JPH11189755A - 粘着テープ用基材、粘着テープ及び離型テープ付き粘着テープ - Google Patents

粘着テープ用基材、粘着テープ及び離型テープ付き粘着テープ

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JPH11189755A
JPH11189755A JP9368316A JP36831697A JPH11189755A JP H11189755 A JPH11189755 A JP H11189755A JP 9368316 A JP9368316 A JP 9368316A JP 36831697 A JP36831697 A JP 36831697A JP H11189755 A JPH11189755 A JP H11189755A
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JP
Japan
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adhesive tape
pressure
sensitive adhesive
layer
tape
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JP9368316A
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English (en)
Inventor
Takeo Azuma
健夫 東
Takeo Omori
武雄 大森
Seiichi Ibe
清一 伊部
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Kureha Corp
Original Assignee
Kureha Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 裏面の滑り性に優れ、半導体チップの生産歩
留まりを向上させることができる粘着テープ用基材、粘
着テープ及び離型テープ付き粘着テープを提供すること
を目的とする。 【解決手段】 本発明は、複数の樹脂層のうち表面側の
粘着剤被塗布層2に粘着剤層7を介して半導体ウェハを
固定するための粘着テープ用基材1であって、複数の樹
脂層のうち裏面側のシリカ粒子含有層4がシリカ粒子5
を含有することを特徴とする。この発明によれば、シリ
カ粒子5を裏面側のシリカ粒子含有層4中に含有させる
ことでその表面が凹凸状となる。また、シリカ粒子5が
シリカ粒子含有層4中に埋設されるため、テープ10が
応力を受けて変形した時にシリカ粒子5がシリカ粒子含
有層4から脱離することがなく、ダイボンダーに粉末が
付着することがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘着テープ用基
材、粘着テープ及び離型テープ付き粘着テープに関し、
より詳細には、ダイシング加工時に半導体ウェハを固定
するための粘着テープ用基材、粘着テープ及び離型テー
プ付き粘着テープに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体チップの製造においては、回路パ
ターンの形成された半導体ウェハを複数のチップに切断
する工程があり、このときの半導体ウェハの固定に、従
来から粘着テープが用いられている。粘着テープは、粘
着テープ用基材の表面側に粘着剤層を塗布してなるもの
であり、半導体チップの製造前の保管に際しては、粘着
テープの粘着剤層の表面側に離型テープを備えたテープ
付き粘着テープとして、テープ付き粘着テープの巻き原
反として保管される。粘着テープは、ダイシング加工で
複数に切断されたチップをピックアップする際に、各チ
ップ同士を分離するため面方向に一様にエキスパンドさ
れる(エキスパンド工程)。このエキスパンド工程は、
例えば粘着テープの周縁部をフレームなどに装着し、こ
のフレームをリング体等に向けて移動させ、リング体等
に粘着テープを裏面側から押し当てることにより行われ
る。この際、リング体等と粘着テープとの接触部で粘着
テープの接触部分のみが伸張するいわゆるネッキング現
象が起こることがあるため、粘着テープの裏面にはある
程度の滑り性が要求される。
【0003】このような粘着テープとしては、例えば特
開平7−221052号公報に記載されるものがある。
この公報記載の粘着テープには、リング体等と接触する
裏面側に、シリコーンオイル、シリコーン樹脂粉末や四
フッ化エチレン樹脂粉末などの摩擦低減剤を含有する樹
脂層が設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た公報記載の粘着テープに使用される摩擦低減剤は樹脂
層を構成する樹脂との親和性(相溶性)がない。例えば
シリコーンオイルは樹脂層の表面に滲み出し、シリコー
ン樹脂粉末や四フッ化エチレン樹脂粉末の場合も樹脂層
表面近傍の粉末表面が樹脂で被覆されていないため、粘
着テープが応力を受けて変形した時(エキスパンド時)
に粉末が脱離してしまう。このため、ダイボンダーが汚
染され、延いてはチップの汚染につながる。従って、半
導体チップの生産歩留まりが低下するおそれがある。
【0005】そこで、本発明は、上記事情に鑑み、裏面
の滑り性に優れ、半導体チップの生産歩留まりを向上さ
せることができる粘着テープ用基材、粘着テープ及び離
型テープ付き粘着テープを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点について鋭意検討した結果、粘着テープのリング体等
と接触する裏面側にシリカ粒子を含有するシリカ粒子含
有層を設けることにより、上記問題点を解消できること
を見い出した。
【0007】すなわち、本発明の粘着テープ用基材は、
複数の樹脂層のうち表面側の粘着剤被塗布層に粘着剤層
を介して半導体ウェハを固定するための粘着テープ用基
材であって、複数の樹脂層のうち裏面側のシリカ粒子含
有層がシリカ粒子を含有することを特徴とする。
【0008】本発明によれば、シリカ粒子含有層を裏面
側に備えることにより基材の裏面が凹凸形状となるた
め、シリカ粒子を含有させない場合に比べて基材裏面の
滑り性が向上する。また、シリカ粒子は、シリカ粒子含
有層を構成する樹脂に被覆されているため、テープが応
力を受けて変形した時にシリカ粒子がシリカ粒子含有層
から脱離することがなく、ダイボンダーに粉末が付着す
ることがない。また、本発明の粘着テープは、上記の粘
着テープ用基材と、この基材の表面側に設けられる粘着
剤層とを備える構成である。この場合、離型テープ付き
粘着テープを製造する工場等において、連続的に成形さ
れた離型テープ付き粘着テープがロールなどに巻き取ら
れる場合に、離型テープと粘着テープ用基材の裏面側の
シリカ粒子含有層とが接触するときでも、シリカ粒子が
離型テープやロールの巻取装置に付着したり飛散したり
することがない。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の粘着テープ用基材、粘着テープ及び離型テープ付き粘
着テープについて説明する。なお、全図中、同一又は相
当部分については同一の符号を付すこととする。
【0010】図1は、本発明の粘着テープの一実施形態
を示す断面図である。図1に示すように、本発明の粘着
テープは、例えば基材フィルム(粘着テープ用基材)1
と、基材フィルム1の表面1a側に設けられた粘着剤層
7とからなり、このうちの粘着剤層7により半導体ウェ
ハ(図示せず)が貼着固定される。基材フィルム1は、
粘着剤層7に隣接する粘着剤被塗布層2と、この層2に
隣接するエラストマーからなる層3と、この層3に隣接
し基材フィルム1の裏面1b側にあるシリカ粒子含有層
4とを積層して形成されている。
【0011】ここで、シリカ粒子含有層4を構成する材
料中には、図2に示すように、シリカ粒子5が含有され
ている。シリカ粒子5は、平均粒径が1〜20μmであ
ることが好ましく、1〜10μmであることがより好ま
しい。平均粒径が1μm未満では、シリカ粒子含有層4
の表面に凹凸が形成されにくく表面の滑り性が低下する
傾向があり、平均粒径が20μmを超えると、押出加工
性が低下する傾向があるからである。このシリカ粒子5
の平均粒径は、例えばコールターカウンター法(日経技
術図書株式会社「粉体物性図説」などに解説)などによ
って測定することができる。また、シリカ粒子含有層4
を構成する材料は、シリカ粒子5を0.1〜4重量%含
むことが好ましく、0.1〜2重量%含むことがより好
ましい。シリカ粒子5の含有率が0.1重量%未満で
は、シリカ粒子含有層4の表面に凹凸が形成されにくく
滑り性が低下する傾向があり、シリカ粒子5の含有率が
4重量%を超えると、押出し加工性が低下する傾向があ
