JPH1087395A - 高品質ダイヤモンド状炭素薄膜の製造方法 - Google Patents

高品質ダイヤモンド状炭素薄膜の製造方法

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JPH1087395A
JPH1087395A JP8237500A JP23750096A JPH1087395A JP H1087395 A JPH1087395 A JP H1087395A JP 8237500 A JP8237500 A JP 8237500A JP 23750096 A JP23750096 A JP 23750096A JP H1087395 A JPH1087395 A JP H1087395A
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JP
Japan
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film
laser
energy density
carbon film
thin carbon
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Pending
Application number
JP8237500A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeo Matsui
丈雄 松井
Masako Yudasaka
雅子 湯田坂
Yoshimasa Oki
芳正 大木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】レーザーアブレーション法において、高品質の
ダイヤモンド状炭素薄膜を形成する方法を提供する。 【構成】レーザーアブレーション法によって、基板上に
ダイヤモンド状炭素薄膜を蒸着して成膜するに際し、レ
ーザーエネルギー密度を成膜下限界領域に保つことを特
徴とする高品質ダイヤモンド状炭素薄膜の成膜方法であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はダイヤモンド状炭素薄膜
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ダイヤモンド状炭素(DIAMOND LIKE CAR
BON、以下DLCと略す)膜はダイヤモンドと同様な性
質を有する薄膜であって、高硬度、高熱伝導性、高絶縁
性、耐薬品性などに優れるために、切削工具、電子材料
の表面保護材料など様々な分野で利用されることが期待
されている。
【0003】しかして、薄膜の製造方法としては、原則
として固体表面(通常、基板という)上への気相からの
凝集によって形成され、この気相は常温で気体のものも
あるが、固体又は液体の物を気化して形成する場合が多
く、最も一般的な方法は真空蒸着法である。これは10
~2Paより高い真空度の真空チャンバー中に固体の薄膜
材料を蒸発源として入れて加熱、蒸発させて蒸発源より
低温の基板上に蒸着させる方法であり、蒸発源の加熱手
段として抵抗加熱、電子ビーム加熱、高周波加熱、レー
ザー加熱等がある。また、薄膜材料を加熱、蒸発させる
かわりに、イオン銃やグロー放電などで発生させた高速
イオンを薄膜材料に照射してイオン衝突で蒸発させるス
パッタリング法があり、この場合蒸発源に相当する部分
はターゲットと称されている。また、真空蒸着装置中に
活性ガスを導入し、直流又は高周波電場で放電プラズマ
を発生させ、蒸発源からの原子をそのプラズマをくぐら
せて蒸着すると、原子は励起またはイオン化されて薄膜
が形成され、この方法はイオンプレーティング法と称さ
れている。また、化学気相成長(CVD)法の変形で、
高温で反応を行わせるかわりに、低温で放電を行わせて
必要な物質を析出させる方法をプラズマCVD法とい
う。その外、熱フィラメント法、光CVD法、電子サイ
クロントン共鳴(ECR)、レーザーアブレーション法
等がある。
【0004】そして、従来DLC膜の製造方法の1つと
して、レーザーアブレーション法がある。この方法は、
ターゲットにグラファイトを用い、高レーザーエネルギ
密度を有するレーザー光をターゲットに照射させて、グ
ラファイトを蒸発させ、固体基板上に凝縮させてDCL
膜を得る方法である。即ち、この方法は高レーザーエネ
ルギー密度、例えば1010W/cm2程度が必要であっ
た。
【0005】このように従来のレーザーアブレーション
法でDLC膜を形成する場合、高レーザーエネルギーに
よって、結晶粒子全体からアプレーションされて、アモ
ルファスカーボン構造を作りやすいsp2結合を保持し
たままの炭素が2個以上の分子サイズの粒子として発生
し、この粒子は十分なエネルギーをもっていない場合に
はアモルファスカーボンを多く発生する。従って、透過
率が高く、高抵抗で、アモルファスカーボンの混入の少
ない高品質のDLC膜を得るには、より高レーザーエネ
ルギーのレーザー光を必要とし、高レーザーエネルギー
密度を実現できる高出力のレーザーが必要となった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者はD
LC膜を形成するに、従来より低いレーザーエネルギー
密度のレーザーを使用すべく種々検討した結果、結晶粒
子の端部の不安定な状態の炭素原子は、低いレーザーエ
ネルギー密度でも結合が切れ炭素原子1個のような分子
サイズの小さい粒子が発生してDLC膜を作りやすいと
いう知見を得、その結果、膜生成のレーザーエネルギー
密度下限界領域で、透過率が高く、高抵抗で、アモルフ
ァスカーボンの混入の少ない高品質のDLC膜が得られ
ることを見出し、本発明を完成したもので、本発明は低
いレーザーエネルギー密度のレーザーを使用して高品質
のDLC膜を形成することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、レーザ
ーアブレーション法によって、基板上にダイヤモンド状
