JPH1096515A - ガス燃焼器具用の炎色材担持部材 - Google Patents

ガス燃焼器具用の炎色材担持部材

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JPH1096515A
JPH1096515A JP25150096A JP25150096A JPH1096515A JP H1096515 A JPH1096515 A JP H1096515A JP 25150096 A JP25150096 A JP 25150096A JP 25150096 A JP25150096 A JP 25150096A JP H1096515 A JPH1096515 A JP H1096515A
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英雄 三舩
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 炎色材担持部材の構成を変更して炎色材の担
持量を増大し、炎色部材中における炎色材量の確保と炎
色部材を小さく構成して炎を安定させる。 【解決手段】 炎色成分を含有する炎色材5を担持する
担持部3Aを、耐熱線材をコイル状にまたはループ状に
巻回して設けるについて、この担持部3Aを、断面が扁
平状の耐熱線材を巻回して設けてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、喫煙具用ガスライ
ター、点火器、トーチ等のガス燃焼器具に配設し、その
バーナー等によって燃焼しているガス炎の色を炎色反応
によって着色するための炎色材を担持するガス燃焼器具
用の炎色材担持部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ガス燃焼器具の一例としての
喫煙具用のガスライターにおいて、その燃焼炎に炎色材
によって着色するようにしたものが種々提案されている
が、例えば、特公平7−72615号に見られるよう
に、上記炎色材を燃焼炎中に保持する炎色材担持部材と
しては、耐熱線材をコイル状に巻回したものが提案され
ている。また、その他、炎色材担持部材として実用にな
る形状としては、担持線の途中をループ状に巻回し、こ
のループ部分に炎色材を固着したものが知られている。
【0003】上記炎色材は、炎色成分を含有する素材を
耐熱線材に付着させた後に、加熱溶融させて固着して担
持するものであり、この炎色材は燃焼炎により揮発し、
その使用に伴って消耗することから、例えばライターで
あれば、その使用回数に応じた量を担持することが必要
である。
【0004】一方、大きな使用回数を確保するために、
炎色材の担持量を多くすると担持部材も大きく設ける必
要があり全体としての炎色部材が大きくなる。この炎色
部材が大きくなると、燃焼炎のガス流に対する抵抗が大
きくなると共に、ガス流を乱すことになり炎の形状が不
安定となる。この点から、炎色部材としては可及的に細
く、小さく形成することが要求される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような点から、
炎色材担持部材としては、必要量の炎色材を担持しつつ
全体として小さく形成しなければならず、従来の断面円
形の耐熱線材をコイル状またはループ状に巻回したもの
では、担持量を増大するためにはコイル径を太くした
り、巻回ピッチを大きくすることになって、これが全体
としての炎色部材を大きくすることになり、前述のよう
な燃焼炎のガス流に対する障害となる問題を有する。
【0006】具体的には、例えば喫煙具用のガスライタ
ーにおいて、炎色部材の形状としては耐熱線材をコイル
状に巻回し、これに炎色材を担持させ、ライター燃焼筒
に横断して吊懸したものが炎色の発色の安定性、発色開
始時期を早くする上で最適である。そして、上記炎色ラ
イターに適用される1次空気混入式の燃焼筒は、一般
に、筒の内径が6mm程度であり、ガス流量としては毎分
35cc程度に設定されている。このような条件の場合、
前記炎色担持部材の担持部の径としては、外径が1.3
mm程度以下のものを用いないと、炎の形状が不安定とな
る。
【0007】一方、喫煙具用のガスライターとしては、
1000回の着火繰り返しに必要とされる炎色材量とし
ては10mg程度となるが、余裕をみると15mg程度であ
る。これを担持すると共に、炎色部材としての強度を保
証して線径、巻回ピッチを設定すると、炎色部材の外径
