JPH1080792A - ヒータ固定具の溶接ジグ及びヒータ仮止め具、並びにヒータ固定具の溶接方法 - Google Patents

ヒータ固定具の溶接ジグ及びヒータ仮止め具、並びにヒータ固定具の溶接方法

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JPH1080792A
JPH1080792A JP23556296A JP23556296A JPH1080792A JP H1080792 A JPH1080792 A JP H1080792A JP 23556296 A JP23556296 A JP 23556296A JP 23556296 A JP23556296 A JP 23556296A JP H1080792 A JPH1080792 A JP H1080792A
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JP
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heater
welding
holding
heated
bolt
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JP23556296A
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Sotokazu Matsuo
外一 松尾
Toshio Masuda
敏夫 増田
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ISHIHARA HEATER Manufacturing
ISHIHARA HEATER SEIZO KK
Original Assignee
ISHIHARA HEATER Manufacturing
ISHIHARA HEATER SEIZO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高所における鉛直あるいは傾斜した平面あるい
は曲面状の被加熱物面であっても、良好な接触状態でシ
ーズヒータを取付け得ると同時にヒータ固定具を正しい
状態に保持して溶接し得る。 【解決手段】シーズヒータ2をヒータ仮止め具35のマ
グネット24で被加熱物3の表面の所望位置に仮止めし
た後、溶接ジグ11の保持部16でシーズヒータ2を保
持し、シーズヒータ2を基準にして、正しくセットされ
たヒータ固定具1の被溶接部を被加熱物3に溶接する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平面又は曲面を有
する被加熱物の表面にシーズヒータを設置する際のヒー
タ固定具の溶接ジグ及びヒータ仮止め具、並びにヒータ
固定具の溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シーズヒータの用途の一例を図26及び
図27に示す。図26はごみ焼却炉用バグフィルタシス
テムを示す図、図27はその調温塔の下部にシーズヒー
タを設置した例を示す拡大図である。ごみ焼却処理シス
テムにおいては、ごみ焼却炉の燃焼排ガス中に含まれる
有害物質を除去するために、従来の電気集塵機に代わ
り、消石灰を吹き込んでバグフィルタに吸着させ、有害
物質を除去するいわゆるバグフィルタシステムが主流と
なっている。
【0003】このバグフィルタシステム100は、図2
6のごとく、焼却炉101、調温塔102、バグフィル
タ103、消石灰用サイロ104、及び誘引通風機10
5並びに煙突106とを備えており、焼却炉101の燃
焼排ガスを一旦調温塔102に導入し、この調温塔10
2で排ガスの温度を下げ、バグフィルタ103での有害
物質の除去性能を向上させるとともに、バグフィルタ1
03の濾布を保護するようにしている。この調温塔10
2から出た排ガスには消石灰用サイロ104から消石灰
が吹き込まれてバグフィルタ103で処理されて煙突1
06から排出される。また、調温塔102の下部には排
ガスの流下により発生した灰を外部に排出する灰搬出部
107が設けられている。
【0004】さらに、腐食防止の観点から、調温塔10
2の下部、及びバグフィルタ103のホッパーの下部の
内壁を高温に保持するために、その外壁にシーズヒータ
108がヒータ固定具109により取り付けられてい
る。
【0005】このシーズヒータ108の固定具109
は、図27のごとく、一般的に被加熱物であるホッパー
110の表面に溶接固定されたボルト又はスタッドボル
ト111と、このボルト111に嵌合されるナット及び
締付片112とから構成されており、この締付片112
でシーズヒータ108をホッパー110の側壁に押し付
けるように装着している。
【0006】ここで、ボルト111をホッパー110の
表面に溶接固定するのは、シーズヒータ108の寿命時
に、新たなシーズヒータを当初の所望ヒータ位置に取り
付け得るようにするためであるが、このようなボルトの
溶接作業は、各シーズヒータ108の設置予定場所を現
場において確認後、シーズヒータ108の取付位置を決
定し、ボルトあるいはスタッドボルト111の取付位置
を被加熱物表面上にマーキングした後、このマーキング
箇所に合わせてボルトを設置し、そのボルト頭部を溶接
していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、シーズヒー
タ108とこれを装着するホッパーなどの被加熱物の表
面はできるだけ連続かつ均一に線接触あるいは面接触状
態を保持していることが熱伝達効率及びヒータ寿命の点
から好ましい。
【0008】ところが、上記ホッパー等の被加熱物の表
面は、一般に高所にあり、かつ、図26及び図27のご
とく、鉛直部あるいは傾斜部における平面及び曲面を有
する鋼製の外表面であるため、その溶接作業姿勢もよい
ものといえない。
【0009】そのため、ヒータ固定具109のボルト1
11を正しい姿勢に溶接するのが困難となるばかりか、
このボルト111を使用して締付片112でヒータ10
8を固定し、シーズヒータ108とホッパー110など
の被加熱物の表面との間に良好な線接触あるいは面接触
状態が必ずしも得られるとはいえない。
【0010】本発明は、上記の点に鑑み、高所における
鉛直あるいは傾斜した平面あるいは曲面状の被加熱物面
であっても、良好な接触状態を確認してシーズヒータを
取付け得るよう、ヒータ固定具のボルトなどの被溶接部
を溶接し得る溶接ジグ及びヒータ仮止め具、並びにヒー
タ固定具の溶接方法の提供を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者は、鋭意研究した結果、シーズヒータ自身
をまず被加熱物の表面の所望位置に当て、相互のよりよ
い接触位置を決めて仮止めした後、この仮止めされたヒ
ータに溶接ジグの保持体を保持させ、このヒータを基準
にして、ヒータ固定具の被溶接部を溶接すれば、被溶接
部を被加熱物の表面に正しくセットした状態で溶接で
き、その後のヒータ取り付け時においてもヒータと被加
熱物との間に良好な接触状態が得られるとの知見が得ら
れた。
【0012】そこで、本発明は、被加熱物の表面にヒー
タを着脱自在に取り付けるためのヒータ固定具の被溶接
部を被加熱物に溶接するに際して、ヒータを被加熱物の
表面の所望位置にヒータ仮止め具を用いて仮止めし、そ
の後又はこれと同時に、ヒータ固定具の被溶接部を担持
した溶接ジグのヒータ保持体でヒータに保持させ、この
ヒータを基準にして、ヒータ固定具の被溶接部を被加熱
物の表面に溶接することを特徴とするヒータ固定具の溶
接方法を提供するものである。
【0013】このような溶接方法を採用すれば、仮止め
具によりヒータが被加熱物と良好な接触状態を保つこと
ができ、一方、溶接ジグにおいては、ヒータ保持体でヒ
ータを保持した状態でヒータ固定具の被溶接部を担持し
ているから、結局のところ、ヒータを基準にして被溶接
部を正しくセットすることになり、従来のごとく、マー
キング作業が不要になることになる。
【0014】そのため、高所における鉛直あるいは傾斜
した平面あるいは曲面状の被加熱物の表面においても、
ヒータ固定具の溶接作業が容易に行えるばかりか、その
後のヒータ取り付けも被加熱物との間で良好な接触状態
を保つことができ、熱伝達効率及びヒータ寿命の長期化
が図れることになる。
【0015】ここで、被加熱物としては、上記のごと
く、高所における鉛直あるいは傾斜した平面あるいは曲
面をもつ塔あるいはホッパーが該当するが、これ以外の
被加熱物であってもよいことは勿論である。
【0016】また、ヒータとしては、図27に示すよう
に、調温塔又はホッパーなどに取り付ける場合を考慮す
れば、防食上の観点からシーズヒータが最適であるが、
これに限らず、平面又は曲面上に設置するあるゆるヒー
タに適用でき、また、その断面形状においても、角形あ
るいは円形、扁平形状など、その形状は問わないことは
勿論である。
【0017】また、ヒータ固定具の溶接作業時に使用す
るヒータとしては、ホッパーなどの工場製作段階からヒ
ータ固定具をホッパーに溶接する場合も想定されること
から、シーズヒータと同一形状のいわゆる模擬ヒータを
使用してもよいことは勿論である。
【0018】また、ヒータ仮止め具としては、接着テー
プを利用しても、また、被加熱物がホッパーのような磁
性材料からなる場合にはマグネットを利用してもよい。
特に、ホッパーのごとく磁性材料からなる場合に、仮止
め具としてマグネットを利用すれば、ヒータの位置変更
の際、あるいは仮止め具の取り外し時において、取り外
しが容易に行える等の利点がある。
【0019】また、溶接ジグは、ヒータを基準にしてヒ
ータ固定具の被溶接部を正しく溶接するために、被溶接
部を担持するジグ本体とヒータを保持する保持体とを備
えていることが必須の条件となる。
【0020】そこで、本発明は、被加熱物の表面にヒー
タ固定具の被溶接部を溶接する際に使用される溶接ジグ
であって、被溶接部を担持するジグ本体と、該ジグ本体
に取り付けられヒータを保持するためのヒータ保持体と
を備えたことを特徴とするヒータ固定具の溶接ジグを提
供するものである。
【0021】この場合のヒータ固定具としては、図1の
ごとく、ヒータの左右両側に下端部が溶接される一対の
ボルトと、このボルト間に差渡し嵌合され前記ヒータの
上面からヒータを被加熱物側に押圧する締付片と、この
締付片をボルトに固定するナットとを備えたものが一般
的である。
【0022】このようなヒータ固定具を被加熱物に溶接
する際に使用される溶接ジグは、ジグ本体が、ヒータの
左右両側に配されヒータ固定具のボルトを嵌合保持可能
な一対の筒体と、この筒体をヒータを跨いで互いに連結
する連結部とを含む構成であることが、ボルトを担持す
る上で好ましい。
【0023】さらに、このようなヒータ固定具のボルト
の頭部を平面上の被加熱物のみならず、曲面状の被加熱
物にも溶接する場合、その曲率半径によってヒータの設
置位置とボルトの頭部溶接位置とでは高低差が生じるこ
とになる。このような高低差のある溶接位置では、筒体
の下面と被溶接部であるボルトの頭部との間にばね座金
を介在させて、そのばねの弾性力を利用して、その高低
差を補完するように、筒体上部のナットの締め加減を調
整すれば、ボルトの被溶接部を静止状態に保持でき、溶
接作業が容易に行えることになる。
【0024】そこで、このようなヒータ固定具に使用す
る溶接ジグにおいては、ヒータの設置位置とボルトの頭
部溶接位置との間の高低差を調整するために筒体とボル
トの頭部との間に介在されるばね座金と、前記筒体の上
部に螺合されたナットとを備えた構成を採用可能とし
た。
【0025】なお、ヒータ固定具としては、上記のもの
以外に、ヒータの左右両側に溶接される一対の脚部と、
この脚部間に介在されてヒータの上面を押さえる押さえ
部と、この押さえ部の上面に配置され押さえ部をヒータ
の上面に圧接させるための押さえボルトと、この押さえ
ボルトを回転自在に螺合するとともに脚部に回転不能に
係止されたボルト支え片とを備えたものが提案できる
(図12参照)。この場合のヒータ固定具では、ヒータ
を脚部間から取り出し可能な空間を確保するため、押さ
え部、押さえボルト、及びボルト支え片が脚部に対して
取り外し自在とされている。
【0026】このようなヒータ固定具においては、脚部
が被溶接部となるため、溶接ジグとしては、上記のよう
な筒体及び連結部を含むジグ本体を採用できない。そこ
で、本発明者は、鋭意検討した結果、ジグ本体の先端に
押さえボルトに係合可能な係合部を形成した構成を採用
すれば、脚部がボルト支え片を介して押さえボルトと一
体的になり、かつジグ本体に取り付けられるヒータ保持
体とも一体化するため、ヒータ保持体に保持されたヒー
タに対して、脚部が正しくセットできるとの知見が得ら
れた。
【0027】そこで、本発明では、このようなヒータ固
定具において、ジグ本体の先端に押さえボルトに係合可
能な係合部が形成された構成を採用可能とした。この係
合部としては、ボルトに嵌合し得る筒体であってもよ
く、また、ボルトの周面に嵌合可能な凹部であってもよ
い。係合部が凹部の場合、この凹部をボルトの周面に係
合した後、ナットでこれを押さえボルトの頭部あるいは
ボルト支え片側に挟圧することにより、ジグ本体と押さ
えボルトとを一体化でき、またヒータ固定具から溶接具
を取り外す際には、ナットを弛めるだけで簡単に取り外
すことができる利点がある。
【0028】なお、溶接時において、脚部と押さえボル
トとの一体化をより一層強固にするために、脚部とこれ
に係合するボルト支え片を組立用ネジで固定しておき、
脚部の溶接後に、この組立用ネジを弛める構成を採用す
ることが好ましい。
【0029】次に、溶接ジグのヒータ保持体の構成につ
いて説明すると、このヒータ保持体においては、ボルト
などのヒータ固定具の被溶接部をヒータを基準にして正
しくセットするため、ヒータを保持する手段が必要とな
る。そこで、本発明では、ヒータ保持体にヒータ保持手
段が設けられた保持部を有する溶接ジグを採用可能とし
た。
【0030】このヒータ保持手段の具体的な手段として
は種々考えられるが、最も簡単な手段としては、ヒータ
の左右幅と同寸法の間隔をおいて設置されたヒータ挟持
片を含む構成を採用し、この左右のヒータ挟持片で直接
ヒータの左右側壁を挟持すればよい。この場合、ジグ本
体への取り付けを考慮すれば、上面部にジグ本体取り付
け面を有し、かつ左右側面が挟持片となる断面コ字形の
保持部を採用することが好ましい。
【0031】また、別のヒータ保持手段としては、ヒー
タの左右幅よりも大なる間隔をおいて設置されたヒータ
挟持片と、この挟持片にヒータ側に突出するように螺合
された幅調整ネジとを含む構成を採用し、幅調整ネジ同
士を左右からヒータの側壁に締め付けることでヒータを
保持することもできる。このような構成を採用すれば、
ヒータの左右幅の異なる種々のヒータに採用できる点で
有利である。なお、この場合、幅調整ネジを同寸法内側
に突出させれば、この保持体に連結されるジグ本体の左
右の筒体がヒータを中心に左右対称に配置されることに
なる。
【0032】さらに、別のヒータ保持手段としては、ヒ
ータの外装パイプがステンレスなどの非磁性材の場合に
は採用できないが、鋼製等の磁性材の場合に、これに吸
着可能なマグネットを保持部に固定すれば、ヒータの固
定が容易に行える利点がある。この場合のマグネットの
配置位置は、ヒータの上面あるいは側面のいずれに吸着
可能な構成であってもよい。また、このマグネットによ
るヒータ保持手段は、上記挟持片による保持手段と併用
すれば、さらにそのヒータ保持効果が発揮できることに
なる。
【0033】上記溶接ジグにおいては、ヒータ保持体に
よりヒータを保持して、このヒータを基準にしてジグ本
体に担持される被溶接部を正しくセットする構成を採用
しており、ヒータ仮止め具に、ヒータを被加熱物の表面
と良好な接触状態を得られるようにする機能を与えてい
るが、この機能は溶接ジグにおいても達成し得るもので
ある。
【0034】そこで、本発明の溶接ジグにおいて、保持
部に被加熱物の磁性材に吸着可能なマグネットを有する
吸着部が付設された構成を採用可能とした。これによ
り、仮止め具が本来的に不要となり、ヒータの仮止めと
ヒータの保持とが同時に行えることになる。すなわち、
吸着部付きの溶接ジグをヒータに保持させた状態で、ヒ
ータを被加熱物の表面の所望位置に合わせれば、吸着部
が被加熱物に吸着するため、ヒータの仮止めと保持とが
同時に簡単に行えることになる。また、ヒータの位置を
変更する場合も、被加熱物から溶接ジグを取り外して変
更位置に据え付ければよい。
【0035】なお、被加熱物の表面は平面状のみなら
ず、曲面状の場合もあるので、このような曲面状の表面
にヒータを良好な接触状態に沿わせて仮止めする場合に
は、吸着部が保持部に対して揺動自在であることが望ま
しい。そこで、本発明では、吸着部が保持部に対してヒ
ンジを介して揺動自在とされている構成を採用可能とし
た。
【0036】さらに、このような吸着部が被加熱物に吸
着した場合、ヒータの高さが吸着部高さと合わないため
に、ヒータが被加熱物の表面と良好に接触しない場合が
想定される。そこで、本発明では、保持部にヒータの保
持高さを調整するための調整ネジが設けられた構成を採
用可能とし、ヒータ高さの調整を容易に行えるようにし
た。
【0037】また、ヒータ保持体をジグ本体に対して着
脱自在に取り付ける構成を採用すれば、ジグ本体の取り
替えのみで、ヒータ保持体を種々のヒータ固定具に対し
て適用でき、また、吸着部付きのヒータ保持体では、こ
れをヒータ仮止め具として使用できる利点がある。そこ
で、本発明では、溶接ジグの吸着部付きヒータ保持体と
同一構造のヒータ仮止め具を提供するものである。
【0038】なお、上記溶接ジグ及びヒータ固定具、並
びにヒータ仮止め具は、ヒータを保持し、かつ溶接等に
耐え得る材質であることが必要となることから、この特
性を発揮し得る金属材で構成するのが好ましいが、これ
に限らず、上記特性を発揮し得る耐熱性合成樹脂材から
構成してもよいことは勿論である。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。本発明は、被加熱物の表面にヒー
タを着脱自在に取り付けるためのヒータ固定具の被溶接
部を被加熱物に溶接するに際して、ヒータを被加熱物の
表面の所望位置にヒータ仮止め具を用いて仮止めし、そ
の後又はこれと同時に、ヒータ固定具の被溶接部を担持
した溶接ジグのヒータ保持体でヒータに保持させ、この
ヒータを基準にして、ヒータ固定具の被溶接部を被加熱
物の表面に溶接することにより、従来のように、被加熱
物の表面の溶接該当個所にマーキングを施すことを省略
するものである。
【0040】このヒータ固定具の一例を図1に示す。図
1は図27などに示すバグフィルタなどのホッパーの外
壁にシーズヒータを装着した状態を示す断面図であり、
このヒータ固定具1は、角形外装パイプに発熱体が内装
されたシーズヒータ2をホッパーなどの被加熱物3の表
面に沿わせて締め付け固定するための固定具であって、
シーズヒータ2の左右両側に溶接される一対のボルト4
と、このボルト4間に差渡し嵌合され前記シーズヒータ
2の上面からシーズヒータ2を被加熱物3側に押圧する
締付片5と、この締付片5を前記ボルト4に固定するナ
ット6とを備えたものである。ボルト4の溶接箇所7と
しては、通常のボルトの場合には、図1のごとく、ボル
ト頭部8と被加熱物3との間であるが、図5の(b)に
示すスタッドボルトの場合には、ボルト4の脚部9の下
端である。
【0041】このようなボルト付きヒータ固定具1に使
用される溶接ジグの第1の実施の形態を図2ないし図5
に基づいて説明する。図2は第1の実施の形態における
溶接ジグの斜視図、図3は同じくその平面図、図4は図
3のA−A断面図、図5はジグ本体の筒体部分を示すも
ので、(a)は通常のボルトを使用した場合の斜視図、
(b)はスタッドボルトを使用した場合の斜視図であ
る。
【0042】図のごとく、第1の実施の形態に係る溶接
ジグ11は、被溶接部であるボルト4を担持する金属製
のジグ本体12と、このジグ本体12に連結されシーズ
ヒータ2を保持するための金属製のヒータ保持体13と
を備えたものである。
【0043】ジグ本体12は、シーズヒータ2の左右両
側に配されボルト4を嵌合可能な円筒状の一対の筒体1
4と、この筒体14をシーズヒータ2を跨いで互いに連
結する板状の連結部15と、この連結部15の中央下端
部に固定されヒータ保持体13の保持部16の上面部に
ネジ17で連結固定される連結片18とを備えたもので
ある。
【0044】筒体14は、その中央孔径がボルト4の外
径よりもわずかに大径とされ、ボルト4を垂直に保持す
るように上下に長く形成されている。また、筒体14の
下端は、ヒータ保持体13によりシーズヒータ2を保持
した状態でボルト4の頭部8の高さ分以上の間隙を有す
るように、その高さが設定されている。
【0045】さらに、ヒータ固定具1を平面状の被加熱
物3のみならず、曲面状の被加熱物3に溶接する場合も
考慮して、被加熱物の曲率半径によって生じたシーズヒ
ータ2の設置位置とボルト4の下端溶接位置との間の高
低差を調整すべく、筒体14の下面とボルト頭部8との
間にC字形のばね座金19が介在されている。
【0046】このばね座金19によるボルト頭部8の高
さの調整は、筒体14間の距離60mmに対して0〜
2.7mm程度が可能であり、上記ホッパーなどの被加
熱物の曲率半径によるシーズヒータ2とボルト溶接位置
との高低差に十分対応できるものである。なお、ばね座
金19は、C字形の座金に限らず、コイルスプリングな
ど、種々の形態のものであってもよく、さらに調整高さ
も上記範囲に限られるものではない。
【0047】なお、ヒータ固定具として、図5の(b)
に示すスタッドボルト4を使用する場合、筒体14を挟
んで上下両端を両ナット6、20によってジグ本体12
の高さを調整するようにすれば、上記ばね座金19を使
用しなくてもよい。この場合、曲面状の被加熱物3によ
りシーズヒータ2とボルト溶接位置との間に生じた高低
差を、下部のロックナット20を上方に上げて、スタッ
ドボルト4の下端が被加熱物の表面に接触するように調
整すればよい。
【0048】次に、ヒータ保持体13について説明する
と、ヒータ保持体13は、図2のごとく、ヒータ保持手
段22付きの保持部16と、この保持部の左右両側に設
けられ被加熱物3の磁性材に吸着可能なマグネット24
を有する吸着部25とを備えたものである。
【0049】保持部16は、金属製のものであって、ジ
グ本体12の連結片18と連結する上面部26と、その
左右両側から垂下した挟持片27とにより、被加熱物3
側が開放した断面コ字形に形成されて成るものである。
【0050】この保持部16におけるヒータ保持手段2
2は、この実施の形態では、挟持片27間の間隔をシー
ズヒータ2の左右幅Dと同寸法に形成することにより達
成されている。その他のヒータ保持手段22は後述す
る。
【0051】さらに、この保持部16の上面部には、ヒ
ータの保持高さを調整するための前後一対の調整ネジ2
8が螺合されている。この調整ネジ28は、ヒータ保持
体13が吸着部25により被加熱物3に吸着した際に、
シーズヒータ2が被加熱物3の表面と良好に接触し得る
ようにシーズヒータ2の上面に当接させてシーズヒータ
2を下方に押し付けるためのものである。
【0052】前記吸着部25は、ヒータ保持部16の左
右両側に配置され下面にマグネット24を露出した直方
体形状のものであって、ヒータ保持部16に対してヒン
ジ34を介して揺動自在に連結されている。このヒンジ
34は、保持部16の上面に溶接固定された内側ヒンジ
片34aと、吸着部25の上面に溶接固定された外側ヒ
ンジ片34bと、これらヒンジ片34a,34bの内側
に形成された筒部34cに貫通されたヒンジ軸部34d
とを備えている。
【0053】このヒンジ34の軸方向はシーズヒータ2
の長さ方向に設定されているが、これに限らず、図6の
ごとく、シーズヒータ2の長さ方向と直交する方向に設
定されていてもよい。
【0054】次に、仮止め具35について説明すると、
仮止め具35の機能としては、ヒータを保持して被加熱
物に吸着する機能があればよいことから、上記吸着部2
5付きのヒータ保持体13と同一構造のものを使用すれ
ばよい。すなわち、ヒータ保持部16の左右両側に吸着
部25がヒンジ34を介して揺動自在に軸支され、ヒー
タ保持部16にはヒータ保持手段22が設けられたもの
であればよい。従って、以後の説明において、溶接ジグ
11と仮止め具35とで同一機能部品は同一符号を用い
て説明する。なお、ヒータ仮止め具35の実施の形態に
ついては図19ないし図25に示す。
【0055】上記構成において、シーズヒータ2を被加
熱物3の表面に取り付けるには、シーズヒータ2を被加
熱物3の表面に当て、その最良位置を決定し、次に複数
の仮止め具35で、その保持部16の左右の挟持片27
間でシーズヒータ2を挟み込み保持し、シーズヒータ2
を被加熱物3の所望位置に仮置きする。そうすると、被
加熱物3の表面形状に応じて保持部16に対して吸着部
25が揺動し、吸着部25のマグネット24が被加熱物
3の表面に吸着してシーズヒータ2の仮止めが完了す
る。
【0056】吸着部25により仮止めした場合に、シー
ズヒータ2が被加熱物3の表面から浮いている等、良好
な接触状態が得られていない場合には、調整ネジ28に
よってシーズヒータ2を被加熱物の表面に接触するよう
に押し付け調整する。シーズヒータ2が所望位置から外
れている場合には、マグネット24を被加熱物3から外
して、再び所望位置に仮止めし直す。
【0057】この後、又は上記仮止めと同時に、シーズ
ヒータ2に溶接ジグ11を取り付け、ヒータ保持体13
を上記仮止め時と同様な操作でシーズヒータ2に装着す
る。なお、この溶接ジグ11のヒータ保持体13は、仮
止め具35と同様な機能を有するので、仮止め具35を
省略して、溶接ジグ11で仮止め操作を行ってもよい。
【0058】この溶接ジグ11がヒータ保持体13によ
りシーズヒータ2に正しくセットされれば、溶接ジグ本
体12に担持されたボルト4はシーズヒータ2に対して
正しくセットされた状態となるので、このボルト4の頭
部8を被加熱物3の表面に溶接固定する。なお、ボルト
4の頭部8が被加熱物3の表面との間で適当にセットさ
れていない場合は、筒体14の上部のナット6の締め加
減を調整し、ボルト高さを調整する。
【0059】ボルト頭部8の溶接完了後、溶接ジグ11
を取り外し、次にヒータ固定具1の締付片5をボルト4
に嵌合して、平座金、さらばね座金、及びナット6等の
固定部材によりシーズヒータ2を被加熱物3の表面に押
し付け固定する。
【0060】このようにして、数個のヒータ固定具1に
よってシーズヒータ2の取り付けが完了したならば、仮
止め具35をすべて取り外し、ヒータ取り付け作業を完
了する。
【0061】なお、シーズヒータ2の被加熱物への最終
締め付け力調整は、原則としてシーズヒータ2の端子箱
側に設けられたヒータ固定具1をヒータ固定点として強
固に締め付け、他のヒータ固定具1においてはヒータの
被加熱物との熱膨張差による移動を許容する程度の締め
付け力で締め付ければよい。
【0062】上記溶接及びヒータ取り付け方法では、シ
ーズヒータ2を基準としてヒータ固定具1のボルト4を
溶接固定しているので、従来のマーキング方式に比べ
て、溶接作業が容易であるばかりか、固定されるシーズ
ヒータ2も被加熱物と良好な接触状態を保持し得る。
【0063】図6は溶接ジグ11の第2の実施の形態を
示す斜視図である。第1の実施の形態では、ジグ本体1
2がヒータ保持体13に対してネジ17により着脱自在
に連結されているのに対し、この第2の実施の形態で
は、ヒータ保持体13がジグ本体12に固定された一体
型の溶接ジグである点が特徴である。すなわち、この第
2の実施の形態では、ヒータ保持体13の保持部16の
上面部26の中央に、ジグ本体12の連結部15の下端
が溶接固定され、保持部16の前後両端にそれぞれ左右
一対の吸着部25がヒンジ34を介して揺動自在に軸支
されている。
【0064】左右一対の吸着部25は、ヒータ保持部1
6の上面にその長さ方向と直交する方向に溶接固定され
た内側ヒンジ片34aの左右両端に軸支されており、そ
のヒンジ34の軸方向が、シーズヒータ2の長さ方向と
直交する方向に設定されている。
【0065】上記構成における溶接ジグ11は、これに
保持するシーズヒータ2を被加熱物3の曲率に合わせて
沿わせる場合に有効となるものであり、吸着部25が被
加熱物3の曲率に合わせて吸着するので、シーズヒータ
2を被加熱物3の曲面に合わせて良好な接触状態で位置
合わせを行って、溶接ジグ11に担持されるボルト4を
正しい位置に溶接できる利点がある。
【0066】図7は溶接ジグの第3の実施の形態を示す
平面図、図8は同じくその側面図、図9は図7のB−B
断面図、図10はその正面図である。図のごとく、本実
施の形態の溶接ジグ11では、ジグ本体12とヒータ保
持体13とを備え、ヒータ保持体13には、そのヒータ
保持部16にヒータ保持手段22が設けられているのみ
であり、上記第1及び第2の実施の形態で示すような吸
着部25が存在しない。従って、この溶接ジグ11を使
用する場合には、上記第1及び第2の実施の形態と異な
り、仮止め具35が必須の条件となる。仮止め具35に
ついては、上記第1の実施の形態に示すヒータ保持体1
3と同様な仮止め具あるいは後述する仮止め具を使用す
ればよいので、ここでは、溶接ジグ11についてのみ説
明する。
【0067】この実施の形態の溶接ジグ11のジグ本体
12は、左右の筒体14と、これを連結する連結部15
とから構成され、この連結部15の中央下端の切欠部3
6にヒータ保持体13の保持部16の中央が溶接固定さ
れ、連結部15に逆U字形の取手37が溶接固定されて
いる。また、ヒータ保持体13は、断面コ字形の保持部
16に2つのヒータ保持手段22が設けられている。
【0068】第1のヒータ保持手段22は、保持部16
の左右の挟持片27の前後両端に螺合された左右幅調整
ネジ38であり、この調整ネジ38により、挟持片27
間の間隙よりも小さい幅のシーズヒータ2を挟圧保持す
るように構成されている。
【0069】第2のヒータ保持手段22は、保持部16
の上面部26の内側にネジ39により固定されたマグネ
ット40付きの吸着部41から構成されており、シーズ
ヒータ2の外装パイプが鋼製など磁性材からなる場合に
適用できる。
【0070】上記構成においては、シーズヒータ2の外
装パイプが磁性材で構成されている場合、まず、仮止め
具35により、シーズヒータ2を被加熱物3の所望箇所
に仮止めした後、溶接ジグ11の保持部16のマグネッ
ト41でシーズヒータ2に吸着させてシーズヒータ2に
溶接ジグ11を保持させる。これに合わせて、あるいは
シーズヒータ2が非磁性材である場合、調整ネジ38で
シーズヒータ2を締め付け保持させる。
【0071】その後、このシーズヒータ2を保持した状
態でボルト4の頭部8を被加熱物3に溶接固定し、その
後、溶接ジグ11を外し、ヒータ固定具1の締付片5を
取り付けてシーズヒータ2を固定すれば、シーズヒータ
2が被加熱物3に取り付けられる。その後、仮止め具3
5を取り外せば、ヒータ固定具の溶接作業及びヒータ取
付作業が完了することになる。
【0072】なお、左右の調整ネジ38は、シーズヒー
タ2を保持体16の中心位置に調整する機能も有するの
で、特に保持部16の内面吸着部40にシーズヒータ2
が吸着した場合、これを保持部16の中心位置に移動さ
せることができ、従来のようなマーキング作業が省略で
きる。
【0073】図11はヒータ固定具1の別の例とこれに
使用する溶接ジグの第4の実施の形態を示す斜視図、図
12はヒータ固定具の分解斜視図、図13はヒータ固定
具の組立斜視図、図14はヒータ固定具の正面断面図、
図15は同じく側面断面図、図16はジグ本体の平面
図、図17は同じくその側面図、図18は同じくその斜
視図である。
【0074】図11ないし図15に示すヒータ固定具1
は、シーズヒータ2の左右両側においてクランク状に湾
曲された左右一対の板状脚部45と、この脚部45間に
介在されシーズヒータ2の上面を押し付ける押さえ部4
6と、この押さえ部46の上面に配置された1本の押さ
えボルト47と、この押さえボルト47を回転自在に螺
合するボルト支え片48とを備えている。
【0075】左右一対の脚部45は、板状部材を折り曲
げてクランク状に形成されたものであって、被加熱物3
の表面に溶接固定される溶接部45aと、この溶接部4
5aから垂直に立ち上がる垂直部45bと、この垂直部
45bから内方へ折れ曲げられた支え片保持部45cと
から構成され、支え片保持部45c間の間隔はシーズヒ
ータ2を上方へ取り出せるように、シーズヒータ2の左
右幅よりも大に設定されている。
【0076】ボルト支え片48は、その左右幅が前記脚
部間の距離よりも大とされた板状部材であって、その前
後両端が上方へ折り曲げられて脚部45の支え片保持部
45cに係合する回り止め片49が形成されている。ま
た、支え片48の左右部は脚部45の支え片保持部45
cにネジ50によって着脱自在に固定されている。
【0077】そして、支え片48の中央には貫通孔51
が形成され、この孔壁にナット52が溶接されている。
【0078】押さえ部46は、板状に形成されたもの
で、その上面中央に押さえボルト47のボルト脚下端を
螺合するナット53が溶接されており、また左右両端に
は前記ネジ50を螺合するねじ孔54が形成されてい
る。さらに、押さえ部26の前後両端の左右端部にはシ
ーズヒータ2の左右方向への位置ずれを防止するための
位置ずれ防止片55が下方へ折り曲げ形成されている。
【0079】また、押さえボルト47の頭部側には上ナ
ット56が螺合されており、この上ナット56と支え片
48のナット52との間に溶接ジグ11のジグ本体12
の先端係合部57が係止可能とされている。
【0080】溶接ジグ11は、ジグ本体12とヒータ保
持体13とを備えており、ジグ本体12は、板材をクラ
ンク状に折り曲げて形成されたものである。このジグ本
体12の先端には押さえボルト47のボルト脚に係合可
能な凹状の係合部57が形成され、後端部には保持部1
6の上面部にボルト締め固定するためのボルト孔58が
形成されている。そして、この係合部57は、前記押さ
えボルト47のボルト脚に係合した状態で、支え片48
のナット52と上ナット56との間に着脱自在に挟着さ
れている。
【0081】一方、ヒータ保持体13は、図11のごと
く、断面コ字形の保持部16と、この保持部16の上面
部の左右両側にヒンジ34を介して揺動自在に支持され
たマグネット付きの吸着部25とを備えており、シーズ
ヒータ2は、保持部16の左右の挟持片27により挟持
されている。また、保持部16の上面部にはヒータ高さ
を調整するための調整ネジ28と、ジグ本体12を着脱
自在に固定するボルト締め部59が設けられている。
【0082】なお、上記実施の形態では、ヒータ保持体
13のヒータ保持手段を左右の挟持片27で構成した
が、図8及び図9に示す幅調整ネジ38あるいはマグネ
ット40付き吸着部41で構成してもよいことは勿論で
ある。
【0083】上記構成においては、上記他の実施の形態
と同様にシーズヒータ2を仮止め具35により仮止めし
た後、溶接ジグ11とヒータ固定具1とを一体化したも
のをシーズヒータ2の上面から被せ、溶接ジグ11のヒ
ータ保持体13の保持部16でシーズヒータ2を保持す
るとともに、吸着部25を被加熱物3の表面に吸着させ
る。
【0084】そうすると、溶接ジグ11のジグ本体12
に連結されたヒータ固定具1はシーズヒータ2に対して
正しくセットされた状態となるので、この状態で、ヒー
タ固定具1の脚部45を被加熱物3の表面に溶接する。
【0085】溶接が完了したならば、組立用ネジ50を
ヒータ押さえ部46が外れない程度に緩めて押さえ部4
6をシーズヒータ2の上面に載せる。そして、ヒータ押
さえ部46の位置ずれ防止片55がシーズヒータ22の
側面に位置するように押さえボルト47を締め付ける。
【0086】そうすると、ボルト支え片48は、その回
り止め片49と脚部45の支え片保持部45cとの協働
作用により、回転が規制されるので、押さえボルト47
の締め付け回転により、支え片48に対して押さえ部4
6が下方へ移動し、シーズヒータ2を被加熱物2の表面
に押し付けることになる。なお、ヒータ固定具1の溶接
完了後には、ネジ50が不要となるので適宜取り外して
おいてもよい。
【0087】シーズヒータ2の取り替え時においては、
押さえボルト47を弛めて支え片48と押さえ部46と
の連結状態を解除し、支え片48を下方に下げるか、あ
るいは斜めにして脚部45の間から取り外す。さらに、
同様にして押さえ部46も脚部45間から取り外せば、
脚部45の支え片保持部45c間の間隙がシーズヒータ
2の左右幅よりも大に設定されているから、シーズヒー
タ2を上方へ持ち上げて、この保持部45c間から抜き
取ることができる。
【0088】そして、新たなシーズヒータ2を上記とは
逆の手順で脚部間に介在させて被加熱物3の表面に接触
させ、押さえ部46および支え片48並びに押さえボル
ト47をセットし、押さえボルト47の締め付けによっ
てシーズヒータ2を被加熱物3の表面に設置することが
できる。
【0089】次に、ヒータ仮止め具35の構成について
説明する。このヒータ仮止め具35は基本的にヒータを
保持して、これを被加熱物3の表面に吸着する機能があ
ればよい。従って、上記溶接ジグ11の実施の形態のう
ち、ジグ本体12に対して着脱自在でかつ吸着部25が
付設されたヒータ保持体13と同様な構造を採用すれば
よいことになる。
【0090】そこで、ヒータ仮止め具35の実施の形態
を図19ないし図25に基づいて説明する。なお、ヒー
タ保持体13と同一機能部品については同一符号で示
す。図19はヒータ仮止め具35の第1の実施の形態を
示す斜視図、図20はその平面図、図21はその正面図
である。
【0091】この実施の形態のヒータ仮止め具35は、
図19のごとく、ヒータ保持手段22付きの断面コ字形
の保持部16と、この保持部の左右両側に設けられ被加
熱物3の磁性材に吸着可能なマグネット24を有する吸
着部25とを備えている。
【0092】この保持部16におけるヒータ保持手段2
2は、挟持片27間の間隔をシーズヒータ2の左右幅D
と同寸法に形成することにより達成されている。
【0093】さらに、この保持部16の上面部には、ヒ
ータの保持高さを調整するための前後一対の調整ネジ2
8が螺合され、吸着部25により被加熱物3に吸着した
際に、シーズヒータ2が被加熱物3の表面と良好に接触
し得るようにシーズヒータ2の上面に当接させてシーズ
ヒータ2を下方に押し付けるようにしている。
【0094】前記吸着部25は、ヒータ保持部16の左
右両側に配置され下端部にマグネット24を露出した直
方体形状のものであって、ヒータ保持部16に対してヒ
ンジ34を介して揺動自在に連結されている。このヒン
ジ34は、保持部23の上面に溶接固定された内側ヒン
ジ片34aと、吸着部25の上面に溶接固定された外側
ヒンジ片34bと、これらヒンジ片34a,34bの内
側に形成された筒部34cに貫通されたヒンジ軸部34
dとを備えている。
【0095】上記構成の仮止め具35は、シーズヒータ
2を被加熱物3の表面に当て、その最良位置を決定した
後に、この複数の仮止め具35の保持部16の左右の挟
持片27間でシーズヒータ2を挟み込み保持し、シーズ
ヒータ2を被加熱物3の所望位置に仮置きする。そうす
ると、被加熱物3の表面形状に応じて保持部16に対し
て吸着部25が揺動して、吸着部25のマグネット24
が被加熱物3の表面に吸着し、シーズヒータ2の仮止め
が完了することになる。
【0096】図22はヒータ仮止め具35の第2の実施
の形態を示す斜視図、図23はそのヒータ保持部の平面
図、図24はヒータ仮止め具の使用状態を示す側面図で
ある。
【0097】このヒータ仮止め具35の第2の実施の形
態では、ヒータ端子箱あるいはヒータ端部側の使用に適
したもので、図19に示すヒータ保持部16の端部にL
字形のストッパ60が溶接固定されたものである。
【0098】このL字形のストッパ60付きのヒータ仮
止め具35を鉛直あるいは傾斜した被加熱物3の下部に
配置して、ストッパ60の内面にシーズヒータ2の端部
を当接させてシーズヒータ2の上下方向への移動を阻止
する機能を備えたものである。また、図24のごとく、
このストッパ60をヒータ端子箱61(ターミナルボッ
クス)側のシーズヒータ2の湾曲部2aに配置すれば、
ストッパ60がシーズヒータ2の垂直部2bを支える機
能を有することになる。
【0099】ただ、ヒータ仮止め具35は仮止め完了後
はシーズヒータ2から取り外すことになるが、この際、
ストッパ60の存在と、シーズヒータ2の垂直部先端に
はヒータ端子箱61が存在するため、仮止め具35をシ
ーズヒータ2の長さ方向に沿ってその端部より引き出す
ことができなくなる。これを回避するため、図22のご
とく、L字形のストッパ60の先端と保持部16の端部
との間にシーズヒータ2の厚さよりも大なる開口部62
が形成されている。
【0100】この場合、ヒータ仮止め具35をシーズヒ
ータ2から取り外す際には仮止め具35をシーズヒータ
2の垂直部まで持ち上げた後に、開口部62から横方向
に引き抜けば、ストッパ60が存在していても仮止め具
を取り外すことができる。
【0101】図25はヒータ仮止め具の第3の実施の形
態を示す斜視図である。この第3の実施の形態のヒータ
仮止め具35は、ヒータ保持部16の左右両側に合計4
個のマグネット付き吸着部25を配置し、これらをシー
ズヒータ2の長さ方向と直交するヒンジ軸34dによっ
て揺動自在に支持したもので、シーズヒータ2の片側の
ヒンジ片34a,34bのいずれか一方のヒンジ片が保
持部16の上面に溶接固定されている。
【0102】このような構成を採用すれば、シーズヒー
タ2がその長さ方向で湾曲していても、これに合わせて
吸着部25のマグネットはヒンジ軸34dを中心に互い
に揺動して被加熱物3の表面形状に応じてシーズヒータ
2を仮止めすることができる。なお、図25のごとく、
シーズヒータ2として断面円形の丸形ヒータを使用する
場合には、断面コ字形の保持部16の内面を断面C字形
に形成するか、あるいは断面コ字形の保持部16の挟持
片27の内面両側にヒータ径寸法を保つゴム部材を貼付
け使用すれば、シーズヒータ2の保持がより一層容易に
なる。
【0103】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
よると、仮止めされたヒータに溶接ジグの保持部を保持
させるから、ジグ本体に担持されたヒータ固定具の被溶
接部がヒータを基準にして正しくセットされた状態とな
り、この状態で被溶接部を溶接するので、従来のように
マーキング作業により溶接を行う場合に比べ、溶接作業
が容易に行えるとともに、ヒータを被加熱物表面に対し
てより良い接触状態を保って設置できるといった優れた
効果がある。
【0104】また、ヒータ保持体及びヒータ仮止め具と
してマグネットを利用すれば、ヒータの位置変更の際、
あるいはヒータ保持体あるいは仮止め具の取り外し時に
おいて、取り外しが容易に行える利点がある。
【0105】また、保持部に対して吸着部がヒンジを介
して揺動自在に連結された構成を採用すれば、被加熱物
の表面が平面あるいは曲面であっても、これに対応して
ヒータを良好な接触状態で仮止めすることができる。
【0106】さらに、ヒータ保持体をジグ本体に対して
着脱自在な構成を採用すれば、ヒータ保持体を仮止め具
としても利用できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】被加熱物の外壁にシーズヒータを装着した状態
を示す断面図
【図2】第1の実施の形態における溶接ジグの斜視図
【図3】同じくその平面図
【図4】図3のA−A断面図
【図5】ジグ本体の筒体部分を示すもので、(a)は通
常のボルトを使用した場合の斜視図、(b)はスタッド
ボルトを使用した場合の斜視図
【図6】溶接ジグの第2の実施の形態を示す斜視図
【図7】溶接ジグの第3の実施の形態を示す平面図
【図8】同じくその側面図
【図9】図7のB−B断面図
【図10】その正面図
【図11】ヒータ固定具の別の例とこれに使用する溶接
ジグの第4の実施の形態を示す斜視図
【図12】ヒータ固定具の分解斜視図
【図13】ヒータ固定具の組立斜視図
【図14】ヒータ固定具の正面断面図
【図15】同じく側面断面図
【図16】ジグ本体の平面図
【図17】同じくその側面図
【図18】同じくその斜視図
【図19】ヒータ仮止め具の第1の実施の形態を示す斜
視図
【図20】その平面図
【図21】その正面図
【図22】ヒータ仮止め具の第2の実施の形態を示す斜
視図
【図23】そのヒータ保持部の平面図
【図24】ヒータ仮止め具の使用状態を示す側面図
【図25】ヒータ仮止め具の第3の実施の形態を示す斜
視図
【図26】ごみ焼却炉用バグフィルタシステムを示す図
【図27】その調温塔の下部にシーズヒータを設置した
例を示す拡大図
【符号の説明】
1 ヒータ固定具 2 シーズヒータ 3 被加熱物 11 溶接ジグ 12 ジグ本体 13 ヒータ保持体 14 筒体 15 連結部 16 保持部 22 ヒータ保持手段 24 マグネット 25 吸着部 27 挟持片 34 ヒンジ 35 ヒータ仮止め具

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加熱物の表面にヒータを着脱自在に取
    り付けるためのヒータ固定具の被溶接部を被加熱物に溶
    接するに際して、前記ヒータを前記被加熱物の表面の所
    望位置にヒータ仮止め具を用いて仮止めし、その後又は
    これと同時に、ヒータ固定具の被溶接部を担持した溶接
    ジグのヒータ保持体で前記ヒータに保持させ、該ヒータ
    を基準にして、前記ヒータ固定具の被溶接部を被加熱物
    の表面に溶接することを特徴とするヒータ固定具の溶接
    方法。
  2. 【請求項2】被加熱物の表面にヒータ固定具の被溶接部
    を溶接する際に使用される溶接ジグであって、前記被溶
    接部を担持するジグ本体と、該ジグ本体に取り付けられ
    ヒータを保持するためのヒータ保持体とを備えたことを
    特徴とするヒータ固定具の溶接ジグ。
  3. 【請求項3】ヒータの左右両側に溶接される一対のボル
    トと、このボルト間に差渡し嵌合され前記ヒータの上面
    からヒータを被加熱物側に押圧する締付片と、この締付
    片をボルトに固定するナットとを備えたヒータ固定具を
    被加熱物に溶接する際に使用される請求項2記載の溶接
    ジグにおいて、前記ジグ本体が、前記ヒータの左右両側
    に配され前記ボルトを嵌合保持可能な一対の筒体と、該
    筒体を前記ヒータを跨いで互いに連結する連結部とを含
    むヒータ固定具の溶接ジグ。
  4. 【請求項4】前記ヒータの設置位置と前記ボルトの頭部
    位置との間の高低差を調整するために前記筒体とボルト
    頭部との間に介在されるばね座金と、前記筒体の上部に
    螺合されたナットとを備えた請求項3記載の溶接ジグ。
  5. 【請求項5】ヒータの左右両側に溶接される一対の脚部
    と、該脚部間に介在されてヒータの上面を押さえる押さ
    え部と、該押さえ部の上面に配置され該押さえ部をヒー
    タの上面に圧接させるための押さえボルトと、該押さえ
    ボルトを回転自在に螺合するとともに前記脚部に回転不
    能に係止されたボルト支え片とを備えたヒータ固定具を
    被加熱物に溶接する際に使用する請求項2記載の溶接ジ
    グにおいて、ジグ本体の先端に前記押さえボルトに係合
    可能な係合部が形成された請求項2記載の溶接ジグ。
  6. 【請求項6】前記ヒータ保持体に、前記ヒータを保持す
    るためのヒータ保持手段が設けられた保持部を有する請
    求項2記載の溶接ジグ。
  7. 【請求項7】前記ヒータ保持手段が、ヒータの左右幅と
    同寸法の間隔をおいて設置されたヒータ挟持片を含む請
    求項6記載の溶接ジグ。
  8. 【請求項8】前記ヒータ保持手段が、ヒータの左右幅よ
    りも大なる間隔をおいて設置されたヒータ挟持片と、こ
    の挟持片にヒータ側に突出するように螺合された幅調整
    ネジとを含む請求項6記載の溶接ジグ。
  9. 【請求項9】前記ヒータ保持手段が、前記ヒータの磁性
    材に吸着可能なマグネットを含む請求項6記載の溶接ジ
    グ。
  10. 【請求項10】前記保持部に前記被加熱物の磁性材に吸
    着可能なマグネットを有する吸着部が付設された請求項
    6記載の溶接ジグ。
  11. 【請求項11】前記吸着部が前記保持部に対してヒンジ
    を介して揺動自在とされた請求項10記載の溶接ジグ。
  12. 【請求項12】前記保持部にヒータの保持高さを調整す
    るための調整ネジが設けられた請求項10又は11記載
    の溶接ジグ。
  13. 【請求項13】前記ヒータ保持体がジグ本体に対して着
    脱自在に取り付けられた請求項10又は11記載の溶接
    ジグ。
  14. 【請求項14】ヒータを被加熱物の表面の所望位置に仮
    止めするために使用されるヒータ仮止め具であって、請
    求項13記載の溶接ジグのヒータ保持体と同一構造であ
    ることを特徴とするヒータ仮止め具。
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