JPH11190328A - 半導電性シリコーンゴムロール - Google Patents

半導電性シリコーンゴムロール

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JPH11190328A
JPH11190328A JP35955197A JP35955197A JPH11190328A JP H11190328 A JPH11190328 A JP H11190328A JP 35955197 A JP35955197 A JP 35955197A JP 35955197 A JP35955197 A JP 35955197A JP H11190328 A JPH11190328 A JP H11190328A
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JP
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silicone rubber
semiconductive
roll
carbon black
rubber
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JP35955197A
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English (en)
Inventor
Seisuke Sakyo
靖介 佐京
Masatoshi Naoi
正俊 直井
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Shin Etsu Polymer Co Ltd, Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Polymer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 シリコーンゴムで構成されていても抵抗値が
電圧に依存しない優れた半導電性のゴムロールを提供す
る。 【解決手段】 導電性軸体2の周囲に、半導電性シリコ
ーンゴムスポンジからなる内層3を有し、その外側に半
導電性シリコーンソリッドゴムからなる外層4を有する
2層構造の半導電性のゴムロールで構成され、それぞ
れのシリコーンゴムが平均粒子径70nm以上350n
m以下の範囲から選ばれ、DBP吸油量が28ml/1
00g以上63ml/100g以下の範囲から選ばれた
カーボンブラックを、シリコーンゴムコンパウンド10
0重量部に対し、50重量部以上200重量部以下含有
して形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式を利
用した複写機、LBP(レーザービームプリンタ)、フ
ァクシミリ等に使用される半導電性シリコーンゴムロー
ルに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式を利用した複写機、LB
P、ファクシミリ等に用いられる各種機器は、帯電、露
光、現像、転写および定着の各工程の繰り返しによって
印刷物を得るのが一般的である。帯電工程では感光体の
表面に均一な電荷を付与する。露光工程では原稿からの
反射光、レーザー光、LED光等の照射により感光体上
に静電潜像を形成させる。現像工程ではトナー等により
静電潜像を可視化する。転写工程では可視化された像を
静電的に記録紙上に転写する。定着工程ではトナーを記
録紙上に加熱加圧定着する。以上5工程により印刷物が
得られる。半導電性ロールは、露光、定着工程以外の3
工程で使用される。また現像ロールにトナーカートリッ
ジからトナーを搬送するロールに半導電性ロールが用い
られることもある。これらロールの重要な機能に、感光
体、トナーあるいは紙に電荷を付与したり、静電力でト
ナーを搬送することがある。そして印字条件、紙の種類
や環境が変化した場合、それぞれのロールに印加する電
圧あるいは電流を変化させて印字品位を一定に保つよう
な制御をしている。従来、このような半導電性ロールと
して、ウレタンゴム、NBRまたはEPDMからなるも
のが好適に用いられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ウレタ
ンゴム、NBRまたはEPDMからなる半導電性ロール
にあっては、抵抗値等の電気的特性とトナーに対する電
荷付与特性が装置内の温度や湿度等に強く依存するた
