JPH10336045A - ビタビ復号器 - Google Patents

ビタビ復号器

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JPH10336045A
JPH10336045A JP14682497A JP14682497A JPH10336045A JP H10336045 A JPH10336045 A JP H10336045A JP 14682497 A JP14682497 A JP 14682497A JP 14682497 A JP14682497 A JP 14682497A JP H10336045 A JPH10336045 A JP H10336045A
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viterbi decoder
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JP14682497A
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English (en)
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Tsuneo Fujiwara
恒夫 藤原
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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  • Signal Processing For Digital Recording And Reproducing (AREA)
  • Error Detection And Correction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定の符号化規則に基づいて入力データから
得られた各ブランチメトリックに、過去の生残りパスの
パスメトリックを加算し、その加算値を相互に比較し、
最も確からしい生残りパスのパスメトリックを選択し
て、保持してゆくようにしたビタビ復号器21におい
て、演算処理速度の高速化を図る。 【解決手段】 演算器27A,27Bによって過去と現
在とのブランチメトリックを相互に加減算することによ
ってそれぞれ状態S00,S11に関連するブランチメ
トリックを演算し、これを加算器44A,44Bにおい
て状態S11,S00の生残りパスのパスメトリックと
加算し、比較器43A,43Bにおいて状態S00,S
11のパスメトリックと比較する。加算器44A,44
Bの入力側から比較器43A,43Bの出力側の間にレ
ジスタ45A,45Bを介在してパイプライン処理を行
い、比較的時間のかかる加算および比較処理を並列処理
可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆるミニディ
スク等の光ディスクなどに記録されているディジタルデ
ータを再生するにあたって、データの変換法に合わせ
て、最尤復号を行うビタビ復号器に関する。
【0002】
【従来の技術】前記光ディスクや磁気ディスクなどの記
録媒体にディジタルデータを記録するにあたって、再生
信号自身から、該再生信号に同期したクロックを得るよ
うにした、いわゆるセルフクロック方式を実現するため
に、記録すべきデータをRLL(Run Length Limited)
符号に変換した後、記録が行われている。前記RLL符
号は、符号列中に現れる「0」の最小連続個数と最大連
続個数とが制限された符号であり、たとえばdを前記最
小連続個数とし、kを最大連続個数とすると、(d,
k)RLL符号と記述される。
【0003】また、記録マークをなるべく大きくするた
めに、前記RLL符号における「0」の最小連続個数を
1以上として、前記RLL符号に変換を行った後、デー
タ列中に「1」が現れたときに出力を反転するNRZI
(Non Return to Zero Inverse)変換が行われている。
【0004】図6に、前記RLL符号の一例として、
(1,7)RLL符号の変換テーブルを示す。なお、こ
の図6において、データビットとは、変換前のビットを
表し、符号ビットとは、変換後のビットを表す。符号ビ
ットは、変換対象となる2データビットと、それに続く
直後の2データビットと、直前の符号ビットとによって
決定される。この図6で示すように、2ビットのデータ
ビットが、変換後は3ビットの符号ビットとなり、
「1」と「1」との間には、最低1個、最大7個の
「0」が存在することになり、「0」の最小連続個数d
は1、最大連続個数kは7に制限される。
【0005】したがって、該(1,7)RLL符号によ
る変換後にNRZI変換を施すと、最小反転間隔が2符
