JPH1045693A - N−長鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩の製造方法及び精製方法 - Google Patents

N−長鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩の製造方法及び精製方法

Info

Publication number
JPH1045693A
JPH1045693A JP20579696A JP20579696A JPH1045693A JP H1045693 A JPH1045693 A JP H1045693A JP 20579696 A JP20579696 A JP 20579696A JP 20579696 A JP20579696 A JP 20579696A JP H1045693 A JPH1045693 A JP H1045693A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
long
salt
acid
dibasic acid
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20579696A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichiro Tanahashi
真一郎 棚橋
Hideyuki Abe
秀幸 阿部
Hidetake Nakamura
英武 中村
Toshiji Maeda
利次 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP20579696A priority Critical patent/JPH1045693A/ja
Publication of JPH1045693A publication Critical patent/JPH1045693A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 保存後の色相の劣化や異臭の発生を抑制した
高純度のN−長鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩の製
造方法及び精製方法の提供。 【解決手段】 一般式(V)で表されるN−長鎖アシル
イミノ二塩基酸又はその塩を含む反応液又は水溶液につ
いて、下記工程(1), (2)及び(3) 、又は下記工程(2),
(1) 及び(3) をこの順に行う。 工程(1):鉱酸を添加して、水難溶性のN−長鎖アシルイ
ミノ二塩基酸に変換し、水溶性物質を含有する水層とN
−長鎖アシルイミノ二塩基酸を含有する有機層とに分離
する工程 工程(2):酸化剤を添加処理する工程 工程(3):水分とともに反応溶媒及び有臭成分を蒸発除去
する工程 【化1】 (式中、 RはC5-21 のアルキル基等、M1及びM2はH 又は
陽イオン基、m 及びn は1〜3の数を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はN−長鎖アシルイミ
ノ二塩基酸又はその塩の製造方法及び精製方法に関し、
より詳細には、N−長鎖アシルイミノ二塩基酸又はその
塩の合成反応液から、色相、匂い等の品質が良く、無機
塩、水溶性の有機塩等の不純物が少なく、更に保存後の
色相の劣化や異臭の発生を抑制した高純度のN−長鎖ア
シルイミノ二塩基酸又はその塩を製造する方法、及び高
純度のN−長鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩を得る
ための精製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】N−長
鎖アシルイミノ二塩基酸塩は、優れた界面活性作用、抗
菌作用等を有し、低刺激性であることが知られており、
様々な分野に応用されている。従来、これらN−長鎖ア
シルイミノ二塩基酸塩の原料となるN−長鎖アシルイミ
ノ二塩基酸は、イミノ二塩基酸のアルカリ溶液に脂肪酸
ハライドを反応させるショッテン−バウマン(Schotten-
Baumann)法によって製造されており、その改良発明には
親水性溶媒を含むイミノ二塩基酸水溶液に、アルカリ物
質の存在下で脂肪酸ハライドを添加して反応させる方法
が開示されている(特公昭63−1302号公報、特開
平5−294909号公報)。また、N−長鎖アシルイ
ミノ二塩基酸の別の製造方法として、N−シアノアルキ
ル化アミノ酸又はその塩に脂肪酸ハライドを反応させて
アシル化し、その後シアノ基を加水分解する方法も開示
されている(特開平7−267909号公報)。
【0003】これらのN−長鎖アシルイミノ二塩基酸又
はその塩の製造法では、N−長鎖アシルイミノ二塩基酸
又はその塩の反応液を酸でpH調整した際、多量の無機
塩又は有機塩等の不純物が生成し好ましくない。また、
各原料に含まれる不純物、又は反応により生成する微量
の不純物がN−長鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩の
色相や臭気に影響を与え、更に反応に用いられる低級ア
ルコール等の溶媒と微量の未反応物や不純物が反応して
保存後の色相を劣化させたり、異臭を発生させたりする
問題もあるため、品質の良いN−長鎖アシルイミノ二塩
基酸又はその塩を製造する方法の開発が望まれている。
【0004】そこでN−長鎖アシルイミノ二塩基酸又は
その塩の製造法としては、N−長鎖アシルイミノ二塩基
酸又はその塩の反応液を酸でpH調整した後、晶析分離
してN−長鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩を得てい
る。しかし、結晶を濾過分離する工程は特別の設備を必
要とし、更に濾別された結晶内に無機塩や水溶性の有機
