JPH11123070A - 食品保存剤 - Google Patents

食品保存剤

Info

Publication number
JPH11123070A
JPH11123070A JP9309421A JP30942197A JPH11123070A JP H11123070 A JPH11123070 A JP H11123070A JP 9309421 A JP9309421 A JP 9309421A JP 30942197 A JP30942197 A JP 30942197A JP H11123070 A JPH11123070 A JP H11123070A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
food
sodium acetate
salt
organic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9309421A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideaki Fukushi
英明 福士
Jun Hiraki
純 平木
Reiko Kato
礼子 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chisso Corp filed Critical Chisso Corp
Priority to JP9309421A priority Critical patent/JPH11123070A/ja
Publication of JPH11123070A publication Critical patent/JPH11123070A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/90Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in food processing or handling, e.g. food conservation

Landscapes

  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • Cereal-Derived Products (AREA)
  • Seeds, Soups, And Other Foods (AREA)
  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】各種惣菜をはじめとする幅広い食品に使用で
き、かつ食品風味への影響のない新規な食品保存剤を提
供すること。 【解決手段】ε−ポリリジンもしくはその塩、酢酸ナト
リウム、特定の有機酸を構成成分とし、これらを特定の
組成比にて混合することにより、相乗的に各成分の抗菌
効果を高め、かつ食品風味への影響が極めて小さい食品
保存剤とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は食品保存剤に関す
る。さらに詳しくはε−ポリリジンもしくはその塩(以
下、これらを総称してεPL(塩)という)、酢酸ナト
リウムおよび特定の有機酸を構成成分として静菌効果を
相乗的に高めることにより各種の食品に対して有効かつ
その風味への影響を極めて少なく抑えた食品保存剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】現在、食品業界においては種々の食品に
おいてその賞味保証期限の延長に対する要望が高まって
いる。また、その一方で食品本来の風味をできうる限り
損なわない製品の製造法が望まれている。
【0003】食品の賞味期限即ち品質を左右する要因に
は微生物的腐敗の進行と油脂類の酸化のような化学的劣
化があるが、微生物的腐敗はその進行速度が早く、賞味
期限を考える上で最も重要な要因である。従って、食品
の賞味期限を延長するためには食品中での腐敗微生物の
除去もしくは増殖の抑制が必要となる。
【0004】かかる腐敗微生物の除去もしくは増殖の抑
制の方法としては種々のものがあるが、大別すると2種
類に分類される。その1つは食品材料もしくは調理加工
後の食品の殺菌、除菌とともに製造工程のサニテーショ
ンを実施し、さらに製造物を無菌的に包装することによ
り完成商品を無菌状態とするものである。今1つは、完
成商品中の微生物の完全殺菌もしくは除菌は行わないが
その増殖速度を遅延させるものである。前者の例として
は過酸化水素や次亜塩素酸ナトリウムなどいわゆる殺菌
剤による食品材料の殺菌、製造ラインのアルコール等に
よる清浄や調理食品の高温、高圧処理によるレトルト殺
菌などを挙げることができ、後者の例としては、いわゆ
る食品保存剤、日持ち向上剤の使用がこれにあたる。
【0005】しかしながら、前者の方法については食品
の完全な殺菌、除菌と包装後の汚染を完全に防止するこ
とは実際には非常に難しい。
【0006】過酸化水素や次亜塩素酸ナトリウムによる
殺菌については、最終食品の完成前にこれら殺菌剤を分
解もしくは除去しなければならないといった制約があ
る。また、レトルト殺菌について言えば、殺菌のために
は食品に対して高温、高圧力で数分間〜数十分間以上処
理する必要がある。これは、耐熱性の芽胞を完全に殺菌
するための条件であるがこのような過激な条件は食品の
風味に対して少なからず影響を与えることとなる。さら
には、高温、高圧処理のためには大規模の設備と多大な
費用が必要とされる。このため、レトルト殺菌装置の使
用は大手の食品メーカーでは可能であっても中小のメー
カーでの使用は難しい。
【0007】一方、保存剤使用による食品の賞味期限延
長法は現在、広く利用されてはいるが、その問題点とし
て食品および汚染微生物の種類、保存条件により普遍的
に効果のある保存剤が存在しないことが挙げられる。す
なわち、ある種の食品、微生物に対しては有効な保存剤
が他の食品、微生物に対しては効果が著しく低いかもし
くは全く効果を示さなかったり、保存剤によってはある
条件の下では有効な保存効果を示しながら、他の条件で
はその効果が認められないといったことが往々にして認
められる。例えば、溶菌酵素であるリゾチームはグラム
陽性細菌、特に好気性胞子形成菌に対して有効である反
面、グラム陰性菌に対してはその効果は低い。また、同
じ属の細菌であってもその種によりその有効濃度が著し
く異なることがある。化学的合成品である安息香酸、安
息香酸ナトリウム、ソルビン酸もしくはソルビン酸カリ
ウムは各種の微生物に対して殺菌作用や発育阻止作用を
有するがこれらは酸型保存料と呼ばれるもので対象とな
る食品のpHが酸性である場合には優れた静菌効果を示
すが、pHが中性付近であるような食品ではその効果は
極めて弱い。また、天然保存料である白子タンパクにつ
いて言えば、このものは魚類、一般に鮭の成熟精子から
得られる塩基性タンパク質であるがその静菌効果は酸性
域よりも中性から弱アルカリ領域で高い。
【0008】上述したように、酸型保存料とされる保存
剤ではその効果を発揮するためには食品自身のpHを酸
性域に制御する必要があるし、逆にアルカリ域で効果の
高い保存料を用いるには食品のpHをアルカリ域に制御
する必要がある。しかしながら、食品のpHはその食品
本来の風味に対して大きく影響し、その変動は食品の風
味を著しく損なうこととなる場合がある。
【0009】天然保存料の1種であるεPL(塩)は放
線菌の生産する天然のポリペプチドであり、その幅広い
抗菌スペクトルと静菌効果の高さ、広いpH領域での安
定した静菌効果、熱安定性、水溶性、安全性、食品風味
への影響の少なさといった食品保存料としての優れた性
質を有している。このため、該εPL(塩)は現在、各
種の食品において保存料成分として用いられている。し
かしながら、該εPL(塩)は食品保存料としては高価
であり、これを単独で食品保存料として用いることは実
用上困難である。
【0010】一方、該εPL(塩)は各種の有機酸やグ
リシン等の静菌効果を有するアミノ酸との併用により相
乗的に食品保存効果が高まることが知られている(特開
昭63−109762号公報)。
【0011】一般に各種の有機酸やその塩例えば酢酸ナ
トリウムやグリシン等のアミノ酸は酸味料やpH調整
剤、調味成分としての効果のほか、いわゆる日持ち向上
剤としての効果が認められている。
【0012】しかしながら、例えば、酢酸ナトリウムや
グリシンを単独で食品保存料として用いる場合には通
常、対食品重量あたり1〜2重量%以上の添加が必要と
なり、このような添加量では食品の風味が著しく損なわ
れてしまう。即ち、酢酸ナトリウムにあっては食品の酸
味が強くなってしまうし、グリシンにあっては独特の甘
みを食品に与えてしまう。そのため実用的にはこれらの
物質を副剤として他の有効な保存料成分と併用すること
が一般的である。このため、これまでにεPL(塩)と
有機酸やグリシンを成分として含む各種の食品保存料製
剤すなわち食品保存剤が開発され、それなりの効果が確
認されている。しかしながら、従来、開発された食品保
存剤においては該εPL(塩)と有機酸組成のバランス
が食品風味に与える影響および保存効果に関する検討が
不十分であり、安価な製剤とするために闇雲に高価なε
PL(塩)含量を減じ、安価な酢酸ナトリウムもしくは
有機酸成分の含量を高めたものとなりがちであった。こ
れらの製剤ではεPL(塩)使用の利点であった食品風
味への影響が小さいといった特徴が損なわれたり、ある
場合にはその保存効果自身の低下といった問題すら生じ
ていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】このような現状に鑑み
本発明者らはεPL(塩)を含有する食品保存剤であっ
て、幅広い食品に対して有効であり、かつ安全性が高
く、食品風味への影響の極力少ない保存剤について鋭意
研究を重ねた。その結果、εPL(塩)と酢酸ナトリウ
ムおよび特定の有機酸の各成分をある特定の組成比で組
み合わせることにより、それぞれの効果を最大限に引き
出すとともに各種食品の風味への影響が極めて小さい新
規な組成の食品保存剤が得られることを見い出し、この
知見に基づき、本発明を完成した。以上の記述から明ら
かなように、本発明の目的はεPL(塩)、副剤たる酢
酸ナトリウムおよび有機酸類が食品中で最も効果的かつ
相乗的に静菌効果を発揮するとともに全体として食品風
味への影響が極めて小さい優れた食品保存剤を提供する
ことを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
(1)εPL(塩)、酢酸ナトリウムおよびアジピン
酸、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、マロン酸、グルコ
ン酸、マレイン酸および乳酸のなかから選ばれる1種以
上の有機酸を構成成分として含む食品保存剤であって、
該酢酸ナトリウムと該有機酸との配合割合が、該εPL
(塩)1重量部に対して、酢酸ナトリウムと有機酸との
総量で5〜55重量部の割合であり、かつ該酢酸ナトリ
ウムの該有機酸に対する重量比(酢酸ナトリウム/有機
酸)が1.5〜3であることを特徴とする食品保存剤。
【0015】以下に本発明について詳細に説明する。本
発明における保存剤の成分はεPL(塩)、酢酸ナトリ
ウムおよびアジピン酸、クエン酸、リンゴ酸、フマル
酸、マロン酸、グルコン酸、マレイン酸および乳酸のな
かから選ばれる1種以上の遊離有機酸よりなる。本発明
で使用するεPL(塩)は、天然系食品保存料であるε
PL(塩)であれば特に制限はなく、例えば特公平3−
42075号公報(ポリリジンの製造法)に記載の製造
法によって得ることができる。すなわち、ストレプトマ
イセス属に属するε−ポリリジン生産菌であるストレプ
トマイセス・サブスピーシーズ・リジノポリメラスを好
気的に培養し、その培養液からεPL(塩)を分離、精
製することによって得ることができる。また、該εPL
(塩)は市販品を使用することもでき、該市販品法とし
ては例えばチッソ(株)製のポリリジン50重量%粉末
(ポリリジン50重量%と食品素材50重量%とからな
る)を挙げることができる。また、本発明にあっては、
ε−ポリリジンは遊離の形で用いられるほか、有機酸の
塩の形でも用いることができ、該有機酸の塩としては、
酢酸塩、アジピン酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、フマ
ル酸塩、マロン酸塩、グルコン酸塩、マレイン酸塩もし
くは乳酸塩等を挙げることができる。
【0016】酢酸ナトリウムおよび有機酸については一
般に入手できる食品添加物規格に適合するものであれば
特に制限はなく、好適に使用できる。光学異性体の存在
するものについては光学異性体を用いてもよいし、ラセ
ミ体の形で用いてもかまわない。
【0017】次に各成分の組成比としてはεPL(塩)
1重量部に対する酢酸ナトリウムおよび有機酸の総量が
35〜55重量部、好ましくは40〜50重量部であ
り、かつ酢酸ナトリウムの有機酸に対する重量比(酢酸
ナトリウム/有機酸)は1.5〜3、好ましくは1.7
〜2.5である。また、食品への使用量は各種の食品に
ついて対食品総重量当たり、本発明の食品保存剤を0.