号ビットで、最大反転間隔が8符号ビットとなって、デ
ータ列中に短い間隔で反転が出現し、「0」や「1」が
長期間連続することがなく、前記セルフクロック方式を
可能としている。また、何も変換しないで記録するより
も、最小記録マーク(最小反転間隔)を大きくすること
ができる。このようにして、変換が施されて実際に記録
媒体に記録される前記符号ビットの1ビットを、以後1
チャネルビットと称し、この1チャネルビットの周期を
1サイクルと称する。
【0006】たとえば、図7(a)で示すデータ列のデ
ータビットを、前記(1,7)RLL符号に変換すると
図7(b)で示すようになり、これをNRZI変換する
と図7(c)で示すようになる。したがって、記録媒体
上の記録マークは図7(d)で示すようになり、図7
(e)で示す何も変換しない場合の記録マークと比較す
ると、1チャネルビットの大きさ、したがって1サイク
ルは0.66倍となるけれども、マークおよび非マーク
の長さの最小値である最小反転間隔が1.33倍となっ
ている。
【0007】一方、前記ビタビ復号器は、たとえば特開
平4−30306号公報に示されるように、データの変
換法に合わせて時系列的に再生データが取り得るトレリ
ス線図から、最も確率の高いデータの遷移経路(パスメ
トリックが最小なパス)を求めてゆくことによって、無
駄な計算をできるだけ省くようにして、最尤復号を行う
ものである。
【0008】これを利用して、高密度記録された光ディ
スクからの再生信号を、データ間の相互干渉を除去する
ためにパーシャルレスポンス方式のPR(1,1)特性
で等化し、その後に前記ビタビ復号を行うようにした従
来技術(M.Tobita;“Viterbi Detection of Partial R
esponse on a Magneto Optical Recording Channel”;
SPIE Vol.1663, Optical Data Storage(1992)p166-p17
3)が提案されている。
【0009】同様に、前記PR(1,1)特性と比べ
て、孤立ビットの再生波形を時間軸方向に拡大して、高
密度記録されたデータを見掛け上低域側にシフトするこ
とができるPR(1,2,1)特性で再生信号を等化
し、その後に前記ビタビ復号を行うようにした従来技術
(藤原,山口 他;“光磁気記録再生系におけるPRM
L検出の一検討”,1993年電子情報通信学会春季大
会予稿集C−474)、(“光ディスクのデータ検出方
式”;特開平6−243598号公報)も提案されてい
る。
【0010】さらにまた、記録されるデータの最小反転
間隔が2チャネルビット以上に制限されている場合、こ
の特性と前記PR特性とを利用してビタビ復号を行うよ
うにした従来技術(“光ディスクのデータ検出方式”;
特開平7−122000号公報)も提案されている。こ
の従来技術は、前記最小反転間隔が2チャネルビット以
上という制限のため、記録データ列中に、「010」や
「101」というデータ列が現れないことを利用し、状
態遷移を図8の状態遷移図に従うものとしてビタビ復号
を行うものである。
【0011】この図8において、4つの状態、Sij
(i=0,1、j=0,1)の添数字は、iが前回検出
されたデータを表し、jが前々回検出されたデータを表
す。また、各状態Sij間の経路に付記してある記号
で、/の左側は、その状態に遷移するためのデータを表
し、/の右側は、その状態の発生するときの信号レベル
の期待値を表す。
【0012】図8(a)は、前記PR(1,2,1)特
性の場合の状態遷移図であり、前記期待値はd0,d
1,d3,d4の4種類となる。また、図8(b)は、
前記PR(1,1)特性の場合の状態遷移図であり、前
記期待値はd0,d1,d2の3種類である。ビタビ復
号器への入力データは、通常、再生信号をアナログ/デ
ィジタル変換器によって量子化したものであり、前記期
待値もその入力データの範囲内に設定されている。
【0013】前述のように、記録データ列中には、「0
10」や「101」というデータ列が現れないため、こ
の図8の状態遷移では、状態S10からS01への遷移
および状態S01からS10という遷移は、除去されて
いる。このようにして、前記最小反転間隔が2チャネル
ビット以上であることを利用して、再生データを1チャ
ネルビット毎に交互に変化するような誤ったデータに復
号してしまうことを防止し、復号誤り率の改善が図られ
ている。
【0014】このようなPR(1,1)特性やPR
(1,2,1)特性を利用したビタビ復号器は、G.D.Fo
rney.JR ;“The Viterbi Algorithm ”,Proc IEEE,6
1,No.3,pp268-278,March,1973や、トリケップス;“実
践誤り訂正技術”pp159-161 に示されているような方法
によって、実現することができる。