塩が残存しやすく、これらを除去するために大量の洗浄
水を必要とし洗浄に長時間を要するため工業的手法とし
て有用とは言えない。
【0005】従って、色相、臭気等の品質が良く、無機
塩、水溶性の有機塩等の不純物が少なく、更に保存後の
色相の劣化や異臭の発生を抑制した高純度のN−長鎖ア
シルイミノ二塩基酸又はその塩の工業的に有利な製造方
法及び精製方法の開発が強く望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、N−長鎖
アシルイミノ二塩基酸又はその塩の合成反応液から、設
備的に負荷の大きい晶析工程を用いることなく、工業的
に有利に色相、匂いやその安定性が良く、しかも無機
塩、水溶性の有機塩等の不純物の少ない高純度のN−長
鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩を得る方法について
鋭意検討した結果、鉱酸を添加して水層と有機層に分離
する工程、酸化剤を添加処理する工程及び反応溶媒や有
臭成分を蒸発除去する工程を適宜組み合わせることによ
り、上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完
成するに到った。即ち本発明は、一般式(I)
【0007】
【化5】
【0008】(式中、M1及びM2は水素原子または陽イオ
ン基を示し、M1とM2は同一でも異なっていても良い。m
及びn は1〜3の数を示し、m とn は同一でも異なって
いても良い。)で表される化合物に、一般式(II) RCOX (II) (式中、 Rは炭素数5〜21の直鎖もしくは分岐鎖のアル
キル基、アルケニル基又はヒドロキシアルキル基を示
し、X はハロゲン原子を示す。)で表される酸ハライド
を反応させ、必要により塩交換するか、あるいは一般式
(III)
【0009】
【化6】
【0010】(式中、 M2, m及びn は前記の意味を示
す。)で表される化合物に、上記一般式(II)で表され
る酸ハライドを反応させ、一般式 (IV)
【0011】
【化7】
【0012】(式中、R, M, m及びn は前記の
意味を示す。)で表される化合物を得、その後加水分解
し、必要により塩交換することにより、一般式(V)
【0013】
【化8】
【0014】(式中、R, M1, M2, m及びn は前記の意味
を示す。)で表されるN−長鎖アシルイミノ二塩基酸又
はその塩を含む反応液を得、次いで工程(1), (2)及び
(3) 、又は下記工程(2), (1) 及び(3) をこの順に行う
ことを特徴とするN−長鎖アシルイミノ二塩基酸又はそ
の塩の製造方法を提供するものである。
【0015】工程(1) :N−長鎖アシルイミノ二塩基酸
又はその塩を含む反応液、又は工程(2) で得られる処理
液に鉱酸を添加して、水難溶性のN−長鎖アシルイミノ
二塩基酸に変換し、水溶性物質を含有する水層とN−長
鎖アシルイミノ二塩基酸を含有する有機層とに分離する
工程 工程(2) :N−長鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩を
含む反応液、又は工程(1) で得られる有機層に酸化剤を
添加処理する工程 工程(3) :工程(1) で得られる有機層、又は工程(2) で
得られる処理液から、水分とともに反応溶媒及び有臭成
分を蒸発除去する工程。
【0016】また、本発明は、不純物を含む上記一般式
(V)で表されるN−長鎖アシルイミノ二塩基酸又はそ
の塩に水を添加した後、下記工程(1), (2)及び(3) 、又
は下記工程(2), (1) 及び(3) をこの順に行うことを特
徴とするN−長鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩の精
製方法を提供するものである。
【0017】工程(1) :N−長鎖アシルイミノ二塩基酸
又はその塩を含む水溶液、又は工程(2) で得られる処理
液に鉱酸を添加して、水難溶性のN−長鎖アシルイミノ
二塩基酸に変換し、水溶性物質を含有する水層とN−長
鎖アシルイミノ二塩基酸を含有する有機層とに分離する
工程 工程(2) :N−長鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩を
含む水溶液、又は工程(1) で得られる有機層に酸化剤を
添加処理する工程 工程(3) :工程(1) で得られる有機層、又は工程(2) で
得られる処理液から、水分とともに反応溶媒及び有臭成
分を蒸発除去する工程
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0019】本発明の一般式(V)で表されるN−長鎖
アシルイミノ二塩基酸又はその塩の合成に用いられる一
般式(I)で表される化合物としては、天然或いは合成
により得られるいずれのイミノ二塩基酸又はその塩でも
良いが、例えばイミノ二酢酸、イミノ二プロピオン酸等
のイミノ二塩基酸や、グリシン、β−アラニン等のアミ
ノ酸から誘導される二塩基酸あるいはこれらの塩が挙げ
られ、好ましくはグリシン又はその塩とアクリロニトリ
ルとを反応させた後、シアノ基を加水分解して得られる
下記式(VII)
【0020】
【化9】
【0021】(式中、M1及びM2は前記の意味を示す。)
で表される二塩基酸又はその塩である。
【0022】また、塩を形成する陽イオンとしては、ア
ルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、総炭素
数1〜22のモノ、ジもしくはトリアルカノールアンモニ
ウム、総炭素数1〜22のモノ、ジもしくはトリアルキル
基またはアルケニル基置換アンモニウム、炭素数1〜22
のアルキル基またはアルケニル基置換ピリジニウム、総
炭素数2〜500 及び総アミノ数2〜250 のポリアルキレ
ンポリアミン又は塩基性アミノ酸もしくはそれらの混合