2〜1重量%の範囲で添加することが好ましい。さら
に、本発明においてはεPL(塩)と酢酸ナトリウム、
有機酸の組成比が本発明で示す範囲内である限りにおい
て調味の目的を持ってグリシンなどのアミノ酸を併用す
ることもできる。
【0018】εPL(塩)1重量部に対する酢酸ナトリ
ウムおよび有機酸の総量が35重量部未満の場合、得ら
れる保存剤の示す保存効果は各成分単独の効果の和もし
くはそれ以下となる。一方、εPL(塩)1重量部に対
する酢酸ナトリウムおよび有機酸の総量が55重量部を
越える場合には高い保存効果を示すがこれは酢酸ナトリ
ウムおよび有機酸に起因する効果であるため、酸による
食品風味への酸味付与が大きくなりすぎてしまい、本来
の食品の味を著しく損なうとともに、εPL(塩)が有
効な効果を示さず、結局のところεPL(塩)を含まな
い酢酸ナトリウムと有機酸のみを使用した保存剤に等し
いものとなってしまう。
【0019】また、酢酸ナトリウムの有機酸に対する比
率についてはこれが1.5未満の領域では非解離の酢酸
分子の増大により保存効果は高まるが酢酸および有機酸
による食品の酸味増大が著しくなる。逆に3を越える領
域では非解離型の酢酸分子の生成が少なく、保存効果は
望めない。
【0020】
【実施例】次に本発明を実施例により具体的に説明す
る。ただし、これらによって本発明は限定されるもので
はない。
【0021】実施例1〜4、比較例1〜6 (ハンバーグへの応用1)チッソ(株)製のε−ポリリ
ジン50重量%粉末、米山化学社製の無水酢酸ナトリウ
ム、遊離有機酸として扶桑化学社製のD,L−リンゴ酸と
フマル酸を2:1の比で均一混合したものおよびデキス
トリンを用いて表1に示した組成の各種製剤を調製し
た。
【0022】
【表1】
【0023】次に、実施例として製剤A,B,C、E、
Fを、比較例として製剤D,G,H,I,J、Kを材料
全体に対して0.5重量%添加して作製したハンバーグ
および製剤無添加のハンバーグの30℃での保存試験な
らびに官能試験を行った。ハンバーグは合い挽き肉80
0g、炒めたタマネギ380g、卵50g、パン粉40
g、牛乳120mL、塩6g、コショウ(少々)を材料
としてこれらをハンドミキサーで良く混ぜた後に18等
分し、各々1コ当たり70gのパティを作製し、常法に
従って、焼き上げた。保存試験は30℃にて行い、官能
試験はモニター10人により行った。その結果を表2に示
す。
【0024】
【表2】
【0025】表2より明かなように、本発明の組成を有
する食品保存剤である製剤A、B、C、E、Fを0.5
重量%添加して作製したハンバーグの保存可能期間は7
2時間以上であり、その味も良好であった。一方、本発
明の組成から外れたものを用いた場合(D、G、H、
I、J、K)には保存性、味もしくはその両方が本発明
の食品保存剤である製剤A、B、C、E、Fに比較して
劣っていた。
【0026】実施例6,比較例8〜14 (ハンバーグへの応用2)次に本発明の製剤を使用した
場合の効果をε−ポリリジン単独もしくは後述の表3に
示す有機酸成分単独使用の場合と比較した。すなわち、
製剤Aをハンバーグ材料に対して0.5重量%添加(ε
−ポリリジン/100ppm、無水酢酸ナトリウム/0.3
重量%、リンコ゛酸(2):フマル酸(1)/0.15重量
%)して作製したハンバーグとε−ポリリジンもしくは
酢酸ナトリウムと有機酸を添加して作製したハンバーグの保
存性および味を実施例1に準拠して評価した。その結果
を表4に示した。
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】表4より明かなように、比較例8〜10で
は本発明の製剤A/0.5重量%と同量以上のεPLを
添加し、比較例11〜14ではそれぞれ本発明の製剤
A、B、E、Fに相当する有機酸を0.5重量%添加し
たものであるが、比較例8〜14はすべてハンバーグの
保存性が48時間以下であり、製剤A/0.5重量%添
加の実施例6のハンバーグよりも劣っていることが分か
る。つまり、本試験結果より、本発明の組成を有する製
剤はその構成成分であるεPLもしくは有機酸をそれぞ
れ単独で使用した場合よりも優れた保存性をハンバーグ
に与えることが分かる。
【0030】実施例7、比較例15〜21 (ハンバーグへの応用3)本実施例7では焼き上がった
ハンバーグに二次的に微生物汚染が発生した場合を想定
した保存試験を行った。すなわち、実施例7では実施例
6および比較例8〜14に準拠して作製したハンバーグ
に対して、グラム陽性細菌である黄色ブドウ球菌(IFO1
2732)を102/gとなるように噴霧接種したのち、実
施例6に準拠して30℃での保存試験を行った。その結
果を後述の表5に示した。
【0031】
【表5】
【0032】表5より明かなように、本発明の組成の製
剤Aはグラム陽性細菌による二次汚染ハンバーグに対し
ても有効な静菌効果を示すことが分かる。
【0033】実施例8、比較例22〜28 (ハンバーグへの応用4)接種菌としてグラム陰性菌で
ある大腸菌(IFO13500)を用いる以外は実施例7および
比較例15〜21に準拠してハンバーグの保存試験を行
った。その結果を後述の表6に示した。
【0034】
【表6】
【0035】表6より明かなように、本発明の組成の製
剤はグラム陰性菌によるハンバーグの二次汚染に対して
も有効な静菌効果を示すことが分かる。
【0036】実施例9、比較例29〜32 (炊き込みご飯への応用)炊き込みご飯について実施例
1で作製した製剤Aによる保存効果および味への影響を
調べた。炊き込みご飯の作製は市販の炊き込みご飯の素
を用い、以下の手順で行った。また、このとき、比較例
29〜32として後述の表7に示した製剤を添加して作
製した炊き込みご飯を作製し、同様に保存試験を行っ
た。 (炊き込みご飯の作製)具45.2g、調味液14.4
gを洗米200g、水260gと合わせたもの(総重量
520g)に対して表6に示した各製剤を添加、混合し
た後、炊飯し、その保存効果および味覚を比較した。保
存効果については各実施例および比較例で作製した炊き
込みご飯を室温下にて30分間、解放冷却の後、プラス
チック容器に50gずつ入れたものを5サンプル用意
し、これらの30℃での保存性を調べた。すなわち、
0、1、2、3日目の各サンプル中の一般生菌数を測定
し、105/g以下の菌数に維持されている期間を賞味
可能期間とした。味覚評価については各実施例または比
較例の炊き込みご飯についてモニター10人による官能
試験を行った。その試験結果を同じく表7に示す。
【0037】
【表7】
【0038】表7より明かなように、本発明の組成の製
剤は有機酸単独もしくはεPL(塩)単独や通常、米飯
類で保存効果のために使用される醸造酢に比較して、炊
き込みご飯において明らかに優れた保存効果を有してい
るとともに、炊き込みご飯本来の味への影響も小さいこ
とが分かる。
【0039】実施例10、11比較例32〜34 (揚げギョウザへの応用)実施例10、11として本発
明の製剤を使用した揚げギョウザの保存性を以下のよう
にして試験した。また、比較例33〜35として後述の
表8に示した製剤を使用して作製した揚げギョウザの保
存性を同様に試験した。 (揚げギョウザの作製)具材料:豚挽肉(200g)、
キャベツ*(290g)、ねぎ(33g)、酒(15m
L)、醤油(6mL)、塩(2.5g)、コショウ
(0.5g)、ゴマ油(14mL)、生姜(1g) *:軽くゆでたもの <作製手順>細かくきざんだ各具材を混ぜ合わせ、製剤
を添加し、さらによく混ぜその後、具材を市販のギョウ
ザの皮で包み(皮1枚/5gに対して12g)、170
℃に熱したサラダ油で3分間揚げる。つぎに作製した揚
げギョウザをプラスチック容器に入れ、30℃にて保存
試験を行った。保存試験の結果を後述の表8に示した。
【0040】
【表8】
【0041】表8(揚げギョウザの保存試験)より明か
なように、本発明の製剤を用いることで揚げギョウザの
保存性を効果的に延長できることが分かる。
【0042】
【発明の効果】本発明の食品保存剤は各種惣菜をはじめ
とする幅広い食品に対して使用でき、かつ食品風味への
影響の少ない新規な食品保存剤として好適に使用でき
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ε−ポリリジンもしくはその塩(以下、こ
    れらを総称してεPL(塩)という)、酢酸ナトリウム
    およびアジピン酸、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、マ
    ロン酸、グルコン酸、マレイン酸および乳酸のなかから
    選ばれる1種以上の有機酸を構成成分として含む食品保
    存剤であって、該酢酸ナトリウムと該有機酸との配合割
    合が、該εPL(塩)1重量部に対て、該酢酸ナトリウ
    ムと該有機酸との総量で5〜55重量部の割合であり、
    かつ該酢酸ナトリウムの該有機酸に対する重量比(酢酸
    ナトリウム/有機酸)が1.5〜3であることを特徴と
    する食品保存剤。
JP9309421A 1997-10-23 1997-10-23 食品保存剤 Pending JPH11123070A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9309421A JPH11123070A (ja) 1997-10-23 1997-10-23 食品保存剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9309421A JPH11123070A (ja) 1997-10-23 1997-10-23 食品保存剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11123070A true JPH11123070A (ja) 1999-05-11

Family

ID=17992810

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9309421A Pending JPH11123070A (ja) 1997-10-23 1997-10-23 食品保存剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11123070A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006241021A (ja) * 2005-03-01 2006-09-14 National Food Research Institute 抗アレルギー剤
WO2007063043A1 (en) * 2005-11-29 2007-06-07 Dsm Ip Assets B.V. Improved anti-microbial composition
JP2012075387A (ja) * 2010-10-01 2012-04-19 Hiroe Ogawa 生食用生肉の風味改良変質防止剤及びその方法、それを含有する生肉
JP2014143946A (ja) * 2013-01-29 2014-08-14 Asama Chemical Co Ltd 高濃度の糖質を含有する食品の安定化法及び糖質高含有食品用の抗真菌剤
JP2016101125A (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 キユーピー株式会社 容器詰め葉野菜の製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006241021A (ja) * 2005-03-01 2006-09-14 National Food Research Institute 抗アレルギー剤
WO2007063043A1 (en) * 2005-11-29 2007-06-07 Dsm Ip Assets B.V. Improved anti-microbial composition
JP2012075387A (ja) * 2010-10-01 2012-04-19 Hiroe Ogawa 生食用生肉の風味改良変質防止剤及びその方法、それを含有する生肉
JP2014143946A (ja) * 2013-01-29 2014-08-14 Asama Chemical Co Ltd 高濃度の糖質を含有する食品の安定化法及び糖質高含有食品用の抗真菌剤
JP2016101125A (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 キユーピー株式会社 容器詰め葉野菜の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2042107A1 (en) Synergistic antimicrobial compositions
US20050053704A1 (en) Acidic composition and its uses
JP4143294B2 (ja) 殺菌剤組成物
JPH09176689A (ja) 殺菌洗浄剤組成物
US20110117241A1 (en) Method of Making Fresh Cheese with Enhanced Microbiological Safety
JPH11123070A (ja) 食品保存剤
US5250299A (en) Synergistic antimicrobial compositions
RU2725687C2 (ru) Композиция и способы борьбы с разрастанием патогенов и микроорганизмов, вызывающих порчу, в системах с высокой влажностью и низким содержанием солей натрия
JPS58121204A (ja) 防腐用組成物
JP4099304B2 (ja) 殺菌剤組成物
JPH06125704A (ja) 野菜類の変色防止及び鮮度保持用調味液
CA2684721C (en) Method of making fresh cheese with enhanced microbiological safety
KR920005049B1 (ko) 바실루스 세레우스균의 증식 억제제
JP6864340B2 (ja) 殺菌剤組成物
JPH07298862A (ja) 低温下除菌用アルコール製剤及び除菌方法
JP3517375B2 (ja) 殺菌剤
KR20050105876A (ko) 식품의 살균 및 보존을 위한 조성물
KR950008869B1 (ko) 상온에서 장기저장되는 김치속의 제조방법
JP6987918B2 (ja) 食肉製品製造方法
EP0461530B1 (en) Synergistic antimicrobial compositions
JPS63226267A (ja) バチルスセレウス菌増殖抑制剤
JPS6258974A (ja) 食品の保存剤組成物
KR920009485B1 (ko) 가공식품의 저장성 증진방법
JPH0346103B2 (ja)
JPH01291747A (ja) 漬物の保存方法