JPH11137694A - 生体内分解吸収性の形状記憶ステント - Google Patents

生体内分解吸収性の形状記憶ステント

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JPH11137694A
JPH11137694A JP33099097A JP33099097A JPH11137694A JP H11137694 A JPH11137694 A JP H11137694A JP 33099097 A JP33099097 A JP 33099097A JP 33099097 A JP33099097 A JP 33099097A JP H11137694 A JPH11137694 A JP H11137694A
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JP
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stent
lactic acid
temperature
yarn
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JP33099097A
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Inventor
Hiroyuki Kawarada
Yasuo Shikinami
裕之 川原田
保夫 敷波
Original Assignee
Takiron Co Ltd
タキロン株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 血管等への挿入固定作業が簡単で、残留異物
として生体に悪影響を与えることがない生体内分解吸収
性の形状記憶ステントを提供する。 【解決手段】 本質的に直線形状(又は小径コイル形
状)の乳酸系ポリマーの糸1からなるステントS_1であ
って、所定のステント形状(又は大径コイル形状)を記
憶させることによって、所定温度以上に加熱したとき外
力を加えなくても記憶した所定のステント形状(又は大
径コイル形状)に復元できるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【0001】

【発明の属する技術分野】本発明は、冠動脈やその他の
血管の再狭窄防止、或は、尿管、前立腺、食道等の狭窄
防止に有効な生体内分解吸収性の形状記憶ステントに関
する。

【0002】

【従来の技術】経皮的冠動脈形成術(PTCA)を行う
と、術後1ケ月間が血管の内膜形成の最も活発な時期で
あり、術後3ケ月以内に約4割の患者に冠動脈の再狭窄
が起こると言われている。

【0003】このような冠動脈の再狭窄を防止する方法
として、従来から金属製の網筒状のステントを冠動脈に
挿入し、このステントによって血管を内側から押し広げ
る方法が知られている。けれども、このステントは異物
として冠動脈内に永久に残るため、人体に悪影響を与え
る懸念がある。

【0004】かかる問題に対応するため、最近、生体内
分解吸収性の材料からなるステントも開発されている。
その一つに、米国特許第5147385号に開示された
ステントがある。このステントは、45〜75℃で軟化
するポリカプロラクトン等の生体内分解吸収性ポリマー
からなるもので、筒状に形成されている。

【0005】

【発明が解決しようとする課題】上記の筒状のステント
を冠動脈に挿入固定すると、徐々に生体内分解吸収性ポ
リマーが加水分解され、やがては生体内に完全に吸収さ
れて消失するため、残留異物として人体に悪影響を与え
る心配は解消される。

【0006】しかし、このステントを冠動脈に挿入固定
する場合は、先端に加熱加圧可能なバルーンを設けたカ
テーテルを使用し、このバルーンの外周に上記ステント
を嵌着して冠動脈まで挿入したのち、バルーンを加熱し
て上記ステントを熱軟化させると共に、更にバルーンを
加圧膨張させて上記ステントを拡張させ、冠動脈の血管
壁を内側から押拡げたまま上記ステントを冷却固化して
固定しなければならない。

【0007】このように、上記のステントは、冠動脈へ
の挿入固定作業が複雑且つ面倒で、熟練を要するという
問題があった。

【0008】本発明は斯かる問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは血管、尿管、前立腺、食道
などへの挿入固定作業を簡単に行うことができる生体内
分解吸収性の形状記憶ステントを提供することにある。

【0009】尚、形状記憶材料としては、ノルボルネン
系、トランス−ポリイソプレン系、スチレンブタジエン
共重合体系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリ
ウレタン系、ポリアクリル系などの合成ポリマーや、セ
ルロース繊維、タンパク繊維などの天然ポリマーが開発
されているが、これらはいずれも生体内で分解され吸収
される材料ではなく、また、ステント等のインプラント
への応用は全く行われていない。

【0010】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る生体内分解吸収性の形状記憶ステント
は、本質的に略直線形状の乳酸系ポリマーの糸からな
り、所定温度以上に加熱すると、外力を加えなくても上
記の糸が記憶した所定のステント形状に復元することを
特徴とするものである。即ち、この形状記憶ステント
は、所定のステント形状に曲成した乳酸系ポリマーの糸
を、そのガラス転移温度(Tg)より高く結晶化温度
(Tc)(結晶化温度がない場合は100℃)より低い
温度(Tf)に加熱してほぼ直線形状に伸ばし、そのま
まガラス転移温度(Tg)より低い温度に冷却して本質
的に直線形状を固定した乳酸系ポリマーの糸からなるス
テントであって、上記の加熱温度(Tf)以上に再び加
熱すると、外力を加えなくても上記の糸が元の所定のス
テント形状に復元するものである。ここで「糸」とは、
その直径が2mm程度の太さを有するワイヤーをも含む
広い概念の用語である。

【0011】かかる形状記憶ステントは本質的に直線形
状の乳酸系ポリマーの糸からなるため、カテーテル等を
用いて血管等に容易に挿入することができ、挿入したス
テントを後述の加熱手段で上記の加熱温度(Tf)以上
に再加熱すると、本質的に直線形状の糸がわずか数秒と
いう短時間のうちに曲げ変形して、記憶した所定のステ
ント形状に復元し、血管等を内側から押し拡げた状態で
固定される。従って、この形状記憶ステントは、前述し
た従来ステントのように加熱後、カテーテル先端のバル
ーンを加圧膨張させてステントを内側から押し拡げる面
倒な作業が基本的に不要であるから、挿入固定作業を簡
単に行うことができる。そして、血管等の内部に固定さ
れたステントは、その乳酸系ポリマーの糸が徐々に加水
分解を受け、やがては生体内に完全に吸収されて消失す
るため、残留異物として生体に悪影響を与える心配が全
くなく安全である。また、非金属である乳酸系ポリマー
のステントは、MRI(Magnetic Resonance Images)
やCT(Conputer Tomography)のハレーション現象を
生ずることもないので、これらの造影に有利である。

