JPH11153234A - 流量調整弁及び流量調整弁におけるワイヤーの端子板への固定構造 - Google Patents

流量調整弁及び流量調整弁におけるワイヤーの端子板への固定構造

Info

Publication number
JPH11153234A
JPH11153234A JP9306224A JP30622497A JPH11153234A JP H11153234 A JPH11153234 A JP H11153234A JP 9306224 A JP9306224 A JP 9306224A JP 30622497 A JP30622497 A JP 30622497A JP H11153234 A JPH11153234 A JP H11153234A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
valve body
valve
main body
flow control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9306224A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3627475B2 (ja
Inventor
Satoshi Nakayama
敏 中山
Yoshie Watari
義衛 渡里
Takahiro Kurihara
崇浩 栗原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP30622497A priority Critical patent/JP3627475B2/ja
Publication of JPH11153234A publication Critical patent/JPH11153234A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3627475B2 publication Critical patent/JP3627475B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16KVALVES; TAPS; COCKS; ACTUATING-FLOATS; DEVICES FOR VENTING OR AERATING
    • F16K31/00Actuating devices; Operating means; Releasing devices
    • F16K31/02Actuating devices; Operating means; Releasing devices electric; magnetic
    • F16K31/025Actuating devices; Operating means; Releasing devices electric; magnetic actuated by thermo-electric means

