JPH11114723A - 放電加工装置および放電加工方法 - Google Patents

放電加工装置および放電加工方法

Info

Publication number
JPH11114723A
JPH11114723A JP28212297A JP28212297A JPH11114723A JP H11114723 A JPH11114723 A JP H11114723A JP 28212297 A JP28212297 A JP 28212297A JP 28212297 A JP28212297 A JP 28212297A JP H11114723 A JPH11114723 A JP H11114723A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
machining
tool electrode
workpiece
electric discharge
discharge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP28212297A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3715090B2 (ja
Inventor
Koetsu Wada
光悦 和田
Manabu Yoshida
学 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP28212297A priority Critical patent/JP3715090B2/ja
Publication of JPH11114723A publication Critical patent/JPH11114723A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3715090B2 publication Critical patent/JP3715090B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工開始位置に定常深さより深い窪みができ
ることを回避し、加工底面の平面精度が高い放電加工を
行うこと。 【解決手段】 工具電極1と被加工物Wの間にパルス状
の電圧を印加し、工具電極1の長さ方向消耗量を補正す
るZ軸方向の送りを、XY平面の送りと合成して三次元
制御を行い、所望の三次元形状を加工する放電加工装置
において、工具電極1と被加工物Wとの間に放電が発生
したことを検出する放電検出手段10と、工具電極1を
被加工物Wに対して接近させるアプローチパス、所望の
加工形状を得るための加工形状パス、放電加工の電気条
件とを記憶する記憶手段11と、記憶手段11に記憶さ
れたアプローチパスに基づいて工具電極1が被加工物W
に接近する過程で、放電検出手段10によって放電の発
生が検出されれば、直ちに記憶手段11に記憶されてい
る加工形状パスに基づいて放電加工を行うようにする制
御手段12とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、放電加工装置お
よび放電加工方法に関し、特に、単純形状の工具電極を
用いて三次元加工を行う放電加工装置および放電加工方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、円筒状、円柱状、角柱などの
単純形状をした工具電極(加工電極)を用い、数値制御
装置により三次元制御を行い、所望の三次元形状加工を
行うことができる放電加工装置が知られている。このよ
うな放電加工装置であって、複雑な三次元形状の総型工
具電極を製作する必要がないため、金型製作コストおよ
び製作時間を改善できる。また、加工に用いる工具電極
は、単純形状の工具電極を用いるため、CAMシステム
の構築が容易となり、加工工程の自動化も期待できる。
しかし、このような放電加工装置では、単純形状の工具
電極を用いて幅広い面積の加工を行うため、総型電極に
よる放電加工と比較して、加工形状の精度が問題とな
る。
【0003】このような問題を解決するために、特開平
5−345228号公報には、工具電極の消耗補正(Z
補正)制御を行うことによって、高精度な加工を行う方
法が示されている。図7はそのような放電加工の原理を
示している。
【0004】図7に示されているように、この放電加工
では、円柱状の工具電極100を回転させながら被加工
物Wの放電加工面に対して角度(電極斜め送り角度)α
で斜めに送ることにより、工具電極100の輪郭形状お
よび加工深さが変化する位置(a)から(d)までの過
渡状態を経て、工具電極100の輪郭形状および加工深
さが変化しない位置(d)以降で定常状態を作り出すこ
とができる。
【0005】この放電加工の場合、工具電極消耗量の大
きい加工条件であるならば、位置(a)から位置(d)
までの過渡状態をほとんど無視することができ、適切な
送り角度αで工具電極100を斜めに送ることによっ
