JPH11155534A - 無菌充填処理液体調理ソース - Google Patents

無菌充填処理液体調理ソース

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JPH11155534A
JPH11155534A JP9330467A JP33046797A JPH11155534A JP H11155534 A JPH11155534 A JP H11155534A JP 9330467 A JP9330467 A JP 9330467A JP 33046797 A JP33046797 A JP 33046797A JP H11155534 A JPH11155534 A JP H11155534A
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liquid
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘度の低下が少なく、色調の変化がなく、本
格的な風味や食感を有する高品質の無菌処理された液体
調理ソースを提供すること。 【解決手段】 液体調理ソースの粘度を少なくとも50
cp(60℃)とするのに十分な量の野菜・果実の繊維
質を粘性材として含むことを特徴とする連続殺菌無菌充
填処理を施されてなる液体調理ソース。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シェフのレシピと
同じようにして作った本物の液状調理ソース(例えばカ
レーやシチュー)を、作りたての状態を損なわずにその
ままパックし、炒めた素材(具材)と合わせて少し加熱
することで、本格的な風味や食感を簡単に楽しむことが
できる製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に、液状カレールーや調理済カレ
ーなどは、先ず、カレールーや調理済カレーなどを調製
し、これを個々にレトルト容器に充填し、レトルト処理
に付された後、レトルト製品として市販されている。こ
のような商品は、レトルト容器ごと温めて、次いで御飯
にかけて食するといった具合に調理が簡便であるため
に、多くのレトルト製品が上市されている。ところが、
レトルト製品を製造するには、上述したように、最終形
態のレトルト容器に内容物を充填した後、容器ごと加圧
加熱殺菌に付すため、殺菌時に処理物が熱劣化し、むれ
臭が発生するなどの欠点がある。これとは別に、無菌充
填技術(アセプティック処理)が知られており、この方
法によると、レトルト処理に比べて殺菌時間が大幅に短
縮でき、処理物の熱劣化が少なくなるとの利点がある。
かかる無菌充填技術は、『新しい食品加工技術と装置』
(1991年1月10日発行、株式会社 産業調査会辞
典出版センター)の第513頁の図1に示されているよ
うに、配管を通る処理物を加熱殺菌し、無菌状態で容器
に充填するものである。具体的に、殺菌は、(1)圧送
ポンプ(ロータリーポンプ)、(2)殺菌機、(3)冷
却機及び(4)背圧装置(ロータリーポンプ)を含むラ
インにおいて、(1)と(4)の間で圧力(背圧)をか
け、つまり、吐出量を(1)>(4)として、背圧によ
り処理物に圧力をかけながら該処理物を100℃以上に
加熱し、かつ沸騰を抑制した状態で行うものである。
【0003】一方、特公平1-29550 号公報には、高粘性
のソースがライン輸送不能となる問題を示しており、特
定のルウと増粘剤の使用及び高温処理後の放冷によっ
て、無菌システムの処理適性と、求める製品の粘性を達
成している。又、特開昭58-71865号公報には、適度なと
ろみと均一性を保つことを目的として、ルウ、加工澱粉
及び親水性乳化剤の使用と、掻取式熱交換機による加熱
処理と、均質乳化処理を行っている。つまり、これらの
先行技術は、殺菌処理前後の粘性を変えるべく、別途増
粘剤を添加したり、殺菌処理で物性の崩れた処理物を乳
化処理して再調製するものである。しかしながら、これ
らの方法を採用しても、液体調理ソースに無菌充填処理