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Lift Valve (AREA)
  • Temperature-Responsive Valves (AREA)
  • Electrically Driven Valve-Operating Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 弁体の動きを安定化させて流量調整弁の信頼
性の向上を図る。組立て性の向上を図る。流量調整弁の
全長を短くして、全体のコンパクト化を図る。 【解決手段】 弁体6と、弁体6を駆動するために温度
に応じて伸縮する形状記憶合金製のワイヤー7と、ワイ
ヤー7を展伸させる方向に付勢する復帰ばね8と、各部
品6,7,8を収納する本体2とを具備する流量調整弁
1である。ワイヤー7を流路5の外部に配置すると共
に、弁体6に回したワイヤー7の両端部7a,7aを弁
体6以外の部位に設けた端子係止部12に固定する。弁
体6の動作に際して流路5の外部に配置されたワイヤー
7に直接給電することで、ワイヤー7の発熱状態を一定
化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、形状記憶合金を
応用して流量を調整する流量調整弁に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の流量調整弁として、例え
ば特開平2−8573号公報に開示された弁装置130
が知られている。この弁装置130は、図45及び図4
6に示すように、ノーマルオープン型の可変絞り弁とし
て機能するものであり、弁装置130の本体131は、
硬質樹脂などの非導電性材料を成形加工してなる。本体
131には、弁室137を形成する弁室壁32と、流入
口134を有する接続口133と、調整ボルト135の
支持部136とが一体形成されている。弁室137内に
は、圧縮ばね138により付勢されたニードル状の弁体
139が収納されており、この弁体139は弁孔140
を貫通する形状記憶合金製の単線状のワイヤー7によっ
て調整ボルト135と連結されている。
【0003】即ち、ワイヤー7の一端に溶着された止め
金141は弁体139の中央部に形成された透孔に気密
を保つように嵌入され、ワイヤー7の他端に溶着された
止め金141aは調整ボルト135に形成された係止孔
142に嵌め込まれている。ワイヤー7の止め金141
aを係止孔142に嵌め込んだ後にカバー143が取付
けられる。カバー143はその一方の端部を本体131
の溝144に嵌め込み、他方の端部に結合リング145
を嵌めることにより、本体131に固定される。なお、
146は内部を気密に保つためのニトリルゴムなどから
なるパッキンである。
【0004】調整ボルト135は、ノーマル時における
開度の微調整を行なうために設けられている。つまり、
調整ボルト135の外周に刻まれた外ねじ135aは、
支持部136及びカバー143の内ねじ135b,14
3aと螺合しており、調整ボルト135端部の溝147
にドライバなどの工具を差し入れて回転させることによ
り、調整ボルト135は軸方向Sに前進又は後退するの
で、ワイヤー7により連結されている弁体139と座金
148との間隙の大きさが変わる。従って、本体131
の加工誤差やワイヤー7の寸法誤差などがあっても、ノ
ーマル時における開度を設計値どおりに設定することが
できる。そして、開度の微調整が完了するとナット60
により結合リング145を固定して、振動などによる調
整ボルト135の回動を防止する。
【0005】次に以上のように構成された弁装置130
の動作を説明する。結合リング145に固着された電極
50と座金148の上方に設置された螺子電極51との
間に可変電圧源52を接続しておく。可変電圧源52で
印加する電圧が0のとき、つまりノーマル時は、流入口
4から流入した空気が上述のようにノーマル時の開度が
設定されている弁孔140を通り、弁室壁32を覆うキ
ャップ61の流出路62から大気中に排気される。この
とき、排気される空気の量は可変電圧源52の調整によ
って制御できる。つまり、電極50と螺子電極51との
間に所定電圧を印加すると、螺子電極51に当接する座
金148、圧縮ばね138、弁体139、止め金14
1、ワイヤー7、調整ボルト135、結合リング145
及び電極50に電流が流れる。電流が流れると、ジュー
ル熱により電流経路の各部が発熱するが、単位面積当た
りの電流が大きいワイヤー7は他の部分に比べて温度上
昇が著しく、温度変化に敏感に呼応して変形する。本例
の形状記憶合金製のワイヤー7は温度の上昇により収縮
する性質を有するので、温度が高まるにつれて弁体13
9が圧縮ばね138に抗して調整ボルト135側に引き
寄せられ、弁体139と座金148との距離が縮まって
開度が次第に小さくなる。ワイヤー7が、ある長さだけ
収縮したところでジュール熱による発熱と外部への放熱
が均衡する温度になると収縮が止まり、そのときの開度
が保持される。従って、電流の大きさを調整し発熱量を
変化させることにより、弁体139の開度を制御するこ
とができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の弁装
置130では、形状記憶合金製のワイヤー7の一端は溶
着した止め金141aを通じて固定部材である調整ボル
ト135に連結されているものの、他端に溶着した止め
金141は弁体139の中央部に形成された透孔を気密
に保つように嵌入されて可動する弁体139に保持され
ている。このため、弁体139の動作に際してワイヤー
7に給電するには、電極50と螺子電極51との間に所
定の電圧を印加して、座金148、圧縮ばね138、弁
体139、止め金141、ワイヤー7、調整ボルト13
5、結合リング145といった電気的に不安定な多くの
部品を介してワイヤー7に給電を行なわなければなら
ず、しかもこれら座金148、圧縮ばね138、弁体1
39等は、機械的にある程度の強度が必要であるだけで
なく、給電部材として作用しなければならないため、電
気的にも高い導電性の材料で構成する必要があり、その
うえ座金148と圧縮ばね138との間、及び圧縮ばね
138と弁体139との間は互いに固着されていないた
めに、これら部材間の接触抵抗が圧縮ばね138の動作
状態でその都度変わり、これによりワイヤー7の発熱状
態が種々変化して、弁体139の動きが不安定になった
り、最悪の場合には給電が一時的にストップしてしまう
という事態が生じるおそれがあり、この結果、従来の弁
装置130は全般的に信頼性が低いという問題があっ
た。しかも、ワイヤー7の一端を弁体139に固定し、
他端を弁孔140を通して調整ボルト135に固定して
いるために、ワイヤー7を狭い弁孔140を貫通して組
立てねばならず、組立てが困難であると共に、弁体13
9と調整ボルト135との間にワイヤー7を伸展状態で
介在させているために、弁体139と調整ボルト135
との間の距離が長くなり、結果として、弁装置130の
全長が長くなるという問題もあった。
【0007】本発明は、上記従来例に鑑みてなされたも
ので、弁体の動作に際してワイヤーのみに直接給電する
ことにより、ワイヤーの発熱状態を一定化して弁体の動
きを安定化させることができると共に、組立て性に優
れ、且つ全長を短くして、全体のコンパクト化を図るこ
とができる流量調整弁を提供することを課題とし、ま
た、ワイヤーを端子板に簡単に且つ確実に固定すること
ができる流量調整弁におけるワイヤーの端子板への固定
構造を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る流量調整弁は、弁体6と、弁体6を駆
動するために温度に応じて伸縮する形状記憶合金からな
るワイヤー7と、ワイヤー7を展伸させる方向に付勢す
る復帰ばね8と、前記各部品6,7,8を収納する本体
2とを具備し、上記ワイヤー7は流路5の外部に配置さ
れて、弁体6に回したワイヤー7の両端部7a,7aが
弁体6以外の部位に固定されて成ることを特徴としてお
り、このように構成することで、弁体6の動作に際して
流路5の外部に配置されたワイヤー7のみに直接給電す
ることができ、しかも、ワイヤー7の両端部7a,7a
は駆動する弁体6以外の部位に固定されているので、弁
体6の動作状態や復帰ばね8の動作状態とは関係なく、
ワイヤー7の発熱状態を一定化することができ、弁体6
の動きを安定化させることができると共に、従来のよう
な給電部材間の接触抵抗の不安定性が解消され、流量調
整弁1の信頼性を高めることができる。
【0009】なお、上記の「ワイヤー7を弁体6に回
す」とは、弁体6に設けたガイドピン9a等にワイヤー
7を架け回したり、或いは弁体6に設けた溝部10aの
内部にワイヤー7を通したり、或いは方形状に形成され
た弁体6の外面にワイヤー7を周回させたりする場合等
を広く含む概念である。また、弁体6に回したワイヤー
7が弁体6から外れるのを防止するためのワイヤー外れ
防止手段10を備えると共に、本体2側にワイヤー7の
両端部7a,7aを固定するワイヤー固定部11を設け
るのが好ましく、この場合、ワイヤー7の外れ防止を図
りつつ、同時にワイヤー7の両端部7a,7aが非動作
部である本体2側に固定されることで、弁体6の動作状
態や復帰ばね8の動作状態とは関係なく、ワイヤー7の
発熱状態を一定化することが容易となる。
【0010】また、弁体6に回した複数本のワイヤー7
の各両端部7a,7aを弁体6以外の部位に夫々固定し
てもよく、さらに弁体6に回した複数本のワイヤー7が
弁体6から外れるのを防止するためのワイヤー外れ防止
手段10を備えると共に、本体2側に複数本のワイヤー
7の各両端部7a,7aを夫々固定するワイヤー固定部
11を設けるようにしてもよく、この場合、複数本のワ
イヤー7を用いることで、弁体6の動きを一層安定化さ
せることができる。
【0011】また、ワイヤー外れ防止手段10は弁体6
に凹設した溝部10aから成るのが好ましく、この場
合、弁体6の溝加工によってワイヤー外れ防止手段10
を簡単に形成できる。また、溝部10a内にワイヤー7
と弁体6との接触面積を小さくするための突起部9を設
け、該突起部9にワイヤー7を周回させるのが好まし
く、この場合、弁体6に回したワイヤー7が弁体6の上
面に対して広い範囲で接触するのを防止できる。
【0012】また、突起部9は摩擦抵抗の低い材料から
成るのが好ましく、この場合、突起部9とワイヤー7と
の間の摩擦の発生をなくすことができる。また、突起部
9は弁体6材料よりも熱伝達率の低い材料から成るのが
好ましく、この場合、ワイヤー7から弁体6への熱の漏
れを少なくすることができる。また、本体2と基台3と
をワイヤー7の伸縮方向の位置を調整するための調整手
段13を介して結合するのが好ましく、この場合、調整
手段13によって非動作部である本体2と基台3との間
の距離を調整することで、ワイヤー7や復帰ばね8の製
造公差を吸収、調整することが可能となる。
【0013】また、調整手段13は本体2と基台3の両
方に設けた調整用ねじ13a,13bから成るのが好ま
しく、この場合、調整用ねじ13a,13bを螺合させ
て、基台3を回転させて基台3を本体2の軸方向Sに前
進又は後退させることによって、ワイヤー7や復帰ばね
8の製造公差の調整を容易に行なうことができる。ま
た、基台3の外周側に復帰ばね8をガイドする復帰ばね
ガイド部14を設けるのが好ましく、この場合、復帰ば
ね8による弁体6の上下の変位がスムーズなものとな
り、また復帰ばねガイド部14によって復帰ばね8が変
位方向と直交する方向に動くことを防止できるので、弁
体6が傾くことがなく、従って、弁体6と復帰ばねガイ
ド部14とが大きな力で擦れ合うのを防ぐことができ
る。
【0014】また、流路5を開閉する弁体6の弁軸15
近傍に、閉弁時において弁座17の周囲をシールするシ
ール部材18を取着するのが好ましく、この場合、閉弁
時、すなわち弁体6と基台3間の距離が0の時に弁座1
7の周囲をシール部材18で確実にシールすることがで
きる。また、本体2側にワイヤー7を折り返すためのワ
イヤー折り返し部20を設け、弁体6に回したワイヤー
7をワイヤー折り返し部20で折り返した状態でワイヤ
ー7の両端部7a,7aを弁体6以外の部位に夫々固定
するのが好ましく、この場合、長寸のワイヤー7を折り
返して使用できるので、形状記憶合金製のワイヤー7の
収縮量を微妙に調整しなくても、弁体6を精度良く変位
させることができ、従って、弁体6の下端に設けた弁軸
15の形状及び寸法精度が必要でなくなるうえに、形状
記憶合金の収縮量を微妙に制御する必要もなくなる。
【0015】また、ワイヤー折り返し部20を本体2の
外周面の周方向Rに複数配設するのが好ましく、この場
合、ワイヤー7をワイヤー折り返し部20で折り返しな
がら本体2の外周面を一周させることができる。また、
ワイヤー折り返し部20を本体2の外周面の周方向Rに
複数配設すると共に軸方向Sに複数配設して、ワイヤー
7を各ワイヤー折り返し部20に交互に架け回すように
するのが好ましく、この場、折り返されたワイヤー7同
士が接触するのを防止しながら、ワイヤー7を本体2の
外周面側にバランス良く配設できる。
【0016】また、ワイヤー折り返し部20にワイヤー
7をガイドするワイヤーガイド溝21を設けるのが好ま
しく、この場合、ワイヤーガイド溝21によってワイヤ
ー7を引っ掛けた時にワイヤー7が安定した状態とな
り、ワイヤー7をワイヤー折り返し部20に対して確実
に保持できる。また、本発明に係る流量調整弁は、略筒
状の本体2の一方の開口側に収納された流入口を有する
基台3と、本体2の他方の開口側に収納されて流入口に
連通する流路を開閉する弁体6と、弁体6を開方向又は
閉方向のいずれか一方に駆動するために温度に応じて伸
縮する形状記憶合金製のワイヤー7と、ワイヤー7を展
伸させて弁体6を開方向又は閉方向のいずれか他方に付
勢する復帰ばね8とを具備し、上記基台3を回転させて
軸方向Sに移動させることにより、ワイヤー7の伸縮方
向において基台3と本体2との位置を調整する調整手段
13とを備えると共に、上記復帰ばね8を本体2と弁体
6とで挟持したことを特徴としており、このように構成
することで、基台3を回転して軸方向Sに移動させて
も、復帰ばね8は基台3には接触していないために、復
帰ばね8は基台3と共に移動することがなく、復帰ばね
8のばね力が一定に保たれる。従って、弁体6と基台3
との距離を適正に調整でき、且つ、ワイヤー7への通電
時に弁体6が十分に変位できるようになる。
【0017】また、上記本体2内部に弁体6を収納する
のが好ましく、この場合、流量調整弁1をシステムに組
み込んだときに、他の部品と弁体6とが接触することが
なく、従って、弁体6はスムーズに動くことができるよ
うになる。また、上記ワイヤー7を本体2の外側面に設
けたワイヤー収納溝30に収納するのが好ましく、この
場合、流量調整弁1をシステムに組み込んだときに、ワ
イヤー7をワイヤー収納溝30内に収納することで、他
の部品とワイヤー7とが接触することがなく、弁体6は
スムーズに動くことができるようになる。
【0018】また、上記弁体6と本体2との間に回転規
制手段32を設けるのが好ましく、この場合、基台3を
回して基台3を軸方向Sに移動させて流量調整をすると
きに、基台3と弁体6との摺動や、復帰ばね8の回転に
よる弁体6の回転等を防止でき、従って、ワイヤー7が
捩じれて外れたり、最悪切れてしまうという事態を回避
できる。
【0019】また、上記回転規制手段32は、弁体6に
設けた凸状部32aと、本体2に設けられて該凸状部3
2aが当接するストッパー面32bとから成るのが好ま
しく、さらに、上記回転規制手段32は、弁体6に設け
たストッパー面32bと、本体2に設けられて該ストッ
パー面32bに当接する凸状部32aとから成るのが好
ましく、いずれの場合も、回転規制手段32を簡単に構
成できるようになる。
【0020】また、上記弁体6と本体2の移動範囲を規
制するための移動範囲規制手段31を設けるのが好まし
く、この場合、弁体6と本体2の組立て状態において、
移動範囲規制手段31によって弁体6と本体2の移動範
囲が規制されることで、ワイヤー7に常に応力が加わる
のを防止でき、長期保存状態でも永久変形が発生するの
を防止できる。
【0021】また、上記移動範囲規制手段31は、弁体
6に突設した係止凸部31aと、本体2に凹設されて該
係止凸部31aが所定範囲内で移動自在に係合する係止
凹部31bとから成るのが好ましく、また、上記移動範
囲規制手段31は、弁体6に凹設した係止凹部31b
と、本体2に突設されて該係止凹部31bに所定範囲内
で移動自在に係合する係止凸部31aとから成るのが好
ましく、いずれの場合も、本体2と弁体6の移動範囲を
規制する手段を簡単に構成できるようになる。
【0022】また、上記流路5内に流出された流体をワ
イヤー7に当てないように逃がす逃がし通路35を備え
ているのが好ましく、この場合、流路5内に流出された
両端部は逃がし通路35を通って外部に排出されるの
で、ワイヤー7が冷却される心配がなく、従って、自己
発熱して温度に応じて伸縮する形状記憶合金製のワイヤ
ー7の温度が定常的となり、弁体6の変位を一定にでき
る。
【0023】また、上記流路5内に流出された流体をワ
イヤー7に当てないように逃がす逃がし通路35が、弁
体6における本体2との摺動部6bの側面に沿って設け
られた流出路5bと、上記流出路5bに連通し且つ弁体
6のワイヤー7が架け渡される頭部6aにおけるワイヤ
ー通過位置から外れた位置に貫設された外部流出孔5c
とで構成されているのが好ましく、この場合、流路5内
から流出された流体がワイヤー7を冷却することなく、
流出路5b内から外部流出孔5c内を通って速やかに外
部に逃がすことができ、流量調整弁1を正常に動作させ
ることができる。
【0024】また、本発明に係る流量調整弁におけるワ
イヤーの端子板への固定構造は、略筒状の本体2に取付
けられて流入路5aと流出路5bとに連通する流路5を
開閉する弁体6と、弁体6を開方向又は閉方向のいずれ
か一方に駆動するために温度に応じて伸縮する形状記憶
合金製のワイヤー7とを備えた流量調整弁1の上記ワイ
ヤー7が、電源からのリード線或いはクリップ等に接続
される端子板40に固定されて成る流量調整弁における
ワイヤーと端子板の固定構造であって、上記ワイヤー7
よりも軟らかい材質で構成された端子板40及びワッシ
ャー41と、該端子板40に設けた孔部43に挿通され
る断面略T字状のリベット42とを備え、上記端子板4
0の孔部43にリベット42を挿通させて、リベット4
2に嵌合されたワッシャー41と端子板40との間にワ
