JPH11171880A - ハロゲン化アリル類のエポキシ化方法及び使用触媒の再生方法 - Google Patents

ハロゲン化アリル類のエポキシ化方法及び使用触媒の再生方法

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JPH11171880A
JPH11171880A JP9335547A JP33554797A JPH11171880A JP H11171880 A JPH11171880 A JP H11171880A JP 9335547 A JP9335547 A JP 9335547A JP 33554797 A JP33554797 A JP 33554797A JP H11171880 A JPH11171880 A JP H11171880A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チタノシリケート触媒と過酸化水素によるハ
ロゲン化アリル類の直接エポキシ化反応において、反応
速度の改善、選択率の向上に有効な方法、及び触媒の繰
り返し使用が可能な再生方法を提供する。 【構成】 一般式(1)で示されるC3 〜C9 の脂肪族
オレフィンと過酸化水素とをチタノシリケート触媒の存
在下で超音波を照射してエポキシ化を行う。さらに、助
触媒として炭酸アンモニウムを使用する。使用後の触媒
は極性溶媒中で超音波を照射することにより再生を行
う。 【化1】 (式中、R1 、R2 及びR3 は水素原子またはC1 〜C
2 のアルキル基を示し、それぞれ同一であっても異なっ
ても良い。XはCl、Br、Iより選ばれるハロゲン原
子である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化アリル
類のエポキシ化方法及びそれに使用される触媒の再生方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化アリル類のエポキシ化方法と
しては、ハロゲン化アリル類を塩素と水で処理し、ハロ
ヒドリンに変換した後、アルカリ存在下でエポキシドに
閉環するという1945年にShell社が開発した方
法が現行プロセスとして各所で稼動している。また、ア
リルアルコールをハロヒドリンに変換し、同様のエポキ
シ化合物を得る方法も現在稼動している。しかしなが
ら、これらの現行法ではいずれも多量の廃水を併産する
ため、環境負荷の点で大きな問題点を抱えている。
【0003】過酸化水素や酸素を酸化剤に用いる直接酸
化法が、環境負荷の小さい次世代プロセスとして期待さ
れている。中でもある種の割合でチタンを骨格に含有す
る合成ゼオライト、いわゆるチタノシリケート、と過酸
化水素との組み合わせが有望な酸化法として世界中で活
発に研究されている。代表的なチタノシリケートとし
て、MFI構造(5.3×5.6オングストローム)を
有するTS−1、MEL構造(5.3×5.4オングス
トローム)を有するTS−2、BEA構造(7.6×
6.4オングソトローム)を有するTi−ベータ、MC
M−41構造(15〜100オングストローム)を有す
るTi−MCM−41等が報告されている。尚、構造形
式の後に示した数字はゼオライトの細孔径を表す。チタ
ノシリケートの結晶構造は用いる反応基質の大きさに応
じて選択できるが、一般に細孔径が大きくなれば活性点
のターンオーバーは低下する。炭素数3〜9の脂肪族オ
レフィンを酸化する場合はTS−1が適当な結晶構造に
なる。TS−1の調製および応用は特公平1−4288
9号公報および特公平4−5028号公報にそれぞれ開
示されている。
【0004】チタノシリケート触媒には、触媒外表面上
および「チャンネル」と称される細孔内に酸点が存在す
る。これらの酸点は反応系中に水が存在すると生成物で
あるエポキシ化合物を加水分解し、開環生成物であるジ
オール体を与える。そのため、触媒外表面上に酸点が存
在するとエポキシ生成物の基質選択率の低下を招く、加