め、使用することができるトナーや感光体が限定される
のみならず、使用できる装置の仕様も限定されるという
問題があった。特に、ウレタンゴムからなる半導電性ロ
ールにあっては、空気中の水分による加水分解の発生も
あり、この問題が顕著であった。また各ロールには高電
圧が印加されるため、微量ながらオゾンが発生し、これ
によりロール表面が劣化してしまうという問題もあっ
た。
【0004】これらの問題点を解決するものとして、抵
抗値が環境にほとんど依存せず、耐オゾン性も良好で劣
化を抑制できるシリコーンゴムからなる半導電性シリコ
ーンゴムロールが提案されている。しかし、これには抵
抗値の電圧依存性という問題がある。すなわち、半導電
性シリコーンゴムの場合、絶縁性であるシリコーンゴム
にカーボンブラックを添加して半導電性にするが、印加
電圧を上げるほど抵抗値が低下してしまう。これは絶縁
性ゴムに導電粒子を分散させて導電化させる、いわゆる
電子導電系では避けられない問題である。
【0005】NBRまたはEPDMからなる半導電性ゴ
ムロールは、電子導電系であるにもかかわらず抵抗値の
電圧依存性が少ないのは、多量に配合された可塑剤や安
定剤等が導電に寄与し、またゴム自体の電気絶縁性が低
いことにもよると考えられている。また、ウレタンゴム
は、抵抗値の電圧依存性がほとんど無いが、これはイオ
ン導電により導電化してあるためである。イオン導電と
は自由に熱運動できるポリマー中の非共有電子対と、リ
チウム等の金属イオンとで電子をやりとりすることによ
って導電化するというものであり、電子導電とは区別さ
れる。シリコーンゴムは、その特異な分子構造を有する
ため、イオン導電が適用できにくく、また適用するには
熱運動できる非共有電子対を持ったポリマーを添加する
必要があり、これがブリードして感光体を汚染したり、
あるいは分子の熱運動を利用しているため温度によって
抵抗値が大きく変わってしまい、環境依存性が小さいと
いうシリコーンゴムの持つ良特性を損なってしまう。
【0006】また、従来のような電圧依存性の大きい半
導電性シリコーンゴムを使用した場合、電子写真方式に
おいては、上記したように各半導電性ロールに印加する
電圧あるいは電流を、印字条件、紙の種類や環境により
制御しているが、例えば電流を一定にした場合、厚い紙
を使用したり、あるいは低湿条件にすると紙の抵抗値が
上昇し、電流が低下してしまう。このような場合、電圧
を上げるが、このときロールの抵抗値が下がってしま
い、良好な画像が得られなくなったり、必要以上に電流
が流れたり、あるいは電圧の制御に対する電流の増加量
が大きく、かなり精度の高い電圧制御が必要になる。そ
の結果、高品位印字化、小型化、低コスト化に不利であ
るという問題があった。本発明は、上記した従来の問題
点を解決するものであり、シリコーンゴムで構成されて
いても抵抗値が電圧に依存しない優れた半導電性シリコ
ーンゴムロールを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、カーボンブラッ
クの種類および添加量を限定し、半導電性シリコーンゴ
ムスポンジと半導電性シリコーンソリッドゴムとの二層
構造にすることにより、課題を解決できる優れた半導電
性シリコーンゴムロールを見いだし、本発明を完成させ
た。すなわち、本発明は、導電性軸体の周囲に、少なく
とも半導電性シリコーンゴムスポンジの内層を有し、そ
の外側に半導電性シリコーンソリッドゴムの外層を有す
る2層構造の半導電性シリコーンゴムロールであって、
それぞれのシリコーンゴムが平均粒子径70nm以上3
50nm以下の範囲から選ばれ、かつDBP吸油量が2
8ml/100g以上63ml/100g以下の範囲か
ら選ばれたカーボンブラックを、シリコーンゴムコンパ
ウンド100重量部に対し、50重量部以上200重量
部以下含有させたものである半導電性シリコーンゴムロ
ール(以下、ゴムロールと略称する。)である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明のゴムロールを添付
図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明のゴム
ロールの一例を示し、図1(a)は、その部分正面図、
図1(b)は、(a)の縦断面図であり、図2は、本発
明のゴムロールの抵抗値の測定方法を示す説明図であ
る。図1に示すように、ゴムロールは、導電性軸体2
の周囲に、少なくとも半導電性シリコーンゴムスポンジ
からなる内層3と、その外側に半導電性シリコーンソリ
