JPH10506524A - スルホロブス種由来の新規な耐酸耐熱性酵素 - Google Patents

スルホロブス種由来の新規な耐酸耐熱性酵素

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JPH10506524A
JPH10506524A JP8504677A JP50467796A JPH10506524A JP H10506524 A JPH10506524 A JP H10506524A JP 8504677 A JP8504677 A JP 8504677A JP 50467796 A JP50467796 A JP 50467796A JP H10506524 A JPH10506524 A JP H10506524A
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フィリップ デヴェール
アントワーヌ アモリー
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Abstract

(57)【要約】 α−1,4加水分解活性及びα−1,6加水分解活性を有する、スルホロブス属の株由来の新規な耐酸耐熱性酵素を提供する。該酵素は、約2.5〜約4.5の高酸性pHにおいて、酵素の最大α−1,4加水分解活性を含む高レベルのα−1,4加水分解活性を発現することが可能である。該α−アミラーゼは更に、約90℃〜約120℃の高温において、酵素の最大α−1,4加水分解活性を含む高レベルのα−1,4加水分解活性を発現することが可能である。特に、本願明細書においては、S. アシ ドカルダリウス種の株、特にスルホロブス アシドカル ダリウスDSM639由来の該酵素を開示する。更に、該新規酵素を使用した、改良された澱粉分解(液化及び糖化)方法についても開示する。

Description

【発明の詳細な説明】 スルホロブス種由来の新規な耐酸耐熱性酵素 本発明は、スルホロブス属の株、特に、スルホロブス アシドカルダリウス(Sulfolobus acidocaldarius )の株由来の、α−1,4加水分解活性を有する新規 な耐酸耐熱性酵素、及び澱粉分解における該新規酵素の使用に関する。 α−アミラーゼ(E.C.3.2.1.1)は、澱粉、アミロペクチン及び澱粉のα−1,4 加水分解活性を有する加水分解酵素である。これらの酵素は、様々な工業用途に 使用されている。このような工業用途では、使用するα−アミラーゼが、高度の 耐酸性及び/又は高度の耐熱性を有することが要求される。 このようなα−1,4加水分解活性を有する(α−アミラーゼのような)耐酸 耐熱性酵素の重要な工業用途は、グルコースのような糖の生産のための澱粉の酵 素分解(加水分解)である。澱粉は、α−1,4及びα−1,6結合により結合し たグルコース単位から構成されているので、完全に加水分解するためには、基質 特異性の異なる多数の酵素を使用することが必要である。この酵素分解プロセス は、液化と糖化の2つの酵素工程を含んでいる。 液化工程では、通常は澱粉の顆粒が、α−アミラーゼの存在下で水中にスラリ ー化される。このスラリーは通常は酸性であり、約4.0のpHを有することが できる。スラリー化した顆粒/α−アミラーゼを次いで、急速に温度を約105 ℃〜110℃に上昇させるジェットクッカー中を通過させることにより、熱糊化 する。数分後、スラリーの温度を90℃〜95℃に下げ、その温度に少なくとも 1時間保持する。 液化に通常使用されるα−アミラーゼは、B.リケニホルミス及びB.ステア ロサーモフィラス由来のものである。これらのα−アミラーゼは、澱粉を加水分 解し、デキストリンを可溶化し、さらに加工して(糖化工程で)、グルコースシ ロップのような糖シロップを製造するのに好適な低粘度の加水分解物を与える。 残念ながら、これらのα−アミラーゼの使用には、液化工程で2つの主要な調整 を行うことが必要である。 液化工程で汎用のα−アミラーゼを使用可能とするのに必要な第一の調整は、 澱粉スラリーの普通の酸性pHを約4.0から約5.5〜約6.5に上昇させるこ とである。α−アミラーゼの最大酵素活性を発現させるためにはこのような調整 が必要である(実際には、B.リケニホルミス由来のα−アミラーゼの至適pH は約6.0である)。このような調整はまた酵素にとっても必要である。という のは、液化条件では、この酵素は、6より低いpHにおいて比較的不安定である からである。 しかし、液化工程で澱粉スラリーのpHを高くすることには、不利益がある。 これらの不利益には、着色の増加、濾過の問題を起こす恐れ、及びマルチュロー スの生成がある。マルチュロースは、(後続の)糖化工程で、デキストロースに 加水分解されないので、収率が低下する。このように、高いpHで液化を行うこ とは、α−アミラーゼにとって通常は有利であると考えられるが、このプロセス にとっては、不利であると考えられる。 液化工程で汎用のα−アミラーゼを使用可能とするのに必要な第二の調整は、 酵素を安定化するためにカルシウムイオンを使用することである。実際に、B. リケニホルミス由来のα−アミラーゼを、液化条件で安定化するには少なくとも 50ppm(100万分の1)のカルシウムが必要である。カルシウムイオン濃 度が高くなるに従ってα−アミラーゼの安定性が高くなり、液化媒体がより低い pHを有することができるようになる。しかし残念ながら、これらのカルシウム イオンの存在は、高フルクトースシロップの製造の際の精製工程を妨害する。従 って、液化工程におけるカルシウムイオンは低濃度であることが好ましい。 汎用のα−アミラーゼを使用することによりもたらされるもう一つの不利益は 約110℃より高い温度で、液化条件において、汎用α−アミラーゼが変性(失 活)することである。このため、汎用のα−アミラーゼを使用する場合、液化工 程の温度は、約90〜約110℃の範囲内に制限される。しかし、(約100℃ よりも高い)約120℃までのより高い温度を液化工程で使用することができれ ば溶解固形分濃度を高くすることが可能になる。 糖化工程(デキストロースシロップの製造における第二の工程)では、液化に より得られるマルトデキストリンが、アスペルギルスの株由来の細菌グルコアミ ラーゼ(例えば、ソルベイ社のOptidex R);及びリゾプスの株由来の細菌グルコ アミラーゼにより、グルコースに転換される。使用するグルコアミラーゼの至適 pH及び至適温度条件で糖化を行うことが重要である。また、糖化の際に、液化 に使用したα−アミラーゼが、(低濃度であることにより)このプロセスを妨害 するような酵素活性を発現しないことも重要である。 アスペルギルスの株由来のグルコアミラーゼのような汎用のグルコアミラーゼ の至適pHは、高酸性(約pH4.0)であるので、糖化は、高酸性条件(pH4. 0〜4.5)で行うことが最も好ましい。さらに、汎用グルコアミラーゼの至適温 度は約60℃であるので、糖化は、約60℃で行うことが最も好ましい。このよ うに、至適条件を得るためには、液化澱粉懸濁液のpHを再び調整し、今度は、 約6.0から、液化後の4.5以下まで低くし、温度を約60℃にすることが必要 である。 残念ながら、このようにさらにpH調整を行うことは、糖化される澱粉懸濁液 中の塩(α−アミラーゼを安定化するために液化の際に添加しなければならなか ったかもしれない塩を含む)の濃度を高くすることになる。この塩濃度の上昇に より、澱粉懸濁液のイオン強度が高くなる。このようなイオン強度の上昇は、そ れが、フルクトースシロップの製造の際の後続の精製工程を妨害するという点で 好ましくない。 以上のことから、澱粉のα−1,4加水分解活性を有する酵素であって、液化 条件で耐酸性であり、かつ、液化の際に起こるような高酸性pHにおいて、最大 のα−1,4加水分解活性を発現することができるような酵素を提供することに より、酵素液化の際の中間pH調整の必要性を無くすことが望ましいことがよく 理解できる。また、このような酵素は、液化条件で耐熱性であり、かつ液化の際 に使用される温度で、好ましくは、液化の際の温度よりも高い温度でも、最大の α−1,4加水分解(酵素)活性を発現することができることが望ましいことも よく理解できる。さらにまた、このような酵素は、液化条件でカルシウムイオン 濃度に本質的に依存することなくそのα−1,4加水分解(酵素)活性を発現す ることができることが有利であることもよく理解できる。最後に、このような酵 素は、糖化条件で、糖化プロセスを妨害するようなα−1,4加水分解(酵素) 活性を発現し ない(活性が低い)ことが望ましいこともまた良く理解できる。 最後に、このような酵素を提供することは、現在α−アミラーゼを普通に使用 している他の用途にとって、及び/又は、α−1,4加水分解活性を有するこの ような酵素を現在は普通に使用していないが、このような活性が望ましい用途、 特に高酸性pH及び/又は高温条件が関与するような他の用途に有益であること も良く理解できる。 このような酵素が、特に澱粉から糖を生産する際にもたらすであろうこのよう な利点にも拘らず、我々の知る限り、このようなα−アミラーゼはこれまでに知 られていないし、単離及び/又は精製もされていない。それにも拘らず、スルホ ロブス 属、特に本発明の酵素が由来する株である、スルホロブス アシドカルダ リウス DSM639が発見され、公的カルチャーコレクションに寄託され、多年 にわたり一般公衆が入手可能とされていることは事実である。 