が大きくなって、炎への悪影響が避けられない。しか
し、上記炎色部材による炎への影響を避けるようにコイ
ル径を細くすると、担持できる炎色材量が少なく寿命が
短くなって、ライターの使用後期においては、炎色材が
消耗してガス炎への着色が不十分となって所期の作用が
得られなくなる。
【0008】そこで本発明は上記事情に鑑みなされたも
のであって、十分な炎色材量を確保しつつ全体としての
炎色部材を小さく構成し得るようにしたガス燃焼器具用
の炎色材担持部材を提供せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明の炎色材担持部材は、炎に接触する主要部分を、耐熱
線材をコイル状またはループ状に巻回した担持部に形成
し、この担持部に炎色成分を含有する炎色材を担持する
について、前記担持部を、断面が扁平状の耐熱線材を巻
回して構成したことを特徴とするものである。
【0010】また、前記担持部は、断面が扁平状の耐熱
線材を、その扁平面が巻回中心に対して平行に巻回して
構成するか、さらに、前記担持部は、断面が扁平状の耐
熱線材を、その扁平面が巻回中心に対して垂直または傾
斜状態に巻回して構成するのが好ましい。
【0011】一方、前記担持部に対して、炎色成分を含
有する炎色材を溶融固着するのが望ましい。
【0012】
【発明の効果】上記のような本発明によれば、炎色成分
を含有する炎色材を担持する担持部を、断面が扁平状の
耐熱線材を巻回して構成したことにより、その表面積は
断面円形状の耐熱線材より同じ断面積でも大きくなり、
それに伴って炎色材との接触面積の増大による担持能力
が向上し、巻回ピッチが大きくでき、全体としての炎色
部材の大きさが小さくなり、ガス流抵抗を大きくするこ
となく良好な炎形状を維持しつつ長期間の炎色反応によ
るガス炎への着色が行え、さらに、炎色材とガス流との
接触面積を拡大し炎色発色時間が短くなるものである。
【0013】また、断面が扁平状の耐熱線材を、その扁
平面が巻回中心に対して平行に巻回して担持部を形成し
たものでは、担持部の外径が同じであっても断面円形状
の耐熱線材より担持部の内径が大きくなり、炎色材担持
量の増大が図れる。さらに、断面が扁平状の耐熱線材
を、その扁平面が巻回中心に対して垂直または傾斜状態
に巻回して担持部を形成したものでは、外周部分から内
周部分にかけての広い範囲で炎色材と接触して担持する
ことで、使用に伴い炎色材が低減してもその担持が良好
に行え、炎色材の脱落が抑制できると共に、炎に対する
接触面積が大きく着火してから発色するまでの時間が短
くなる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の炎色材担持部材に
ついての実施の形態を図面に沿って説明する。図1は一
例のライター用の炎色材担持部材の正面図、図2はその
要部断面図である。
【0015】炎色材担持部材2は、ニッケル−クロム合
金線(以下ニクロム線)などの耐熱線材によって、中央
のコイル状の担持部3Aと、両端の直線状の取付部4が
設けられている。上記担持部3Aにおける耐熱線材は断
面扁平状に形成され、その扁平面が巻回中心線sに対し
て平行となるように、所定の径およびピッチでコイル状
に巻回されている。両端の取付部4は断面円形状または
扁平形状のいずれでもよい。
【0016】前記担持部3Aにおける扁平形状は、素線
の径等に応じて任意に設計されるが、その厚さと幅との
扁平比は約2〜5程度に設けるのが好適である。また、
丸線を圧延で扁平とする場合の、素線の直径に対する圧
延後の線幅の比は、約1.5〜2.5程度とするのが好
適である。
【0017】上記担持部3Aは、例えば、直径0.2mm
のニッケル−クロム合金線を扁平に圧延し、厚さ0.0
7mm、幅0.38mmの平板状の線材を作り、これを外径
1.1mm、内径0.96mmになるように巻回中心線sに
対して扁平面を平行に、ピッチ0.85mmでコイル状に
巻回したものを作製する。
【0018】また、上記のような担持部3Aと丸線をコ
イル状に巻回したものを比較すると、外径を同一にする
と内径は大きくなる。具体的には直径0.15mmの丸線
を外径1.0mmのコイル状に巻回すると、その内径は
0.7mmとなり、内径面積は0.38mm2 となる。これ
に対し、直径0.15mmの丸線を厚さ0.07mm、幅
0.28mmに圧延した扁平線で外径1.0mmのコイルを
作製すると、内径は0.86mmとなり、内径面積は0.