えて、細孔内の酸点では、副生したジオール体がチャン
ネルを目詰まりさせるため触媒の失活を招く。触媒外表
面の酸点はシリル化等により中和できることが米国特許
第4,824,976号明細書に開示されている。TS
−1等のゼオライトは上述の如く細孔径が小さいため、
トリメチルシリル基を有するシリル化剤を用いてエポキ
シ化反応の場となる細孔内の酸点を中和するのは不可能
である。細孔内酸点に関しては、塩化リチウム、硝酸ナ
トリウムなどのアルカリ金属塩やリン酸二水素アンモニ
ウムを反応系中に添加すれば、細孔内酸点が中和され選
択率及び触媒寿命が改善されることが特開平8−225
556号公報及び上記米国特許に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ゼオラ
イトは多孔質の無機化合物であるため、細孔のサイズが
酵素に見られる蛋白のように高い自由度で変形できな
い。そのため、反応分子の大きさと細孔径が近い場合、
反応分子の有効拡散係数が極めて小さくなり、反応速度
が拡散支配になる。細孔内での滞在時間が長い(拡散が
遅い)場合、たとえ中和剤を添加していても、エポキシ
ト゛が逐次的加水分解を受けやすく、選択率の低下及び触
媒の失活を招く。原料に炭素数3〜9の脂肪族オレフィ
ン、中でもアリルクロライドやベータメチルアリルクロ
ライド(以下、メタリルクロライドと記す)を用いて、
TS−1触媒でエポキシ化反応を行う場合、原料および
生成物の分子サイズがMFI構造の細孔径に極めて近い
ため、目詰まりを起こし易く、拡散の影響が更に顕著に
なる。細孔径が大きなBEA構造のチタノシリケートを
用いた場合は、TS−1触媒ほどのエポキシト゛生成速度
が得られない。TS−1触媒において、さらにエポキシ
化速度を大きくするために拡散速度を高めることが強く
望まれる。
【0006】触媒酸点をアルカリ金属塩やリン酸塩、ま
たはシリル化により中和する方法は、調製直後の触媒の
初期の活性および選択性を比較的長時間保持しうるが、
それでもなお触媒性能の劣化は避けることができない。
そのためこれらの中和法をとっても触媒を2回以上繰返
し使用するためには、なんらかの触媒再生処理が必要と
なる。このような失活触媒の再生方法としては、失活触
媒を再焼成する方法が一般的に行われる。しかしなが
ら、上記中和法で使用した触媒の再焼成処理では、残留
アルカリ金属イオン等の影響により触媒性能が調製直後
の触媒と比べて著しく低下するため、工業プロセスにお
いて繰返し回収使用する場合大きな障害となる。焼成処
理によっても活性低下を起こさない助触媒の探索また
は、使用する中和剤の影響を受けない新規の触媒再生処
理方法の確立が必須の課題となる。
【0007】そこで本発明は、細孔内の拡散を促進する
ことにより、選択率および反応速度を改善する新規な反
応方法、および焼成処理によっても活性低下を起こさな
い助触媒の提供、ならびに、使用する中和剤の影響を受
けない新規の触媒再生処理方法を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、チタノシ
リケートの細孔径に関係なく、過酸化水素でハロゲン化
アリル類をエポキシ化する際に、超音波を照射すること
が触媒作用に卓効であることを見出した。また、炭酸ア
ンモニウムを反応系中に少量添加すれば、エポキシドの
開環反応が完全に抑制でき、選択率、反応速度が改善さ
れると共に、反応取出し触媒の再焼成処理によりほぼ新
触媒の性能水準まで回復できることを見出した。さら
に、新規の触媒再生処理方法として、失活した触媒を超
音波の照射下で、メタノール、ジクロルメタン、アセト
ン、アセトニトリル、水、等の極性溶媒中で低温抽出処
理することによって、再焼成処理を行なうことなくほぼ
新触媒の性能水準まで回復できること、また、この再生
方法が上記の中和法で使用されるアルカリ金属塩等の中
和剤存在下の反応取出し触媒に対しても再焼成処理の場
合とは異なり、ほぼ新触媒の性能水準まで回復できるこ