【0015】たとえば、前記図8(a)で示すPR
(1,2,1)特性の状態遷移を利用した従来技術のビ
タビ復号器1は、図9で示すように構成されている。こ
のビタビ復号器1は、大略的に、ブランチメトリック演
算器2と、後述するACS(Adder Compare Select)部
3と、データ復号部4とを備えて構成されている。光デ
ィスクなどから再生された再生信号は、増幅やフィルタ
処理などが施された後、等化回路において前記PR
(1,2,1)特性に等化され、さらに前記アナログ/
ディジタル変換器によってディジタルデータに変換され
て、このビタビ復号器1に入力される。
【0016】入力されたデータに対して、前記ブランチ
メトリック演算器2は、前記各期待値d0,d1,d
3,d4をそれぞれ用いてブランチメトリックを演算
し、出力A,B,C,Dからそれぞれ出力する。前記A
CS部3は、加算器5A,5B,5C,5D,5E,5
Fと、レジスタ6A,6B,6C,6Dと、比較器7
A,7Bと、選択器8A,8Bとを備えて構成されてい
る。
【0017】このACS部3に入力された前記ブランチ
メトリックは、各レジスタ6A,6B,6C,6Dに保
持されている過去の生残りパスのパスメトリックと加算
器5A,5B,5C,5D,5E,5Fによって加算さ
れ、加算器5A,5B;5C,5Dの加算結果が、比較
器7A,7Bにおいて相互に比較されて、さらに選択器
8A,8Bで選択されることによって、より確からしい
方のパスメトリックが生残りパスのパスメトリックとし
て、前記レジスタ6A,6B;6C,6Dに保持され
る。また、前記比較器7A,7Bの出力は、データ復号
部4の入力C1,C2に入力されて、以下のようにし
て、データの復号が行われる。
【0018】図10は、前記データ復号部4の具体的構
成を示すブロック図である。このデータ復号部4は、n
段の選択器M11,M12;M21,M22;…;Mn
1,Mn2およびシフトレジスタR11〜R14;R2
1〜R24;…;Rn1〜Rn4を備えて構成されてい
る。
【0019】第1段目の選択器M11の両入力Aa,B
aには、それぞれ初期値の「0」が入力され、同様に選
択器M12の両入力Ab,Bbには、「1」が入力され
ている。選択器M11,M21,…,Mn1の選択端子
Saには、前記比較器7Aからの選択出力が与えられて
おり、これに対して、選択器M12,M22,…,Mn
2の選択端子Sbには、前記比較器7Bからの選択出力
が与えられる。これらの選択器M11〜Mn1;M12
〜Mn2は、それぞれ選択端子Sa,Sbに「1」が入
力されているときには、入力Aa,Ab側の入力を後段
のシフトレジスタR11〜Rn1;R14〜Rn4へ、
それぞれ出力Ya,Ybから出力し、「0」が入力され
ているときには、入力Ba,Bb側の入力を選択して出
力する。
【0020】したがって、シフトレジスタR11〜Rn
4のうち、初段のシフトレジスタR11〜R14には初
期値が設定され、2段目以降のシフトレジスタR21〜
Rn4では、生残りパスがどのような状態遷移であった
かに対応して、復号結果が選択されてコピーされてい
る。したがって、段数nをある程度以上大きくすると、
最終段の4つのレジスタRn1〜Rn4に格納されてい
る値は同じになる。すなわち、過去に逆上ると、4つの
生残りパスは1つに収束されている。したがって、最終
段のシフトレジスタRn1〜Rn4には、生残りパスの
復号結果が、それぞれ同じ値として保持されることにな
る。最終段のシフトレジスタRn1〜Rn4の任意のレ
ジスタの出力が復号データとして、たとえばパーソナル
コンピュータなどの上位装置に出力される。
【0021】また、ビタビ復号は、上述のように、過去
のパスメトリックにブランチメトリックを加算して生残
りパスのパスメトリックを求めるので、演算途中でオー
バーフローが生じることがある。このため、前記図9で
示すビタビ復号器1に対して、前記オーバーフローの防
止のための構成を設けたビタビ復号器11が提案されて
おり、この構成を図11に示す。なお、この図11の構
成は、前述の図9の構成に類似し、対応する部分には、
同一の参照符号を付して、その説明を省略する。このビ
タビ復号器11では、パスメトリック監視回路12が設
けられるとともに、ACS部13内には、前記各レジス
タ6A,6B,6C,6Dに個別的に対応するオーバー
フロー防止回路14A,14B,14C 14Dが設け
られている。
【0022】パスメトリック監視回路12には、各レジ
スタ6A,6B,6C,6Dに保持されているパスメト
リックが入力されており、このパスメトリック監視回路
12は、いずれか1つのパスメトリックが予め定める閾
値を超えると、オーバーフロー防止回路14A,14
B,14C 14Dにパスメトリックが前記所定値を超
えたことを表す信号を出力する。前記レジスタ6A,6