58mm2 となり、丸線のものに対してコイル内容積は
1.53倍になる。
【0019】前記のような担持部3Aを有する炎色材担
持部材2に、炎色材5を担持するものであるが、この炎
色材5は例えば低融点ガラス質材料を融着してなる。一
例としては、青緑色発色の場合には、その組成として、
炎色成分としてCuO、B23 およびAl2 3 、そ
の他低融点ガラスフリットを配合した混合物を使用す
る。具体的には、B2 3 :70%、CuO:20%、
Al2 3 :10%の配合組成のものに、30%の割合
で低融点ガラスフリットを加え混合し、さらに、この混
合粉末に対し、バインダー(洗濯のり)を加え、粘性液
状にした塗布液を用意する。これを前記炎色材担持部材
2の担持部3Aに塗布し、それを900℃で10分間焼
き付けし、低融点ガラス質の炎色材5を17mg程度を融
着して炎色部材を得る。
【0020】この炎色部材1を、後述の図8、図9に示
すようなライター10(ガス流量35cc/min)の燃焼筒18
の上端部に組み込むことにより、1000回以上の着火
発色の繰り返しが可能な緑色炎色ライターを得る。
【0021】なお炎色材5としては、紅赤色炎色材(L
2 CO3 :40%,SiO2 :50%,Al2 3
10%、これに対しガラスフリット30%加えた配合組
成のもの)や、橙黄色炎色材(Na2 CO3 :67%,
SiO2 :33%、これに対しガラスフリット30%を
加えた配合組成のもの)を同様に使用しても、前記と同
様に炎色材担持部材2に融着させて炎色部材1を構成
し、炎色ライター10を得ることができる。
【0022】図3および図4には、他の実施の形態の炎
色材担持部材2を示し、この例の炎色材担持部材2は、
同様に耐熱線材によって、中央のコイル状の担持部3B
と、両端の直線状の取付部4が設けられ、上記担持部3
Bにおける耐熱線材は断面扁平状に形成され、その扁平
面が巻回中心線sに対して直交するように、所定の外径
およびピッチでコイル状に巻回されている。
【0023】上記担持部3Bは、例えば、前例と同様
に、直径0.2mmのニッケル−クロム合金線を扁平に圧
延し、厚さ0.07mm、幅0.38mmの平板状の線材を
作り、これを巻回中心線sに対して垂直に、外径が1.
1mm、内径が0.34mmになるように、ピッチ0.85
mmで巻回したものを作製する。
【0024】この担持部3Bを有する炎色材担持部材2
に、前記と同様に炎色材料を配合した粘性液状の塗布液
を塗布し、焼き付けして担持部3Bに炎色材5を19mg
程度融着してなる炎色部材を得る。この炎色部材を、前
述のようにライター10の燃焼筒18に組み込むことによ
り、1000回以上の着火発色の繰り返しが可能で、な
おかつ発色時間が1秒台と短い高性能な炎色ライターを
得ることができる。
【0025】上記のような担持部3Bと丸線をコイル状
に巻回したものと比較すると、内径は小さくなるが、炎
色材5の融着面積が大きくなって、丸線によるものより
炎色材の担持量が大きくなり、巻回ピッチを大きく取る
ことができる。具体的には、直径0.15mmの丸線の円
周は0.47mmであるのに対し、この直径0.15mmの
丸線を厚さ0.07mm、幅0.28mmに圧延した扁平線
の外周は0.64mmと、1.36倍となる。両者を外径
1.0mmのコイル状に巻回すると、上記扁平線によるも
のは、内径が0.44mmと小さくなるが、その表面積が
大きくなった分だけ炎色材の担持量が大きくなると共
に、バーナー炎に直接接触する炎色材の表面積が大きく
なり、発色性で有利となる。
【0026】図5および図6には、さらに他の実施の形
態の炎色材担持部材2を示し、この例の炎色材担持部材
2は、同様に耐熱線材によって、中央のコイル状の担持
部3Cと、両端の直線状の取付部4が設けられ、上記担
持部3Cにおける耐熱線材は断面扁平状に形成され、そ
の扁平面が巻回中心線sに対して傾斜するように、所定
の外径およびピッチでコイル状に巻回されている。
【0027】上記担持部3Cは、例えば、前例と同様
に、直径0.2mmのニッケル−クロム合金線を扁平に圧
延し、厚さ0.07mm、幅0.38mmの平板状の線材を
作り、これを巻回中心線sに対して45゜の角度に傾斜
するように斜めに巻回し、その際の、外径が0.9mm、
内径が0.36mm、ピッチが0.85mmになるように作
製する。
【0028】この担持部3Cを有する炎色材担持部材2
に、前例と同様に、炎色材料を配合した塗布液を塗布
し、焼き付けて炎色材5を15mg程度融着して炎色部材
を得る。この炎色部材を、ライターの燃焼筒に組み込む
ことにより、1000回以上の着火発色の繰り返しが可
能な発色耐久性があり、発色時間も1秒台で早く、かつ
外径を細くできるために炎の形状に全く影響しない炎色
ライターを得ることができる。
【0029】なお、前記各実施の形態の炎色材担持部材
2には、担持部3A〜3Cに対して両側に取付部4が連
接されているが、この取付部4を形成することなく、全
体をコイル状の担持部に形成し、炎色材を担持する以前
または後に所定の長さに切断し、最終的に炎色材を担持
した棒状の炎色部材を燃焼筒に取り付けるようにしても
よい。
【0030】ここで、本発明の扁平線による炎色担持部
材2と、断面が円形状の丸線による炎色材担持部材との
炎色材担持量を測定した結果を表1に示す。
【0031】本発明例の平線横巻は、直径0.2mmのニ
ッケル−クロム合金線をローラで断面扁平状に圧延し、
厚さ0.07mm、幅0.38mmの扁平線を作製し、これ
を図1のような扁平面が巻回中心線sと平行となるコイ
ル状に、巻回ピッチが0.8mmとなるように巻回したも
ので、そのコイル外径を0.7mm、0.9mm、1.1m
m、1.3mmになるように作製した。
【0032】また、本発明例の平線縦巻は、同様の扁平
線を同様に図3のような扁平面が巻回中心線sと直交す
るコイル状に、巻回ピッチが0.8mmとなるように巻回
し、そのコイル外径を0.9mm、1.1mm、1.3mmに
なるように作製した。
【0033】さらに、本発明例の平線斜め巻は、同様の
扁平線を、同様に図5のような扁平面が巻回中心線sと
45゜に傾斜するコイル状に、ピッチが0.8mmとなる
ように巻回し、そのコイル外径を0.9mm、1.1mm、
1.3mmになるように作製したものである。
【0034】比較例の丸線としては、直径が0.15mm
の断面円形状のニッケル−クロム合金線を、巻回ピッチ
が0.8mmとなるようにコイル状に巻回し、そのコイル
外径を0.7mm、0.9mm、1.1mm、1.3mmになる
ように作製したものである。
【0035】上記それぞれの炎色材担持部材の試料に対
し、その担持部(長さ6.4mm)に前述の緑色炎色材に
よる低融ガラス質炎色材を粘性液状とした塗布液を塗布
し、炎色材の融点以上に加熱して焼き付けて融着させ、
その担持重量mgを測定した。
【0036】
【表1】
【0037】上記表1の結果、コイル外径が大きなもの
が炎色材担持量も大きいが、比較例の丸線によるものよ
り、本発明の扁平線によるものが同じコイル外径であっ
ても担持量が大きくなっている。特に、平線の扁平面が
巻回中心線sに直交するのもおよび傾斜するものの担持
量が大きくなっている。
【0038】次に、前記炎色担持量と、その発色寿命時
間との関係を求めた結果を図7に示す。前記のような担
持部材に炎色材を担持させてなる炎色部材を後述の図
8、図9に示すライターの燃焼筒に装着し、着火してガ
ス炎で加熱して発色させ、炎色反応が生起しなくなるま
での発色寿命時間を測定したものである。
【0039】図7から分かるように、炎色材担持量と発
色寿命時間とは比例関係となり、担持量が多いほど発色
寿命時間が長くなる。一般に使用される喫煙具用ライタ
ーの場合、普通の使用条件で、炎色材が10mg以上好ま
しくは15mg担持されていると、発色寿命時間が約20
分あり、1000回以上の着火発色を繰り返す寿命が得
られるものである。この点から、前記表1において、平
線横巻ではコイル外径が1.1mmのもので16.9mgの
担持量があり、平線縦巻および斜め巻ではコイル外径が
0.9mgのもので14mg以上の担持量があり、この条件
を満足する。
【0040】一方、炎色部の外径が太くなるとガス流に
対して抵抗が大きくなり、炎の形状が不安定となるの
で、コイル径としては1.3mm位までが限度となり、コ
イル径がこれより細い方が好ましく、外径1.1mmで十
分な担持量が得られる。
【0041】次に、前記の炎色部材の各試料を同様にラ
イターに組み込み、ライター着火後の炎色材の反応によ
って炎が着色する発色までの時間を測定した。その結果
を表2に示し、この数値は5回測定した平均値である。
炎色ライターとしては、着火後できるだけ早く発色する
ことが好ましく、このためには炎色部材の熱容量が小さ
いほど昇温が早く、発色時間が短くなる。一方、炎色材
の炎に触れる面積が大きいほど、発色時間も短くなる。
【0042】
【表2】
【0043】表2から、コイル径が細いものほど発色時
間が短くなる傾向にあるが、炎色材担持部材の影響は、
平線横巻のものは、丸線に比べて担持量の増加分長くな
っている例もあるが、平線縦巻および斜め巻のものは担
持量が増大しているにもかかわらず発色時間が短くなっ
ている。
【0044】前記のような炎色材担持部材2で構成して
なる炎色部材1を装着するガスライターの例を、図8お
よび図9に沿って説明する。
【0045】ガスライター10は、燃料ガスが貯蔵された
タンク本体11を下部に有している。このタンク本体11は
合成樹脂で成形され、底部に底蓋11a が結合されて内部
にイソブタンガス等の高圧燃料ガスが貯蔵され、該タン
ク本体11の上部周面には側壁部11b が一体に成形されて
いる。上記タンク本体11の上端には、燃料ガスを噴出す
るノズル13を有するバルブ機構12が、バルブハウジング
32に収容されて装着される。上記ノズル13の上方には、
該ノズル13から噴出された燃料ガスの燃焼を行う燃焼筒
18が設置され、この燃焼筒18によるガス燃焼方式として
は1次空気を吸入混合した1次空気混合内燃式になって
いる。
【0046】さらに、上記バルブ機構12の側方には圧電
ユニット14が配設され、該圧電ユニット14の上端に、前
記バルブ機構12を操作して燃料ガスを噴出させるととも
に圧電ユニット14を操作して点火を行う操作部材15が配
設されている。なお、上記圧電ユニット14、操作部材15
および前記燃焼筒18は、内部ハウジング16に保持されて
タンク本体11に組み付けられる。また、上記燃焼筒18お
よび操作部材15の上部を開閉する起倒式の蓋17が配設さ
れている。この蓋17には支点部材17a が固着され、該支
点部材17a がピン21によってタンク本体11に枢支される
とともに、蓋17の開位置と閉位置とを保持するべく支点
部材17a の2面に当接する押上部材22が上方に付勢され
て設置されている。
【0047】前記バルブ機構12は、ノズル13の上方移動
によって通路が開かれ先端からのガスの噴出を行うもの
であり、該ノズル13に一端部が係合するL字状の作動レ
バー19が配設され、該作動レバー19は中間の支点で回動
自在に枢支され、他端の操作部が前記操作部材15に設け
られたレバー押し15a と接触して回動操作され、上記ノ
ズル13によるガスの噴出を開閉する。上記ノズル13の先
端部には所定径(例えば50μm)の穴のあいたノズル
板20(図9参照)が設置され、燃焼筒18の底部に嵌挿さ
れ、高速でガスは燃焼筒18内へ噴出する。
【0048】さらに、前記バルブ機構12は、燃料ガスの
噴出量を温度変化に対して略一定量に調整するガス流量
調節フィルタ23を備えている。このガス流量調節フィル
タ23は、バルブ機構12の底部に釘状固定子24によって圧
縮状態で設置されている。タンクから多孔性芯33を通っ
て移動した液化燃料ガスは、このフィルタ23を外周から
中心に半径方向に流通して気化するもので、このフィル
タ23の微細構造は、接点が微細孔にて連通するガス流路
となる気泡と、温度変化により膨張または収縮してガス
流路を圧縮または拡大する独立気泡とを有するマイクロ
セルポリマー発泡体で形成され、ガス流量を温度変化に
対して自動調節する作用を有している。
【0049】一方、前記燃焼筒18は図9にも示すよう
に、基部のベース部材25と、該ベース部材25に固着され
た上方に延びる燃焼管26とで構成されている。上記ベー
ス部材25は中心部にガス通路が貫通し、その下端にはノ
ズル13の先端が嵌挿され、その下端部より上方の両側に
は半径方向に貫通する1次空気穴25a が開口されてい
る。
【0050】さらに、前記ベース部材25の上端部には、
渦流板27と金属メッシュ部材28とが載置されている。渦
流板27は、金属円板に開口が形成されてガス流に乱流を
生成し、燃料ガスと一次空気とのミキシングを向上する
ものである。また、金属メッシュ部材28は、円形状の金
網で構成され、火炎の逆行を阻止するものである。
【0051】操作部材15は圧電ユニット14との組付けに
より下方に向けて摺動可能に保持され、該操作部材15の
側方には前記圧電ユニット14に接続された放電電極29
が、前記燃焼筒18の燃焼管26の側面を貫通して配設され
た電極ホルダー30によって内部に臨んで配設されてい
る。
【0052】前記燃焼筒18のベース部材25は、1次空気
穴25a の上方外周部分が前記内部ハウジング16に係合支
持され、燃焼管26とともに保持され、電極29、電極ホル
ダー30が組み付けられ、その外側にカバー31が配設され
て燃焼筒18が固定され、これらが前記内部ハウジング16
によって圧電ユニット14、操作部材15とともに組立体と
され、タンク本体11に組み付けられるものであり、組み
立て工程の簡略化が図られる。
【0053】そして、前記燃焼筒18の燃焼管26の上端部
近傍には、前記炎色担持部材2による炎色部材1が配設
されている。この炎色部材1は、その取付部4が燃焼管
26と同形の環体6に固着され、半径方向に架設されてい
る。そして、上記環体6が燃焼管26の上端に設置され、
外周にキャップ34が装着されて、炎色部材1が燃焼管26
の上端火口開口部に配設されている。
【0054】上記のようなガスライター10の構造におい
て、操作部材15を押し下げると、そのレバー押し15a が
作動レバー19を回動させてノズル13を持ち上げて燃料ガ
スを噴出させる。ノズル13からのガス流出の流速と流量
により生じる負圧で側面に開口している1次空気穴25a
から1次空気が吸入され、噴出ガスと混合し、逆火防止
用のメッシュ部材28を通った後、渦流板27にてガスと1
次空気が攪拌、混合されて燃焼管26内を上昇する。
【0055】続いて、前記操作部材15のさらなる押し下
げによって、圧電ユニット14を作動させて放電用の高電
圧が前記電極29に印加放電され、混合ガスへの点火が行
われ炎の一部が燃焼筒18の上端内部で燃焼するものであ
る。この燃焼における火炎Fの高温部の位置は、1次空
気とガスの混合比、混合ガス流速により決まり、その高
温部に前記炎色部材1が配設されるのが良好である。
【0056】燃焼炎Fは、炎色部材1を通過して炎燃焼
する。燃焼筒18の上端部に配設された炎色部材1は、燃
焼火炎Fの高温部に接触することになって、その炎色反
応により炎に着色する。
【0057】本発明の炎色材担持部材2としては、前記
のようなコイル状のものの他に、図10に示すようなル
ープ状に形成した担持部3Dを有するものでもよい。
【0058】すなわち、扁平線を1〜5回程度ループ状
に巻回して担持部3Dを形成し、その両側に巻回中心線
sと直交する方向に延びる取付部4を設けてなる。そし
て、その担持部3Dの巻回は、扁平面が巻回中心線sに
対して平行、垂直または傾斜して巻回してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施の形態における炎色材担持
部材を示す正面図
【図2】図1の炎色材担持部材の部分断面図
【図3】本発明の他の実施の形態における炎色材担持部
材を示す正面図
【図4】図3の炎色材担持部材の部分断面図
【図5】本発明のさらに他の実施の形態における炎色材
担持部材を示す正面図
【図6】図5の炎色材担持部材の部分断面図
【図7】炎色材担持量と発色寿命時間の関係を示すグラ
【図8】本発明の炎色材担持部材による炎色部材を有す
るライターを示す縦断面図
【図9】図8に示したライターの要部拡大断面図
【図10】本発明のその他の実施の形態における炎色材
担持部材を示す正面図
【符号の説明】
1 炎色部材 2 炎色材担持部材 3A〜3D 担持部 4 取付部 5 炎色材 10 ライター 13 ノズル 18 燃焼筒 F 火炎

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炎に接触する主要部分を、耐熱線材をコ
    イル状にまたはループ状に巻回した担持部に形成し、こ
    の担持部に炎色成分を含有する炎色材を担持するガス燃
    焼器具用の炎色材担持部材であって、 前記担持部を、断面が扁平状の耐熱線材を巻回して構成
    したことを特徴とするガス燃焼器具用の炎色材担持部
    材。
  2. 【請求項2】 前記担持部は、断面が扁平状の耐熱線材
    を、その扁平面が巻回中心に対して平行に巻回して構成
    したことを特徴とする請求項1に記載のガス燃焼器具用
    の炎色材担持部材。
  3. 【請求項3】 前記担持部は、断面が扁平状の耐熱線材
    を、その扁平面が巻回中心に対して垂直または傾斜状態
    に巻回して構成したことを特徴とする請求項1に記載の
    ガス燃焼器具用の炎色材担持部材。
  4. 【請求項4】 前記担持部に対して、炎色成分を含有す
    る炎色材が溶融固着されることを特徴とする請求項1に
    記載のガス燃焼器具用の炎色材担持部材。
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Citations (4)

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JPS6086761U (ja) * 1983-11-18 1985-06-14 ローム株式会社 ライタ−
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JPH08145356A (ja) * 1994-11-22 1996-06-07 Tokai Corp ガス燃焼器具用炎色反応部材およびその製造方法

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