て、加工深さが一定の層状の除去加工を行うことができ
る。
【0006】この放電加工においては、定常状態での加
工量と電極消耗量を考慮することで、厚さ(深さ)Eの
一層分を除去するための電極斜め送り角度αは、層の厚
さE、加工電極の半径R、加工電極の断面積S、体積消
耗率Uより、式(1)によって求めることができる。
【0007】 tan(α)=R・E・U/S ・・・(1)
【0008】また、工具電極100が円筒形状のもので
ある場合、工具電極の外側半径R1、内側半径R2とす
ると、電極斜め送り角度αは式(2)により求めること
ができる。
【0009】 tan(α)=(R1+R2)・E・U/S=E・U/π(R1−R2) ・・・(2)
【0010】従って、上述のような放電加工では、工具
電極100の形状に応じた電極消耗補正のための計算式
をいくつか準備しておく必要がある。
【0011】特開平5−345228号公報に開示され
ている技術では、工具電極100の長手方向の消耗を補
正するための値を計算するためのシミュレータを備え、
除去層の厚さE、電極半径R、体積消耗比Uを与えるこ
とにより、放電加工している層の平面に対する電極の送
り角度αを計算し、傾斜運動により工具電極100の長
手方向の消耗を補償して加工深さが一定の層状の除去加
工を行うようになっている。
【0012】この放電加工では、工具電極の長さ方向の
消耗補正を斜め方向の送りを行うことにより補正できる
ため、加工速度が稼げる工具電極消耗領域を利用でき、
加工効率が向上できるとしている。
【0013】つぎに、図8を参照して加工パスと工具電
極の動きの具体例について説明する。図8は被加工物W
に星形の2個のポケットP1、P2を加工する場合の電
極移動軌跡を示している。はじめに、工具電極100
は、任意のXY座標位置Aにおいて被加工物Wの上面よ
りZ軸方向(垂直方向)に距離aだけ離れた位置にある
(図9参照)。
【0014】工具電極100は、上述の位置によりポケ
ットP1の加工開始位置Bまで水平移動し、その後、工
具電極100と被加工物Wとの間に所定の電圧を印加し
た状態でポケットP1の加工開始位置Bにて被加工物W
の上面へ向けて距離aだけ真下に降下し、ポケットP1
の加工を開始する。
【0015】この状態で、工具電極100が星形輪郭状
に移動し、工具電極100が1周して1周分の加工が完
了すると、工具電極100は一つ内側のパスへ移り、こ
れを1周する。工具電極100が最も内側のパスを1周
して一つのポケットP1の加工を完了し、工具電極10
0が位置Cに位置すると、工具電極100は、図10
(a)〜(d)に示されているように、位置Cで真上に
距離aだけ上昇し、この状態で水平移動してもう一つの
ポケットP2の加工開始位置Dまで水平移動し、この加
工開始位置Dにて被加工物Wの上面へ向けて距離aだけ
真下に降下することで、ポケットP2の加工処理を開始
する。
【0016】そして、同様に、工具電極100が星形輪
郭状に移動してポケットP2の加工を完了し、加工完了
位置Eに位置すると、工具電極100は、距離aだけ真
上に上昇し、水平移動して最初の位置Aに戻る。
【0017】また、他の従来技術として、特開昭61−
19511号公報には、加工開始時や加工再開時には、
工具電極を被加工物に対して接近させて強制的に放電を
発生させ、放電検出により通常の放電加工に切り換える
技術が示されている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】従来の放電加工では、
加工開始位置B、Dにおいて、工具電極100を被加工
物Wに対して真下に降下させる動作、すなわちアプロー
チ動作時に、工具電極100は、被加工物Wに対して放
電が発生する距離、すなわち放電ギャップに関係なく設
定距離aだけ真下に降下するため、加工開始位置B、D
において被加工物Wの深さ方向に放電ギャップ分程度過
剰加工が行われ、定常深さより深い窪みhが発生するこ
とになる(図9参照)。このため、加工底面の平面精度
が低下するという問題点があった。
【0019】加工底面の平面精度を向上させる方法とし
て、事前に放電ギャップ長を求めておき、被加工物Wの
上面より放電ギャップ長の手前で、工具電極100の降
下を終了させ、星形輪郭形状に移動して加工を行うよう
にする方法も考えられるが、使用する電極や被加工物の
材質、電極径、電気条件、工具電極や被加工物の表面状
態、加工液によって放電ギャップ長は大きく変化するこ
とから、事前に放電ギャップ長を求めておくことは非常
に困難なことである。
【0020】特開昭61−19511号公報に開示され
ている放電加工方法では、工具電極が所定の位置に達し
ても放電が発生しなければ、さらに工具電極を被加工物
に接近させて放電を強制的に発生させようとするため、
アプローチポイント(加工開始位置)の平面精度の悪化
を防止できない。
【0021】この発明は、上述のような問題点を解決す
るためになされたものであり、加工開始位置に定常深さ
より深い窪みができることを回避し、加工底面の平面精
度が高い放電加工を行う放電加工装置および放電加工方
法を得ることを目的としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、この発明による放電加工装置は、工具電極と被加
工物の間にパルス状の電圧を印加し、工具電極の長さ方
向消耗量を補正するZ軸方向の送りを、XY平面の送り
と合成して三次元制御を行い、三次元形状を加工する放
電加工装置において、前記工具電極と被加工物間に放電
が発生したことを検出する放電検出手段と、前記工具電
極を被加工物に対して接近させるアプローチパス、所望
の加工形状を得るための加工形状パスおよび放電加工の
電気条件を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶さ
れたアプローチパスに基づいて前記工具電極が被加工物
に接近する過程で、前記放電検出手段によって放電の発
生が検出されたとき、前記記憶手段に記憶されている加
工形状パスに基づいて放電加工を行うようにする制御手
段とを具備しているものである。
【0023】つぎの発明による放電加工装置は、前記放
電検出手段によって検出される放電のパルス数を計数す
る計数手段を備え、前記制御手段は、前記記憶手段に記
憶されたアプローチパスに基づいて前記工具電極が被加
工物に接近する過程で、前記計数手段により計数される
放電パルス数が所定値になったときに直ちに前記記憶手
段に記憶された加工形状パスに基づいて放電加工を行う
よう構成されているものである。
【0024】つぎの発明による放電加工装置は、工具電
極と被加工物の間にパルス状の電圧を印加し、工具電極
の長さ方向消耗量を補正するZ軸方向の送りを、XY平
面の送りと合成して三次元制御を行い、三次元形状を加
工する放電加工装置において、前記工具電極と被加工物
間に発生する放電電圧を計測し、当該放電電圧を平均化
する平均化手段と、前記平均化手段によって平均化され
た平均放電電圧に対する基準電圧を設定する基準電圧設
定手段と、前記工具電極を被加工物に対して接近させる
アプローチパス、所望の加工形状を得るための加工形状
パスおよび放電加工の電気条件を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されたアプローチパスに基づいて前
記工具電極が被加工物に接近する過程で、前記平均化手
段によって平均化された平均放電電圧が前記基準電圧設
定手段に設定された基準電圧と等しくなったときに前記
記憶手段に記憶されている加工形状パスに基づいて放電
加工を行うようにする制御手段とを具備しているもので
ある。
【0025】また、上述の目的を達成するために、この
発明による放電加工方法は、工具電極と被加工物の間に
パルス状の電圧を印加し、工具電極の長さ方向消耗量を
補正するZ軸方向の送りを、XY平面の送りと合成して
三次元制御を行い、三次元形状を加工する放電加工方法
において、前記工具電極を被加工物に接近させるアプロ
ーチパス、所望の加工形状を得るための加工形状パスお
よび放電加工の電気条件を記憶手段に記憶し、記憶され
たアプローチパスに基づいて前記工具電極が被加工物に
接近する過程で、前記工具電極と前記被加工物間に放電
が発生したとき、記憶された加工形状パスに基づいて放
電加工を行うものである。
【0026】つぎの発明による放電加工方法は、前記工
具電極が被加工物に接近する過程での放電のパルス数を
計数し、放電パルス数が所定値になったとき、前記記憶
手段に記憶された加工形状パスに基づいて放電加工を行
うものである。
【0027】つぎの発明による放電加工方法は、工具電
極と被加工物の間にパルス状の電圧を印加し、工具電極
の長さ方向消耗量を補正するZ軸方向の送りを、XY平
面の送りと合成して三次元制御を行い、三次元形状を加
工する放電加工方法において、前記工具電極を被加工物
に接近させるアプローチパス、所望の加工形状を得るた
めの加工形状パスおよび放電加工の電気条件を記憶手段
に記憶し、記憶されたアプローチパスに基づいて前記工
具電極が被加工物に接近する過程で、前記工具電極と前
記被加工物との間に発生する放電電圧の平均値が所定の
基準電圧と等しくなれば、記憶された加工形状パスに基
づいて放電加工を行うものである。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照して、この
発明に係る放電加工装置および放電加工方法の実施の形
態を詳細に説明する。
【0029】実施の形態1.図1はこの発明による放電
加工装置の実施の形態1を示している。この放電加工装
置は、中空円筒状の単純パイプ電極による工具電極1
と、工具電極1を中心線軸周りに回転させる電極回転装
置2と、ワークテーブル3上において内部に加工液4を
蓄えて被加工物Wを配置される加工槽5と、工具電極1
と被加工物Wとを相対的にX軸、Y軸、Z軸方向に移動
させるための軸駆動装置6、7、8と、工具電極1と被
加工物Wの間に電圧を印加するための加工用電源9と、
工具電極1と被加工物Wとの間に発生する放電を検出す
る放電検出手段10と、アプローチパスを記憶するアプ
ローチパス記憶部11aと加工形状パスを記憶する加工
形状パス記憶部11bと電気条件を記憶する電気条件記
憶部11cとからなる記憶手段11と、記憶手段11に
格納されたアプローチパスや加工形状パス、電気条件に
基づき各軸駆動装置や加工用電源の動作を制御する制御
手段12と、放電パルス数を計数する放電パルス計数手
段13を有している。
【0030】制御手段12は、記憶手段11に記憶され
たアプローチパスに基づいて工具電極1が被加工物Wに
接近する過程で、換言すれば、アプローチパスの範囲内
で、放電検出手段10によって放電の発生が検出されれ
ば、直ちに記憶手段11に記憶されている加工形状パス
に基づいて放電加工が行われるように制御する。
【0031】この場合、制御手段12は、記憶手段11
に記憶されたアプローチパスに基づいて工具電極1が被
加工物Wに接近する過程で、放電パルス計数手段13に
より計数される放電パルス数が所定値になった時点で直
ちに記憶手段11に記憶された加工形状パスに基づいて
放電加工が行われるように制御することができる。
【0032】なお、アプローチパスが終了しても、放電
パルス計数手段13により計数される放電パルス数が所
定値に達しない場合には、記憶手段11に記憶された加
工形状パスに基く放電加工を開始する。
【0033】つぎに、上述のような構成による放電加工
装置を用いて行う単純パイプ電極による放電加工におけ
る工具電極の被加工物へのアプローチ方法について図2
〜図5を参照して説明する。
【0034】図2において、工具電極1は、初期状態と
して被加工物Wの上面よりZ軸方向に距離aだけ離れた
位置Fにある。このとき、所望の加工形状を得るため
に、制御手段12は、まず記憶手段11内のアプローチ
パス記憶部11aに記憶されたアプローチパスに基づい
てZ軸駆動装置8に指令を与える。
【0035】これにより工具電極1が被加工物Wに対し
て真下に降下し始める(ステップS10)。そして同時
に、制御手段12からの指令によって、加工用電源9は
電気条件記憶部11cに記憶された電気条件に基づいた
所定のパルス状の電圧を工具電極1と被加工物Wとの間
に印加する。
【0036】工具電極1と被加工物Wとの間に印加され
たパルス状電圧は、放電が発生するまでは、図3に示さ
れているように、印加電圧Vo が現れる。このとき、放
電が発生するまでの時間を遅延時間To とする。その
後、工具電極1が被加工物Wに対して近づき、放電が発
生すると、パルス幅Tonに亙って放電電圧Vg が現れ、
そして、休止時間Toff 後につぎのパルス状の電圧が印
加される。このときの工具電極1と被加工物Wとの間の
距離は、放電加工を行うのに必要な放電ギャップになっ
たと考えてよい。
【0037】よって放電検出手段10は、工具電極1と
被加工物Wとの間の電圧が放電電圧Vgになったことを
検出すると、放電検出手段10は放電パルス計数手段1
3へ信号を出力し、放電パルス計数手段13は、アプロ
ーチパスが終了する以前において(ステップS20肯
定)、放電パルス数を計数する(ステップS30)。
【0038】放電パルス計数手段13は放電パルス数の
計数結果を逐次制御手段12へ出力し、放電パルス数n
が制御手段12内に予め設定された放電パルス数A(1
〜数パルス)に達すると(ステップS40肯定)、制御
手段12は、記憶手段11内の加工形状パス記憶部11
bに記憶された加工形状パスに基づいてX、Y、Z軸駆
動装置6、7、8へ指令を出力する。これにより工具電
極1はZ軸補正量を与えられながら加工パス上を移動し
て放電加工を行う(ステップS50)。
【0039】なお、アプローチパスが終了する以前にお
いて、放電パルス数nが制御手段12内に予め設定され
た放電パルス数Aに達しない場合には(ステップS40
否定)、制御手段12は、記憶手段11内の加工形状パ
ス記憶部11bに記憶された加工形状パスに基づいて
X、Y、Z軸駆動装置6、7、8へ指令を出力する。こ
れにより、アプローチパスが終了すれば、放電パルス数
に拘わらず、工具電極1はZ軸補正量を与えられながら
加工パス上を移動して放電加工を行う(ステップS5
0)。
【0040】上述の制御により、工具電極1と被加工物
Wとの間に所定の放電ギャップを得ることができ、図4
に示されているように、アプローチ部分において被加工
物Wの加工底部に深さ方向への過剰加工を防いで、換言
すれば、加工開始位置に定常深さより深い窪み(段差)
ができることを回避し、加工底面の平面精度が高い放電
加工が行われるようになる。
【0041】なお、放電パルス数Aが1である場合に
は、放電パルス計数手段13を省略することができる。
【0042】実施の形態2.図5はこの発明による放電
加工装置の実施の形態1を示している。なお、図5にお
いて、図1に示されているもの同等あるいは同一の構成
要件には、図1に付けた符号と同一の符号を付けてその
説明を省略する。
【0043】この実施の形態では、工具電極1と被加工
物Wとの間に発生する放電電圧を計測し、当該放電電圧
を平均化する平均化手段14と、平均化手段14によっ
て平均化された平均放電電圧に対する基準電圧を設定す
る基準電圧設定手段15とが設けられ、制御手段12
は、記憶手段11に記憶されているアプローチパスに基
づいて工具電極1が被加工物Wに接近する過程で、換言
すれば、アプローチパスの範囲内で、平均化手段14に
よって平均化された平均放電電圧が基準電圧設定手段1
5に設定された基準電圧と等しくなったときに直ちに記
憶手段11に記憶されている加工形状パスに基づいて放
電加工が行われるように制御する。
【0044】この実施の形態でも、アプローチパスが終
了しても、平均化手段14によって平均化された平均放
電電圧が基準電圧設定手段15に設定された基準電圧に
等しくならない場合には、記憶手段11に記憶された加
工形状パスに基く放電加工を開始する。
【0045】つぎに、上述のような構成による放電加工
装置を用いて行う単純パイプ電極による放電加工におけ
る工具電極の被加工物へのアプローチ方法について説明
する。
【0046】工具電極1は、先の実施の形態1と同様
に、図2に示されているように、初期状態として被加工
物Wの上面よりZ軸方向に距離aだけ離れた位置Fにあ
る。このとき、所望の加工形状を得るために、記憶手段
11内のアプローチパス記憶部11aに記憶されたアプ
ローチパスに基づいて、制御手段12はZ軸駆動装置8
に指令を与える。これにより、工具電極1が被加工物W
に対して真下に降下し始める。そして同時に、制御手段
12からの指令によって、加工用電源9は電気条件記憶
部11cに記憶された電気条件に基づいた所定のパルス
状の電圧を工具電極1と被加工物Wとの間に印加する。
【0047】ここで、工具電極1と被加工物Wとの間に
印加された電圧の平均化について説明する。工具電極1
と被加工物Wとの間に印加されたパルス状電圧は、放電
が発生するまでは、図3に示されているように、印加電
圧Vo が現れる。このとき、放電が発生するまでの時間
を遅延時間To とする。その後、工具電極1が被加工物
Wに対して近づき、放電が発生すると、パルス幅Tonに
亙って放電電圧Vg が現れ、そして、休止時間Toff 後
につぎのパルス状の電圧が印加される。このとき、平均
化手段13で平均化された平均放電電圧Vave は式
(3)により近似できる。
【0048】 Vave =(Vo ×To +Vg ×Ton)/(To +Ton+Toff ) ・・・(3)
【0049】被加工物Wに対する工具電極1の距離が遠
く、放電が発生していない間は、Ton=Toff =0とな
るため、このときの平均電圧Vave1は式(3)より、 Vave1=Vo となる。
【0050】この後、工具電極1が被加工物にさらに近
づくと、放電が発生するが、近づくにつれ遅延時間To
は短く(小さく)なる。このため、式(3)より明らか
なように、平均電圧Vave は小さくなっていくが、電極
1と被加工物Wとの間の距離が適正な放電ギャップにな
ると、遅延時間To はほぼ一定時間となるので、平均電
圧Vave は定常値となり、これをVave2とする。
【0051】そこで、平均放電電圧Vave に対する基準
電圧をVave2として基準電圧設定手段14に設定し、こ
の基準電圧をVave2と平均化手段13によって平均化さ
れた平均放電電圧Vave とを比較し、Vave =Vave2と
なれば、工具電極1と被加工物Wとの間の距離は適正な
放電ギャップになったとして、制御手段12は、記憶手
段11内の加工形状パス記憶部11bに記憶された加工
形状パスに基づいてX、Y、Z軸駆動装置6、7、8へ
指令を出力する。これにより工具電極1はZ軸補正量を
与えられながら加工パス上を移動して放電加工を行う。
【0052】基準電圧をVave2と平均化手段13によっ
て平均化された平均放電電圧Vaveとの比較は、アプロ
ーチパスの範囲内で行われるから、アプローチパスが終
了すれば、Vave =Vave2とならなくとも、制御手段1
2は、記憶手段11内の加工形状パス記憶部11bに記
憶された加工形状パスに基づいてX、Y、Z軸駆動装置
6、7、8へ指令を出力する。これにより工具電極1は
Z軸補正量を与えられながら加工パス上を移動して放電
加工を行うことを開始する。
【0053】上述の制御により、工具電極1と被加工物
Wとの間に所定の放電ギャップを得ることができ、図4
に示されているように、アプローチ部分において被加工
物Wの加工底部に深さ方向への過剰加工を防いで、換言
すれば、加工開始位置に定常深さより深い窪み(段差)
ができることを回避し、加工底面の平面精度が高い放電
加工が行われるようになる。
【0054】
【発明の効果】上述の説明から理解されるように、この
発明による放電加工装置によれば、記憶手段に記憶され
たアプローチパスに基づいて工具電極が被加工物に接近
する過程で、放電検出手段によって放電の発生が検出さ
れれば、記憶手段に記憶されている加工形状パスに基づ
いて直ちに放電加工を行うから、工具電極と被加工物と
の間に所定の放電ギャップを得ることができ、アプロー
チ部分において被加工物の加工底部における深さ方向へ
の過剰加工を防いで、加工底面の平面精度が高い放電加
工が行われるようになる。
【0055】つぎの発明による放電加工装置によれば、
記憶手段に記憶されたアプローチパスに基づいて工具電
極が被加工物に接近する過程で、計数手段により計数さ
れる放電パルス数が所定値になれば、前記記憶手段に記
憶された加工形状パスに基づいて直ちに放電加工を行う
から、工具電極と被加工物との間に所定の放電ギャップ
を高精度に得ることができ、アプローチ部分において被
加工物の加工底部における深さ方向への過剰加工を防い
で、加工底面の平面精度が高い放電加工が行われるよう
になる。
【0056】つぎの発明による放電加工装置によれば、
記憶手段に記憶されたアプローチパスに基づいて工具電
極が被加工物に接近する過程で、平均化手段によって平
均化された平均放電電圧が前記基準電圧設定手段に設定
された基準電圧と等しくなれば、記憶手段に記憶されて
いる加工形状パスに基づいて直ちに放電加工を行うか
ら、工具電極と被加工物との間に所定の放電ギャップを
高精度に得ることができ、アプローチ部分において被加
工物の加工底部における深さ方向への過剰加工を防い
で、加工底面の平面精度が高い放電加工が行われるよう
になる。
【0057】つぎの発明による放電加工方法によれば、
記憶手段に記憶されたアプローチパスに基づいて工具電
極が被加工物に接近する過程で、工具電極と前記被加工
物間に放電が発生することを監視し、放電が発生すれ
ば、直ちに記憶手段に記憶された記憶された加工形状パ
スに基づいて放電加工を行うから、工具電極と被加工物
との間に所定の放電ギャップを得ることができ、アプロ
ーチ部分において被加工物の加工底部における深さ方向
への過剰加工を防いで、加工底面の平面精度が高い放電
加工が行われるようになる。
【0058】つぎの発明による放電加工方法によれば、
工具電極が被加工物に接近する過程での放電のパルス数
を計数し、放電パルス数が所定値になれば、記憶手段に
記憶された加工形状パスに基づいて直ちに放電加工を行
うから、工具電極と被加工物との間に所定の放電ギャッ
プを高精度に得ることができ、アプローチ部分において
被加工物の加工底部における深さ方向への過剰加工を防
いで、加工底面の平面精度が高い放電加工が行われるよ
うになる。
【0059】つぎの発明による放電加工方法によれば、
記憶手段に記憶されたアプローチパスに基づいて前記工
具電極が被加工物に接近する過程で、工具電極と前記被
加工物との間に発生する放電電圧の平均値が所定の基準
電圧と等しくなれば、記憶手段に記憶された加工形状パ
スに基づいて直ちに放電加工を行うから、工具電極と被
加工物との間に所定の放電ギャップを高精度に得ること
ができ、アプローチ部分において被加工物の加工底部に
おける深さ方向への過剰加工を防いで、加工底面の平面
精度が高い放電加工が行われるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による放電加工装置の実施の形態1
を示す構成図である。
【図2】 電極アプローチの一つの動作例を示す説明図
である。
【図3】 放電電圧波形を示す説明図である。
【図4】 本発明における電極アプローチの一つの動作
例を示す説明図である。
【図5】 実施の形態1による放電加工装置の制御手順
を示すフローチャートである。
【図6】 この発明による放電加工装置の実施の形態2
を示す構成図である。
【図7】 (a)〜(e)は電極消耗補正制御を用いた
単純工具電極による加工要領を示す説明図である。
【図8】 加工パスと工具電極の動きの具体例を示す平
面図である。
【図9】 従来における電極アプローチ動作を示す説明
図である。
【図10】 (a)〜(d)は形状加工時の工具電極の
動きを示す説明図である。
【符号の説明】
1 工具電極,2 工具電極回転装置,3 ワークテー
ブル,4 加工液,5加工槽,6 X軸駆動装置,7
Y軸駆動装置,8 Z軸駆動装置,9 加工用電源,1
0 放電検出手段,11 記憶手段,11a アプロー
チパス記憶部,11b 加工形状パス記憶部,11c
電気条件記憶部,12 制御手段,13 放電パルス計
数手段,14 平均化手段,15 基準電圧設定手段。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工具電極と被加工物の間にパルス状の電
    圧を印加し、工具電極の長さ方向消耗量を補正するZ軸
    方向の送りを、XY平面の送りと合成して三次元制御を
    行い、三次元形状を加工する放電加工装置において、 前記工具電極と被加工物間に放電が発生したことを検出
    する放電検出手段と、 前記工具電極を被加工物に対して接近させるアプローチ
    パス、所望の加工形状を得るための加工形状パスおよび
    放電加工の電気条件を記憶する記憶手段と、 前記記憶手段に記憶されたアプローチパスに基づいて前
    記工具電極が被加工物に接近する過程で、前記放電検出
    手段によって放電の発生が検出されたとき、前記記憶手
    段に記憶されている加工形状パスに基づいて放電加工を
    行うようにする制御手段と、 を具備したことを特徴とする放電加工装置。
  2. 【請求項2】 前記放電検出手段によって検出される放
    電のパルス数を計数する計数手段を備え、 前記制御手段は、前記記憶手段に記憶されたアプローチ
    パスに基づいて前記工具電極が被加工物に接近する過程
    で、前記計数手段により計数される放電パルス数が所定
    値になったときに直ちに前記記憶手段に記憶された加工
    形状パスに基づいて放電加工を行うよう構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の放電加工装置。
  3. 【請求項3】 工具電極と被加工物の間にパルス状の電
    圧を印加し、工具電極の長さ方向消耗量を補正するZ軸
    方向の送りを、XY平面の送りと合成して三次元制御を
    行い、三次元形状を加工する放電加工装置において、 前記工具電極と被加工物間に発生する放電電圧を計測
    し、当該放電電圧を平均化する平均化手段と、 前記平均化手段によって平均化された平均放電電圧に対
    する基準電圧を設定する基準電圧設定手段と、 前記工具電極を被加工物に対して接近させるアプローチ
    パス、所望の加工形状を得るための加工形状パスおよび
    放電加工の電気条件を記憶する記憶手段と、 前記記憶手段に記憶されたアプローチパスに基づいて前
    記工具電極が被加工物に接近する過程で、前記平均化手
    段によって平均化された平均放電電圧が前記基準電圧設
    定手段に設定された基準電圧と等しくなったとき前記記
    憶手段に記憶されている加工形状パスに基づいて放電加
    工を行うようにする制御手段と、 を具備したことを特徴とする放電加工装置。
  4. 【請求項4】 工具電極と被加工物の間にパルス状の電
    圧を印加し、工具電極の長さ方向消耗量を補正するZ軸
    方向の送りを、XY平面の送りと合成して三次元制御を
    行い、三次元形状を加工する放電加工方法において、 前記工具電極を被加工物に接近させるアプローチパス、
    所望の加工形状を得るための加工形状パスおよび放電加
    工の電気条件を記憶手段に記憶し、記憶されたアプロー
    チパスに基づいて前記工具電極が被加工物に接近する過
    程で、前記工具電極と前記被加工物間に放電が発生した
    とき、記憶された加工形状パスに基づいて放電加工を行
    うことを特徴とする放電加工方法。
  5. 【請求項5】 前記工具電極が被加工物に接近する過程
    での放電のパルス数を計数し、放電パルス数が所定値に
    なったとき、前記記憶手段に記憶された加工形状パスに
    基づいて放電加工を行うことを特徴とする請求項4に記
    載の放電加工方法。
  6. 【請求項6】 工具電極と被加工物の間にパルス状の電
    圧を印加し、工具電極の長さ方向消耗量を補正するZ軸
    方向の送りを、XY平面の送りと合成して三次元制御を
    行い、三次元形状を加工する放電加工方法において、 前記工具電極を被加工物に接近させるアプローチパス、
    所望の加工形状を得るための加工形状パスおよび放電加
    工の電気条件を記憶手段に記憶し、記憶されたアプロー
    チパスに基づいて前記工具電極が被加工物に接近する過
    程で、前記工具電極と前記被加工物との間に発生する放
    電電圧の平均値が所定の基準電圧と等しくなれば、記憶
    された加工形状パスに基づいて放電加工を行うことを特
    徴とする放電加工方法。
JP28212297A 1997-10-15 1997-10-15 放電加工装置および放電加工方法 Expired - Fee Related JP3715090B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28212297A JP3715090B2 (ja) 1997-10-15 1997-10-15 放電加工装置および放電加工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28212297A JP3715090B2 (ja) 1997-10-15 1997-10-15 放電加工装置および放電加工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11114723A true JPH11114723A (ja) 1999-04-27
JP3715090B2 JP3715090B2 (ja) 2005-11-09

Family

ID=17648417

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28212297A Expired - Fee Related JP3715090B2 (ja) 1997-10-15 1997-10-15 放電加工装置および放電加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3715090B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP3715090B2 (ja) 2005-11-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8642915B2 (en) Wire electric discharge machining apparatus
JP4015148B2 (ja) ワイヤ放電加工機の制御装置
KR960031041A (ko) 방전가공방법 및 그의 장치
JP3575087B2 (ja) 放電加工装置
TWI696511B (zh) 金屬線放電加工機之控制裝置及金屬線放電加工機之控制方法
JP4569973B2 (ja) 放電加工装置及び方法、並びに放電発生を判別する方法
JPH05154717A (ja) ワイヤ放電加工方法及びその装置
JPH11114723A (ja) 放電加工装置および放電加工方法
JP3289575B2 (ja) 放電加工装置および方法
JP4534070B2 (ja) 形彫放電加工機ジャンプ制御装置
Yan et al. Design and experimental study of a power supply for micro-wire EDM
JP3732290B2 (ja) 放電加工装置および放電加工方法
JP2002254247A (ja) 型彫り微細放電加工による高効率孔加工方法
JP3807189B2 (ja) 放電による追加工方法及び装置
JPS5921737B2 (ja) 火花侵食加工方法
JPH04246184A (ja) ラジカル反応による無歪精密数値制御加工方法及びその装置
JP2014188558A (ja) 切断方法及び切断装置
JP3882810B2 (ja) 放電加工装置
JP2667183B2 (ja) 形彫り放電加工における加工誤差補正制御法
JP2559789B2 (ja) 形彫り放電加工における加工誤差の検知方法
Mahbub et al. Strategies of improving accuracy in micro-EDM
JP2002254246A (ja) 型彫り微細放電加工による高精度孔加工方法
JP3805139B2 (ja) 放電加工方法及び装置
JPH0463632A (ja) 放電加工機の揺動制御方法
JP2002066842A (ja) 形彫放電加工方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040525

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20050824

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080902

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090902

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 4

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090902

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100902

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110902

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110902

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120902

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130902

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees