JPH1115511A - ロボットの衝突検知方式 - Google Patents

ロボットの衝突検知方式

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JPH1115511A
JPH1115511A JP17911697A JP17911697A JPH1115511A JP H1115511 A JPH1115511 A JP H1115511A JP 17911697 A JP17911697 A JP 17911697A JP 17911697 A JP17911697 A JP 17911697A JP H1115511 A JPH1115511 A JP H1115511A
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JP
Japan
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value
robot
temperature
dth
estimated
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JP17911697A
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Inventor
Tetsuro Kato
哲朗 加藤
Yukinobu Tsuchida
行信 土田
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Fanuc Corp
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Fanuc Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外乱推定値に基づいて、衝突検知能力を損な
うことなく、低温環境に起因した衝突誤検知を防止する
ロボットの衝突検知方式。 【解決手段】 ロボットの電源がONされたならば、温
度センサの出力Ts を取り込み(S1)、予め設定され
た温度判定基準値Tthと比較する(S2)。TsがTth
を下回っていなければ低温環境ではないと判断し、外乱
推定値に関するしきい値Dthを常温時の値Dth/normal
とする(S3)。下回っていれば低温環境と判断し、し
きい値Dthを低温時の値Dth/normal +ΔDとする(S
4)。外乱値Dを推定し(S5)、絶対値‖D‖をしき
い値Dthと比較する(S6)。‖D‖がDthを上回って
いれば衝突発生と判断し、衝突発生を意味するアラーム
信号を出力する(S7)。上回っていなければ、稼働停
止指令が出力されていない限り、ステップS1へ戻る。
出力されていれば、処理を終了する。温度センサの出力
Ts に代えてソフトウェアによる温度推定値を用いても
良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は産業用ロボット(以
下、単に「ロボット」と言う。)に作用する外乱を推定
し、それに基づいて衝突検知を行なう衝突検出方式に関
し、更に詳しく言えば、該衝突検出方式の低温環境下に
おける信頼性を向上させるための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】ロボットの衝突(外部物体との接触)を
検知するためにロボットを駆動するモータに作用する外
乱を推定し、推定された外乱値が予め定められたしきい
値を上回った場合に衝突発生と判断する衝突検知方式が
知られている。ところが、冬期や寒冷地など低温環境下
でロボットを稼働させた場合、モータや減速機を含む機
構部で使用されているグリース(潤滑剤)が硬くなり、
常温環境下に比して摩擦が増大するため、実際には衝突
が生じていないにも拘らず推定外乱値がしきい値を越え
てしまい、衝突の誤検出の原因になっていた。
【0003】しきい値を予め高めに設定しておけば、こ
のような誤検出の可能性は低下するが、その代わり、低
温環境下以外での衝突検知能力が低下するおそれがあ
る。また、仮に低温環境で稼働される場合であっても、
稼働開始後の時間経過とともにグリースが使用されてい
る機構部の温度は上昇し、それとともに衝突検知能力が
低下し、衝突検知の信頼性が損なわれるおそれがあっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の一つの