イヤー7の端部を挟み込んだ状態で、リベット42のワ
ッシャー41から突出している部分を潰してワッシャー
41をワイヤー7側に押し付けるようにして成ることを
特徴としており、このように構成することで、リベット
42のワッシャー41から突出している部分を潰すこと
により、ワッシャー41をワイヤー7に強く押し付ける
ことができ、ワイヤー7の摩擦力が大きくなり、従っ
て、ワイヤー7に強い引っ張り応力が加わっても、ワイ
ヤー7が端子板40から抜けることがない。また、端子
板40及びワッシャー41を形状記憶合金製のワイヤー
7より軟らかい材質で構成してあるので、強い力でワッ
シャー41をワイヤー7に押し付けた場合でも、端子板
40とワッシャー41の方が凹むようになるので、ワイ
ヤー7の表面が傷付くことがなく、また、ワイヤー7に
強い引っ張り応力が加わったときでも、ワイヤー7が切
れる心配もない。
【0025】また、上記ワッシャー41のワイヤー7と
の接触面、又は端子板40のワイヤー7との接触面の少
なくとも一方を凹凸面47で形成するのが好ましく、こ
の場合、リベット42のワッシャー41から突出してい
る部分を潰してワッシャー41をワイヤー7側に押し付
けたときに、凹凸面47でワイヤー7を押さえることが
でき、ワイヤー7は小さい面積で押さえられるようにな
り、ワッシャー41による押さえ力が同じであっても、
強い摩擦力が得られるようになる。
【0026】また、上記ワッシャー41のワイヤー7と
の接触面、又は端子板40のワイヤー7との接触面の少
なくとも一方に、ワイヤー7側に向けて突部44を突出
させるのが好ましく、この場合、リベット42のワッシ
ャー41から突出している部分を潰してワッシャー41
をワイヤー7側に押し付けたときに、突部44がワイヤ
ー7に圧接することで、ワッシャー41がワイヤー7を
押さえる面積が小さくなり、摩擦力が一層強められる。
【0027】また、上記ワッシャー41のワイヤー7と
の接触面、又は端子板40のワイヤー7との接触面の少
なくとも一方に、樹脂製の突起48を設けるのが好まし
く、この場合、リベット42のワッシャー41から突出
している部分を潰してワッシャー41をワイヤー7側に
押し付けたときに、樹脂製の突起48がワイヤー7に圧
接することで、ワッシャー41によりワイヤー7を押さ
える面積が小さくなり、摩擦力がより一層高められると
共に、ワイヤー7の表面に傷が付いたりするのを防止で
きる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態の一例を
説明すると、図1及び図2に示すように、流量調整弁1
の本体2は、樹脂などの非導電性材料で中空円筒状に形
成されている。本体2の下端部(組立て状態で流入口4
側)の外周面には、互いに180°離れた位置に2個の
導電性を有する端子係止部12が突設されており、各端
子係止部12には後述のワイヤー7の両端部7a,7a
を挿入するためのスリット22が夫々設けられている。
各端子係止部12は、ワイヤー7をスリット22に挿入
した状態でカシメ固定されることにより、ワイヤー7の
両端部7a,7aを機械的に固定するためのワイヤー固
定部11としての役割を有していると共に、外部への電
気的な接続を行なうための電極端子としての役割をも有
している。本体2の軸方向Sの略中央部の内周面には、
後述する基台3を螺合するための調整用内ねじ13bが
形成されている。
【0029】本体2の下端側の開口部からは流路5を有
する基台3が螺入されている。この基台3は弁体6の開
度の微調整を行なうために設けられ、基台3の軸方向S
の略中央には円柱部3aが設けられ、この円柱部3aの
外周面には本体2の調整用内ねじ13bと螺合して本体
2との軸方向Sの位置関係を調整するための調整用外ね
じ13aが刻まれており、この調整用内ねじ13bと調
整用外ねじ13aとにより、本体2と基台3とをワイヤ
ー7の伸縮方向の位置を調整する調整手段13が構成さ
れている。
【0030】基台3の円柱部3aの下面側には、流入路
5aを有する小径の中空円筒状の流入部62が基台3の
軸方向Sに沿って下方に突設されている。流入部62の
下端には流入口4が開口している。流入路5aの上端は
円柱部3aの上面側に開口した弁孔16に連通してお
り、これら流入口4、流入路5a、及び弁孔16は基台
3の中心軸線に沿って連続形成されている。また流入路
5aの両側には溝80が設けられ、ドライバーなどの工
具を溝80に差し入れて基台3を回転させることで、基
台3を軸方向Sに前進又は後退させることができ、これ
により弁座17に対する弁体6の位置を変えることがで
きて、本体2の加工誤差などがあっても、弁体6の開度
を設計値どおりに設定できるようになっている。
【0031】また上記基台3の円柱部3aの上端面に
は、上記弁孔16の周囲全周にわたって弁座17が形成
されており、弁座17の外周側には弁孔16の軸線と同
心円状の中空円筒部3bが基台3の軸方向Sに沿って上
方に突設されている。中空円筒部3bの外径は後述の復
帰ばね8の内径より小さく設定されており、この中空円
筒部3bの外周面には復帰ばね8をガイドする復帰ばね
ガイド部14が形成されている。また中空円筒部3bの
内径は後述の弁体6の摺動部6bの外径と略同一に設定
されており、この中空円筒部3bの内周面には弁体6の
摺動部6bをガイドするための弁体ガイド面23が形成
されている。
【0032】復帰ばね8は、本実施形態ではワイヤー7
を展伸させて弁体6を開方向に付勢するために用いられ
る圧縮コイルばねから成り、基台3の中空円筒部3bの
外周面の復帰ばねガイド部14とこれと対向する本体2
の内周面との間に挿入されると共に、復帰ばね8は基台
3の円柱部3aの上面外周端と弁体6の頭部6aの下面
との間で支持されており、ワイヤー7の熱弾性変形に伴
って生じる応力で弁体6が下方に動かされる力に抗し
て、弁体6を上方向に復帰させる役割をする。また復帰
ばね8は基台3に設けた復帰ばねガイド部14によって
上下方向のみにガイドされており、これにより、復帰ば
ね8が伸びたり、縮んだりする際に、弁体6は上下方向
にのみに変位できるようになっている。
【0033】上記本体2の上端側の開口部からは断面T
字状の弁体6が挿入されている。弁体6は、樹脂などの
非導電性材料から成り、頭部6aが薄板円板状に形成さ
れ、摺動部6bが円柱状に形成されている。この摺動部
6bの下端面には摺動部6bより小径の略円板状のOリ
ング取付部19が一体形成されており、Oリング取付部
19の外周面には、閉弁時に弁座17の周囲をシールす
るためのシール部材18を構成するOリング18aが取
着されている。このOリング取付部19の下面側に上記
基台3の弁孔16に対応する弁軸15が突設されてい
る。また、弁体6の摺動部6bの外側面には、弁孔16
から出た空気を速やかに外部に逃がすための流出路5b
が形成されている。この流出路5bは、摺動部6bの外
周面の一部をその長手方向全長にわたって切り欠いて形
成されており、本実施形態では摺動部6bの周方向に間
隔をあけて複数条(例えば4条)の流出路5bが凹設さ
れている。
【0034】弁体6の上部の頭部6aには、後述するワ
イヤー7を回すためのワイヤーガイド部24が設けられ
ている。本実施形態では、頭部6aの上面中央を通る直
径方向に沿って凹溝状のワイヤーガイド部24が形成さ
れており、このワイヤーガイド部24の長さ方向の両端
部は、頭部6aの外周面の180°離れた位置に設けた
一対の溝部10aに連通している。各溝部10aによっ
て弁体6に回したワイヤー7が弁体6から外れるのを防
止するワイヤー外れ防止手段10が構成されている。ま
た各溝部10aはワイヤー7が通れる隙間をあけて対向
する一対のガイド壁10bと、これらガイド壁10bを
貫通して設けられた突起部9を構成するガイドピン9a
とを備えている。ガイドピン9aは断面円形状に形成さ
れており、ワイヤー7の伸縮時にワイヤー7の引っ掛か
りを無くしてスムーズな伸縮動作が行なえるようにして
ある。そして、各溝部10aごとに設けた2個のガイド
ピン9aにワイヤー7を回すことによって、ワイヤー7
と弁体6との接触面積を小さくしながら、ワイヤー7が
弁体6から外れるのを同時に防止できるようになってい
る。このガイドピン9aは弁体6を形成する樹脂材料よ
りも熱伝達率が低く、且つ、摩擦抵抗の低い材料で形成
されており、これによりワイヤー7の伸縮量をより大き
く確保できるようになっている。さらに2個のガイドピ
ン9aは、前記本体2の下端側の外周面に突設した2個
の端子係止部12と夫々対向する位置に配設されてお
り、ワイヤー7を2個のガイドピン9aに回した状態で
ワイヤー7を一直線上に伸ばしてその両端部を端子係止
部12に夫々固着できるようにしてある。ここで、ワイ
ヤー7を弁体6に回すとは、弁体6に設けたガイドピン
9a等にワイヤー7を架け回したり、或いは弁体6に設
けた溝部10aの内部にワイヤー7を通したり、或いは
後述のような方形状に形成された弁体6の外面にワイヤ
ー7を周回させたりする場合等を広く含む概念である。
【0035】一方、本体2の外部に配置されているワイ
ヤー7は、上記弁体6の溝部10aに架け回した状態
で、その両端部が本体2の下端部の外周面に設けた2個
の端子係止部12に夫々固定されている。本実施形態で
は、ワイヤー7は弁体6を閉方向に駆動するために温度
に応じて伸縮する形状記憶合金、例えばTi−Ni合金
等のような線状の二元系合金から成り、このワイヤー7
の両端部7a,7aには端子係止部12に引っ掛けられ
る取手部25がカシメにより固定されている。もちろ
ん、形状記憶合金として、Ti−Ni合金等の二元系合
金に限定されるものではなく、例えばTi−Ni−C
u、或いはTi−Ni−Co等の三元系合金であっても
よく、これら以外のものであってもよく、またワイヤー
7形状は丸線以外に、平線、或いは角線等の異形線であ
ってもよく、またワイヤー7をコイル状にしたものでも
よい。
【0036】次に、上記構成の流量調整弁1の組立て手
順の一例を説明する。先ず、本体2の下端側の開口から
基台3を挿入して、本体2の調整用内ねじ13bに基台
3の調整用外ねじ13aを螺合させて、本体2と基台3
とを組み合わせた後に、本体2の上端側の開口から、基
台3の中空円筒部3bの外周面と本体2の内周面との隙
間に復帰ばね8を挿入する。次いで本体2の上端側の開
口から、弁軸15近傍のOリング取付部19にOリング
18aが予め取着された弁体6の摺動部6bを基台3の
中空円筒部3bの内側に挿入する。その後、ワイヤー7
の一端側に設けた取手部25を本体2の下端側の外周面
に設けた一方の端子係止部12のスリット22に引っ掛
け、次いでワイヤー7を弁体6のワイヤーガイド部24
に設けた2個のガイドピン9aに夫々架け回して、ワイ
ヤー7の他端側に設けた取手部25を本体2の下端側の
外周面に設けた他方の端子係止部12のスリット22に
引っ掛ける。次いで、各端子係止部12を夫々カシメて
ワイヤー7の両端部7a,7aを本体2側に夫々固定す
る。これにより端子係止部12はワイヤー7の両端部7
a,7aを機械的に固定するワイヤー固定部11として
の役割を果たすと同時に、各端子係止部12間に外部電
源を接続することでワイヤー7と外部電源とを電気的に
接続するための電極端子としての役割をも果たすことが
できるものである。このようにワイヤー7を弁体6に周
回させてその両端部を本体2側に固定した後に、基台3
の下端面に設けた溝80にドライバー等の工具を挿入し
て基台3を回転させると、基台3は軸方向Sに前進又は
後退して弁体6の開度調整を行なうことができ、これに
より弁体6の開時における基台3の流入口4から流入路
5a、弁孔16、流出路5bに至る経路に沿って通過す
る被制御流体の量を調整することができる。尚、被制御
流体の種類は空気、気体、或いは液体であってもよい。
【0037】次に上記のように組立てられ、且つ調整さ
れた流量調整弁1の動作状態の一例を説明する。形状記
憶合金製のワイヤー7は、通電されていない低温状態で
は弾性的に柔らかいために、復帰ばね8のばね力によ
り、組立て前の長さよりも幾分伸ばされた状態で該ばね
力と釣り合っており、図3に示すように弁体6が全開し
た状態で静止している。従って、基台3の流入口4から
流入した空気は、流入路5aから弁孔16を介して弁体
6の外周面に形成されている流出路5bを経て大気中に
排気される。尚、形状記憶合金を使った装置の制御とし
ては、一般的にPWM制御(パルス幅制御)が行なわれ
るが、本実施形態も同様な制御を行なうものとする。
【0038】つまり、本体2に設けた2個の端子係止部
12間に、図示省略した電源及び電源制御部を接続し
て、あるデューティ比の電流を通電すると、形状記憶合
金製のワイヤー7自身が有する抵抗の自己発熱によりワ
イヤー7の温度が上昇して、ワイヤー7は先程の低温よ
りも高いある温度で定常状態となる。本実施形態の形状
記憶合金製のワイヤー7は、高温になると収縮するよう
に形状記憶されており、高温時の形状回復力は、低温時
にワイヤー7が伸長させられるに要する力に比べて非常
に大きいため、弁体6は低温での静止位置から復帰ばね
8の力に打ち勝って下方に移動し、両者の力が均衡した
位置、つまり弁体6の開度がより小さくなった位置で静
止する。即ちワイヤー7の温度が高まるにつれて弁体6
が復帰ばね8のばね力に抗して基台3側に引き寄せら
れ、弁体6の弁軸15と基台3の弁座17との距離が縮
まって開度が次第に小さくなる。ワイヤー7が、ある長
さだけ収縮したところでワイヤー7の発熱と外部への放
熱が均衡する温度になると収縮が止まり、そのときの開
度が保持される。
【0039】ここで弁体6の開度を更に小さくしたい場
合には、通電する電流パルスのオン時間が長く、且つオ
フ時間が短くなるように通電電流のデューティ比を変え
ればよく、この場合、ワイヤー7の自己発熱量が増加し
て、ワイヤー7の温度が高くなりワイヤー7の収縮量を
増やすことができる。次に、通電を停止すると、ワイヤ
ー7の自己発熱が無くなってワイヤー7の温度は周辺の
空気によって冷却されて収縮量が小さくなり、従って、
復帰ばね8のばね力に抗しきれなくなって、弁体6は急
速に上方(弁座17から離反する方向)に移動して弁体
6の開度が大きくなり、最終的には図1の状態に復帰
し、流量調整弁1として常に開状態で保持される。この
ように、形状記憶合金製のワイヤー7に通電するPWM
制御のデューティ比を変えることにより、ワイヤー7の
発熱量を変化させて弁体6の開度を連続的にコントロー
ルできるようになる。尚、組立て時の調整と、通電する
PWM制御のデューティ比とを適宜設定することによっ
て、本実施形態の流量調整弁1を開(図3の状態)及び
閉(図4の状態)のみの開閉弁として用いることができ
る。
【0040】しかして、形状記憶合金製のワイヤー7を
流路5の外部に配置して、弁体6に回したワイヤー7の
両端部7a,7aを本体2に設けた一対の端子係止部1
2に固定した後に、各端子係止部12間に外部電源を接
続することによって、弁体6の動作に際して端子係止部
12を介してワイヤー7の両端部7a,7aに所定の電
圧を印加することができ、ワイヤー7のみに直接給電す
ることができ、しかも、ワイヤー7の両端部7a,7a
は本体2に固定されているために、弁体6の動作状態や
復帰ばね8の動作状態とは関係なく、ワイヤー7の発熱
状態を一定化することができる。従って、弁体6の動き
を安定化させることができ、従来のような給電状態の不
安定化により給電がストップしてしまうという事態が生
じるおそれがなくなり、この結果、流量調整弁1の信頼
性を高めることができる。しかもワイヤー7への給電部
材が必要でないばかりか、ワイヤー7以外の部品、例え
ば復帰ばね8、弁体6、基台3等を電気的に高い導電性
の材料で構成する必要もないので、従来のような給電部
材間の接触抵抗の不安定性が解消され、流量調整弁1の
信頼性をより一層高めることができる。しかも、従来の
ようにワイヤーを狭い弁孔を貫通して組立てる場合と異
なり、本実施形態ではワイヤー7を流路5の外部に配置
したことで、オープンな空間で組立て可能となり、組立
てが容易となる。そのうえ、弁体6と基台3との間の距
離を短くできるので、図5(b)の概略図に示すような
従来例と比較して、図5(a)に示す本実施形態では流
量調整弁1の全長を短くでき、全体のコンパクト化を図
ることが可能となる。
【0041】また、本実施形態では図1に示すように、
形状記憶合金製のワイヤー7は弁体6に設けた2個のガ
イドピン9aに架け回されており、しかもガイドピン9
aの両側にはガイド壁10bが配置されているので、弁
体6に回したワイヤー7が弁体6の上面全体に接触する
のを防止でき、ワイヤー7から弁体6への熱の漏れを防
止できると同時に、ガイド壁10bによってワイヤー7
がガイドピン9aから外れるのを防止できる。またガイ
ドピン9aは断面円形状に形成されているので、ワイヤ
ー7の伸縮時にワイヤー7の引っ掛かりを無くして一層
スムーズな伸縮動作が行なえるようになる。しかも、ガ
イドピン9aを摩擦抵抗の低い材料で形成することで、
ワイヤー7の収縮動作をスムーズにすることができ、ま
たガイドピン9aを弁体6材料よりも熱伝達率の低い材
料で形成することで、ワイヤー7から弁体6への熱の漏
れを少なくすることができ、ワイヤー7の伸縮量を一段
と大きくとることができる。
【0042】また、本体2と基台3との間に復帰ばね8
をガイドする復帰ばねガイド部14を設けてあるので、
復帰ばね8による弁体6の上下の変位がスムーズなもの
となり、また復帰ばねガイド部14によって復帰ばね8
が変位方向(上下方向)と直交する方向に動くことを防
止できるので、弁体6が傾くことがなく、この結果、弁
体6と復帰ばねガイド部14とが大きな力で擦れ合うの
を防ぐことができるので、弁体6は上下方向にスムーズ
に直進できるようになる。
【0043】さらに、弁体6以外の非動作部を本体2と
基台3とに分割し、本体2の調整用内ねじ13bに基台
3の調整用外ねじ13aを螺合させ、基台3を回転させ
て基台3を本体2の軸方向Sに前進又は後退させること
によって、ワイヤー7や復帰ばね8の製造公差を吸収、
調整することが容易となる。また弁体6の弁軸15近傍
にOリング18aを取着して、閉弁時、すなわち弁体6
と基台3間の距離が0の時に弁座17の周囲をOリング
18aにてシールするようにしたから、弁孔16から流
出路5bへの空気の漏れが全くない全閉状態を実現する
ことができるという利点もある。
【0044】尚、本実施形態では、高温になると収縮す
るように形状記憶された形状記憶合金を用いてワイヤー
7を構成したが、これに限定されるものではなく、高温
になると逆に伸長するように形状記憶させたワイヤー
と、上記実施形態の復帰ばねとは逆方向にばね力を発生
させる引張りばねとを組み合わせるようにしてもよく、
この場合、常時閉の流量調整弁の実現が可能となる。
【0045】また、上記実施形態では単線のワイヤー7
を用いたが、ワイヤー7の数は2本以上であってもよ
い。2本のワイヤー7を用いた場合の一例を図6に示
す。弁体6の上面には十字溝状の一対のワイヤーガイド
部24が設けられていると共に、弁体6の外周面には9
0°離れた位置に4個の溝部10aが設けられており、
各溝部10a内にはガイドピン9aが夫々取付けられて
いる。また本体2の下端部の外周面には90°間隔で4
個の端子係止部12が設けられている。また2本のワイ
ヤー7の各一端部はリード線200を介して電気的に接
続されており、各他端部は電源及び電源制御部201を
介して接続されている。他の構成は図1の実施形態と同
様である。一方のワイヤー7を一方のワイヤーガイド部
24の両端に対向する2個のガイドピン9aに架け回し
た状態で、このワイヤー7の両端部7a,7aを本体2
側の対向する2個の端子係止部12に固定し、また他方
のワイヤー7を他方のワイヤーガイド部24の両端の残
りの対向する2個のガイドピン9aに架け回した状態
で、このワイヤー7の両端部7a,7aを本体2側の残
りの対向する2個の端子係止部12に固定することによ
って、2本のワイヤー7が互いに緩衝することなく、各
ワイヤー7の各両端部7a,7aを本体2側に固定する
ことができる。このように2本のワイヤー7を用いるこ
とで、弁体6の動きをより一層安定化させることがで
き、流量調整弁1の信頼性を一層高めることができるよ
うになる。またワイヤー7は3本以上であってもよいの
は勿論のことである。
【0046】また、上記実施形態ではワイヤー7と弁体
6との接触面積を小さくするための突起部9として、溝
部10a内に設けたガイドピン9aを例示したが、この
ガイドピン9aに代えて、図7に示すように、弁体6の
ワイヤーガイド部24の両端部に2個の凸部9bを突設
してもよい。この実施形態では、溝部10aによってワ
イヤー7が凸部9bから外れるのが防がれていると共
に、また弁体6は摩擦係数が十分に低い材料で形成され
ている。他の構成は図1の実施形態と同様である。しか
してワイヤー7の一端側の取手部25を本体2側の一方
の端子係止部12のスリット22に引っ掛けた状態で、
ワイヤー7を弁体6のワイヤーガイド部24における2
つの凸部9bに架け回した後に、ワイヤー7の他端側の
取手部25を本体2側の他方の端子係止部12のスリッ
ト22に引っ掛け、両方を端子係止部12をカシメてワ
イヤー7の両端部7a,7aを本体2側に固定する。こ
れにより、図1の実施形態と同様な作用効果に加えて、
摩擦係数が十分に低い材料から成る弁体6の一部を突出
させて凸部9bを形成することで、ワイヤー7の伸縮量
を大きく確保できると共に、ガイドピン9aを溝部10
a内に取付けた図1の実施形態と比較して、弁体6の構
造を簡略化できるという利点がある。
【0047】また他の実施形態として、上記凸部9b
(図7)を無くして、図8に示すように、ワイヤーガイ
ド部24を溝部10aのみで構成してもよい。この実施
形態では、弁体6は摩擦係数が十分に低く且つ熱伝達率
が十分に低い材料で形成されている。他の構成は図7の
実施形態と同様である。しかして、ワイヤー7の一端側
の取手部25を本体2側の一方の端子係止部12のスリ
ット22に引っ掛けた状態で、ワイヤー7を弁体6のワ
イヤーガイド部24における溝部10aに架け回した後
に、ワイヤー7の他端側の取手部25を本体2側の他方
の端子係止部12のスリット22に引っ掛け、両方の端
子係止部12をカシメることによってワイヤー7の両端
部7a,7aを本体2側に固定する。これにより、図1
の実施形態と同様な作用効果に加えて、摩擦係数が十分
に低く且つ熱伝達率が十分に低い材料で形成されている
弁体6に凹設した溝部10aにワイヤー7を架け回すこ
とで、ワイヤー7の収縮量を微妙に調整しなくても、弁
体6を精度良く変位させることができると共にワイヤー
7の熱損失を小さくでき、さらに、溝部10aをシンプ
ルな形状にできるので、弁体6の構造を一層簡略化でき
るという利点がある。
【0048】図8の変形例として、図9に示すように、
弁体6を摩擦係数が十分に低く且つ熱伝達率が十分に低
い材料で形成すると共に、弁体6の頭部6aを断面方形
状に形成し、この方形状の頭部6aにワイヤー7を架け
回すようにしてもよいものである。他の構成は図8の実
施形態と同様である。しかして、摩擦係数が十分に低く
且つ熱伝達率が十分に低い材料で形成されている弁体6
の頭部6aにワイヤー7を架け回すことで、ワイヤー7
の伸縮量を大きく確保できると共にワイヤー7の熱損失
を小さくでき、そのうえワイヤー7が頭部6aに対して
横ずれし難くなり、頭部6aから外れ難くなるので、上
記実施形態のように溝部10aを弁体6に形成する場合
と比較して、弁体6の溝加工が不要になるので、弁体6
の頭部6aの構造を一層シンプル化できるという利点が
ある。
【0049】図10〜図13は更に他の実施形態を示し
ており、この実施形態では、本体2の下端部の外周面
に、互いに180°離れた位置に2個の非導電性の端子
係止部12が突設されており、一方の端子係止部12に
はワイヤー7を引っ掛け係止するためのスリット22,
22aが設けられ、他方の端子係止部12にはワイヤー
7を引っ掛け係止するためのスリット22b,22cが
設けられている。他の構成は図1の実施形態と同様であ
る。この実施形態では、ワイヤー7の一端側の取手部2
5を本体2の一方の端子係止部12のスリット22に引
っ掛け、次いでワイヤー7を本体2の下面側から他方の
端子係止部12のスリット22aに挿入して折り返し、
更に弁体6のワイヤーガイド部24における2個のガイ
ドピン9aに架け回した後に、本体2の一方の端子係止
部12のスリット22bに挿入して折り返し、更にワイ
ヤー7を本体2の下面側から他方の端子係止部12のス
リット22cに挿入して、ワイヤー7の他端側の取手部
25を本体2の他方の端子係止部12に引っ掛ける。そ
の後、各端子係止部12をカシメにより固定する。尚、
本実施形態のワイヤー7への給電は導電性を有する取手
部25から行なわれる。
【0050】このように単線のワイヤー7を長くして、
ワイヤー折り返し部20を構成するスリット22a〜2
2cでワイヤー7を折り返すことによって、1本の長寸
のワイヤー7を折り返して使用でき、ワイヤー7の収縮
量を微妙に調整しなくても、図1の実施形態の場合より
も、より一層弁体6を精度良く変位させることができ、
従って、弁体6の下端に設けた弁軸15の形状及び寸法
精度が必要でなくなるうえに、形状記憶合金の収縮量を
微妙に制御する必要もなくなる。従って、形状記憶合金
の収縮量の制御に対する負担を軽減することができるよ
うになる。しかも、ワイヤー折り返し部20をスリット
状に形成したことで、端子係止部12の構造が簡略化
し、その後端子係止部12をカシメることで、ワイヤー
7を折り返し状態で容易に固定することができる。ま
た、本体2に設けられる端子係止部12の構造を変える
だけで、ワイヤー折り返し部20を容易に形成できると
いう利点もある。
【0051】更に他の実施形態として、図14〜図17
に示すように、ワイヤー折り返し部20を弁体6側と本
体2側の両方に設けるようにしてもよい。この実施形態
では、図16、図17に示すように、ワイヤー折り返し
部20は段付きピンから成る折り返しピン26a〜26
cで構成されている。つまり弁体6の外周面の180°
離れた位置に2個の上部折り返しピン26aが突設さ
れ、一方、本体2の上部外周面には180°離れた位置
に非導電性の端子係止部12と1個の中間折り返しピン
26cが突設されている。端子係止部12にはワイヤー
7の一端の取手部25を引っ掛けるスリット22とワイ
ヤー7の他端の取手部25を引っ掛けるスリット22と
が並んで形成されている。さらに本体2の下部外周面に
は90°離れた位置に4個の下部折り返しピン26bが
突設されている。折り返しピン26a〜26cと端子係
止部12の位置は、図15(下面図)に示すように、下
面側から見て略45°の等間隔で本体2の周方向Rに沿
って配置されている。そして図17に示すように、ワイ
ヤー7の一端側の取手部25を端子係止部12の一方の
スリット22に引っ掛けた状態で、ワイヤー7を45°
ずつずれて位置している下部折り返しピン26b、上部
折り返しピン26a、中間折り返しピン26cに交互に
引っ掛けて本体2の側面を一周した後に、端子係止部1
2の他方のスリット22に引っ掛け、その後、端子係止
部12をカシメてワイヤー7の両端部7a,7aを固定
する。尚、本実施形態のワイヤー7への給電は導電性を
有する取手部25から行なわれる。
【0052】しかして、45°ずつずれて設けられた複
数の折り返しピン26a〜26cにワイヤー7を引っ掛
けて折り返すことによって、形状記憶合金製のワイヤー
7の長さを一層長くでき、ワイヤー7の収縮量を微妙に
調整しなくても、弁体6を一層精度良く変位させること
ができるようになり、図10〜図13の実施形態と同様
な作用効果(本体2の下端に設けた弁軸15の形状及び
寸法精度が必要でなくなるうえに、形状記憶合金の収縮
量を微妙に制御する必要もなくなり、形状記憶合金の収
縮量の制御に対する負担を軽減することができる等の効
果)が得られる。しかも、折り返しピン26a〜26c
を円筒状に形成することで、ワイヤー7の伸縮時にワイ
ヤー7の引っ掛かりを無くしてスムーズな伸縮動作が行
なえるようになる。また折り返しピン26a〜26cの
中央に段差を設けることでワイヤー7を引っ掛けた時に
ワイヤー7が段差によって安定した状態となり、ワイヤ
ー7を折り返しピン26a〜26cに対して確実に保持
できるという利点がある。さらに、上部折り返しピン2
6aを弁体6に設けたことによって、この折り返しピン
26aが図1の実施形態に設けたワイヤーガイド部24
のガイドピン9aと同じ役割を果たすようになり、弁体
6の構造の簡略化を図ることができるという利点もあ
る。
【0053】また、下部折り返しピン26cを段付きピ
ンに代えて、図18及び図19に示すように、ワイヤー
7をガイドするワイヤーガイド溝21を設けるようにし
てもよい。この実施形態では、本体2の上部外周面には
約180°の間隔で2個の上部折り返しピン26aが設
けられ、本体2の中間外周面には約90°の間隔で4個
の中間折り返しピン26cと1つの端子係止部12とが
設けられており、さらに本体2の下部外周面には約90
°の間隔で4個の下部折り返しピン26bが設けられて
いる。各下部折り返しピン26bには、その軸方向に間
隔をあけて2つの環状のワイヤーガイド溝21(図1
9)がそれぞれ形成されている。上部折り返しピン26
a及び中間折り返しピン26cは、図14〜図17の実
施形態と同様である。
【0054】しかして、ワイヤー7の一端側の取手部2
5を端子係止部12の一方のスリット22に引っ掛けた
状態で、ワイヤー7を90°ずつずれて位置している下
部折り返しピン26bの一方のワイヤーガイド溝21と
中間折り返しピン26cと上部折り返しピン26aに引
っ掛けて本体2の側面を一周した後に、さらに下部折り
返しピン26bの他方のワイヤーガイド溝21と中間折
り返しピン26cと上部折り返しピン26aに引っ掛け
て本体2の側面をさらに一周した後に、ワイヤー7の他
端側の取手部25を端子係止部12の他方のスリット2
2に引っ掛け、その後、端子係止部12をカシメてワイ
ヤー7の両端部7a,7aを固定する。これにより、ワ
イヤー7の全長を長くすることができ、ワイヤー7の収
縮量を微妙に調整しなくても、弁体6を精度良く変位さ
せることができるという効果に加えて、下部折り返しピ
ン26cのワイヤーガイド溝21等によって折り返され
たワイヤー7同士の接触を防止でき、ワイヤー7の収縮
駆動をスムーズにすることができるものである。
【0055】図20及び図21は端子係止部12′の他
の実施形態を示しており、端子係止部12′を除いて他
の構成は図18及び図19の構造と同様である。この非
導電性の端子係止部12′は、図20に示すようなワイ
ヤー折り返し用のワイヤーガイド溝21を備えた円筒ピ
ン26′で構成されている。この円筒ピン26′の基端
には、環状のワイヤーガイド溝21(図21)が凹設さ
れ、円筒ピン26′の先端側には円筒ピン26′の軸方
向に延びた一対のスリット22(図21)が並設されて
おり、円筒ピン26′の先端をカシメることでワイヤー
7の両端部7a,7aが固定されるものであり、またこ
のように端子係止部12′の基端側の形状を一部変更す
るだけで、端子係止部12′に設けたワイヤーガイド溝
21を利用してワイヤー7を折り返すことができるよう
になり、ワイヤー7の折り返し箇所が増えてワイヤー7
の一層の長寸化を図ることができ、従って、弁体6をよ
り精度良く駆動させることができるものである。
【0056】次に、上記のようにワイヤー7を折り返し
ピン26で折り返した場合の弁体6の動作原理の一例を
図22に示す。同図において、駆動部となる弁体6は復
帰ばね8によって矢印方向Fに常にばね力を受けてお
り、ワイヤー7によって矢印方向Eに締め付け力を常に
受けている。形状記憶合金から成る単線状のワイヤー7
の両端部7a,7aは端子係止部12により固定されて
おり、またこのワイヤー7は、弁体6と端子係止部12
とから離れた位置において本体2側に固定された固定子
となる折り返しピン26に引っ掛けられている。折り返
しピン26は前述のような抵抗の少ない円筒形状に形成
されており、この折り返しピン26と端子係止部12の
距離が変化しないように両者は同一部品、例えば本体2
側に夫々固定されている。ここで、折り返しピン26と
端子係止部12との距離をLとしたとき、復帰ばね8と
ワイヤー7の伸びの釣り合いがとれた状態での弁体6と
折り返しピン26との距離も同じLとし、折り返しピン
26と弁体6の大きさを簡略化して考えると、ワイヤー
7の全長は4Lとなる。この状態でワイヤー7の両端部
7a,7aに通電したときに、ワイヤー7が4α縮んだ
とすると、この時、折り返しピン26と端子係止部12
の距離は変化しないので、4αの半分の2αの長さ分だ
け、弁体6を変位させることができる結果、ワイヤー7
の折り返し箇所が増えてワイヤー7の長寸化を図ること
ができ、これによりワイヤー7の収縮量を微妙に調整し
なくても、弁体6をより精度良く変位させることができ
るものとなる。
【0057】図23〜図25は本発明の他の実施形態を
示している。尚、流量調整弁1の基本構造は図1の実施
形態と同様であり、対応する部分には同一符号を付して
おく。図1の実施形態では、基台3の上部に復帰ばねガ
イド部14を設けたが、この実施形態では、復帰ばね8
を本体2と弁体6とで挟持している。つまり、本体2の
上部に、弁体6の摺動部6bと同心円状の円筒部34が
設けられ、円筒部34の内面が弁体ガイド面23となっ
ており、また、円筒部34の内部には、本体2の略中央
部から上端部(組立て状態で流入口4とは反対側の端
部)に亘って上方に開口した円周溝33が形成され、こ
の円周溝33内に復帰ばね8が収納されている。円周溝
33の深さは復帰ばね8の自然長より浅く形成されてお
り、これにより復帰ばね8の上端が弁体6の頭部6aの
下面で支持され、下端が円周溝33の底面で支持されて
いる。つまり、復帰ばね8は前記図1の実施形態のよう
に弁体6と基台3にて挟持されているのではなく、弁体
6と本体2にて挟持されている。尚図中の201は電源
制御部、5bは流出路、5cは外部流出孔である。
【0058】ちなみに、図1のように、ワイヤー7を展
伸させて弁体6を開方向に付勢する復帰ばね8の上端は
基台3の上端面に支持されていると、弁体6と基台3の
間の距離を調整するために基台3を回転させて基台3を
軸方向Sに移動させると、復帰ばね8もこれに伴って移
動して、復帰ばね8のばね力が変化する。そして、場合
によっては、弁体6と基台3の間の距離を適正に調整で
きたとしても、復帰ばね8の反力が大きくなりすぎて、
ワイヤー7に通電しても、弁体6が十分に変位すること
ができないという問題が生じ得る。
【0059】そこで、図23〜図25に示すように、復
帰ばね8を弁体6と本体2にて挟持することで、基台3
を回転して軸方向Sに移動させても、復帰ばね8は基台
3には接触していないために、復帰ばね8は基台3と共
に移動することがなく、復帰ばね8のばね力が一定に保
たれる。従って、弁体6と基台3との距離を適正に調整
でき、且つワイヤー7への通電時に弁体6が十分に変位
できるようになる。
【0060】また、上記弁体6全体は本体2内部に収納
されている。つまり、弁体6の頭部6aが外部に露出し
ていると、弁装置をシステムに組み込んだ時に他の部品
と弁体6の頭部6aとが接触して弁体6がスムーズに動
かなくなる問題が生じ得る。そこで、図25に示すよう
に、弁体6の摺動部6bだけでなく、弁体6の頭部6a
も本体2内に収納することによって、弁装置をシステム
に組み込んだときに、他の部品と弁体6とが接触するこ
とがなく、従って、弁体6はスムーズに動作することが
できるようになる。
【0061】また、上記本体2の外側面にはワイヤー収
納溝30が設けられ、このワイヤー収納溝30内に形状
記憶合金製のワイヤー7が収納されるようになってい
る。ワイヤー収納溝30は、本実施形態では、本体2の
外側面の軸方向S全長に亘って形成されていると共に、
本体2の外側面の180°離れた位置に2本形成されて
いる。これらワイヤー収納溝30の下端は端子係止部1
2の内部に連通しており、ワイヤー収納溝30の上端は
ワイヤー外れ防止手段10を構成する溝部10a内に連
通している。これによりワイヤー7は本体2の外側面よ
り内側に入り込んだ位置に内包された構造となってい
る。しかして、図1のように、ワイヤー7が本体2の外
部に露出していると、弁装置をシステムに組み込んだと
きにワイヤー7が他の部品と接触して弁体6がスムーズ
に動かなくなり、弁装置が正常に動作しなくなるという
問題が生じ得るが、図24に示す実施形態のように、ワ
イヤー7をワイヤー収納溝30内に収納することで、弁
装置をシステムに組み込んだときに、他の部品とワイヤ
ー7とが接触することがなく、弁体6はスムーズに動く
ことができ、弁装置は正常に動作することができるよう
になる。
【0062】また、上記弁体6と本体2との間には、本
体2に対して弁体6が回転するのを規制する回転規制手
段32が設けられている。図24及び図25に示す実施
形態では、回転規制手段32は、弁体6の頭部6aの両
端部からワイヤー収納溝30,30内にそれぞれ突出し
た凸状部32aと、ワイヤー収納溝30の内壁面に沿っ
て設けられ、該凸状部32aが当接するストッパー面3