炭素薄膜を蒸着して成膜するに際し、レーザーエネルギ
ー密度を成膜エネルギー密度下限界領域に保つことを特
徴とする高品質ダイヤモンド状炭素薄膜の製造方法であ
る。
【0008】即ち、本発明においてはレーザーエネルギ
ー密度を成膜エネルギー密度下限界領域に保つことによ
り、高エネルギー密度で得られるDLC膜以上の膜質の
DLC膜を得ることが可能となった。高品質ダイヤモン
ド状炭素成膜のためのレーザーエネルギー密度の下限界
の波長依存を図示すると図1のようになる。高品質のD
LC成膜が可能なのはこの下限値の上ほぼ2倍迄の範囲
である。従って、例えば、波長266nmのレーザー光
を用いた場合、成膜下限レーザーエネルギー密度は3.
5×107W/cm2であり、得られる膜は透過率が高
く、高抵抗でアモルファスカーボンの混入の少ない高品
質のDLC膜で109W/cm2以上で得られる膜よりも
良好な膜質である。なお、本発明における高品質のDL
C膜について定義すると、アモルファスカーボン構造を
表すsp2成分をCsp2、ダイヤモンド状構造を表すs
3成分をCsp3としたとき、Csp3≧85%、Cs
2≦15%であり、アモルファスカーボンの混入率は
15%以下である。
【0009】さらに本発明について詳細に説明する。本
発明においてレーザーエネルギー密度は、用いられたレ
ーザー波長でDLC膜を成膜する際、成膜できるレーザ
ーエネルギー密度の下限界領域、即ち、図1に示す領域
で、例えばレーザー波長266nmを用いた場合、3.
5×107W/cm2のエネルギ密度で高品質のDLC膜
の作製が可能である。この場合ターゲットやレーザー波
長はとくに限定されない。
【0010】次に本発明を実施する際に使用する装置の
一例を図2に示す。図2において、真空チャンバー1の
中には、ターゲット3と基板4が設置されている。真空
チャンバー1内は真空排気系2によって10~3Pa程度に
保たれている。レーザー発生装置5から発射されたパル
スレーザーが凸レンズ6により集光されて真空チャンバ
ー1の中のターゲットに照射される。パルスレーザーに
よって照射されたターゲット3は蒸発、炭化して基板4
上にDLCとして凝縮する。
【0011】
【実施例及び比較例】更に実施例をもって本発明を具体
的に説明する。 実施例1 図2に示したDLC薄膜作成装置を使用してDLC薄膜
を形成した。図2におけるターゲット3には硬化ポリイ
ミドを使用、真空チャンバー1内の真空度は10~3Pa
程度とした。レーザー発生装置5から発射されたパルス
レーザーが凸レンズ6により集光されて真空チャンバー
1の中のターゲットに照射された。ターゲットに照射し
た照射レーザーの波長は紫外領域の266nmのものを
使用し、その際のレーザーエネルギー密度は3.5×1
7w/cm2であった。その結果、基板上に膜が得ら
れ、ラマン分光法で調べた結果、得られた膜がDLC膜
であることが確認できた。また、抵抗率測定、透過率測
定からも高抵抗で高透過率を示し、高品質のDLC膜で
あることが確認できた。
【0012】同様に、レーザーエネルギ密度7.1×1
7w/cm2及び5.6×108w/cm2の場合につい
ても、DLCを得ることができた。図3にそれぞれDL
C膜の透過率測定の結果を示す。7.1×107w/c
2の場合はアモルファスカーボンの混入がなく光吸収
が大きい。5.6×108w/cm2の場合は、透過率は
良好になっているが、成膜下限の3.5×107w/c
2の場合は、より高透過率の膜ができることが示され
た。上記ターゲットとして硬化ポリイミドに代えて硬化
フェノール樹脂を用いても同様の結果が得られた。
【0013】実施例2 図2に示したDLC薄膜作成装置を使用し、図2におけ
るターゲット3としてグラファイトを使用、真空チャン
バー1内の真空度は10~3Pa程度とした。ターゲット
3に照射されるレーザーの波長及びレーザー密度は実施
例1に記載した場合と同じであった。その結果、基板上
にDLC膜が得られ、実施例1の場合と同様にアモルフ
ァスの混入が少ない高品質のDLC膜であることが確認
できた。
【0014】
【発明の効果】以上述べたように、本発明ではレーザー
アブレーション法においてレーザーエネルギー密度を成
膜下限界に保つことにより高透過率で高抵抗のアモルフ
ァスカーボンの混入の少ない高品質のDLC膜を得るこ
とができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザー光の波長に対する成膜レーザーエネル
ギー密度の関係図
【図2】レーザーアブレーション法を用いたDLC薄膜
作成装置例の概略図
【図3】実施例1で得られた膜の500〜2500nm
の波長範囲に対する吸収率測定結果図 各図における成膜時のレーザーエネルギー密度は(a)
は3.5×107w/cm2(b)7.1×107w/c
2(c)5.6×108w/cm2であり、(a)は4
倍図、(b)等倍図、(c)1.2倍図である。
【符号の説明】
1 真空チャンバー 2 真空排気系 3 タ
ーゲット 4 基板 5 レーザー発生装置 6 凸レン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 湯田坂 雅子 神奈川県川崎市多摩区長沢1−29−3 (72)発明者 大木 芳正 神奈川県相模原市大野台3−30−2

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザーアブレーション法によって、基
    板上にダイヤモンド状炭素薄膜を蒸着して製造するに際
    し、レーザーエネルギー密度を成膜エネルギー密度下限
    界領域に保つことを特徴とする高品質ダイヤモンド状炭
    素薄膜の製造方法。
JP8237500A 1996-09-09 1996-09-09 高品質ダイヤモンド状炭素薄膜の製造方法 Pending JPH1087395A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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