JPH11128377A - ロープにより降下する避難装置 - Google Patents

ロープにより降下する避難装置

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JPH11128377A
JPH11128377A JP30948197A JP30948197A JPH11128377A JP H11128377 A JPH11128377 A JP H11128377A JP 30948197 A JP30948197 A JP 30948197A JP 30948197 A JP30948197 A JP 30948197A JP H11128377 A JPH11128377 A JP H11128377A
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JP
Japan
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rope
drum
brake
descent
force
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JP30948197A
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English (en)
Inventor
Osamu Ito
修 伊藤
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Original Assignee
Individual
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 準備中・降下中を含め装置の取り扱いが簡単
なこと、降下までの準備時間が短いこと、降下中安全で
あること、安心できるレベルの降下速度であること。 【解決手段】 ドラム(2)にロープ(1)を所定数巻
き掛け、ドラム(2)に向かいロープ(1)を介してバ
ネ(16)の駒(16a)を押し付け、ロープ(1)か
らドラム(2)、ドラム(2)内油(10)中の増速装
置、回転羽根(11)、さらにマルチディスクブレーキ
へと力を伝える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本考案は高所から自重にてロ
ープにより降下する避難装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ビル火災等の緊急時高所から避難する場
合のロープにて安全に・手軽に利用できる降下用の避難
装置があれば便利であるが、十分に実用化されていると
はいい難い。類似技術に関するものとしては例えば、特
許申請中の特開平4−16190号公告、実開平4−5
173号公告、特開平5−106658号公開がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ロープ・ドラム間に於
いて、ロープからドラムへあるいはドラムからロープへ
力が確実に伝えられるためには、これらの間で滑りが生
じない摩擦力のあることが前提であり、この条件を満た
した上でドラムの回転数を制御または制動する事により
安全に降下することができる。装置重量と降下者重量と
の和である降下総重量は、誰もが使えるという条件を満
たさせるとき変動するものとして扱う必要があり、また
ロープ・ドラム間の接触面相互の表面性および環境の影
響を受ける摩擦係数に依存する摩擦力も、常時一定とは
いえない。しかし、降下総重量や摩擦力が変動すると、
場合によっては安全にスムースには降下できない。も
し、ロープ・ドラム間摩擦力が降下総重量よりも小さけ
れば、ロープ・ドラム間に滑りが生じ、降下の安定的な
制御が不可能となり落下してしまう。本考案は、ドラム
に対するロープの巻掛けにより得られる接触角とロープ
の初期張力を発生させるために付与すべきロープ押さえ
力との関係を実用的な値として決め使用できることを明
確にすることで、ロープ・ドラム間に生じる摩擦力を降
下総重量よりも大きく保つことができ、これによってロ
ープ・ドラム間滑りを防止しながら降下しようとするも
のである。
【0004】さらに緊急時、降下者は対応の仕方に個人
差があるという人の面から、また危険な場所・状況の下