2bとで構成されており、弁体6と本体2の組立て状態
において、弁体6側の凸状部32aがワイヤー収納溝3
0内のストッパー面32bに当接することによって、弁
体6が本体2に対して回り止めされるようになってい
る。ちなみに、弁体6が本体2に対して回り止めされて
いないと、基台3を回して基台3を軸方向Sに移動させ
て流量調整をするときに、基台3と弁体6との摺動や、
復帰ばね8の回転により、弁体6が基台3と一緒に回転
してしまい、そのためにワイヤー7が捩じれて外れた
り、最悪の場合切れてしまうという問題が生じる。そこ
で、上記のように弁体6と本体2との間に回転規制手段
32を設けることで、基台3を回転させて軸方向Sに移
動させるときに、基台3と弁体6との摺動や、復帰ばね
8の回転による弁体6の回転等を防止でき、従って、ワ
イヤー7が捩じれて外れたり、最悪切れてしまうという
問題を解決できる。なお、弁体6側にストッパー面32
b、本体2側に凸状部32aを設けるようにしてもよい
ものである。
【0063】さらに、上記弁体6と本体2の移動範囲を
規制するための移動範囲規制手段31が設けられてい
る。図24及び図25に示す実施形態では、上記凸状部
32aの先端に設けられた係止凸部31と、ワイヤー収
納溝30の内側面における端子係止部12側とは反対側
の位置に設けられた係止凹部31bとで構成されてい
る。そして、弁体6と本体2の組立て状態において、弁
体6側の係止凸部31aが本体2側の係止凹部31b内
に所定範囲内で移動自在に係合することによって、弁体
6と本体2の移動範囲が規制されるようになっている。
ちなみに、弁体6と本体2の間に、これら弁体6と本体
2の移動範囲を規制するものが何らない場合には、ワイ
ヤー7に常に応力が加わり、長期保存状態では永久変形
を招くという問題が生じるが、上記のように移動範囲規
制手段31を設けることで、本体2と弁体6の移動範囲
が規制され、これに伴いワイヤー7はある程度伸びた状
態で弁体6の変位が規制されるので、その時点でワイヤ
ー7に加わる応力が下がり、長期保存状態であっても永
久変形しなくなる。しかも、弁体6側に係止凸部31
a、本体2側に係止凹部31bを設けるだけで、本体2
と弁体6の移動範囲を規制する手段を簡単に構成できる
という利点もある。なお、係止凹部31bを本体2側
に、係止凸部31aを弁体6側に設けたが、これに代え
て、図26及び図27に示すように、係止凹部31bを
弁体6側に、係止凸部31aを本体2側に設けるように
してもよいものである。
【0064】また、上記弁体6には、流路5内に流出さ
れた流体をワイヤー7に当てないように逃がす逃がし通
路35が設けられている。逃がし通路35は、図26に
示すように、弁体6の本体2との摺動部6bの側面に沿
って設けられた流出路5bと、上記流出路5bに連通し
且つ弁体6のワイヤー7が架け渡される頭部6aにおけ
るワイヤー通過位置から外れた位置に貫設された外部流
出孔5cとで構成されている。流出路5bは摺動部6b
の軸方向S全長に亘って切り欠きによって形成されてい
る。また外部流出孔5cは弁体6の頭部6aを貫通して
設けられている。これにより、弁孔16から出た流体は
ワイヤー7を冷却することなく、流出路5b内から外部
流出孔5c内を通って速やかに外部に排出されるように
なる。このような逃がし通路35がない場合には、弁孔
16から流出路5bを通って出てくる流体は、本体2の
外部に排出されるときに乱流となって、ワイヤー7の表
面を通過すると、ワイヤー7の温度が定常的にならな
い。つまり、ワイヤー7は自己発熱して温度に応じて伸
縮するので、乱流によりワイヤー7が伸び縮みし、この
ため弁体6の変位が定まらなくなり、弁体6の変位の精
度が悪くなるという問題が生じるが、上記のような逃が
し通路35を設けることによって、流路5内に流出され
た流体がワイヤー7表面を通らなくなるので、ワイヤー
7は自己発熱によってのみ温度が定まり、弁体6の変位
の精度が良くなり、上記問題は生じないものである。
【0065】図28及び図29は他の実施形態を示して
いる。本実施形態の基本的な構造は図1、図2の実施形
態と同様であるが、ワイヤー7の両端部を係止する端子
係止部12の位置は必ずしも本体2の下端部に限られる
ものではなく、図28及び図29に示すように、端子係
止部12を弁体6に近い位置、例えば本体2の上下方向
の略中央部の外周面の互いに180°離れた位置に設け
るようにしてもよいものである。
【0066】図30は、弁体6の2個のガイドピン9a
間におけるワイヤー7部分を弁体6から突設させたワイ
ヤー固定部300にカシメ固定した場合を示している。
ワイヤー7をワイヤー固定部300に固定する方法とし
て、カシメ以外に溶接等を用いてもよいものである。こ
のようにワイヤー7をワイヤー固定部300に固定する
ことで、ワイヤー7がガイドピン9aから外れるのを確
実に防止できる。なお、ワイヤー固定部300を熱不良
導体或いは熱伝達率の低い材質で構成すれば、ワイヤー
7の熱がワイヤー固定部300から弁体6に逃げるのを
防止でき、ワイヤー7の発熱状態を一定化させることが
できる。
【0067】図31及び図32は更に他の実施形態を示
している。本実施形態の基本的な構造は図1の実施形態
と同様であるが、ワイヤー7は必ずしも1本である必要
はなく、また必ずしも流量調整弁1の略全長に亘って伸
ばす必要はなく、必要とする弁体6の変位量に合わせて
短くしてもよいものである。図31,図32においては
2本のワイヤー7を使用したものとなっている。本実施
例では、2本のワイヤー7の各両端部に取手部25及び
固着部210がそれぞれ設けられており、各ワイヤー7
の一端部に取付けた取手部25は本体2側に突設された
端子係止部12のスリット22にそれぞれ引っ掛け係止
されており、各ワイヤー7の他端部に取付けた取手部2
5は弁体6の外周面の180°離れた位置に突設された
端子係止部12のスリット22にそれぞれ引っ掛け係止
されている。また、固着部210は端子係止部12の取
手部25側の面と反対側の面に当接しており、この固着
部210と取手部25とで端子係止部12が挟み込まれ
ており、これによりワイヤー7の両端部は本体2側の端
子係止部12及び弁体6側の端子係止部12に対してが
たつきのない状態でそれぞれ固定されている。そして、
各ワイヤー7の弁体6側の端子係止部12に引っ掛けら
れる取手部25,25は、リード線205を介して電気
的に接続されており、各ワイヤー7の本体2側の端子係
止部12に引っ掛けられる取手部25,25は図示省略
した電源及び電源制御部に接続されている。このよう
に、2本のワイヤー7の両端部に取手部25と固着部2
10とをそれぞれ設けて、各ワイヤー7の両端部を本体
2側の端子係止部12と弁体6側の端子係止部12とに
それぞれ固定することによって、ワイヤー7の伸縮量の
変化が弁体6により確実に伝わり易くなり、弁体6の変
位精度を一層向上させることができるものである。なお
ワイヤー7の数は2本に限らず、端子係止部12の数を
増やして3本以上使用することも可能である。
【0068】また図33に示すような常閉(ノルマリー
クローズ)型の流量調整弁において、2本の径の太いワ
イヤー7を用いるようにしてもよい。他の構造は図32
と同様である。しかして、通電時にはワイヤー7が伸長
することで、圧縮ばね8のばね力で弁体6が本体2側か
ら離れる方向に付勢されて閉弁状態となり、非通電時に
はワイヤー7が収縮し、圧縮ばね8のばね力に抗して弁
体6が本体2側に付勢されて閉弁状態となるものである
が、図33に示すように、ワイヤー7の径を太くするこ
とによって、非通電時におけるワイヤー7の引張り力を
大きく確保でき、弁体6の開閉動作をより安定化させる
ことができるようになる。
【0069】また、前記各実施形態では、基台3に設け
た流路5の弁孔16に弁体6の弁軸15を対向させた
が、必ずしもこれに限定されるものではなく、図34に
示すように、流路5を弁体6を上下方向に貫通して形成
し、流路5の流入口4をワイヤー7を回避して弁体6の
頭部6aから外部に開放させると共に、基台3の弁孔1
6に対向する位置に弁軸15を設けるようにしてもよい
ものである。他の構造は図1と同様である。
【0070】次に、流量調整弁1におけるワイヤー7の
端子板40への固定方法の一例を説明する。流量調整弁
1のワイヤー7は、図35〜図37に示すように、断面
T字状のリベット42とワッシャー41とを用いて、電
源からのリード線或いはクリップ等に接続される端子板
40に固定される。尚、流量調整弁1の構造は前記実施
形態と同様であり、その説明は省略する。ここで、端子
板40とワッシャー41は、形状記憶合金製のワイヤー
7よりも軟らかい材質で構成されており、また断面T字
状のリベット42は、端子板40に設けた孔部43に挿
通される突起部42bと、突起部42bより大径のつば
部42aとで断面略T字状に形成されている。この実施
形態では、リベット42として、例えばチューブラリベ
ットと称される筒状リベット42Aが用いられ、突起部
42bは中空円環状に形成されている。なお、突起部4
2bは中空円環状のものに限定されるものではなく、中
実のものであってもよいものである。本実施形態では、
以下、中空円環状の突起部42bを備えた筒状リベット
42Aを用いた場合を説明する。
【0071】上記端子板40は、平板状に形成され、一
端側に電源からのリード線が取付けられる孔部45、他
端側にリベット42が挿通する孔部43、中央側に本体
2側に取付けられる取付け孔46がそれぞれ形成されて
いる。ワッシャー41は、突起部42bの周囲に巻き付
けられるワイヤー7の巻き付け部分を十分に覆うことが
できる大きさを有している。ワッシャー41の中央部に
は筒状リベット42Aの突起部42bの外径よりも僅か
に大きい孔部41aが形成されている。ワッシャー41
と上記端子板40は、それぞれ、形状記憶合金製のワイ
ヤー7より軟らかい材質で構成されている。
【0072】しかして、ワイヤー7を端子板40に固定
するにあたっては、図36に示すように、端子板40の
孔部43から、筒状リベット42Aのつば部42aが端
子板40の片面に接触するまで、筒状リベット42Aの
突起部42bを挿入する。そして突起部42bの外周に
ワイヤー7を緩みがないように1周以上巻き付け、その
後、突起部42bの上からワッシャー41を嵌め込み、
ワッシャー41と端子板40との間にワイヤー7の端部
を挟み込む。この状態で、突起部42bのワッシャー4
1から突出している部分を図37に示すポンチ49の突
起部49aを中空円環状の突起部42bの先端内側に挿
入し、突起部42bの中心軸に沿って端子板40の方向
に荷重をかけることにより、突起部42bの先端部が外
側に曲げられて潰れ、突起部42bがワッシャー41を
押し付けられる。そして、ワイヤー7が抜けない位置に
なるまで突起部42bを潰すことで、ワッシャー41と
端子板40との間にワイヤー7が挟持されて、ワイヤー
7が端子板40に固定される。
【0073】ところで、従来の端子板55は、図44に
示すように、リード線等が接続される孔部60を備えた
平板部と、ワイヤー7が接続される部分が突起部56と
から成り、突起部56の中空部56aにワイヤー7を通
して先端をループ状に折り曲げ、その折り曲げ部分7
c,7dを上記中空部56aに通すようにしているが、
この場合、矢印F方向にワイヤー7に強い引っ張り応力
が加わったときに、突起部56の中空部56aとワイヤ
ー7との間に発生している摩擦力に打ち勝って、ワイヤ
ー7が移動して、ループ状をなす部分7eが小さく絞ら
れて、最終的に突起部56から抜け出てしまい、ワイヤ
ー7に通電できなくなるという問題がある。また、端子
板55の突起部56の材質が硬い場合には、ワイヤー7
に引っ張り応力が加わったときに、ワイヤー7が切れた
り、ワイヤー7の表面が傷付いたりする心配がある。特
に、ワイヤー7の線径を非常に細くしたり、或いは弾性
力の強い材質で構成した場合には、ワイヤー7をループ
状に折り曲げる作業が困難であり、また、端子板55の
突起部56の内径を小さくすると、ワイヤー7の挿通作
業が困難となり、作業に多大な手間と時間がかかるとい
う問題がある。
【0074】これに対して本実施形態では、上記のよう
に突起部42bのワッシャー41から突出している部分
を潰すことにより、ワッシャー41をワイヤー7に強く
押し付けるようにしているので、ワイヤー7に強い引っ
張り応力が加わっても、ワイヤー7が外れる心配がな
い。つまり、ワイヤー7の巻き付けと、端子板40とワ
ッシャー41とでワイヤー7を挟む力とによる摩擦力が
強力となり、形状記憶合金製のワイヤー7が伸びたり、
縮んだりして、端子板40から離れる方向に引っ張り応
力が加わったときでも、ワイヤー7が端子板40から抜
けることがない。しかも筒状リベット42Aの突起部4
2bの先端が潰れる力によってワッシャー41が端子板
40に強く押し付けられるので、ワイヤー7の摩擦力が
一層向上し、そのうえワイヤー7を筒状リベット42A
の突起部42bに1周以上巻き付けてあるので、ワイヤ
ー7の外れを確実に防止でき、この結果、端子板40に
電源からのリード線等をつないで通電することで、ワイ
ヤー7に電流を流すことができる。また、端子板40及
びワッシャー41を形状記憶合金製のワイヤー7より軟
らかい材質で構成してあるので、強い力でワッシャー4
1をワイヤー7に押し付けた場合でも、端子板40とワ
ッシャー41の方が凹むようになるので、ワイヤー7の
表面が傷付くことがなく、また、ワイヤー7に強い引っ
張り応力が加わったときでも、ワイヤー7が切れる心配
はない。さらに、ワイヤー7の線径を非常に細くした
り、或いは弾性力の強い材質で構成した場合であって
も、ワイヤー7を筒状リベット42Aの突起部42bに
巻き付ける作業は容易であり、作業効率を高めることが
できるものである。これらの作用効果は、以下の各実施
形態でも同様である。図38及び図39は、ワッシャー
41のワイヤー7との接触面を凹凸面47で形成した場
合を示している。他の構成は図35〜図37の実施形態
と同様であり、対応する部分には同一符号を付してお
く。この実施形態では、ワッシャー41のワイヤー7と
の接触面には、数本以上の突起又は溝が間隔をあけて格
子状に形成されている。従って、ワイヤー7を端子板4
0に固定するにあたって、図39に示すように、端子板
40の孔部43から、筒状リベット42Aのつば部42
aが端子板40の片面に接触するまで、筒状リベット4
2Aの突起部42bを挿入した後に、突起部42bの一
側方にワイヤー7を載置し、その後、突起部42bの上
からワッシャー41を嵌め込み、ワッシャー41と端子
板40との間にワイヤー7の端部を挟み込む。その後、
前記実施形態と同様、ポンチ49で突起部42bの先端
部を潰して、ワッシャー41をワイヤー7に強く押し付
ける。このとき、ワッシャー41の裏面は数本以上の突
起又は溝から成る凹凸面47で形成されており、この凹
凸面47がワイヤー7を押さえることによって、ワイヤ
ー7はワッシャー41全体ではなく、ワッシャー41よ
り面積の小さい凹凸面47で面積で押さえられるように
なり、ワッシャー41による押さえ力が図35の実施形
態と同様であっても、より強い摩擦力が得られ、ワイヤ
ー7の外れ防止を一層図ることができる。しかも、ワイ
ヤー7を突起部42bに巻き付ける必要がなく、ワイヤ
ー7を端子板40の上に置くだけでよいので、ワイヤー
7の固定作業をより簡略化することができると共に、ワ
イヤー7の線径が非常に細くなったり、或いは弾性力の
強い材料で構成されている場合でも、ワイヤー7と端子
板40との固定作業が容易となり、作業時間の短縮を図
ることができる。なお数本以上の突起又は溝の形状は図
38の実施形態に限定されるものではない。また、ワッ
シャー41の裏面をフラットに形成し、端子板40のワ
イヤー7との接触面に凹凸面47を形成してもよく、或
いはワッシャー41と端子板40の両方に凹凸面47を
形成してもよいものである。
【0075】図40〜図42は、ワッシャー41のワイ
ヤー7との接触面に、ワイヤー7側に向けて突部44を
突出させた場合を示している。他の構成は図35〜図3
7の実施形態と同様であり、対応する部分には同一符号
を付しておく。この実施形態では、ワッシャー41のワ
イヤー7との接触面に、環状の突部44が突設されてい
る。突部44の断面形状は図41に示すように、半球面
状に形成されている。従って、図41に示すように、突
起部42bの一側方にワイヤー7を真っ直ぐ乗せ、前記
実施形態と同様、筒状リベット42Aのワッシャー41
から突出している部分を潰してワッシャー41をワイヤ
ー7側に押し付けたときに、ワッシャー41に設けた突
部44がワイヤー7に圧接することで、ワイヤー7が小
さい面積で押されることで、摩擦力が一層強められて、
ワイヤー7の一層の外れ防止を図ることができる。また
突部44の断面は図42に示すような半球面状となって
いるので、ワイヤー7が突部44で強く押された場合で
も、ワッシャー41が切れたり、表面が傷付いたりする
のを防止できる。またこの実施形態でも、ワイヤー7を
突起部42bに巻き付ける必要がないので、ワイヤー7
の固定作業をより簡略化することができる。なお突部4
4の形状は図40のように周方向に連続した円環状に限
定されるものではなく、例えば周方向に断続的に形成し
てもよいものである。また突部44は2本以上設けられ
てもよい。また、ワッシャー41の裏面をフラットに形
成し、端子板40のワイヤー7との接触面に突部44を
設けるようにしてもよく、或いはワッシャー41と端子
板40の両方に突部44を設けるようにしてもよいもの
である。
【0076】図43は、図40の実施形態の突部44に
代えて、ワッシャー41のワイヤー7との接触面に樹脂
製の突起48を取付けるようにしてもよく、この場合、
筒状リベット42Aのワッシャー41から突出している
部分を潰してワッシャー41をワイヤー7側に押し付け
たときに、樹脂製の突起48がワイヤー7に圧接するこ
とで、ワッシャー41によりワイヤー7を押さえる面積
が小さくなり、摩擦力がより一層高められる。また突起
48の断面は半球面状となっており、且つ樹脂製である
ので、ワイヤー7が強く押された場合でも、ワイヤー7
が切れたり、表面に傷が付いたりするのを防止できる。
なお突起48の形状は周方向に連続した円環状に限定さ
れるものではなく、例えば周方向に断続的に形成しても
よいものである。また突起48は2本以上設けられても
よい。さらに突起48を端子板40のワイヤー7との接
触面に設けてもよく、或いはワッシャー41と端子板4
0の両方に樹脂製の突起48を設けるようにしてもよい
ものである。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のうち請求
項1記載の発明は、弁体と、弁体を駆動するために温度
に応じて伸縮する形状記憶合金からなるワイヤーと、ワ
イヤーを展伸させる方向に付勢する復帰ばねと、前記各
部品を収納する本体とを具備し、上記ワイヤーは流路の
外部に配置されて、弁体に回したワイヤーの両端部が弁
体以外の部位に固定されて成るから、弁体の動作に際し
て流路の外部に配置されたワイヤーのみに直接給電する
ことができ、しかも、ワイヤーの両端部は駆動する弁体
以外の部位に固定されているので、弁体の動作状態や復
帰ばねの動作状態とは関係なく、ワイヤーの発熱状態を
一定化することができる。従って、弁体の動きを安定化
させることができ、従来のような給電状態の不安定化に
より給電がストップしてしまうという事態が生じるおそ
れがなくなり、この結果、流量調整弁の信頼性を高める
ことができる。しかもワイヤーへの給電部材が必要でな
いばかりか、ワイヤー以外の部品、例えば復帰ばねを電
気的に高い導電性の材料で構成する必要もないので、従
来のような給電部材間の接触抵抗の不安定性が解消さ
れ、流量調整弁の信頼性をより一層高めることができ
る。しかも、ワイヤーを流路の外部に配置したことで、
オープンな空間で組立て可能となり、組立てが容易とな
り、そのうえ、従来のようにワイヤーを流路内部に配置
したものと比較して弁の全長を短くでき、全体のコンパ
クト化を図ることが容易になるという効果がある。
【0078】また請求項2記載の発明は、請求項1記載
の効果に加えて、弁体に回したワイヤーが弁体から外れ
るのを防止するためのワイヤー外れ防止手段を備えると
共に、本体側にワイヤーの両端部を固定するワイヤー固
定部を設けたから、ワイヤーの外れ防止を図りつつ同時
にワイヤーの両端部が本体側に固定されることで、弁体
の動作状態や復帰ばねの動作状態とは関係なく、ワイヤ
ーの発熱状態を一定化することができて、弁体の動きを
安定化させることができる。
【0079】また請求項3記載の発明は、請求項1記載
の効果に加えて、弁体に回した複数本のワイヤーの各両
端部を弁体以外の部位に夫々固定するものであるから、
複数本のワイヤーを用いることで、弁体の動きをより一
層安定化させることができる。また請求項4記載の発明
は、請求項2記載の効果に加えて、弁体に回した複数本
のワイヤーが弁体から外れるのを防止するためのワイヤ
ー外れ防止手段を備えると共に、本体側に複数本のワイ
ヤーの各両端部を夫々固定するワイヤー固定部を設けた
から、複数本のワイヤーが弁体から外れるのを防止しな
がら、複数本のワイヤーによって弁体の動きをより一層
安定化させることができ、流量調整弁の信頼性を一層高
めることができるようになる。
【0080】また請求項5記載の発明は、請求項2又は
請求項4記載の効果に加えて、ワイヤー外れ防止手段は
弁体に凹設した溝部から成るから、弁体の溝加工によっ
てワイヤー外れ防止手段を簡単に形成できると共に、ワ
イヤーの収縮動作の一層の安定化が図られる。また請求
項6記載の発明は、請求項5記載の効果に加えて、溝部
内にワイヤーと弁体との接触面積を小さくするための突
起部を設け、該突起部にワイヤーを周回させて成るか
ら、弁体に回したワイヤーが弁体の上面全体に接触する
のを防止でき、ワイヤーから弁体への熱の漏れを防止で
きる。
【0081】また請求項7記載の発明は、請求項6記載
の効果に加えて、突起部は摩擦抵抗の低い材料から成る
から、突起部とワイヤーとの間の摩擦の発生をなくし
て、ワイヤーの収縮動作をスムーズにすることができ
る。また請求項8記載の発明は、請求項6記載の効果に
加えて、突起部は弁体材料よりも熱伝達率の低い材料か
ら成るから、ワイヤーから弁体への熱の漏れを少なくす
ることができ、ワイヤーの伸縮量を一段と大きくとるこ
とができる。
【0082】また請求項9記載の発明は、請求項1記載
の効果に加えて、本体と基台とをワイヤーの伸縮方向の
位置を調整するための調整手段を介して結合して成るか
ら、調整手段によって非動作部である本体と基台との間
の距離を調整することで、ワイヤーや復帰ばねの製造公
差を吸収、調整することが可能となる。また請求項10
記載の発明は、請求項9記載の効果に加えて、調整手段
は本体と基台の両方に設けた調整用ねじから成るから、
調整用ねじを螺合させて、基台を回転させて基台を本体
の軸方向に前進又は後退させることによって、ワイヤー
や復帰ばねの製造公差の調整を容易に行なうことができ
る。
【0083】また請求項11記載の発明は、請求項1記
載の効果に加えて、基台の外周側に復帰ばねをガイドす
る復帰ばねガイド部を設けるようにしたから、復帰ばね
による弁体の上下の変位がスムーズなものとなり、さら
に、復帰ばねガイド部によって復帰ばねが変位方向と直
交する方向に動くことを防止できるので、弁体が傾くこ
とがなく、これによって、弁体と復帰ばねガイド部とが
大きな力で擦れ合うのを防ぐことができるので、弁体は
変位方向にスムーズに直進できるようになる。
【0084】また請求項12記載の発明は、請求項1記
載の効果に加えて、流路を開閉する弁体の弁軸近傍に、
閉弁時において弁座の周囲をシールするシール部材を取
着したから、閉弁時、すなわち弁体と基台間の距離が0
の時に弁座の周囲をシール部材でシールすることによ
り、弁孔から流出路への空気の漏れが全くない全閉状態
を実現することができる。
【0085】また請求項13記載の発明は、請求項1記
載の効果に加えて、本体側にワイヤーを折り返すための
ワイヤー折り返し部を設け、弁体に回したワイヤーをワ
イヤー折り返し部で折り返した状態でワイヤーの両端部
を弁体以外の部位に夫々固定したから、長寸のワイヤー
を折り返して使用できるので、ワイヤーの収縮量を微妙
に調整しなくても、弁体を精度良く変位させることがで
き、従って、弁体の下端に設けた弁軸の形状及び寸法精
度が必要でなくなるうえに、形状記憶合金の収縮量を微
妙に制御する必要もなくなる。この結果、形状記憶合金
の収縮量の制御に対する負担を軽減することができるよ
うになる。
【0086】また請求項14記載の発明は、請求項13
記載の効果に加えて、ワイヤー折り返し部を本体の外周
面の周方向に複数配設したから、ワイヤーをワイヤー折
り返し部で折り返しながら本体の外周面を一周させるこ
とができ、形状記憶合金製のワイヤーの長さを長くする
ことができる。また請求項15記載の発明は、請求項1
3記載の効果に加えて、ワイヤー折り返し部を本体の外
周面の周方向に複数配設すると共に軸方向に複数配設し
て、ワイヤーを各ワイヤー折り返し部に交互に架け回す
ようにしたから、折り返されたワイヤー同士が接触する
のを防止しながら、ワイヤーを本体の外周面側にバラン
ス良く配設できるようになり、ワイヤーの収縮駆動を一
層スムーズにすることができる。
【0087】また請求項16記載の発明は、請求項13
又は請求項14又は請求項15のいずれかに記載の効果
に加えて、ワイヤー折り返し部にワイヤーをガイドする
ワイヤーガイド溝を設けたから、ワイヤーガイド溝21
によってワイヤーを引っ掛けた時にワイヤーが安定した
状態となり、ワイヤーをワイヤー折り返し部に対して確
実に保持でき、よりスムーズな伸縮動作を実現できる。
【0088】また請求項17記載の発明は、略筒状の本
体の一方の開口側に収納された流入口を有する基台と、
本体の他方の開口側に収納されて流入口に連通する流路
を開閉する弁体と、弁体を開方向又は閉方向のいずれか
一方に駆動するために温度に応じて伸縮する形状記憶合
金製のワイヤーと、ワイヤーを展伸させて弁体を開方向
又は閉方向のいずれか他方に付勢する復帰ばねとを具備
し、上記基台を回転させて軸方向に移動させることによ
り、ワイヤーの伸縮方向において基台と本体との位置を
調整する調整手段とを備えると共に、上記復帰ばねを本
体と弁体とで挟持したから、基台を回転して軸方向に移
動させても、復帰ばねは基台には接触していないため
に、復帰ばねは基台と共に移動することがなく、復帰ば
ねのばね力が一定に保たれる。従って、弁体と基台との
距離を適正に調整でき、且つ、ワイヤーへの通電時に弁
体が十分に変位でき、正常に動作させることができるも
のである。
【0089】また請求項18記載の発明は、請求項1又
は請求項17記載の効果に加えて、本体内部に弁体を収
納したから、流量調整弁をシステムに組み込んだとき
に、他の部品と弁体とが接触することがなく、従って、
弁体はスムーズに動作することができ、弁装置を正常に
動作させることができる。また請求項19記載の発明
は、請求項1又は請求項17記載の効果に加えて、ワイ
ヤーを本体の外側面に設けた凹溝部に収納したから、流
量調整弁をシステムに組み込んだときに、ワイヤーをワ
イヤー収納溝内に収納することで、他の部品とワイヤー
とが接触することがなく、弁体はスムーズに動くことが
でき、弁装置を正常に動作させることができる。
【0090】また請求項20記載の発明は、請求項1又
は請求項17記載の効果に加えて、弁体と本体との間に
回転規制手段を設けたから、基台を回して基台を軸方向
に移動させて流量調整をするときに、基台と弁体との摺
動や、復帰ばねの回転による弁体の回転等を防止でき、
従って、ワイヤーが捩じれて外れたり、最悪切れてしま
うという事態を回避できる。
【0091】また請求項21記載の発明は、請求項20
記載の効果に加えて、回転規制手段は、弁体に設けた凸
状部と、本体に設けられて該凸状部が当接するストッパ
ー面とから成るから、弁体側に凸状部、本体側のストッ
パー面を設けるだけで、回転規制手段を簡単に構成でき
る。また請求項22記載の発明は、請求項20記載の効
果に加えて、回転規制手段は、弁体に設けたストッパー
面と、本体に設けられて該ストッパー面に当接する凸状
部とから成るから、弁体側にストッパー面、本体側の凸
状部を設けるだけで、回転規制手段を簡単に構成でき
る。
【0092】また請求項23記載の発明は、請求項1又
は請求項17記載の効果に加えて、弁体と本体の移動範
囲を規制するための移動範囲規制手段を設けたから、弁
体と本体の組立て状態において、移動範囲規制手段によ
って弁体と本体の移動範囲が規制されることで、ワイヤ
ーに常に応力が加わるのを防止でき、長期保存状態でも
永久変形が発生するのを防止でき、正常な動作を維持で
きるものである。
【0093】また請求項24記載の発明は、請求項23
記載の効果に加えて、移動範囲規制手段は、弁体に突設
した係止凸部と、本体に凹設されて該係止凸部が所定範
囲内で移動自在に係合する係止凹部とから成るから、弁
体側に係止凸部、本体側に係止凹部を設けるだけで、本
体と弁体の移動範囲を規制する手段を簡単に構成するこ
とができる。
【0094】また請求項25記載の発明は、請求項23
記載の効果に加えて、移動範囲規制手段は、弁体に凹設
した係止凹部と、本体に突設されて該係止凹部に所定範
囲内で移動自在に係合する係止凸部とから成るから、弁
体側に係止凸部、本体側に係止凹部を設けるだけで、本
体と弁体の移動範囲を規制する手段を簡単に構成するこ
とができる。
【0095】また請求項26記載の発明は、請求項1又
は請求項17記載の効果に加えて、流路内に流出された
流体をワイヤーに当てないように排出させる排出通路を
備えているから、流路内に流出された両端部は排出通路
を通って外部に排出されるので、ワイヤーが冷却される
心配がない。従って、自己発熱して温度に応じて伸縮す
る形状記憶合金製のワイヤーの温度が定常的となり、弁
体の変位が定まり、弁体の変位の精度が良くなる。
【0096】また請求項27記載の発明は、請求項26
記載の効果に加えて、流路内に流出された流体をワイヤ
ーに当てないように排出させる排出通路が、弁体におけ
る本体との摺動部の側面に沿って設けられた流出路と、
上記流出路に連通し且つ弁体のワイヤーが架け渡される
頭部におけるワイヤー通過位置から外れた位置に貫設さ
れた外部流出孔とで構成されているから、流路内から流
出された流体がワイヤーを冷却することなく、流出路内
から外部流出路内を通って速やかに外部に逃がすことが
でき、流量調整弁を正常に動作させることができる。
【0097】また請求項28記載の発明は、弁体と、弁
体を駆動するために温度に応じて伸縮する形状記憶合金
からなるワイヤーと、ワイヤーを展伸させる方向に付勢
する復帰ばねと、前記各部品を収納する本体とを具備し
た流量調整弁の上記ワイヤーが、電源からのリード線或
いはクリップ等に接続される端子板に固定されて成る流
量調整弁におけるワイヤーと端子板の固定構造であっ
て、上記ワイヤーよりも軟らかい材質で構成された端子
板及びワッシャーと、該端子板に設けた孔部に挿通され
る断面略T字状のリベットとを備え、上記端子板の孔部
にリベットを挿通させて、リベットに嵌合されたワッシ
ャーと端子板との間にワイヤーの端部を挟み込んだ状態
で、リベットのワッシャーから突出している部分を潰し
てワッシャーをワイヤー側に押し付けるようにして成る
から、リベットのワッシャーから突出している部分を潰
すことにより、ワッシャーをワイヤーに強く押し付ける
ことができ、ワイヤーの摩擦力が大きくなり、従って、
ワイヤーに強い引っ張り応力が加わっても、ワイヤーが
端子板から抜けることがない。また、端子板及びワッシ
ャーを形状記憶合金製のワイヤーより軟らかい材質で構
成してあるので、強い力でワッシャーをワイヤーに押し
付けた場合でも、端子板とワッシャーの方が凹むように
なるので、ワイヤーの表面が傷付くことがなく、また、
ワイヤーに強い引っ張り応力が加わったときでも、ワイ
ヤーが切れる心配もない。さらに、ワイヤーの線径を非
常に細くしたり、或いは弾性力の強い材質で構成した場
合であっても、ワイヤーをリベットに巻き付ける作業が
容易となり、作業効率を高めることができる。
【0098】また請求項29記載の発明は、請求項28
記載の効果に加えて、ワッシャーのワイヤーとの接触
面、又は端子板のワイヤーとの接触面の少なくとも一方
を凹凸面で形成したから、リベットのワッシャーから突
出している部分を潰してワッシャーをワイヤー側に押し
付けたときに、凹凸面でワイヤーを押さえることがで
き、ワイヤーは小さい面積で押さえられるようになり、
ワッシャーによる押さえ力が同じであっても、より強い
摩擦力が得られ、ワイヤーの外れ防止を一層図ることが
できる。
【0099】また請求項30記載の発明は、請求項28
記載の効果に加えて、ワッシャーのワイヤーとの接触
面、又は端子板のワイヤーとの接触面の少なくとも一方
に、ワイヤー側に向けて突部を突出させたから、リベッ
トのワッシャーから突出している部分を潰してワッシャ
ーをワイヤー側に押し付けたときに、突部がワイヤーに
圧接することで、ワッシャーがワイヤーを押さえる面積
が小さくなり、摩擦力が一層強められて、ワイヤーの一
層の外れ防止を図ることができる。
【0100】また請求項31記載の発明は、請求項28
記載の効果に加えて、ワッシャーのワイヤーとの接触
面、又は端子板のワイヤーとの接触面の少なくとも一方
に、樹脂製の突起を設けたから、リベットのワッシャー
から突出している部分を潰してワッシャーをワイヤー側
に押し付けたときに樹脂製の突起がワイヤーに圧接する
ことで、ワッシャーによりワイヤーを押さえる面積が小
さくなり、摩擦力がより一層高められると共に、突起は
樹脂製であるので、ワイヤーが強く押された場合でも、
ワイヤーが切れたり、表面に傷が付いたりするのを防止
できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例を示す断面図である。
【図2】同上の一部破断した分解斜視図である。
【図3】同上の開弁時の拡大断面図である。
【図4】同上の閉弁時の拡大断面図である。
【図5】同上の流量調整弁と従来例とを比較する概略構
成図であり、(a)は本発明の概略構成図、(b)は従
来例の概略構成図である。
【図6】他の実施形態の一部破断した分解斜視図であ
る。
【図7】更に他の実施形態の断面図である。
【図8】更に他の実施形態の断面図である。
【図9】更に他の実施形態の断面図である。
【図10】更に他の実施形態の断面図である。
【図11】図10の下面図である。
【図12】図10の一部破断した分解斜視図である。
【図13】図10の組立て状態の斜視図である。
【図14】更に他の実施形態の断面図である。
【図15】図14の下面図である。
【図16】図14の一部破断した分解斜視図である。
【図17】更に他の実施形態の斜視図である。
【図18】更に他の実施形態の斜視図である。
【図19】図18の折り返しピン付近の断面図である。
【図20】更に他の実施形態の斜視図である。
【図21】図20の端子係止部の斜視図である。
【図22】同上のワイヤーを折り返しピンで折り返した
場合の弁体の動作原理を説明する概略図である。
【図23】更に他の実施形態の断面図である。
【図24】図23の一部破断した分解斜視図である。
【図25】図23の組立て状態の斜視図である。
【図26】更に他の実施形態の一部破断した分解斜視図
である。
【図27】図26の組立て状態の斜視図である。
【図28】更に他の実施形態の断面図である。
【図29】図28の一部破断した分解斜視図である。
【図30】更に他の実施形態の断面図である。
【図31】更に他の実施形態の断面図である。
【図32】図31の一部破断した分解斜視図である。
【図33】更に他の実施形態の断面図である。
【図34】更に他の実施形態の断面図である。
【図35】更に他の実施形態の分解斜視図である。
【図36】図35のワイヤーを端子板に固定する動作説
明図である。
【図37】図35のワイヤーを端子板に固定する動作説
明図である。
【図38】更に他の実施形態の分解斜視図である。
【図39】図38のワイヤーを端子板に固定する動作説
明図である。
【図40】更に他の実施形態の分解斜視図である。
【図41】図40のワイヤーを端子板に固定する動作説
明図である。
【図42】図40のH−H線断面図である。
【図43】更に他の実施形態の断面図である。
【図44】従来の端子板の説明図である。
【図45】従来の流量調整弁の断面図である。
【図46】従来の流量調整弁の分解斜視図である。
【符号の説明】
2 本体 4 流入口 5 流路 5a 流入路 5b 流出路 5c 外部流出孔 6 弁体 7 ワイヤー 7a 端部 8 復帰ばね 9 突起部 10 ワイヤー外れ防止手段 10a 溝部 11 ワイヤー固定部 13 調整手段 13a,13b 調整用ねじ 14 復帰ばねガイド部 15 弁軸 18 シール部材 20 ワイヤー折り返し部 21 ワイヤーガイド溝 30 ワイヤー収納溝 31 移動範囲規制手段 31a 係止凸部 31b 係止凹部 32 回転規制手段 32a 凸状部 32b ストッパー面 35 逃がし通路 40 端子板 41 ワッシャー 42 リベット 44 突部 47 凹凸面 48 樹脂製の突起