スルホロブスの他の株由来のα−アミラーゼは公知であるが、これらのα−ア ミラーゼが、上述の特性(特に、望ましい耐酸性)を有することは知られていな い。スルホロブスの他の種由来のその他の公知α−アミラーゼの例としては、 ルホロブス ソルファタリカス種由来のα−アミラーゼがある(Lamaら、Biotec hnology Letters,1990,12:431-432、及びLamaら、Biotech Forum Europe,199 1,8:201-203 参照)。このα−アミラーゼ(これは本発明のα−アミラーゼと は極めて異なるものである)は、至適pH5.5、至適温度70℃を有する。残 念ながら、これらの性質はいずれも、澱粉を酵素分解して糖にする、液化工程を 含む多数の工業用途に汎用のα−アミラーゼの使用を制限しているように、スル ホロブスのこの種由来のα−アミラーゼの使用を制限するものである。 スルホロブス ソルファタリカス由来のα−アミラーゼを液化に使用すること によりもたらされるさらに他の問題は、それが細胞内で生産されること、及びそ れがトレハロースの合成を触媒することである。事実、我々は、スルホロブス種 が菌体外に分泌するいかなる耐酸性α−アミラーゼも知っていない。 我々はまた、パイロコッカス(Pyrococcus)属の株由来の耐酸性α−アミラー ゼの存在を知っている(国際特許出願 WO 90/11357)。残念ながら、このα−ア ミラーゼの酵素活性は本質的にカルシウムイオンに依存しないものの、その最大 活性は、pH5.2〜5.8、温度90〜105℃の範囲にある。従ってこの酵素 は、上記pHで行われる液化プロセスの至適条件下で作用することはないものと 思われる。さらにこの酵素は、液化プロセスにおける典型的な95℃〜110℃ よりも高い温度で行われる液化プロセスでは、至適条件下で作用することはない ものと思われる。 プルラナーゼ(E.C.3.2.1.41)は、プルラン及び澱粉のα−1,6加水分解活 性を有する周知の加水分解酵素である。プルラナーゼも、糖化をはじめとする様 々な工業用途で使用されている。残念ながら、糖化の際に懸濁液のpHを(汎用 のグルコアミラーゼに至適のpHに)調整すると、汎用プルラナーゼの至適pH (pH約6.0)より低いpHを有する懸濁液になってしまう。 プルラナーゼを液化に使用することは望ましいが、汎用のプルラナーゼは、上 述のより低い(自然に生じる)pHをはじめとする、液化工程のプロセス条件で 良好な酵素活性を有していない。従って、プルラナーゼは、その望ましさにも拘 らず、液化工程で普通は使用されていない。 従って、液化(約90℃〜約110℃)及び/又は糖化(約60℃)において 使用される温度、高酸性pH(好ましくは、2.5 〜4.5 の範囲)で、澱粉のα− 1,6加水分解活性を好適に(好ましく最大に)発現することができ、液化及び /又は糖化の際の高酸性pHにおいて、良好なα−1,6加水分解(酵素)活性 を発現することができるような、澱粉のα−1,6加水分解活性を有する酵素を 提供することが、さらに有利なことであることがわかる。 アミロプルラナーゼは、アミロースと澱粉のα−1,4加水分解活性を有し、 かつプルランと澱粉のα−1,6加水分解活性を有する、あまり知られていない 加水分解酵素である。アミロプルラナーゼは、バチルス属、サーマス属、クロス トリジウム 属、サーモアナエロビウム属、サーモアナエロバクター属、パイロコ ッカス 属及びサーモコッカス属の種が天然に生産することが知られている。しか し、我々は、スルホロブス属の種又は株由来のアミロプルラナーゼについては知 らない。 従って、液化(約90℃〜約110℃)及び/又は糖化(約60℃)の際の温 度、高酸性pH(好ましくは、2.5 〜4.5 の範囲)で、澱粉のα−1,4加水分 解 活性及び/又はα−1,6加水分解活性を好適に(好ましく最大に)発現するこ とができ、かつ液化及び/又は糖化の際の高酸性pHにおいて、良好なα−1, 4加水分解活性及び/又はα−1,6加水分解(酵素)活性を発現することがで きるような、澱粉のα−1,4加水分解活性と澱粉のα−1,6加水分解活性を有 するアミロプルラナーゼを提供することが、さらに有利なことであることがわか る。 本発明の主要な目的は、酵素、特に、澱粉を加水分解して、グルコースのよう な糖を生産することができ、液化の際の温度(約90℃〜110℃)で、耐酸性 であり、かつ至適pHが2.5 〜4.5 であって、液化の際のpHをはじめとする高 酸性pHにおいて最大のα−1,4加水分解(酵素)活性を発現できるような、 澱粉のα−1,4加水分解活性を有する酵素を提供することである。 本発明のもう一つの主要な目的は、酵素、特に、液化の際のpHで、耐熱性で あり、かつ約90℃〜約110℃の至適温度を有し、液化の際の温度をはじめと する高温で最大のα−1,4加水分解(酵素)活性を発現することができる、澱 粉のα−1,4加水分解活性を有する酵素を提供することである。 本発明のさらにもう一つの主要な目的は、液化の際のpHで耐熱性であり、か つ液化の際の典型的な条件(約110℃〜約120℃の温度)より高い至適温度 を有し、このようなより高い温度で最大のα−1,4加水分解(酵素)活性を発 現することができ、液化する溶解固形分濃度を高くすることができるような、澱 粉加水分解酵素を提供することである。 本発明のさらに他の目的は、澱粉加水分解酵素、特に糖化の際の典型的なpH 及び温度(pH約4.0 〜約4.5、温度約60℃)で、このプロセスを妨害するよ うな酵素活性を発現しない(酵素活性が低い)、澱粉加水分解酵素を提供するこ とである。 本発明のさらに他の目的は、液化の際の典型的なpH及び温度条件で、そのα −1,4加水分解(酵素)活性が、カルシウムイオンの存在に本質的に依存する ことがなく、液化の際にカルシウムイオンを添加する必要がなく、従って、添加 されたカルシウムイオンが、酵素のα−1,4加水分解(酵素)活性発現能力を 低減することがないような、澱粉加水分解酵素を提供することである。 本発明のさらに他の主要な目的は、高酸性pH及び/又は高温において安定で あり、かつ高度のα−1,4加水分解(酵素)活性を発現することができる、澱 粉のα−1,4加水分解活性を有する酵素を提供することにより、汎用α−アミ ラーゼの場合に必要とされる酵素液化の際の中間のpH調整を不要にする、長期 間に渡って要望されている手段を提供することである。 本発明のさらなる目的は、菌体外に生産される、このような澱粉加水分解酵素 を同定し提供することである。 本発明のさらに他の目的は、澱粉のα−1,6加水分解活性を有する酵素を提 供することである。 本発明の一態様では、さらなる目的は、本発明の酵素を含み、澱粉を加水分解 してグルコースのような糖を製造することができる酵素組成物を提供することで ある。 本発明の他の態様では、本発明の他の主要な目的は、液化を、液化するスラリ ーの通常の酸性pHで行うことができ、従って、該スラリーの中間pH調整を不 要とした、酵素加水分解による澱粉液化のための改良された方法を提供すること である。 本発明のさらに他の態様では、さらなる目的は、連続する液化及び糖化工程で 澱粉をグルコースのような糖に分解するための改良された方法であって、液化を 澱粉のα−1,4加水分解活性を有する酵素を用いて行い、液化及び/又は糖化 の際の澱粉スラリー及び/又は液化澱粉懸濁液のpH及び/又はカルシウムイオ ン濃度を、該酵素に合わせて調整する必要がなく、従って、このブロセスを損な うことがない、上記方法を提供することである。 これに関連し、さらなる本願発明の目的は、澱粉液化の方法を提供するもので あるが、この方法において、液化する澱粉スラリー中のより高い溶解固形分濃度 を与えるように、液化を上記に述べた温度(90℃〜110℃)より高温で行っ てもよい。 本願発明のその他の第一の目的は、澱粉のα−1,4 加水分解活性を有する酵素 を使用する方法を提供することであり、この酵素は、澱粉スラリーが液化し得る pH範囲及び/又は温度範囲において、高レベルのα−1,4 加水分解(酵素)活 性、さらに好ましくは最大のα−1,4 加水分解(酵素)活性を発現することが可 能である。このように、pHの調製及び/又はカルシウムイオンの澱粉スラリー への添加の必要性はなく、従って、それから得られた液化澱粉懸濁液の溶解固形 分濃度は上昇し、かつ得られる液化澱粉懸濁液のイオン強度による次の精製工程 (フルクトースシロップ生成のための)の妨害が低減及び/又は排除される。 本願発明に従い、特に、スルホロブス アシドカルダリウス種を含むスルホロ ブス属の種から誘導される澱粉のα−1,4 加水分解活性を有する新規な酵素が開 示される。特に、そのような酵素の例として、スルホロブス アシドカルダリウ DSM 639 株由来のα−1,4 加水分解活性を有する酵素が記載される。 この明細書において、酵素、ヌクレオチド、及び微生物(例えばスルホロブス) 株に関連して、“〜由来の”という用語は、その言及される酵素及びヌクレオチ ドが、その“〜由来の”と言われる特定の微生物株生産のもの(起源を有するも の)を意味する。これに関連して、S.アシドカルダリウスDSM 639 由来の酵素 及びヌクレオチドとは、S.アシドカルダリウスDSM 639 が生産する(起源とす る)酵素及びヌクレオチドを意味する。