とを見出し本発明の完成に至った。
【0009】本発明によれば下記一般式(1)で示され
る炭素数3〜9の脂肪族オレフィンと過酸化水素、また
は反応系内で過酸化水素を生成する化合物とをチタノシ
リケート触媒の存在下で反応させるにあたり、超音波を
照射することを特徴とするハロゲン化アリル類のエポキ
シ化方法が提供される。
【0010】
【化3】 (式中、R1 、R2 及びR3 は水素原子またはC1 〜C
2 のアルキル基を示し、それぞれ同一であっても異なっ
ても良い。XはCl、Br、Iより選ばれるハロゲン原
子である。)
【0011】本発明に用いられる一般式(1)で示され
る脂肪族オレフィンとは、アリルクロライド、メタリル
クロライド、1−クロロ−2−ブテン、1−クロロ−3
−メチル−2−ブテン、アリルブロマイド、沃化アリ
ル、1−クロロ−2−ペンテンが挙げられる。また、過
酸化水素として通常過酸化水素の水溶液が用いられる
が、反応系中で過酸化水素で生成する化合物として例え
ば水素ー酸素/白金族金属の組み合わせ、尿素の過酸化
水素付加化合物あるいはt−ブチルハイドロパーオキサ
イド等を用いても良い。本反応に用いられるチタノシリ
ケート触媒としては、一般式:xTiO2 ・(1−x)
SiO2 (式中のxは0.002〜0.20)で示され
るチタン原子含有合成ゼオライト触媒が挙げられるが、
チタン原子を分子構造内に結合しているものであればよ
く、特にチタン原子とケイ素原子との比率を問題とする
ものではない。チタノシリケートの構造としては、MF
I構造を有する上記TS−1、MEL構造を有するTS
−2、BEA構造を有するTi−ベータ、メソ細孔構造
を有するTi−MCM−41やTi−MCM−48など
が挙げられる。
【0012】超音波はその振動数が人間の可聴範囲、す
なわち約20kHzを超える音波をいう。本発明におけ
る超音波照射装置は、任意の周波数および出力を有する
装置が使用できる。照射周波数はチタノシリケートの細
孔径の大きさやハロゲン化アリルの種類によって異なる
が通常、20〜100kHzの周波数、好ましくは25
〜60kHzのものが適当である。照射出力は反応サイ
ズにより適当なものを選ぶことが出来る。超音波放射体
としては平板型、リング型、円盤型等のいずれの形式で
も良い。
【0013】本発明者らはまた、すでに報告されている
アルカリ金属塩やリン酸塩を中和剤に用いた触媒を焼成
により再生する場合、触媒活性が著しく低下するという
問題点に鑑み鋭意検討を行った結果、炭酸アンモニウム
の添加が有効であるという知見を得た。
【0014】本発明によれば、チタノシリケート触媒重
量当り0.1〜3.0重量%の炭酸アンモニウムを添加
することを特徴とする上記アリルクロライド類のエポキ
シ化方法が提供される。炭酸アンモニウムの好ましい添
加量は1.0〜2.0重量%である。
【0015】本発明者らはまた、チタノシリケート触媒
の再生処理さらに触媒の洗浄方法について検討した結
果、再焼成処理に代る、かつ再焼成処理よりもさらに広
範な上記触媒の再生に適用し得る方法を見出した。
【0016】本発明によれば、一般式(1)で示される
炭素数3〜9の脂肪族オレフィンと過酸化水素、または
反応系中で過酸化水素を生成する化合物とをチタノシリ
ケート触媒の存在下で反応後、取り出した上記のチタノ
シリケート触媒を炭素数1〜5の極性溶媒及び水からな
る溶媒より選ばれた少なくとも1種を含む抽出液中で、
超音波を照射して溶媒抽出を行なうことを特徴とする触
媒の再生方法が提供される。
【0017】超音波の周波数は前期のようにチタノシリ
ケートの細孔径やエポキシ化物の種類によって異なる
が、通常20〜100kHzの周波数、好ましくは25
〜60kHzが適当である。炭素数が1〜5の極性溶媒
としては、炭素数が1〜5のアルコール、ハロゲン化
物、ニトリル、アミン、または、炭素数が2〜5のケト
ン類等が挙げられる。例えば、水、メタノール、エタノ
