JPH11170700A - レーザーマーキング用ａｂｓ樹脂組成物、成形物及びマーキング方法 - Google Patents
レーザーマーキング用ａｂｓ樹脂組成物、成形物及びマーキング方法Info
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- JPH11170700A JPH11170700A JP9354093A JP35409397A JPH11170700A JP H11170700 A JPH11170700 A JP H11170700A JP 9354093 A JP9354093 A JP 9354093A JP 35409397 A JP35409397 A JP 35409397A JP H11170700 A JPH11170700 A JP H11170700A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】ＡＢＳ樹脂の諸物性や成型性を損なわず、レー
ザー光線の照射により視認性が高く鮮明な白色マークが
得られるレーザーマーキング用ＡＢＳ樹脂組成物の開
発。 【解決手段】赤外線吸収剤を含有することを特徴とする
レーザーマーキング用ＡＢＳ樹脂組成物。
ザー光線の照射により視認性が高く鮮明な白色マークが
得られるレーザーマーキング用ＡＢＳ樹脂組成物の開
発。 【解決手段】赤外線吸収剤を含有することを特徴とする
レーザーマーキング用ＡＢＳ樹脂組成物。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザーマーキング
用組成物、その成形物、及びマーキング方法に関するも
のである。更に詳しくは、レーザー光線の照射により視
認性が高くコントラストの良好なマークを生じるレーザ
ーマーキング用ＡＢＳ樹脂組成物、その成形物、及びレ
ーザーマーキング方法に関するものである。
用組成物、その成形物、及びマーキング方法に関するも
のである。更に詳しくは、レーザー光線の照射により視
認性が高くコントラストの良好なマークを生じるレーザ
ーマーキング用ＡＢＳ樹脂組成物、その成形物、及びレ
ーザーマーキング方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】ＡＢＳ樹脂は、その優れた物性から、フ
ロッピーディスクや、電機製品、各種部品等に使用され
ている。これら成型品に印字を行う方法とし、従来より
熱硬化インキ、ＵＶ硬化インキ等を使用した印刷やイン
クジェットによる方式が、一般に行われているが、近
年、レーザーによる印字方式が注目され、実用化されて
きている。ＡＢＳ樹脂自体にもレーザーによるマーキン
グは可能であるが、そのマーキング状態は、溶融痕であ
り、よりマーキングの鮮明性を向上させる方法として、
カーボンブラック、酸化チタン、フタロシアニン系着色
顔料等を予め樹脂に練り込みマーキングを行っている。
しかしながら、これらの方法によるマーキング部分の色
調は、樹脂焦げによる影響が大きく、カーボンブラック
使用の場合は茶色マーク、酸化チタン及び着色顔料使用
の場合は、黒マークしか得られず、マーキング部が白色
に発色するものが求められてきた。
ロッピーディスクや、電機製品、各種部品等に使用され
ている。これら成型品に印字を行う方法とし、従来より
熱硬化インキ、ＵＶ硬化インキ等を使用した印刷やイン
クジェットによる方式が、一般に行われているが、近
年、レーザーによる印字方式が注目され、実用化されて
きている。ＡＢＳ樹脂自体にもレーザーによるマーキン
グは可能であるが、そのマーキング状態は、溶融痕であ
り、よりマーキングの鮮明性を向上させる方法として、
カーボンブラック、酸化チタン、フタロシアニン系着色
顔料等を予め樹脂に練り込みマーキングを行っている。
しかしながら、これらの方法によるマーキング部分の色
調は、樹脂焦げによる影響が大きく、カーボンブラック
使用の場合は茶色マーク、酸化チタン及び着色顔料使用
の場合は、黒マークしか得られず、マーキング部が白色
に発色するものが求められてきた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ＡＢＳ樹脂の諸物性や
成型性を損なわず、レーザー光線の照射により視認性が
高く鮮明な白色マークが得られるレーザーマーキング用
ＡＢＳ樹脂組成物が求められている。
成型性を損なわず、レーザー光線の照射により視認性が
高く鮮明な白色マークが得られるレーザーマーキング用
ＡＢＳ樹脂組成物が求められている。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記した様
な課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に到
ったものである。即ち、本発明は、（１）赤外線吸収剤
を含有することを特徴とするレーザーマーキング用ＡＢ
Ｓ樹脂組成物、（２）赤外線吸収剤がジイモニウム系化
合物である（１）のレーザーマーキング用ＡＢＳ樹脂組
成物、（３）ジイモニウム系化合物が式（１）
な課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に到
ったものである。即ち、本発明は、（１）赤外線吸収剤
を含有することを特徴とするレーザーマーキング用ＡＢ
Ｓ樹脂組成物、（２）赤外線吸収剤がジイモニウム系化
合物である（１）のレーザーマーキング用ＡＢＳ樹脂組
成物、（３）ジイモニウム系化合物が式（１）
【０００５】
【化３】
【０００６】で表される骨格構造を有する化合物である
（２）のレーザーマーキング用ＡＢＳ樹脂組成物、
（４）式（１）で表される骨格構造を有するジイモニウ
ム系化合物が式（２）
（２）のレーザーマーキング用ＡＢＳ樹脂組成物、
（４）式（１）で表される骨格構造を有するジイモニウ
ム系化合物が式（２）
【０００７】
【化４】
【０００８】（式中、Ｒは低級アルキル基又はアルコキ
シアルキル基を示し、Ｘは対イオンを示す。）で表され
る化合物である（３）のレーザーマーキング用ＡＢＳ樹
脂組成物、（５）Ｒがｎ−ブチル基又はメトキシエチル
基である（４）のレーザーマーキング用ＡＢＳ樹脂組成
物、（６）赤外線吸収剤の含有量が、ＡＢＳ樹脂に対し
て０．００１重量％以上で２０重量％未満である（１）
ないし（５）のいずれか一項のレーザーマーキング用Ａ
ＢＳ樹脂組成物、（７）（１）ないし（６）のいずれか
一項のレーザーマーキング用ＡＢＳ樹脂組成物を成形し
た樹脂成形物、（８）（７）の樹脂成形物にレーザー光
を照射することを特徴とする成形物のマーキング方法、
（９）レーザー光が赤外線レーザー光である（８）のマ
ーキング方法、（１０）赤外線レーザー光がＹＡＧレー
ザー光である（９）のマーキング方法、に関する。
シアルキル基を示し、Ｘは対イオンを示す。）で表され
る化合物である（３）のレーザーマーキング用ＡＢＳ樹
脂組成物、（５）Ｒがｎ−ブチル基又はメトキシエチル
基である（４）のレーザーマーキング用ＡＢＳ樹脂組成
物、（６）赤外線吸収剤の含有量が、ＡＢＳ樹脂に対し
て０．００１重量％以上で２０重量％未満である（１）
ないし（５）のいずれか一項のレーザーマーキング用Ａ
ＢＳ樹脂組成物、（７）（１）ないし（６）のいずれか
一項のレーザーマーキング用ＡＢＳ樹脂組成物を成形し
た樹脂成形物、（８）（７）の樹脂成形物にレーザー光
を照射することを特徴とする成形物のマーキング方法、
（９）レーザー光が赤外線レーザー光である（８）のマ
ーキング方法、（１０）赤外線レーザー光がＹＡＧレー
ザー光である（９）のマーキング方法、に関する。
【０００９】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる赤外線吸収剤
は、赤外線を吸収する化合物で、レーザーマーキングの
際に発色剤、特に白色に発色する発色剤として作用す
る。この赤外線吸収剤としては、ジイモニウム系化合物
が好ましく、例えば上記式（１）で表される骨格構造を
有する化合物があげられる。具体的には、例えば上記式