を施すと、ソース内の油が微粒化し、いわゆる「乳化」
が進んだ状態となり、粘性物質の構造が変質して、ソー
スの粘性が低下し、舌触り・口どけの食感が低下し、風
味が低下し、白濁化して色調が低下するとの問題が生じ
てしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特に上記問
題のない、高品質の無菌処理された液体調理ソースを提
供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】本発明は、特定量の野菜
・果実を粘性材として使用して粘度を調整した液体調理
ソースに連続殺菌無菌充填処理を施すことにより、上記
課題を効率的に解決できるとの知見に基づいてなされた
ものである。すなわち、本発明は、液体調理ソースの粘
度を少なくとも50cp(60℃、B型粘度計により測
定)とするのに十分な量の野菜・果実の繊維質を粘性材
として含むことを特徴とする連続殺菌無菌充填処理を施
されてなる液体調理ソースを提供する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において、「液体調理ソー
ス」とは、カレー、シチュー、ハヤシライス用ソース等
の食品ソースであり、フライパンで炒めた具材に加える
ことにより、短時間での加熱調理が可能となるものであ
る。これらのソースには、予め具材が含まれていないこ
とが好ましい。この場合、調理時に別の新鮮な具材と合
わせて、今までにない手作り感のある液体調理ソースを
提供することができる。また、上記ソースは、通常、水
を加えることなく加熱調理することにより食せる形態の
ものであることが望ましい。これらにより、より高品質
のソースを供し得る。勿論、水で希釈して食する形態の
ものでもよい。
【0006】先ず、本発明では、粘性材として使用する
野菜・果実の繊維質の含有量を、液体調理ソースの粘度
が少なくとも50cp(60℃)となるものとすること
が重要である。粘度が200〜3000cpとなる量で
使用するのが好ましい。上記の繊維質は、高温には比較
的粘性安定であり、無菌処理にかけても、液体調理ソー
ス本来の粘性が達成される。本発明で粘性材として使用
する野菜・果実の繊維質は、種類に限定はなく、野菜と
して人参、大根等の根菜類、ホウレンソウ、コマツナ、
ケール、キャベツ、レタス等の葉菜類、カボチャ、ナ
ス、キュウリ、トマト、ピーマン等の果菜類、タマネ
ギ、アスパラガス等の茎、鱗茎菜類、グリーンピース等
の豆類が、果物として、マンゴ、リンゴ、オレンジ、キ
ウイ、バナナ等が挙げられる。繊維質は、野菜、果実の
裁断物、ペースト等として用いればよく、野菜、果物の
パルプを用いてもよい。
【0007】野菜、果物、特に、人参、タマネギ、カボ
チャ、ホウレンソウ等をブランチング、蒸煮又は焙煎し
たものを用いれば、これらに基づいてソースに良好なこ
く味と香りを付与し得るので望ましい。ブランチング、
蒸煮又は焙煎の条件は、80〜150℃で、1〜120
分間がよい。特に、焙煎玉葱が望ましい。かかる材料を
用いることにより、無菌処理された液体調理ソースの安
定な粘性と同時に、より好ましい風味・口どけが得られ
る。特に、レトルト食品の場合には、上記焙煎物を多量
に用いると、熱劣化により液体調理ソースの風味が著し
く損なわれ、これを本来の量用いることができないが、
本発明の無菌処理液体調理ソースでは、熱劣化が可及的
に回避され、焙煎物を量的な制限なく用いることができ
る。このため、シェフのレシピと同じようにして作った
液体調理ソースの本格的な風味・食感が得られ、同時
に、好適に粘性材を兼ねることから、品質、処理適性の
両面で改善がなされる。
【0008】液体調理ソースに特有の滑らかな粘性、口
どけを付与する上で、人参、タマネギ、リンゴ等が、特
有の色調を出して嗜好性を高める上で、人参、ホウレン
ソウ、カボチャ等の有色素のものがそれぞれ望ましい。
液体調理ソースの保存性を向上させるために、繊維質の
パウダー品を用いることができ、この場合にも、食品の