るからである。
【0012】また、シリカ粒子含有層4を構成する樹脂
6は、シリカ粒子5との相溶性が良好でありかつゴム弾
性を有する熱可塑性樹脂であることが好ましい。このよ
うな熱可塑性樹脂としては、例えば低密度ポリエチレン
(以下、「LDPE」という)、中密度ポリエチレン
(以下、「MDPE」という)、エチレン−αオレフィ
ン共重合体である直鎖状低密度ポリエチレン(以下、
「LLDPE」という)若しくは超低密度ポリエチレン
(以下、「VLDPE」という)であってα−オレフィ
ンがプロピレン、ブテン−1、オクテン−1、4メチル
ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1である樹
脂、スチレン系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体(以下、「EVA」という)、エチレン−メチルアク
リレート共重合体(以下、「EMA」という)、エチレ
ン−エチルアクリレート共重合体(以下、「EEAとい
う」)、エチレン−ブチルアクリレート共重合体(以
下、「EBA」という)、エチレン−メチルメタクリレ
ート共重合体(以下、「EMMA」という)、エチレン
−エチルメタクリレート共重合体(以下、「EEMA」
という)又はこれらの樹脂の混合物であってもよい。な
お、上記のシリカ粒子含有層4の厚さは、通常は5〜1
00μmであり、好ましくは10〜50μmである。
【0013】また、シリカ粒子含有層4に隣接するエラ
ストマー層3は、ゴム弾性を有する材料からなる。この
ような材料としては、例えばスチレン−ブタジエン共重
合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチ
レン−エチレンブチレン−オレフィン結晶ブロック共重
合体、オレフィン結晶−エチレンブチレン−オレフィン
結晶ブロック共重合体、エチレン−プロピレンゴム又は
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を水
素添加したもの、VLDPEなどの熱可塑性エラストマ
ー、更にこれとポリエチレン、ポリプロピレン又はエチ
レン−αオレフィン共重合体との混合物が挙げられる。
その他にポリウレタン、ポリブタジエン、ポリブテン、
EVA、ポリエステルエラストマーなどが挙げられる。
これらのうち、成形加工時のメルトフラクチャーや押出
吐出ムラを抑さえることができるという理由から、VL
DPEが好ましい。
【0014】ここで、VLDPEとは、密度が0.91
5g/cm3以下のエチレン−αオレフィン共重合体の
ことをいう。VLDPEの密度が0.915g/cm3
以下であれば特に限定されないが、密度は0.86〜
0.915g/cm3であることが好ましい。これは、
密度が0.86g/cm3未満では、エキスパンド時に
粘着テープが大きな応力緩和をして緊張状態を維持しに
くい傾向があり、密度が0.915g/cm3を超える
と、粘着テープのゴム弾性が発現しにくくなる傾向があ
るからである。このVLDPEは、好ましくはエチレン
にメタロセン触媒(単に、シングルサイト触媒、SSC
−と云うこともある)を添加することで製造される。な
お、上記エラストマー層3の厚さは、通常は5〜100
μmであり、好ましくは10〜50μmである。
【0015】また、粘着剤被塗布層2を構成する樹脂は
シリカ粒子含有層4を構成する樹脂6と同様のものが用
いられるが、特にはEVAが好ましい。これは粘着剤層
7との親和性(相溶性)が良いことと共にゴム弾性を有
する傾向があるからである。このようなEVAの密度と
しては、0.92〜0.95g/cm3であることが好
ましい。なお、粘着剤塗布層2の厚さは、通常は5〜1
0μmであり、好ましくは10〜50μmである。
【0016】このようなシリカ粒子含有層4、エラスト
マー層3及び粘着剤被塗布層2からなる基材フィルム1
は、例えば多層ダイ成形あるいはインフレーション成形
による共押出法、ドライラミネート法、又は上記の各層
同士を接着剤を介して接着することにより作製される。
ここで用いる接着剤としては、シリカ粒子含有層4やエ
ラストマー層3とともに共押出し得る一般の接着剤が挙
げられる。例えばEVAや無水マレイン酸グラフトポリ
オレフィンのような酸無水物グラフトポリオレフィン等
である。このような接着剤層の厚さは通常は0.5〜1
0μmであり、好ましくは1〜5μmである。但し、こ