この定義は、(ヌクレオチドの場合には) 適する宿主有機体に挿入され(形質転換に使用され)、及び(酵素の場合には) 形質転換した宿主により分泌された、上述の酵素及びヌクレオチド配列と同じで ある、酵素及びヌクレオチド配列を含む。この定義はまた、酵素及びヌクレオチ ドの変異体(mutants 及びvariants)及び誘導体を含む。 この明細書において、用語“変異体(mutants 及びvariants)”が、酵素に対 して使用される場合には、由来する(起源)アミノ酸配列及び/又は構造を当業 者により周知の方法によって変化させることにより得られる酵素を意味し、その ような変化とは、それをコードする構造遺伝子のDNAヌクレオチド配列の変化 及び/又は直接置換及び又は酵素のアミノ酸配列及び/又は構造を変化させる方 法による。 この明細書において、用語“変異体(mutants 及びvariants)”が、ヌクレオ チドに対して使用される場合には、UV及び化学変異化のような当業者に周知の 方法により、由来(起源)の状態の(ヌクレオチド)及び/又は順番の(配列) の変化を行うことにより得られるヌクレオチド及びヌクレオチド配列を有する、 ヌクレオチドを意味する。 この明細書において、用語“変異体(mutants 及びvariants)”が、微生物(スルホロブス アシドカルダリウスDSM 639 を例とする)に対して使用される場 合には、例えば、α−1,4 加水分解活性を有する酵素をコードする構造遺伝子の DNAヌクレオチド配列を変化することにより得られる細胞を意味する。 酵素は、澱粉を加水分解してグルコースのような糖を生成し得る加水分解酵素 である。非常に酸及び熱安定性がよく、好ましい至適pH及び温度を示す。 好ましくは、該酵素はさらに澱粉におけるα−1,6加水分解活性を有する。 この明細書において、本願発明の酵素に関する“α−1,4 加水分解活性”とは 、澱粉及び/又はアミロペクチン及び/又はアミロースにおけるα−1,4 グリコ シル結合の加水分解的開裂を行う酵素活性を意味する。 この明細書において、本願発明の酵素に関する“α−1,6加水分解活性”と は、澱粉及び/又はアミロペクチン及び/又はアミロースにおけるα−1,6グ リコシル結合の加水分解的開裂を行う酵素活性を意味する。 さらに、本願発明によれば、澱粉のα−1,4 加水分解活性を有する新規な酵素 が開示され、これは、約90℃〜約110℃の温度範囲において(これらは液化 し得る温度である)約2.5 〜約4.5 という高酸性pHにおいて最大のα−1,4 加 水分解(酵素)活性を発現することが可能である。 これに関連して、本願発明の酵素の使用は、液化において、長く望まれている 、汎用のα−アミラーゼでは必要とされる液化するスラリーの中間のpH調整を 削除することを可能とする。 該酵素はさらに、澱粉のα−1,6加水分解活性を有することが好ましい。 さらに、本願発明によれば、澱粉のα−1,4 加水分解活性を有する新規な酵素 は、約2.5 〜約4.5 のpH範囲内で(液化し得るpH)、約90℃〜約110℃ という高温で、最大のα−1,4 加水分解(酵素)活性を発現することが可能であ る。 さらに、本願発明によれば、澱粉のα−1,4 加水分解活性を有する新規な酵素 は、約2.5 〜約4.5 のpH範囲内で(液化し得るpH)、約110℃〜約120 ℃という高温で(通常液化し得る温度より高温で)最大のα−1,4 加水分解(酵 素)活性を発現することが可能である。 これに関連して、本願発明の酵素の使用は、液化し得るpHにおいて、上記に 述べた温度より高温で液化することを可能とし、それ故液化する澱粉スラリー中 のより高い固形分濃度を与えうる。 さらに、本願発明によれば、この新規な酵素は、約4.5 のpHにおいて(液化 し得るpH)、約60℃の温度(この温度は通常糖化する温度である)でα−1 ,4加水分解(酵素)活性のレベルを発現し得、該温度は低すぎて、この工程を 妨げない。 この酵素は、液化し得るpH及び温度において、カルシウムイオンが澱粉スラ リー中に存在しても存在しなくてもα−1,4加水分解(酵素)活性を発現し得 るものであり、該酵素のα−1,4加水分解(酵素)活性は、液化の間、澱粉ス ラリーのカルシウムイオン濃度に依存しないことを必須条件とするようなもので あることが好ましい。 さらに本願明細書には、スルホロブス種由来の澱粉のα−1,4加水分解活性 を有する酵素が記載され、この酵素は推定分子量約95kDaを有し、及び/又 は最適pHが約3.0 〜4.0(約3.5)及び/又は最適温度が約110℃〜約115 ℃である。 該酵素はさらに、澱粉のα−1,6加水分解活性を有することが好ましい。 さらに本願明細書には、S.アシドカルダリウス種株(特に、スルホロブス アシドカルダリウス DSM 639 を含む)を例とする、スルホロブス属の種由来の澱 粉のα−1,4加水分解活性を有する新規な酵素が記載されており、該酵素は、 液化し得るpHにおいて、液化の際に澱粉スラリーのpH調整及び/又はカルシ ウムイオン濃度の上昇を行うことなく最大のα−1,4加水分解(酵素)活性を 発現し得る酵素である。該酵素はさらに澱粉のα−1,6加水分解活性を有する ことが好ましい。 さらに、本願明細書には、スルホロブス アシドカルダリウス種株(特に、 ルホロブス アシドカルダリウスDSM 639 を含む)を例とする、スルホロブス属 の種由来の澱粉のα−1,4加水分解活性を有する新規な酵素が記載されており 、該酵素は、液化し得る温度範囲(約90℃〜約110℃)において最大のα− 1,4加水分解(酵素)活性を発現し得る酵素である。該酵素はさらに澱粉のα −1, 6加水分解活性を有することが好ましい。 さらに、本願明細書には、スルホロブス アシドカルダリウス種株(特に、 ルホロブス アシドカルダリウスDSM 639 を含む)を例とする、スルホロブス属 の種由来の澱粉のα−1,4加水分解活性を有する新規な酵素が記載されており 、該酵素は、液化において、澱粉スラリーのpH調整、及び/又はカルシウムイ オン濃度の上昇を行う必要なく、液化し得るpH範囲及び温度範囲両方において 、最大のα−1,4加水分解(酵素)活性を発現し得る酵素である。 本願発明の他の観点において、適する担体中にα−1,4及び/又はα−1,6 加水分解活性を有する本願発明の酵素を有する酵素組成物が記載される。該組成 物は澱粉の液化に有用であることが好ましい。 本願発明の他の観点において、改良された澱粉の酵素的液化方法が記載され、 この酵素的液化では、液化されるスラリーの中間pHを調整する必要なしに、液 化が行われてもよい。 本願発明の他の観点において、澱粉をグルコースなどの糖へ分解する改良方法 が記載され、この分解は、液化及び/又は糖化のどちらの工程においても澱粉ス ラリーのpHを調整する必要なしに、連続的な液化及び糖化を行ってもよい。 さらに、本願明細書には、澱粉をグルコースなどの糖へ分解する改良方法が記 載され、この分解は、液化及び/又は糖化のどちらの工程においても澱粉スラリ ーのカルシウムイオン濃度を上昇(又は調整)させる必要なしに、連続的な液化 及び糖化を行ってもよい。 さらに、本願明細書には、澱粉をグルコースなどの糖へ分解する改良方法が記 載され、この分解は液化及び/又は糖化のどちらの工程においても、澱粉スラリ ーのpHの調整、及び/又は澱粉スラリーのカルシウムイオン濃度の上昇をさせ る必要なしに、連続的な液化及び糖化を行ってもよい。 本願発明には、改良された澱粉の酵素的液化方法が記載され、そのような液化 は、液化される澱粉スラリー中により高い濃度の溶解した固体を与えるように、 通常液化される温度(90−110℃)より高い温度(約110℃〜約120℃ の範囲)で行ってもよい。 これらの、又はその他の、本願発明の目的及び利点は以下の記載と図及び実施 例との組み合わせから明らかとなるであろう。 図1は、溶液Aからのα−1,4加水分解活性含有フラクションのクロマトグ ラムである。 図2は、酵素不存在下において、20時間インキュベートした澱粉から得られ たオリゴサッカライドの分布を示したクロマトグラムである(陰性比較例)。 図3は、本願発明の酵素存在下において、1時間インキュベートした澱粉から 得られたオリゴサッカライドの分布を示したクロマトグラムである。 図4は、本願発明の酵素と共に、5時間インキュベートした澱粉から得られた オリゴサッカライドの分布を示したクロマトグラムである。 図5は、本願発明の酵素と共に、20時間インキュベートした澱粉から得られ たオリゴサッカライドの分布を示したクロマトグラムである。 本願発明の加水分解酵素は澱粉におけるα−1,4加水分解活性及び澱粉にお けるα−1,6加水分解活性を有する新規な酵素であり、これらはS.アシドカ ルダリウスS.ブリエライ(S .brierleyi(Acidianus brierleyi))、S.メタ リカス(S.metallicus )、S.シバタエ(S .shibatae)及びS.ソルファタリカス (S .solfataricus)種の株を例とする、スルホロブス属の株(及び天然単離体) 由来のものである。 本願発明の酵素は、スルホロブス アシドカルダリウスDSM 639 株由来の、澱 粉のα−1,4加水分解活性を有する酵素を含む。 スルホロブス アシドカルダリウス株は、Mascheroder Weg 1b Braunschweig ,Federal Repablic of GermanyのDeutsch Sammlung von Mikroorganismen(DSM) に、DSM639という寄託番号で寄託されている。