（２）で表される化合物である。上記式（２）におい
て、Ｒのアルキル基としては、例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、２−メチルプロピル
基、ｎ−ブチル基、ｔ−ブチル基、ペンチル基、ヘキシ
ル基、ドデシル基、オクタデシル基等のＣ１〜Ｃ１８ア
ルキル基等があげられ、好ましくはＣ１〜Ｃ８のアルキ
ル基等があげられる。アルコキシアルキル基としては、
例えばエトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシ
エチル基、ブトキシエチル基等の（Ｃ１〜Ｃ４）アルコ
キシ（Ｃ１〜Ｃ４）アルキル基が挙げられる。好ましい
Ｒとしては、例えばｎ−ブチル基やメトキシエチル基が
あげられる。
は、赤外線を吸収する化合物で、レーザーマーキングの
際に発色剤、特に白色に発色する発色剤として作用す
る。この赤外線吸収剤としては、ジイモニウム系化合物
が好ましく、例えば上記式（１）で表される骨格構造を
有する化合物があげられる。具体的には、例えば上記式
（２）で表される化合物である。上記式（２）におい
て、Ｒのアルキル基としては、例えばメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、２−メチルプロピル
基、ｎ−ブチル基、ｔ−ブチル基、ペンチル基、ヘキシ
ル基、ドデシル基、オクタデシル基等のＣ１〜Ｃ１８ア
ルキル基等があげられ、好ましくはＣ１〜Ｃ８のアルキ
ル基等があげられる。アルコキシアルキル基としては、
例えばエトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシ
エチル基、ブトキシエチル基等の（Ｃ１〜Ｃ４）アルコ
キシ（Ｃ１〜Ｃ４）アルキル基が挙げられる。好ましい
Ｒとしては、例えばｎ−ブチル基やメトキシエチル基が
あげられる。
【００１０】Ｘの対イオンとしては、例えば塩素イオ
ン、臭素イオン、フッ素イオン、チオシアン酸イオン、
ヨウ素イオン、６フッ化アンチモン酸イオン、過塩素酸
イオン、過ヨウ素酸イオン、硝酸イオン、テトラフルオ
ロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、モリブ
デン酸イオン、タングステン酸イオン、チタン酸イオ
ン、バナジン酸イオン、リン酸イオン、ホウ酸イオン等
の無機アニオンがあげられ、好ましいものとしては、過
塩素酸イオン、ヨウ素イオン、テトラフルオロホウ酸イ
オン、６フッ化アンチモン酸イオン等の比較的分子量の
大きいイオンがあげられる。
ン、臭素イオン、フッ素イオン、チオシアン酸イオン、
ヨウ素イオン、６フッ化アンチモン酸イオン、過塩素酸
イオン、過ヨウ素酸イオン、硝酸イオン、テトラフルオ
ロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、モリブ
デン酸イオン、タングステン酸イオン、チタン酸イオ
ン、バナジン酸イオン、リン酸イオン、ホウ酸イオン等
の無機アニオンがあげられ、好ましいものとしては、過
塩素酸イオン、ヨウ素イオン、テトラフルオロホウ酸イ
オン、６フッ化アンチモン酸イオン等の比較的分子量の
大きいイオンがあげられる。
【００１１】次に、式（１）で示される化合物の代表例
を表１に示す。
を表１に示す。
【００１２】
【表１】 表１ 化合物Ｎｏ． Ｒ Ｘ １ ｎ−ブチル ６フッ化アンチモン酸イオン ２ ｎ−ブチル 過塩素酸イオン ３ メトキシエチル ６フッ化アンチモン酸イオン 式（１）、（２）で表される化合物は例えば特開平５−
１７８８０８号などに記載された方法によって製造する
ことができる。
１７８８０８号などに記載された方法によって製造する
ことができる。
【００１３】本発明で用いられるＡＢＳ樹脂はアクリロ
ニトリルブタジエンスチレン共重合体で、メルティング
インデックス（ＭＩ）で通常は０．０１〜６０、好まし
くは０．０２〜５５程度のものが良い。
ニトリルブタジエンスチレン共重合体で、メルティング
インデックス（ＭＩ）で通常は０．０１〜６０、好まし
くは０．０２〜５５程度のものが良い。
【００１４】本発明で用いられる赤外線吸収剤の使用量
は、特に制限はないが、マーキング性を考慮するとＡＢ
Ｓ樹脂に対して、下限が０．００５重量％、好ましくは
約０．０１重量％、更に好ましくは約０．０２重量％、
特に好ましくは約０．０２５重量％程度であり、上限が
１５重量％、好ましくは１０重量％、更に好ましくは５
重量％、特に好ましくは１重量％程度がよい。使用量が
少なすぎると、レーザーマーキング部の白発色度合いが
悪くなり、マークの視認性に欠けるか、マーキングに必
要なエネルギーが大きくなり、樹脂の炭化により、マー
ク部が黒みを帯びる。又使用量が多すぎると、ＡＢＳ樹
脂の成型性、物性等に影響を及ぼす恐れがある
は、特に制限はないが、マーキング性を考慮するとＡＢ
Ｓ樹脂に対して、下限が０．００５重量％、好ましくは
約０．０１重量％、更に好ましくは約０．０２重量％、
特に好ましくは約０．０２５重量％程度であり、上限が
１５重量％、好ましくは１０重量％、更に好ましくは５
重量％、特に好ましくは１重量％程度がよい。使用量が
少なすぎると、レーザーマーキング部の白発色度合いが
悪くなり、マークの視認性に欠けるか、マーキングに必
要なエネルギーが大きくなり、樹脂の炭化により、マー
ク部が黒みを帯びる。又使用量が多すぎると、ＡＢＳ樹
脂の成型性、物性等に影響を及ぼす恐れがある
【００１５】本発明のマーキング用組成物には必要に応
じてＡＢＳ以外の樹脂を併用することが出来る。これら
の樹脂の配合量は特に制限はないが、マーキング性に影
響を与えない範囲で、ＡＢＳ樹脂に対して、好ましくは
５０重量％以下、より好ましくは３０重量％以下、更に
好ましくは２０重量％以下である。
じてＡＢＳ以外の樹脂を併用することが出来る。これら
の樹脂の配合量は特に制限はないが、マーキング性に影
響を与えない範囲で、ＡＢＳ樹脂に対して、好ましくは
５０重量％以下、より好ましくは３０重量％以下、更に
好ましくは２０重量％以下である。
【００１６】本発明のマーキング用組成物には必要に応
じて添加剤等を加える事が出来る。添加剤としては、例
えば着色剤、充填剤（フィラー類）、滑剤、可塑剤等が
挙げられる。使用し得る着色剤としては特に制限はない
が、例えばカーボンブラック、フタロシアニン、アゾ、
ジスアゾ、キナクリドン、アントラキノン、フラバント
ロン、ペリレン、ジオキサジン、縮合アゾ、アゾメチ
ン、又はメチン系等の各種有機顔料、硫酸鉛、酸化亜
鉛、クロムエロー、ジンクエロー、クロムバーミリオ
ン、ベンガラ、コバルト紫、群青、クロムグリーン、酸
化クロム、コバルトグリーン、二酸化チタン等の無機顔
料が挙げられる。これらの有機顔料及び無機顔料は、マ
ークの発色及び発色したマークの鮮明性に影響を与えな
い範囲、例えばＡＢＳ樹脂に対して通常０．００１〜３
重量％の範囲で添加される。
じて添加剤等を加える事が出来る。添加剤としては、例
えば着色剤、充填剤（フィラー類）、滑剤、可塑剤等が
挙げられる。使用し得る着色剤としては特に制限はない
が、例えばカーボンブラック、フタロシアニン、アゾ、
ジスアゾ、キナクリドン、アントラキノン、フラバント
ロン、ペリレン、ジオキサジン、縮合アゾ、アゾメチ
ン、又はメチン系等の各種有機顔料、硫酸鉛、酸化亜
鉛、クロムエロー、ジンクエロー、クロムバーミリオ
ン、ベンガラ、コバルト紫、群青、クロムグリーン、酸
化クロム、コバルトグリーン、二酸化チタン等の無機顔
料が挙げられる。これらの有機顔料及び無機顔料は、マ
ークの発色及び発色したマークの鮮明性に影響を与えな
い範囲、例えばＡＢＳ樹脂に対して通常０．００１〜３
重量％の範囲で添加される。
【００１７】充填剤としては、例えばシリカ、炭酸カル
シウム、アルミナ、硝子繊維等、通常ＡＢＳ樹脂に用い
られる充填剤が挙げられる。これらは、マークの発色及
び発色したマークの鮮明性に影響を与えない範囲、例え
ばＡＢＳ樹脂に対して通常０．００１〜３重量％の範囲
で添加される。
シウム、アルミナ、硝子繊維等、通常ＡＢＳ樹脂に用い
られる充填剤が挙げられる。これらは、マークの発色及
び発色したマークの鮮明性に影響を与えない範囲、例え
ばＡＢＳ樹脂に対して通常０．００１〜３重量％の範囲
で添加される。
【００１８】又、使用し得る滑剤としては、例えばステ
アリン酸、ベヘン酸及びそのエステル、又は塩、カルナ
ウバワックス、ポリエチレンワックス等のワックス類及
び各種界面活性剤が用いられる。これらはＡＢＳ樹脂に
対して通常０．１〜５重量％の割合で必要により添加さ
れる。又、可塑剤としては例えばフタル酸、リン酸、セ
バシン酸等のエステルが挙げられる。そのほか、酸化防
止剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤等通常プラスチック
の加工の際に常用されている添加剤を添加してもよい。
これらの添加剤は、本発明のマーキング用ＡＢＳ樹脂組
成物を作製する際に、粉末のまま用いても良く、又、マ
スターバッチの形態で用いても良い。
アリン酸、ベヘン酸及びそのエステル、又は塩、カルナ
ウバワックス、ポリエチレンワックス等のワックス類及
び各種界面活性剤が用いられる。これらはＡＢＳ樹脂に
対して通常０．１〜５重量％の割合で必要により添加さ
れる。又、可塑剤としては例えばフタル酸、リン酸、セ
バシン酸等のエステルが挙げられる。そのほか、酸化防
止剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤等通常プラスチック
の加工の際に常用されている添加剤を添加してもよい。
これらの添加剤は、本発明のマーキング用ＡＢＳ樹脂組
成物を作製する際に、粉末のまま用いても良く、又、マ
スターバッチの形態で用いても良い。
【００１９】本発明のレーザーマーキング用ＡＢＳ樹脂
組成物は、赤外線吸収剤と必要に応じて着色剤、充填
剤、滑剤、可塑剤、熱安定剤等の添加剤をＡＢＳ樹脂に
加えて、エクストルーダー、２軸ニーダー、ロールミル
等の混練機を用いて均一に混合することにより得られ
る。又本発明のレーザーマーキング用ＡＢＳ樹脂組成物
は、赤外線吸収剤の濃度の高いマスターバッチを製造
し、これにＡＢＳ樹脂、所望によりフィラー等の添加剤
を加えて混練機を用いて均一に配合することによっても
得られる。このようにして得られた本発明の組成物はそ
のまま、又必要があれば、更にＡＢＳ樹脂やフィラー等
の添加剤を加え、それ自体公知の方法で、本発明の樹脂
成形物に成形される。
組成物は、赤外線吸収剤と必要に応じて着色剤、充填
剤、滑剤、可塑剤、熱安定剤等の添加剤をＡＢＳ樹脂に
加えて、エクストルーダー、２軸ニーダー、ロールミル
等の混練機を用いて均一に混合することにより得られ
る。又本発明のレーザーマーキング用ＡＢＳ樹脂組成物
は、赤外線吸収剤の濃度の高いマスターバッチを製造
し、これにＡＢＳ樹脂、所望によりフィラー等の添加剤
を加えて混練機を用いて均一に配合することによっても
得られる。このようにして得られた本発明の組成物はそ
のまま、又必要があれば、更にＡＢＳ樹脂やフィラー等
の添加剤を加え、それ自体公知の方法で、本発明の樹脂
成形物に成形される。
【００２０】尚、赤外線吸収剤の濃度の高いマスターバ
ッチは、必要に応じて着色剤、充填剤、滑剤、可塑剤、
熱安定剤等の添加剤をＡＢＳ樹脂に加えてエクストルー
ダー、２軸ニーダー、ロールミル等の混練機を用いて均
一に配合し、例えばペレット状又はマーブル状等の所望
の形状に成形することにより得られる。マスターバッチ
中の赤外線吸収剤の含量は特に制限はないが、ＡＢＳ樹
脂に対して通常、０．１〜７０．０重量％程度、好まし
くは０．２〜５０．０重量％程度がよい。
ッチは、必要に応じて着色剤、充填剤、滑剤、可塑剤、
熱安定剤等の添加剤をＡＢＳ樹脂に加えてエクストルー
ダー、２軸ニーダー、ロールミル等の混練機を用いて均
一に配合し、例えばペレット状又はマーブル状等の所望
の形状に成形することにより得られる。マスターバッチ
中の赤外線吸収剤の含量は特に制限はないが、ＡＢＳ樹
脂に対して通常、０．１〜７０．０重量％程度、好まし
くは０．２〜５０．０重量％程度がよい。
【００２１】本発明のレーザーマーキング用ＡＢＳ樹脂
組成物を用いた成形物は、その成形物に応じて射出成
形、押し出し成形、中空成形、回転成形、粉末成形、真
空成形等それ自体公知の方法で成形される。その具体例
としては、例えばキートップ等の各種ＡＢＳ樹脂製部
品、文具、容器等が挙げられる。これらの成形物は多層
構成をもつものでも良い。
組成物を用いた成形物は、その成形物に応じて射出成
形、押し出し成形、中空成形、回転成形、粉末成形、真
空成形等それ自体公知の方法で成形される。その具体例
としては、例えばキートップ等の各種ＡＢＳ樹脂製部
品、文具、容器等が挙げられる。これらの成形物は多層
構成をもつものでも良い。
【００２２】このようにして得られた成形物の表面にレ
ーザー光を照射することにより、照射部分に白色で鮮明
なマークが得られる。レーザー光としては、例えばＹＡ
Ｇレーザーが挙げられる。
ーザー光を照射することにより、照射部分に白色で鮮明
なマークが得られる。レーザー光としては、例えばＹＡ
Ｇレーザーが挙げられる。
【００２３】
【実施例】次に実施例に依って、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明がこれらの実施例のみに限定される
ものではない。
説明するが、本発明がこれらの実施例のみに限定される
ものではない。
【００２４】実施例１ ＡＢＳ樹脂（ダイセル化学工業（株）製 セビアン−
Ｖ）１００部、と化合物Ｎｏ．１の赤外線吸収剤０．１
部をブレンドして本発明のレーザーマーキング用ＡＢＳ
樹脂組成物を得た。この組成物を、二軸押し出し混練機
（栗本鐵工製 Ｓ１ニーダー）を使用して約１８０℃に
て混練後、１８０℃の熱プレスにて板状の成型物（厚さ
約１〜２ｍｍ）を得た。このプレートにレーザー光を照
射し、得られた白色マーキング文字の視認性を評価し
た。この結果を表２に示す。尚、レーザー光の照射条件
は次の通りである。
Ｖ）１００部、と化合物Ｎｏ．１の赤外線吸収剤０．１
部をブレンドして本発明のレーザーマーキング用ＡＢＳ
樹脂組成物を得た。この組成物を、二軸押し出し混練機
（栗本鐵工製 Ｓ１ニーダー）を使用して約１８０℃に
て混練後、１８０℃の熱プレスにて板状の成型物（厚さ
約１〜２ｍｍ）を得た。このプレートにレーザー光を照
射し、得られた白色マーキング文字の視認性を評価し
た。この結果を表２に示す。尚、レーザー光の照射条件
は次の通りである。
【００２５】 ＮＥＣ製ＹＡＧレーザー スキャニング速度 ＳＰ ４００〜８００ｍｍ／ｓｅｃ パルスＱスイッチ ４ＫＨｚ ラインピッチ ５０〜１５０μｍ ランプ強度 １２〜１８Ａ
【００２６】実施例２ 実施例１の樹脂１００部と化合物Ｎｏ．２の赤外線吸収
剤０．１部をブレンドして、二軸押し出し混練機（栗本
鐵工製 Ｓ１ニーダー）を使用して約１８０℃にて混練
後、１８０℃の熱プレスにて板状の成型物（厚さ約１〜
２ｍｍ）を作成した。この成型物に実施例１と同様にレ
ーザー光を照射し、得られた白色マーキング文字の視認
性を評価した。この結果を表２に示す。
剤０．１部をブレンドして、二軸押し出し混練機（栗本
鐵工製 Ｓ１ニーダー）を使用して約１８０℃にて混練
後、１８０℃の熱プレスにて板状の成型物（厚さ約１〜
２ｍｍ）を作成した。この成型物に実施例１と同様にレ
ーザー光を照射し、得られた白色マーキング文字の視認
性を評価した。この結果を表２に示す。
【００２７】比較例１ ＡＢＳ樹脂（ダイセル化学工業（株）製 セビアン−
Ｖ）を１８０℃の熱プレスにてプレスし、板状の成型物
（厚さ約１〜２ｍｍ）を得た。このプレートにレーザー
光を照射し、得られたマークの視認性を評価した。この
結果は表２に示す。
Ｖ）を１８０℃の熱プレスにてプレスし、板状の成型物
（厚さ約１〜２ｍｍ）を得た。このプレートにレーザー
光を照射し、得られたマークの視認性を評価した。この
結果は表２に示す。
【００２８】比較例２ 実施例１の樹脂１００部及びカーボン０．１部をブレン
ドして、二軸押し出し混練機（栗本鐵工製 Ｓ１ニーダ
ー）を使用して約１８０℃にて混練後、１８０℃の熱プ
レスにて板状の成型物（厚さ約１〜２ｍｍ）を作成し
た。この成型物に実施例１と同様にレーザー光を照射
し、得られたマークの視認性を評価した。この結果を表
２に示す。
ドして、二軸押し出し混練機（栗本鐵工製 Ｓ１ニーダ
ー）を使用して約１８０℃にて混練後、１８０℃の熱プ
レスにて板状の成型物（厚さ約１〜２ｍｍ）を作成し
た。この成型物に実施例１と同様にレーザー光を照射
し、得られたマークの視認性を評価した。この結果を表
２に示す。
【００２９】比較例３ 実施例１の樹脂１００部及び酸化チタン０．５部をブレ
ンドして、二軸押し出し混練機（栗本鐵工製 Ｓ１ニー
ダー）を使用して約１８０℃にて混練後、１８０℃の熱
プレスにて板状の成型物（厚さ約１〜２ｍｍ）を作成し
た。この成型物に実施例１と同様にレーザー光を照射
し、得られたマークの視認性を評価した。この結果を表
２に示す。
ンドして、二軸押し出し混練機（栗本鐵工製 Ｓ１ニー
ダー）を使用して約１８０℃にて混練後、１８０℃の熱
プレスにて板状の成型物（厚さ約１〜２ｍｍ）を作成し
た。この成型物に実施例１と同様にレーザー光を照射
し、得られたマークの視認性を評価した。この結果を表
２に示す。
【００３０】比較例４ 実施例１の樹脂１００部及びフタアロシアニン顔料０．
１部をブレンドして、二軸押し出し混練機（栗本鐵工製
Ｓ１ニーダー）を使用して約１８０℃にて混練後、１
８０℃の熱プレスにて板状の成型物（厚さ約１〜２ｍ
ｍ）を作成した。この成型物に実施例１と同様にレーザ
ー光を照射し、得られたマークの視認性を評価した。こ
の結果を表２に示す。
１部をブレンドして、二軸押し出し混練機（栗本鐵工製
Ｓ１ニーダー）を使用して約１８０℃にて混練後、１
８０℃の熱プレスにて板状の成型物（厚さ約１〜２ｍ
ｍ）を作成した。この成型物に実施例１と同様にレーザ
ー光を照射し、得られたマークの視認性を評価した。こ
の結果を表２に示す。
【００３１】
【表２】 表２ 赤外線吸収剤 添加剤 地色 マーク マークの 種類 量％ の色 鮮明性 実施例１ Ｎｏ１ 0.1 なし 黄緑 白 ◎ 実施例２ Ｎｏ２ 0.1 なし 黄緑 白 ◎ 比較例１ なし 乳白色 黒 × 比較例２ ０ 0.1%カーボン 黒 茶色 × 比較例３ ０ 0.5%酸化チタン 白 黒 × 比較例４ ０ 0.1%フタロシアニン 青 黒 ×
【００３２】 鮮明性：マーク鮮明性は目視による判定。 ◎：マーク視認性良好で鮮明な白発色。 ○：マーク視認性良好でな淡色の発色。 ×：樹脂焦げによる濃色の発色
【００３３】表２から明らかなように、ＡＢＳ樹脂に赤
外線吸収剤を添加しない場合や公知のカーボン等を添加
しただけでは、レーザー照射により黒色のマークしか得
られず、マークの鮮明性に劣るのに対し、ＡＢＳ樹脂に
赤外線吸収剤を添加した場合にはレーザー照射により白
色マークが得られ、又マークの鮮明性も良好である。
外線吸収剤を添加しない場合や公知のカーボン等を添加
しただけでは、レーザー照射により黒色のマークしか得
られず、マークの鮮明性に劣るのに対し、ＡＢＳ樹脂に
赤外線吸収剤を添加した場合にはレーザー照射により白
色マークが得られ、又マークの鮮明性も良好である。
【００３４】
【発明の効果】本発明によると、ＡＢＳ樹脂成形物にレ
ーザー照射部分が視認性良好で鮮明な白色マークを付与
する事ができる。
ーザー照射部分が視認性良好で鮮明な白色マークを付与
する事ができる。
Claims (10)
- 【請求項１】赤外線吸収剤を含有することを特徴とする
レーザーマーキング用ＡＢＳ樹脂組成物。 - 【請求項２】赤外線吸収剤がジイモニウム系化合物であ
る請求項１のレーザーマーキング用ＡＢＳ樹脂組成物。 - 【請求項３】ジイモニウム系化合物が式（１） 【化１】 で表される骨格構造を有する化合物である請求項２のレ
ーザーマーキング用ＡＢＳ樹脂組成物。 - 【請求項４】式（１）で表される骨格構造を有するジイ
モニウム系化合物が式（２） 【化２】 （式中、Ｒは低級アルキル基又はアルコキシアルキル基
を示し、Ｘは対イオンを示す。）で表される化合物であ
る請求項３のレーザーマーキング用ＡＢＳ樹脂組成物。 - 【請求項５】Ｒがｎ−ブチル基又はメトキシエチル基で
ある請求項４のレーザーマーキング用ＡＢＳ樹脂組成
物。 - 【請求項６】赤外線吸収剤の含有量が、ＡＢＳ樹脂に対
して０．００１重量％以上で２０重量％未満である請求
項１ないし６のいずれか一項のレーザーマーキング用Ａ
ＢＳ樹脂組成物。 - 【請求項７】請求項１ないし６のいずれか一項のレーザ
ーマーキング用ＡＢＳ樹脂組成物を成形した樹脂成形
物。 - 【請求項８】請求項７の樹脂成形物にレーザー光を照射
することを特徴とする成形物のマーキング方法。 - 【請求項９】レーザー光が赤外線レーザー光である請求
項８のマーキング方法。 - 【請求項１０】赤外線レーザー光がＹＡＧレーザー光で
ある請求項９のマーキング方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9354093A JPH11170700A (ja) | 1997-12-09 | 1997-12-09 | レーザーマーキング用ａｂｓ樹脂組成物、成形物及びマーキング方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9354093A JPH11170700A (ja) | 1997-12-09 | 1997-12-09 | レーザーマーキング用ａｂｓ樹脂組成物、成形物及びマーキング方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11170700A true JPH11170700A (ja) | 1999-06-29 |
Family
ID=18435251
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9354093A Pending JPH11170700A (ja) | 1997-12-09 | 1997-12-09 | レーザーマーキング用ａｂｓ樹脂組成物、成形物及びマーキング方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11170700A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010514587A (ja) * | 2006-10-27 | 2010-05-06 | データレース リミテッド | レーザマーキング可能な組成物 |
| JP2015057492A (ja) * | 2007-01-17 | 2015-03-26 | チバ ホールディング インコーポレーテッドＣｉｂａ Ｈｏｌｄｉｎｇ Ｉｎｃ． | ジチオレン金属錯体の無色ｉｒ吸収剤 |
-
1997
- 1997-12-09 JP JP9354093A patent/JPH11170700A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2010514587A (ja) * | 2006-10-27 | 2010-05-06 | データレース リミテッド | レーザマーキング可能な組成物 |
| JP2015057492A (ja) * | 2007-01-17 | 2015-03-26 | チバ ホールディング インコーポレーテッドＣｉｂａ Ｈｏｌｄｉｎｇ Ｉｎｃ． | ジチオレン金属錯体の無色ｉｒ吸収剤 |
| JP2017078173A (ja) * | 2007-01-17 | 2017-04-27 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアＢａｓｆ Ｓｅ | ジチオレン金属錯体の無色ｉｒ吸収剤 |
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