の接着剤は、シリカ粒子含有層4とエラストマー層3と
の相溶性がよい場合やエラストマー層3と粘着剤被塗布
層2との相溶性がよい場合は不要である。なお、基材フ
ィルム1の厚さは、通常は15〜400μmであり、好
ましくは50〜200μmである。
【0017】更に、基材フィルム1の表面1a側に設け
られた粘着剤層7としては、従来公知のものを広く用い
ることができるが、アクリル系粘着剤が好ましく、この
ようなアクリル系粘着剤として、具体的には、アクリル
酸エステルを主たる構成単位とする単独重合体若しくは
共重合体から選ばれたアクリル系重合体が用いられ、ま
た、エチレンと、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン
酸、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレートなどの官能性単量体との共重合
体及び上記アクリル系重合体と上記官能性単量体との共
重合体との混合物が好ましく用いられる。上記アクリル
系重合体としては、炭素数1〜10のアルキルアルコー
ルのアクリル酸エステル、炭素数1〜10のアルキルア
ルコールのメタアクリル酸エステル、酢酸ビニルエステ
ル、アクリロニトリル、ビニルアルキルエーテルなどを
好ましく使用できる。
【0018】以上のような構成を有する粘着テープ10
によれば、図2に示すように、シリカ粒子5をシリカ粒
子含有層4中に含有させることによりその表面が凹凸状
となるため、シリカ粒子5を含有させない場合に比べて
シリカ粒子含有層4の表面の滑り性が向上する。また、
シリカ粒子5は、シリカ粒子含有層4を構成する樹脂6
に被覆されるため、テープ10が応力を受けて変形した
時にシリカ粒子5がシリカ粒子含有層4から脱離するこ
とがなく、ダイボンダーに粉末が付着することがない。
従って、チップの汚染を十分に防止できる。更に、図3
及び図4に示すように、離型テープ付き粘着テープ12
を製造する工場等において、連続的に成形された離型テ
ープ付き粘着テープ12がロール8などに巻き取られる
場合に、離型テープ11と粘着テープ用基材1のシリカ
粒子含有層4とが接触するときでも、シリカ粒子5が離
型テープ11やロール8の巻取装置に付着したり飛散し
たりすることがない。このため、半導体ウェハのダイシ
ング加工時に、半導体ウェハが粘着剤層7の表面に密着
し、切断されたチップの飛散が十分に防止できる。従っ
て、半導体チップの生産歩留まりを向上させることがで
きる。
【0019】なお、本発明の離型テープ付き粘着テープ
12に用いる離型テープ11としては、紙にシリコンオ
イル若しくはワックスを含浸させたもの、又は離型プラ
スチックフィルムなどが好適に用いられる。また、この
離型テープ11の厚さは原反製造時のロール巻きに支障
のない厚さであれば良く5〜300μmが好ましく用い
られるが、更に好ましくは50〜150μmである。
【0020】以下、本発明を実施例により具体的に説明
する。
【0021】
【実施例】(実施例1)粘着テープ用基材を構成する各
層の材料として、以下の材料を用いた。すなわち、粘着
剤被塗布層2を構成する材料としては、EVA(密度=
0.93g/cm3、融点=103℃、MFR=1.1
g/10min(190℃))を用い、基材フィルムの
エラストマー層3を構成する材料として、メタロセン触
媒による超低密度ポリエチレン(密度=0.87g/c
3、融点=64℃、MFR=1.0g/10min
(190℃))(以下、「SSC−VLDPE」とい
う)を用いた。また、粘着テープ用基材のシリカ粒子含
有層4を構成する材料としては、LLDPE(密度=
0.920g/cm3、融点=122℃、MFR=2.
0g/10min(190℃)))と、シリカ粒子混練
マスターバッチ(三井・デュポンケミカル社製「M−4
4」)との混合物を用いた。ここで、「M−44」は、
EVAであるエバフレックスP−1403をベースに、
平均粒径2〜4μmの天然シリカSiO2を20wt%
添加したものである。「M−44」は、表1に示すよう
に、LLDPE100重量部に対して4重量部添加した
ので、この混合物はシリカ粒子を0.77重量%含む。
また、上記各層を接着する接着剤層を構成する材料とし
ては、EVA(密度=0.95g/cm3、融点=72
℃、MFR=1.1g/10min(190℃))を用
いた。
【0022】次に、これらの樹脂を押出し機で溶融し
た。押出し機は、シリカ粒子含有層4及び粘着剤被塗布
層2を構成する材料については、65mmのフルフライ
ト型スクリューを備えたものを用い、エラストマー層3
及び接着剤層については、それぞれ50mm、35mm
のフルフライト型スクリューを備えたものを用いた。そ
して、これらの樹脂を共押出しサーキュレーションダイ
内で溶融積層させ、ダイレクトインフレーション法を用
いてフィルム状とした後、ピンチロールで折り畳んで両
側をスリットし、2本のロールに振り分けて巻き取っ
た。
【0023】このようにして粘着剤被塗布層2、接着剤
層、エラストマー層3、接着剤層及びシリカ粒子含有層
4の順に積層された粘着テープ用基材が得られた。各層
の厚さは、粘着剤被塗布層2が30μm、接着剤層が5
μm、エラストマー層3が30μm、接着剤層が5μ
m、シリカ粒子含有層4が30μmであり、合計で10
0μmであった。
【0024】このようにして得た粘着テープ用基材の表
面1a側にアクリル系粘着剤を塗布して粘着テープ10
を得た。次に、この粘着テープ10の粘着剤層7の表面
側に離型テープ11を積層して離型テープ付き粘着テー
プ12として、ロールに巻き取り原反として得た。
【0025】この離型テープ付き粘着テープ12を得る
段階で得られるこの粘着テープ用基材の特性を、「滑り
性」、「エキスパンド性」及び「汚染性」に基づいて評
価した。
【0026】「滑り性」とは、エキスパンド時に用いる
エキスパンドリングに対する滑りやすさのことをいい、
この「滑り性」を調べるため、シリカ粒子含有層4の表
面の静摩擦係数と動摩擦係数を測定した。測定は、JI
S K7125に準じて行い、滑り片(63.5mm×
63.5mm)200gに1000gの重りを乗せ合計
1200gとして行った。
【0027】また、「エキスパンド性」とは、粘着テー
プ用基材のネッキング現象の起きにくさのことをいい、
この「エキスパンド性」を調べるために粘着テープ用基
材のエキスパンディングを以下のようにして行った。
【0028】まず、8インチウェハ用フレームに粘着テ
ープ用基材を装着し、このフレームをダイボンダー(ニ
チデン機械社製CPS−800)を用いて10mm下降
させ、円筒状のエキスパンドリングに粘着テープ用基材
を押し当て、粘着テープ用基材のエキスパンドを行っ
た。そして、「エキスパンド性」は、エキスパンド後に
おいて、粘着テープ用基材とエキスパンドリングとの接
触部分のテープ厚が非接触部のそれより50%以上を越
えて薄くなったものについては「×」、10〜50%の
ものについては「△」、10%未満のものについては
「○」と評価した。
【0029】「汚染性」とは、エキスパンド時に粘着テ
ープ用基材がエキスパンドリングなどを汚染する程度の
ことをいう。この「汚染性」を調べるために、まず、粘
着テープ用基材を8インチウェハ用フレームに装着した
ものを30枚準備し、これらのフレームについて、ダイ
ボンダー(ニチデン機械社製「CPS−800」)を用
いて10mm下降させて円筒状のエキスパンドリングに
粘着テープ用基材を押し当て、粘着テープ用基材のエキ
スパンドを連続して行った。そして、この際のエキスパ
ンドリング及びその周辺の汚れ状態を目視で観察するこ
とにより「汚染性」を評価した。このとき、エキスパン
ドリング等に粉体の付着が見られた場合には「×」、粉
体等の付着が見られなかった場合には「○」と評価し
た。
【0030】このような粘着テープ用基材の「滑り
性」、「エキスパンド性」及び「汚れ性」についての結
果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1に示すように、静摩擦係数、動摩擦係
数のいずれも小さく、「滑り性」は良好であった。ま
た、この粘着テープ用基材にはネッキング現象が見られ
ず、「エキスパンド性」についても良好であった。更
に、エキスパンドリングやその周辺にも粉体等の付着は
見られなかった。
【0033】なお、参考として、本実施例のシリカ粒子
含有層4と同様な構成の樹脂層のみを単独で準備し、シ
リカ粒子含有層の表面でシリカ粒子がベースとなる樹脂
で被覆されているかどうかを走査型電子顕微鏡による写
真(以下、「SEM写真」という)を用いて調べた。そ
の結果を図5に示す。図5に示すように、シリカ粒子
は、樹脂で被覆されており、表面に露出していないこと
が分かった。
【0034】(実施例2)シリカ粒子含有層4を構成す