で使用するという当該タイプの装置の性質上、安全への
配慮が欠かせない。降下速度が大き過ぎると降下者に不
安が募ることのほかに、降下中下方に異常が生じても見
過ごされる可能性があり、このために不測の事態が生じ
ないとも限らないし、着地時には衝撃によるダメージを
受ける懸念もある。降下時、降下速度が大き過ぎたり急
激に増加したとき、使われるシステムによってはまた状
況によっては、降下者に遅滞なく適切に停止の操作を要
求することは難しい場合もあり得る。このようなことか
ら、降下速度は適切なある一定の範囲内に自動調整され
るべきであり、これが増大した時には自動停止すること
が望まれ、又降下中に異変が生じたときには、降下者の
判断で簡単で迅速にできる操作によって降下の停止が可
能であれば危機回避の一助になりうる。本考案は、ブレ
ーキボタンを押すだけで降下中の停止が行えること、降
下速度の自動調整が何らかの原因により効かず降下速度
が増大した場合でも自動停止すること、ハンドレバーの
手動操作により速度を加減しながらの降下中、誤ってハ
ンドレバーから手を離した場合でも自動停止すること、
の操作性の容易さとフェールセーフを取り入れている。
【0005】緊急を要するとき、また熟練していない者
が使用するときには、準備中・降下中を含め装置の取り
扱いが簡単なこと、降下までの準備時間が短いこと、降
下中安全であること、安心できるレベルの降下速度であ
ることが望まれる。以上に沿った、高所からロープによ
り降下する避難装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】ロープ・ドラム間に滑り
が生じない条件は、図13に示すようにロープ・ドラム
間摩擦力が降下総重量よりも大きいことであるから数
1、また巻掛伝導と摩擦の一般公式からそれぞれ数2と
なる。
【0007】
【数1】
【0008】
【数2】
【0009】外1をそれぞれ外2とする最悪条件の下で
数3(式1)が導かれる。
【0010】
【外1】
【0011】
【外2】
【0012】
【数3】
【0013】以上の式に使用される記号説明は、以下の
通りである。 F(N):バネ(16)の駒(16a)又はバネ(1
7)によるロープ(1)押しつけ力、 外3(N):Fにより生じる初期張力でありドラム
(2)又は(15)に巻掛けられたロープ(1)の最小
張力、 外4(N):外3により生じ、ドラム(2)又は(1
4)に巻掛けられたロープ(1)の最大張力、 α(rad):ドラム(2)又は(14、15)へのロ
ープ(1)総接触角、 外5:ロープ(1)・ドラム(2)又は(14、15)
間摩擦係数、 外6:ロープ(1)・バネ(16)の駒(16a)又は
バネ(17)間摩擦係数、 外7:外5又は外6の内、いずれか摩擦係数の大きい
方、 外8(N):降下者重量、 外9(N):本考案の装置重量。
【0014】
【外3】
【0015】
【外4】
【0016】
【外5】
【0017】
【外6】
【0018】
【外7】
【0019】
【外8】
【0020】
【外9】
【0021】なお、下付き文字のminは最小値、ma
xは最大値である。図14に示すように、外10のとき
外11を越えると滑りが生じない。
【0022】
【外10】
【0023】
【外11】
【0024】条件が悪い場合での計算例として、数4の
とき数5とすると数6となる。
【0025】
【数4】
【0026】
【数5】
【0027】
【数6】
【0028】故に、降下総重量と摩擦係数に依存するF
の値は、αをあるレベルまで増すことで実用可能な程度
に小さく収めることができる。次に、2個使いのドラム
(14)と(15)との間に引き続いてロープが巻き掛
けられる場合の、ロープ(1)・ドラム(14)及び
(15)への摩擦力の分担を求める。図15に示すよう
に、ロープ(1)からドラム(14)と(15)への摩
擦力はそれぞれ数7になる。
【0029】
【数7】
【0030】ロープ(1)のそれぞれのドラム(14)
及び(15)への接触角が同一の時、数8が成立し、数
9が導かれる。
【0031】
【数8】
【0032】
【数9】
【0033】ここで外12はロープ(1)のドラム(1
4)・(15)間張力である。
【0034】
【外12】
【0035】αを大きくとると数10となり、摩擦力の
大部分はロープ(1)とドラム(14)との間で占有さ
れることになる。
【0036】
【数10】
【0037】通常状態での場合の計算例として、数11
のとき数12とすると数13となる。
【0038】
【数11】
【0039】
【数12】
【0040】
【数13】
【0041】以上に基づき、本考案でも実施例2に於い
て、ドラム(14)、(15)での降下速度の制御・制
動はドラム(14)のみに適用する。
【0042】次に実施例1、2共通の制動作用について
以下に説明する。降下中必要に応じブレーキボタン
(3)を押すと、トリガレバー(4)の爪部(4a)が
ハンドレバー(5)からはずれる。それにより、ネジリ
コイルバネ(6)の力でハンドレバー(5)がブレーキ
幹(7)の斜目の溝部(7a)をガイドに回転する。そ
うすると、ブレーキ幹(7)が図1に於いて左方向へ押
し込まれて軸方向に移動するので、複数のディスク
(8)・プレート(9)間の相互の押し合いにより摩擦
力が増大しマルチディスクブレーキが効き降下が停止す
る。このとき、ハンドレバー(5)の握り部(5b)は
図2に於いてC位置からD位置へと回転移動する。
【0043】降下を再開させる場合、ハンドレバー
(5)の握り部(5b)を降下者側に引くとマルチディ
スクブレーキの効きがその引き量に応じて加減できるの
で、速度を調整しながらの降下が可能である。また、こ
の握り部(5b)を一杯に引き切りトリガレバー(4)
の爪部(4a)にハンドレバー(5)の受け部が掛かる
と、ネジリコイルバネ(6)の関与することでのマルチ
ディスクブレーキの効きのレベルが大幅に減少して、速
度の自動調整機構を使った降下が可能となる。このと
き、ハンドレバー(5)の握り部(5b)はD位置から
C位置に戻る。この握り部(5b)の操作途中で万が一
手を離しても、ネジリコイルバネ(6)に予め力が掛か
っているので自動的にD位置に戻り、降下は停止する。
【0044】実施例1に於ける降下速度の自動制御につ
いて以下に説明する。増速機構及び回転羽根(11)は
ドラム(2)を油槽とする内部に収められている。ロー
プ(1)からドラム(2)、増速機構、回転羽根(1
1)へと順次回転が伝えられる。その結果、回転羽根
(11)の後(B部)側から前(A部)側に油(10)
が送られA部圧力>B部圧力という双方に生じる圧力の
差を推力として受けるので、この力を受けて回転羽根
(11)さらにこれに押されてブレーキハウジング(1
2)が圧縮コイルバネ(18)の力に抗してA部側から
B部側へと移動する。
【0045】この移動によって複数のディスク(8)・
プレート(9)が相互に押し合いマルチディスクブレー
キとして作用する。そうすると、回転羽根(11)の回
転数が減少し、A・B間圧力差が小さくなるので圧縮コ
イルバネ(18)の力により回転羽根(11)がB部側
からA部側へと戻され制動作用が減少し、回転羽根(1
1)は再度回転を増加させる、以上の繰り返しとなる。
【0046】図6に油(10)中で回転羽根(11)の
推力即ちマルチディスクブレーキに作用する力とブレー
キハウジング(12)の移動量及び圧縮コイルバネ(1
8)との関係を示す。ここでの各記号説明は以下の通り
である。 外13:使用前のブレーキハウジング(12)即ちディ
スク(8)、プレート(9)が圧縮コイルバネ(18)
から受ける力、 外14:ディスク(8)・プレート(9)間摩擦力と回
転数がバランスして一定速度で降下するときの回転羽根
(11)の推力、 外15:トリガレバー(4)を押し込みハンドレバー
(5)への係止を解除するときの回転羽根(11)の推
力、 外16:力が外14となるまでのブレーキハウジング
(12)の移動量、 外17:力が外15となるまでのブレーキハウジング
(12)の移動量。
【0047】
【外13】
【0048】
【外14】
【0049】
【外15】
【0050】
【外16】
【0051】
【外17】
【0052】降下中、ディスク(8)・プレート(9)
間摩擦力と回転数がバランスしブレーキハウジング(1
2)は★印位置近傍で安定するので、降下速度は自動的
にある範囲内に収まり、降下総重量やディスク(8)・
プレート(9)間の摩擦力即ち摩擦係数がある範囲内で
あれば適正速度で降下する、つまり増速機構と回転羽根
(11)及びマルチディスクブレーキによって自動調速
が実現されている。降下総重量の大小やディスク(8)
・プレート(9)間の摩擦力の変化に応じて外14が変
動し、力を釣り合わせている。降下総重量が大きいほ
ど、ディスク(8)・プレート(9)間の摩擦力が小さ
いほど★印位置がより右にシフトする。状況がより悪化
すると、最終的にはブレーキハウジング(12)がトリ
ガレバー(4)を押して、この爪部(4a)からハンド
レバー(5)への係止を解除するので、既述同様マルチ
ディスクブレーキが効き降下が停止する(図6の×印位
置)。
【0053】実施例1の使用方法について以下に説明す
る。本考案の装置には予めロープ(1)が装着され、有
事即応状態にて保管されている。ロープ交換の必要が生
じた場合やロープが装着されていない場合には、以下の
手順で準備して降下する。 固定金具(19)の係止レバー(20)を押し込んで
ドラム(2)等から構成される装置本体をフレーム(2
1)からはずす、 ドラム(2)にロープ(1)を巻く、 駒(16a)が上記のロープ(1)に押しつけ力を
与え、固定金具(19)で係止されるようにバネ(1
6)をセットする、 装置本体をフレーム(21)に差込み係止レバー(2
0)にて固定する、 ロープ(1)をロープガイド(22)のスリット部
(22a)に差込み溝に沿わせる。 装置の上方に引き出されるロープ(1)を付近の固定物
に縛り付け、他端を下方に落下させ、保護衣(23)を
体に装着の上、フレーム(21)の両端を握り降下す
る。
【0054】降下中、ブレーキボタン(3)を押すと降
下は停止する。降下速度が過大になると、降下は自動停
止する。停止後再降下する場合、ハンドレバー(5)の
握り部(5b)の引き量を加減すると速度の手動調整に
よる降下ができる、あるいはこの握り部(5b)を係止
の効くまで一杯に引き切ると自動降下する(ブレーキ解
除)。操作中、誤って手を離してもハンドレバー(5)
は戻るので、降下は自動的に停止する。降下が終了した
ら、ブレーキボタン(3)を押すとドラム(2)の回転
がロックされるので、次の降下者がロープ(1)を手繰
り上げての再使用も可能である。
【0055】実施例2に於ける降下速度の自動制御につ
いて以下に説明する。回転数が上昇して遠心力により引
張コイルバネ(24)の力に抗してシュー(25)がド
ラム(14)内周の面に押し付けられると制動が掛かり
ドラム(14、15)回転数が小さくなり降下速度が減
少する。そうなると、遠心力が小さくなりシュー(2
5)がドラム(14)内周の面に及ぼす力が小さくなる
のでドラム(14、15)回転数が再び増加に転じる、
以上の繰り返しとなる。
【0056】図12に、シュー(25)のドラム(1
4)押し付け力とシュー(25)移動量及び引張コイル
バネ(24)との関係を示す。ここでの各記号説明は以
下の通りである。 外18:使用前のシュー(25)が引張コイルバネ(2
4)によりブレーキ本体(26)に押し付けられる力、 外19:シュー(25)がドラム(14)内周面に達す
るに要する力、 外20:シュー(25)の遠心力によるドラム(14)
との摩擦力と回転数がバランスするときのシュー(2
5)のドラム(14)内周面押しつけ力、 外21:シュー(25)がドラム(14)内周面に達す
るまでの距離。
【0057】
【外18】
【0058】
【外19】
【0059】
【外20】
【0060】
【外21】
【0061】降下中、シュー(25)の遠心力によるド
ラム(14)との摩擦力と回転数がバランスしシュー
(25)のドラム(14)内周面押しつけ力は★印位置
近傍で安定するので、降下速度は自動的にある範囲内に
収まる。また★印位置は降下総重量やシュー(25)・
ドラム(14)間摩擦力の変動により制動力が釣り合う
ようにその都度上下にシフトする。
【0062】実施例2の使用方法について以下に説明す
る。降下者は、アームホルダ(27)に両腕を通し肩に
掛け装置を体に固定する。バネ(17)をハウジング
(28)のストッパ部(28e)からはずす。上端が固
定され鉛直に垂れ下がったロープ(1)をハウジング
(28)上部のガイド部(28a)に沿わせ、前面のロ
ープ挿入口(28b)からロープ(1)を挿入する。
【0063】ハウジング(28)横のホルダ部(28
c)からハンドル(29)を引き出し図8からみて時計
回りに回転させると、ロープホルダ(13)が回転し、
これに差し込まれたロープ(1)がロープホルダ(1
3)のガイドとなる溝に沿いながらそれぞれ分岐してド
ラム(14)、(15)へと送られ巻き掛けられる。
【0064】ロープホルダ(13)の回転により、ドラ
ム(14)側ではロープ(1)の輪を作り、これをロー
プホルダ(13)からドラム(14)に向かって押し出
すようにドラム(14)に巻き掛けられ、又ドラム(1
5)側ではロープホルダ(13)・ドラム(15)間で
ロープ(1)の輪を増加させていく。
【0065】所定数ロープ(1)をドラム(14、1
5)に巻き掛けてロープ装着を終了させ、バネ(17)
をロープ(1)に押し付けてその端部をハウジング(2
8)のストッパ部(28e)に掛け初期張力を設定し、
ハンドル(29)を押し戻すと降下準備が完了するの
で、ハウジング(28)の握り部(28d)をつかんで
降下する。
【0066】降下中の機能及び操作については、降下速
度の過大による自動停止機能のない他は実施例1と同一
である。
【0067】
【発明の実施の形態】
【実施例1】ドラム(2)は外周にロープ(1)が巻き
掛けられ、内周の内歯車部(2a)から増速機構である
遊星歯車装置につながっており、この最終段の太陽歯車
(30)は軸受け(31)を介して軸(32)に回り対
偶で支持され、軸受け(31)で軸方向に拘束されてい
る。ドラム(2)の内部は油(10)が満たされ、油密
のシール(33)、(34)がそれぞれ回転羽根(1
1)、太陽歯車(30)との間に設けられている。ドラ
ム(2)は軸受け(35)、(36)によって遊星歯車
装置及びハウジング(37)にそれぞれ支持され、回り
対偶である。
【0068】回転羽根(11)は、円筒の外周にスクリ
ュータイプの羽根が固着されたもので、その円筒の内周
は太陽歯車(30)の外周に面接触しており、かつ回転
拘束するよう相互にスプライン状に形成され軸方向には
滑り対偶である。回転羽根(11)は、その円筒の端部
にブレーキハウジング(12)と相互に凹凸形状にて差
し込まれ係止されるので回転拘束されている。
【0069】ブレーキハウジング(12)は、その内周
にはディスク(8)及びバネ保持板(38)それぞれの
外周を回転拘束するようにスプライン状に形成されてい
る。ブレーキハウジング(12)は、一端は軸受け(3
6)を介してドラム(2)に、他端は軸受け(31)を
介して軸(32)によってそれぞれ支持され滑り及び回
り対偶であり、また太陽歯車(30)との間に油密のシ
ール(39)が設けられている。
【0070】ブレーキハウジング(12)と圧縮コイル
バネ(18)との間にはディスク(8)、プレート
(9)が交互に配置されさらにバネ保持板(38)が設
けられ、これらでマルチディスクブレーキを構成する。
【0071】ブレーキ幹(7)は、その一端の外周には
軸方向に対し斜目に切られた溝部(7a)を持ち、他端
の外周にはプレート(9)の内周を回転拘束するスプラ
イン状に形成されており、軸(32)との間でキー(4
0)によって回転拘束され滑り対偶で支持されている。
【0072】トリガレバー(4)は、その一端をハウジ
ング(37)に固定されたピン(41)を支点に揺動
し、他端はハウジング(37)に一端が掛けられた引張
コイルバネ(42)の他端を掛けられこれによる引張力
を受けており、このバネ力によって中間部ではハンドレ
バー(5)の外周部を半径方向に押している。トリガレ
バー(4)は、ピン(41)と引張コイルバネ(42)
との間に、ブレーキハウジング(12)あるいはブレー
キボタン(3)からの押し込みに対する受け部(4b)
及びハンドレバー(5)の外周部に掛けられる爪部(4
a)を持つ。
【0073】ハンドレバー(5)は、円盤状で、操作部
として外側に突きだした握り部(5b)、内周にはブレ
ーキ幹(7)の溝部(7a)に差し込まれる舌部(5
a)を持ち、一端がハウジング(37)に掛けられたネ
ジリコイルバネ(6)の他端を掛けており、ブレーキ幹
(7)の外周にて回り対偶で支持されている。
【0074】ハウジング(37)はハンドレバー(5)
を軸方向に拘束し回り対偶で支持し、又ブレーキボタン
(3)及びその復帰バネ(43)を保持している。
【0075】バネ(16)は棒状で、一端はハウジング
(37)に固着されているピン(44)に対し回り対偶
であり、他端は固定金具(19)に差し込まれ係止され
ている。バネ(16)に固着されている駒(16a)は
ロープ(1)を間に挟んでドラム(2)に向かい押し付
けている。
【0076】固定金具(19)は装置の両側に配置さ
れ、フレーム(21)が差し込まれた時にこの抜け止め
となる係止レバー(20)及び係止レバー力保持の圧縮
コイルバネ(45)から構成され、軸(32)に差し込
まれ、ハウジング(37)と同様に軸方向・回転方向共
に拘束され、軸(32)両端からナット(46)にて固
定されている。
【0077】フレーム(21)は、ロープガイド(2
2)及び保護衣(23)を固定している。
【0078】
【実施例2】軸(47)は、その両端をハウジング(2
8)で軸方向に拘束され回り対偶で支持されている。軸
(47)は、増速機構、遠心力ブレーキ、ブレーキ幹
(48)を同軸上で軸受け(49)を介して回り対偶で
支持している。軸(47)の一端では、レバー(50)
が固着され、レバー(50)の先端にはハンドル(2
9)が滑り対偶及び回り対偶にて支持されている。軸
(47)には、軸受け(49)とレバー(50)との間
でロープホルダ(13)が固着されている。
【0079】ロープホルダ(13)にはその半径方向に
ロープ差込の溝部(13a)が設けられ1/2回転でド
ラム(14)、(15)の外周面にロープ(1)がそれ
ぞれ導かれるようにロープ案内の溝部が螺旋形に一体成
形されている。
【0080】ドラム(14)、(15)の、一端はロー
プホルダ(13)に軸受け(51)、(52)で、他端
はハウジング(28)に軸受け(53)、(54)で回
り対偶でそれぞれ支持され、またドラム(14)は平歯
車(55)を介して遊星歯車装置である増速機構につな
がっている。
【0081】バネ(17)は棒状で、ハウジング(2
8)のスリット部(28f)に差し込まれ、一端はハウ
ジング(28)に固定されたピン(56)にて回り対偶
になっており、他端はハウジング(28)のストッパ部
(28e)に掛けられており、この状態でドラム(1
5)に向かいロープ(1)を押しつけている。
【0082】遠心力ブレーキは引張コイルバネ(24)
及びピン(57)がブレーキ本体(26)とシュー(2
5)とをつないでいる。またブレーキ本体(26)は、
増速機構の最終段の出力を受ける太陽歯車と一体になっ
ている。
【0083】マルチディスクブレーキについては、ディ
スク(58)、プレート(59)、バネ保持板(60)
はそれぞれ実施例1に於けるディスク(8)、プレート
(9)、バネ保持板(38)と同一機能を持ち又形状も
ほぼ同一である。ブレーキ幹(48)は実施例1に於け
るブレーキ幹(7)と同一機能を持ち又形状もほぼ同一
であり、ハウジング(28)との間でキー(61)によ
って滑り対偶で支持されている。トリガレバー(62)
は、実施例1に於けるトリガレバー(4)と機能、形状
共ほぼ同一であるが、ブレーキ解除用の受け部はブレー
キボタン(3)側のみである。圧縮コイルバネ(63)
はガタ防止である。
【0084】
【発明の効果】
1.ドラムに対するロープの接触角とロープに与える張
力との間に降下総重量を越えるロープ・ドラム間摩擦力
を大きくとるという規定された関係を保証することによ
り、滑り落下の懸念がない。 2.降下者が任意にブレーキボタンを押すことで降下が
停止し、またあるレベルを超える降下速度に達すると自
動的に停止する。 停止後は以下のいずれかの方法で再降下できる、 a.ハンドレバーを引き切ると自動調速により降下す
る、 b.ハンドレバーの引き量を加減することで、速度を調
整しながら降下できる。 いずれの場合も、ハンドレバーから操作途中に手を離す
と降下が停止する。以上から、いかなる状況の下でも停
止優先の方式なので操作ミスによる深刻な事態を生じ
ず、フェイルセーフである。 3.鉛直に垂れ下がったロープを任意の位置から取り込
んで装着できるのでロープ端部から掛け始めるようなや
っかいな操作が不要であり、楽である。 4.取り扱いが簡単で、短時間で装着でき、原則として
降下中の操作が不要なので、使う人を選ばない。 5.降下が終了し装置から体を抜いた後、ブレーキボタ
ンを押すとドラムが固定されるので、次の降下者がロー
プを手繰りあげての再使用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例1のロープ装着完了の部分断面
の正面図である。
【図2】本考案の実施例1の降下速度の制御・制動部の
部分断面図である。
【図3】本考案の実施例1の使用状態の外観図である。
【図4】本考案の実施例1の降下者が装着する直前の外
観図である。
【図5】本考案の実施例1のシステム及び機能説明図で
ある。
【図6】本考案の実施例1の降下速度の説明図である。
【図7】本考案の実施例2のロープ装着完了の部分断面
の正面図である。
【図8】本考案の実施例2のロープ挿入時の部分断面の
側面図である。
【図9】本考案の実施例2の降下速度の制御・制動部の
断面図である。
【図10】本考案の実施例2のバネによるロープ押さえ
部の断面図である。
【図11】本考案の実施例2のシステム及び機能説明図
である。
【図12】本考案の実施例2の降下速度の説明図であ
る。
【図13】ロープ・ドラム間滑り条件の説明図である。
【図14】ロープ・ドラム間滑り条件の説明図である。
【図15】2個使いのドラムの摩擦力分担の説明図であ
る。
【符号の説明】
1 ロープ 2 ドラム 3 ブレーキボタン 4 トリガレバー 5 ハンドレバー 6 ネジリコイルバネ 7 ブレーキ幹 8 ディスク 9 プレート 10 油 11 回転羽根 12 ブレーキハウジング 13 ロープホルダ 14、15 ドラム 16、17 バネ 18 圧縮コイルバネ 28 ハウジング 30 太陽歯車 32 軸 37 ハウジング 47 軸 (19)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1)ロープ(1)・ドラム(2)間摩擦
    力が降下総重量よりも大きな値になるまでドラム(2)
    に対してロープ(1)の接触角及びこれに対応した初期
    張力を生じさせる押さえ力をロープ(1)に与える構造
    を持ち、 2)ブレーキボタン(3)を押し、トリガーレバー
    (4)を揺動させることでトリガレバー(4)のハンド
    レバー(5)に対する係止を解除すると、ネジリコイル
    バネ(6)に予め与えられた力によりハンドレバー
    (5)が回転し、ブレーキ幹(7)の軸方向に対し斜め
    に設けた溝部(7a)に差し込まれたハンドレバー
    (5)の舌部(5a)の回転方向動きに追随してブレー
    キ幹(7)がその軸方向に押され、ディスク(8)・プ
    レート(9)間に摩擦力が生じマルチディスクブレーキ
    が作用するブレーキシステムを持ち、 3)ロープ(1)の巻き掛けられたドラム(2)内の油
    (10)中に於いて、ドラム(2)から増速機構、回転
    羽根(11)に力を伝え、回転羽根(11)を回転させ
    る際に生じる圧力差を軸方向推力に換えブレーキハウジ
    ング(12)を押し込むことでディスク(8)・プレー
    ト(9)間に生じる制動力でドラム(2)回転数を制御
    し、 4)ドラム(2)の過大回転数を受けブレーキハウジン
    グ(12)の移動によりトリガレバー(4)を蹴りこれ
    を揺動させ、ハンドレバー(5)の係止を解除すること
    で上記2)項のマルチディスクブレーキが作用する、以
    上から構成されるロープにより降下する避難装置。
  2. 【請求項2】 1)ロープホルダ(13)に差し込まれ
    たロープ(1)をロープホルダ(13)を両側から挟む
    ドラム(14,15)の外周面にそれぞれ分岐し巻き掛
    け、これらのドラム(14,15)がロープホルダ(1
    3)に対し自由に回転できる構造を持ち、 2)ドラム(14)から増速機構、遠心力ブレーキに力
    を伝え、よりテンションの強いロープ(1)が巻き掛け
    られた側のドラム(14)の回転数のみを制御・制動
    し、さらに、これらドラム(14、15)の双方に巻き
    掛けたロープ(1)がロープ(1)・ドラム(2)間摩
    擦力を降下総重量よりも大きな値となるように接触角及
    び初期張力を生じさせる押さえ力をロープ装着完了後に
    ロープ(1)に与える構造を持ち、請求項1の2)項と
    同じブレーキシステムを持つ、以上から構成されるロー
    プにより降下する避難装置。
JP30948197A 1997-10-27 1997-10-27 ロープにより降下する避難装置 Pending JPH11128377A (ja)

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