B,6C,6Dに保持されているパスメトリックは、前
述のように加算器5A,5B,5C,5D,5E,5F
においてブランチメトリックと加算されるにあたって、
前記オーバーフロー防止回路14A,14B,14C,
14Dをそれぞれ通過するように構成されており、オー
バーフロー防止回路14A,14B,14C,14D
は、パスメトリック監視回路12によってオーバーフロ
ーが検知されると、オーバーフローを回避するための演
算、たとえば所定の定数を減算する処理を行う。
【0023】前記パスメトリックには、絶対値は不要で
あり、その相対値だけが必要であるので、このようにし
てオーバーフローを防止するための処理を行っても、復
号データにエラーが生じることはない。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術のビタ
ビ復号器1,11では、入力データに応答して得られた
各ブランチメトリックに対して、加算器5A,5B,5
C,5D,5E,5Fにおいて加算すべきパスメトリッ
クは、1サイクル前の演算で求められていなければなら
ない。すなわち、加算、比較、選択の演算を1サイクル
で処理しなければならない。一方、加算や比較の処理な
どは、全ビットを順次演算処理してゆかなければなら
ず、全ビットを一斉に演算処理することができる選択な
どの他の論理演算に比べて、時間がかかる。したがっ
て、上述のビタビ復号器1,11では、これが障害とな
って、動作サイクルを高速にすることができないという
問題がある。特に、(d,k)RLL符号による変換を
行うと、前述のように1サイクルの周期が短くなり、高
速動作させることが必須となる。
【0025】本発明の目的は、高速動作可能なビタビ復
号器を提供することである。
【0026】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るビ
タビ復号器は、ビットの最小反転間隔が2ビット以上と
なるように予め定める符号化規則によって符号化された
ディジタルデータを、前記符号化規則を利用して最尤復
号するためのビタビ復号器において、過去のブランチメ
トリックと現在のブランチメトリックとを相互に加減算
する演算手段と、前記演算手段の演算結果のうち、前記
最小反転間隔以上0が連続したときに到達すべき第1の
状態に関連する第1の演算結果および前記最小反転間隔
以上1が連続したときに到達すべき第2の状態に関連す
る第2の演算結果に対して、第2の状態での生残りパス
のパスメトリックおよび第1の状態での生残りパスのパ
スメトリックをそれぞれ加算して、第1および第2の加
算値を得る加算手段と、前記第1および第2の加算値
と、前記第1の状態での生残りパスのパスメトリックお
よび第2の状態での生残りパスのパスメトリックとをそ
れぞれ比較して、生残りパスを判定する比較手段と、前
記加算手段の入力側から比較手段の出力側の間のいずれ
かに介在される第1のデータ保持手段とを含むことを特
徴とする。
【0027】上記の構成によれば、(1,7)RLLお
よびNRZI変換などの予め定める符号化規則によっ
て、ビットの最小反転間隔が2ビット以上となるように
符号化されたディジタルデータに対して、ブランチメト
リックと過去の生残りパスのパスメトリックとを加算
し、それらを相互に比較して、最も確からしいものを選
択し、保持するようにしたビタビ復号器において、まず
演算手段によって、過去のブランチメトリックと現在の
ブランチメトリックとを相互に加減算して、前記最小反
転間隔以上0が連続したときに到達すべき第1の状態、
たとえば前記(1,7)RLLおよびNRZI変換など
のビットの最小反転間隔が2ビットである場合には状態
S00、また(2,7)RLLおよびNRZI変換やE
FM変換などのビットの最小反転間隔が3ビットである
場合には状態S000に関連する第1の演算結果と、前
記最小反転間隔以上1が連続したときに到達すべき第2
の状態、すなわち前記最小反転間隔が2ビットである場
合には状態S11、3ビットである場合には状態S11
1に関連する第2の演算結果とを求める。
【0028】こうして求めた演算結果のブランチメトリ
ックに対して、加算すべきパスメトリックは2サイクル
過去の値でよく、その2サイクル過去の第2の状態での
生残りパスのパスメトリックおよび第1の状態での生残
りパスのパスメトリックと、前記演算手段の第1および
第2の演算結果であるブランチメトリックとが、第1お
よび第2の加算手段でそれぞれ相互に加算されて、第1
および第2の加算値が求められる。これら第1および第
2の加算値は、比較手段において、それぞれ第1の状態
での生残りパスのパスメトリックおよび第2の状態での
生残りパスのパスメトリックと比較されて、生残りパス
が判定され、最も確からしい方の生残りパスのパスメト
