JPH11156912A - 複層ガラスの製造方法 - Google Patents

複層ガラスの製造方法

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JPH11156912A
JPH11156912A JP9323388A JP32338897A JPH11156912A JP H11156912 A JPH11156912 A JP H11156912A JP 9323388 A JP9323388 A JP 9323388A JP 32338897 A JP32338897 A JP 32338897A JP H11156912 A JPH11156912 A JP H11156912A
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die
glass
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glass plate
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祥孝 松山
Yuichi Onabeda
裕一 女部田
Haruki Kobayashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】断熱性能、結露防止性能等の各種性能が優れた
複層ガラスを簡便に製造する。 【解決手段】複数のガラス板2,3を中空層を形成して
隔置し、樹脂材料4を押出すダイ5と複数のガラス板
2,3周縁部とを相対移動させながら対向するガラス板
2,3間の周縁部にダイ5から樹脂材料4を押出して樹
脂製のスペーサを一体成形する際に、ダイ5の吐出口6
をガラス板2,3間に形成されている中空層に常時対向
した向きにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複層ガラスの製造
方法に関し、詳しくは樹脂材料を複数のガラス板間の周
縁部に押出して樹脂製のスペーサを形成し、複層ガラス
を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在一般に知られている複層ガラスは、
最低2枚のガラス板を、そのガラス板間の周囲に沿って
設けたスペーサを介して対向させ、ガラス板とスペーサ
とをブチル系シーラントにて密着させてガラス板間の中
空部と外気とを遮断した後、対向しているガラス板の周
縁部内面とスペーサ外面との間の空隙をポリスルフィド
系またはシリコーン系で代表される常温硬化型シーリン
グ材で封着する方法で製造されている。
【0003】通常、スペーサは内部に中空部を有するア
ルミニウム製の中空体であり、あらかじめガラス板の大
きさに合わせて切断され、その中空部に乾燥材を充填し
た後、各端部をコーナキーにより接続して枠体に組み立
てたもの、または中空部に乾燥材を充填した後、各コー
ナ部で曲げ加工し、端部を接続キーで継ぎ合わせて枠体
に組み立てたものを用いている。
【0004】このような金属製のスペーサを用いた複層
ガラスの製造工程では、ガラス板の複層化工程とは別
に、スペーサの切断、乾燥材充填、スペーサ組立てとい
った繁雑な工程が多く、多くの人手を要する。また、シ
ーリング材のシーリング工程では、シーリング材が常温
硬化型であるため、ラインおよびシール装置を未硬化の
シーリング材で汚し、製品の歩留まりを低下させてい
る。さらには、シーリング材が硬化するまで出荷でき
ず、広大な養生場所を要する。また、スペーサにアルミ
ニウムを用いる場合が多いが、アルミニウム製スペーサ
とガラス板とが接している部分が熱伝導点となり、複層
ガラスの断熱性を低下させる問題もある。
【0005】そこで金属製のスペーサのかわりに樹脂製
のスペーサを用いた複層ガラスが提案されている。たと
えば特開昭61−64415には、ブチルゴムをベース
とする材料をガラス板上に均一に成形する方法が開示さ
れている。この方法によれば、樹脂材料をガラス板の片
面に供給してスペーサを形成した後に、もう1枚のガラ
ス板を積層して複層化しているため、上記の金属製スペ
ーサのようなコーナでの繁雑な作業を低減できる。ま