ール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−ブタ
ノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−
2−プロパノール、アセトン、アセトニトリル、メチル
−エチルケトン、ヘキサン、シクロヘキサン、ジクロロ
メタン、1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエ
タン、などがあげられるが、好ましくは、メタノール、
ジクロルメタン、アセトン、アセトニトリルである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に使用されるチタノシリケ
ート(チタン原子含有合成ゼオライト)の調製にあたっ
ては、酸化ケイ素、酸化チタン、含窒素有機塩基および
水でなる反応混合物を調製する。酸化ケイ素源はテトラ
アルキルオルトケイ酸エステル、好ましくはオルトケイ
酸テトラエチルまたは単にコロイド状のシリカでも良
い。酸化チタン源は、テトラアルコキシチタン、好まし
くは、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタ
ン、または、テトラブトキシチタンの中から選ばれる化
合物、または、四塩化チタンやオキシ塩化チタンのよう
な無機化合物でも良い。有機塩基は水酸化テトラアルキ
ルアンモニウム、または、臭化テトラアルキルアンモニ
ウムの中から選ばれる化合物、特に好ましくは、水酸化
テトラ−n−プロピルアンモニウムである。各試薬の混
合物を攪拌し、得られた沈殿より溶媒を除去した後オー
トクレーブに移し、130〜200℃、自己圧力、1〜
30日の条件で、チタノシリケート前駆体の結晶が形成
されるまで水熱処理する。次いでこれらの結晶を母液か
ら分離し水で注意深く洗浄、乾燥した後、空気中で50
0〜800℃で焼成することにより目的とするチタノシ
リケート触媒が得られる。
【0019】一般式(1)で示されるオレフィンに対す
るチタノシリケート触媒の好ましい仕込み濃度は0.5
〜20重量%であり、2〜15重量%で最も高いオレフ
ィン基準のエポキシ化選択率、及び収率が得られる。用
いる水溶液中の過酸化水素の好ましい濃度は1〜60重量
%であるが保存性や操作性の面から10〜40重量%が好ま
しい。
【0020】エポキシ化反応は適当な溶媒の存在下で行
うことができる。適当な溶媒としては、水、メタノール
やイソプロピルアルコールのような低級アルコール、ア
セトン等の有機溶媒、またはこれらの混合物が挙げられ
る。反応温度は0〜100℃で減圧、常圧、加圧下のい
ずれでも実施できる。通常はハロゲン化アリル類の沸点
以下で行うが、反応速度を早くする場合には加圧して反
応温度を上げることも出来るし、低温で還流下に実施し
た場合には減圧下で反応できる。
【0021】超音波の照射は通常反応中に連続的あるい
は間欠的に行い、外部照射方式、内部照射方式のいずれ
でも良い。通常、液相接触酸化反応では、攪拌機、外部
循環、ガスの吹き込み等による強制攪拌下に行われる
が、本発明において、好ましくは、これらの強制攪拌に
超音波照射を組み合わせて実施される。具体的には、過
酸化水素水溶液、触媒、ハロゲン化アリル類混合液に必
要があれば適当な溶媒を適当量加え、超音波照射する事
により本発明を実施し得る。固定床式反応においても、
触媒層にハロゲン化アリル類と過酸化水素を供給しなが
ら超音波を照射することにより実施出来る。一度利用し
た触媒を再び使用する場合も同様である。
【0022】使用後のチタノシリケート触媒を再生する
には、触媒を遠心分離等の方法で反応系より取り出し、
溶媒として水又は前記のような炭素数1〜5の極性溶媒
を用い20〜100kHzの超音波を照射して、抽出温度
10〜80℃、好ましくは5〜60℃、抽出時間5分〜
5時間、好ましくは15分〜2時間、洗浄して抽出を行
えば良い。
【0023】
【作用】本発明に使用する超音波について述べる。超音