リックが保持されることになる。
【0029】したがって、前述のように、演算手段で求
められたブランチメトリックに加算されるべきパスメト
リックは、2サイクル過去の値でよくなり、加算手段の
入力側から比較手段の出力側の間のいずれかの箇所に、
レジスタなどで実現される第1のデータ保持手段を介在
することが可能となる。
【0030】これによって、その介在した第1のデータ
保持手段よりも前段側の演算処理と後段側の演算処理と
を並列で行う、いわゆるパイプライン処理が可能とな
り、たとえば加算手段と比較手段との間に介在すること
によって、特に時間のかかる加算処理および比較処理を
並列で行うことができ、高速動作、すなわち最大クロッ
ク周波数を高くすることができる。
【0031】また請求項2の発明に係るビタビ復号器で
は、前記演算手段は、その出力段に、第2のデータ保持
手段をさらに有することを特徴とする。
【0032】上記の構成によれば、ブランチメトリック
の加減算もまた、前記パイプライン処理によって、前述
のような加算処理や比較処理と並列に行うことができ、
さらに高速動作が可能となる。
【0033】さらにまた請求項3の発明に係るビタビ復
号器は、PR(1,2,1)特性を利用した請求項1記
載のビタビ復号器であって、前記演算手段は、過去のサ
ンプルデータと現在のサンプルデータとを相互に加算す
る第1の加算器と、前記第1の加算器の出力の全ビット
を反転する反転手段と、前記反転手段の出力と予め定め
る定数とを相互に加算する第2の加算器と、前記第1の
加算器の出力と予め定める定数とを相互に加算する第3
の加算器とを備えることを特徴とする。
【0034】上記の構成によれば、再生信号をPR
(1,2,1)特性で等化すると、入力データの過去の
サンプルデータと現在のサンプルデータとを加算し、さ
らにその全ビットの反転値に定数を加えたものは、前記
最小反転間隔以上0が連続したときに到達すべき第1の
状態S00やS000に関連する第1の演算結果に対応
しており、また過去のサンプルデータと現在のサンプル
データとを加算して、さらに予め定める定数を加算した
ものは、前記最小反転間隔以上1が連続したときに到達
すべき第2の状態S11やS111に関連する第2の演
算結果に対応している。
【0035】したがって、減算処理がなく、また定数の
加算は通常の加算処理に比べて処理を簡略化することが
でき、構成を簡略化することができる。
【0036】また請求項4の発明に係るビタビ復号器
は、ビットの最小反転間隔が2ビット以上となるように
予め定める符号化規則によって符号化されたディジタル
データを、前記符号化規則およびPR(1,1)特性を
利用して最尤復号するためのビタビ復号器において、前
記最小反転間隔以上0が連続したときに到達すべき第1
の状態から遷移するブランチのブランチメトリックまた
は前記最小反転間隔以上1が連続したときに到達すべき
第2の状態から遷移するブランチのブランチメトリック
のいずれかに対して、第1の状態での生残りパスのパス
メトリックおよび第2の状態での生残りパスのパスメト
リックをそれぞれ加算して、第1および第2の加算値を
得る加算手段と、前記第1および第2の加算値と、前記
第2の状態での生残りパスのパスメトリックおよび第1
の状態での生残りパスのパスメトリックとをそれぞれ比
較して、生残りパスを判定する比較手段と、前記加算手
段の入力側から比較手段の出力側の間のいずれかに介在
される第1のデータ保持手段とを含むことを特徴とす
る。
【0037】上記の構成によれば、再生信号をPR
(1,1)特性で等化すると、得られたブランチメトリ
ックのうち、S00やS000などの第1の状態から遷
移するブランチ、たとえば状態S10へのブランチのブ
ランチメトリックと、S11やS111などの第2の状
態から遷移するブランチ、たとえば状態S01へのブラ
ンチのブランチメトリックとは、ともに過去のブランチ
メトリックと現在のブランチメトリックとを相互に加減
算した値に対応している。
【0038】したがって、これら第1の状態から遷移す
るブランチのブランチメトリックまたは第2の状態から
遷移するブランチのブランチメトリックのいずれかに対
して、第1の状態での生残りパスのパスメトリックおよ
び第2の状態での生残りパスのパスメトリックをそれぞ
れ加算して求めた第1および第2の加算値から、生残り
パスを判定することができる。
【0039】このとき、加算すべきパスメトリックは、
2サイクル過去の値でよくなり、加算手段の入力側から
比較手段の出力側の間のいずれかの箇所に、レジスタな
どで実現される第1のデータ保持手段を介在することが
可能となる。
【0040】これによって、その介在した第1のデータ
保持手段よりも前段側の演算処理と後段側の演算処理と
を並列で行う、いわゆるパイプライン処理が可能とな
り、たとえば加算手段と比較手段との間に介在すること
