軸間を省スペースで構成でき、炊
飯器本体のコンパクト化が可能となるという作用を有す
る。

【００１４】

【実施例】（実施例１）以下、本発明の第１の実施例を
図１〜図４を参照しながら説明する。図１〜図４におい
て、１は上面を開口した炊飯器本体で、内部に内鍋２を
着脱自在に収納している。３は炊飯器本体１の開口部を
開閉自在に覆う蓋体で、この蓋体３に開閉自在に軸支す
る一対の支軸４を支軸内面４ｂに突設している。この支
軸４と枢支する軸受凹部５を形成したヒンジ部６を炊飯
器本体１に設け、このヒンジ部６には支軸４を中心に蓋
体３を開成方向に付勢するねじりコイルばね７を挿着
し、このねじりコイルばね７のコイル部７ａと当接し水
平方向の移動を係止する支持面６ａで支持され、前記ね
じりコイルばね７の可動側の先端部７ｂと掛止するバネ
フック８を蓋体３に設けている。

【００１５】ここで、バネフック８とねじりコイルばね
先端部７ｂとが掛止すると、ねじりコイルばね７は垂直
方向への移動が規制され、支軸４とコイル部のセンター
とが合致し支持され、支軸４を中心に蓋体３の回動が可
能となる。蓋体３はその後部で支軸４により軸支され、
前部を炊飯器本体１の上部前方側に設けたフックボタン
９により係合している。ヒンジ部６には上方に蓋体３と
炊飯器本体１を電気的に接続するリ−ド線１０の配線通
路１１と、下方に前記リード線１０およびコネクタを収
納する収納スペ−ス１２を設け、ヒンジ部の背部をヒン
ジカバー１３で覆って蓋体装置を構成している。なお、
このヒンジカバー１３はヒンジ部６の開口部６ｂ、６ｃ
に相対してツメ１３ｂ、１３ｃを設けている。

【００１６】（実施例２）次に、本発明の第２の実施例
を図１と図３および図４を参照しながら説明する。先端
部７ｂを略Ｌ形および略Ｕ形に折曲げたねじりコイルば
ね７の下端部７ｃをヒンジ部６の係止穴６ｄに挿入し、
コイル部７ａを支持リブ６ｅ間に挟着している。このと
き、ねじりコイルばね先端部７ｂはヒンジ部６より突出
した状態で挿着されている。ここで、ヒンジ部６の両外
側面６ｆと蓋体３の支軸内面４ｂを合わせて蓋体３をヒ
ンジ部６に取付けると、ねじりコイルばね先端部７ｂは
蓋体３の案内リブ３ａに沿って凸状のバネフック８と自
動的に掛止すると同時に、蓋体３の支軸４とヒンジ部６
の軸受凹部５も枢支するように構成している。

【００１７】（実施例３）次に、本発明の第３の実施例
を図１と図３を参照しながら説明する。ヒンジ部６に挿
着したねじりコイルばね７は可動側のアーム７ｄがヒン
ジ部６の中央で可動するように配設し、蓋体３と炊飯器
本体１とを電気的につなぐリード線１０の配線通路１１
をねじりコイルばね７の反対側の軸受凹部５との間に設
け、配線通路１１の両側に高い仕切りリブ６ｇを配設し
てリード線１０を導きやすくしている。

【００１８】（実施例４）次に、本発明の第４の実施例
を図１と図５および図６を参照しながら説明する。ヒン
ジ部６の両側外壁に配設し支軸４と枢支する軸受凹部５
の奥面５ａに側壁を設け、開口側部を連結させ、従来の
断面形状ニ形からコ形に形成している。これは、蓋体３
の係止面３ｂとヒンジ部６の上端係止面６ｉとが当接し
て蓋体３の開成が係止され（図５による）、この開放状
態の蓋体３に開方向の外力を加えても変形、破損などし
ないように設けている。また、軸受凹部５の奥面５ａと
支軸４の先端４ａのスキマ（図６の）調節のみで蓋体
３の左右方向のガタツキが管理できるようにしている。

【００１９】（実施例５）次に、本発明の第５の実施例
を図５〜図８を参照しながら説明する。樹脂材の蓋体３
と一体成型した一対の支軸４は、支軸内面４ｂより突状
に設け外面開口の孔部４ｃを支軸内面４ｂより内方位置
まで形成し、孔部４ｃに金属材のねじ１４（図７）、ピ
ンや軸１５（図８）などを締着、挿着できるように設
け、開放した蓋体３に開方向の外力を加えても変形、破
損などしないように、強度を更にアップできる構成にし
ている。

【００２０】（実施例６）次に、本発明の第６の実施例
を図５と図６を参照しながら説明する。上記実施例５で
記載の支軸内面４ｂより突出している支軸４を金属材の
みで構成し、支軸４の外径寸法を小さく（をへ）設
けても強度を維持することができるため、蓋体外面と支
軸間を狭いスペース（をへ）で構成できる。

【００２１】以上のように構成された炊飯器の蓋体装置
の組立手順についてに説明する。まず炊飯器本体１のヒ
ンジ部６に設けた係止穴６ｄと支持リブ６ｅ間に、ねじ
りコイルばね７の下端部７ｃとコイル部７ａを挿着し、
次にヒンジ部６の両外側面６ｆと蓋体３の支軸内面４ｂ
とを合わせて蓋体３を挿着すると、蓋体３の支軸４とヒ
ンジ部６の軸受凹部５が枢支し、同時にねじりコイルば
ね７の先端部７ｂと蓋体３のバネフック８が掛止して取
付けられ、最後にヒンジカバー１３を挿着することで簡
単に組立が完了する。

【００２２】

【発明の効果】以上のように、請求項１記載の発明によ
れば、本体開口部を蓋で開閉自在に覆うための支軸及び
軸受部と、前記蓋体を開蓋付勢するねじりコイルばねと
を備え、前記ねじりコイルばねは、そのコイル部及び両
端部の少なくとも一方向への動きが抑制されてなること
により、蓋体装置に必要な部品はねじりコイルばねのみ
で構成でき、組立も簡素化することができる。更に、ね
じりコイルばねにヒンジ軸などの金属部品を使用してい
ないため、蓋体の開閉時に発生する金属材が擦れる音が
なくなり、音防止用のグリースの塗布も廃止できるなど
製造コストの低減が図れ、品質が向上し高い信頼性を得
ることができる。

【００２３】また、請求項２記載の発明によれば、本体
中央でねじりコイルばねの可動側のアームが可動するよ
うに挿着しているため、リード線の配線通路をヒンジカ
バーのツメと係合する開口部と軸受凹部に介在させるこ
とができ、リード線の配線を妨げるヒンジ軸もなく、配
線通路を広く形成でき、ねじりコイルばねが近設してい
ないので断線などの品質問題もなくなるなど、リード線
の配線処理が簡単になり組立工数の簡素化と品質の安定
化を図ることができる。

【００２４】また、請求項３記載の発明によれば、開放
した蓋体に開方向の外力が加わっても軸受凹部は変形、
破損などなく強度アップすることができ、蓋体の左右方
向のガタツキ規制がしやすくなることから、品質が向上
し高い信頼性を得ることができる。

【００２５】また、請求項４記載の発明によれば、開放
した蓋体に開方向の外力を受けても変形、破損などしな
いように、強度を更にアップできることから、品質が向
上し高い信頼性を得ることができる。

【００２６】また、請求項５記載の発明によれば、軸支
している支軸を金属材で形成することで、支軸径を細く
しても強度を確保できるため、軸支構成が省スペースで
きることにより炊飯器本体自体のコンパクト化が図れる
ものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す炊飯器の分解斜視図

【図２】同、炊飯器の一部破断側面図

【図３】同、炊飯器の要部背面図

【図４】図３のＡ−Ａ断面図

【図５】図３のＢ−Ｂ断面図

【図６】本発明の実施例を示す炊飯器の支軸と軸受凹部
の要部断面図

【図７】同、炊飯器の支軸に別部品を取付けた要部断面
図

【図８】同、炊飯器の支軸に別部品を取付けた別の要部
断面図

【図９】同、炊飯器の金属製支軸の要部断面図

【図１０】従来例を示す炊飯器の分解斜視図

【図１１】同、炊飯器の一部破断側面図

【図１２】同、炊飯器の要部背面図

【図１３】図１２のＣ−Ｃ断面図

【図１４】従来例を示す炊飯器の蓋体の組立説明図

【図１５】同、図１４の続きの組立説面図

【符号の説明】

１ 炊飯器本体 ３ 蓋体 ４ 支軸 ４ｃ 孔部（支軸） ５ 軸受凹部 ５ａ 奥面（軸受凹部） ６ ヒンジ部 ６ｄ 係止穴（ヒンジ部） ７ ねじりコイルばね ７ｂ 先端部（ねじりコイルばね） ７ｃ 下端部（ねじりコイルばね） ８ バネフック ９ フックボタン １０ リード線 １１ 配線通路

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体開口部を蓋で開閉自在に覆うための
   支軸及び軸受部と、前記蓋体を開蓋付勢するねじりコイ
   ルばねとを備え、前記ねじりコイルばねは、そのコイル
   部及び両端部の少なくとも一方向への動きが抑制されて
   なる炊飯器。
2. 【請求項２】 ねじりコイルばねの可動側のアームは、
   本体の略中央に配されてなる請求項１記載の炊飯器。
3. 【請求項３】 軸受部は、軸受凹部の奥面に側壁を設
   け、前記軸受凹部の開口側部を連結させて形成してなる
   請求項１記載の炊飯器。
4. 【請求項４】 支軸は、樹脂で構成され、その外面開口
   の孔部を金属材で補強してなる請求項１記載の炊飯器。
5. 【請求項５】 支軸は、金属材で構成されてなる請求項
   １記載の炊飯器。