波振動は微少な空間に作られる高圧力差で生じるキャビ
テーションによって、極めて優れた混合、分散、脱ガス
効果を実現し得る。そのため、ゼオライトのような多孔
体を触媒に用いる場合は、細孔内拡散の促進のみなら
ず、触媒表面や細孔内に吸着した生成物やジオールの脱
離、及び再吸着の防止等により、反応速度の向上および
触媒寿命の延長が期待できる。エポキシ化反応において
は、再吸着の防止および拡散の促進により、反応速度の
増大および逐次反応によるジオール生成の抑制による選
択率の向上が期待される。
【0024】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明する。 TS−1触媒の調製 ジムロート、温度計、滴下ロート、および攪拌機を備え
た1L−セパラブルフラスコに、オルトケイ酸テトラエ
チル200gと2−プロパノール(IPA)200gを
入れ、これに0.05N−塩酸水溶液35.0gを14
0gのIPAで希釈した溶液を、窒素気流下、室温、攪
拌下で60分かけて滴下した。さらに、チタン酸テトラ
ブチル10.9g(Ti/Si mol比=30)をI
PA109gに希釈し滴下した。室温で1時間熟成化
後、1mol/L−水酸化テトラプロピルアンモニウム
水溶液(以下TPAOHと略す)47gを滴下し、寒天
状沈殿物を736g得た。ついで加水分解を促進し且つ
遊離したエタノールを留去するため100℃で1時間加
熱攪拌し、さらに減圧加熱下でアルコールを完全に除去
し、白色粉末81.4gを得た。得られた白色粉末40
gに1mol/L−TPAOHを34.0gを加えて、
攪拌機を備えたオートクレーブのテフロン製内筒に移し
た。混合物を170℃まで加熱し、自己発生圧力下にお
いて、この温度で1日間攪拌した。反応後、遠心分離で
固形物を取り出し、洗浄液がN/10−AgNO3 で白
濁しなくなるまでイオン水で洗浄し、60℃で12時間
乾燥することにより、白色のTS−1結晶37.3gを
得た。この結晶32.5gを磁性ルツボに入れ、550
℃で3時間焼成することにより、純白のTS−1触媒の
焼成品26gを得た。
【0025】実施例1〜5、比較例1(エポキシ化反
応) 温度計、還流器、攪拌機を備えたガラス製50mlの3
ツ口フラスコに上記のTS−1触媒2.0g、35重量
%−過酸化水素水溶液10.4g(107mmol、原
料基質に対して0.6当量モル)、原料基質としてメタ
リルクロライド16.2g(179mmol)、適当量
の助触媒を加え、表1に示す超音波照射下、内温を40
±3℃に保ってエポキシ化を行った。反応液は有機層、
水層、触媒の3層からなる。反応液を氷冷した後、メタ
ノールを加え有機層と水層を一層にし、精密ろ過により
触媒を除去した。この液にプロピオン酸エチルを内部標
準として加え、GLサイエンス(株)社製キャピラリー
カラム(TC−1701,30m)を備えたFIDガス
クロマトグラフィーで分析、定量した。また、溶液中に
残存した過酸化水素はヨードメトリー法で定量した。結
果を表1に示す。
【0026】
【表1】 註:a)炭酸アンモニウムを触媒に対し1.6重量%添
加 b)炭酸アンモニウムをa)と同量添加、過酸化水素1
79mmol添加
【0027】超音波を用いず攪拌のみでは(比較例
1)、過酸化水素の転化率97%を得るのに4時間を要
した。この際の基質基準の選択率は69.2%と低く、
10.8%のジオール体が生成した。この反応系に、3
9kHz、200Wの超音波を照射すると(実施例
1)、2時間で同転化率が得られ、エポキシ化選択率も
82.8%と向上した。ジオール体への選択率も1%低
下した。超音波の出力を48kHz、60Wと弱くした
場合(実施例2)も実施例1と同じ結果が得られてお
り、反応速度を向上させるための超音波照射のエネルギ
ー敷居値が、低いことが解る。本反応系に、炭酸アンモ
ニウムを触媒重量に対して1.6重量%添加した場合
(実施例3)、反応2時間での過酸化水素転化率は9
9.6%にまで達しており、エポキシ化選択率も93.
5%と非常に高い結果を得た。更に、ジオール体の生成
はほぼ完全に抑制することが出来た。過酸化水素を基質
に対して当量モル数加え、炭酸アンモニウムを添加し、
超音波を照射した場合(実施例4)、3時間で98.2
%の転化率が得られ、ジオール体の生成も2.7%にま
で抑制出来た。さらに実施例5によれば強制攪拌を行わ
なくとも反応が促進されることがわかる。
【0028】実施例6,7、比較例2,3(触媒の再
生) 反応終了後、回収した触媒を有機溶媒中で超音波を照射
して再生処理を行い、再び反応に供した際の結果を表2
に示す。参考のために調製直後の新触媒の使用例(参考
例)、超音波を照射しない例(比較例2,3)を併記す
る。
【0029】
【表2】 再生条件:超音波出力 39kHZ、200W、60分
照射。 反応条件:仕込み原料:触媒0.2g、35重量%−H
2 2 1.04g(10.7mmol)、メタアリルク
ロライド1.62(17.9mmol)。 40℃、2時間。
【0030】この反応条件下では、十分な混合が得られ
るため、超音波照射と同程度の転化率が得られる。未洗
浄若しくはメタノールで洗浄したのみ場合は、いずれも
触媒活性が3割程度低下した(比較例2、比較例3)。
しかしながら、メタノール洗浄時に超音波を照射すれ
ば、活性は完全に回復し(実施例6)、ジクロロエタン
を溶媒に用いた場合も超音波照射により調製直後の触媒
を用いた場合に対して83%まで活性が回復した(実施
例7)。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、チタノシリケートと過
酸化水素によるハロゲン化アリル類の直接エポキシ化反
応において、(1)超音波を反応系に照射することによ
る反応速度の改善、(2)超音波照射と共に炭酸アンモ
ニウムを助触媒に用いることのよる選択率の向上、
(3)超音波照射下での低温極性溶媒抽出による触媒再
生、が可能となる。助触媒として使用される炭酸アンモ
ニウムは反応速度を損なうこと無く、逐次反応を完全に
抑制し、安全性、経済性にも優れている。更に触媒の焼
成処理を行う場合にも触媒の活性の低下を起こさない。
また、触媒の再生工程において、超音波を照射せずに溶
媒による加熱抽出で行った場合は、触媒中に捕捉された
オレフィン、エポキシ化合物等の有機物が重合、開環、
縮合等の反応を生じ、脱離できなくなり再生効果は著し
く低減する。本発明の劣化触媒の再生法によれば、ほぼ
新触媒の性能水準にまで回復できるので、触媒の繰り返
し使用が可能となり、工業的に触媒のコスト低減に有効
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 61/00 C07B 61/00 D 300 300

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示される炭素数3〜
    9の脂肪族オレフィンと過酸化水素、または反応系中で
    過酸化水素を生成する化合物とをチタノシリケート触媒
    の存在下で反応させるにあたり、超音波を照射すること
    を特徴とするハロゲン化アリル類のエポキシ化方法。 【化1】 (式中、R1 、R2 及びR3 は水素原子またはC1 〜C
    2 のアルキル基を示し、それぞれ同一であっても異なっ
    ても良い。XはCl、Br、Iより選ばれるハロゲン原
    子である。)
  2. 【請求項2】 一般式(1)で示される脂肪族オレフィ
    ンがアリルクロライド、メタリルクロライド、1−クロ
    ロ−2−ブテン、1−クロロ−3−メチル−2−ブテ
    ン、アリルブロマイド、沃化アリル、または、1−クロ
    ロ−2−ペンテンである請求項1に記載のエポキシ化方
    法。
  3. 【請求項3】 チタノシリケート触媒が一般式:xTi
    2 ・(1−x)SiO2 (式中のxは0.002〜
    0.20)で示される化合物である請求項1に記載のエ
    ポキシ化方法。
  4. 【請求項4】 チタノシリケート触媒がMFI、ME
    L、BEA、MCM−41、または、MCM−48の結
    晶構造を有する請求項3に記載のエポキシ化方法。
  5. 【請求項5】 超音波の周波数が20kHz〜100k
    Hzである請求項1に記載のエポキシ化方法。
  6. 【請求項6】 チタノシリケート触媒重量当たり0.1
    〜3.0重量%の炭酸アンモニウムを添加することを特
    徴とする請求項1に記載のエポキシ化方法。
  7. 【請求項7】 下記一般式(1)で示される炭素数3〜
    9の脂肪族オレフィンと過酸化水素、または反応系中で
    過酸化水素を生成する化合物とをチタノシリケート触媒
    の存在下で反応後、取り出した上記のチタノシリケート
    触媒を炭素数1〜5の極性溶媒及び水からなる溶媒より
    選ばれた少なくとも1種を含む抽出液中で、超音波を照
    射して溶媒抽出を行なうことを特徴とする触媒の再生方
    法。 【化2】 (式中、R1 、R2 及びR3 は水素原子またはC1 〜C
    2 のアルキル基を示し、それぞれ同一であっても異なっ
    ても良い。XはCl、Br、Iより選ばれるハロゲン原
    子である。)
  8. 【請求項8】 超音波の周波数が20kHz〜100k
    Hzである請求項7に記載の再生方法。
  9. 【請求項9】炭素数が1〜5の極性溶媒が、炭素数が1
    〜5のアルコール、ハロゲン化物、ニトリル、アミン、
    または、炭素数が2〜5のケトンである請求項7又は8
    に記載の再生方法。
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