JPH11169209A - スリップ防止ウェッビング・アジャスタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 どの角度から張力が加わった場合でも、ウェ
ッビングがスリップするのを防止する。 【解決手段】 自由に回転できるプレート２０を、二つ
の側部アーム並びに横方向に延びるバー３０と接続装置
との間に装着する。このプレートは、横方向に延びるバ
ー３０の係合面と接触する係合面を持つ。自由に回転で
きるプレートを選択的に回転するため、少なくとも一方
の側部アーム上に解放装置を装着する。この装置に挿入
した一定長のウェッビングが、解放手段を作動するま
で、横方向に延びるバーの係合面と、自由に回転できる
プレートの係合面との間に、確実に保持される。係合面
による摩擦並びに自由に回転できるプレートからの圧力
により、どの角度から張力が掛かっても、ウェッビング
が装置から抜け出すのを防止し、解放装置により、ウェ
ッビングを簡単に調整する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、スリップ防止ウェ
ッビング・アジャスタに関し、特にある長さのウェッビ
ングを固定し、いかなる角度から張力が掛かった場合で
も、ウェッビングがスリップするのを防止する、自由に
回転する溝付きプレートを備えた、ウェッビング・アジ
ャスタを持つバックルまたは他の装置に関する。

【０００２】

【従来の技術、及び、発明が解決しようとする課題】通
常、安全ベルトとして、または旅行用小型カバンまたは
外套類で使用される、ストラップ、またはある長さのウ
ェッビングの二つの端部を一緒に固定するために、多く
のタイプのバックルが使用される。通常、これらのバッ
クルは、ウェッビングを挿入するための横方向に延びる
一連のアームを備える。これらのアームにより、ユーザ
の体の大きさに適合するように、ウェッビングを調整す
ることができる。ストラップにより張力が加えられる
と、ストラップは、それ自身およびバックルに対する摩
擦により、その位置に留まろうとする。しかし、バック
ルに垂直に張力が加わると、ストラップに対する摩擦が
少なくなり、ストラップを、容易にバックルから引き出
すことができる。

【０００３】高い椅子のような場所に子供を固定するた
めのベルトとして、バックルを使用した場合には、この
ようなことがよく起きる。幼児の胴回りは非常に小さい
ので、バックルに加わる張力の角度は、まれにではある
が、１８０度近くになり、９０度に近づくことがよくあ
る。この状態では、ストラップは、バックルから容易に
抜け出ることができ、ベルトは固定状態に保持されな
い。ベルトに固定された状態で幼児が激しく身動きする
と、バックルからストラップが抜け出る危険はさらに増
大する。

【０００４】従って、どの角度から張力が加わっても、
ストラップまたはウェッビングを、しっかりと固定する
装置を開発するための努力が行われてきた。ルンドステ
ットの米国特許５、６５１、１６６は、そのような装置
の一つを開示している。この装置は、バックルの横方向
に延びる部材に係合する、柔軟な突出部材を含む。ウェ
ッビングは、上記突出部材と、横方向に延びる部材との
間に挿入され、突出部材からの張力によりウェッビング
は正しい場所に保持される。この装置は、ウェッビング
がしっかりと固定されると、ベルトを延ばそうとして
も、バックルから、ウェッビングを、容易に引き出すこ
とができないという欠点がある。吉田工業（株）（ＹＫ
Ｋ）の他の装置は、バックルからストラップを引き出そ
うとすると、ウェッビングををしっかりと固定する、自
由に回転する溝付きアームを使用している。上記アーム
は、バックルの両側面の間に、自由に動けるように保持
されている独立の部材である。この装置は、容易に調整
することができる反面、すでに説明したように、張力が
バックルに垂直に加わった場合、ウェッビングがバック
ルから容易に抜け出る恐れがある。

【０００５】それ故、本発明の一つの目的は、どの角度
から張力が加わった場合でも、ウェッビングがスリップ
するのを防止する、バックル、フックまたは他の接続タ
イプの装置に取り付けた、ある長さのウェッビングの長
さを調整するための装置を提供することである。

【０００６】本発明の他の目的は、ウェッビングを容易
に引き出すことができる、ある長さのウェッビングを調
整するための装置を提供することである。

【０００７】本発明のさらに他の目的は、簡単に製造す
ることができ、また製造コストも安い、ある長さのウェ
ッビングを調整するための装置を、提供することであ
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の上記および他の
目的は、二つの側面アームおよび一つの端部アームから
形成された全体がＵ字形の本体からなる、ある長さのウ
ェッビングを調整するための装置により、達成すること
ができる。側面アームは、それぞれバックルまたはフッ
クの一部のような装置に接続している端部を持つ。

【０００９】横方向に延びるバーは、二つの側面アーム
の間に装着されていて、端部アームから独立している。
横方向に延びるバーは、上記装置に挿入されたウェッビ
ングへの摩擦を増大させるための係合面を持つ。

【００１０】自由に回転できるプレートは、二つの側部
アームの間、および横方向に延びるバーと接続装置との
間に装着されている。上記自由に回転できるプレート
は、二つの面の間にウェッビングを捕捉するために、横
方向に延びるバーの係合面に接触する係合面を備える。
解放機構は、自由に回転できるプレートを選択的に回転
させ、調整のために上記係合面からウェッビングを解放
するために、少なくとも一つの側部アーム上に位置して
いる。

【００１１】自由に回転できるプレートは、好適には、
リビング・ヒンジを通して接続装置と一体に形成するこ
とが好ましい。最も好ましいのは、装置全体を一つの装
置として、一体に形成することである。上記装置は、ア
セタルまたはナイロンのような任意の材料から作ること
ができる。

【００１２】解放機構は、好適には、自由に回転できる
プレートの各側部に一体に形成された、ボタンであるこ
とが好ましい。上記ボタンは、各側部アームの開口部を
通して延びる。ユーザは、自分の指で、上記ボタンを上
記開口部内で操作することができ、その結果、自由に回
転できるプレートが回転し、係合面の間からウェッビン
グを解放することができる。

【００１３】本発明の他の実施形態の場合には、ボタン
は、リビング・ヒンジを通して、側部アームと一体に形
成される。自由に回転できるプレートの方向に、ボタン
を内側に向かって押すと、自由に回転できるプレートの
下をボタンが移動し、自由に回転できるプレートを上に
向かって押し、その結果、ウェッビングが係合面から解
放される。上記運動を容易にするために、自由に回転で
きるプレートの下面の各側面は、内側に斜めにフランジ
状になっている。ボタンは、上記フランジに沿ってスラ
イドし、自由に回転できるプレートを持ち上げて、横方
向に延びるバーから遠ざける。

【００１４】係合面は、自由に回転できるプレート、お
よび横方向に延びるバー上に形成された、縦方向に延び
る複数の溝を備える。係合面は、ウェッビングと接触
し、溝との摩擦および自由に回転できるプレートからの
下向きの圧力により、正しい位置にウェッビングを保持
する。

【００１５】本発明の他の目的および特徴は、添付の図
面を参照しながら、下記の詳細な説明を読めば明らかに
なる。しかし、図面は説明のためだけのものであって、
本発明を制限するものでないことを理解されたい。

【００１６】

【発明の実施の形態】図、特に図１−図６について詳細
に説明すると、これらの図は、本発明の一実施形態であ
る。装置１０は、バックルの半分に取り付けられたＵ字
形の本体１１を持ち、上記バックルはプレート１４と、
固定アーム１２および１３を備える。本体１１は、端部
アーム４０と一体に形成されている、二つの側部アーム
１５を備える。横方向に延びるバー３０は、側部アーム
１５の間を延びていて、ある長さのウェッビングを挿入
するためのギャップを形成するために、端部アーム４０
から離れて設置されている。

【００１７】自由に回転できるプレート２０は、リビン
グ・ヒンジ２８を通して、プレート１４に接続してい
る。自由に回転できるプレート２０は、横方向に延びる
バー３０と接触し、その結果、自由に回転できるプレー
ト２０と、横方向に延びるバー３０との間に挿入され
た、ウェッビング部分は、その間にしっかりと固定され
る。横方向に延びるバー３０は、図３ｂに示す溝付き係
合面３２を含む。自由に回転できるプレート２０は、ま
た図３ｂに示す溝付き係合面２２を含む。これらの溝付
き係合面２２および３２は、図３ｃに示すように、その
間にウェッビング１８をしっかりと保持するために、自
由に回転できるプレート２０と、横方向に延びるバー３
０に、さらに係合する力を与える。自由に回転できるプ
レート２０は、その係合位置において、ウェッビング１
８を保持するために、横方向に延びるバー３０と接触す
るように形成される。

【００１８】自由に回転できるプレート２０は、二つの
ボタン２１と一体に形成されていて、これらのボタン
は、図４に示すように、側部アーム１５の開口部２５を
通して延びる。ボタン２１により、ユーザは、そのフィ
ンガと一緒にプレート２０を上方に回転させ、プレート
２０と、横方向に延びるバー３０との間に保持されてい
る、ある長さのウェッビングを、自由に調整することが
できる。このようにして、ボタン２１により、自由に回
転できるプレート２０を、単に上に持ち上げるだけで、
ウェッビングを容易に調整することができる。上記ボタ
ンを操作しない場合には、ウェッビングは、係合面２２
および３２の間にしっかりと保持され、その結果、どの
角度から張力が掛かっても、ウェッビングは、装置１０
から外へ向けてスリップすることはない。

【００１９】図７−図１２は、本発明の他の実施形態で
ある。装置１００は、端部アーム１４０により接続して
いる、二つの側部アーム１１５を持つ、全体がＵ字型の
本体１１０を備える。横方向に延びるバー１３０は、側
部アーム１１５の間に装着され、ある長さのウェッビン
グを挿入するためのギャップを形成するために、端部ア
ーム１４０から離れた状態で設置されている。

【００２０】自由に回転できるプレート１２０は、リビ
ング・ヒンジ１２８を通して、プレート１１４と一体に
形成されている。自由に回転できるプレート１２０は、
その間にウェッビング部分を固定するために、横方向に
延びるバー１３０と係合する。自由に回転できるプレー
ト１２０、および横方向に延びるバー１３０は、それぞ
れ、溝付き係合面１２２および１３２を持ち、それぞれ
ウェッビングへの摩擦による係合を増大している。

【００２１】二つのボタン１２１は、装置１１の側部１
１５に自由に動けるように装着されている。ボタン１２
１は、リビング・ヒンジ１２５を通して、側部１１５と
一体に形成されていて、ユーザは指でこのボタンを押し
込むことができる。自由に回転できるプレート１２０
は、図１０に示すように、下に向かって延び、内側に傾
斜しているフランジ１２６を備える。

【００２２】ボタン１２１を押し込むと、ボタン１２１
は、フランジ１２６に沿ってスライドし、プレート１２
０を上方に持ち上げ、横方向に延びるバー１３０との、
すべての接触を切り離す。それ故、プレート１２０と、
横方向に延びるバー１３０との間に挿入されたある長さ
のウェッビングを、単にボタン１２１を押すことによ
り、容易に調整することができる。

【００２３】従来技術と比較すると、本発明は、有意に
改善されている。何故なら、ストラップが回転して、装
置に垂直な方向に張力が掛かると、係合面が正しい位置
にストラップをしっかりと保持し、ストラップがスリッ
プしないからである。本発明により、ストラップの調整
を非常に簡単に行うこともできる。

【００２４】従って、本発明の二つの実施形態しか図示
し説明してこなかったが、本発明の精神および範囲から
逸脱することなしに、多くの変更および修正を行うこと
ができることは明らかである。

【図面の簡単な説明】

全図面中、類似のエレメントには、類似の番号がつけて
ある。

【図１】本発明の装置の斜視図である。

【図２】本発明の装置の平面図である。

【図３】図２のＩＩＩａ−ＩＩＩａ線に沿って切断した
断面図と、その装置の係合アッセンブリの拡大図と、あ
る長さのウェッビングが挿入された装置の断面図であ
る。

【図４】図２のＩＶ−ＩＶ線に沿って切断した断面図で
ある。

【図５】図１の装置の側面図である。

【図６】図１の装置の端面図ある。

【図７】本発明の装置の他の実施形態の斜視図である。

【図８】図７の装置の平面図である。

【図９】図８のＩＸ−ＩＸ線に沿って切断した断面図
と、その係合エレメントの拡大図である。

【図１０】図８のＸ−Ｘ線に沿って切断した断面図であ
る。

【図１１】図７の実施形態の側面図である。

【図１２】図７の実施形態の側面図ある。

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ある長さのウェッビングを調整するため
   の装置であって、 一つの端部アームにより接続している、それぞれが一つ
   の端部を持つ二つの側部アームからなる、全体がＵ字形
   の本体と、 上記側部アームの端部に取り付けられている、接続装置
   と、 二つの側部アームの間に装着され、端部アームから独立
   していて、係合面を持つ横方向に延びるバーと、 二つの側部アームの間、および横方向に延びるバーと上
   記接続装置との間に装着され、上記横方向に延びるバー
   の係合面と接触している係合面を持つ、自由に回転でき
   るプレートと、 上記自由に回転できるプレートを選択的に回転するため
   の、少なくとも一方の側部アーム上の解放機構とを備
   え、 上記解放手段を作動するまで、上記装置に挿入した、あ
   る長さのウェッビングが、上記横方向に延びるバーと、
   上記自由に回転できるプレートの係合面の間に、しっか
   りと保持される装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の装置において、上記自
   由に回転できるプレートが、少なくとも一つのリビング
   ・ヒンジを通して、上記接続装置と一体に形成されてい
   る装置。
3. 【請求項３】 請求項１に記載の装置において、上記解
   放手段が、上記自由に回転できるプレートと一体に形成
   され、上記側部アームの一つ内の開口部を通して延びる
   ボタンであり、上記自由に回転できるプレートを回転す
   るために、上記開口部内で上記ボタンを動かすことがで
   きる装置。
4. 【請求項４】 請求項３に記載の装置において、上記解
   放手段が、さらに、自由に回転できるプレートと一体に
   形成され、上記側部アームの他方の開口部を通して延び
   る第二のボタンを備える装置。
5. 【請求項５】 請求項１に記載の装置において、上記係
   合面が、自由に回転できるプレートおよび横方向に延び
   るバーの上に形成された、複数の溝を備える装置。
6. 【請求項６】 請求項１に記載の装置において、解放手
   段が、上記各側部アームに接続しているボタンを備え、
   上記ボタンを押すことにより、上記自由に回転できるプ
   レートが回転し、その結果、係合面の間に保持されてい
   るウェッビングが解放される装置。
7. 【請求項７】 請求項６に記載の装置において、上記ボ
   タンが、リビング・ヒンジを通して、側部アームと一体
   に形成されている装置。
8. 【請求項８】 請求項６に記載の装置において、自由に
   回転できるプレートが、内側に傾斜しているフランジを
   持ち、上記ボタンが押し込まれると、上記ボタンが上記
   側部フランジと接触し、上記フランジに沿ってスライド
   し、上記自由に回転できるプレートを押し上げる装置。
9. 【請求項９】 請求項１に記載の装置において、接続装
   置が、バックルを備える装置。