た、複層化した後に、対向しているガラス板の内面とス
ペーサ外面との間の空隙を、上記の常温硬化型シーリン
グ材で封着しているため、複層ガラスの断熱性低下を抑
制できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭61−64
415の方法によれば、従来の複層ガラスの製造工程の
うち、一連のスペーサ組立て工程を省略できる。しか
し、ガラス板の複層化工程、プレス工程およびシーリン
グ材のシーリング工程は依然必要である。
【0007】そこで、特開平7−17748には、上下
に所定間隔をあけて水平に搬送される2枚のガラス板間
に乾燥材を練り込んだ硬質樹脂材料を直接押出し成形す
る方法が開示されている。この方法によれば、上記の複
層化工程やシーリング材のシーリング工程を省略できる
ため、製造工程を簡略化できる。
【0008】この方法では、ガラス板を一組の辺方向に
搬送しながら樹脂材料を押出し成形して一体化(一体成
形)した後に、ガラス板を90度回転させてもう一組の
辺に樹脂材料を一体化させる。そのため、スペーサの継
目が各コーナ部の4箇所になる。
【0009】複層ガラスは、2枚のガラス板間の中空層
を外部から密封することによって、その断熱効果や結露
防止効果を発揮する。そのため、この密封の精度は複層
ガラスの性能を大きく左右する。したがって、特開平7
−17748の方法のように継目が多数生じるもので
は、複層ガラスの性能低下のおそれがある。
【0010】また、2枚のガラス板をその間に中空層が
形成されるように隔置して、樹脂材料を押出すダイと2
枚のガラス板の周縁部とを相対移動させながら、対向す
るガラス板間の周縁部にダイから樹脂材料を押出して樹
脂製のスペーサを一体成形する方法が提案されている。
【0011】この方法は、2枚のガラス板の移動がそれ
ぞれ同じ方向に同じ速度で同時になるように2枚のガラ
ス板を鉛直方向に保持し、ガラス板およびダイのそれぞ
れの移動方向が互いに直交するようにガラス板およびダ
イの移動をそれぞれ一方向への移動として、一方を移動
させているときにもう一方を停止させるようにダイとガ
ラス板とを相対移動させ、ガラス板の1辺毎に両者の移
動を交替させながら対向するガラス板間の周縁部に樹脂
材料を押出す複層ガラスの製造方法である。
【0012】この方法によれば、上記列記した従来の複
層ガラスおよびその製造方法の問題点を解決できるが、
この方法においては、図18に示すように、樹脂製スペ
ーサを一体成形するためのダイ1を2枚のガラス板2,
3間に挿入し、ダイ1から所定の形状の樹脂材料4を押
出して、対向するガラス板2,3の内面と密着させるこ
とで一体化する。
【0013】この方法においては、樹脂材料4の押出し
形状を保ちつつガラス板2,3との密着性を確保するに
は、ダイ1のガラス板2,3間に対応する寸法はガラス
板2,3間の寸法に極力近い必要があるが、反面、ガラ
ス板2,3には厚みにばらつきがあること、ガラス板
2,3間の寸法にダイ1の寸法を近似させすぎると、ガ
ラス板2,3の保持精度によってはダイ1とガラス板
2,3とが接触し、ガラス割れの原因になるという製造
上の問題がある。
【0014】本発明は、上述した複層ガラスの製造方法
における従来の問題を解決し、断熱性能、結露防止性能
等の各種性能が優れた複層ガラスを、安価にかつ簡便に
製造しうる複層ガラスの製造方法を提供することを目的
とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の複層ガラスの製造方法は、複数のガラス板をそ
の間に中空層が形成されるように隔置し、樹脂材料を押
出す所定の吐出口形状を有するダイと前記隔置された複
数のガラス板周縁部とをダイがガラス板の周縁部に沿う
ように相対移動させながら、ダイから樹脂材料を押出し
て対向するガラス板間の周縁部に樹脂製のスペーサを成
形する複層ガラスの製造方法において、前記ダイの吐出
口をガラス板間に形成されている中空層に対向させなが
ら、ダイをガラス板の端面に対向配置してダイとガラス
板周縁部とを相対移動させることを特徴としている。こ
れにより、ダイをガラス板間に挿入する方式に比して、
製作精度および相対移動時の位置精度の必要性を軽減で
きる。また、ダイをガラス板に接触させないことで、歩
留りの向上、作業性の向上を図れる。
【0016】さらに本発明は、ガラス板と相対移動する
ダイの移動方向と直角な線に対して、ダイの内部からダ
イの移動方向後方に向けて、20度〜70度の角度で傾
斜した樹脂流路を有するダイを用いることによって、ガ
ラス板間への樹脂材料の押出し作業が円滑になる。
【0017】さらに本発明は、ダイの吐出口側表面をガ
ラス板の端面から所定間隔離間して、ダイの吐出口側表
面がガラス板の端面に接触しないようにダイとガラス板
周縁部とを相対移動させることによって、ガラス板の割
れが確実に防止されて歩留りが向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
を参照しつつ説明する。
【0019】図1は本発明の実施の形態の一例の斜視
図、図2は本発明に使用するダイの実施の形態の一例の
平面図、図5は本発明の方法に使用する装置の一例の側
面図、図6は図5をVI方向から見た正面図であって、
図1、図2に示すように本発明に使用するダイ5には、
中央部の幅が狭く左右両端に向けて幅が広がる蝶形断面
の吐出口6が設けてある。ダイ5は取付腕7の先端に固
着されており、取付腕7の内部に設けてある後述する樹
脂流路16(図3)が吐出口6に連通している。
【0020】一方、ガラス板2,3は図5、図6に示す
ように、その対向する面とは反対側の面を吸着パッド8
によって吸着支持され、ガラス板2,3の間に間隔wが
保たれるようにしてガラス保持台9に鉛直方向に保持さ
れている。ガラス板2,3の厚みが変わったり、ガラス
板2,3の間の間隔wが変わったときには、別のガラス
保持台9を用意する。ガラス保持台9の下部には車輪1
0が設けてあって、駆動モータ等の図示しない駆動機構
により車輪10が回転し、ガラス保持台9はガラス板
2,3を鉛直に保持したまま水平方向に移動するように
なっている。
【0021】図1、図2で説明した取付腕7は、図5に
示すようにスイベルジョイント11を備えた樹脂供給管
12を介して押出機13に接続されている。そして取付
腕7は鉛直に設けてあるリニヤレール14に沿って、駆
動モータ等により鉛直に上下に移動できるようになって
いる。さらに取付腕7は、図示しない回転モータ等によ
り、取付腕7の軸線を中心として90度ずつ回転できる
ようになっている。
【0022】図3は本発明に使用するダイ5の実施の形
態の一例の側面図、図4は図3のIV−IV断面図であ
って、図3のように相対移動するガラス板2,3の端面
とダイ5の表面との間には、0.1〜0.5mm程度の
離間距離eが保たれ、ガラス板2,3の端面にダイ5の
表面が接触しないようになっている。
【0023】そしてダイ5には、ガラス板面方向であっ
てガラス板2,3に対して相対移動するダイ5の移動方
向と直角な線Sに対して、ダイ5の内部からダイ5の移
動方向後方に向けて、1度〜90度、好ましくは20度
〜70度の角度で傾斜して吐出口6に連通する樹脂流路
16が設けられている。
【0024】また図4に示すように、ガラス板2,3の
間の間隔wの寸法に対し、ダイ5の吐出口6に達する樹
脂流路16の幅dの寸法が若干小さくなるようにしてい
る。たとえばガラス板2,3の間の間隔wが12.0m
mの場合、この間隔wに対応する方向の樹脂流路16の
幅dは、10.5〜11.0mm程度の寸法にする。こ
れは、樹脂流路16中を通過した樹脂材料4が吐出口6
から吐出されると、樹脂材料4に加わる圧力が解放さ
れ、樹脂材料4の寸法が増大するからである。
【0025】さらに、ガラス板2,3に対して相対移動
するダイ5の移動方向後側には、図3に示すようにガラ
ス板2,3の端面を押すようにしたバネ等の弾性機能を
有する樹脂押え具15を設けている。
【0026】これによって、図5の押出機13から押出
されてきた樹脂を、図3、図4、図6に示すように、ダ
イ5から2枚のガラス板2,3の対向する面間の周縁部
に吐出するようになっている。なおダイ5には、図1に
示す樹脂を吐出する吐出口6とは別に、図示しない気体
吹込口を設け、樹脂を吐出する際に気体吹込口から2枚
のガラス板2,3の対向する面間に、乾燥空気等の気体
や断熱ガスを乾燥状態で吹き込むこともできる。
【0027】つぎに、上述したダイ5を使用して複層ガ
ラスを製造する工程を説明する。図5、図6のようにガ
ラス板2,3やダイ5を配置すると、工程の増加により
複層ガラスの量産には充分でない点がある。たとえばガ
ラス板2,3の下辺でダイ5とガラス保持台9とが干渉
しあわないように調整または駆動させる必要がある。ま
た、ガラス保持台9へガラス2,3を備えつける工程を
短時間で行いにくい。
【0028】そこで、図7〜図14に示すような方法に
よって、複層ガラスを製造することが好ましい。図7に
おいて、ガラス板2を、鉛直方向に立ち上がっているテ
ーブル17に鉛直に立てかけるようにして水平のコンベ
ヤ18上に載置する。ついでコンベヤ18を駆動してガ
ラス板2をコンベヤ18によって水平に図7の右方へ移
動し、ガラス板2の移動経路上に抜き差し可能に設けた
ストッパ19により所定位置に位置決めする。
【0029】ストッパ19は、たとえばテーブル17に
穿設してある孔に挿入したピンを使用したり、あるいは
ガラス板を検知するセンサを使用して、ガラス板2が所
定位置に到達したときにコンベヤ18の動きを停止させ
るようにしてもよい。
【0030】つぎに、図8に示すように水平のリニヤレ
ール20上を移動する鉛直の保持フレーム21をガラス
板2の停止位置まで移動させ、図示しないシリンダ等を
介して保持フレーム21に設けられている吸着パッドを
ガラス板2の面に向けて前進させてガラス板2を吸着保
持しながら、図の手前に所定距離だけ後退させる。この
とき、保持フレーム21に設けてあるバー22にストッ
パ19を連結させて引き出しておくと、その後の工程に
おいてストッパ19をテーブル17の孔から外す作業が
楽になる。
【0031】同様にして、他方のガラス板3をテーブル
17に鉛直に立てかけるようにして水平のコンベヤ18
上に載置し、ストッパ19まで移動させてガラス板2と
同じ位置に位置決めする。これによって2枚のガラス板
2,3は吸着パッドの後退分の間隔をおいた状態でコン
ベヤ18上に載置され、かつ、ガラス板2は保持フレー
ム21で、ガラス板3はテーブル17でそれぞれ鉛直に
保持される。
【0032】コンベヤ18の移動方向におけるテーブル
17の隣には、ダイ5を間に挟んで他のテーブル23
が、テーブル17と同一の鉛直面に並ぶように設けられ
ており、またコンベヤ18の移動方向の隣には他のコン
ベヤ24が、コンベヤ18の延長面上に並ぶように設け
られている。
【0033】そして上述のようにコンベヤ18上に2枚
のガラス板2,3を間隔をあけた中空層をおいて鉛直に
保持した後、コンベヤ18,24を動かす速度と保持フ
レーム21がリニヤレール20上を移動する速度とを同
じに保ちながら2枚のガラス板2,3をテーブル23、
コンベヤ24の方に移動させ、図9に示すようにガラス
板2,3の移動方向後方の垂直縁がダイ5の下をわずか
に通り過ぎたときにコンベヤ18,24、保持フレーム
21の移動を停止し、ガラス板2,3を止める。
【0034】ダイ5はテーブル17,23の間の間隙を
上下方向に移動可能であり、テーブル17,23の間の
間隙の上方に待機している。この状態のダイ5を図15
の部分的な拡大図に示すように吐出口6をガラス板2,
3の移動方向後方の垂直縁に向け、かつ吐出口6がガラ
ス板2,3の間の中空層に離間距離e(図3)を有して
対向し、吐出口6がガラス板2,3間に配されないよう
にして、吐出口6から樹脂材料4を吐出させながら図1
0に示すようにダイ5を下降させる。このとき、ダイ5
の下方への移動速度と樹脂材料の吐出量とを制御、同調
させることで、ガラス板2,3の図10における左側の
垂直縁の間に均一に樹脂材料4を押出すことができる。
【0035】部分的な拡大図である図16に示すよう
に、ダイ5がガラス板2,3の下端に到達すると同時に
ダイ5の下降を停止し、ダイ5を反時計方向に90度回
転させる。このとき吐出口6から吐出される樹脂材料4
の量を制御することによって樹脂材料4の過剰供給を防
止し、ガラス板2,3のコーナ部の中空層に均一に樹脂
材料4を押出すようにする。
【0036】ダイ5を反時計方向に90度回転させ終わ
った後、図11に矢印で示すようにコンベヤ18,2
4、保持フレーム21を直前の動きとは反対にテーブル
17の方へ移動してガラス板2,3を左方へ動かし、同
時に図17の部分的な拡大図に示すようにダイ5の吐出
口6から樹脂材料4を吐出する。このときも、ガラス板
2,3の移動と樹脂材料4の吐出量とを制御、同調させ
る。
【0037】これによって図11、図16、図17に示
すように、ガラス板2,3の図における左側の垂直縁お
よびガラス板2,3の下縁の間に均一に樹脂材料4を押
出すことができる。
【0038】ガラス板2,3を左方へ動かして、ガラス
板2,3の下縁の右端がダイ5の位置に到達すると、コ
ンベヤ18,24、保持フレーム21の移動を停止し、
ダイ5の吐出口6から吐出される樹脂材料4の量を制御
して樹脂材料4の過剰供給を防止しながら、ダイ5を反
時計方向に90度回転させる。
【0039】ダイ5を反時計方向に90度回転させ終わ
った後、図12に示すようにダイ5をガラス板2,3の
右側の垂直縁に沿って上昇させながらダイ5の吐出口6
から樹脂材料4を吐出する。このとき、バー22を伸ば
してダイ5の上昇前に退避させることによって、ダイ5
の上昇が干渉されなくなり、ガラス板2,3の右側の垂
直縁の間に均一に樹脂材料4を押出すことができる。
【0040】ダイ5がガラス板2,3の右側の垂直縁の
上端に到達するとダイ5の上昇を停止し、ダイ5の吐出
口6から吐出される樹脂材料4の量を制御して樹脂材料
4の過剰供給を防止しながら、ダイ5を反時計方向に9
0度回転させる。
【0041】ダイ5を反時計方向に90度回転させ終わ
った後、コンベヤ18,24、保持フレーム21を同じ
速度で図13に矢印で示すように右方へ移動させ、ガラ
ス板2,3を右方へ動かすと同時に、ダイ5の吐出口6
から樹脂材料4をガラス板2,3の移動速度に制御、同
調させた量で吐出する。
【0042】ガラス板2,3の上縁の左端がダイ5の位
置に到達すると、コンベヤ18,24、保持フレーム2
1の移動を停止し、ダイ5の吐出口6からの樹脂材料4
の吐出も停止すると、ガラス板2,3の中空層の全周縁
には樹脂材料4が一体に均一に充填され、この樹脂材料
4が固化することによって対向するガラス板2,3間の
周縁部に樹脂製のスペーサ25が形成されて複層ガラス
が完成する。
【0043】つぎに、図14に示すようにダイ5を反時
計方向に90度回転させるとともに最初の待機位置に戻
し、保持フレーム21に設けられている吸着パッドの吸
着を解除して保持フレーム21はテーブル17の方へ戻
し、完成した複層ガラスはコンベヤ24で搬出する。
【0044】上述したように、樹脂材料4を押出すダイ
5とガラス板2,3周縁部とを相対移動させながら対向
するガラス板2,3間の周縁部にダイ5から樹脂材料4
を押出して樹脂製のスペーサ25を一体成形して複層ガ
ラスを製造する際に、ダイ5の吐出口6をガラス板2,
3間に形成されている中空層に常時対向する向きにし、
かつダイ5の表面とガラス板2,3の端面とを離間させ
て、ダイ5をガラス板2,3に接触させないで相対移動
させるようにしたことで、ガラス板2,3の割れを防止
して歩留りを向上させ、作業性を向上させることができ
る。
【0045】また、ダイ5の樹脂流路16を、ガラス板
面方向であってガラス板2,3に対して相対移動するダ
イ5の移動方向後方に向けて、1度〜90度、好ましく
は20度〜70度の角度でダイ5の内部から傾斜させて
ダイ吐出口6に連通させているので、ダイ5から吐出し
た樹脂材料4は、ガラス板2,3間に形成されている中
空層に円滑に挿入される。
【0046】上記工程において、ガラス板2,3の位置
ずれが発生しないように、テーブル17,23の面に複
数のエアフローを設けることによって、ガラス板3とテ
ーブル17,23との間の摩擦を減少させることは好ま
しい。また、ストッパ19によってガラス板2,3の位
置を規制することも、ガラス板2,3の位置ずれを防止
できるので好ましい。
【0047】また、上述した実施の形態では、ガラス板
2,3の対向する面と反対側の面を保持しているが、こ
れに限らずガラス板2,3の端面を保持してもよい。す
なわち、ガラス板2,3の端面を保持する場合も、ダイ
5とガラス板2,3との相対移動が妨げられることがな
いからである。この保持位置については、ガラス板2,
3の対向する面と反対側の面と端面との両者を併用する
こともできる。ガラス板2,3間の間隔を適宜選択して
変更が容易である点に鑑みると、対向する面と反対側の
面を吸着保持することが好ましい。
【0048】さらに、ダイ5に図1に示す樹脂を吐出す
る吐出口6とは別に図示しない気体吹込口を設け、ガラ
ス板2,3の中空層の全周縁に樹脂材料4のスペーサ2
5を一体に充填するとき同時に、中空層に乾燥空気や断
熱ガス等の乾燥気体を吹き込むことは好ましい。乾燥気
体の吹き込み方法としては、たとえば、乾燥気体供給装
置より供給ホース等を通して、ダイ5の先端に設けた気
体吹込口から所定の流量の乾燥気体をガラス板2,3間
に吹き込むことがあげられる。
【0049】これによって、ガラス板2,3間の空気を
乾燥気体で置換し、複層ガラスに封じ込められた気体中
の湿分を低減でき、結露が防止される。乾燥気体として
乾燥状態の空気よりも熱伝導率の低いガス、いわゆる断
熱ガスを使用することにより複層ガラスの断熱性を高め
ることができる。断熱ガスとしては、アルゴンガス、ク
リプトンガス、六フッ化硫黄ガス等が好適である。ま
た、ガラス板2,3のスペーサ25が一体的に充填され
る箇所に、あらかじめ接着剤を塗布しておくことで、よ
り高い接着強度が得られる。
【0050】本発明で用いるガラス板2,3としては、
通常の単板の無機ガラス板はもちろん、合わせガラスや
強化ガラス等、さらにはたとえばポリカーボネートやア
クリル樹脂のような透明有機ガラス板も使用できる。ま
たガラス板の周縁部にいわゆる暗色セラミックカラーと
呼ばれる隠蔽用のコーティングや熱線反射機能等の各種
機能コーティングが施されてもよい。さらに2枚のガラ
ス板間にさらに複数枚のガラス板を間隔を保ちながら配
し、複数のダイ5を用いれば、最後に樹脂材料4が押出
される縁に所定の保持具を設け、その縁へスペーサ25
を充填するときに保持具を退避させることによって、3
枚以上のガラス板を用いた複層ガラスの製造も可能であ
る。
【0051】ダイ5とガラス板2,3の相対移動手順
も、図示した実施形態の順序だけでなく、図11の状態
から作業を始めて、図12、図13、図14、図7、図
8、図9の順序で相対移動させることもできる。さら
に、最初のダイ5の待機位置を下方にし、図12のよう
に下方から上方に向けてダイ5を移動させ、後に図10
のように後に上方から下方に向けてダイ5を移動する工
程とすることもできる。これらの場合、ダイ5の待機位
置は、それぞれの工程順に応じて適宜選択する。
【0052】ガラス板2,3を移動させる移動手段もコ
ンベヤ18,24のみでなく、たとえばガラス板2はロ
ボットアームの先端に吸着板を有するロボットで移動さ
せてもよい。この場合、ガラス板3の移動と同じ移動に
なるように、あらかじめロボットに移動軌跡と移動速度
とを教示しておくことによって、2枚のガラス板2,3
の位置がずれないで全周縁に樹脂製のスペーサ25が一
体に均一に充填された複層ガラスを製造できる。いずれ
にしても、所定の制御手段を用いて、2枚のガラス板
2,3の移動を同じ方向へ同じ速度で、2枚のガラス板
2,3間を所定の間隔に保ったまま移動すればよい。
【0053】樹脂材料4は、押出し成形可能な材料であ
れば特に制限はないが、熱可塑性樹脂材料は好適であ
る。熱可塑性樹脂材料は、単に熱を加えるだけで容易に
材料を押出し成形可能な流動性が得られ、押出し成形後
の材料の冷却固化時間が短いことから、単に放置、放熱
によって、すぐに樹脂材料が固化するため、複層ガラス
製造工程で養生時間がかからず、養生スペースが不要に
なってハンドリングが容易になり、短期納入にも対応で
きることになる。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、複数のガラス板をその
間に中空層が形成されるように隔置し、樹脂材料を押出
す所定の吐出口形状を有するダイと前記隔置された複数
のガラス板周縁部とをダイがガラス板の周縁部に沿うよ
うに相対移動させながら、ダイから樹脂材料を押出して
対向するガラス板間の周縁部に樹脂製のスペーサを成形
する複層ガラスの製造方法において、前記ダイの吐出口
をガラス板間に形成されている中空層に対向させなが
ら、ダイをガラス板の端面に対向配置してダイとガラス
板周縁部とを相対移動させるので、ダイをガラス間に挿
入する方式に比して製作精度および相対移動時の位置精
度の必要性を軽減でき、ダイをガラス板に接触させない
ことで、歩留りの向上、作業性の向上を図れる効果があ
る。
【0055】特に、ダイの樹脂流路を、ガラス板面方向
であってガラス板に対して相対移動するダイの移動方向
と直角な線に対して、1度〜90度、好ましくは20度
〜70度の角度でダイの内部から傾斜させてダイ吐出口
に連通させることによって、ダイから吐出した樹脂材料
は、ガラス板間に形成されている中空層に円滑に挿入さ
れる効果がある。
【0056】さらに本発明は、ダイの吐出口側表面をガ
ラス板の端面から所定間隔離間して、ダイの吐出口側表
面がガラス板の端面に接触しないようにダイとガラス板
周縁部とを相対移動させることによって、ガラス板の割
れが確実に防止されて歩留りが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複層ガラスの製造方法の一例を示す要
部斜視図。
【図2】本発明に使用するダイの一例を示す平面図。
【図3】本発明におけるダイとガラス板との配置関係の
一例を示す側面図。
【図4】図3のIV−IV断面図。
【図5】本発明の複層ガラスの製造方法に使用する装置
の一例を示す側面図。
【図6】図5をVI方向から見た正面図。
【図7】本発明における工程の一例を示す正面図。
【図8】本発明における工程の一例を示す正面図。
【図9】本発明における工程の一例を示す正面図。
【図10】本発明における工程の一例を示す正面図。
【図11】本発明における工程の一例を示す正面図。
【図12】本発明における工程の一例を示す正面図。
【図13】本発明における工程の一例を示す正面図。
【図14】本発明における工程の一例を示す正面図。
【図15】本発明における工程の一例を示す部分拡大正
面図。
【図16】本発明における工程の一例を示す部分拡大正
面図。
【図17】本発明における工程の一例を示す部分拡大正
面図。
【図18】従来のダイの使用状態を示す斜視図。
【符号の説明】
2:ガラス板 3:ガラス板 5:ダイ 6:吐出口 16:樹脂流路 25:スペーサ S:線

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のガラス板をその間に中空層が形成さ
    れるように隔置し、樹脂材料を押出す所定の吐出口形状
    を有するダイと前記隔置された複数のガラス板周縁部と
    をダイがガラス板の周縁部に沿うように相対移動させな
    がら、ダイから樹脂材料を押出して対向するガラス板間
    の周縁部に樹脂製のスペーサを成形する複層ガラスの製
    造方法において、前記ダイの吐出口をガラス板間に形成
    されている中空層に対向させながら、ダイをガラス板の
    端面に対向配置してダイとガラス板周縁部とを相対移動
    させることを特徴とする複層ガラスの製造方法。
  2. 【請求項2】ガラス板面方向であってガラス板に対して
    相対移動するダイの移動方向と直角な線に対して、ダイ
    の内部からダイの移動方向後方に向けて、20度〜70
    度の角度で傾斜した樹脂流路を有するダイを用いること
    を特徴とする請求項1に記載の複層ガラスの製造方法。
  3. 【請求項3】ダイの吐出口側表面をガラス板の端面から
    所定間隔離間して、ダイの吐出口側表面がガラス板の端
    面に接触しないようにダイとガラス板周縁部とを相対移
    動させることを特徴とする請求項1または2に記載の複
    層ガラスの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102802911A (zh) * 2009-06-09 2012-11-28 横滨橡胶株式会社 将玻璃镶嵌条模制到多层玻璃面板上的方法和设备

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