る樹脂としてLDPE(密度=0.919g/cm3
融点=107℃、MFR=20g/10min(190
℃))を用い、このLDPE100重量部に対して「M
−44」を8重量部を添加した(このLDPEと「M−
44」との混合物はシリカ粒子を1.48重量%含む)
を添加した以外は実施例1と同様にして、粘着テープ用
基材を作製し、この粘着テープ用基材について「滑り
性」、「エキスパンド性」及び「汚染性」を調べた。そ
の結果を表1に示す。表1に示すように、静摩擦係数及
び動摩擦係数が特に小さく、「滑り性」も良好であっ
た。また、この粘着テープ用基材にはネッキング現象が
見られず、「エキスパンド性」も良好であった。更に、
エキスパンドリングやその周辺にも粉体等の付着は見ら
れなかった。
【0035】(実施例3)シリカ粒子含有層4を構成す
る樹脂としてEVA(密度=0.93g/cm3、融点
=103℃、MFR=1.1g/10min(190
℃))を用いた以外は実施例1と同様にして、粘着テー
プ用基材を作製し、この粘着テープ用基材について「滑
り性」、「エキスパンド性」及び「汚染性」を調べた。
その結果を表1に示す。表1に示すように、静摩擦係
数、動摩擦係数のいずれも小さく、「滑り性」は良好で
あった。また、この粘着テープ用基材にはネッキング現
象が見られず、「エキスパンド性」についても良好であ
った。更に、エキスパンドリングやその周辺にも粉体等
の付着は見られなかった。
【0036】(比較例1)シリカ粒子含有層4中に「M
−44」を添加しなかった以外は、実施例1と同様にし
て粘着テープ用基材を作製し、この粘着テープ用基材に
ついて、実施例1と同様にして「滑り性」、「エキスパ
ンド性」及び「汚染性」を調べた。その結果を表1に示
す。表1に示すように、エキスパンドリングやその周辺
には粉体等の付着は見られなかったが、静摩擦係数、動
摩擦係数のいずれも実施例1〜3の粘着テープ用基材に
比べて大きく「滑り性」は良好でないことが分かった。
また、この粘着テープ用基材では、際だったネッキング
現象が見られ、「エキスパンド性」も良好でないことが
分かった。
【0037】(比較例2)シリカ粒子含有層4中に「M
−44」を添加せず、更にこの樹脂層の表面を130℃
のエンボスロールに押し付けてエンボス加工した以外
は、実施例1と同様にして粘着テープ用基材を作製し、
この粘着テープ用基材について「滑り性」、「エキスパ
ンド性」及び「汚染性」を調べた。その結果を表1に示
す。表1に示すように、エキスパンドリングやその周辺
には粉体等の付着は見られなかったが、静摩擦係数、動
摩擦係数のいずれも大きく「滑り性」が良好でないこと
が分かった。また、この粘着テープ用基材ではネッキン
グ現象が見られ、「エキスパンド性」についても良好で
ないことが分かった。
【0038】(比較例3)シリカ粒子含有層4中の「M
−44」に代えて、平均粒径3μmのシリコーン樹脂粉
末(東芝シリコーン社製トスパール130)を用い、こ
のシリコーン樹脂粉末をベース樹脂100重量部に対し
て0.8重量部添加した以外は、実施例1と同様にして
粘着テープ用基材を作製し、この粘着テープ用基材につ
いて「滑り性」、「エキスパンド性」及び「汚染性」を
調べた。その結果を表1に示す。表1に示すように、静
摩擦係数、動摩擦係数のいずれも小さく「滑り性」は良
好であり、ネッキング現象も見られず「エキスパンド
性」も良好であったが、エキスパンドリングやその周辺
に粉体等の付着が見られた。
【0039】なお、参考として、本比較例のシリコーン
樹脂含有層と同様な構成の樹脂層を単独で用意し、シリ
コーン樹脂含有層の表面でシリコーン樹脂粉末がベース
となる樹脂で被覆されているかどうかをSEM写真を用
いて調べた。その結果を図6に示す。図6に示すよう
に、シリコーン樹脂粉末はベースとなる樹脂で被覆され
ており、表面に露出していることが分かった。
【0040】(比較例4)シリカ粒子含有層4中に「M
−44」を添加せず、更にベース樹脂としてEVA(密
度=0.93g/cm3、融点=103℃、MFR=
1.1g/10min(190℃))を用いた以外は、
実施例1と同様にして粘着テープ用基材を作製し、この
粘着テープ用基材について「滑り性」、「エキスパンド
性」及び「汚染性」を調べた。その結果を表1に示す。
表1に示すように、エキスパンドリングやその周辺には
粉体等の付着は見られなかったが、静摩擦係数、動摩擦
係数のいずれも実施例1〜3の粘着テープ用基材に比べ
て大きく「滑り性」は良好でないことが分かった。ま
た、この粘着テープ用基材では、際立ったネッキング現
象が見られ、「エキスパンド性」は良好でないことが分
かった。
【0041】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の粘着テープ
用基材、粘着テープ及び離型テープ付き粘着テープによ
れば、シリカ粒子をシリカ粒子含有層中に含有させるこ
とによりその表面が凹凸状となるため、シリカ粒子含有
層の表面の滑り性が向上する。また、シリカ粒子は、シ
リカ粒子含有層を構成する樹脂に被覆され、テープが応
力を受けて変形した時にシリカ粒子がシリカ粒子含有層
から脱離することがなく、ダイボンダーに粉末が付着す
ることがないので、チップの汚染を防止できる。従っ
て、半導体チップの生産歩留まりを向上させることがで
きる。また、本発明の離型テープ付き粘着テープを製造
する工場等において、連続的に成形された離型テープ付
き粘着テープがロールなどに巻き取られる場合に、離型
テープと粘着テープ用基材の裏面側のシリカ粒子含有層
とが接触するときでも、シリカ粒子が離型テープやロー
ルの巻き取り装置に付着したり飛散したりすることがな
い。従って、半導体ウェハのダイシング加工時に、切断
されたチップの飛散が十分に防止でき、半導体チップの
生産歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による粘着テープの一実施形態を示す断
面図である。
【図2】図1のシリカ粒子含有層を示す拡大断面図であ
る。
【図3】本発明の離型テープ付き粘着テープをロール状
に巻き取った状態を示す側面図である。
【図4】離型テープ付き粘着テープがロールに巻き取ら
れて互いに重なっている状態を示す断面図である。
【図5】シリカ粒子を含有する基材フィルムのシリカ粒
子含有層の表面状態を示すSEM写真である。
【図6】シリコーン樹脂粉末を含有する基材フィルムの
シリコーン樹脂含有層の表面状態を示すSEM写真であ
る。
【符号の説明】
1…基材フィルム(粘着テープ用基材)、2…粘着剤被
塗布層、3…エラストマー層、4…シリカ粒子含有層、
5…シリカ粒子、6…樹脂、7…粘着剤層、10…粘着
テープ、11…離型テープ、12…離型テープ付き粘着
テープ。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の樹脂層のうち表面側の粘着剤被塗
    布層に粘着剤層を介して半導体ウェハを固定するための
    粘着テープ用基材であって、 前記複数の樹脂層のうち裏面側のシリカ粒子含有層がシ
    リカ粒子を含有することを特徴とする粘着テープ用基
    材。
  2. 【請求項2】 前記シリカ粒子の平均粒径が1〜20μ
    mであることを特徴とする請求項1に記載の粘着テープ
    用基材。
  3. 【請求項3】 前記シリカ粒子含有層を構成する材料
    が、前記シリカ粒子を0.1〜4重量%含むことを特徴
    とする請求項1又は2に記載の粘着テープ用基材。
  4. 【請求項4】 エラストマー層を更に備えることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着テープ
    用基材。
  5. 【請求項5】 前記エラストマー層が、密度0.86〜
    0.915g/cm3の超低密度ポリエチレンからなる
    ことを特徴とする請求項4に記載の粘着テープ用基材。
  6. 【請求項6】 前記粘着剤被塗布層が、エチレン−酢酸
    ビニル共重合体からなることを特徴とする請求項1〜5
    のいずれか一項に記載の粘着テープ用基材。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか一項に記載の粘
    着テープ用基材と、前記基材の表面側に設けられる粘着
    剤層とを備えることを特徴とする粘着テープ。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の粘着テープと、前記粘
    着テープの前記粘着剤層の表面側に設けられる離型テー
    プとを備えることを特徴とする離型テープ付き粘着テー
    プ。
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