JPH11183093A

JPH11183093A - 防護機能付きの上着

Info

Publication number: JPH11183093A
Application number: JP9364090A
Authority: JP
Inventors: Tsuneo Goto; 恒男後藤
Original assignee: PORTA KOGYO KK
Current assignee: PORTA KOGYO KK
Priority date: 1997-12-17
Filing date: 1997-12-17
Publication date: 1999-07-06

Abstract

(57)【要約】【課題】制服等の通常の上着として着心地良く着用す
ることができるだけでなく、必要時には防刃用あるいは
防弾用などの防護機能も常時兼ね備えさせることができ
る防護機能付きの上着の技術を提供する。【解決手段】上着本体１０の裏面側に防刃用あるいは
防弾用の防護プレート２０を着脱可能に設けた。防護プ
レート２０は、上着本体１０を着用した状態で、着用者
の少なくとも心臓付近を覆う位置に配置する。また、上
着本体１０の前部は左右に開閉可能な左前部１３及び右
前部１４を有し、左前部の裏面側に防護プレート２０を
配置する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、防刃用や防弾用な
どの防護機能付きの上着の技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】警察官や機動隊、警備員その他の危険な
任務に従事する場合、防刃チョッキや防弾チョッキなど
のいわゆる防護チョッキを着用することが多々ある。

【０００３】この種の防護チョッキは、シャツや上着の
上から、あるいは図６に示すように、制服等の上着Ｗの
下に着用され、着用者の上半身のうち、首から下の前部
を防護する機能を有する。

【０００４】この図６に示す従来の防護チョッキは、強
度のある化学繊維製の布などを用いて縫製したチョッキ
本体１００と、そのチョッキ本体１００の前部、即ち、
着用者の上半身部分のうち、首から下の前部に相当する
裏面部分に、防護プレート１０１を装着した構成として
いる。

【０００５】この防護プレート１０１は、通常、チョッ
キ本体１００に対して固定的に取り付けてあり、着脱不
可能である。１０２は首を通す開口部分、１０３、１０
４は腕を通す開口部分を示している。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、こうした従
来の防護チョッキは、確かに丈夫にできている反面、以
下のような不具合もあった。

【０００７】第１に、大変着にくいという不便な点があ
ることである。その理由は、防護プレートを前部のほぼ
全体に亘って装備している関係で、首や腕を通して着る
形態のチョッキとなっているからである。そのため、着
心地や動きに難点があり、特別な場合を除き着用したが
らない傾向にある。

【０００８】第２に、こうした防護チョッキは、特別な
場合を除き、例えば通常勤務時の警察官などは着用しな
いのが普通である。しかし、通常勤務時とはいえ、時と
して危険が伴うことも多々ある。そうした状況下では、
制服だけの着用では心許ない場合もある。

【０００９】第３に、制服等の上着着用者が、防護チョ
ッキを着用することを一時的にあるいは緊急に必要と思
われる状況が発生した場合に間に合わなかったり、その
都度、車やその他の防護チョッキの保管場所まで取りに
行っていたのでは職務遂行機会を逸したりする不具合な
ども考えられる。

【００１０】よって、本発明では、制服等の通常の上着
として着心地良く着用することができるだけでなく、必
要時には防刃用あるいは防弾用などの防護機能も常時兼
ね備えさせることができる防護機能付きの上着の技術を
提供することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明では、上着本体の裏面側に防刃用あるいは防
弾用の防護プレートを着脱可能に設けた。その場合、防
護プレートは、上着本体を着用した状態で、着用者の少
なくとも心臓付近を覆う位置に配置してあるのが好適で
ある。また、上着本体の前部は左右に開閉可能な左前部
及び右前部を有し、左前部の裏面側に防護プレートを配
置してある構成とすることもできる。また、上着本体の
前部を閉じた状態で、防護プレートの一部が右前部の裏
面側に至る大きさを有する構成とすることもできる。ま
た、左前部の裏面側に、防護プレートを収納するための
開閉可能なポケットを設けた構成とすることもできる。
また、ポケットを上着本体の裏面側に縫いつけた袋で構
成することもできる。また、防護プレートは、プレート
本体と、そのプレート本体を覆うカバーとを備え、その
カバーと上着本体の左前部又は右前部の裏面との間に、
防護プレートを着脱可能に取り付けるためのマジックテ
ープを設けた構成とすることもできる。また、プレート
本体は、互いに連結された複数の単位プレートからな
り、単位プレート相互の連結部分で折り曲げ可能に構成
することもできる。さらに、防護プレートを、上着本体
の左前部及び右前部の裏面側に複数設けた構成とするこ
ともできる。上着本体としては、警察官や警備員その他
の防護プレートを必要とする人が着用する制服などに好
適に採用することができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について、図面を参照して説明する。図１は本発明に係
る防護機能付き上着の正面図、図２は防護プレート部分
を示す分解斜視図、図３は防護プレートと袋との関係を
示す部分斜視図、図４は防護プレートとマジックテープ
との関係を示す斜視図である。