食感改善効果を良好に達成することができる。繊維質
は、液体調理ソースの粘度を少なくとも50cp(60
℃)とするのに十分な量用いる。具体的には、不溶性繊
維(AoAc方により測定したもの)として液体調理ソ
ース全体の0.2〜4.0重量%(以下、%と略称する)、
好ましくは0.3〜3.0%、更に好ましくは0.4〜1.1%
含有するのがよい。これにより、連続殺菌無菌充填処理
における上記課題を効率的に解決する。
【0009】また、上記繊維質と併せて、他の粘性材を
使用することができる。他の粘性材としては、小麦粉や
各種澱粉等が挙げられる。各種澱粉としては、小麦粉等
各種起源(ジャガイモやトウモロコシなど)の天然澱
粉、これらをα化したものや加工澱粉が挙げられる。こ
こで加工澱粉としては、架橋澱粉、酸処理澱粉、熱処理
澱粉、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉など
があげられる。小麦粉としては、加熱処理したものを用
いてもよい。澱粉系原料に含まれる澱粉は、α化してい
ても、そうでなくてもいずれも使用できる。これらは、
使用する場合、澱粉換算で0.3〜3%、好ましくは0.5
〜2.4%の割合で含ませるのが望ましい。しかしなが
ら、食品添加物である増粘剤は加えないことが好まし
い。なぜなら、別途増粘剤を加えることにより、より自
然な粘性が得られなくなるからである。本発明において
は、食品に良好な風味を付与するために油脂を含有させ
ることもできる。油脂を使用する場合には、動物油脂、
植物油脂を用いるのが好ましい。具体的に、動物油脂と
しては、バター、ラード等を、植物油脂としては、パー
ム油、綿実油、大豆油、コーン油等を用いるのが好まし
い。また、使用する場合には、その量は、0.5〜13%
とするのが好ましい。
【0010】本発明には、香辛料も含ませることができ
る。香辛料としては、カレー粉、胡椒及び/又はその加
工品、各種香辛料などの一種又は二種以上の混合物があ
げられる。各種香辛料としては、例えば、コリアンダ
ー、フェンネル、カルダモン、フェヌグリーク、クミ
ン、ディル、クローブ、キャラウエー、ナツメグ、メー
ス、アニス、セロリー、ローレル、タイム、ターメリッ
ク等の一種又は二種以上の混合物が挙げられる。また、
上記成分の他に、塩、砂糖、肉エキス、糖類、フォン
(だし汁)等の一種又は二種以上の混合物などの調味料
を用いることができる。これらの含量は、求める食品の
風味の程度に応じて適宜決定すればよい。また、pH調
整剤として、クエン酸、リンゴ酸等を用いることがで
き、特にこれらにより、液体調理ソースのpHを4.6〜
6.2に調整することが好ましい。また、他の原料とし
て、ビタミン、カルシウムの栄養剤や着香料や着色剤を
用いることもできる。
【0011】本発明の無菌充填処理液体調理ソースは、
(a) 液体調理ソースの原料を混合して該ソースを調製す
る工程、 (b) 調製したソースをチューブ状殺菌器に移
送する工程、 (c) チューブ状殺菌器内において該ソー
スを加熱殺菌する工程、(d) 殺菌工程に背圧をかける
工程、及び (e) 殺菌済ソースを容器に充填する工程を
採用し、 (f) 工程(c) 〜(e) を無菌状態を維持しなが
ら行い、かつ(g) 殺菌工程の入口の圧力と出口の圧力
の差違が10kg/cm2 以下である方法により製造するの
が好ましい。具体的に説明すると、先ず、上記液体調理
ソースの原料を混合して液体調理ソースを調製する。例
えば、攪拌機付きのタンク、例えば、クッカーなどに液
体調理ソースの原料を全て加え、例えば85〜95℃で
1〜60分間攪拌して、粘度(60℃)が200〜30
00cp程度の液状ソースを調製する。このようにして
調製したソースを配管を通して、圧送ポンプによりチュ
ーブ状殺菌器に移送する。チューブ状殺菌器としては、
比較的配管径の太いものが、粘性に与えるダメージが少
ない点から好ましく(具体的には2.54cm(1イン
チ)以上)、更に、大口径、低流速を実現するために
は、内部にスタティックミキサーを有するものが好まし
く、例えば、ノリタケカンパニーリミテド社製スタティ
ックミキサー、新光産業社製ひねり羽根などを好適に用
いることができる。
【0012】殺菌器内において、圧力2〜13kg/c
m2 、温度130〜150℃で約2秒〜2分間加熱殺菌
するのがよい。上記圧力は、殺菌工程に背圧をかける工
程を採用することにより達成する。背圧は、ロータリー
ポンプや背圧用タンクなどを用いることにより行うこと
ができる。具体的には、殺菌機、該殺菌機に処理物を圧
送するための圧送ポンプ、空気圧の制御が可能な無菌タ
ンク及び補助背圧用タンク、排水用の圧力制御弁、並び
に該補助背圧用タンクから処理物を引き抜くための引き
抜き用ポンプからなり、該無菌タンクは移送用管により
殺菌装置と連結され、該補助背圧用タンク及び引き抜き
用ポンプは該移送用管から分岐する補助背圧用管に設け
られ、該圧力制御弁は該移送用管又は該補助背圧用管か
ら分岐する排水用管に設けられている殺菌装置を用いる
ことにより好適に行うことができる。このような装置
は、例えば、特公昭61−21417号公報に記載され
ている。この公報における殺菌及び背圧装置についての
記載は、本明細書の記載に含まれるものとする。
【0013】この方法では、殺菌工程の入口、つまりチ
ューブ状殺菌器入口の圧力と、殺菌工程の出口、つまり
チューブ状殺菌器出口の圧力の差違を10kg/cm2 以下
とするのが好ましい。このような圧力差は、配管の直
径、チューブ状殺菌器内部構造による圧力損失、処理さ
れる液状調理ソースの流体特性などを考慮し、調製した
ソースをチューブ状殺菌器に圧送する圧送ポンプの吐出
圧力と、背圧とを調整することにより行うことができ
る。この際、圧力差を8kg/cm2 以下とするのがより好
ましく、さらに6〜1kg/cm2 とするのが好ましい。
尚、後記のようにホールディングチューブあるいは冷却
器が設けられる場合には、上記殺菌工程の出口とは、こ
れらの内の下流側に位置するものの出口を指す。具体的
には、殺菌器にホールディングチューブや冷却器が接続
されている場合には、殺菌工程の出口とは冷却器の出口
を指す。より詳しくは充填機の入口である。又、1)該ソ
ースの粘度、2)該ソースの流速及び3)殺菌器の構造から
選ばれる1以上を調整することにより行うこともでき
る。特に、1)該ソースの粘度を200〜3000cp、2)
該ソースの流速を5〜100cm/秒となるように調整す
るのが好ましい。
【0014】次いで、殺菌済ソースを容器に無菌充填す
る。無菌充填は、予め無菌処理された容器、例えば、パ
ウチやボトルなどに過酸化水素などの殺菌剤を用いて無
菌化処理した後、HEPAフィルターなどで除菌処理さ
れた無菌エアーを充満させたNASA規格クラス100
0以下といった無菌条件下で充填し、次いでキャップや
ヒートシールなどによりシールするのがよい。殺菌から
容器への充填・シールまでを無菌条件下で行う。このよ
うな無菌条件は、チューブ状殺菌器と充填機とを配管で
接続してなる密閉系で行い、かつa)容器用紙ロールを
過酸化水素などの殺菌剤などにより殺菌処理した後、成
形、殺菌済ソースの充填、液中シールを順に行い、上下
部を切断し、タブ部を成形するテトラブリック型無菌充
填機や、b)予め成形されたプラスチックカップやトレ
イを同様に殺菌処理した後、無菌環境下で殺菌済ソース
の充填及び殺菌済蓋材のシールを行うカップ型無菌充填
機などにより殺菌済ソースを容器に無菌充填することに
より達成することができる。
【0015】上記方法は、例えば、図1に示す好ましい
態様により行うことができる。具体的には、ジャケット
・攪拌機付きのクッカー1に液体調理ソースの原料を全
て加え、攪拌・加熱して液状ソースを調製する。このよ
うにして調整された液状ソースを配管2を通してバラン
スタンク3に供給し、次いで配管4を通り、圧送ポンプ
5によってチューブ状殺菌機6に送入される。圧送ポン
プ5は、少なくとも背圧以上の吐出圧をもつもので、比
較的定量性の高いモノスクリュー型ポンプ、ピストン型
ポンプ、ロータリー型ポンプ等を使用することが好まし
い。また殺菌機6としては、チューブ状のもので、内部