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁体と、弁体を駆動するために温度に応
    じて伸縮する形状記憶合金からなるワイヤーと、ワイヤ
    ーを展伸させる方向に付勢する復帰ばねと、前記各部品
    を収納する本体とを具備し、上記ワイヤーは流路の外部
    に配置されて、弁体に回したワイヤーの両端部が弁体以
    外の部位に固定されて成ることを特徴とする流量調整
    弁。
  2. 【請求項2】 弁体に回したワイヤーが弁体から外れる
    のを防止するためのワイヤー外れ防止手段を備えると共
    に、本体側にワイヤーの両端部を固定するワイヤー固定
    部を設けたことを特徴とする請求項1記載の流量調整
    弁。
  3. 【請求項3】 弁体に回した複数本のワイヤーの各両端
    部を弁体以外の部位に夫々固定することを特徴とする請
    求項1記載の流量調整弁。
  4. 【請求項4】 弁体に回した複数本のワイヤーが弁体か
    ら外れるのを防止するためのワイヤー外れ防止手段を備
    えると共に、本体側に複数本のワイヤーの各両端部を夫
    々固定するワイヤー固定部を設けたことを特徴とする請
    求項2記載の流量調整弁。
  5. 【請求項5】 ワイヤー外れ防止手段は弁体に凹設した
    溝部から成ることを特徴とする請求項2又は請求項4記
    載の流量調整弁。
  6. 【請求項6】 溝部内にワイヤーと弁体との接触面積を
    小さくするための突起部を設け、該突起部にワイヤーを
    周回させて成ることを特徴とする請求項5記載の流量調
    整弁。
  7. 【請求項7】 突起部は摩擦抵抗の低い材料から成るこ
    とを特徴とする請求項6記載の流量調整弁。
  8. 【請求項8】 突起部は弁体材料よりも熱伝達率の低い
    材料から成ることを特徴とする請求項6記載の流量調整
    弁。
  9. 【請求項9】 本体と基台とをワイヤーの伸縮方向の位
    置を調整するための調整手段を介して結合して成ること
    を特徴とする請求項1記載の流量調整弁。
  10. 【請求項10】 調整手段は本体と基台の両方に設けた
    調整用ねじから成ることを特徴とする請求項9記載の流
    量調整弁。
  11. 【請求項11】 基台の外周側に復帰ばねをガイドする
    復帰ばねガイド部を設けたことを特徴とする請求項1記
    載の流量調整弁。
  12. 【請求項12】 流路を開閉する弁体の弁軸近傍に、閉
    弁時において弁座の周囲をシールするシール部材を取着
    したことを特徴とする請求項1記載の流量調整弁。
  13. 【請求項13】 本体側にワイヤーを折り返すためのワ
    イヤー折り返し部を設け、弁体に回したワイヤーをワイ
    ヤー折り返し部で折り返した状態でワイヤーの両端部を
    弁体以外の部位に夫々固定したことを特徴とする請求項
    1記載の流量調整弁。
  14. 【請求項14】 ワイヤー折り返し部を本体の外周面の
    周方向に複数配設したことを特徴とする請求項13記載
    の流量調整弁。
  15. 【請求項15】 ワイヤー折り返し部を本体の外周面の
    周方向に複数配設すると共に軸方向に複数配設して、ワ
    イヤーを各ワイヤー折り返し部に交互に架け回すように
    したことを特徴とする請求項13記載の流量調整弁。
  16. 【請求項16】 ワイヤー折り返し部にワイヤーをガイ
    ドするワイヤーガイド溝を設けたことを特徴とする請求
    項13又は請求項14又は請求項15のいずれかに記載
    の流量調整弁。
  17. 【請求項17】 略筒状の本体の一方の開口側に収納さ
    れた流入口を有する基台と、本体の他方の開口側に収納
    されて流入口に連通する流路を開閉する弁体と、弁体を
    開方向又は閉方向のいずれか一方に駆動するために温度
    に応じて伸縮する形状記憶合金製のワイヤーと、ワイヤ
    ーを展伸させて弁体を開方向又は閉方向のいずれか他方
    に付勢する復帰ばねとを具備し、上記基台を回転させて
    軸方向に移動させることにより、ワイヤーの伸縮方向に
    おいて基台と本体との位置を調整する調整手段とを備え
    ると共に、上記復帰ばねを本体と弁体とで挟持したこと
    を特徴とする流量調整弁。
  18. 【請求項18】 本体内部に弁体を収納したことを特徴
    とする請求項1又は請求項17記載の流量調整弁。
  19. 【請求項19】 ワイヤーを本体の外側面に設けた凹溝
    部に収納したことを特徴とする請求項1又は請求項17
    記載の流量調整弁。
  20. 【請求項20】 弁体と本体との間に回転規制手段を設
    けたことを特徴とする請求項1又は請求項17記載の流
    量調整弁。
  21. 【請求項21】 回転規制手段は、弁体に設けた凸状部
    と、本体に設けられて該凸状部が当接するストッパー面
    とから成ることを特徴とする請求項20記載の流量調整
    弁。
  22. 【請求項22】 回転規制手段は、弁体に設けたストッ
    パー面と、本体に設けられて該ストッパー面に当接する
    凸状部とから成ることを特徴とする請求項20記載の流
    量調整弁。
  23. 【請求項23】 弁体と本体の移動範囲を規制するため
    の移動範囲規制手段を設けたことを特徴とする請求項1
    又は請求項17記載の流量調整弁。
  24. 【請求項24】 移動範囲規制手段は、弁体に突設した
    係止凸部と、本体に凹設されて該係止凸部が所定範囲内
    で移動自在に係合する係止凹部とから成ることを特徴と
    する請求項23記載の流量調整弁。
  25. 【請求項25】 移動範囲規制手段は、弁体に凹設した
    係止凹部と、本体に突設されて該係止凹部に所定範囲内
    で移動自在に係合する係止凸部とから成ることを特徴と
    する請求項23記載の流量調整弁。
  26. 【請求項26】 流路内に流出された流体をワイヤーに
    当てないように排出させる排出通路を備えていることを
    特徴とする請求項1又は請求項17記載の流量調整弁。
  27. 【請求項27】 流路内に流出された流体をワイヤーに
    当てないように排出させる排出通路が、弁体における本
    体との摺動部の側面に沿って設けられた流出路と、上記
    流出路に連通し且つ弁体のワイヤーが架け渡される頭部
    におけるワイヤー通過位置から外れた位置に貫設された
    外部流出孔とで構成されていることを特徴とする請求項
    26記載の流量調整弁。
  28. 【請求項28】 弁体と、弁体を駆動するために温度に
    応じて伸縮する形状記憶合金からなるワイヤーと、ワイ
    ヤーを展伸させる方向に付勢する復帰ばねと、前記各部
    品を収納する本体とを具備した流量調整弁の上記ワイヤ
    ーが、電源からのリード線或いはクリップ等に接続され
    る端子板に固定されて成る流量調整弁におけるワイヤー
    と端子板の固定構造であって、上記ワイヤーよりも軟ら
    かい材質で構成された端子板及びワッシャーと、該端子
    板に設けた孔部に挿通される断面略T字状のリベットと
    を備え、上記端子板の孔部にリベットを挿通させて、リ
    ベットに嵌合されたワッシャーと端子板との間にワイヤ
    ーの端部を挟み込んだ状態で、リベットのワッシャーか
    ら突出している部分を潰してワッシャーをワイヤー側に
    押し付けるようにして成ることを特徴とする流量調整弁
    におけるワイヤーの端子板への固定構造。
  29. 【請求項29】 ワッシャーのワイヤーとの接触面、又
    は端子板のワイヤーとの接触面の少なくとも一方を凹凸
    面で形成したことを特徴とする請求項28記載の流量調
    整弁におけるワイヤーの端子板への固定構造。
  30. 【請求項30】 ワッシャーのワイヤーとの接触面、又
    は端子板のワイヤーとの接触面の少なくとも一方に、ワ
    イヤー側に向けて突部を突出させたことを特徴とする請
    求項28記載の流量調整弁におけるワイヤーの端子板へ
    の固定構造。
  31. 【請求項31】 ワッシャーのワイヤーとの接触面、又
    は端子板のワイヤーとの接触面の少なくとも一方に、樹
    脂製の突起を設けたことを特徴とする請求項28記載の
    流量調整弁におけるワイヤーの端子板への固定構造。
JP30622497A 1996-11-08 1997-11-07 流量調整弁及び流量調整弁におけるワイヤーの端子板への固定構造 Expired - Fee Related JP3627475B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30622497A JP3627475B2 (ja) 1996-11-08 1997-11-07 流量調整弁及び流量調整弁におけるワイヤーの端子板への固定構造