【0012】前記目的を達成する本発明のもう一つの形
状記憶ステントは、小径コイル形状の乳酸系ポリマーの
糸からなり、所定温度以上に加熱すると、外力を加えな
くても上記の糸が記憶した大径コイル形状に復元するこ
とを特徴とするものである。即ち、この形状記憶ステン
トは、大径コイル形状に曲成した乳酸系ポリマーの糸
を、そのガラス転移温度(Tg)より高く結晶化温度
(Tc)(結晶化温度がない場合は100℃)より低い
温度(Tf)に加熱して小径コイル形状に変形し、その
ままガラス転移温度より低い温度に冷却して小径コイル
形状を固定した乳酸系ポリマーの糸からなるステントで
あって、上記の加熱温度(Tf)以上に再び加熱する
と、外力を加えなくても上記の糸が元の大径コイル形状
に復元するものである。

【0013】かかる形状記憶ステントは、小径コイル形
状の乳酸系ポリマーの糸からなるため、カテーテル等を
用いて血管等に容易に挿入することができ、上記の加熱
温度(Tf)以上に再加熱すると、わずか数秒という短
時間のうちに記憶した大径コイル形状に復元して、血管
等を内側から押し拡げた状態で固定される。従って、こ
の形状記憶ステントも挿入固定作業を簡単に行うことが
でき、また、生体内分解吸収性であるから残留異物とし
て生体に悪影響を与える心配がなく、MRIやCTのハ
レーション現象を生ずることもない。

【0014】次に、本発明ステントの形状記憶の原理に
ついて説明する。

【0015】一般に形状記憶性能を有するポリマーの分
子集合体の構造形態は、ポリマー分子の流動性を抑制し
て成形体の形状を固定する作用をする固定相と、ある温
度を境にして温度を上下することに伴いポリマー分子が
流動・固化することによって軟化と硬化の現象を繰り返
すことのできる可逆相の部分からできている。

【0016】固定相の形成を決定する化学的要因は、個
々の直鎖状ポリマー分子鎖間の相互作用の形式や相互作
用の密度の大小と形態、あるいは分子鎖の絡みなどに依
存するものである。

【0017】ポリマーの分子鎖間相互作用は共有結合、
配位結合、イオン結合などの強い一次結合によるもの
と、クーロン力、水素結合、ファンデルワールス力など
の比較的弱い二次結合力によるものに別けられる。固定
相(拘束相)と可逆相(流動相)がこれらのうちのどの分
子間相互作用の形式によって成り立つものであるかは、
ポリマーを形成するモノマーの化学構造と配列あるいは
その立体的特異性などの固有の性質によって決まる。こ
のポリマー分子鎖間の相互作用(結合力)の違いによっ
て、高分子集合体はゴム相、ガラス相、結晶相を形成す
る。そして、これらの相が単独で存在するポリマーもあ
れば、複数に存在するポリマーもある。

【0018】形状記憶性能をもつポリマーは、ガラス転
移温度(Tg)の上下で弾性率が大きく変化する性質を
もつので、これを利用して形状が記憶される。即ち、一
般的なプラスチックの成形法によって、ある形状(原形)
を賦与された成形物(一次成形物)を、そのポリマーの
Tgより高く溶融温度(Tm)より低い温度(Tf)に
加熱して軟化させ、原形とは別の形状に変形させる。こ
の形を保持しながらTgより低い温度に冷却して形状を
固定する(二次成形物)。その後、再び二次成形した温
度(Tf)以上、Tm以下の温度に加熱することで二次
成形時の形状を消却して、一次成形物である原形に形状
を回復させる。斯かる過程によって一時的に二次形状を
賦され、また再び原形に戻る性能がポリマーの形状記憶
である。

【0019】このとき、Tgを境にした温度の上下で大
きな弾性率の変化を示すガラス質のポリマーが、別の形
状の固定と消却、および、原形への回復に最も有効なも
のの一つである。つまり、形状の消却と完全に近い原形
への回復が効率的に行われるポリマーの一つである。本
発明に用いる乳酸系ポリマーには、弾性率(E′)がTg
を境にして150倍以上変化するものが多々あるので、
形状記憶材料として好適である。かかる事実を本発明に
先立って確認した。

【0020】可逆相がガラス相よりも流動的であるゴム
相のみの場合のように、流動相のみからなるポリマーで
は上記の性質は得られない。しかし、分子間に架橋部分
を有するゴム相単独あるいはガラス相や結晶相がこれに
混在した複数の混合相で構成された場合には、形状記憶
・回復性能を示すポリマーが存在する。但し、そのよう
なものであっても正確に二次賦形を固定できて、完全に
原形に回復できるかという賦形と記憶回復の機能と回復
の温度が、ステントの用途に使える実用の範囲であるか
どうかという点で、幾分かの不満が残されるかも知れな
い。

【0021】逆に結晶相は固定相となるものであり、こ
の相のみで構成されたポリマーに形状記憶性能を求める
ことはできない。常温にて結晶相とゴム相(殊に部分的
に架橋されたゴム相)からなるポリマーの分子集合体、
あるいは結晶相とガラス相が混在したポリマーの分子集
合体の場合にも形状記憶性能を発現するものは存在す
る。しかし、これもまた、上記と同じ理由で本発明に適
合したものとなるかは疑問である。

【0022】さて、生体内分解吸収性ポリマーのうち
で、生体適合性に優れ、安全性があって、生体内での使
用が認知されており、インプラント材料としての実用経
験のあるポリマーの代表的なものに、いくつかのポリ
(α−オキシ酸)がある。ポリグリコール酸は、Tm
(溶融温度)が230℃(225〜235℃)、Tgが
36℃(45〜50℃)、ポリ−L−乳酸はTmが18
9℃(195℃)、Tgが56℃(55〜65℃)の結
晶性(結晶化温度をもっている)のポリマーである。但
し、括弧内は別の文献の値である。

【0023】これらのポリマーは基本的に結晶相と非晶
相(ガラス相)で構成されており、熱処理の仕方によっ
ては全くの非晶性にすることはできるが、加熱すること
により成形可能な流動性を与えて成形(変形)する過程
で結晶相をもった(一部非晶性のガラス相が混在する)
ポリマーに落ち着くことは避けられない。これはポリマ
ーの構成分子の単位であるモノマーの化学構造(L体あ
るいはD体の同一異性体からなる)に起因するものであ
り、不可避な現象である。従って、これらのポリマーは
本質的に結晶性のポリマーに属するものである。

【0024】単一重合体(ホモポリマー)であるポリグ
リコール酸とポリ乳酸は本質的に結晶性のポリマーであ
るが、実体は結晶相とガラス相からなるポリマーであ
り、Tgが比較的高いけれども、Tgより高く結晶化温
度(Tc,Tc<Tm)より低い温度にて、先記した二
次賦形のための変形処理を行い冷却固化すると形状を記
憶することはできる。しかし、そのときの温度は結晶相
が混在しているために、例えば100℃以上の高温を要
し、また処理中に結晶化が進行して結晶化度が上昇する
ために形状の回復に100℃以上の高温を要したり、回
復が完全でないという欠点を有しているので、本質的に
はステントとしての実用的な形状記憶ポリマーになり得
るものとは言えない。

【0025】乳酸には光学異性体であるS(L)体とR
(D)体がある。ポリ乳酸はこれらの乳酸からオリゴマ
ーをつくり、次いで環化された二量体(ラクチド)をつ
くり、更にこれを開環重合してポリ乳酸にする方法によ
って通常は合成されている。L体(又はD体)のみの乳
酸でつくられる上記のポリ−L−乳酸(又はポリ−D−
乳酸)は、その立体特異性に由来して本質的に結晶性の
ポリマーであり、分子鎖はα−ヘリックス構造をとって
いる。

【0026】乳酸の環化二量体にはL体とL体、D体と
D体、および実際に抽出分離は困難ではあるがL体とD
体(メソ体)からなる三種のラクチドが存在する。これ
らは各々L−ラクチド、D−ラクチド、DL(メソ)−
ラクチドと称される。L−ラクチドとD−ラクチドを所
定比率混合して開環重合すればポリ−D,L−ラクチド
(ポリ−D,L−乳酸)が合成できるが、その比率が5
0/50(モル比)のときのD体、L体混合のポリマー
をポリ−D,L−乳酸と通常は呼称している。しかし、
その比率が異なるものもまた広義のポリ−D,L−乳酸
である。

【0027】D体とL体の比率が異なる場合、その比率
の多い方のラクチドがブロック状に連結された部分であ
るセグメントを形成する要因となる。L−ラクチドとD
−ラクチドが等モル比で連結したポリ−D,L−ラクチ
ドの最も短いモノマーの連結単位は−(L−L−D−
D)−であり、かかる光学異性体の連結の最小単位はポ
リマー分子鎖間の相互作用を程良く乱すために、L体あ
るいはD体のみのポリマーのように結晶性のポリマーを
形成できず、本質的に非晶性である常温でガラス質のポ
リマーをつくる。これがゴム質のポリマーをつくらない
のは、モノマーである乳酸の化学構造の極性と非極性の
適当なバランスに起因している。このD体とL体の比率
が50/50(モル比)であるポリ−D,L−乳酸のT
gは57℃(55〜60℃)である。

【0028】本発明は斯かるポリ−D,L−乳酸の化学
構造と配列、相構造、Tgの値、物理的諸物性および生
体内での分解と全吸収の性状に着目して、生体内分解吸
収性の形状記憶材料としての有効性を見定め、血管の再
狭窄防止や、尿管、前立腺、食道などの狭窄防止に実用
できるステントを完成したものであり、以下の事実の認
識、把握に基づいている。

【0029】即ち、ポリ−D,L−ラクチドを基本成分
とする乳酸系ポリマーの糸は、流動性を防止して形状を
固定する構造部分(固定相)と、ポリマーのガラス転移
温度(Tg)を境にして温度を上下することにより硬化
と軟化を繰り返す構造部分(可逆相)を有している。そ
のため、この糸を溶融状態で所定のステント形状(又は
大径コイル形状)に曲成したのちTg以下に冷却する
と、固定相と可逆相が固定化されて、そのステント形状
(又は大径コイル形状)が維持される。このように曲成
されてステント形状(又は大径コイル形状)を維持した
乳酸系ポリマーの糸を、Tgより高くTcより低い温度
(Tf)に加熱して本質的に直線形状に伸ばす(又は小径
コイル形状に変形する)と、可逆相のみが流動して本質
的に直線形状(又は小径コイル形状)の糸に変えること
ができ、これをそのままTg以下の常温に冷却すると、
可逆相が固定化されて本質的に直線形状(又は小径コイ
ル形状)の糸からなるステントが得られる。斯かるステ
ントは、再びTf以上、Tc以下の温度に加熱すると、
可逆相が再び流動し、外力を加えなくても、その糸が固
定相によって記憶されていた元のステント形状(又は大
径コイル形状)に復元される。

【0030】この場合の乳酸系ポリマーの糸は、再加熱
による形状回復温度が45〜65℃の範囲にあるものが
適している。つまり、Tgが45〜65℃である乳酸系
ポリマーの糸が、生体内の血管、尿管、前立腺、食道な
どに挿入固定されるステントの材料糸として有用であ
る。この温度範囲の制限は以下の理由による。

【0031】一般にプラスチック製の滅菌を必要とする
医療材料は、耐熱性のある小数のポリマー材料を除け
ば、一部γ線による滅菌も試みられているが、大概はエ
チレンオキサイドガス(EOG)で滅菌される。EOG
滅菌の下限温度は40〜45℃であるから、この乳酸系
ポリマーの糸からなるステントも、EOG滅菌時の温度
で形状が回復しないTgをもつ必要がある。また、ステ
ントが保管貯蔵中に形状を回復してはいけないので、夏
期の気温に耐え得る温度の下限である45℃以上のTg
を有する乳酸系ポリマーの糸を選択しなければならな
い。

【0032】一方、高温域の上限は、生体内で形状を復
元させる熱処理をすることから決められる。本質的に直
線形状(又は小径コイル形状)の糸からなるステントを
血管等に挿入して所定のステント形状(又は大径コイル
形状)に復元させる加熱処理の手段には、レーザー、超
音波、高周波、赤外線などの手段や、熱風、温水などの
熱媒による直接加温の方法が考えられるが、このとき生
体組織が火傷しないことが必要であるから、出来るだけ
低い温度で加熱しなければならない。数秒以内の極めて
短時間の加熱であれば100℃の少量の熱媒の接触でも
火傷の危惧は少ないので、この温度を上限として設定で
きるが、より安全には、用いる樹脂のTg以上の温度で
ある45〜70℃、好ましくは50〜65℃の加温によ
り形状を回復できるのが良く、それ故、形状記憶の回復
温度の範囲を45〜65℃に設定した。

【0033】ガラス転移温度(Tg)が45〜65℃の範
囲にある乳酸系ポリマーを使用すると、所定のステント
形状(又は大径コイル形状)に曲成した糸を、該乳酸系
ポリマーが殆ど劣化しない温度(Tf)に加熱して本質的
に直線形状に伸ばす(又は小径コイル形状に変形する)
ことができるため、元のステント形状(又は大径コイル
形状)への回復率が非常に高くなり、形状記憶性の良好
なステントが得られる。

【0034】さて、乳酸系ポリマーのうちで極めて好適
なものは先記したポリ−D,L−乳酸である。このポリ
−D,L−乳酸は、D−ラクチドとL−ラクチドの混合
物を比率を変えて開環重合して得られた共重合体でもよ
く、DL−ラクチドを開環重合して得られた共重合体で
もよく、L−乳酸とD−乳酸の混合物を重合して得られ
た共重合体でもよく、これらの共重合体の混合物でもよ
い。

【0035】かかるポリ−D,L−乳酸の糸は、溶融状
態で曲成すると歪みを持たない所定のステント形状(又
は大径コイル形状)に賦形することができ、また、基本
的に非結晶性のガラス質のポリマーであるため、ガラス
転移温度より高い温度で変形容易な弾性特性を示し、容
易に糸を本質的に直線形状に伸ばす(又は小径コイル形
状に変形する)ことが可能であって、しかも元のステン
ト形状(又は大径コイル形状)への復元の度合(形状回
復率)が殆ど100%に近く、主として分子量を上下さ
せて若干の結晶相を介入させることにより強度を調節す
ることができる。更に、非晶性であるがために結晶性の
ポリ−L−乳酸などに比較すると生体内での加水分解が
速いといった利点を有する。

【0036】その他、ガラス質の非晶性ポリ−D,L−
乳酸に対して結晶性のポリ−L−乳酸、ポリ−D−乳
酸、ポリグリコール酸、あるいは非晶性のポリジオキサ
ノン、ポリカプロラクトン、ポリトリメチレンカーボネ
ートなどの生体内分解吸収性のポリマーを一部混合して
もよい。また、乳酸−グリコール酸共重合体、乳酸−ジ
オキサノン共重合体、乳酸−カプロラクトン共重合体、
乳酸−エチレングリコール共重合体、乳酸−プロピレン
共重合体、ラクチド−エチレンオキシド/プロピレンオ
キシド共重合体(但し、乳酸、ラクチドはL−、D−、
DL−、D,L−のいずれでもよい)などのラクチドに
生体内分解吸収性をもつモノマーを共重合して得た、本
質的にガラス質が支配的である非晶質の形状記憶回復性
能をもったポリマーを、単独あるいは混合して好適に用
いることもできる。

【0037】このような結晶性のホモポリマーを混合し
て用いることの利点は、種々の物理的強度を変えられる
こと、糸を本質的に直線形状に伸ばす(又は小径コイル
形状に変形する)ときの加熱温度ならびに形状回復温度
を変えられること、生体内での分解速度、全吸収に要す
る期間を調節できることなどである。また、分子内に吸
収性のモノマーを共重合させることの利点は、分子鎖内
モノマーの化学配列の周期を乱して分子鎖間の相互作用
を乱すことによって、結晶性のポリマーを非晶性に変え
ることができるので、それぞれに物理物性と形状回復温
度に特徴をもった形状記憶回復性能を付与でき、また、
分解・吸収の速度も調整できることである。

【0038】更に、本発明の形状記憶ステントは、乳酸
系ポリマーの糸に薬物を含有させることもできる。含有
させる薬物としては、ステントを挿入固定する部位の治
療に有効な各種の治療薬が使用できる。例えば、PCT
Aの術後の冠動脈の再狭窄を防止するために本発明の形
状記憶ステントを冠動脈に挿入固定する場合には、血管
の内膜形成を阻害して再狭窄を防止するトラニラスト、
ニフェジピン、シラザプリル、カルベジロール、抗血小
板薬のシロスタゾール、IIb /IIIa遮断薬などの再狭窄
防止薬を含有させるのが好ましい。

【0039】次に、本発明の形状記憶ステントの具体的
な実施形態について、図面を参照しながら詳述する。

【0040】

【発明の実施の形態】図1(A)は本発明の一実施形態
に係る形状記憶ステントの斜視図、(B)は同ステント
が元のステント形状に復元したところを示す斜視図、図
2は同ステントの一製法例の説明図である。

【0041】図1(A)に示す形状記憶ステントS1
は、本質的に直線形状の前述した乳酸系ポリマーの糸1
からなるもので、所定温度以上に加熱すると、外力を加
えなくても上記の糸1が曲げ変形して、記憶した図1
(B)のコイル形状に数秒以内という短時間に復元する
ものである。

【0042】即ち、この形状記憶ステントS1 は、ステ
ント形状として図1(B)のようなコイル形状に曲成し
た乳酸系ポリマーの糸1を、そのガラス転移温度(T
g)より高く結晶化温度(Tc)(結晶化温度がない場
合は100℃)より低い温度(Tf)に加熱して図1
(A)のような本質的に直線形状に伸ばし、そのままガ
ラス転移温度(Tg)より低い温度に冷却して常温で本
質的に直線形状を固定することにより、元のコイル形状
を記憶させたものである。

【0043】このような形状記憶ステントS1 は、例え
ば図2に示す方法で製造される。

【0044】まず、図2(A)に示すように押出成形機
2の先端押出口2aから乳酸系ポリマーを糸状に溶融押
出して、乳酸系ポリマーの糸1を得る。押出温度は乳酸
系ポリマーの溶融温度(Tm)以上に設定するが、融点
がない場合は軟化温度(Ts)以上に設定する。この実
施形態の糸1は、円形の断面形状を有する丸糸に押出成
形されているが、方形の断面形状を有する角糸に成形し
てもよい。また、これらの表面は平滑であっても、微細
な凹凸をもつ粗面であってもよい。

【0045】次に、得られた糸1を、乳酸系ポリマーの
ガラス転移温度(Tg)より高く結晶化温度(Tc)よ
り低い温度、好ましくはTgよりも20℃程度高い温度
に加熱して、図2(B)のように一軸延伸し、そのまま
室温まで冷却する。このように糸1を一軸延伸すると、
乳酸系ポリマーの可逆相のみが流動して細長くなり、そ
のまま常温に冷却すると、可逆相が固定化されて、延伸
前の糸の太さと長さが固定相によって記憶された細長い
糸1になる。

【0046】この一軸延伸は、次の工程で糸をコイル形
状に曲成しやすくするためのものであるから、その延伸
倍率は2〜4倍程度に設定するのが適当である。なお、
この延伸工程は必ずしも必要な工程ではなく省略可能で
ある糸の一軸延伸が終わると、図2(C)に示すよう
に、外周面に螺旋状の溝3aを形成した円柱状の型材3
を使用し、この型材3の溝3aに上記の一軸延伸した糸
1を嵌め込んでコイル形状に巻き付け、そのまま乳酸系
ポリマーの溶融温度もしくは軟化温度以上に加熱する。
このように加熱すると、前記の延伸温度を越えたところ
で、糸1が一軸延伸前の太さと長さに復元しようとする
ため、糸1の長さが短縮して型材3の溝3aに緩みなく
食い込んでコイル形状に曲成される。その結果、コイル
径が一定したものとなり、必要とする用途に応じたコイ
ル径が容易に得られる。そして、糸1の温度が更に上昇
して溶融状態に近づくと、固定相も可逆相も流動してコ
イル形状に適合するように歪みが消失し、そのまま常温
で冷却すると、固定相も可逆相も固定化されて歪みなく
曲成されたコイル形状の糸1となる。

【0047】次に、このコイル形状の糸1を、ガラス転
移温度(Tg)より高く結晶化温度(Tc)より低い温
度(Tf)、好ましくはTg+(20〜30℃)程度に
加熱して、軟化した糸1を型材3から取り外す。そし
て、この温度を保ったまま、図2(D)に示すようにコ
イル形状の糸1を伸ばして型材4の真直ぐな溝4aに嵌
め込み、又は、単に両端を引き伸ばして、そのままガラ
ス転移温度以下に冷却して常温で本質的に直線形状を固
定する。このようにTg以上、Tc以下の温度(Tf)
を保ってコイル形状の糸1を本質的に直線形状に伸ばす
と、可逆相のみが流動して本質的に直線形状の糸に変え
ることができ、そのままTg以下の常温に冷却すると可
逆相が固定化されて、元のコイル形状を固定相で記憶し
た図1(A)に示すような本質的に直線形状の乳酸系ポ
リマーの糸1からなるステントS1が得られる。

【0048】このようなステントS1 は、上記の加熱温
度(Tf)より高く結晶化温度(Tc)より低い温度に
再加熱すると、可逆相のみが再び流動するため、外力を
加えなくても、本質的に直線形状の糸1が曲げ変形し、
固定相によって記憶されている元のコイル形状に数秒以
内という短時間で復元する。

【0049】尚、固定相と可逆相は独立したブロック相
を形成しているものに限らず、分子間の相互作用によっ
て相構造をつくらずに同様の機能を示す構造形態のもの
であってもよい。

【0050】このステントS1 を構成する乳酸系ポリマ
ーの糸1の太さや、復元したときのコイル形状の寸法な
どは、生体内でのステントS1 の挿入固定部位に応じて
適宜決定すれば良い。例えば、冠動脈の再狭窄防止を目
的として冠動脈に挿入固定するステントの場合は、糸1
の太さ(直径)を0.1〜0.3mm程度、復元したと
きのコイル径を1.5〜6mm程度、コイル長を8.5
〜30mm程度、コイル巻数を7〜15巻程度に設定す
るのが適当である。

【0051】また、尿管に挿入固定するステントの場合
は、糸1の太さ(直径)を0.3〜0.5mm程度、復
元したときのコイル径を4〜12mm程度、コイル長を
40〜100mm程度、コイル巻数を20〜50巻程度
に設定するのが適当であり、前立腺に挿入固定するステ
ントの場合は、糸1の太さ(直径)を0.1〜0.3m
m程度、復元したときのコイル径を1.5〜3.5mm
程度、コイル長を8.5〜20mm程度、コイル巻数を
7〜10巻程度に設定するのが適当であり、更に、食道
に挿入固定するステントの場合は、糸1の太さ(直径)
を0.5〜1.5mm程度、復元したときのコイル径を
18〜60mm程度、コイル長を80〜100mm程
度、コイル巻数を30〜50巻程度に設定するのが適当
である。

【0052】このステントS1 は、最終的にガス滅菌さ
れて保管されるが、既述したようにガラス転移温度が4
5〜65℃の範囲内にある乳酸系ポリマーを用いて、こ
れより高い温度でコイル形状の糸1を本質的に直線形状
に伸ばしているため、ガス滅菌時の温度(40〜45
℃)でコイル形状に復元したり、保管中にコイル形状に
復元する恐れはない。

【0053】上記構成のステントS1 を、例えばPTC
Aの後にカテーテルで冠動脈に挿入し、滅菌した温水
(生理食塩水)等に接触させて前述の温度(Tf)以上
に再加熱すると、可逆相が流動して略直線形状の糸1が
わずか数秒という短時間のうちに曲げ変形し、固定相に
よって記憶されている図1(B)のコイル形状に復元し
て、冠動脈の血管壁を内側から押し拡げた状態で固定さ
れるため、冠動脈の再狭窄を物理的に防止することがで
きる。従って、この形状記憶ステントS1 は、従来の生
体内分解性ステントのように加熱後、カテーテル先端の
バルーンを加圧膨張させてステントを内側から押し拡げ
る面倒な作業が全く不要であるから、挿入固定作業が簡
単であり、取扱性に優れたものである。なお、ステント
の拡張圧は数気圧から15気圧以下が妥当とされている
ので、この形状記憶ステントS1 の復元力によっては該
復元が困難な高圧を必要とすると考えられる場合には、
通常の金属ステントの留置の方法と同様にバルーンと併
用し、バルーンを膨張して得られた空間でステントS1
を復元させることも一方法である。

【0054】ステントS1 の再加熱の手段としては、上
記の他に、温風加熱、レーザー加熱、高周波加熱、超音
波加熱、赤外線加熱などの手段を採用することができ、
いずれの手段を採用する場合でも、再加熱の温度の上限
が100℃強と余り高くなく(乳酸系ポリマーのTgが
45〜65℃でTfの上限が100℃強であるから再加
熱温度の上限は100℃強となる)、また、加熱時間も
数秒と短いので、熱媒が少ない場合は血管や周囲組織を
火傷させる恐れがない。

【0055】冠動脈に挿入固定されたステントS1 は、
その乳酸系ポリマーの糸1が徐々に加水分解を受け、や
がては生体内に完全に吸収されて消失するため、残留異
物として生体に悪影響を与える心配が全くなく安全であ
る。従って、金属製のステントのように一回限りではな
く、必要に応じて同一部位に何回でも挿入固定すること
ができる。

【0056】その場合、ステントS1 の糸1に再狭窄防
止用の薬物、例えばトラニラスト、ニフェジピン、シラ
ザプリル、カルベジロール等の有効な薬物が含有されて
いると、乳酸系ポリマーの糸1の加水分解に伴って該薬
物が徐放され、該薬物により冠動脈の内膜形成が阻害さ
れるので、冠動脈の再狭窄をより一層有効に防止するこ
とが可能となる。

【0057】薬物を含有させた乳酸系ポリマーの糸1か
らなるステントS1 を製造する場合は、例えばクロロホ
ルムなどの溶剤に薬物と乳酸系ポリマーを溶かして分子
レベルで混合した後、溶剤を揮散させて除去したものか
らペレットを造粒し、このペレットを用いて既述した図
2の方法により製造すればよい。例えばトラニラストは
融点が207〜210℃と高いので、ペレットを糸状に
溶融押出しするときの温度(通常は180℃程度)で変
質する心配はない。

【0058】薬物としては、ステントS1 を挿入固定す
る部位の治療に有効な各種の治療薬を含有させることが
可能であるが、熱で分解したり変質しやすい薬物を含有
させる場合は、次のようにして薬物の熱分解や変質を防
止することが望ましい。

【0059】即ち、クロロホルムなどの溶媒を用いて、
高粘度の乳酸系ポリマー/薬物の混合液を調製し、この
高粘度混合液を加熱しないで細孔から押出したところで
溶媒を蒸散除去することにより、薬物を含有した乳酸系
ポリマーの糸をつくる。そして、この糸を用いて、既述
した図2の方法により同様にステントS1 を製造すれば
よい。

【0060】薬物の含有量は特に制限がなく、少なくと
もその薬物の有効量を含有させればよいが、余り多量に
含有させると糸1が脆くなるので、薬物の含有量は多く
ても60重量%までとするのが適当である。

【0061】前記実施形態の本質的に直線形状の糸1か
らなるステントS1 は、図1(B)に示す記憶したコイ
ル形状に復元できるようにしたものであるが、本発明の
ステントは、生体内での挿入部位の形状や挿入の目的に
応じて、コイル形状以外の種々のステント形状に復元で
きるようにしてもよい。

【0062】図3は、そのようなコイル形状以外のステ
ント形状に復元できる他の実施形態の形状記憶ステント
2 を示したものである。即ち、このステントS2 は、
復元前は前記ステントS1 と同様の本質的に直線形状の
糸からなるが、再加熱すると曲げ変形して、図3に示す
ような複雑なステント形状の糸10(開環状糸部10a
と直径糸部10bと縦糸部10cが連続するステント形
状の糸)に復元するものである。

【0063】このようなステントS2 は、既述した図2
の製造方法において、図2(C)の型材3に代えて図4
に示す型材30を使用し、一軸延伸した図2(B)の糸
1を該型材30の円周溝30aに巻付け、次いで直径方
向の貫通孔30bに通し、更に縦溝30cに嵌込む操作
を繰り返すことによって、図3の複雑なステント形状の
糸10に変形させて該形状を記憶させたものである。

【0064】この図3に示すステント形状は一例にすぎ
ないものであり、要するに一本の糸を一筆書の要領で立
体的に曲成して得られるステント形状であれば、どのよ
うなものでもよい。

【0065】図5(A)は本発明の更に他の実施形態に
係る形状記憶ステントの斜視図、図5(B)は同ステン
トが元のステント形状に復元したところを示す斜視図で
ある。

【0066】この実施形態の形状記憶ステントS3 は、
図5(A)に示す小径コイル形状の乳酸系ポリマーの糸
1からなり、前記の温度(Tf)以上に再加熱すると、
外力を加えなくても該糸1が変形して、記憶した図5
(B)の大径コイル形状に復元するものである。

【0067】即ち、この形状記憶ステントS3 は、ステ
ント形状として図5(B)のような大径コイル形状に曲
成した乳酸系ポリマーの糸1を、そのガラス転移温度
(Tg)より高く結晶化温度(Tc)(結晶化温度がな
い場合は100℃)より低い温度(Tf)に加熱して、
図5(A)のような小径コイル形状に変形し、そのまま
ガラス転移温度(Tg)より低い温度に冷却して常温で
小径コイル形状を固定することにより、元の大径コイル
形状を記憶させたものである。

【0068】このようなステントS3 は、既述した図2
の製造方法において、図2(D)の型材4に代えて例え
ば小径丸棒状の芯材を使用し、図2(C)の大径コイル
形状に賦形された糸1を上記芯材に螺旋状に巻き付け
て、前記温度(Tf)に加熱して小径コイル形状の糸1
に変形させた後、冷却することによって製造することが
できる。

【0069】かかる構成の形状記憶ステントS3 も、復
元前は小径コイル形状であるからカテーテル等を用いて
血管等に容易に挿入することができ、再加熱すると数秒
という短時間で記憶した大径コイル形状に復元し、血管
等を内側から押し拡げた状態で固定されるので、挿入固
定作業が極めて簡単であり、また、生体内分解吸収性で
あるから残留異物として生体に悪影響を与える心配もな
い。

【0070】次に、本発明の更に具体的な実施例を挙げ
る。

【0071】[実施例1]D,L−ラクチドの開環重合
より得た粘度平均分子量23.2万のポリ−D,L−乳
酸(D/L=1/1、ガラス転移温度56℃)を177
℃に加熱して押出成形機の先端押出口から押出し、直径
0.8mmの丸糸を得た。そして、この糸を76℃に加
熱して3倍に一軸延伸し、室温まで冷却した。

【0072】この一軸延伸した糸を、図2(C)に示す
円柱状型材3の螺旋状の溝3aに嵌め込んでコイル状に
巻き付け、そのまま130℃で3分間加熱した後、室温
まで冷却した。すると、糸は加熱により収縮し、型材3
の溝3aに緩みなく食い込んで、コイル径が4.5m
m、コイル長が20mm、コイル巻数が7巻のコイル形
状に曲成され、冷却によりそのコイル形状が固定され
た。

【0073】次に、このコイル形状の糸を65℃に加熱
し、軟化した糸を型材3から取り外して、上記の温度を
保ったまま、図2(D)に示す型材4の真直ぐな溝4a
にコイル形状の糸1を伸ばして嵌め込み、そのまま室温
まで冷却して、本質的に直線形状のポリ−D,L−乳酸
の糸(直径0.2mm、長さ80mm)からなる形状記
憶ステントを作製した。

【0074】このステントを内径4.0mmのシリコン
チューブに挿入し、65℃の温水を流入した。すると、
ステントは数秒のうちにコイル径が4.2mmとなって
元のコイル形状に復元し、チューブを内側からわずかに
押し広げた状態で固定することができた。その形状回復
率は略100%に近いものであった。

【0075】[実施例2]実施例1で用いたポリ−D,
L−乳酸の糸に代えて、D−ラクチドとL−ラクチドを
50:50の重量比で重合して得た粘度平均分子量15
万のポリ−D,L−乳酸(ガラス転移温度52℃)の糸
を使用し、実施例1と同様にして、コイル径が4.5m
m、コイル長が20mm、コイル巻数が7巻の大径コイ
ル形状に曲成し、冷却してその大径コイル形状を固定し
た。

【0076】次に、この大径コイル形状の糸を70℃で
加熱し、軟化した糸を型材から取り外して、上記の温度
を保ったまま、直径2mmの丸棒状芯材に螺旋状に巻き
付け、そのまま室温に冷却したのち芯材を抜き取って、
コイル径が2.6mm、コイル長が約20mm、コイル
巻数が12巻の小径コイル形状の糸(直径2.6mm)
からなる形状記憶ステントを作製した。

【0077】このステントを内径4.0mmのシリコン
チューブに挿入し、70℃の温水を流入した。すると、
ステントは数秒のうちにコイル径が4.4mmとなって
元の大径コイル形状に復元し、チューブを内側から押し
広げた状態で固定することができた。その形状回復率は
略100%に近いものであった。

【0078】[実施例3]D,L−ラクチドの開環重合
で得た粘度平均分子量25万のポリ−D,L−乳酸(D
/L=1/1、ガラス転移温度:54℃)100重量部
と、血管の再狭窄防止薬トラニラスト150重量部をク
ロロホルムに溶解して、固形分が3重量%の溶液を調製
し、クロロホルムを除去したシート状のものからペレッ
トを造粒した。

【0079】そして、実施例1のポリ−D,L−乳酸の
ペレットに代えて上記のペレットを使用した以外は、実
施例1と同様にして、コイル径が4.5mm、コイル長
が20mm、コイル巻数が7巻のコイル形状を記憶した
本質的に直線形状の糸からなる薬物含有ステントを作製
した。このものは総重量が36mg、含有された薬剤の
重量が21.6mgであった。

【0080】このステントを内径4.0mmのシリコン
チューブに挿入し、60℃の温水を流入した。すると、
ステントは数秒のうちにコイル径が4.3となって元の
大径コイル形状に復元し、チューブを内側から押し広げ
た状態で固定することができた。

【0081】更に、薬剤放出速度の測定を行うために、
in vitroで次の試験を行った。

【0082】上記のステントが挿入固定されたチューブ
を、37℃に調整したpH7.4、0.2モルのリン酸
緩衝液中に浸し、ポリ−D,L−乳酸の分解とともに緩
衝液中に放出されるトラニラストの量を定期的に測定し
た。その結果、図6に示すように、12週間にわたり一
定速度で薬剤の放出が見られ、初めに封入したトラニラ
ストの68%がこの間に放出されていることが確認でき
た。

【0083】[実施例4]実施例3で作製した本質的に
直線形状のトラニラスト含有ポリ−D,L乳酸の糸から
なる形状記憶ステントをEOGガス滅菌後、バルーンを
有するカテーテルに装着して体重15kgの雑種成犬の
冠動脈狭窄部位に挿入し、この狭窄部位でバルーン内に
60℃の加熱加圧空気又は生理食塩水を流入したとこ
ろ、コイル径が元の形状に近い4mmに復元し、冠動脈
狭窄部位を内側から押し広げた状態でトラニラスト含有
ポリ−D,L−乳酸形状記憶ステントを設置することが
できた。

【0084】次いで、バルーン内の加熱加圧空気又は生
理食塩水を抜き取り、バルーンを縮小させてカテーテル
を抜き取り、その後の観察を行った。この結果、ステン
トは約12週間血管を拡張したままその形状を保持し、
かつ、トラニラストが一定濃度で放出されていることが
確認できた。そして、約6ケ月後には生体内で分解吸収
され、冠動脈狭窄部位から完全に消失していた。また、
ステント設置部位には炎症反応等は認められなかった。

【0085】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の形状記憶ステントは、復元前は本質的に直線形状又は
小径コイル形状であるからカテーテル等を用いて血管等
に容易に挿入することができ、再加熱すると数秒という
短時間のうちに記憶した所定のステント形状又は大径コ
イル形状に復元して、血管等を内側から押し拡げた状態
で固定されるため、挿入固定作業が極めて簡単で取扱性
に優れており、しかも、生体内分解吸収性であるから残
留異物として生体に悪影響を与える心配がなく、また、
MRIやCTのハレーション現象を起こすこともないと
いった顕著な効果を奏する。

【0086】そして、薬物を含有させたステントは、ポ
リマーの加水分解に伴って一定速度で薬物を徐放できる
ため、有効な治療を行うことができるといった顕著な効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図1】本発明の一実施形態に係る形状記憶ステントを
示すもので、(A)は同ステントの斜視図、(B)は同
ステントが元のステント形状に復元したところを示す斜
視図である。

【図2】同ステントの一製法例の説明図で、(A)は乳
酸系ポリマーの糸を押出しているところを示し、(B)
は同糸を一軸延伸したところを示し、(C)は一軸延伸
した糸を型材の螺旋状の溝に嵌め込んでいるところを示
し、(D)はコイル形状に曲成した糸を型材の真直ぐな
溝に嵌め込んで本質的に直線形状に伸ばしているところ
を示す。

【図3】本発明の他の実施形態に係る形状記憶ステント
が元のステント形状に復元した状態を示す斜視図であ
る。

【図4】同ステントの製造に用いる型材の斜視図であ
る。

【図5】本発明の更に他の実施形態に係る形状記憶ステ
ントを示すもので、(A)は同ステントの斜視図、
(B)は同ステントが元の大径コイル形状に復元したと
ころを示す斜視図である。

【図6】トラニラストを含有した形状記憶ステントのト
ラニラスト放出量と経過時間との関係を示すグラフであ
る。

【符号の説明】

1,10 乳酸系ポリマーの糸 2 押出成形機 3,4,30 型材 S1 ,S2 ,S3 形状記憶ステント

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D01F 6/62 305 D01F 6/62 305A

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】本質的に直線形状の乳酸系ポリマーの糸か
    らなり、所定温度以上に加熱すると、外力を加えなくて
    も上記の糸が記憶した所定のステント形状に復元するこ
    とを特徴とする生体内分解吸収性の形状記憶ステント。
  2. 【請求項2】所定のステント形状に曲成した乳酸系ポリ
    マーの糸を、そのガラス転移温度より高く結晶化温度
    (結晶化温度がない場合は100℃)より低い温度に加
    熱してほぼ直線形状に伸ばし、そのままガラス転移温度
    より低い温度に冷却して本質的に直線形状を固定した乳
    酸系ポリマーの糸からなるステントであって、上記の加
    熱温度以上に再び加熱すると、外力を加えなくても上記
    の糸が元の所定のステント形状に復元することを特徴と
    する生体内分解吸収性の形状記憶ステント。
  3. 【請求項3】小径コイル形状の乳酸系ポリマーの糸から
    なり、所定温度以上に加熱すると、外力を加えなくても
    上記の糸が記憶した大径コイル形状に復元することを特
    徴とする生体内分解吸収性の形状記憶ステント。
  4. 【請求項4】大径コイル形状に曲成した乳酸系ポリマー
    の糸を、そのガラス転移温度より高く結晶化温度(結晶
    化温度がない場合は100℃)より低い温度に加熱して
    小径コイル形状に変形し、そのままガラス転移温度より
    低い温度に冷却して小径コイル形状を固定した乳酸系ポ
    リマーの糸からなるステントであって、上記の加熱温度
    以上に再び加熱すると、外力を加えなくても上記の糸が
    元の大径コイル形状に復元することを特徴とする生体内
    分解吸収性の形状記憶ステント。
  5. 【請求項5】乳酸系ポリマーの糸に薬物が含有されてい
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか
    に記載の形状記憶ステント。
  6. 【請求項6】乳酸系ポリマーが45〜65℃の範囲内で
    ガラス転移温度を有するものであることを特徴とする請
    求項1ないし請求項5のいずれかに記載の形状記憶ステ
    ント。
  7. 【請求項7】乳酸系ポリマーがポリ−D,L−乳酸であ
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか
    に記載の形状記憶ステント。
  8. 【請求項8】ポリ−D,L−乳酸が、D−ラクチドとL
    −ラクチドの混合物を開環重合して得られた共重合体、
    DL(メソ)−ラクチドを開環重合して得られた共重合
    体、L−乳酸とD−乳酸の混合物を重合して得られた共
    重合体のいずれか単独、又はこれらの混合物であること
    を特徴とする請求項7に記載の形状記憶ステント。
  9. 【請求項9】乳酸系ポリマーが、D−ラクチド、L−ラ
    クチド、DL(メソ)−ラクチドのいずれかのラクチド
    と、グリコリドによる共重合体、カプロラクトンによる
    共重合体、ジオキサノンによる共重合体、エチレンオキ
    シドによる共重合体、プロピレンオキシドによる共重合
    体、エチレンオキシド/プロピレンオキシドによる共重
    合体のいずれか単独、又はこれらの共重合体の複数の混
    合物であることを特徴とする請求項6に記載の形状記憶
    ステント。
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