によって、特に時間のかかる加算処理および比較処理を
並列で行うことができ、高速動作、すなわち最大クロッ
ク周波数を高くすることができる。
【0041】また、特別な演算手段を設けることなく、
ブランチメトリック演算器の出力の引回しを追加するだ
けで前記パイプライン処理が可能となり、簡単な構成で
高速動作を行うことができる。
【0042】さらにまた請求項5の発明に係るビタビ復
号器は、前記加算手段および第1のデータ保持手段の組
合せを並列にもう1組設け、前記パスメトリックを保持
しておくべき第3のデータ保持手段の出力側および前記
もう1組の加算手段の入力側にオーバーフロー防止のた
めの演算を行う演算器を設け、前記比較手段へは、オー
バーフロー防止演算を行うか否かに対応して、2組の第
1のデータ保持手段の出力を選択的に入力することを特
徴とする。
【0043】上記の構成によれば、生残りパスのパスメ
トリックを保持しておくべき第3のデータ保持手段の出
力側にオーバーフロー防止演算を行う演算器を設ける
と、該オーバーフロー防止演算が行われるときには、そ
の出力がオーバーフロー防止演算が行われていない1サ
イクル前のパスメトリックとなる。このため、加算手段
および第1のデータ保持手段の組合せを並列にもう1組
設けておき、オーバーフロー防止演算が行われるときに
は、そのもう1組の側に設けた演算器によって、同じ1
サイクル前のパスメトリックに対して加算処理を行った
値が、比較手段において過去の生残りパスのパスメトリ
ックと比較されることになる。
【0044】これによって、比較器で比較されるデータ
は、同じタイミングのデータとなり、前記パイプライン
処理を可能としても、オーバーフロー防止演算も従来通
り行うことができる。
【0045】また請求項6の発明に係るビタビ復号器
は、前記パスメトリックを保持しておくべき第3のデー
タ保持手段の入力側および前記第1のデータ保持手段の
入力側に、オーバーフロー防止のための演算を行う演算
器を設けることを特徴とする。
【0046】上記の構成によれば、オーバーフロー防止
演算を行う演算器を、パスメトリックを保持しておくべ
き第3のデータ保持手段の入力側に設け、これに対応し
て第1のデータ保持手段の入力側にもオーバーフロー防
止演算を行う演算器を設ける。
【0047】これによって、比較器で比較されるデータ
は、同じタイミングでオーバーフロー防止演算が行われ
たデータとなり、前記パイプライン処理を可能として
も、従来通りオーバーフロー防止演算も行うことができ
る。
【0048】
【発明の実施の形態】本発明の実施の第1の形態につい
て、図1に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0049】図1は、本発明の実施の第1の形態のビタ
ビ復号器21の構成を示すブロック図である。このビタ
ビ復号器21は、前記図8(a)で示す状態遷移、すな
わちビットの最小反転間隔が2ビット以上であり、かつ
PR(1,2,1)特性に対応した復号器である。この
ビタビ復号器21は、大略的に、ブランチメトリック演
算器22と、ACS部23と、データ復号部24とを備
えて構成されている。ブランチメトリック演算器22お
よびデータ復号部24は、それぞれ前述のブランチメト
リック演算器2およびデータ復号部4と同様に構成され
ている。しかしながら、ACS部23は、その演算処理
手順を工夫することによって、該演算処理の高速化が図
られている。
【0050】まず、このビタビ復号器21のACS部2
3における演算処理の考え方を説明する。前述のACS
部3,13での演算処理を演算式で表現すると、レジス
タ6Aに関連して、 P00k-1 +B00- 00k <P01k-1 +B01- 00k …(1) 上式が真のとき P00k =P00k-1 +B00- 00k …(2) 上式が偽のとき P00k =P01k-1 +B01- 00k …(3) で表すことができ、レジスタ6Dに関連して、 P11k-1 +B11- 11k <P10k-1 +B10- 11k …(4) 上式が真のとき P11k =P11k-1 +B11- 11k …(5) 上式が偽のとき P11k =P10k-1 +B10- 11k …(6) で表すことができ、レジスタ6Bに関連して、 P10k =P00k-1 +B00- 10k …(7) で表すことができ、レジスタ6Cに関連して、 P01k =P11k-1 +B11- 01k …(8) で表すことができる。
【0051】ここで、Pijは、前記図8(a)におけ
る状態Sijに遷移してきた生残りパスのパスメトリッ
クであり、Bij- gh(g=0,1、h=0,1、h
=i)は、状態Sijから状態Sghに遷移するブラン
チのブランチメトリックである。また、添字kは時間を
表しており、たとえば該kを現時点とすると、k−1は