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-296163 1996-11-08
JP29616396 1996-11-08
JP9-256857 1997-09-22
JP25685797 1997-09-22
JP30622497A JP3627475B2 (ja) 1996-11-08 1997-11-07 流量調整弁及び流量調整弁におけるワイヤーの端子板への固定構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11153234A true JPH11153234A (ja) 1999-06-08
JP3627475B2 JP3627475B2 (ja) 2005-03-09

Family

ID=27334568

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30622497A Expired - Fee Related JP3627475B2 (ja) 1996-11-08 1997-11-07 流量調整弁及び流量調整弁におけるワイヤーの端子板への固定構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3627475B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003227578A (ja) * 2002-02-04 2003-08-15 Rinnai Corp 電磁式給水弁
WO2007013498A1 (ja) 2005-07-26 2007-02-01 Matsushita Electric Works, Ltd. 小型バルブ
WO2008115264A2 (en) * 2006-09-11 2008-09-25 California Institute Of Technology Electrically actuated valves made from shape memory alloy wires embedded in elastomer
WO2012173527A2 (ru) * 2011-06-15 2012-12-20 Mel Nikov Pavel Eduardovich Регулятор давления

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003227578A (ja) * 2002-02-04 2003-08-15 Rinnai Corp 電磁式給水弁
WO2007013498A1 (ja) 2005-07-26 2007-02-01 Matsushita Electric Works, Ltd. 小型バルブ
US7815161B2 (en) 2005-07-26 2010-10-19 Panasonic Electric Works Co., Ltd. Compact valve
WO2008115264A2 (en) * 2006-09-11 2008-09-25 California Institute Of Technology Electrically actuated valves made from shape memory alloy wires embedded in elastomer
WO2008115264A3 (en) * 2006-09-11 2008-12-31 California Inst Of Techn Electrically actuated valves made from shape memory alloy wires embedded in elastomer
US8002235B2 (en) 2006-09-11 2011-08-23 California Institute Of Technology Electrically actuated valves made from shape memory alloy wires embedded in elastomer
WO2012173527A2 (ru) * 2011-06-15 2012-12-20 Mel Nikov Pavel Eduardovich Регулятор давления
WO2012173527A3 (ru) * 2011-06-15 2013-03-28 Mel Nikov Pavel Eduardovich Регулятор давления

Also Published As

Publication number Publication date
JP3627475B2 (ja) 2005-03-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3937029B2 (ja) 電動弁
US11473820B2 (en) Air conditioning system and electronic expansion valve thereof
JP4331571B2 (ja) 膨張弁
US7373788B2 (en) Expansion valve
US5939970A (en) Thermally responsive switch
KR20060029227A (ko) 모터의 베어링 지지 구조
JP2005156046A (ja) 膨張弁
JPH11153234A (ja) 流量調整弁及び流量調整弁におけるワイヤーの端子板への固定構造
JP4234308B2 (ja) 温度膨張弁
JP4265965B2 (ja) 小型電磁弁の製造方法
JP4871667B2 (ja) 弁体開閉装置
US8092403B2 (en) Vacuum pressure regulator for human body treatment devices
JP2007315529A (ja) 小型バルブ
JPH11280927A (ja) 逆止弁
CN114667424B (zh) 动力元件以及使用了该动力元件的膨胀阀
JP4779078B2 (ja) 圧力制御弁
JP2023074260A (ja) パイロット式電磁弁
JP2006003056A (ja) 膨張弁
JP2001056059A (ja) 弁シール構造
JPH1194123A (ja) 流量調整弁
EP3134645B1 (en) Thermostats
JP2002349740A (ja) バルブ開閉駆動装置
JP2005024076A (ja) ガス栓
JP7405781B2 (ja) 流量制御弁および冷凍サイクルシステム
JP2000240845A (ja) 流量調整弁

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040525

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040601

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040726

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041129

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071217

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081217

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081217

Year of fee payment: 4

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081217

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091217

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091217

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101217

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111217

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121217

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121217

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131217

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees