JPH1046214A - 鉄系粉末材 - Google Patents

鉄系粉末材

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JPH1046214A
JPH1046214A JP20054096A JP20054096A JPH1046214A JP H1046214 A JPH1046214 A JP H1046214A JP 20054096 A JP20054096 A JP 20054096A JP 20054096 A JP20054096 A JP 20054096A JP H1046214 A JPH1046214 A JP H1046214A
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iron
particle size
grinding
powder material
powder
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JP20054096A
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English (en)
Inventor
Mika Iwasaki
美香 岩崎
Tatsuo Nakajima
達雄 中島
Arihito Matsui
有人 松井
Norikazu Oosugi
記一 大杉
Ayano Kouno
綾乃 河野
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 未利用の原材料である研削粉を工業材料とし
て有効に利用し、鉄系粉末材を、発火し難く発錆しない
ものとして、簡便に取り扱えるものとすることである。 【解決手段】 中炭素鋼、浸炭用鋼または軸受鋼などの
鉄系金属に対する研削加工で発生した研削粉の凝集体
を、乾燥し、例えば粒子の最大長として300μm以下
などの所定粒径以下に粉砕した鉄系粉末材とする。また
は、軸受用鋼球の研削加工などの鉄系金属の研削加工で
発生した研削粉含有のスラッジに、界面活性剤もしくは
防錆剤または両者併用して添加混合し、乾燥し、粒子の
最大長として500μm以下等の所定粒径以下に分級し
た鉄系粉末材とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、プラスチック、
ゴム、セメント用等の充填材、顔料、研磨粉、その他の
工業用材として汎用性のある鉄系粉末材に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、工業材料として製造された鉄系
粉末材は、高比重である物性や導電性を活かした充填
材、粉末冶金および溶接棒等としての用途を有する。こ
のような鉄系粉末材を製造するには、カーボニル法、ガ
スアトマイズ法、高圧水アトマイズ法、機械的粉砕法、
REP法、回転ディスク法、化学的還元法、気相法によ
る蒸発凝縮などの製造法が採用されてきた。
【0003】このようにして製造される工業材料として
の鉄系粉末材は、所定粒径に分級し用途に応じて選択使
用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、鉄系粉末材
は、素地面の表面活性が非常に高いので、保存時、分級
工程、他材料との混合(混練)時などに発熱し、または
熱加工時においても加熱され、時には発火(燃焼)する
場合もあって作業者にとって危険である。
【0005】このような鉄系粉末材を工業材料として安
全に使用するためには、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲
気内で処理したり、せん断発熱等を抑えるために加工時
に温度を制御する必要があり、いずれにしても簡便に取
扱うことはできなかった。
【0006】また、鉄系金属の研削加工で発生した研削
粉の凝集体や研削粉含有のスラッジは、発錆し易く品質
が安定しないこともあり、工業材料としての利用性が低
く、その特性を活かした価値の高い用途はなかった。
【0007】そこで、この発明の第1の課題は、上記し
た問題点を解決して、多くが産業廃棄物になる未利用の
原材料から鉄系粉末材を調製し、前記原材料としての研
削粉を工業材料として有効に利用することである。
【0008】また、この発明の第2の課題は、表面活性
が高く、しかも所定粒径に調製された鉄系粉末材を、発
火し難く発錆しないものとし、簡便に取り扱えるものと
することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の第1の課題を解決
するため、本願の発明においては、鉄系金属の研削加工
で発生した研削粉を乾燥し、所定粒径以下に粉砕または
解砕した鉄系粉末材としたのである。前記所定粒径とし
ては、粒子の最大長として300μmであり、または、
粉砕または解砕した物が150μm以下の粒子が90%
以上の粒度構成のものが好ましい。
【0010】または、上記の第1の課題を解決するた
め、本願の発明においては、鉄系金属の研削加工で発生
した研削粉含有のスラッジを、乾燥し、所定粒径以下に
分級した鉄系粉末材としたのである。
【0011】また、上記の第2の課題を解決するため、
本願の発明においては、鉄系金属の研削加工で発生した
研削粉含有のスラッジに、界面活性剤もしくは防錆剤ま
たは両者併用して添加混合し、乾燥し、所定粒径以下に
分級したものからなる鉄系粉末材としたのである。前記
所定粒径としては、粒子の最大長として200μmであ
り、または、粉砕物が100μm以下の粒子が90%以
上の粒度構成のものが好ましい。
【0012】本願の発明は、鉄系金属からなる成形体を
研削加工する時に発生する短冊状研削粉の凝集体を原材
料とする鉄系粉末材の発明、または、研削粉含有のスラ
ッジ(泥状物)を原材料とする鉄系粉末材の発明である
から、産業廃棄物になることの多い研削粉を工業材料と
して有効に利用することができる。
【0013】また、研削粉含有のスラッジに、界面活性
剤を添加混合する発明では、上記作用効果と共に、乾燥
時の研削粉の粒子同士の凝集が防止されるので、発火が
起こりやすい粉砕又は解砕工程を省略または短縮して製
造できる鉄系粉末材となる。
【0014】また、研削粉含有のスラッジに、防錆剤を
添加混合する発明では、研削粉を工業材料として有効に
利用できると共に、防錆性がよく品質の安定した鉄系粉
末材となる。
【0015】所定粒径以下に粉砕または解砕した鉄系粉
末材は、空気透過法による比表面積の値が500cm2
/g以上であることが好ましい。
【0016】このように鉄系粉末材の比表面積が大きい
とマトリックスへの充填量限界は小さくなる。しかし、
マトリツクスとの接触面積が大きくなるため、同じ充填
量でも強度や伸びなどの力学的物性は向上する。
【0017】よって、上記所定値以上の比表面積を有す
る鉄系粉末材は、マトリックスに対してできるだけ充填
量を多くしたい場合に不利であるが、少量の充填量で物
性向上が期待でき、また同量の充填量でも高物性が得ら
れる点で有利である。
【0018】
【発明の実施の形態】この発明に用いる研削粉を形成す
る鉄系金属としては、Feの他、FeO、FeOOHな
どの鉄化合物を挙げることができる。そして、鉄系金属
として鋼材を採用できるのは勿論であり、鋼材として
は、中炭素鋼、浸炭用鋼および軸受鋼が挙げられる。
【0019】この発明に用いる鉄系金属の研削加工で発
生した研削粉は、研削加工により生成した湾曲した短冊
状形状のものと、鋼球等の製造時に排出される研削スラ
ッジやラッピングスラッジのような球状、紡錘状もしく
は柱状の不定形微粒子(0.1μm程度から200μm
以内のもの)の2種類の形態に大別される。
【0020】研削加工により生成した研削粉の粒子は、
巾0.01〜0.02mm、長さ0.1〜0.3mm、
厚さは2μm程度の短冊状であり、湾曲、ねじれ、折れ
曲がり、または螺旋状の状態になっており、近接する他
の粒子同士が絡みやすい性質がある。研削粉の粒径につ
いて別の表現を用いるならば、例えば「粉体工学演習」
(コロナ社、1987、今木清康著)に記されている三
軸径の直径が0.3mm以内のものということができ
る。又、研削加工により生成した研削粉は、旋盤の削り
粉様の微小粒子が複雑に絡み合った空隙の多い凝集体で
あるが、乾燥の工程を経た後、解砕もしくは粉砕によっ
て、所定のサイズ以下の微粒子にできる。
【0021】鋼球製造工程で生ずる研削粉は、通常、ク
ーラントと混合した汚泥状のスラッジとして排出され
る。これらを放置・沈殿または遠心分離等の分離工程に
より水溶性または油溶性の乳化油または研削油を脱水・
脱油する。これらはケーキ状で、まだ、多量に水分を含
有しているため、乾燥することにより、所定の鉄系粉末
材を得ることができる。また、さらに解砕を行うことに
より所定サイズ以下の微粒子となる。こうして得られた
研削粉乾燥物である鉄系粉末材は、焼成または焼却して
酸化物として使用することも可能であるが、高比重充填
材としての使用を考えた場合、焼成せずに使用した方が
有利である。
【0022】鋼球製造工程で生ずる研削粉の粒子は、主
として、球状や紡錘形、柱状に近い不定形をしており、
その大きさは0.01〜200μm程度である。その粒
径を三軸径で表すならば、三軸径を直径が200μm以
下であるということができる。粒径が0.1〜50μm
の粒子が大半を占めているが、粒径や寸法はその研削加
工工程によって異なる。また、凝集しやすい為、解砕方
法や解砕時間によっては見かけ粒子の大きさが0.5m
m程度となる場合や、鋼球製造の中間工程初期段階での
フラッシング工程から生ずる研削粉が含まれる場合もあ
り、このときの大きさは2mm以上の長さであることも
ある。研削初期工程では、生成する研削粉の粒子は大き
く、仕上げ工程に近づくほど研削粉の粒子は小さくな
る。最終仕上げであるラップ工程での研削粉は、その平
均粒径は0.1μm程である。
【0023】鉄の微粒子は一般的に、カーボニル法、ガ
スアトマイズ法、高圧水アトマイズ法、機械的粉砕法、
REP法、回転ディスク法、化学的還元法、気相法によ
る蒸発凝縮等で生成されるが、研削加工により生成した
研削粉や、鋼球製造工程で生じた研削粉は、前述のもの
とその形状が全く異なっている。なお、研削粉中には、
加工時に砥石から脱落するAl2 3 やSiO2 の砥粒
が含まれるが、その含有量は少ない。
【0024】また、この発明における鉄系粉末材の防錆
性能を向上させるために、周知の防錆剤を一種または二
種以上混合して使用することができる。鋼球製造過程で
生ずる研削粉は、研削粉が形成される際に、クーラント
(研削液)と混合されているので、使用されるクーラン
トが水性の場合は、水溶性の防錆剤を使用することが好
ましく、クーラントが油性の場合は、油溶性の防錆剤を
使用することが好ましい。ここでいう水性のクーラント
としては、大同化学工業社製:シミロンB−12Cが例
示でき、油性のクーラントとしては、大同化学工業社
製:ダイカトールSG−70が例示できる。
【0025】防錆剤の具体例としては、脂肪酸や石油
酸、アビチエン酸のセッケン、アミン酸、リノール酸の
2量体、マレイン酸とオレイン酸メチルの付加化合物、
α−メルカプトステアリン酸に代表されるカルボン酸
類、ソルビタンモノオレートやペンタエリスリトールモ
ノオレート、有機酸のメチルエステルに代表されるエス
テル類、アルキルアミンの脂肪酸塩やアルキルアミンに
代表される塩基性窒素化合物、アルキルフォスフエート
やアルキルチオフォスフェート、アルキルハイドロゼ
ン、リン酸エステルおよび亜リン酸エステルに代表され
るリン化合物、石油スルホネートやマホガニー酸スルホ
ネート、ジノニルナフタレンスルホネートに代表される
スルホン酸塩、バリウムやカルシウム、銅などを有して
いる有機化合物等が挙げられる。
【0026】防錆剤は、研削粉をクーラントと分離する
前にクーラントに添加し、研削粉に均一に付着させる方
法が効果的である。クーラントは、若干の防錆性を有す
るため、防錆剤を添加しなくてもある程度の防錆効果が
得られるが、防錆剤をクーラント重量に対して10%以
下の割合で添加することが好ましい。防錆剤量が10%
を越えると、防錆機能が飽和すると共にコストアップに
も関連するため好ましくない。
【0027】また、この発明における鉄系粉末材の乾燥
時の凝集を防止するために、周知の界面活性剤を防着剤
として使用し、その一種または二種以上混合して使用す
ることができる。このような界面活性剤(防着剤)は、
前述のクーラントとの相性(分散性や溶解性)が良いも
のであれば、その種類を特に限定せずに使用することが
できる。
【0028】界面活性剤の具体例としては、脂肪酸塩、
アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン
酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、アルキルス
ルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルフ
ォン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアル
キル(アリル)硫酸エステル塩、ナフタレンスルフォン
酸ホルマリン縮合物、特殊ポリカルボン酸型高分子界面
活性剤、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン誘導
体、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合
体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソ
ルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビト
ール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンア
ルキルアミン、アルキルアルカノールアミド、アルキル
アミン塩、第四級アンモニウム塩、アルキルベタイン、
アミンオキサイド、その他陰イオン性界面活性剤などが
挙げられる。
【0029】なお、このような界面活性剤を使用せずと
も解砕工程によって鉄微粉体の凝集を分散させることが
できるが、解砕工程の時間が長くなる。したがって、よ
り好ましい界面活性剤の添加量は、0.1〜10重量%
である。所定範囲を越える添加量は、鉄系粉末材の乾燥
時の凝集を防止するという防着効果のそれ以上の向上が
なくなると共に、コストアップにも関連して好ましくな
い。
【0030】研削粉の乾燥方法は、特に限定することな
く周知の手法を採用できるが、一般的には脱水処理を行
なった後、乾燥処理を行なう。この発明においても必要
に応じて脱水し、乾燥を行なう処理を乾燥と称してい
る。
【0031】脱水処理は、液体の水分と研削粉とを分離
し、研削粉のみを分取する処理であって、濾過、自然沈
降、遠心分離、圧搾などの手法が代表例として挙げられ
る。
【0032】乾燥処理は、研削粉から気化した水分を取
り除く処理であって、自然乾燥、熱風搬送型熱風乾燥
法、材料攪拌型熱風乾燥法、材料搬送式または静置式の
熱風乾燥法、材料攪拌式の伝導乾燥法、過熱溶剤蒸気乾
燥法、赤外線乾燥法、高周波乾燥法、超臨界乾燥法、蒸
発乾燥法、低温除湿乾燥法などが挙げられる。
【0033】研削加工により生成した研削粉は、解砕や
粉砕によって所定のサイズ以下に調整された粉体を得る
ことができるが、三軸径の直径が0.3mm以内で粒度
構成が150μm以下の粒子が90wt%以上占める粉
体であることが望ましい。三軸径の直径が0.3mmよ
り大きかったり、上記の粒度構成より粗い粒子が多数存
在する粒度構成では、充填材として母材に混合するとき
に混練機を損傷したり、充填した母材の力学物性(強
度、伸度など)を低下させることがあるので、好ましく
ない。
【0034】鋼球製造過程で生ずる研削粉は、その排出
スラッジ採取工程の選択または解砕方法によって、所望
粒径の粉体を得ることができるが、三軸径の直径が20
0μm以下で粒度構成としては100μm以下の粒子が
90%以上を占めるのが望ましい。三軸径の直径が20
0μmより大きかったり、上記の粒度構成より粗い粒子
の多数存在する粒度構成では、充填材として母材に混合
するときに混練機を損傷したり、得られた材料に対して
力学物性(強度、伸度など)の低下をまねくので、好ま
しくない。研削粉含有のスラッジに界面活性剤を添加し
て乾燥すれば、解砕または粉砕を行なって粒度を調整し
なくても、比較的粒径の揃った鉄系粉末剤が得られる場
合もある。
【0035】研削粉の解砕または粉砕方法としては、周
知の粉砕機を用いて粉砕する方法を採用でき、粉砕機と
しては、ジョークラッシャー、ジャイレトリークラッシ
ャー、コーンクラッシャー、ハンマークラッシャー、自
生粉砕機、ボールミル、媒体攪拌ミル、ローラーミル、
高速回転ミル、ジェットミルなどが挙げられる。
【0036】この発明の鉄系粉末材を、例えばゴム用や
プラスチック用の充填材として使用する場合には、マト
リックス(母材)との親和性を向上させるために、カッ
プリング剤、酸化防止剤、難燃剤、帯電防止剤その他の
周知の添加剤を使用してもよい。
【0037】上記例示のカップリング剤としては、シラ
ン系、アルミニウム系、チタネート系のカップリング剤
が挙げられる。また、酸化防止剤としては、ナフチルア
ミン系、ジフェニルアミン系、p−フェニルジアミン
系、他のアミン系のもの、もしくはアミン混合品、また
はキノリン系、ヒドロキノン誘導体、モノフェノール
系、ポリ(ビス,トリス)フェノール系、チオビスフェ
ノール系、ヒンダードフェノール系、亜リン酸エステル
系、銅害防止剤、金属不活性剤、ワックス類などが挙げ
られる。
【0038】また、難燃剤としては、無機化合物系、リ
ン酸エステルなどのリン化合物、塩素系難燃剤、臭素系
難燃剤、反応型難燃剤、難燃化用安定剤などが挙げられ
る。帯電防止剤としては、カチオン系活性剤、アニオン
系活性剤、ノニオン系活性剤、アミン系活性剤、ホスフ
ェート系、アルコール系誘導体、脂肪酸エステル系など
が挙げられる。
【0039】この発明の鉄系粉末剤の主要な用途は、高
密度充填材である。より具体的な用途例としては、制振
材用充填材、遮音材料用充填材、鉄粉入りモルタル、硫
化鉄セメントなどが挙げられる。
【0040】高密度充填材以外の用途としては、金属射
出成形(Metal Injection Molding:MIM)用材料、粉
末冶金用材料、発熱材料、高熱伝導用充填材、導電性充
填材、磁性材料、火花用材料、焼結鋼原料、セメント原
料、燃料、蒸着材料、塗料原料、カートリッジフィルタ
ー、サイレンサー、金属置換回収剤、油補集剤、簡易金
型、肉盛溶接剤、工芸パネル、園芸用ブロック、パッキ
ン、ガスケット、研磨剤、耐摩耗材、薄膜フィルター、
鋳鉄原料、重金属補集剤、電解用電極、中性子遮蔽板、
ヒートパイプ、ホウ化鉄などが挙げられる。
【0041】
【実施例】
〔実施例1〕研削加工により生成した研削粉に、防錆剤
(ヘンケル白水社製:VR150A)をクーラント(研
削液)100重量部に対して3重量部添加混合し、これ
を自然乾燥して研削粉表面に防錆剤を付着させた。次い
で、乾燥した研削粉の凝集体を粉砕機(ボールミル)で
30秒間粉砕し、鉄系粉末材を得た。得られた鉄系粉末
材の粒度をエアージェットシーブで測定すると、粒径1
50μm以下が99.8%、粒径75μm以下が98.
1%、粒径45μm以下が93.7%であり、比表面積
は15500cm2 /gであった。
【0042】〔実施例2〕鋼球製造工程で生じたフラッ
シング工程からG2工程(粗研削工程)までの研削粉混
合品を、クーラントと混じった汚泥状の研削粉スラッジ
として採取した。これに防錆剤(ヘンケル白水社製:V
R150A)をクーラント(研削液)100重量部に対
して3重量部添加混合し、これを放置し沈殿させて脱水
し、クーラントを除去した後、ホットプレートで加熱乾
燥して研削粉の表面に防錆剤を付着させた。次いで、こ
れをミキサーで15秒間解砕して鉄系粉末材を得た。得
られた鉄系粉末材の粒度をエアージェットシーブで測定
すると、粒径150μm以下が94.3%、粒径75μ
m以下が90.1%、粒径45μm以下が80.5%で
あり、比表面積は3590cm2 /gであった。
【0043】〔実施例3〕鋼球製造工程で生じたG2工
程の研削粉を、クーラントと混じった汚泥状の研削粉ス
ラッジとして採取した。これに防錆剤(ヘンケル白水社
製:VR150A)をクーラント(研削液)100重量
部に対して3重量部添加混合し、放置し沈殿させて脱水
し、クーラントを除去し、これをホットプレートで加熱
乾燥して研削粉表面に防錆剤を付着させた。次いで、こ
れをミキサーで15秒間解砕し、鉄系粉末材を得た。得
られた鉄系粉末材の粒度をエアージェットシーブで測定
すると、粒径75μm以下が98.3%、粒径45μm
以下が97.7%、粒径25μm以下が94.9%であ
り、比表面積は9660cm2 /gであった。
【0044】〔実施例4〕鋼球製造工程で生じたG2工
程の研削粉を、クーラントと混じった汚泥状の研削粉ス
ラッジとして採取した。このものに対して、防錆剤(ヘ
ンケル白水社製:VR150A)をクーラント(研削
液)100重量部に対して3重量部添加すると共に、界
面活性剤(花王社製:ポイズ530)1重量部を添加混
合し、次いで放置し沈殿させて脱水し、クーラントを除
去し、次にホットプレートで加熱し乾燥して研削粉表面
に防錆剤を付着させた。そしてミキサーで5秒間解砕
し、鉄系粉末材を得た。得られた鉄系粉末材の粒度をエ
アージェットシーブで測定すると、粒径75μm以下が
95.8%、粒径45μm以下が94.3%、粒径25
μm以下が92.9%であり、比表面積は8740cm
2 /gであった。
【0045】以上の実施例1〜4で得られた鉄系粉末
は、常法に従って従来の鉄粉と同様に利用でき、充填
材、顔料、研磨粉、粉末冶金および溶接棒用の材料とし
ては、優れた品質のものであった。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本願の研削粉を原
材料とする鉄系粉末材の発明、または研削粉含有のスラ
ッジを原材料とする鉄系粉末材の発明では、鉄系粉末材
を新規な原材料から調製し、すなわち産業廃棄物になる
ことの多い研削粉を、工業材料として有効に利用できる
という利点がある。
【0047】また、研削粉含有のスラッジに、界面活性
剤を添加混合する発明では、上記した利点と共に、表面
活性が高くしかも所定粒径に調製された鉄系粉末材を、
発火させることなく製造し、簡便に取り扱えるという利
点がある。
【0048】また、研削粉含有のスラッジに、防錆剤を
添加混合する発明では、研削粉を工業材料として有効に
利用できると共に、防錆性がよく品質の安定した鉄系粉
末材にできる利点がある。
【0049】さらにまた、所定値以上の比表面積を有す
る鉄系粉末材は、少量の充填量で物性向上が期待でき、
また同量の充填量でも高物性が得られる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄系金属の研削加工で発生した研削粉
    を、乾燥し、所定粒径以下に粉砕または解砕したものか
    らなる鉄系粉末材。
  2. 【請求項2】 所定粒径が、粒子の最大長として300
    μmである請求項1記載の鉄系粉末材。
  3. 【請求項3】 所定粒径以下に粉砕または解砕したもの
    が、150μm以下の粒子が90%以上の粒度構成であ
    る請求項1または2に記載の鉄系粉末材。
  4. 【請求項4】 所定粒径以下に粉砕または解砕したもの
    が、空気透過法による比表面積の値が500cm2 /g
    以上のものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の
    鉄系粉末材。
  5. 【請求項5】 鉄系金属の研削加工で発生した研削粉含
    有のスラッジを、乾燥し、所定粒径以下に分級したもの
    からなる鉄系粉末材。
  6. 【請求項6】 鉄系金属の研削加工で発生した研削粉含
    有のスラッジに、界面活性剤もしくは防錆剤または両者
    併用して添加混合し、これを乾燥し、所定粒径以下に分
    級したものからなる鉄系粉末材。
  7. 【請求項7】 所定粒径が、粒子の最大長として200
    μmである請求項5または6に記載の鉄系粉末材。
  8. 【請求項8】 所定粒径以下に分級したものが、100
    μm以下の粒子が90%以上の粒度構成である請求項5
    〜7のいずれか1項に記載の鉄系粉末材。
  9. 【請求項9】 所定粒径以下に分級したものが、空気透
    過法による比表面積の値が500cm2 /g以上のもの
    である請求項5〜8のいずれか1項に記載の鉄系粉末
    材。
  10. 【請求項10】 鉄系金属の研削加工が、軸受用鋼球の
    研削加工である請求項1〜9のいずれか1項に記載の鉄
    系粉末材。
  11. 【請求項11】 鉄系金属が、中炭素鋼、浸炭用鋼また
    は軸受鋼である請求項1〜9のいずれか1項に記載の鉄
    系粉末材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002310171A (ja) * 2001-04-10 2002-10-23 Nsk Ltd 転がり軸受
CN112174628A (zh) * 2020-09-02 2021-01-05 浙江万里学院 一种兼具类芬顿反应性质的免烧陶粒的制备方法

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