1サイクル過去を表している。さらにまた、各式におい
て、ブランチメトリックBおよびパスメトリックPは、
値が小さい程、尤度(確からしさ)が大きいとしてい
る。
【0052】すなわち、たとえばレジスタ6Aに記憶さ
れるパスメトリックP00k について考えると、加算器
5Aによって求められる該レジスタ6Aに記憶されてい
た1サイクル以前のパスメトリックP00k-1 とブラン
チメトリックB00- 00kとの和、すなわち状態S0
0のままであるときのパスメトリックと、加算器5Bに
おいて求められるレジスタ6Cに記憶されていた1サイ
クル以前のパスメトリックP01k-1 とブランチメトリ
ックB01- 00k との和、すなわち状態S01から状
態S00に遷移するときのパスメトリックとが比較器7
Aで比較され、その比較結果から、確からしい方が選択
器8Aによって選択されて、該レジスタ6Aに格納され
る。
【0053】したがって、パスメトリックP00k ,P
11k ,P10k ,P01k を決定するために、1サイ
クル過去のパスメトリックと現時点のブランチメトリッ
クとを加算し、さらにその加算値の大小判定および選択
という処理を1サイクルの間に実行する必要がある。し
たがって、これらの処理がビタビ復号器の最大クロック
周波数を決定することになる。
【0054】この点、たとえば図12(a)で示すよう
な、クロック基準で動作する一般的なディジタル回路で
は、前記最大クロック周波数fmaxは、 fmax=1/(tco+tcmb+tsu) …(9) で与えられる。ただし、tcoは入力段のレジスタ15
にクロックが入力されてから出力が確定するまでの時間
であり、tcmbは論理演算器16の入力が変化してか
ら出力が確定するまでの時間であり、tsuは出力段の
レジスタ17の入力が確定してからクロックが入力され
るまでに必要ないわゆるセットアップ時間である。
【0055】すなわち、レジスタ15の出力は、クロッ
クの立上がりエッジからtcoだけ経過した時点で出力
が確定し、論理演算器16は、入力が変化してからtc
mb経過した時点で論理演算結果が確定し、またレジス
タ17の入力は、次のクロックの立上がりエッジの少な
くともtsuだけ以前には確定していなければならない
ことを表す。このような回路で、クロック周波数を前記
最大クロック周波数famxより高くすると、その出力
結果は保証されないことになる。
【0056】このため、クロック周波数を前記式9で規
定された最大クロック周波数fmaxより高くするため
に、一般的には、図12(b)で示すような手法が用い
られる。この図12(b)の構成において、前述の図1
2(a)に対応する部分には、同一の参照符号を付して
示す。この図12(b)のディジタル回路では、前述の
論理演算器16における論理演算を複数の処理に分割し
て、それらを行う論理演算器16A,16B間にレジス
タ18を挿入する、いわゆるパイプライン処理によっ
て、高速化が図られている。
【0057】したがって、前記論理演算器16での論理
演算が、その入力をinとし、出力をoutとし、 out=β×(in+α) …(10) で表されるとき、論理演算器16Aの出力、すなわち論
理演算器16Bの入力をin’とすると、 in’=in+α …(11) out=β×in’ …(12) となる。
【0058】このように構成することによって、論理演
算器16Aの入力inが変化してから、出力in’が確
定するまでの時間をtcmbAとし、論理演算器16B
の入力in’が変化してから出力outが確定するまで
の時間をtcmbBとするとき、前記最大クロック周波
数fmaxは、tcmbA≧tcmbBである場合に
は、 fmax=1/(tco+tcmbA+tsu) …(13) となり、tcmbA<tcmbBの場合には、 fmax=1/(tco+tcmbB+tsu) …(14) となる。
【0059】tcmb>tcmbAであり、かつtcm
b>tcmbBであるので、このようなパイプライン処
理を行うことによって、前記最大クロック周波数fma
xを高くし、高速動作が可能となっている。
【0060】しかしながら、このようなパイプライン処
理は、通常、フィードフォワードな回路、すなわち入力
から出力へ1方向に進んでゆく回路には適用することが
できるけれども、前記ビタビ復号器1,11のようなフ
ィードバックを有する回路、すなわち過去の演算結果を
必要とする回路には、単純には適用することができな
い。
【0061】つまり、加算・比較・選択を行わなければ
ならない上記式1〜式3および式4〜式6において、ブ
ランチメトリックB00- 00k ,B11- 11k ,B
01- 00k ,B10- 11k が現在のデータであり、
かつ演算処理が施されていない入力データであるので対
して、パスメトリックP00k-1 ,P11k-1 ,P01
