JPH10669A - 射出成形機のフィードバック制御装置 - Google Patents

射出成形機のフィードバック制御装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作動目的に応じて作動条件を異にする制御対
象の、前記作動条件をそれぞれの作動目的に適合する最
適条件に設定できるよう構成することにより、前記作動
目的を充分に達成する射出成形機のフィードバック制御
装置を提供する。 【解決手段】 射出装置１０のスクリュ１８を制御する
制御部３０を、スクリュの作動が実成形であるかパージ
であるか（作動目的）を判断する判断機能部４２と、実
成形またはパージ作動にそれぞれ対応するスクリュの射
出速度および射出圧力（作動条件）をそれぞれ設定する
速度および圧力条件設定部３４（Ａ，Ｂ）、３６（Ａ，
Ｂ）と、およびこれら条件設定部を前記判断機能部を介
して切換える切換部３８とから構成し、この制御部３０
により、スクリュ位置センサ３２ａと速度変換器３２ｂ
および圧力スイッチ３２ｃとからそれぞれ検出されるス
クリュの射出速度および圧力を、条件設定部からの制御
出力信号４０の値（設定目標値）と合致させるように、
切換弁１４等を介してフィードバック制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形機の制御
装置に係り、特に作動目的に応じて作動条件を異にする
制御対象に対するフィードバック制御装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】一般に、射出成形機のフィードバック制
御装置（以下、単に制御装置と略称する場合がある）
は、図２に示すように、切換弁１４から供給される油圧
ポンプ１２からの吐出圧油で駆動される射出シリンダ１
６と、この射出シリンダ１６でバレル１８ａ内を前進後
退する射出スクリュ１８とからなる、射出装置１０にお
いて、この射出装置１０が駆動装置（図示せず）を介し
て前進（後退）し、そしてその先端部射出ノズル２０
が、その前進限位置（図２の仮想線の位置）において閉
成された（図示状態の）金型２２内に挿着（ノズルタッ
チ）されることにより、溶融樹脂が金型２２内に射出さ
れて、製品が成形されるように構成されている。
【０００３】なお、切換弁１４の操作を含む装置全体の
制御は、制御部２４を介して行われ、そしてこの場合、
或る制御対象（例えば、射出スクリュ１８）に関して
は、その作動目的、すなわち前述の製品成形（実成形作
動）と樹脂変更処理（パージ作動）等に対応して、その
作動状態（位置）が変更される。すなわち、前記パージ
作動においては、射出装置１０は後退位置（図示位置）
に位置するように構成されている。
【０００４】従って、このような構成によれば、作動状
態が前述のように作動目的に応じて自動的に変更される
ので、射出成形機の操作性および安全性が大幅に向上す
ることができる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の射出成形機のフィードバック制御装置は、なお以下
に述べるように、改善されるべき難点を有していた。
【０００６】すなわち、前記従来の制御装置において、
例えばスクリュ（制御対象）は、前述したようにその作
動目的（実成形およびパージ）に応じて作動状態（射出
装置の前進および後退位置）が変更されるので、装置の
安全性等を向上することはできる。しかしながら、前記
従来の制御装置においては、その前記変更がスクリュの
作動状態のみに限定されいるので、換言すれば作動条件
（スクリュの射出速度等）には及ぼされていないので、
往々にして、作動目的のそれぞれのおよび／または双方
の効果が充分には達成されていなかった。
【０００７】因みに、スクリュの射出速度が、実成形お
よびパージ作動の双方において同一である場合には、こ
の射出速度は、実際的には前者に対しては低過ぎ、一方
後者に対しては高過ぎる。このため、前者においては制
御応答性等を害して、成形品の品質を低下し、また後者
においては、ハンチング現象等を発生して、安全性を損
ねる。すなわち、前記所期の効果が充分には達成し得な
いことは、一般的に明らかなことであった。
【０００８】そこで、本発明の目的は、作動目的に応じ
て作動条件を異にする制御対象に対しては、その前記作
動条件をそれぞれの作動目的に適合する最適条件に設定
できるように構成することにより、前記作動目的を充分
に達成することができる射出成形機のフィードバック制
御装置を提供することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明に係る射出成形機のフィードバック制御装置
は、作動目的に応じて作動条件を異にする制御対象と、
これらを含む制御対象をフィードバック制御する制御部
とからなる射出成形機のフィードバック制御装置におい
て、制御部は、制御対象の作動目的を判断する判断機能
部と、前記作動目的にそれぞれ対応する作動条件を設定
する条件設定部と、この条件設定部を前記判断機能部を
介して切換える切換部とを備えることを特徴とする。
【００１０】この場合、前記制御対象は射出スクリュで
あり、制御目的はパージおよび実成形作動であり、判断
機能部の判断基準は成形金型の閉成および射出ノズルの
金型挿着の判定であり、条件設定部の作動条件は射出ス
クリュの射出速度および射出圧力である場合に、特に好
適に適用することができる。
【００１１】本発明においては、作動目的に応じて作動
条件を異にする制御対象は、制御部の条件設定部、判断
機能部および切換部を介して、その作動条件をそれぞれ
の作動目的に適合する最適条件に設定することができ
る。従って、本発明によれば、前記制御対象の作動目的
が充分に達成されることは明らかである。
【００１２】
【実施例】次に、本発明に係る射出成形機のフィードバ
ック制御装置の実施例につき、添付図面を参照しながら
以下詳細に説明する。なお、説明の便宜上、図２に示す
従来の構造と同一の構成部分には同一の参照符号を付
し、詳細な説明は省略する。
【００１３】図１において、先ず本発明に係る制御装置
の構成は、基本的には、前記従来の構成（図２）と同一
である。従って、重複するが、理解を容易にするため再
び簡単に説明する。本発明の制御装置は、基本的には、
切換弁１４から供給される油圧ポンプ１２からの吐出圧
油で駆動される射出シリンダ１６と、この射出シリンダ
１６でバレル１８ａ内を前進後退する射出スクリュ１８
とからなる、射出装置１０において、この射出装置１０
が駆動装置を介して前進（後退）し、そしてその先端部
射出ノズル２０が、その前進限位置において閉成された
金型２２内に挿着（ノズルタッチ）されることにより、
溶融樹脂が金型２２内に射出されて、製品に成形され
る。なお、この場合、或る制御対象（本実施例において
は、射出スクリュ１８）は、その作動状態（位置）が、
その作動目的（実成形およびパージ作動）に応じて変更
されるように構成されている。また、参照符号３０は制
御部を示す。
【００１４】しかるに、本発明においては、前記構成に
おいて、切換弁１４等を介してスクリュ（制御対象）１
８を制御する前記制御部３０は、スクリュ１８の作動が
実成形であるかパージであるか（作動目的）を判断する
判断機能部４２と、実成形またはパージ作動にそれぞれ
対応するスクリュ１８の射出速度および射出圧力（作動
条件）をそれぞれ設定する速度条件設定部３４（Ａ，
Ｂ）および圧力条件設定部３６（Ａ，Ｂ）と、およびこ
れら条件設定部３４、３６を前記判断機能部４２を介し
て切換える切換部３８とから構成される。
【００１５】なお、判断機能部４２は、スクリュ１８の
作動目的の判断を、射出装置位置センサ４２ａで検出さ
れる閉成金型２２に対する射出ノズル２０のノズルタッ
チの有無から判定する。また、速度条件設定部３４およ
び圧力条件設定部３６に対する目標値の設定は、それぞ
れ速度指令手段３４ａおよび圧力指令手段３６ａを介し
て行われる。そして、これにより、制御部３０は、スク
リュ位置センサ３２ａと速度変換器３２ｂおよび圧力ス
イッチ３２ｃからそれぞれ検出されるスクリュ１８の射
出速度および圧力が、条件設定部３４、３６から出力さ
れる所定の制御出力信号４０の値（すなわち前記設定目
標値）と合致するように、前記切換弁１４等をフィード
バック制御する。
【００１６】このように、本発明においては、作動目的
に応じて作動条件を異にする制御対象（例えばスクリ
ュ）が、その作動目的（実成形およびパージ）に応じて
その作動状態（射出装置の前進および後退位置）と作動
条件（スクリュの射出速度および射出圧力）との双方
を、同時に変更設定し得る。従って、本発明によれば、
例えば前記スクリュの作動条件が、実成形およびパージ
作動にそれぞれ適合する最適条件に、自動的に変更設定
することができる。この結果、この実成形およびパージ
作動における成形品品質および安全性が共に向上するこ
とができると共に、その操作性も同時に向上することが
可能となる。
【００１７】以上、本発明の好適な実施例について説明
したが、本発明は前記実施例に限定することなく、その
精神を逸脱しない範囲内において多くの設計変更が可能
である。さらに、本発明においては、スクリュに限ら
ず、その他所要の制御対象に対しても、或いは２つ以上
の作動目的および作動条件に対しても、同様に適用する
ことができることは明らかである。
【００１８】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る射出
成形機のフィードバック制御装置は、要約的に説明する
と、作動目的に応じて作動条件を異にする制御対象に関
しては、その前記作動条件を、制御部に設けた条件設定
部、判断機能部および切換部を介して、前記作動目的に
それぞれ適合する最適条件に設定できるように構成する
ことができるので、前記制御対象の作動目的を充分に達
成することが可能となる。すなわち、例えば射出スクリ
ュに関しては、その実成形およびパージ作動における成
形品品質および安全性をそれぞれ向上し得ると共に、そ
の操作性も同時に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る射出成形機のフィードバック制御
装置の一実施例を示す概略構成説明図である。
【図２】従来の射出成形機のフィードバック制御装置を
示す概略構成説明である。
【符号の説明】
１０ 射出装置 １２ 油圧ポンプ １４ 切換弁 １６ 射出シリンダ １８ 射出スクリュ ２０ 射出ノズル ２２ 金型 ３０ 制御部 ３２ａ スクリュ位置センサ ３２ｂ 速度変換器 ３２ｃ 圧力センサ ３４（Ａ，Ｂ） 速度条件設定部 ３４ａ 速度指令手段 ３６（Ａ，Ｂ） 圧力条件設定部 ３６ａ 圧力指令手段 ３８ 切換部 ４０ 制御出力信号 ４２ 判断機能部 ４２ａ 射出装置位置センサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 作動目的に応じて作動条件を異にする制
    御対象と、これらを含む制御対象をフィードバック制御
    する制御部とからなる射出成形機のフィードバック制御
    装置において、制御部は、制御対象の作動目的を判断す
    る判断機能部と、前記作動目的にそれぞれ対応する作動
    条件を設定する条件設定部と、この条件設定部を前記判
    断機能部を介して切換える切換部とを備えることを特徴
    とする射出成形機のフィードバック制御装置。
  2. 【請求項２】 制御対象は射出スクリュであり、制御目
    的はパージおよび実成形作動であり、判断機能部の判断
    基準は成形金型の閉成および射出ノズルの金型挿着の判
    定であり、条件設定部の作動条件は射出スクリュの射出
    速度および射出圧力である請求項１記載の射出成形機の
    フィードバック制御装置。
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