【００１３】これらの図から理解できるように、本発明
に係る防護機能付きの上着は、制服等からなる上着本体
１０と、その上着本体１０の裏面側に防刃用あるいは防
弾用の防護プレート２０を着脱可能に設けた構成として
いる。

【００１４】防護プレート２０は、上着本体１０を着用
した状態で、着用者の少なくとも心臓付近を覆う位置に
配置している。

【００１５】上着本体１０は、長袖の袖部１１、１１
と、襟１２とを有する、一般的な制服あるいは上着であ
る。この上着本体１０の前部はボタン式で左右に開閉可
能な左前部１３及び右前部１４を有し、左前部１３の裏
面側に防護プレート２０を配置している。

【００１６】そして、この防護プレート２０は、図１に
示すように、上着本体１０の前部を閉じた状態で、防護
プレート２０の一部が右前部１４の裏面側に至る大きさ
を有する長方形状としている。

【００１７】この実施の形態では、左前部１３の裏面側
に、防護プレート２０を収納するための開閉可能なポケ
ット１５を設けた構成としている。そして、このポケッ
ト１５の開口部分から防護プレート（ここではプレート
本体２１）を挿入して取り付ける構成としている。

【００１８】ポケット１５は、上着本体１０の裏面側に
縫いつけた袋１５０で構成している。この袋１５０は、
防護プレート２０が長方形状である点を考慮して、同じ
く長方形状としてあり、その開口部が横向きとなるよう
に上着本体１０の裏面に添わせて横長に縫いつけてい
る。縫い付けに際しては、ボタンを掛けるのに支障をき
たさないように配慮している。

【００１９】これにより、開口部分が上着本体１０の右
前部１４側に突出し、防護プレート２０を装着した状態
では、図１に示すように、防護プレート２０の一部が右
前部１４の裏面側に位置する形態となる。

【００２０】袋１５０の開口部分には防護プレート２０
が抜け出さないようにするためのマジックテープ１５１
を設けるのも好適である。勿論その他の開閉手段、例え
ばファスナーでも良い。

【００２１】上着本体１０に対する防護プレート２０の
装着バランスを保つために、袋１５０の開口部付近に雄
又は雌のマジックテープを取り付け、上着本体１０の右
前部１４の裏面側に雌又は雄のマジックテープ（何れも
図示せず）を取り付けても良い。また、マジックテープ
の代わりにボタン式やその他の仮止め手段を用いても良
い。

【００２２】図４は本発明の他の実施の形態を示すもの
で、ここでは、防護プレート２０をマジックテープを用
いて着脱式に構成した例を示すものである。

【００２３】すなわち、防護プレート２０は、プレート
本体２１と、そのプレート本体２１を覆うカバーと２２
を備え、そのカバー２２と上着本体１０の左前部１３又
は右前部１４の裏面との間に、防護プレート２０を着脱
可能に取り付けるためのマジックテープｍ１、ｍ２を複
数設けた構成としている。

【００２４】このように構成した場合、着脱操作が大変
便利な上に、上着本体側に縫いつける袋を無くすことが
できる。なお、カバー２２を袋１５０として兼用させる
構成とすることもできる。

【００２５】なお、プレート本体２１は、互いに連結さ
れた複数の単位プレート２１ｐからなり、単位プレート
２１ｐ相互の連結部分で折り曲げ可能に構成している。
これにより、プレート本体２１を多少大き目にしても、
上着本体１０や体に馴染みが良くなる。

【００２６】この単位プレート２１ｐは軽量でしかも刃
物を通さない特殊金属、例えばステンレス製である。勿
論、他の素材で形成することもできる。但し、単位プレ
ート２１ｐ間に隙間が生じないように部分的に重なる部
分を有するように連結し、しかも、折り曲げ可能に連結
している。

【００２７】図５は、本発明の更に他の実施の形態を示
す正面図である。この実施の形態では、防護プレート２
０を、上着本体１０の左前部１３及び右前部１４の裏面
側に複数設けた構成としたものである。なお、この実施
の形態においても、上述の実施の形態と基本的には、ほ
ぼ同様の構成を採用することができる。

【００２８】この実施の形態では、防護プレート２０を
複数設けた分だけ、防護機能を高めることができる。

【００２９】上記実施の形態では防刃用として説明した
が、防護プレートを防弾用としても本発明を同様に適用
することができる。防弾用の場合はプレート本体の材質
が異なることになる。

【００３０】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、上着本
体の裏面側に防刃用あるいは防弾用の防護プレートを着
脱可能に設けたので、制服等の通常の上着として着心地
良く着用することができるだけでなく、必要時には防刃
用あるいは防弾用などの防護機能も常時兼ね備えさせる
ことができる防護機能付きの上着が得られる。

【００３１】また、上着本体の前部は左右に開閉可能な
左前部及び右前部を有し、左前部の裏面側に防護プレー
トを配置することによって、急所を守り、しかも着脱作
業性を良くすることができる。

【００３２】また、上着本体の前部を閉じた状態で、防
護プレートの一部が右前部の裏面側に至る大きさを有す
る構成とすることによって、上着の着やすさを損なうこ
となく、急所を広範囲に保護することができる。

【００３３】また、左前部の裏面側に、防護プレートを
収納するための開閉可能なポケットを設けた構成とする
ことによって、特別に手間をかけない構成とし、しかも
防護プレートの装着以外も邪魔にならないようにするこ
とできる。

【００３４】また、防護プレートは、プレート本体と、
そのプレート本体を覆うカバーとを備え、そのカバーと
上着本体の左前部又は右前部の裏面との間に、防護プレ
ートを着脱可能に取り付けるためのマジックテープを設
けた構成とすることによって、着脱作業性をさらに高め
ることができる。

【００３５】上着本体として、警察官や警備員その他の
防護プレートを必要とする人が着用する制服などに好適
に採用することによって、常に防護プレートを装着した
状態で抵抗なく着ることが可能になり、安全性向上に寄
与することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態に係る防護機能付き上着の
正面図である。

【図２】本発明の実施の形態に係る防護機能付き上着の
分解斜視図である。

【図３】本発明の実施の形態に係る防護プレートとポケ
ットの関係を示す部分斜視図である。

【図４】本発明の他の実施の形態に係る防護機能付き上
着と防護プレートの構造を示す分解斜視図である。

【図５】本発明のさらに他の実施の形態に係る防護機能
付き上着と防護プレートの関係を示す正面図である。

【図６】従来の防護チョッキの構成を示す正面図であ
る。

【符号の説明】

１０上着本体１１袖部１２襟１３左前部１４右前部１５ポケット１５０袋１５１マジックテープ２０防護プレート２１プレート本体２２カバー２１ｐ単位プレートｍ１、ｍ２マジックテープ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】上着本体の裏面側に防刃用あるいは防弾
用の防護プレートを着脱可能に設けたことを特徴とする
防護機能付きの上着。
【請求項２】前記防護プレートは、上着本体を着用し
た状態で、着用者の少なくとも心臓付近を覆う位置に配
置してあることを特徴とする、請求項１記載の防護機能
付きの上着。
【請求項３】前記上着本体の前部は左右に開閉可能な
左前部及び右前部を有し、左前部の裏面側に前記防護プ
レートを配置してあることを特徴とする、請求項１又は
２記載の防護機能付きの上着。
【請求項４】前記上着本体の前部を閉じた状態で、前
記防護プレートの一部が前記右前部の裏面側に至る大き
さを有することを特徴とする、請求項３記載の防護機能
付きの上着。
【請求項５】前記左前部の裏面側に、前記防護プレー
トを収納するための開閉可能なポケットを設けたことを
特徴とする、請求項１〜４記載の防護機能付きの上着。
【請求項６】前記ポケットを上着本体の裏面側に縫い
つけた袋で構成してあることを特徴とする、請求項５記
載の防護機能付きの上着。
【請求項７】前記防護プレートは、プレート本体と、
そのプレート本体を覆うカバーとを備え、そのカバーと
前記左前部又は右前部の裏面との間に、防護プレートを
着脱可能に取り付けるためのマジックテープを設けたこ
とを特徴とする、請求項１〜４記載の防護機能付きの上
着。
【請求項８】前記プレート本体は、互いに連結された
複数の単位プレートからなり、単位プレート相互の連結
部分で折り曲げ可能に構成されていることを特徴とす
る、請求項７記載の防護機能付きの上着。
【請求項９】前記防護プレートを、前記上着本体の左
前部及び右前部の裏面側の両方に複数設けたことを特徴
とする、請求項１又は２記載の防護機能付きの上着。
【請求項１０】前記上着本体は、警察官や警備員その
他の防護プレートを必要とする人が着用する制服である
ことを特徴とする、請求項１〜９記載の防護機能付きの
上着。