ッドゴムからなる外層4とから構成されている。導電性
軸体2は、鉄、アルミニウム(合金)、真鍮等の導電性
金属の芯金またはこれらの表面に無電解ニッケルメッキ
を施したもの、あるいは熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂で
形成された軸状部材に導電性のメッキを施したもの、あ
るいはカーボンブラックや金属粉等の導電性付与剤を配
合した樹脂から軸状に成形したもの等、導電性と剛性を
持つものであればいずれでもよい。この導電性軸体2
は、電子写真装置に組み込まれた状態では、駆動装置に
連結して回転駆動し、また電気的に接地、あるいは回路
と接続してバイアス電圧を印加するのである。
【0009】半導電性シリコーンゴムスポンジからなる
内層3及び半導電性シリコーンゴムソリッドゴムからな
る外層4は、共にカーボンブラックが添加配合される
が、このカーボンブラックとしては、平均粒子径が70
nm以上350nm以下の範囲から選ばれ、DBP吸油
量が28ml/100g以上63ml/100g以下の
範囲から選ばれたものが採用される。平均粒子径はAS
TMD3849による電子顕微鏡観察で測定される。D
BP吸油量はJISK−6221−1982により測定
され、カーボンブラックのストラクチャー発達の程度を
表す。実際のカーボンブラックは、粒子径が広い分布を
持っているが、本発明に用いるカーボンブラックは、な
るべく狭い粒子径分布のものが好ましいため、2種以上
のカーボンブラックの併用は好ましくない。本発明に使
用されるカーボンブラックは、粒子径が比較的大きくス
トラクチャーの発達していないもので、例えば、ゴム用
カーボンブラックの一般呼称でいうと、SRF、FT、
MTといったグレードが主である。従来、導電用として
使用されてきたカーボンブラックは、粒子径が大きくて
も60nm程度であり、またDBP吸油量は100ml
/100g以上のものが主流であった。これは従来、よ
り少ない添加量で高導電性を付与したり、添加により物
性や加工性が悪化しないことを主眼に選定された結果で
あり、本発明のような抵抗値の電圧依存性の低減につい
ては、配慮されていない。
【0010】カーボンブラックの製法については、通
常、SRF、FTはファーネス法により製造されたもの
で、MTはサーマル法により製造されたものである。こ
のようなカーボンブラックの平均粒子径が70nm未満
になると、抵抗値の電圧依存性が悪くなる。平均粒子径
の上限は、大きいもので350nm程度であり、これ以
上は確認できていない。また、カーボンブラックのDB
P吸油量が63ml/100gを超えると、抵抗値の電
圧依存性が大きくなってしまい、逆にDBP吸油量が2
8ml/100g未満であると、抵抗値の電圧依存性が
大きくなる。なお、半導電性シリコーンゴムスポンジを
構成する内層3と、半導電性シリコーンソリッドゴムを
構成する外層4とは、カーボンブラックを同一のものを
使用しても、異なるものを使用してもよい。
【0011】本発明において、導電性軸体上に半導電性
シリコーンゴムスポンジの内層を設けるに先立ち、カー
ボンブラックをシリコーンゴムコンパウンドに添加し、
加硫前の半導電性シリコーンゴムコンパウンドを調製す
る。カーボンブラックの添加量は、シリコーンゴムコン
パウンド100重量部に対して50重量部以上200重
量部以下の範囲であるが、50重量部未満では、得られ
るゴムロールの抵抗値が高いか、あるいは絶縁性になっ
てしまい、逆に200重量部を超えて添加すると抵抗値
が低くなりすぎてしまう。
【0012】ここで、ゴムロールの抵抗値は、図2に示
すような方法によって測定される。図中の符号を用いて
説明すると、得られたゴムロール1を半導電性シリコー
ンゴムロール支持部材5で圧着支持し、これを回転電極
支持部材6で支持された金属製回転電極7に圧接させ、
このときの押し込み量を0.4mmとした。導電性軸体
2と半導電性シリコーンゴムロール支持部材5、および
金属製回転電極7と回転電極支持部材6はそれぞれ電気
的に接続されている。このゴムロール1を20rpmで
回転させ、金属製回転電極7がこれに従動する状態にお
いて、半導電性シリコーンゴムロール支持部材5と回転
電極支持部材6の間に電圧を印加し、このときの電流値
から抵抗値を算出する。電圧500Vで測定し、1×1
3 〜1×1010Ωの範囲を本発明における半導電性の
範囲とする。
【0013】シリコーンゴムコンパウンドは、ビニル基
含有ジメチルシリコーン生ゴム、ビニル基含有メチルフ