に可動部分がないものが好ましい。特にスタティックミ
キサー(例えば、ノリタケカンパニーリミテド社製や新
光産業(株)社製等)を内蔵するものが好ましい。該殺
菌機6は、公知の如くそれに続くホールディングチュー
ブ13を有していてもよい。上記のような殺菌機に一定
の背圧をかけ、液状ソースを充分に高温で処理するため
に背圧用タンク7を設ける。製品用背圧用タンク7は、
圧力センサー18及び圧力コントローラー17を備え、
圧力センサー18でタンク内の圧力を感知し、圧力コン
トローラー17でタンク内の圧力を、空気によって絶え
ず一定に制御する機能を有するのがよい。このような製
品用背圧用タンク7により、液体ソースは圧送ポンプ5
によって順次殺菌機6に送入されるが、圧送ポンプ5を
通過後は、製品用背圧用タンク7において一定に制御さ
れた空気圧によって圧送ポンプ5側に押し戻される形に
なり、これによって、殺菌機6には絶えず一定の背圧が
かけられ、液状ソースは順次一定の高温条件下で処理さ
れる。本発明の場合、製品用背圧用タンク7に注入され
る空気は、無菌エアーフィルターを通した無菌エアーで
ある必要がある。図1において、開閉弁ロとハは開放さ
れ、開閉弁イ、ニとホは閉鎖された状態にある。上記の
ように背圧の制御を空気を媒体として行なうと、背圧の
制御は極めて正確かつ安定的に行なわれる。
【0016】殺菌後の液状ソースは、徐々に製品用背圧
用タンク7に蓄えられ、製品用背圧用タンク7が液状ソ
ースで満たされると、開閉弁ロが閉鎖され、開閉弁ホが
開放されて、液状ソースは充填包装工程等の次工程に送
られる。あるいは、開閉弁ホを開放して、ソースを製品
用背圧用タンク7に蓄えながら、上記背圧をかけると同
時に、ソースを充填包装工程などの次工程に連続的に送
ることもできる。尚、製品用背圧用タンク7の材質は耐
圧性のものであればよく、形状についても特に限定され
ない。また、殺菌後の液状ソースを冷却器8によって、
一定品温にまで冷却することもできる。この場合、冷却
器8も殺菌機6と同様の構成からなるチューブ式である
のが好ましい。移送装置(圧送ポンプ5)とチューブ状
殺菌器(6と8)を含むユニットを複数設け、各ユニッ
トに背圧をかけるための単一の背圧装置(7)を設け
て、無菌液体調理ソースを製造すると、各ラインの殺菌
工程の出入口の圧力の差異を一定以内に抑えながら処理
量を増し、作業効率を非常に高めることができるので好
ましい。尚、以上の各タンクは、これらをCIP洗浄す
るためのCIPユニットと適当な配管により結合しても
よい(これらは図示せず)。
【0017】上記方法を実際に稼働させる場合には、図
1に示した装置において、先ず最初の装置滅菌の段階で
は、開閉弁21が開放され、水タンク11から供給され
た水は、圧送ポンプ5によって殺菌機6に送入され、通
常130〜150℃に加熱される。この段階で、開閉弁
イは開放され、開閉弁ロは閉鎖されており、また冷却器
8は稼働していない。したがって、加熱後の熱水は、移
送用管12、13、14及び排水用管15を通り、圧力
制御弁16によって、殺菌機6、冷却機8、移送用管1
2、13、14及び排水用管15の熱水が通る部分に
は、一定の背圧がかけられ、100℃以上の殺菌後の熱
水によって、製品となる液状ソースが通るホールディン
グチューブ13、冷却器8、移送用管12、13、14
の滅菌が行なわれる。尚、上記の装置滅菌の段階で、排
水用管15から排出される熱水は、100℃を越える高
温である場合が多く、これがそのままシステム外に排出
された場合には、排出と同時に激しく沸騰する。したが
って、排水用管15の末端に冷却器30を設けることが
好ましい。この場合の冷却器は、プレート式、チューブ
式等の各種熱交換器を使用することができる。
【0018】一方、背圧用タンク7及び9、充填機10
及びこれらをつなぐ配管類は、エア配管などを介して適
宜系内に供給される加圧蒸気によって、各々の内部が滅
菌される。液状ソースが通るホールディングチューブ1
3以降の配管類の滅菌完了後、冷却器8が稼働され、水