目的は、外乱推定値に基づいて衝突検知を行なうロボッ
トの衝突方式を改良し、低温環境下における衝突誤検出
を生じ難くするすることにある。また、本発明のもう一
つの目的は、同衝突検知方式を更に改良し、稼働開始後
の時間経過に伴う温度上昇を考慮に入れて、衝突検知の
信頼性を高めることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ロボットの駆
動軸の少なくとも1つについて外乱推定値を求め、該外
乱推定値をしきい値と比較して衝突検知を行なうロボッ
トの衝突検知方式において、ロボットの駆動軸が低温環
境下にあるか否かを前記ロボットの制御装置内で判断
し、低温環境下にあると判断された場合には前記しきい
値を常温環境下のための値から上方に修正することによ
り、上記技術課題を達成したものである。
【0006】ロボットの駆動軸が低温環境下にあるか否
かの判断は、温度センサの出力に基づいてなされても良
く、また、ロボット制御装置内で実行されるソフトウェ
ア処理に基づく温度環境の推定に基づいてなされても良
い。いずれの場合も、ロボット稼働による温度上昇を考
慮に入れてロボットの駆動軸が低温環境下にあるか否か
が判断されるので、衝突検出能力の無用な低下を回避し
ながら、衝突誤検知の防止を行なうことが可能となる。
【0007】衝突検知のための外乱推定が一部の軸(外
乱推定対象軸)について行なわれている場合の温度セン
サの設置個所は、その外乱推定対象軸の全部または一部
の近傍であることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は、本発明を実施する際に使
用されるシステム構成の概略を要部ブロック図で例示し
たものである。符号10はシステム全体を制御するホス
トコンピュータを表わし、符号16はホストコンピュー
タ10から出力される移動指令や制御信号をディジタル
サーボ回路17のプロセッサに引渡し、あるいは、逆に
ディジタルサーボ回路17のプロセッサからの各種信号
をホストコンピュータ10に引き渡すための共有RAM
メモリを表わしている。
【0009】サーボ制御(ソフトウェアサーボ制御)を
実行するディジタルサーボ回路17は、プロセッサ、R
OM、RAM等のメモリ等で構成される。符号18は、
ロボット30における各軸のサーボモータの位置のフィ
ードバック値、速度のフィードバック値、電流のフィー
ドバック値等が書き込まれる帰還レジスタを表わしてい
る。
【0010】ホストCPU10にはバスライン19を介
してROM11、RAM12、不揮発性メモリ13、外
部装置40とのインターフェイスの役割を果たす入出力
装置(I/O)14、教示操作盤20とのインターフェ
イス(I/F)15が接続されている。ROM11に
は、各種のシステムプログラムが格納される。RAM1
2は、ホストCPU10によるデータの一時記憶に使用
されるメモリである。不揮発性メモリ13には、ロボッ
ト30、ハンド等の外部装置40並びに温度センサ50
の動作に関連する各種プログラム、設定値等が格納され
る。
【0011】教示操作盤20は、液晶ディスプレイ(L
CD)及びキーボードKBを備え、プログラム再生運転
指令、ジョグ送り指令、プログラムデータの入力/変
更、関連設定値入力/変更に加え、後述する態様で外乱
推定値に関するしきい値と低温環境時の修正量等を設定
するための設定画面の呼出等が可能となっている。
【0012】温度センサ50は、例えば熱電対を利用し
た公知のものであって良く、ロボット30の1つまたは
2つ以上の軸の機構部の適所(例えば、減速機の近傍)
に設けられる。衝突検知のための外乱推定が一部の軸
(外乱推定対象軸)について行なわれている場合には、
温度センサ50は外乱推定対象軸の全部または一部の近
傍に設けられることが好ましい。
【0013】以下、温度センサを用いて温度環境を継続
的に監視する実施形態(第1実施形態)並びにソフトウ
ェア処理を利用して温度環境を推定する実施形態(第2
実施形態)について説明する。なお、ロボットの稼働中
に外乱推定値を求めること自体は周知であるから、両実
施形態の概要説明後に補足的に記す。
【0014】[第1実施形態]図2は、第1実施形態に
おける処理の概要を記したフローチャートで、各ステッ
プの処理の要点は次の通りである。なお、本処理は温度
センサを設けた1つまたは2つ以上の軸に関して行なわ
れる。 ステップS1;ロボットの電源がオンされたならば(但
し、初回のみ)、入出力装置14を介して温度センサの
出力を取り込む。
【0015】ステップS2;取り込まれた温度センサ出
力Ts を予め設定された温度判定基準値Tthと比較す
る。温度判定基準値Tthは設計的に定められるが、グリ
ースの粘性が高まり外乱推定値(絶対値)が不当に大き
く出易くなる温度付近に設定されることが好ましい。温
度センサ出力Ts が温度判定基準値Tthを下回っていな
ければ低温環境ではないと判断し、ステップS3へ進
み、温度判定基準値Tthを下回っていれば低温環境と判
断し、ステップS4へ進む。
【0016】ステップS3;外乱推定値に関するしきい
値Dthを常温時の値Dth/normalとする。即ち、現在設
定値がDth/normal である場合にはその値を維持し、そ
うでない場合はDth/normal に改める。 ステップS4;外乱推定値に関するしきい値Dthを低温
時の値Dth/normalに低温マージンΔDを加えたDth/no
rmal +ΔDとする。即ち、現在設定値がDth/normal
+ΔDである場合にはその値を維持し、そうでない場合
はDth/normal +ΔDに改める。
【0017】ステップS5;外乱値Dを推定する。 ステップS6;外乱値Dの絶対値‖D‖をしきい値Dth
と比較する。外乱推定値‖D‖がしきい値Dthを上回っ
ていれば衝突発生と判断し、ステップS7へ進み、そう
でなければ衝突は発生していないものと判断し、ステッ
プS8へ進む。
【0018】ステップS7;衝突発生を意味するアラー
ム信号を出力する。これにより例えばロボットは緊急停
止する。 ステップS8;ロボットの稼働停止(他軸での衝突判定
による緊急停止を含む)指令が出力されていないか判断
する。出されていなければ、ステップS1へ戻る。出さ
れていれば、処理を終了する。
【0019】本実施形態によれば、例えば低温環境時に
長時間放置されていたロボットを起動した場合、ステッ
プS2における判断出力は、ロボット各軸が温まりグリ
ースが軟化するまでイエスであり、衝突判定に関して低
温環境用のしきい値Dth/normal +ΔDが適用される。
そして、ロボット各軸が十分に温まりグリースが軟化す
るとステップS2の出力はノーとなり、衝突判定に関し
て常温環境用のしきい値Dth/normal が適用されるよう
になる。従って、衝突検知能力を損なうことなく、低温
環境に起因した衝突誤検知を防止することが出来る。
【0020】[第2実施形態]図3は、第2実施形態に
おける処理の概要を記したフローチャートで、各ステッ
プの処理の要点は次の通りである。なお、本処理は外乱
推定を行なう軸の全部または一部に関して行なわれる。 ステップSS1;ロボットの電源がオンされたならば
(但し、初回のみ)、温度推定の処理(後述)を行い、
その時点における温度推定値Tssを求める。 ステップSS2;温度推定値Tssを予め設定された温度
判定基準値Tthと比較する。温度判定基準値Tthは設計
的に定められるが、グリースの粘性が高まり外乱推定値
(絶対値)が不当に大きく出易くなる温度付近に設定さ
れることが好ましい。温度推定値Tssが温度判定基準値
Tthを下回っていなければ低温環境ではないと判断し、
ステップSS3へ進み、温度判定基準値Tthを下回って
いれば低温環境と判断し、ステップSS4へ進む。
【0021】ステップSS3;外乱推定値に関するしき
い値Dthを常温時の値Dth/normal とする。即ち、現在
設定値がDth/normal である場合にはその値を維持し、
そうでない場合はDth/normal に改める。 ステップSS4;外乱推定値に関するしきい値Dthを低
温時の値Dth/normal +ΔDとする。即ち、現在設定値
がDth/normal +ΔDである場合にはその値を維持し、
そうでない場合はDth/normal +ΔDに改める。
【0022】ステップSS5;外乱値Dを推定する。 ステップSS6;外乱値Dの絶対値‖D‖をしきい値D
thと比較する。外乱推定値‖D‖がしきい値Dthを上回
っていれば衝突発生と判断し、ステップSS7へ進み、
そうでなければ衝突は発生していないものと判断し、ス
テップSS8へ進む。 ステップSS7;衝突発生を意味するアラーム信号を出
力する。これにより例えばロボットは緊急停止する。 ステップSS8;ロボットの稼働停止(他軸での衝突判
定による緊急停止を含む)指令が出力されていないか判