物等が挙げられるが、ナトリウム、カリウム、マグネシ
ウム、カルシウム、アンモニウム、モノエタノールアン
モニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノール
アンモニウム、エチレンジアミン、プロピレンジアミン
等が好ましく、特にナトリウム、カリウムまたはアンモ
ニウムが好ましい。
【0023】また、一般式(II)で表される酸ハライド
としては、炭素数6〜22、好ましくは12〜18の飽和又は
不飽和脂肪酸のハライド、例えばカプリル酸、カプリン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、オレイン酸などの単一組成の脂肪酸のハライド
や、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸等の混合脂肪酸のハライ
ド、好ましくはクロライドが挙げられる。一般式(I)
で表される化合物と一般式(II)で表される酸ハライド
との反応は水溶液中にて、必要なら水とメタノール、エ
タノール、イソプロパノール、アセトン、 1,3−プロパ
ンジオール、プロピレングリコール等の極性溶媒、好ま
しくは低級アルコールとの混合溶液中にて、0〜100
℃、好ましくは10〜50℃の適当な温度で 0.5〜100 時間
反応させ、さらに必要なら電気透析機等を用いて対イオ
ンを交換することにより、行うことができる。
【0024】また、本発明の一般式(V)で表されるN
−長鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩の合成に用いら
れる、一般式(III) で表される化合物は、グリシン、β
−アラニン等のアミノ酸にアクリロニトリル等のニトリ
ル化合物を反応させることにより得ることができる。こ
の一般式(III) で表される化合物として特に好ましいも
のは、グリシンとアクリロニトリルを反応させて得られ
る下記一般式(VIII)
【0025】
【化10】
【0026】(式中、M2は前記の意味を示す。)で表さ
れる化合物である。
【0027】この一般式(III) で表される化合物と前記
一般式(II)で表される酸ハライドとを、好ましくは水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ性物質の
存在下、水溶液中にて、必要なら水とメタノール、エタ
ノール、イソプロパノール、アセトン、 1,3−プロパン
ジオール、プロピレングリコール等の極性溶媒、好まし
くは低級アルコールとの混合溶液中にて、0〜100 ℃、
好ましくは10〜50℃の適当な温度で 0.5〜100 時間反応
させ、一般式 (IV) で表される化合物を得、この一般式
(IV) で表される化合物のシアノ基を、好ましくは水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基性物質の存在下
で加水分解し、必要により電気透析機等を用いて対イオ
ンを交換することにより、一般式(V)で表されるN−
長鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩を得る。また、一
般式(V)における塩を形成する陽イオンとしては、上
記陽イオンを挙げることができる。
【0028】本発明においては、上記のようにして一般
式(V)で表されるN−長鎖アシルイミノ二塩基酸又は
その塩を含む反応液を得た後、次いで上記工程(1), (2)
及び(3)、又は上記工程(2), (1) 及び(3)をこの順に行
うが、特に上記工程(1), (2)及び(3) の順に行うのが好
ましい。以下、各工程について詳細に説明する。
【0029】工程(1) 本工程は、N−長鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩を
含む反応液、又は工程(2) で得られる処理液に鉱酸を添
加して、水難溶性のN−長鎖アシルイミノ二塩基酸に変
換し、水溶性物質を含有する水層とN−長鎖アシルイミ
ノ二塩基酸を含有する有機層とに分離する工程である。
【0030】ここで用いられる鉱酸としては、硫酸、塩
酸等の無機酸が挙げられる。本工程は、pH2〜4で行
うことが好ましく、また水層とN−長鎖アシルイミノ二
塩基酸を含む有機層とを分層するための温度条件は、N
−長鎖アシルイミノ二塩基酸が融解していれば良く、通
常10℃から 100℃の間で行われるが、20℃から80℃が好
ましい。本発明を該N−長鎖アシルイミノ二塩基酸の融
点以上で実施することはもちろん可能であるが、該N−
長鎖アシルイミノ二塩基酸は含水すると融点以下でも融
解するため、比較的低温でも実施できる利点がある。
【0031】尚、N−長鎖アシルイミノ二塩基酸が融解
している状態とは、流動性を保ち液状化している状態を
いう。この融解物と水との分層性が悪い場合、例えばエ
タノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール
からなる解乳化剤を加えるか、硫酸ナトリウムや塩化ナ
トリウム等の無機塩を添加し、改善することも可能であ
る。更に純度を上げるためには、本工程の処理を2回以
上繰り返しても良い。本発明において、解乳化剤として
用いられる低級アルコールは、N−長鎖アシルイミノ二
塩基酸 100重量部に対し、好ましくは1〜200 重量部、
更に好ましくは5〜100 重量部になるように添加するこ
とが好ましい。
【0032】上記の分層を行って得られる有機層は、水
分及び少量の有機不純分を含んだN−長鎖アシルイミノ
二塩基酸であるが、この有機層をアルカリでpH3.5 〜
13.5、好ましくはpH4.5 〜13に中和した後、次の工程
(2) 又は工程(3) を行うことが好ましい。
【0033】工程(2) 本工程は、N−長鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩を
含む反応液、又は工程(1) で得られる有機層に酸化剤を
添加処理する工程である。
【0034】ここで用いられる酸化剤としては、次亜塩
素酸ナトリウム、過酸化水素、過炭酸ナトリウム、過ホ
ウ酸ナトリウム等が挙げられ、特に過酸化水素、次亜塩
素酸ナトリウムが好ましい。酸化剤の添加量はN−長鎖
アシルイミノ二塩基酸又はその塩に対し10ppm 〜10重量
%が好ましく、50ppm 〜5重量%が更に好ましい。酸化
剤の添加量を上記範囲にすることで十分な脱臭効果が得
られると共に、反応液中に多量の酸化剤が残存すること
なく、熟成後に加える還元剤の量も抑制することができ
経済的である。
【0035】酸化剤を添加した後、10〜100 ℃、好まし
くは30〜70℃で、10分〜10時間、好ましくは15分〜2時
間熟成することが望ましい。本工程においては、酸化剤
を添加処理した後に、還元剤で残存している酸化剤を処
理することが好ましい。還元剤は酸化剤に対して 0.001
〜100 当量添加することが好ましく、添加後、10〜100
℃で5分〜10時間熟成することが好ましい。ここで用い
られる還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、亜硫
酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム等が挙げられ、水素
化ホウ素ナトリウムが好ましい。
【0036】工程(3) 本工程は工程(1) で得られる有機層、又は工程(2) で得
られる処理液から、水分とともに反応溶媒及び有臭成分
を蒸発除去する工程(トッピング工程)である。
【0037】本工程は減圧下で行うことが好ましく、特
に設備への負担や効率の面で10〜500 mmHg、更に30〜30
0 mmHgで行うのが好ましい。また温度は、効率の面や、
色相の劣化、異臭の発生を抑制するために30〜90℃が好
ましく、特に40〜70℃が好ましい。また、窒素等の不活
性ガスを吹き込みながら行うのが好ましい。スチームを
吹き込みながら行っても良い。
【0038】本工程における溶液のpHは特に大きな問
題ではないが、pH4以上の溶液系で行うのが好まし
い。トッピングを行う時に水蒸気や水を添加しながら行
うと濃度が調整しやすく、固化やゲル化を回避できるた
め好ましい。このトッピングは回分式、連続式のいずれ
で行ってもよく、その際に薄膜式の蒸発装置を用いても
よい。回分式で行う場合、蒸発により除去される重量と
ほぼ同じ重量の水を添加して、更に蒸発操作を繰り返す
ことが好ましい。本工程においては、水とともに反応等
に使用した有機溶媒や反応中に微量生成した有臭成分を
留去することができる。
【0039】本発明においては、上記工程(1), (2)及び
(3) 、又は上記工程(2), (1) 及び(3) をこの順に行う
が、例えば上記工程(1), (2), (1), (3)のように、これ
らの工程を繰り返し行ってもよい。また、本発明におい
て、最終的に得られる長鎖N−アシルイミノ二塩基酸溶
液に含まれる低級アルコール量は500ppm以下が好まし
く、100ppm以下が更に好ましい。
【0040】本発明は、上記のようなN−長鎖アシルイ
ミノ二塩基酸又はその塩の合成反応液より、高純度のN
−長鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩を製造する場合
の他、無機塩、水溶性有機塩等の不純物の混入したN−
長鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩の精製にも適用で
きる。この場合、該不純なN−長鎖アシルイミノ二塩基
酸又はその塩に水を添加した後、下記工程(1), (2)及び
(3) 、又は下記工程(2), (1) 及び(3) をこの順に行
う。
【0041】工程(1) :N−長鎖アシルイミノ二塩基酸
又はその塩を含む水溶液、又は工程(2) で得られる処理
液に鉱酸を添加して、水難溶性のN−長鎖アシルイミノ
二塩基酸に変換し、水溶性物質を含有する水層とN−長
鎖アシルイミノ二塩基酸を含有する有機層とに分離する
工程 工程(2) :N−長鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩を
含む水溶液、又は工程(1) で得られる有機層に酸化剤を
添加処理する工程 工程(3) :工程(1) で得られる有機層、又は工程(2) で
得られる処理液から、水分とともに反応溶媒及び有臭成
分を蒸発除去する工程 これらの各工程は、上記の高純度のN−長鎖アシルイミ
ノ二塩基酸又はその塩を製造する際に行った工程(1) 〜
(3) と同様に行えばよい。
【0042】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
尚、例中の%は特記しない限り重量基準である。
【0043】実施例中には特に記載していないが、使用
した次亜塩素酸ソーダ水溶液は有効塩素濃度10%のもの
を使用した。また、アルカリ性の水素化ホウ素ナトリウ
ム水溶液は、NaOH:水素化ホウ素ナトリウム:水=
40:12:48(重量比)のものを使用した。
【0044】実施例1 2リットルの4つ口フラスコに90.1gのグリシンと、48
gのNaOHを254.7gの水に溶解したNaOH水溶液
を入れ、混合した。10℃に冷却した後、この水溶液に6
3.7gのアクリロニトリルを約1時間かけて滴下した。
この間、系内温度を10〜18℃に保った。その後、15〜18
℃で2時間攪拌を行い、反応を完結させた。この反応液
に、 120.4gの48%NaOH水溶液を仕込み、温度を67
℃に昇温した。その後、系内温度を67〜85℃に保ち、5
時間攪拌を行った。この間、窒素を液中に吹き込みなが
ら十分にアンモニアの除去を行った。
【0045】次いで、反応液を26℃に冷却し、 340.9g
の水と 154.9gのイソプロパノールを加え混合した後、
予め混合させた 196.9gのラウリン酸クロライドと74.0
gのミリスチン酸クロライドを約1時間かけて滴下し
た。この間、48%NaOH水溶液を滴下して、系内pH
を10〜12に保ち、系内温度は18〜26℃に保った。48%N
aOH水溶液の使用量は80.9gであった。滴下終了後、
室温で2時間攪拌を行い、粗N−アルカノイル−N−カ
ルボキシエチルグリシンナトリウム塩溶液を得た。
【0046】得られた粗N−アルカノイル−N−カルボ
キシエチルグリシンナトリウム塩溶液 461.4gに36%塩
酸を加えpH 2.5とし、攪拌しながら45℃に昇温した。
攪拌を1時間行った後、静置し、二層に分層した下層
(水層)を抜き出した。上層(有機層)に、抜き出した
水層と同重量のイオン交換水を加え、攪拌しながら48%
NaOH水溶液を添加し、pH 5.0に調整した。この
間、温度は44〜46℃に保った。その後、次亜塩素酸ソー
ダ水溶液を 7.5g添加し、50℃で1時間攪拌を行った。
その後、アルカリ性の水素化ホウ素ナトリウム水溶液を
0.16g添加し、50℃で1時間攪拌を行った。その後、温
度55〜60℃、真空度130mmHg で、窒素を吹き込みながら
水とともにイソプロパノールを蒸発留去させ、約 110g
留出するまで行った。その後、 190gのイオン交換水を
加え、再び蒸発操作を行い、約 170g留出させ、N−ア
ルカノイル−N−カルボキシエチルグリシンナトリウム
塩水溶液を得た。この溶液中のイソプロパノール残存量
は50ppm 以下であった。
【0047】実施例2 実施例1と同様にして得られた粗N−アルカノイル−N
−カルボキシエチルグリシンナトリウム塩溶液 459.3g
を用い、36%塩酸を加えpH 3.6とし、攪拌しながら45
℃に昇温した。攪拌を1時間行った後、静置し、二層に
分層した下層(水層)を抜き出した。上層(有機層)
に、抜き出した水層と同重量のイオン交換水を加え、攪
拌しながら48%NaOH水溶液を添加し、pH 5.0に調
整した。この間、温度は43〜46℃に保った。
【0048】その後、次亜塩素酸ソーダ水溶液を 7.5g
添加し、50℃で1時間攪拌を行った。その後、アルカリ
性の水素化ホウ素ナトリウム水溶液を0.16g添加し、50
℃で1時間攪拌を行った。その後、温度55〜60℃、真空
度130mmHg で、窒素を吹き込みながら水とともにイソプ
ロパノールを蒸発留去させ、約 110g留出するまで行っ
た。その後、 190gのイオン交換水を加え、再び蒸発操
作を行い、約 170g留出させ、N−アルカノイル−N−
カルボキシエチルグリシンナトリウム塩水溶液を得た。
この溶液中のイソプロパノール残存量は50ppm 以下であ
った。
【0049】実施例3 実施例1と同様にして得られた粗N−アルカノイル−N
−カルボキシエチルグリシンナトリウム塩溶液 430.6g
に次亜塩素酸ソーダ水溶液を 2.8g添加し、50℃で1時
間攪拌を行った。その後、アルカリ性の水素化ホウ素ナ
トリウム水溶液を0.06g添加し、50℃で1時間攪拌を行
った。
【0050】その後、40℃に冷却し、攪拌しながら36%
塩酸を加えpH 2.5とした。攪拌を1時間行った後、静
置し、二層に分層した下層(水層)を抜き出した。この
間、温度は43〜46℃に保った。上層(有機層)に、抜き
出した水層と同重量のイオン交換水を加え、攪拌しなが
ら48%NaOH水溶液を添加し、pH 5.0に調整した。
その後、温度55〜60℃、真空度130mmHg で、窒素を吹き
込みながら水とともにイソプロパノールを蒸発留去さ
せ、約 105g留出するまで行った。その後、 180gのイ
オン交換水を加え、再び蒸発操作を行い、約 160g留出
させ、N−アルカノイル−N−カルボキシエチルグリシ
ン塩水溶液を得た。この溶液中のイソプロパノール残存
量は50ppm 以下であった。
【0051】実施例4 実施例1と同様にして得られた粗N−アルカノイル−N
−カルボキシエチルグリシンナトリウム塩溶液 446.0g
に36%塩酸を加えpH 2.5とし、攪拌しながら45℃に昇
温した。攪拌を1時間行った後、静置し、二層に分層し
た下層(水層)を抜き出した。この間、温度を44〜46℃
に保った。上層(有機層)に抜き出した水層と同重量の
イオン交換水を加え、攪拌しながら48%NaOH水溶液
を添加し、pH 5.0に調整した。
【0052】その後、次亜塩素酸ソーダ水溶液を7.25g
添加し、50℃で1時間攪拌を行った。その後、温度55〜
60℃、真空度130mmHg で、窒素を吹き込みながら水とと
もにイソプロパノールを蒸発留去させ、約 110g留出す
るまで行った。その後、190gのイオン交換水を加え、
再び蒸発操作を行い、約 170g留出させ、N−アルカノ
イル−N−カルボキシエチルグリシンナトリウム塩水溶
液を得た。この溶液中のイソプロパノール残存量は50pp
m 以下であった。
【0053】比較例1 実施例1と同様にして得られた粗N−アルカノイル−N
−カルボキシエチルグリシンナトリウム塩溶液 446.0g
に36%塩酸を加えpH 0.5とし、攪拌しながら45℃に昇
温した。攪拌を1時間行った後、静置し、二層に分層し
た下層(水層)を抜き出した。この間、温度を44〜46℃
に保った。上層(有機層)に、抜き出した水層と同重量
のイオン交換水を加え、攪拌しながら48%NaOH水溶
液を添加し、pH 5.0に調整した。
【0054】その後、温度55〜60℃、真空度130mmHg
で、窒素を吹き込みながら水とともにイソプロパノール
を蒸発留去させ、約 110g留出するまで行った。その
後、 190gのイオン交換水を加え、再び蒸発操作を行
い、約 170g留出させ、N−アルカノイル−N−カルボ
キシエチルグリシンナトリウム塩水溶液を得た。この溶
液中のイソプロパノール残存量は50ppm 以下であった。
【0055】実施例5 2リットルの4つ口フラスコに90.1gのグリシンと、48
gのNaOHを254.7gの水に溶解したNaOH水溶液
を入れ混合した。10℃に冷却した後、この水溶液に63.7
gのアクリロニトリルを約1時間かけて滴下した。この
間、系内温度を10〜18℃に保った。その後、15〜18℃で
2時間攪拌を行い反応を完結させた。この反応液に、 3
40.9gの水と 154.9gのイソプロパノールを加え混合し
た後、予め混合させた 196.9gのラウリン酸クロライド
と74.0gのミリスチン酸クロライドを約1時間かけて滴
下した。この間、48%NaOH水溶液を滴下して、系内
pHを10〜12に保ち、系内温度は18〜26℃に保った。48
%NaOH水溶液の使用量は 105.0gであった。滴下終
了後、室温で2時間攪拌を行った。
【0056】次いで、 120.4gの48%NaOH水溶液を
仕込み、温度を70℃に昇温した。その後、窒素を液中に
吹き込みながら十分にアンモニアの除去を行いながら、
系内温度を70〜90℃に保ち、4時間攪拌を行い反応を完
結させ、粗N−アルカノイル−N−カルボキシエチルグ
リシンナトリウム塩溶液を得た。
【0057】得られた粗N−アルカノイル−N−カルボ
キシエチルグリシンナトリウム塩溶液 469.3gに36%塩
酸を加えpH 2.5とし、攪拌しながら45℃に昇温した。
攪拌を1時間行った後、静置し、二層に分層した下層
(水層)を抜き出した。上層(有機層)に、抜き出した
水層と同重量のイオン交換水を加え、攪拌しながら48%
NaOH水溶液を添加し、pH 5.0に調整した。この
間、温度は44〜46℃に保った。
【0058】その後、次亜塩素酸ソーダ水溶液を 7.5g
添加し、50℃で1時間攪拌を行った。その後、アルカリ
性の水素化ホウ素ナトリウム水溶液を0.16g添加し、50
℃で1時間攪拌を行った。その後、温度55〜60℃、真空
度130mmHg で、窒素を吹き込みながら水とともにイソプ
ロパノールを蒸発留去させ、約 115g留出するまで行っ
た。その後、 195gのイオン交換水を加え、再び蒸発操
作を行い、約 175g留出させ、N−アルカノイル−N−
カルボキシエチルグリシンナトリウム塩水溶液を得た。
この溶液中のイソプロパノール残存量は50ppm 以下であ
った。
【0059】実施例6 実施例5と同様にして得られた粗N−アルカノイル−N
−カルボキシエチルグリシンナトリウム塩溶液 469.3g
を用い、酸化剤として次亜塩素酸ソーダ水溶液の代わり
に2.14gの35%過酸化水素水を用いたほかは、実施例5
と同様に行い、N−アルカノイル−N−カルボキシエチ
ルグリシンナトリウム塩水溶液を得た。この溶液中のイ
ソプロパノール残存量は50ppm 以下であった。
【0060】実施例7 実施例5と同様にして得られた粗N−アルカノイル−N
−カルボキシエチルグリシンナトリウム塩溶液(pH1
3) 438.0 gを50℃に昇温した後、次亜塩素酸ソーダ水
溶液を7.0 g添加し、50℃で1時間攪拌を行った。その
後、アルカリ性の水素化ホウ素ナトリウム水溶液を0.15
g添加し、50℃で1時間攪拌を行った。
【0061】その後、40℃に冷却し、攪拌しながら36%
塩酸を加えpH 2.5とした。攪拌を1時間行った後、静
置し、二層に分層した下層(水層)を抜き出した。上層
(有機層)に抜き出した水層と同重量のイオン交換水を
加え、攪拌しながら48%NaOH水溶液を添加し、pH
5.0に調整した。その後、温度55〜60℃、真空度 130mm
Hgで、窒素を吹き込みながら水とともにイソプロパノー
ルを蒸発留去させ、約 110g留出するまで行った。その
後、 190gのイオン交換水を加え、再び蒸発操作を行
い、約 170g留出させ、N−アルカノイル−N−カルボ
キシエチルグリシン塩水溶液を得た。この溶液中のイソ
プロパノール残存量は50ppm 以下であった。
【0062】実施例8 実施例5と同様にして得られた粗N−アルカノイル−N
−カルボキシエチルグリシンナトリウム塩溶液 440gを
36%塩酸でpH8に調整した後、実施例7と同様の操作
を行ってN−アルカノイル−N−カルボキシエチルグリ
シン塩水溶液を得た。この溶液中のイソプロパノール残
存量は50ppm 以下であった。
【0063】実施例9 実施例5と同様にして得られた粗N−アルカノイル−N
−カルボキシエチルグリシンナトリウム塩溶液 500g
に、攪拌しながら36%塩酸を加えpH2とし、40℃に昇
温した。攪拌を1時間行った後、静置し、二層に分層し
た下層(水層)を抜き出した。上層(有機層)に、抜き
出した水層と同重量のイオン交換水を加え、攪拌しなが
ら48%NaOH水溶液を添加し、pH13に調整し、50℃
に昇温した。
【0064】その後、次亜塩素酸ソーダ水溶液を 8.0g
添加し、50℃で1時間攪拌を行った。その後、アルカリ
性の水素化ホウ素ナトリウム水溶液を0.17g添加し、50
℃で1時間攪拌を行った。その後、40℃まで冷却し、再
び攪拌しながら36%塩酸を加えpH2とした。攪拌を1
時間行った後、分層するに必要な量の食塩を加え、静置
し、二層に分層した下層(水層)を抜き出した。上層
(有機層)に、抜き出した水層と同重量のイオン交換水
を加え、攪拌しながら48%NaOH水溶液を添加し、p
H 5.0に調整した。
【0065】その後、温度55〜60℃、真空度130mmHg
で、窒素を吹き込みながら水とともにイソプロパノール
を蒸発留去させ、約 120g留出するまで行った。その
後、 200gのイオン交換水を加え、再び蒸発操作を行
い、約 180g留出させ、N−アルカノイル−N−カルボ
キシエチルグリシン塩水溶液を得た。この溶液中のイソ
プロパノール残存量は50ppm 以下であった。
【0066】比較例2 実施例5と同様にして得られた粗N−アルカノイル−N
−カルボキシエチルグリシンナトリウム塩溶液 469.3g
に36%塩酸を加えpH 0.5とし、攪拌しながら45℃に昇
温した。攪拌を1時間行った後、静置し、二層に分層し
た下層(水層)を抜き出した。上層(有機層)に、抜き
出した水層と同重量のイオン交換水を加え、攪拌しなが
ら48%NaOH水溶液を添加し、pH 5.0に調整した。
この間、温度は44〜46℃に保った。
【0067】その後、温度55〜60℃、真空度130mmHg
で、窒素を吹き込みながら水とともにイソプロパノール
を蒸発留去させ、約 115g留出するまで行った。その
後、 195gのイオン交換水を加え、再び蒸発操作を行
い、約 175g留出させ、N−アルカノイル−N−カルボ
キシエチルグリシン塩水溶液を得た。この溶液中のイソ
プロパノール残存量は50ppm 以下であった。
【0068】試験例 実施例1〜9及び比較例1〜2で得られたN−アルカノ
イル−N−カルボキシエチルグリシンナトリウム塩水溶
液の50℃恒温槽での保存による色相及び臭気の変化を下
記方法で評価した。結果を表1及び表2に示す。
【0069】<色相の評価法>保存開始時及び20日間保
存後の色相をAPHA比色計(目視)で測定した。
【0070】<臭気の評価法>保存開始時及び20日間保
存後の臭気を、下記基準で官能評価した。 評価基準 ○ 異臭なし △ わずかに異臭あり × 異臭あり ×× 強い刺激臭あり
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 235/12 9547−4H C07C 235/12 (72)発明者 前田 利次 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、M1及びM2は水素原子または陽イオン基を示し、
    M1とM2は同一でも異なっていても良い。m 及びn は1〜
    3の数を示し、m とn は同一でも異なっていても良
    い。)で表される化合物に、一般式(II) RCOX (II) (式中、 Rは炭素数5〜21の直鎖もしくは分岐鎖のアル
    キル基、アルケニル基又はヒドロキシアルキル基を示
    し、X はハロゲン原子を示す。)で表される酸ハライド
    を反応させ、必要により塩交換するか、あるいは一般式
    (III) 【化2】 (式中、 M2, m及びn は前記の意味を示す。)で表され
    る化合物に、上記一般式(II)で表される酸ハライドを
    反応させ、一般式 (IV) 【化3】 (式中、R, M, m及びn は前記の意味を示
    す。)で表される化合物を得、その後加水分解し、必要
    により塩交換することにより、一般式(V) 【化4】 (式中、R, M1, M2, m及びn は前記の意味を示す。)で
    表されるN−長鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩を含
    む反応液を得、次いで下記工程(1), (2)及び(3) 、又は
    下記工程(2), (1) 及び(3) をこの順に行うことを特徴
    とするN−長鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩の製造
    方法。 工程(1) :N−長鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩を
    含む反応液、又は工程(2) で得られる処理液に鉱酸を添
    加して、水難溶性のN−長鎖アシルイミノ二塩基酸に変
    換し、水溶性物質を含有する水層とN−長鎖アシルイミ
    ノ二塩基酸を含有する有機層とに分離する工程 工程(2) :N−長鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩を
    含む反応液、又は工程(1) で得られる有機層に酸化剤を
    添加処理する工程 工程(3) :工程(1) で得られる有機層、又は工程(2) で
    得られる処理液から、水分とともに反応溶媒及び有臭成
    分を蒸発除去する工程
  2. 【請求項2】 反応溶媒として低級アルコールと水との
    混合溶媒を用いる請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 m=2、n=1である請求項1又は2記載
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 工程(1) で得られたN−長鎖アシルイミ
    ノ二塩基酸を含有する有機層をアルカリで中和した後、
    工程(2) 又は工程(3) を行う請求項1〜3のいずれか一
    項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 工程(2) で用いられる酸化剤が次亜塩素
    酸ナトリウム又は過酸化水素である請求項1〜4のいず
    れか一項に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 工程(2) で酸化剤を添加処理した後に、
    還元剤で残存している酸化剤を処理する請求項1〜5の
    いずれか一項に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 最終的に得られる長鎖N−アシルイミノ
    二塩基酸溶液に含まれる低級アルコール量が500ppm以下
    である請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 不純物を含む上記一般式(V)で表され
    るN−長鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩に水を添加
    した後、下記工程(1), (2)及び(3) 、又は下記工程(2),
    (1) 及び(3) をこの順に行うことを特徴とするN−長
    鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩の精製方法。 工程(1) :N−長鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩を
    含む水溶液、又は工程(2) で得られる処理液に鉱酸を添
    加して、水難溶性のN−長鎖アシルイミノ二塩基酸に変
    換し、水溶性物質を含有する水層とN−長鎖アシルイミ
    ノ二塩基酸を含有する有機層とに分離する工程 工程(2) :N−長鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩を
    含む水溶液、又は工程(1) で得られる有機層に酸化剤を
    添加処理する工程 工程(3) :工程(1) で得られる有機層、又は工程(2) で
    得られる処理液から、水分とともに反応溶媒及び有臭成
    分を蒸発除去する工程
JP20579696A 1996-08-05 1996-08-05 N−長鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩の製造方法及び精製方法 Pending JPH1045693A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20579696A JPH1045693A (ja) 1996-08-05 1996-08-05 N−長鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩の製造方法及び精製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20579696A JPH1045693A (ja) 1996-08-05 1996-08-05 N−長鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩の製造方法及び精製方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1045693A true JPH1045693A (ja) 1998-02-17

Family

ID=16512836

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20579696A Pending JPH1045693A (ja) 1996-08-05 1996-08-05 N−長鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩の製造方法及び精製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1045693A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3025725B2 (ja) N−長鎖アシルアミノ酸の分離法及び精製法
JPH1045693A (ja) N−長鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩の製造方法及び精製方法
JP3544454B2 (ja) N−長鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩の製造方法
JPH06157432A (ja) ベンザルコニウムハライドの製造方法
US4188493A (en) Process for recovering CMOS
JPH1045694A (ja) N−長鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩の製造法
JPS6239554A (ja) 酸型アミノカルボン酸の製造方法
JPH04321656A (ja) N−長鎖アシルアミノカルボン酸又はアミノスルホン酸型界面活性剤の製造方法及び該活性剤を含有する洗浄剤組成物
JP3261833B2 (ja) 洗浄剤組成物の製造法
JPH0249299B2 (ja)
EP1431276B1 (en) Preparation and purification of hydroxylamine stabilizers
JP3870448B2 (ja) アミノジカルボン酸−n,n−二酢酸塩類の製造法
JPH09194448A (ja) 二分子のアミノ酸の連結によるジアミン型ポリアミノ酸の製造方法およびそれらを含む生分解性キレート剤
JPH0761957A (ja) N−混合飽和脂肪酸アシル中性アミノ酸の製造法
JPH0977728A (ja) N−長鎖アシルイミノ二塩基酸又はその塩の製造法及び精製法
JP2003096038A (ja) 高純度n−長鎖アシルアミノ酸またはその塩の製造方法
JPH0940624A (ja) N−長鎖アシルアミノ酸又はその塩の製造法
JPH07278071A (ja) ベタイン類の製法
JP3550515B2 (ja) アミノ酸化合物の製造法
JP2003221371A (ja) N−長鎖アシル中性アミノ酸の製造方法
JP3586503B2 (ja) ターシャリーブチルアクリルアミドの製造方法
JPH054952A (ja) N−長鎖アシル酸性アミノ酸モノアルカリ塩の製造方法
JP4375943B2 (ja) 粉末n−長鎖アシルイミノ二塩基酸塩の製造方法
JPH09227480A (ja) 多親水基型n−長鎖アシルカルボン酸又はその塩の製造法
JPH08268986A (ja) アスパラギン酸− n,n−二酢酸またはその塩類の製造方法