タンク11からシステム内に供給された水は、加熱後に
冷却器8で冷却され、冷却された水は排水用管15を通
り、再び水タンク11に戻されて循環して系内を流れ
る。このようにして、系内の無菌状態を維持した状態で
水運転が行われる。更に、背圧用タンク7及び9、充填
機10及びこれらをつなぐ配管類は、背圧用タンクに供
給される無菌エアによって冷却され、かつ加圧・無菌状
態が維持される。上記の水運転が終了すると、開閉弁2
1は閉鎖され、開閉弁22が開放されて、バランスタン
ク3から液状ソースが配管4に供給される。次いで、開
閉弁イとハとホが閉鎖され、開閉弁ロとニが開放され
る。これによりライン内は次第に水から処理物に置換わ
り、初期の水が混じった処理物は、回収用背圧タンク9
に回収される。したがって、本発明においては、上記の
回収用背圧タンク9を設けることによって、殺菌装置6
に一定の背圧をかけながら、しかも連続的に水の混じっ
た処理物を回収することが可能となる。そして、殺菌機
6、冷却機8、移送用管12、13、14の内部が全
て、液体ソースで置代わった後、開閉弁ハを開放し、開
閉弁ニを閉鎖して、殺菌済の液状ソースを製品用背圧用
タンク7に供給し、貯蔵する。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、シェフのレシピと同じ
ようにして作った本物の液体調理ソース(例えばカレー
やシチュー)の作りたての状態を損なわずに、製品を得
ることができる。より具体的には、別に適宜前処理を施
した新鮮な具材と共に、フライパン等での短時間の加熱
調理を行うだけで、本格的な風味や食感を有する液体調
理ソースを得ることができる。本発明の液体調理ソース
は、カレー、シチュー、ハヤシライス用ソースなどとし
てはもとより、各種調味料としても幅広く使用すること
ができる。次に実施例により本発明を説明する。
【0020】実施例1 下記の原料(1)〜(4)を用いて、液状調理ソースを
図1に示す装置を用いて調製した。原料 (1)小麦粉ルウ原料 油脂(ラード) 2重量部(以下、部と略称する) 小麦粉 2部 カレーパウダー 0.8部 (2)ペースト原料(次の原料を混合したもの) 牛のフォン 6部 鶏のフォン 2部 フルーツ調味料 3部 香辛料 1部 食塩 1部 砂糖 0.5部 その他の調味料 4.5部 水 7部 (3)焙煎野菜原料 油脂(バター) 2部 玉葱 34部 香辛料 2部 水 20部 (4)水 40部
【0021】カレーソースの調製 油脂と小麦粉を直火平型焙煎釜(図示せず)で約15分
間かけて約110℃まで加熱攪拌し、カレーパウダーを
加えて更に約40分間かけて約130℃まで加熱攪拌し
て小麦粉ルウを製造した。一方、これとは別に、調味料
類に水を加え、攪拌混合してペースト原料を製造した。
また、油脂と約8mm角に裁断した玉葱と香辛料を直火平
型焙煎釜で約150分間かけて歩留り約30%まで加熱
攪拌後、水とともに粉砕装置にかけてペーストにして焙
煎玉葱ペーストを製造した。上記の小麦粉ルウをクッカ
ー1(蒸気式斜軸焙煎釜)に入れ、そこに、前記のよう
にして製造した焙煎玉葱ペーストとペースト原料と水4
0部を加えて、再びで約20分間かけて約95℃まで加
熱攪拌して調製したカレーソースを配管2を通してバラ
ンスタンク3に収容した。カレーソースの粘度は、12
00cpであった(60℃、B型粘度計により測定した
もの)。この粘度のうち、焙煎玉葱による粘度は約40
0cpであった。また、カレーソース中に、焙煎玉葱に
よる不溶性繊維は0.6%含まれていた。
【0022】このようにして調製したカレーソースを、
配管4を通して圧送ポンプ(兵神装備社製モノポンプあ
るいはモノスクリュー型ポンプ)に供給した。ノリタケ
カンパニーリミテド社製のスタティックミキサを内蔵し
たチューブ式殺菌機(入口〜出口の配管の延べ長さ:6
0m)に供給した。尚、スタティックミキサは、平板を
左右に180°捻ったものと、右に180°捻ったもの
を、90°交差させて連ねた構造のエレメントからな
り、左右各エレメントの外径62mm、長さ30mm、エレ