この株は公的に入手可能である。 これらの新規酵素は、また、約75℃において、約pH3.0 〜約pH3.5 の酸 性pH好気条件において成育可能な微生物株から誘導され得るものであってもよ い。 これらの酵素は、スルホロブス属の株(S.アシドカルダリウスDSM 639 株及 び他のS .brierleyi S .metallicusS .shibatae and S .solfataricus 種の 株)により細胞外に分泌される。 これらの酵素はまた、澱粉を分解してグルコースなどの糖への加水分解能を有 するEC3.2.1.1.と呼称される。 又は、これらの酵素は、EC3.2.1.41とも呼称され、これらは澱粉を分解して グルコースなどの糖への加水分解能を有する。これらの酵素はさらに、“アミロ プルラナーゼ”及び/又はプルラナーゼ(II)型という名称で呼ばれることもあ る。 これらの新規な酵素は、実施例3に示されるようにSDS−PAGE分析法に より、推定分子量約95キロダルトン(kDa)であると決定された。 本願発明の酵素の特に重要な性質は、その酸及び熱安定性並びに高温及び/又 は高酸性pHにおいても高レベルのα−1,4加水分解(酵素)活性を発現する ことである。これらの性質は特に、液化を行い得るpH及び温度において重要で ある。 本願発明の酵素を示すために、その性質を以下に、S.アシドカルダリウスDS M 639 由来の酵素の性質及び特徴を例として、述べる。S.アシドカルダリウス DSM 639は、他の種S.アシドカルダリウス種の株を含むスルホロブス属の他の 株により天然に(細胞外に)分泌される、澱粉のα−1,4加水分解活性を有す る、酸及び熱安定性酵素の代表例として挙げることができる。 約110℃(実際に液化し得る温度のほぼ上限)において、本願発明の新規な 酵素は約2.5 から約4.0 の範囲の非常に酸性なpH範囲(液化し得るpH範囲を 含む)において、(α−1,4加水分解活性における)至適pHを示し、約3.0 から約3.5 の範囲がさらに好ましい。約2.5 という低いpHにおいて、本願発明 の酵素は(上記α−1,4加水分解活性の)約97%の相対活性を示す。約2.0 という低いpHにおいても、これらの新規な酵素は依然としてかなりのα−1, 4加水分解(酵素)活性(約25%相対活性)を示す。 〔この明細書において、“相対活性”とは、実施例4及び5に記載された方法 により測定されたα−1,4加水分解(酵素)活性を意味する。〕 さらに、本願発明の酵素を液化に使用する際により重要なことに、約110℃ において、これらの酵素はpH約4.0 で(α−1,4加水分解活性の)約95% の相対活性を示し、pH約4.5 において(α−1,4加水分解活性の)約84% の相対活性を示す。事実、さらにこれらの酵素の適応性を示すと、これらは約5. 1 と いう高いpHにおいてもα−1,4加水分解(酵素)活性の実質的な部分を依然 として示す(“α−1,4加水分解(酵素)活性の実質的な部分”とは、ここで は、少なくとも約50%の相対α−1,4加水分解活性を意味する。) pH約3.5 において(液化し得るおよそ最低限のpH範囲)、本願発明の新規 な酵素は約110℃〜約115℃の範囲の非常に高温における至適温度を示す( 液化し得る温度を含む)。約90℃という低温において、これらの酵素は依然と して約48%の相対(α−1,4加水分解)活性を示す。約80℃という低温に おいても、これらの酵素はかなりのα−1,4加水分解(酵素)活性(約28% 相対活性)を示す。 本願発明の酵素を液化に使用する際にさらに重要なことには、約pH3.5 にお いて、液化し得る温度(約90℃〜約110℃)で本願発明の酵素は最大α−1 ,4加水分解活性の少なくとも約48%の活性を示し、かつ最大のα−1,4加水 分解(酵素)活性を示すことが可能である。特に、そのような条件において、こ れらの酵素は約90℃において約48%の相対(α−1,4加水分解)活性を、 約100℃において約81%の相対(α−1,4加水分解)活性を、約105℃ において約93%の相対(α−1,4加水分解)活性を、さらに約110℃にお いて約99%の相対(α−1,4加水分解)活性を、示す。 また、約pH3.5(液化し得るpH)において、本願発明の酵素はさらに約1 10℃〜約120℃の範囲の高い温度で最大のα−1,4加水分解(酵素)活性 を示す。特に、約110℃において、本願発明の酵素は約99%の相対(α−1 ,4加水分解)活性を示し、約115℃においてこれらの酵素は約100%相対 (α−1,4加水分解)活性を示し、さらに約120℃においてこれらの酵素は 約70%の相対(α−1,4加水分解)活性を示す。このように、これらの新規 な酵素は従来使用されるα−アミラーゼを使用した通常の液化における温度より 高温において、最大のα加水分解(酵素)活性を示し得る。そのような高温にお ける高レベルのα−1,4加水分解(酵素)発現は、液化する澱粉スラリーを通 常の可能な範囲よりも高い溶解固形分濃度とすることを可能とする。 結局、約pH 3.5で、本発明の酵素は、約70℃で約5%の相対(α−1,4加 水分解)活性しか発現せず、約60℃で約4%の相対(α−1,4加水分解)活性 しか 発現できないということに留意すべきである。この点において、上記温度及びp Hで、これらの酵素は、糖化の酵素活性を妨害できないほど、(無視できるほど )非常に低いα−1,4加水分解(酵素)活性のレベルを発現する。この点にお いて、本発明の酵素は、連続的な液化/糖化プロセスに使用するのにさらに適合 性がある。 本発明の酵素は、液化条件において遭遇する酸性側で高温条件下で非常に安定 であることにさらに留意すべきである。この安定性は、基質(可溶性マルトデキ ストリン(maltodextrin))の存在下だけでなく、基質が存在せず過酷な条件から 酵素を保護する、より厳しい条件でも、容易に明らかである。 特に、基質(可溶性マルトデキストリン)の存在下、約pH 3.5及び約 100℃ で、本明細書に開示する酵素は、約20分後、約94%の相対(α−1,4加水分解 )活性を示し、約30分後、約91%の相対(α−1,4加水分解)活性を示すこと を測定した。これらと同じ条件下で、これらの酵素は、約40分後、約74%の相対 (α−1,4加水分解)活性、約50分後、約70%の相対(α−1,4加水分解)活 性をなおも示す。実際、これらの酵素は、非常に酸安定かつ熱的安定であるので 、これらと同じ条件下で、約60分後、約72%の相対(α−1,4加水分解)活性 をなおも示す。 これらの過酷な酸及び熱的条件下、即ちα−1,4加水分解(酵素)活性の発 現能に悪影響を及ぼす条件下から酵素を保護する基質の不存在下で研究を行うと 、本発明の酵素の酸安定性かつ熱的安定性がより印象づけられるであろう。この 点、約pH 3.5及び約 110℃で、基質の不存在下で、本明細書に開示する酵素は 、約30分後、最大α−1,4加水分解(酵素)発現の実質的部分をなおも示す。 特に、これらの酵素は、約10分後、約79%の相対(α−1,4加水分解)活性、 約20分後、約65%の相対(α−1,4加水分解)活性、約30分後、約54%の相対 (α−1,4加水分解)活性をなおも示す。本発明の酵素は、約50分後であって も同じ条件下でのα−1,4加水分解(酵素)活性の驚くべきレベルを発現する ことにさらに留意すべきである。この点、これらの酵素は、約40分後、約28%の 相対(α−1,4加水分解)活性、及び約50分後、約22%の相対(α−1,4加水 分解)活性をなおも示す。 また、液化の際、これらの酵素は、澱粉スラリーのカルシウムイオンの存在( 又は不存在)に本質的に独立に、α−1,4加水分解(酵素)活性を発現するこ とができる。 結局、これらの酵素は、液化の際、Cu++、Zn++、Ni++、Co++、Ca++ 及び/又はMg++の存在に本質的に独立に、α−1,4加水分解(酵素)活性を 発現することができる。この点、これらのカチオンは、本発明の酵素のα−1, 4加水分解(酵素)活性を示す能力にほどんど無視できるほどしか影響を与えず 、カチオン10mMの存在下であってもほとんど影響を与えないということに留意 すべきである。約10mM未満の濃度で、酵素がα−1,4加水分解(酵素)活性 を示す能力の効果を事実上観察されなかった。 結局、本発明の酵素が澱粉のα−1,6加水分解活性をさらに有するというこ とに留意しなければならない。そうであれば、これは、液化及び/又は糖化に用 いる候補となる。 本発明の酵素は、構造的に同一に発現させることができ、スルホロブス属の株 、例えばS.アシドカルダリウス(DSM 639)により通常の天然の形態で、培 養肉汁(culture broth)に細胞外で分泌させることができる。 本明細書に開示する酵素は、当業界で公知の組換えDNA技術を用いて得るこ とができる。例えば、酵素をコードするDNAフラグメントを単離する工程、D NAフラグメントを適切なプラスミドベクターで適切な発現シグナルと組合わせ る工程、プラスミドベクターを適切なホスト(自律性複製プラスミド又は染色体 に集結された状態として)に導入する工程、酵素の発現を促す条件でホスト有機 体を培養する工程、及び培養肉汁から酵素を回収する工程のようなDNA技術で ある。これらの技術は、Molecular Cloning,Laboratory Mannual(Sambrook,F ritsch,Maniatis)2nd edition(1989)及びMolecular Cloning,A Laboratory M annual(Maniatis,T.,Fritsch,E.F.,and Sambrook,J.)Cold Spring Harb or Laboratory(1982)に記載されている。 このような組換え発現は、スルホロブス(例えばS.アシドカルダリウスDS M 639)の同じ株の他の培養により構造的に同一とすることができる。また、そ のような組換え発現は、スルホロブスの同じ種の他の株(例えばS.アシドカ ルダリウス の他の株)及び/又はスルホロブス属の他の種の株(例えばS .brier leyiS .metallicus S .shibatae 及びS .solfataricus 種の他の株)及び/ 又はバチルス種など、完全に他の属の株(例えばBacillus licheniformisB .s ubtilis B .alkalophilus B .lentus B .pumilus及びB .amyloliquefacie ns の株)及び菌類株、2つしか挙げられないが、例えばアスペルギルス(例えばAspergillus niger )及びクモノスカビ属(Rhizopus)により構造的に他のもの とすることができる。 いかなるアプローチをとるにかかわらず、さまざまに異なるホストからの酵素 は、さまざまな公知の交差反応同定試験(Axelsen,N.H.,Handbook of Immuno precipitation-in-Gel Techniques,Blackwell Scientific Publications(1983) ,Chapters 5 and 14参照のこと)を用いることにより、免疫学的に測定できる ように、同一又は一部同一の免疫化学的特性を有するであろう。 例えば、本発明の酵素の変形体の免疫学的交差反応は、組換え又は天然源であ る本発明の酵素の少なくとも1つのエピトープに対して生じるか又は該エピトー プと反応する抗体を用いてアッセイすることができる。モノクローナル又はポリ クローナルである、この抗体は、例えば、Hudson,et al.,1989,Practical Im munology,Third Edition(1989),Blackwell Scientific Publications に開示 されている当業界で公知の方法で製造することができる。免疫学的交差反応は、 上記のHudsonに記載されているような、例えばウェスターンブロット又は放射免 疫拡散アッセイのような、当業界で知られているアッセイを用いて測定すること ができる。 本発明の新規な酵素は、他の必須栄養素と共に同化できる炭素及び窒素を含む 栄養培養基で好気性条件下で、スルホロブス(例えばS.アシドカルダリウスD SM 639)の株を培養することによって製造することができる。培養基は、当業 界で公知の原則にしたがって、構成することができる。 培養の際、株は細胞外で本発明の酵素を分泌する。これにより、分解させずに 、例えば培養肉汁から多量の細胞を分離(例えば、濾過又は遠心分離)すること により、単離及び精製(回収)を達成することができる。得られた細胞フリーの 培養肉汁は、そのまま用いることができ、所望であれば、まず、(例えばエバポ レ ーション又は限外濾過により)濃縮してもよい。所望であれば、その後、酵素を 細胞フリーの肉汁から分離し、従来からの方法、例えばカラムクロマトグラフィ ーにより所望の程度までに精製するか又は結晶化することができる。 本発明の酵素は、培養肉汁から単離及び精製し、(1)ホスト培養の上清の濃縮 工程、(2)濃縮した上清をイオン交換カラムに通す工程、及び(3)濃縮した上清を 疎水性相互作用カラムに通す工程により、酵素を細胞外で分泌させるのが好まし い。 本発明の酵素は、その意図する応用にしたがって配合及び適用することができ る。この点、洗浄性組成物で用いたとき、酵素は、米国特許第 4,689,297号に記 載されている手順を用いるコーティングされている固形物として、発酵肉汁から 直接配合することができる。さらに、所望であれば、酵素は、好適な担体と共に 液状形態で配合することができる。所望であれば、酵素は固定化することもでき る。 本発明の酵素は、高酸性及び/又は高温条件下でのアミロース活性(amylotic activity)が含まれる、さまざまな工業的な応用に用いることができる。そのよ うな応用には、そのような活性が現在用いられている(例えば、液化)もの又は 酸性α−アミラーゼが現在用いられていないプロセスが挙げられるが、当業者に とって明白であろうように変更してもよい。そのようなプロセスには、食品工業 (例えば、ベーキング)、繊維の糊抜きのための繊維工業、アルコール発酵(醸 造目的及びアルコール製造)などがある。これらの酵素はまた、洗浄剤、澱粉ベ ースの生分解性プラスチック及びグルコース又はオリゴサッカライドからのポリ サッカライドの合成に用いることができる。 本発明の酵素は、澱粉がグルコースに分解する、連続の液化及び糖化ステップ での方法に用いることができる。その液化及び/又は糖化の際、澱粉スラリー/ 液化スラリー懸濁液のpH調整及び/又はカルシウムイオン制御の必要なしで、 本発明の酵素を用いることができる。 この点、本発明の酵素は、澱粉を分解(加水分解)させて分解生成物、例えば グルコースとするプロセス、例えば、液化及び/又は糖化で用いられる澱粉スラ リー/液化澱粉懸濁液のpH及びカルシウムイオン含量の双方を調整して酵素に 合わせる必要があるプロセスの手段とすることができる。 本発明の酵素は、澱粉を分解(加水分解)させて糖とするプロセス、例えば、 液化する澱粉スラリーの溶解固形物濃度が増大するように、液化において現在用 いられている温度より高温を用いるプロセスの手段とすることができる。 上記のように、本発明の酵素の使用により、液化及び/又は糖化の際に用いら れる澱粉スラリーのpHの調整及び/又はカルシウムイオン含量の増大の必要性 を除くことにより、本発明のプロセスにより達成されるグルコース生成物の効率 を増大させる。これにより、プロセスの効率が増大する。さらに、これらの酵素 の使用により、液化及び/又は糖化の際の澱粉スラリーのpH及び/又はカルシ ウムイオン濃度を調整するのに必要な化学物質の必要性を低下させてコストを低 下させる。 本発明はさらに、澱粉を糖、例えば、液化及び/又は糖化の際に澱粉スラリー のpH調整及び/又はカルシウムイオン含量の調整の必要なしに、連続の液化及 び糖化プロセスステップで澱粉をグルコースに分解(加水分解)させる改良方法 に関する。 澱粉の分解プロセスは、澱粉粒子を酵素の存在下、水とスラリー化させる標準 液化/糖化プロセスであってもよい。これらのプロセスは、Shetty and Allenin Cercal Foods World,33: 929-933(1988)に記載されている。スラリーのpH は、遭遇すべき約 3.5〜約 4.5天然酸性である。その後、スラリー粒子を、スラ リー温度を素早く約 105℃〜約 110℃にまで上昇させるジェットクッカー(jet cooker)に通して、熱でゼラチン化させた。その後、スラリーをその温度で数分 間保持し、その後約90℃〜約95℃にした。その後、スラリーをその温度で約1時 間保持した。pHを調整し、及び/又は安定剤(例えばカルシウムイオン)をスラ リーに添加して酵素を安定化させる間、pHの調整及び/又はカルシウムイオン の添加なしに、この全ての液化手順を行うことができることに留意すべきである 。 次に、フンガル・グルコアミラーゼ(fungal glucoamylase)(例えば、アスペ ルギルスの株由来)を液化澱粉懸濁液に添加してもよい。懸濁液の温度もまた、 約60℃までに下げる。その後、糖化を行う(pHが約 4.0〜約 4.5の間で)。こ の全ての糖化手順を、pH調整なしで行うことができることに留意すべきである 。 標準糖化プロセスの例は、Shetty and Allen in Cercal Foods World,33: 929- 933(1988)に記載されている。 所望であれば、酵素を糖化(α-1,6加水分解活性について)にも用いることが できる。 本発明はさらに、液化する澱粉スラリーの溶解した固形分濃度が増大するよう に、現在用いられている温度より高い温度で液化を行うことができる、澱粉をグ ルコースに分解(加水分解)する改良方法に関する。この点、所望であれば、化 するスラリーの熱クッカー温度を、約 110℃〜約 120℃まで上昇させることがで き、その温度で数分間保持した後、温度を下げる。 本明細書中、パーセンテージで表現されている希釈、量などは、特記しない限 り、単位体積当たりの重量%(w/v)で表されるパーセンテージである。本明細書 で用いられるとき、%(v/v)で表される希釈、量などは、単位体積当たりの体積 のパーセンテージに関する。 本明細書に関する温度は、摂氏で与えられる(℃)。 本発明の酵素及びこのような酵素を用いることができる液化及び糖化ステップ 並びに他の工程を記載したので、次の実施例は、例示のために提示するものであ る。したがって、限定するものとして理解すべきでなく、それを意図するもので もない。実施例1Sulfolobus acidocaldarius DSM 639による酵素製造 Sulfolobus acidocaldarius DSM 639の乾燥凍結培養液を、Deutsche Samml ung von Mikroorganismen(ドイツ)から得た。これは、寄託番号DSM 639で そこに寄託されたものであった。 培養基は、次の成分を含んで調製した。 KH2PO4 2.0mM Maldex 15(AMYLUM) 0.2%(w/v) (NH4)2SO4 10.0mM イースト抽出物(DIFCO) 0.2%(w/v) MgSO4・7H2O 1.0mM CaCl2・2H2O 0.5mM FeCl3・6H2O 0.07 mM その後、この培養基のpHをH2SO4で 3.0に調整し、滅菌した。 (Maldex 15、即ち可溶性マルトデキストリン基質を中性pHで別に滅菌した 。) この凍結乾燥した培養液を、培養基1mlに懸濁した。 各々培養基を40ml含む、5つの滅菌した 100mlのスクリューキャップ付き 容器にその後、S .acidocaldarius DSM 639培養懸濁液 200μlをそれぞれに 接種した。 接種したスクリューキャップ付き容器をその後、攪拌せずに75℃で2日間、イ ンキュベーター内で、傾斜させた位置に置いた。 その後、5つのサンプルを順番に用いて、1リットルのスクリューキャップ付 き容器にそれぞれ配置した培養基 400mlのそれぞれ5つのサンプルに接種した 。 その後、接種した 400mlのサンプルを、攪拌せずに75℃で2日間、インキュ ベーター内で、傾斜させた位置に置いた。 その後、5つのサンプルをプールし、S .acidocaldarius DSM 639の唯一の 2リットルの培養サンプルを形成した。 その後、上記の培養基をさらに60リットル調製し、発酵槽に入れた。 その後、発酵槽を上述で得られたS .acidocaldarius DSM 639の2リットル の培養液で接種した。 80リットル発酵槽内の培養液の発酵を、50 rpmの定常攪拌、75℃で行った。風 量速度は、5リットル/分(l/m)であり、内部圧を 0.1バールに一定に維持 した。そのような培養の90時間後、発酵槽肉汁を室温に冷却した。 上記の発酵により、特に発酵肉汁に本発明の酵素の細胞外製造を生じた。この ような酵素の存在を、以下の実施例2に示すように、その後、α−1,4加水分 解(酵素)活性の発酵肉汁を特異的にアッセイすることにより試験した。実施例2酵素の回収及び精製 実施例1に記載されたように得られた培養液の発酵肉汁を、その後、それから のバイオマスを除去するために、Microgon Kros FlowII中空ファイバーモジュー ル(直径 0.6mm、1m2、0.22ミクロン)を用いてマイクロ濾過(microfiltrat ion)を行った。このマイクロ濾過により、細胞フリーの溶液40リットルを製造し た。 脱イオン水15リットルを、その後、3つのステップでリテンテート(retentate )に添加し、細胞を洗浄し、細胞フリーの溶液55リットルを得た。この細胞フリ ーの溶液をその後、Amicon S10Y10 を通して限外濾過して3リットルに濃縮した 。この濃縮化溶液をその後、5mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH 3.5)10リット ルを段階的に濃縮化溶液に添加させるジアフィルトレーション(diafiltration) ステップを行った。得られた溶液を再度、同じAmicon S10Y10 膜で限外濾過して 最終的に3リットルにまで濃縮した。 次の濃縮ステップをその後、酢酸セルロースファイバーSGI(1.5m2、カッ トオフ15kD)を用いる限外濾過により行い、体積 250mlにした。 次いで、なお一層の濃縮工程を、Amicon YM10 膜を用いた限外ろ過により行っ た。このなお一層の濃縮工程により、最終的に本発明の酵素を含有する、60m lの溶液(溶液A)が得られた。 上述のようにして得られた溶液A10ml容量を、5ml/分の速度で、予め 50mM酢酸ナトリウムバッファー(pH3.5)で平衡化したQ−セファロースH i-Load 16/10(Pharmacia)カラムにかけた。カラムを、塩化ナトリウムの0〜 500mM濃度勾配で溶出させた。1mlづつ分画を集め、それらのα−1,4 加水分解活性を後述するようにして測定した。次いで、α−1,4加水分解活性 を含む分画を集め、クロマトグラムを作成した(図1)。 溶液Aの残りの50mlについても、上述のようにして精製を繰り返した(5 ×10ml)。次いで、6つの全ての独立して流したカラムから精製された、α −1,4加水分解活性を含む画分全てを集め、溶液Bとした。 種々の精製工程で得、後述する方法で測定したα−1,4−加水分解活性を表 1に示した。 気密封止試験管内で、50μlの酵素(又は適当な希釈液)を250μlの0. 1%(w/v)Lintner’starch(Baker)を含むクエン酸/リン酸バッファー(100mM/200m M),pH 3.5 に加えた。混合液を110±2℃で15分間インキュベーションし た。試験管を氷/水浴(0℃)に移すことによりインキュベーションを止めた。 混合液から100μl容量を抜き取り、0.004%(w/v)I2、0.04%(w/v)KI 及び 0.25M 塩酸からなるI2/KI 溶液を800μl加えた。 吸光度を620nmで測定した。 ブランクは、酵素溶液を水に置き換えて実施した。 任意の単位による活性は、次式によって計算した。 [(ODb-ODs)/ODb]×100 上記式において、ODbは、測定したブランクの光学的濃度であり、ODsは 、測定した試料の光学的濃度である。 実施例3:SDS−PAGE分析による酵素の分子量の測定 次いで、実施例2で上述したようにして得た精製酵素(溶液B)を、SDS− PAGE分析による分子量の測定に用いた。SDS−PAGE分析は、Pharma P hastGel 10-15%(w/v)ゲルを用いたポリアクリルアミドゲルにより変性条件下で 行った。 試料を、トリクロロ酢酸を加え(最終濃度:10%(w/v))、0℃で1時間インキュ ベーションすることにより沈殿させた。次いで、沈殿した蛋白質を10,000g で 10分間遠心することによって集めた。次いで、得られたペレットを、10mM Tri s/HCl(pH 8.0),1mM EDTA,2.5%(w/v)ドデシル硫酸ナトリウム(SDS),5%(v/v)β −メルカプトエタノール及び0.001%(w/v)ブロモフェノールブルーからなるサン プルバッファーに溶解した。 次いで、得られた懸濁液を98℃、15分間で変性させた。次いで、不溶性の 物質を10000gで5分間遠心することによって除去した。 次いで、得られた懸濁液を、Pharmacia LKB Biotechnology から購入したポリ アクリルアミドゲル電気泳動(PAGE),Phast Systemにより、Pharmacia in the S eparation Technique file No 110に記載された方法に従い、SDS(ドデシル 硫酸ナトリウム)を含有するポリアクリルアミド10〜15%グラジエントゲル を用いた条件で分析した。ゲルを、標準条件で電気泳動した。以下のPharmacia LMW マーカーを分子量標準として用いた。ホスホリラーゼb(犬の筋肉)94Kda; アルブミン(ウシ血清)67kDa;オブアルブミン(ニワトリ卵白)43kDa;カルボア ンヒドラーゼ(ウシ赤血球)30kDa;トリブシンインヒビター(大豆)20.1kDa;α ラクトアルブミン(牛乳)14.4kDa。 ポリペプチドを分離した後、ゲルのクマシーブルー染色を、Pharmacia から得 たDevelopment Technique File No.200 に記載された通りに行った。 SDS−PAGEの結果は、約95キロダルトンの単一バンドを示した。従っ て、この酵素の推定分子量は約95キロダルトン(kDa)と決定された。 実施例4:酵素の相対活性の測定 1.スタンダードカーブの作成 測定される活性[(ODb-ODs)/ODb]×100 と、酵素量との相関関係は直線では ないので、本発明の酵素の相対的なα−1,4加水分解(酵素)活性を決定する ためにスタンダードカーブを作成した。 次いで、精製酵素を溶液B(実施例2で上述したように得た)から得、水で1 00倍に希釈して溶液Cとした。 精製酵素を含有する溶液Cの一連の希釈を表2に示すように調製した。ここで 、表2に示す容量(μl)が200μlの最終容量に希釈されたことを示す。 次いで、種々の濃度を用い、下記に示す方法に従って酵素検定を行った。 それぞれの気密封止試験管内で、種々の希釈された50μlの溶液Cを、0.1% (w/v)Lintner’starch(Baker)及びクエン酸/リン酸バッファー(100mM/200mM), pH 3.5 を含む溶液250μlに加えた。得られた混合液を、それぞれ110± 2℃で15分間インキュベーションした。試験管を氷/水浴(0℃)に移すこと によりインキュベーションを止めた。 それぞれの混合液から、それぞれ100μl容量を抜き取り、0.004%(w/v)I2 及び0.04%(w/v)KI 及び0.25M 塩酸からなるI2/KI 溶液を800μl加えた。吸 光度を620nmで測定した(Pharmacia LKB Ultraspec Plus)。ブランクは、酵 素を水で置き換えて行った。次いで、[(ODb-ODs)/ODb]×100の値を計算し、希 釈に用いた溶液Cの容量に対してプロットした。結果を下記表2に示す。 2.相対活性の測定のための標準検定 気密試験管内で、25μlの溶液Cを25μの水と混合し、次いで0.1%(w/v)L intner’starch(Baker)及び種々のpH値(下記に詳述する)のクエン酸/リン 酸バッファー(100mM/200mM)を含む溶液250μlに加えた。次いで、混合液を 種々の温度(下記参照)で15分間インキュベーションした。試験管を氷/水浴 (0℃)に移すことによりインキュベーションを止めた。 混合液から100μl容量を抜き取り、0.004%(w/v)I2、0.04%(w/v)KI 及び0. 25M 塩酸からなるI2/KI 溶液を800μl加えた。 吸光度を620nmで測定した(Pharmacia LKB Ultraspec Plus)。 ブランク検定は、酵素溶液C50μlを水で置き換えて行った。 相対活性(相対的単位)を、[(ODb-ODs)/ODb]×100 の値を計算し、スタン ダードカーブに最も近い2つのポイントから対応する容量(μl)に直線的に外 挿することによって計算した。 相対的(α−1,4加水分解)活性(%)は、スタンダードカーブから推定さ れ、外挿法による容量値(μl)として定義される。 実施例5:酵素の特性 1.最適pHの測定 溶液Cのそれぞれの試料を得、実施例4で上述したように調製して標準検定を 行った。 次いで、本発明の酵素の最適pHを、それぞれの試験管(試料)について、1 10±2℃の温度で、2.0〜6.0の範囲の種々のpH値で実施例4に上述した 標準検定を行うことによって測定した。次いで、そのような検定の結果を、実施 例4で標準検定として上述した方法で解析した。 この検定の結果を下記表3に示す。 この検定の結果によれば、Sulfolobus acidocaldarius DSM 639 由来の酵素( α−1,4加水分解活性の発現として)の最適pHは約3.5である。 2.最適温度の測定 溶液Cのそれぞれの試料を得、実施例4で上述したように調製して標準検定を 行った。 Sulfolobus acidocaldarius DSM 639 由来の酵素の最適温度を、それぞれの試 験管(試料)について、3.5の一定のpHで、60〜120℃(±2℃)の範 囲の種々の温度で実施例4に上述した標準検定を行うことによって測定した。次 いで、そのような検定の結果を、実施例4で標準検定として記載された方法で解 析した。この検定の結果を下記表4に示す。 この表によれば、Sulfolobus acidocaldarius DSM 639 由来の酵素(α−1, 4加水分解活性の発現として)の最適温度は約115℃である。 3.110℃及びpH3.5における安定性 本発明の精製酵素を含む実施例2で上述したように得られた溶液B10μl容 量を、気密封止試験管中で、先ず0.5%(w/v)のMaldex 15(澱粉)の存在下(又は 不存在下)、200μlのクエン酸/リン酸の100mM/200mM バッファー,pH3.5 で希釈した。次いで、試験管を110℃±2℃で、0、10、20、30、40 、50及び60分間インキュベーションした。 インキュベーション後、それぞれの混合液を水で5倍希釈し、実施例4に記載 された標準条件の下、α−1,4加水分解(酵素)活性を測定した。 結果を表5に示す。 表5によれば、基質なしで試料をpH3.5、110℃で30分間インキュベ ーションした後、50%以上のα−1,4加水分解活性が、まだ存在している。 マルトデキストリンによる安定性の影響も観察される。 4.金属陽イオン及びEDTAの影響 溶液Cの試料を得、実施例4で上述したように調製して標準検定を行った。 Sulfolobus acidocaldarius DSM 639 由来の酵素のα−1,4加水分解活性の 種々の金属陽イオン及びEDTAによる影響を、最終濃度が2、5及び10mM の種々の金属陽イオンの添加の存在下、それぞれの試験管(試料)について実施 例4に上述した標準検定を行うことによって調べた。次いで、そのような検定の 結果を、実施例4で標準検定として記載された方法で解析した。 この検定の結果を下記表6に示す。 カルシウムの不存在下(EDTAの存在下)、酵素は十分に活性である。種々 の陽イオンの添加によるα−1,4加水分解活性における阻害効果は観察されな かった。 実施例6:スモールスケールの澱粉の液化 本発明の酵素を有する溶液Bの出発容量を、実施例2で上述したようにして得 た。 次いで、溶液Bを、アセトンの最終濃度が70%(w/v)である溶液が得られ酵 素が沈殿するのが可能となるまでアセトンを添加することによるアセトン沈殿に より濃縮した。 沈殿した酵素を4000g で15分間遠心することにより集めた。得られた沈殿を 回収し、出発容量の半分の量の20mM酢酸ナトリウムバッファー(pH 3.5)に溶解し 、酵素が2倍に濃縮された酵素溶液Dを得た。 B.licheniformis (そして、SOLVAY ENZYMES.Inc.,USAによって商標OPTTTHERM R LT420 として販売される)及びB.stearothermophilius (そして、Enzyme Bio Systems によって商標G-zyme R G995 として販売される)によって天然に生産さ れるα−アミラーゼを得、それぞれ精製水で1250(v/v)及び1000(v/v)倍に希釈し 、それぞれ酵素溶液E及びFとした。 表7に示した、様々なpH値に緩衝した澱粉スラリーを、次のように調製した 。 2ミリリットルの1M酢酸緩衝液(水酸化ナトリウムを用いて下記の表7に示 した様々なpH値に調整したもの)を、各々3.3グラムの天然のコーンスター チ試料(AMYLUM社製Meritena A)に添加し、純水を用いてその各最終体積を7ミ リリットルに調整した。 次いで、(表7中に示したように)酵素溶液E及びFとともに温置すべきこれ らのスラリー試料に、塩化カルシウムを添加し、0.75mM(30ppmカル シウム)の最終濃度を得た。 各密封試験管中で、各々350マイクロリットルのスラリー試料を各々150 マイクロリットルの酵素溶液D、E及びFと混合した。各酵素溶液を純水に置き 換えることにより、酵素が不在の場合の対照実験を行った。 次いで、密封した試料を110℃定温のグリセロール浴に移し、そこで10分 間激しく振盪した。次いで、振盪を維持しながら温度を95℃まで下げ、更に8 0分間温置を続けた。次に、試験管を室温の水浴に移すことにより、液化を終了 させた。 各液化反応混合物を、次いで係数40(体積/体積)で純水を用いて希釈した 。 次に、各試料から60マイクロリットルの体積を抜き出し、0.004%(重 量/体積)のI2、0.04%(重量/体積)のKI及び0.25MのHClを有 するヨウ素溶液3ミリリットルと混合した。 次いで、ヨウ素溶液をブランクの参照試料として使用して、波長620nmで 得られた溶液の光学濃度を測定した。 結果を以下の表7に示す。 酵素の不在下で行った負の対照試料は、全てのpH値において固体のままであ った。 上記の結果は、本発明の酵素が、溶解固形分濃度が約33%(重量/体積)と 高く、かつ一次液化が110℃であり二次液化が95℃と高温であるという条件 下で、澱粉を液化することが可能であることを示している。実施例7:強力な澱粉の加水分解 110℃において様々な時間で液化を行った。カルシウムを添加しなかったこ とを除き上記実施例6に記載の通りに1M酢酸緩衝液を用いてpH3.5に緩衝 しておいた、各々350マイクロリットルの上記実施例6に記載のようにして得 た澱粉スラリーの試料に、各々150マイクロリットルの溶液D(上記実施例6 に記載のようにして得たもの)の試料を添加して、液化混合物を調製した。20 時間の温置用に、酵素溶液を水で置き換えた負の対照試料を調製した。 次いで、密封した試料を110℃定温のグリセロール浴に移し、以下の表8に 示したように各々1、5又は20時間激しく振盪した。上記実施例6において記 載したように、試験管を水浴に移すことにより、温置を終了させた。次いで、上 記実施例6において記載したようにヨウ素反応を測定した。結果を以下の表8に 示す。 これらの結果は、本発明の酵素が、pH3.5での液化条件の下で、110℃ における温置の間であっても、活性であってかつ安定であり、従って、酸性条件 の下でも強力に澱粉を加水分解することが可能であり、これにより糖化又は中間 体DEシロップの製造等の他の用途にも使用可能であることを示している。実施例8:HPLC分析 実施例7のサンプルのオリゴサッカライド組成物をその後、2つの 300mm× 7.8mm(内部直径)のカラム(BIORAD)内のAminex HPX-87N樹脂を用い、85℃ で、流量 0.4ml/分で純水で流出させるHPLCで測定した。屈折率を測定する ことにより検出を行った。これによって得られたHPLCクロマトグラムのプロ ファイルは、図2〜5を参照することによって観察できる。 図2〜5は、主なオリゴサッカライドが、延長した加水分解時間20時間後に形 成されるのが、DP1、DP2及びDP3である(DPは重合の度合いである。) ことを示している。短時間の培養後、さまざまな大きなオリゴサッカライドが存 在する(DP4、DP5及びDPn)ことが、クロマトグラムからわかるが、初 期段階(1時間)であっても、(DP1及びDP2のような)小さなオリゴサッ カライドも既に存在していることがわかる。DP4オリゴサッカライドは、1時 間及び5時間で増大するが、その後、20時間で(おそらくDP1及びDP3に) さらに分解する、過渡的な生成物であるようである。これは、DP4がα-1,4- 加水分解活性に対する基質であることを示している。実施例9:プルランの加水分解 プルラン(シグマ)3%(w/v)プルラン及び酢酸 200mMを含む溶液を調製し 、NaOHでpH 3.5に調整した。 各々の気密封止管に、それぞれプルラン溶液1mlを、酵素溶液D27μlと混合 し、実施例6で上述したように混合物を得た。密封した管をその後、110℃で温 度調節したグリセロールバスに6時間置いた。 培養は、0℃の水浴に管を移動することにより停止した。 酵素溶液Dを純水に代えること以外は、同じ条件で、ネガティブコントロール を平行して行った。 酵素によるプルランの加水分解後、形成されるオリゴサッカライドの型を決定 するために、サンプルを2つの別のHPLC分析にかけた。 サンプルを試験する第1のHPLC分析は、カチオン交換クロマトグラフィー であった。これは、連続に結合した2つのカチオン交換カラム(直径300/7.8 m mを有するION 300及び引き続いてのHPX87H300/7.8 mmカラム(BIO RAD))により達成し、プレカラム(precolumn)(BIORAD)により保護 されていた。溶離を、60℃で、10mM H3PO4、流速 0.4ml/分で行い、検知 を屈折率計で行った。同定されたさまざまなピークを、ピーク面積を直接比較す ることにより定性化した(HITACHI-MERCK D-6000 HPLC manager)。 HPLC分析の結果を以下の表9に示す。 これらの結果から、本発明の酵素でプルランを加水分解することにより生じる 主な成分がDP3オリゴサッカライドであることがわかる。 得られたDP3オリゴサッカライド(マルトトリオース、パノース又はイソパ ノース)の性質を決定するために、その後、本発明の酵素によるプルランの加水 分解から得られるサンプル(本実施例で上述されている)の第2のHPLC分析 (アニオン交換クロマトグラフィー)を、DIONEXプレカラムで保護されている、 DIONEX CARBOPAC PA1 10μm 250/4mm HPLCカラムを用いて行った。 緩衝液A、B及びCを調製した。緩衝液Aを、100mM NaOHを含んで調 製した。緩衝液Bを、100mM NaOH及び酢酸ナトリウム30mMを含んで調 製した。緩衝液Cを、100mM NaOH及び酢酸ナトリウム 100mMを含んで 調製した。 溶離を、以下に示すアイソクラチック(isocratic)又は線形勾配で、流速 0.7m l/分で行った。 カラムを緩衝液Aで予備平衡させた。0〜40分まで、緩衝液Aの0〜 100%ま での勾配をかけた。4〜20分まで、緩衝液Bの0〜 100%までの勾配をかけた。 20〜50分まで、緩衝液Cの勾配をかけた。50〜60分まで、緩衝液C 100%のアイ ソクラチック溶出を行った。60〜80分まで、緩衝液B 100%のアイソクラチック 溶出を行った。 溶離を、80分で停止させた。 マルトトリオース、パノース及びイソパノースがはっきりと分離する 100mV 電位下で、パルス化電流滴定により、検知を行った。マルトース、パノース及び マルトトリオースの標準をシグマから得た。イソパノースの保持時間の値を、同 じクロマトグラフィーシステムを用いる文献データを参照することにより外挿し た(Swallow,K.W.,J.Agric.Food Chem.,1990,38: 1828-1832)。 保持時間は次の通りであった。マルトース23.8分、イソパノース28分、パノー ス29.5分、及びマルトトリオース31.3分であった。 上述のように、得られる主なDP3オリゴサッカライド成分は、保持時間が31 .28 分を示した。これにより、それをマルトトリオースとして同定し、本発明の 酵素がα-1,6グリコシド結合を分裂させる能力を有することが示された。 本発明の基本的な精神から離れずに、変更をなすことができる。したがって、 本明細書に特に記載した以外に、請求の範囲記載の発明の範囲内で、本発明を行 うことができるのは、当業者であれば当然なし得ることである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.α−1,4加水分解活性を有する酵素であって、該酵素がスルホロブス種由 来のものであり、4.5以下のpHにおいて最大の酵素のα−1,4加水分解活性 を発現することが可能であることを特徴とする、前記酵素。 2.α−1,4加水分解活性を有する酵素であって、該酵素がスルホロブス シドカルダリウス DSM639由来のものであることを特徴とする、前記酵素。 3.α−1,4加水分解活性を有する酵素であって、該酵素が、約110℃で、 約2.5〜約4.5の高酸性pHにおいて高レベルのα−1,4加水分解活性を発 現することが可能であることを特徴とする、前記酵素。 4.更に、酵素のα−1,4加水分解活性の至適pHが約3.0〜約3.5である ことを特徴とする、請求項3記載の酵素。 5.更に、約2.5のpHにおいて、最大の酵素のα−1,4加水分解活性の95 %以上の相対活性を示すことを特徴とする、請求項3記載の酵素。 6.更に、約4.5のpHにおいて、最大の酵素のα−1,4加水分解活性の80 %以上の相対活性を示すことを特徴とする、請求項3記載の酵素。 7.更に、約5.1のpHにおいて、最大の酵素のα−1,4加水分解活性の50 %以上の相対活性を示すことを特徴とする、請求項3記載の酵素。 8.α−1,4加水分解活性を有する酵素であって、該酵素が、約3.5のpHで 、約90℃〜約120℃の高温において高レベルのα−1,4加水分解活性を発 現することが可能であることを特徴とする、前記酵素。 9.更に、酵素のα−1,4加水分解活性の至適温度が約110℃〜約115℃ であることを特徴とする、請求項8記載の酵素。 10.更に、約90℃において、最大の酵素のα−1,4加水分解活性の45%以 上の相対活性を示すことを特徴とする、請求項8記載の酵素。 11.更に、約100℃において、最大の酵素のα−1,4加水分解活性の80% 以上の相対活性を示すことを特徴とする、請求項8記載の酵素。 12.更に、約120℃において、最大の酵素のα−1,4加水分解活性の70% 以上の相対活性を示すことを特徴とする、請求項8記載の酵素。 13.α−1,4加水分解活性を有する酵素であって、該酵素がカルシウムイオン の存在に実質的に依存することなく酵素のα−1,4加水分解活性を発現するこ とが可能であることを特徴とする、前記酵素。 14.α−1,4加水分解活性を有する酵素であって、該酵素が、基質の存在下で 約60分間経過後に、酵素の最大活性の70%以上を発現することが可能である ことを特徴とする、前記酵素。 15.α−1,4加水分解活性を有する酵素であって、該酵素が、基質の不在下で 約60分間経過後に、酵素の最大活性の約20%を発現することが可能であるこ とを特徴とする、前記酵素。 16.α−1,4加水分解活性を有する酵素であって、該酵素が、スルホロブス属 の株由来のものであり、推定分子量約95kDaを有し、酵素のα−1,4加水 分解活性の発現に最適なpHが約3.5であり、酵素のα−1,4加水分解活性の 発現に最適な温度が約110〜115℃であることを特徴とする、前記酵素。 17.酵素が更に、α−1,6加水分解活性をも有することを特徴とする、請求項 1〜16のいずれか1項記載の酵素。 18.改良された澱粉の加水分解方法であって、液化の間に澱粉スラリー/液化澱 粉懸濁液のpHを調整することなく加水分解を行うことを特徴とする、前記方法 。 19.改良された澱粉のグルコースへの加水分解方法であって、液化及び/又は糖 化工程の間に、澱粉スラリー/液化澱粉懸濁液のpHを調整することなく連続的 な液化及び糖化工程において加水分解を行うことを特徴とする、前記方法。 20.改良された澱粉の加水分解方法であって、液化の間に澱粉スラリーのカルシ ウムイオン濃度を上昇させる必要なく加水分解を行うことを特徴とする、前記方 法。 21.改良された澱粉のグルコースへの加水分解方法であって、液化及び/又は糖 化工程の間に、澱粉スラリー/液化澱粉懸濁液のpHを調整し及び/又はカルシ ウムイオン濃度を上昇させる必要なく加水分解を行うことを特徴とする、前記方 法。 22.改良された澱粉の加水分解方法であって、液化の間にpHが5以下の澱粉ス ラリー/液化澱粉懸濁液を用いて加水分解を行うことを特徴とする、前記方法。 23.更に、液化の間の澱粉スラリー/液化澱粉懸濁液のpHが4以下であること を特徴とする、請求項22記載の改良された方法。 24.更に、液化の間の澱粉スラリー/液化澱粉懸濁液のpHが3.5以下である ことを特徴とする、請求項22記載の改良された方法。 25.改良された澱粉の加水分解方法であって、110℃より高温で液化を行うこ とにより、液化する澱粉スラリー中のより高い溶解固形分濃度が付与されうるこ とを特徴とする、前記方法。 26.更に、液化を約120℃で行うことを特徴とする、請求項25記載の改良され た方法。 27.改良された澱粉の加水分解方法であって、液化を5以下のpHで、かつ11 0℃より高温で行うことを特徴とする、前記方法。 28.更に、液化を4以下のpHで行うことを特徴とする、請求項27記載の改良さ れた方法。 29.更に、液化を3.5以下のpHで行うことを特徴とする、請求項27記載の改 良された方法。 30.改良された澱粉の酵素的加水分解方法であって、該酵素的加水分解をpHが 5以下の澱粉スラリー上で行うことを特徴とする、前記方法。
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