断する。出されていなければ、ステップSS1へ戻る。
出されていれば、処理を終了する。
【0023】本実施形態が第1実施形態と異なるのは、
低温環境か否かを判断するための温度データをその時点
における温度センサ出力に求めずに、ソフトウェア処理
により推定している点である。温度推定を行なうソフト
ウェア処理には種々のものが採用可能である。ここで
は、その1例について説明する。
【0024】今、周囲温度をTcc、グリースの温度をT
とする。周囲温度Tccは一定(ロボットの設置環境で決
まる)とし、グリースの温度Tはロボット動作立ち上げ
時に上昇し、休止時には放熱で低下するものと考える。
周囲温度Tccは、オペレータが設定して良いし、別途外
部の温度センサから取り込んでも良い。具体的な数値と
しては、例えば0°C(ロボットの代表的な公称最低稼
働温度)である。
【0025】一般に、グリースの温度Tは、モータの発
熱によるグリースへの熱流入とモータ休止時の放熱の収
支に従って変化する。先ず、モータ休止時の放熱は次式
(1)の時間tに関する微分方程式で表現される。 dT/dt=−c1 (T−Tcc) ・・・(1) これを解くと、次式(2)が得られる。 T=Tcc+Aexp[−c1 t] ・・・(2) ここでAは、時間t=0における温度T0 (T0 >Tc
c)と周囲温度Tccの差であり、(2)式は次式(3)
のようにも書ける。また、c1 はグリースの放熱のし易
さを表わす係数で、例えば放熱実験により定めることが
出来る。 T=Tcc+(T0 −Tcc)Aexp[−c1 t] ・・・(3) (2)乃至(3)式をグラフで表わせば、図4のような
減衰曲線になる。
【0026】一方、モータの回転速度をvで表わすと、
摩擦による発熱は下記の(4)式で近似的に表わされ
る。 dT/dt=c2 v2 ・・・(4) 以上のことから、ロボットの稼働中の温度推定のために
放熱と発熱を同時に考えると、グリースの温度変化は下
記の式(5)で表現される。 dT/dt=−c1 (T−Tcc)+c2 v2 ・・・(5) v=一定の条件でこれを解くと、次式(6)が得られ
る。 T=Tcc+c2 v2 /c1 +A’exp[−c1 t] ・・・(6) ここでA’は、時間t=0における温度T0 と周囲温度
Tccで決まり、次式(7)で表わされる。また、c2 は
グリースの温度上昇のし易さを表わす係数で、例えば一
定速動作における発熱実験によりグリースの収束温度を
調べて定めることが出来る。
【0027】 A’=T0 −Tcc−c2 v2 /c1 ・・・(7) 時間t=0における温度がTcc(周囲温度)である場合
について、(6)式をグラフで表わせば、図5のような
曲線になる。
【0028】ソフトウェア処理により上記(6)式に相
当する計算を行なうために、(6)式を離散化した次式
(8)を考える。 T(i+1) =T(i) exp[−c1 Δt]+Δt(c1 Tcc+c2 v2 ) ・・・(8) ここでΔtは計算処理周期であり、T(i) 、T(i+1) は
それぞれ第i回目、第i+1回目の計算周期で計算され
る温度推定値を表わしている。
【0029】一般に、電源オン時の状況を考えると、前
回の運転オフ時から十分な時間が経過してグリースの温
度が周囲温度Tccと一致していると見なせる場合と、前
回の運転オフ時から十分な時間が経過しておらず、グリ
ースの温度が周囲温度Tccと一致していると見なせない
場合とがある。この事を考慮して、本実施形態では温度
推定処理を図6のフローチャートに記した概要で行な
う。各ステップの要点は次のようになる。
【0030】ステップR1;今回ロボットの電源がオン
されて最初の処理サイクルか否かを判断する。初回であ
ればステップR2へ進み、初回でなければステップR8
へ進む。 ステップR2;処理サイクル回数指標iを0にクリアす
る。 ステップR3;前回の運転終了による電源オフ時刻と現
在時刻の差から、電源オフ時間(モータ停止継続時間)
toff を求める。
【0031】ステップR4;toff が十分長い基準時間
tthより長いか否かを判断する。長ければステップR5
へ進み、そうでなければステップR7へ進む。 ステップR5;温度推定のためにタイマ値をt=0にリ
セットする。
【0032】ステップR6;T(0) =Tccとして(初期
温度が周囲温度に等しいとして)、(8)式の計算を行
なって、T(1) を求めて温度推定値とする。
【0033】ステップR7;T(0) =電源オフ時の温度
として、処理サイクル回数指標iを1づつカウントアッ
プしながら、(8)式の計算をtoff /Δt回行なっ
て、温度推定値とする。但し、各回における(8)式の
計算では、v=0とする(モータの発熱なし)。
【0034】ステップR8;処理サイクル回数指標iを
1カウントアップする。 ステップR9;前回計算された温度推定値T(i) を用い
て(8)式の計算を回行ない、温度推定値を求める。
【0035】本実施形態においても、例えば低温環境時
に長時間放置されていたロボットを起動した場合、ステ
ップSS2における判断出力は、ロボット各軸が温まり
グリースが軟化するまでイエスであり、衝突判定に関し
て低温環境用のしきい値Dth/normal +ΔDが適用され
る。そして、ロボット各軸が十分に温まりグリースが軟
化するとステップSS2の出力はノーとなり、衝突判定
に関して常温環境用のしきい値Dth/normal が適用され
るようになる。従って、衝突検知能力を損なうことな
く、低温環境に起因した衝突誤検知を防止することが出
来る。
【0036】最後に、外乱推定値の求め方について簡単
に補足説明する。周知のように、ロボットの各軸の駆動
モータにかかる外乱の推定は、いわゆる外乱推定オブザ
ーバを構成することによって行なうことが出来る。以
下、外乱推定オブザーバの構成法について述べる。図7
は、位置に対し比例(P)制御を行い、速度に対し比例
・積分制御(PI)を行うサーボモータ系のブロック線
図である。図において、伝達関数100のkpは位置ル
ープにおける比例ゲイン、伝達関数102は速度ループ
における伝達関数で、k1は積分定数、k2は比例定数
である。また、伝達関数104,106は、モータの伝
達関数で、ktはトルク定数、Jはイナーシャであり、
伝達関数108が速度vを積分して位置Pfを算出する
伝達関数である。また、TLは外乱トルクである。
【0037】位置指令Pcから現在位置Pfのフィード
バック値を減算し、その差の位置偏差ε(=Pc−P
f)に比例定数kpを乗じ、速度指令値を求め、該速度
指令値と実速度vとの差(速度偏差)によってPI制御
を行ってトルク指令値としての電流値Iを求め、該電流
Iをモータの捲線に流してモータを駆動する。モータは
速度vで回転し、この速度vを積分して位置pfが求め
られる。
【0038】この図7に示すサーボモータに対して、外
乱推定オブザーバを構成する。まず、サーボモータのサ
ーボ制御をプロセッサで行うデジタルサーボ制御におい
て、従来からの外乱推定オブザーバについて説明する。
【0039】図8は、サーボモータにおけるオブザーバ
対象のモデルのブロック図であり、図中符号104は図
7に示すサーボモータのトルク定数ktの伝達関数、な
お、図7における伝達関数106はイナーシャJの伝達
関数106aと積分項106bに分割しており、Iは入
力としてのトルク指令、vは速度、TL は外乱トルクで
ある。 図8のブロックのモデルにおいて、オブザーバ
を組む一般的な手法によって、速度v、外乱トルクTL
を推定する同一次元オブザーバを組むと、図9中の符号
150で示されるようなオブザーバとなる。
【0040】図9は、符号150で示されたブロックで
外乱推定オブザーバの構成を表わした図である。外乱推
定オブザーバ150の項152,153のk3,k4は
外乱推定オブザーバのパラメータであり、項151のα
は実際にサーボモータに出力されるトルク指令となる電
流値Iに乗じられるパラメータの値であり、モータのト
ルク定数の推定値kt* をイナーシャの推定値Jm * で
除した(α=kt* /Jm* )として表される。154
は積分項で、項151,152,153の出力をすべて
加算した値を積分し、モータの推定速度vaを求める項
である。また、項155は、項153からの出力に(1
/α)を乗じて推定外乱トルクTd2 を求める項であ
る。
【0041】図9に示されるブロック図において、α=
kt* /Jm* とおき、かつモータのトルク定数ktを
その推定値kt* と等しい(kt=kt* )とし、モー
タのイナーシャJmをその推定値Jm* (Jm=Jm*
)として解析すると、項106の演算により (I・kt+TL )(1/Jm・S)=v ・・・(11) が得られ、また項154の出力vaを考えると、 {I・(kt/Jm)+(v−va)k3+(v−va)(k4/S)} ・(1/S)=va ・・・(12) が得られる。第(11)式を変形すると次式となり、 I=(v・Jm・S−TL )/kt ・・・(13) この第(13)式を第(12)式に代入して整理する
と、 (v・Jm・S−TL )/Jm+(v−va)k3 +(v−va)(k4/S)=va・S ・・・(14) S(v−va)+(v−va)・k3+(v−va)(k4/S) =TL /Jm ・・・(15) となる。また、第(15)式からVerr(=v−v
a)を求めると、 Verr=v−va =(TL /Jm)[1/{S+k3+(k4/S)}] ・・・(16) 上記第(16)式から項153の出力Td1は次の第
(17)式によって表される。 Td1=Verr・(k4/S) =(TL /Jm){k4/(S2 +k3・S+k4)} ・・・(17) 第(17)式において、パラメータk3,k4を極が安
定するように選択すると、Td1=TL /Jmと近似す
ることができ、この関係式は全外乱トルクTd1を推定
できることを示している。
【0042】そして、項155において、この全外乱ト
ルクTd1に1/α(=Jm* /kt* )を乗じて推定
外乱トルクTd2 を求める。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、ロボットの駆動軸の少
なくとも1つについて外乱推定値を求め、該外乱推定値
をしきい値と比較して衝突検知を行なうロボットの衝突
検知方式において、衝突検知能力を損なうことなく、低
温環境に起因した衝突誤検知を防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する際に用いられるシステムの概
略構成を要部ブロック図で例示したものである。
【図2】第1実施形態における処理の概要を記したフロ
ーチャートである。
【図3】第2実施形態における処理の概要を記したフロ
ーチャートである。
【図4】(2)乃至(3)式の温度推移をグラフで表わ
したものである。
【図5】T0 =Tcc の条件で、(6)式の温度推移を
グラフで表わしたものである。
【図6】第2実施形態における温度推定処理の概要を記
したフローチャートである。
【図7】サーボモータ制御系のブロック図である。
【図8】外乱推定オブザーバを組むモデルのブロック図
である。
【図9】外乱推定オブザーバのブロック図である。
【符号の説明】
10 ホストCPU 11 ROM 12 RAM 13 不揮発性メモリ 14 入出力装置 15 インターフェイス 16 共有RAM 17 ディジタルサーボ回路 18 帰還レジスタ 19 バスライン 20 教示操作盤 30 ロボット 40 外部装置(ハンド等) 50 温度センサ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロボットの駆動軸の少なくとも1つにつ
    いて外乱推定値を求め、該外乱推定値をしきい値と比較
    して衝突検知を行なうロボットの衝突検知方式におい
    て、 前記ロボットの駆動軸が低温環境下にあるか否かが前記
    ロボットの制御装置内で繰り返し判断され、低温環境下
    にあると判断された場合に前記しきい値は常温環境下の
    ための値から上方に修正される、前記ロボットの衝突検
    知方式。
  2. 【請求項2】 前記衝突検知のための前記外乱推定が一
    部の軸についてのみ行なわれる、請求項1に記載された
    ロボットの衝突検知方式。
  3. 【請求項3】 前記ロボットの駆動軸が低温環境下にあ
    るか否かの前記判断が温度センサの出力に基づいてなさ
    れる、請求項1または請求項2に記載されたロボットの
    衝突検知方式。
  4. 【請求項4】 前記温度センサが前記駆動軸の内の少な
    くとも一つの近傍に設けられている、請求項3に記載さ
    れたロボットの衝突検知方式。
  5. 【請求項5】 前記制御装置内で実行されるソフトウェ
    ア処理に基づいて前記ロボットの駆動軸の温度環境が推
    定され、その推定結果に基づいて前記ロボットの駆動軸
    が低温環境下にあるか否かの前記判断がなされる、請求
    項1または請求項2に記載されたロボットの衝突検知方
    式。
JP17911697A 1997-06-20 1997-06-20 ロボットの衝突検知方式 Pending JPH1115511A (ja)

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