メントの延べ長さ(冷却器部分を含む)は55mであ
る。又、図1における配管の内径は62mm、材質はステ
ンレスである。この殺菌機6には、背圧タンク7が接続
されており、背圧タンク7内の圧力を空気圧(無菌エア
ー)によって一定に制御する機能(圧力センサー18及
び圧力コントローラー17を備えている)を有し、空気
圧により殺菌器6に背圧をかけている。尚、回収用背圧
タンク9は、製品用背圧タンク7と同様の構造である
が、製品運転前の装置滅菌時に水の混じった製品を回収
するためのものである。このようにして、背圧を受けな
がら加熱殺菌され、製品用背圧タンク7に収容された殺
菌済の液状ソースは、充填機10(アルミパウチ型充填
機)により無菌充填される。このような装置(図1)を
用いて、表−1に示す条件により、各バルブを開閉させ
て、無菌液体調理ソースを製造した。
【0023】
【表1】 表−1 バルブ イ ロ ハ ニ ホ ヘ 装置滅菌 1)熱水運転 開 閉 開 開 開 閉 2)水運転 開 閉 開 開 開 閉3)水の混ざった製品の運転 閉 開 閉 開 閉 閉 4)製品運転 閉 開 開 閉 閉 閉 5)充填処理 閉 開 開 閉 開 閉
【0024】運転 先ず、上述したように、水を図1の製造ラインに流し、
熱水をラインに通して殺菌し、無菌状態とした。製品運転 次いで、図1の製造ラインにカレーソースを供給し、次
の条件で無菌液体カレーソースを製造した。 殺菌条件:135℃、10秒間 背圧: 3.5kg/cm2 (ゲージ圧) ソースの流速: 0.094m/秒 圧力差* :6.3kg/cm2 (ゲージ圧) *上記ソースを流した場合に、殺菌器(冷却器を含む)
の入口部の配管内圧力から出口部の配管内圧力を差し引
いた値(殺菌工程の入口の圧力と出口の圧力の差違に相
当する) このようにして運転し、製品用背圧タンク7に収容され
た殺菌済ソースを、メタルボックス社製カップ型無菌充
填機で400gずつカップ型容器に充填して無菌液体カ
レーソース(製品)を製造した。製品の性能 得られた無菌液体カレーソースの粘度は2000cp
(60℃)であり、色調を目視したところ、白濁は認め
られず、殺菌前と同じ本来の色調であった。この無菌液
体カレーソース75部と炒めた牛肉25部を、フライパ
ンで混合しながら一煮立ちさせてカレーを調理したとこ
ろ、本来の粘度と粒感のある舌触りを有し、風味、香り
とも優れた高品質のものであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の無菌充填処理液体調理ソースを製造
するのに使用する装置の概略図を示す。 図中、1──クッカー 3──バランスタンク 5──圧送ポンプ 6──殺菌機 7──製品用背圧用タンク 9──回収用背圧用タンク 10──充填機 である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体調理ソースの粘度を少なくとも50
    cp(60℃)とするのに十分な量の野菜・果実の繊維
    質を粘性材として含むことを特徴とする連続殺菌無菌充
    填処理を施されてなる液体調理ソース。
  2. 【請求項2】 野菜・果実の繊維質を不溶性繊維として
    0.2〜4.0重量%の割合で含む請求項1記載の液体調理
    ソース。
  3. 【請求項3】 他の粘性材が小麦粉である請求項2記載
    の液体調理ソース。
  4. 【請求項4】 増粘剤を実質的に含有しない請求項1〜
    3のいずれか1項記載の液体調理ソース。
  5. 【請求項5】 粘度が200〜3000cpである請求
    項1〜4のいずれか1項記載の液体調理ソース。
  6. 【請求項6】 カレーソースである請求項1〜5のいず
    れか1項記載の液体調理ソース。
  7. 【請求項7】 具材を含まず、薄めずに適宜前処理を施
    した具と共に加熱調理して食するものである請求項1〜
    6のいずれか1項記載の液体調理ソース。
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