ェニルシリコーン生ゴム、ビニル基含有フルオロシリコ
ーン生ゴム等に必要に応じて煙霧質シリカ、沈降性シリ
カ等の補強性シリカ充填剤を添加し、さらに加硫硬化に
必要な加硫剤を添加してなるものである。この加硫剤と
しては、1分子中に珪素原子と結合する水素原子を2個
以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと触
媒量の白金系触媒とが添加される。また常温でのスコー
チを防止する目的で反応制御剤を適宜添加してもよい。
さらに、加硫剤として過酸化物を補助的に併用するのも
物性向上に効果があり、これにはベンゾイルパーオキサ
イド、ビス−2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキ
サイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチル
パーオキシ)ヘキサン等が例示される。また、耐熱性向
上剤や硬度を調整するために非補強性シリカを添加して
もよい。
【0014】内層3として形成される半導電性シリコー
ンゴムスポンジは、上記したシリコーンゴムコンパウン
ドに、カーボンブラックを添加し、さらにスポンジとす
るために発泡剤を添加する。この発泡剤としては、化学
発泡剤が好適に使用でき、これには重炭酸ナトリウム等
の無機発泡剤と、ADCA、AIBN等の有機発泡剤が
例示される。これらの分解温度は100℃〜200℃で
あり、加熱加硫と同時に発泡させるにあたり、本発明に
よる加硫方法とのバランスがとりやすい。その含有量は
加硫前の半導電性シリコーンゴムコンパウンドに対し、
0.5〜5重量%の範囲にするのが好ましい。この値が
0.5重量%未満では十分に発泡せず、5重量%を超え
ると発泡にあまり効果がなく機械強度が低下してしまう
場合もある。これらの混合に際しては、通常用いられる
混練方法でよく、例えば、加圧ニーダー、バンバリーミ
キサー、ミキシングロール、プラネタリーミキサー等で
均一に混練すればよい。また、加硫剤としてのオルガノ
ハイドロジェンポリシロキサンは成形加工の直前にミキ
シングロールにより均一に混合すれば、目的とする加硫
前の半導電性シリコーンゴムコンパウンドが得られる。
外層4として形成される半導電性シリコーンソリッドゴ
ムは、上記半導電性シリコーンンゴムスポンジの構成に
おいて、発泡剤を除いた構成であればよい。
【0015】次に本発明のゴムロールの製造方法につい
て説明すると、主に半導電性シリコーンゴムスポンジ
の内層をまず成形し、その後、半導電性シリコーンソリ
ッドゴムの外層を成形する方法、半導電性シリコーン
ゴムスポンジの内層と半導電性シリコーンソリッドゴム
の外層を別々に成形し、組み合わせる方法、半導電性
シリコーンゴムスポンジの内層と半導電性シリコーンソ
リッドゴムの外層を一度に成形する方法、の3通りが挙
げられる。の方法では、まず導電性軸体と上記半導電
性シリコーンゴムコンパウンドを押出機でクロスヘッド
を用いて一体押し出しした後、HAV炉、ギアーオーブ
ン、あるいはIR(赤外線)炉で加熱加硫発泡して半導
電性シリコーンゴムスポンジの内層を設ける。この場合
には、必要に応じて導電性軸体と半導電性シリコーンゴ
ムスポンジの接着力を強くするために、導電性軸体にあ
らかじめプライマーを塗布するのも任意である。
【0016】また、導電性軸体なしで半導電性シリコー
ンゴムコンパウンドをチューブ状に押し出しして上記と
同様に加熱加硫発泡して半導電性シリコーンゴムスポン
ジのチューブを成形し、これを導電性軸体に被せて半導
電性シリコーンゴムスポンジの内層を設けてもよい。こ
の場合は、必要に応じて半導電性シリコーンゴムスポン
ジのチューブと導電性軸体の間を接着剤で固定してよい
が、半導電性を阻害しないように導電性の接着剤を用い
るのが望ましい。
【0017】さらに、この半導電性シリコーンゴムスポ
ンジの内層は、導電性軸体を成形金型内にセットした
後、該金型内に上記半導電性シリコーンゴムコンパウン
ドを注入して加熱硬化させる(射出成形)、あるいは導
電性軸体と半導電性シリコーン組成物を金型内で同時に
加熱、圧縮して成形する(プレス成形)ことも可能であ
る。ただし発泡体であるため、前記押出し成形によるの
が好ましい。これは常圧での成形であるため発泡しやす
いからである。射出成形あるいはプレス成形を行う場合
は、加熱温度を発泡剤の分解温度前後に設定し、圧力開
放と同時に、あるいは後加熱により発泡させることにな
るが、加熱温度の制御等、かなりの加工条件精度が要求
され、安定的に製品を得るには好ましくない。いずれの
場合も、そのままスキン層付きで用いてもよいが、円筒
研削盤によりスキン層を取り除くとともに外径値をそろ
える方がより望ましい。以上のようにして成形した導電
性軸体と半導電性シリコーンゴムスポンジの内層との一
体物を、押出機でクロスヘッドに投入し、その外周に半
導電性シリコーンゴムコンパウンドを被覆する。これを
HAV炉、ギアーオーブン、あるいはIR(赤外線)炉
で加熱加硫して半導電性シリコーンソリッドゴムの外層
を成形する。
【0018】の方法では、半導電性シリコーンゴムス
ポンジの内層は上記と同様の方法で成形する。外層は
半導電性シリコーンゴムコンパウンドを押し出してチュ
ーブを成形し、これをカットして作製し、半導電性シリ
コーンゴムスポンジの内層に被覆する。また、導電性軸
体を成形金型内にセットした後、該金型内に上記半導電
性シリコーンゴムコンパウンドを注入して加熱硬化させ
(射出成形)、あるいは導電性軸体と半導電性シリコー
ン組成物を金型内で同時に加熱、圧縮して成形(プレス
成形)し、次いで導電性軸体から半導電性シリコーンゴ
ムを取り外してチューブとし、これを半導電性シリコー
ンゴムスポンジの内層に被覆してもよい。
【0019】の方法では、2色成形のクロスヘッドを
備えた押出機を用い、半導電性シリコーンソリッドゴム
用の半導電性シリコーンゴムコンパウンドと半導電性シ
リコーンゴムスポンジ用の半導電性シリコーンゴムコン
パウンドを一度に押し出しして成形する。このとき2層
のチューブを成形してから導電性軸体を挿入してもよい
し、導電性軸体と同時に押し出しして一体成形してもよ
い。接着方法等に関してはの方法と同様である。
【0020】このような方法により作製されたゴムロー
ルは、成形後にギアーオーブン等を用いて二次加硫を行
い物性の安定化を図ることもできる。この場合の二次加
硫温度は、100〜225℃の範囲が好ましい。また、
このゴムロールは、外周面を円筒研削盤により表面研磨
し、所望の製品外径値に仕上げることができる。この場
合、半導電性シリコーンゴムスポンジの内層と半導電性
シリコーンソリッドゴムの外層の厚さは、特に限定され
ないが、内層を厚く、外層を薄くすれば得られるゴムロ
ールの硬度は低くなるので、所望の硬度となるように各
々設定すればよい。
【0021】なお、抵抗値の電圧依存性改善の機構は完
全には解明されていないが、一般的にシリコーンゴムに
限らず、ゴムマトリクス中にカーボンブラックを分散さ
せて導電化する場合、カーボンブラックの粒子相互は接
触しておらず、トンネル効果、ショットキー導電、絶縁
破壊等で導電化するといわれており、これらにより電圧
依存性が発現すると考えられる。この中でも特にショッ
トキー導電、絶縁破壊による場合は抵抗値の電圧依存性
が大きくなるので望ましくない。このショットキー導
電、絶縁破壊の発生する容易さは、導電粒子の形状に依
存すると考えられ、ストラクチャー構造が発達して繊維
状でアスペクト比が大きいと容易に起こると考えられ
る。また同様に粒子径が小さいとゴム中に分散しにくく
なり、二次凝集して擬似ストラクチャー構造をとるた
め、ショットキー導電、絶縁破壊が容易に発生する。そ
のためカーボンブラックの形状は本発明に使用されるよ
うにストラクチャーが発達しておらず、粒子径の大きな
ものが有利であり、このようなカーボンブラックを本発
明のような2層構造とすることでその目的を達成でき
る。
【0022】
【実施例】(実施例1)シリコーンゴム・KE151U
(信越化学工業社製、商品名)100重量部に対し、有
機過酸化物加硫剤・C−3(信越化学工業社製、商品
名)2重量部、オルガノハイドロジェンポリシロキサン
3重量部、触媒量の塩化白金酸、適量の反応制御剤を加
え、外層用シリコーンゴムコンパウンドを調製した。上
記シリコーンゴムコンパウンド100重量部に対し、カ
ーボンブラックHTC−20(中部カーボン社製、商品
名、平均粒子径85nm、DBP吸油量30ml/10
0g)80重量部を加え、加硫前の半導電性シリコーン
ゴムコンパウンドを調製した。また、前記半導電性シリ
コーンゴムコンパウンドに対し、2重量%の発泡剤AI
BNを含有させた以外は上記と同様の内層用シリコーン
ゴムコンパウンドも調製した。
【0023】次にクロスヘッドを備えた押出機を用いて
内層用の半導電性シリコーンゴムコンパウンドを導電性
軸体上に一体分出しした。導電性軸体は、硫黄快削鋼
(JISSUM22)にニッケル無電解メッキを施した
直径8mmのシャフトを用い、このシャフトにシリコー
ン系プライマー・プライマーNo.101AとNo.1
01Bを1:1に混合したもの(信越化学工業社製、商
品名)を塗布し、これをギアーオーブン中で150℃の
温度により10分間焼き付け処理をしたものを用いた。
【0024】その後250℃、30分間熱風加熱炉によ
り加熱加硫させた。これを200℃、4時間の後処理を
した後、円筒研削盤により研磨し、外径φ14.5mm
の、半導電性シリコーンスポンジロールを成形した。一
方、外層用の半導電性シリコーンゴムコンパウンドを、
同じくクロスヘッドを備えた押出機を用いて内径φ14
mm、外径φ16mmのチューブ状に押し出しし、加熱
加硫により半導電性シリコーンソリッドゴムのチューブ
を成形した。次に、先に成形した半導電性シリコーンス
ポンジロールに、この半導電性シリコーンソリッドゴム
のチューブを被せて2層構造のゴムロールを製作した。
【0025】得られたゴムロールについて、ロールの5
00V印加時の抵抗値と、1000V、2000V印加
時の抵抗値の比を表1に示した。なお、ロールの評価方
法は、[図2]に示す方法で抵抗値を測定して行なっ
た。測定方法の詳細は前述の通りであるが、抵抗値の電
圧依存性の評価は(2000V印加時の抵抗値)÷(1
000V印加時の抵抗値)の値で評価した。これが0.
6以上の場合、良好である。また500V印加時の抵抗
値は1×103 〜1×1010Ωが半導電性として用いら
れる範囲である。
【0026】(実施例2)カーボンブラックHTC−2
0(同前)の添加部数を50重量部とした以外は実施例
1と同様にして2層構造のゴムロールを成形した。この
ゴムロールについて、実施例1と同様の方法により、抵
抗値を測定し、その結果を表1に示した。
【0027】(実施例3)カーボンブラックHTC−2
0(同前)の添加部数を200重量部とした以外は実施
例1と同様にして2層構造のゴムロールを成形した。こ
のゴムロールについて、実施例1と同様の方法により、
抵抗値を測定し、その結果を表1に示した。
【0028】(実施例4)カーボンブラックHTC−2
0(同前)の添加部数を内層用シリコーンゴムコンパウ
ンド100重量部に対して50重量部、外層用シリコー
ンゴムコンパウンド100重量部に対して200重量部
とした以外は実施例1と同様にして2層構造のゴムロー
ルを成形した。このゴムロールについて、実施例1と同
様の方法により、抵抗値を測定し、その結果を表1に示
した。
【0029】(実施例5)カーボンブラックHTC−2
0(同前)の添加部数を内層用シリコーンゴムコンパウ
ンド100重量部に対して200重量部、外層用シリコ
ーンゴムコンパウンド100重量部に対して50重量部
とした以外は実施例1と同様にして2層構造のゴムロー
ルを成形した。このゴムロールについて、実施例1と同
様の方法により、抵抗値を測定し、その結果を表1に示
した。
【0030】(実施例6)カーボンブラックHTC−2
0(同前)に替えて、カーボンブラックHTC−SL
(中部カーボン社製商品名、平均粒子径70nm、DB
P吸油量55ml/100g)80重量部とした以外は
実施例1と同様にして2層構造のゴムロールを成形し
た。このゴムロールについて、実施例1と同様の方法に
より、抵抗値を測定し、その結果を表1に示した。
【0031】(実施例7)カーボンブラックHTC−2
0(同前)に替えて、Sevacarb MT−Cl
(コロンビアンケミカルスカンパニー製商品名、平均粒
子径350nm、DBP吸油量41ml/100g)1
20重量部添加した以外は実施例1と同様にして2層構
造のゴムロールを成形した。このゴムロールについて、
実施例1と同様の方法により、抵抗値を測定し、その結
果を表1に示した。
【0032】(実施例8)カーボンブラックHTC−2
0(同前)に替えて、カーボンブラック・アサヒサーマ
ル(旭カーボン社製、商品名、平均粒子径80nm、D
BP吸油量28ml/100g)100重量部とした以
外は実施例1と同様にして2層構造のゴムロールを成形
した。このゴムロールについて、実施例1と同様の方法
により、抵抗値を測定し、その結果を表1に示した。
【0033】(実施例9)カーボンブラックHTC−2
0(同前)に替えて、カーボンブラック・旭#50(旭
カーボン社製、商品名、平均粒子径80nm、DBP吸
油量63ml/100g)100重量部とした以外は実
施例1と同様にして2層構造のゴムロールを成形した。
このゴムロールについて、実施例1と同様の方法によ
り、抵抗値を測定し、その結果を表1に示した。
【0034】(実施例10)実施例1と同様にして成形
した半導電性シリコーンスポンジロールの外周に、クロ
スヘッドを備えた押出機を用いて実施例1と同様の外層
用半導電性シリコーンゴムコンパウンドを略同心円状に
被せ、加熱加硫して2層構造のゴムロールを成形した。
このゴムロールについて、実施例1と同様の方法によ
り、抵抗値を測定し、その結果を表1に示した。
【0035】
【表1】
【0036】(比較例1)カーボンブラックHTC−2
0(同前)の添加部数を45重量部とした以外は実施例
1と同様にして2層構造のゴムロールを成形した。この
ゴムロールについて、実施例1と同様の方法により、抵
抗値を測定し、その結果を表2に示した。
【0037】(比較例2)カーボンブラックHTC−2
0(同前)の添加部数を205重量部とした以外は実施
例1と同様にして2層構造のゴムロールを成形した。こ
のゴムロールについて、実施例1と同様の方法により、
抵抗値を測定し、その結果を表2に示した。
【0038】(比較例3)カーボンブラックHTC−2
0(同前)に替えて、平均粒子径65nm、DBP吸油
量30ml/100gのカーボンブラック80重量部添
加した以外は実施例1と同様にして2層構造のゴムロー
ルを成形した。このゴムロールについて、実施例1と同
様の方法により、抵抗値を測定し、その結果を表2に示
した。
【0039】(比較例4)カーボンブラックHTC−2
0(同前)に替えて、平均粒子径80nm、DBP吸油
量25ml/100gのカーボンブラック80重量部添
加した以外は実施例1と同様にして2層構造のゴムロー
ルを成形した。このゴムロールについて、実施例1と同
様の方法により、抵抗値を測定し、その結果を表2に示
した。
【0040】(比較例5)カーボンブラックHTC−2
0(同前)に替えて、平均粒子径80nm、DBP吸油
量65ml/100gのカーボンブラック80重量部添
加した以外は実施例1と同様にして2層構造のゴムロー
ルを成形した。このゴムロールについて、実施例1と同
様の方法により、抵抗値を測定し、その結果を表2に示
した。
【0041】(比較例6)実施例と同様にして、半導電
性シリコーンスポンジロールを製作し、チューブを被せ
ずにそのままのロールとした。このロールについて、実
施例1と同様の方法により、抵抗値を測定し、その結果
を表2に示した。
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】上記実施例から明らかなように、本発明
のゴムロールによれば、抵抗値が電圧によらず一定であ
るので、各半導電性ロールに印加する電圧あるいは電流
を、印字条件、紙の種類、環境により制御するにあた
り、精度の高い制御が可能になり、結果的に印字品位を
高めることができるとともに、小型化、低コスト化に有
利になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のゴムロールの一例を示し、
(a)は部分正面図、(b)は(a)の縦断面図であ
る。
【図2】本発明のゴムロールの抵抗値の測定方法を示す
説明図である。
【符号の説明】
1…ゴムロール 2…導電性軸体 3…半導電性シリコーンゴムスポンジの内層 4…半導電性シリコーンソリッドゴムの外層 5…金属製回転電極 6…回転電極支持部材 7…抵抗測定器 8…ゴムロール支持部材
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03G 15/08 501 G03G 15/08 501A 15/16 15/16

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性軸体の周囲に、少なくとも半導電
    性シリコーンゴムスポンジの内層を有し、その外側に半
    導電性シリコーンソリッドゴムの外層を有する2層構造
    の半導電性シリコーンゴムロールであって、それぞれの
    シリコーンゴムが平均粒子径70nm以上350nm以
    下の範囲から選ばれ、かつDBP吸油量が28ml/1
    00g以上63ml/100g以下の範囲から選ばれた
    カーボンブラックを、シリコーンゴムコンパウンド10
    0重量部に対し、50重量部以上200重量部以下含有
    させたものであることを特徴とする半導電性シリコーン
    ゴムロール。
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