k-1 ,P10k-1 は、1サイクル前の演算結果であるの
で、前記パイプライン処理を適用することができない。
【0062】本発明では、前述のようなパイプライン処
理を、ビタビ復号のACS部23に適用可能とするもの
であり、演算処理を以下のようにして行う。まず、前記
式1を、 P00k-1 <(P01k-1 +B01- 00k )−B00- 00k …(15) に変形し、さらに右辺のP01k-1 に前記式8を代入し
て、 P00k-1 <{(P11k-2 +B11- 01k-1 )+B01- 00k }−B00- 00k …(16) から、 P00k-1 <P11k-2 +(B11- 01k-1 +B01- 00k −B00- 00k ) …(17) を得る。
【0063】同様に、前記式4に関しても、 P11k-1 <P00k-2 +(B00- 10k-1 +B10- 11k −B11- 11k ) …(18) を得る。
【0064】なお、式17に関して前記式2,3であ
り、式18に関して前記式5,6となる。
【0065】演算量が多い前記式17,式18におい
て、ブランチメトリック同士の演算である、(B11-
01k-1 +B01- 00k −B00- 00k )と、(B
00-10k-1 +B10- 11k −B11- 11k )と
は、ACS部23への入力データの現在および過去の値
であり、フィードバックループには含まれないので、前
記パイプライン処理が可能である。また、前記式17に
おけるパスメトリックP11k-2 および式18における
パスメトリックP00k-2 は、2サイクル過去のデータ
であり、それぞれ左辺のパスメトリックP00k-1 およ
びP11k-1 よりも1サイクル過去の値である。
【0066】ここで、簡単化のために、前記ブランチメ
トリック同士の演算を、 B11- 01k-1 +B01- 00k −B00- 00k =B00k …(19) B00- 10k-1 +B10- 11k −B11- 11k =B11k …(20) とおく。前記式19は、第1の状態である状態S00に
遷移してゆくブランチのブランチメトリックと、該状態
S00で遷移しないブランチのブランチメトリックとの
差を表す第1の演算結果であり、式20は、第2の状態
である状態S11に遷移するブランチのブランチメトリ
ックと、該状態S11で遷移しないブランチのブランチ
メトリックとの差を表す第2の演算結果である。
【0067】このような式19,20をそれぞれ前記式
17,18に代入し、右辺のパスメトリックP1
k-2 ,P00k-2 が1サイクル過去の値であることを
利用すると、 P00k-1 <D(P11k-1 +B00k+1 ) …(21) P11k-1 <D(P00k-1 +B11k+1 ) …(22) となる。式21に関しては前記式2,3であり、式22
に関しては前記式5,6である。
【0068】ここで、D(x)は、1サイクルの遅延を
表しており、Dフリップフロップから成るレジスタ等で
実現することができる。したがって、上記式21,式2
2から、(P11k-1 +B00k+1 )および(P00
k-1 +B11k+1 )の演算を行う加算器と、その加算結
果とP00k-1 およびP11k-1 とをそれぞれ比較する
比較器との間にレジスタの挿入が可能であり、すなわち
1段のパイプライン処理が可能であることが理解され
る。これによって、1サイクルに処理しなければならな
い演算で最も時間のかかる部分は、大小比較処理と選択
処理との組合わせまたは加算処理と選択処理との組合わ
せとなり、前記式9で示すような従来の手法に比べて、
高速動作が可能であることが理解される。
【0069】図1を参照して、このビタビ復号器21の
ACS部23内の後述する各レジスタおよび前段側のア
ナログ/ディジタル変換器には、図示しないクロック信
号源からクロック信号が入力されており、これらは前記
1チャネルビット間隔のクロック周期を基準として動作
する。前記アナログ/ディジタル変換器からの入力デー
タyは、ブランチメトリック演算器22に入力され、ブ
ランチメトリックが演算される。通常、ブランチメトリ
ックは、ノイズ成分が白色のガウス分布ノイズであると
仮定すると、 ブランチメトリック=(y−dn)2 …(23) で計算される。ここで、dnは期待値であり、前記図8
(a)で示すPR(1,2,1)方式を前提にすると、
前述のようにd0,d1,d3,d4の4種類の値とな
り、前記図8(b)で示すPR(1,1)方式を前提と
していれば、d0,d1,d2の3種類となる。
【0070】この図1のビタビ復号器21は、前記PR
(1,2,1)方式を前提としているので、ブランチメ
トリック演算器22の出力A,B,C,Dからは、それ
ぞれ、 出力A:B00- 00k =(yk −d0)2 …(24) 出力B:B00- 10k =B01- B00k =(yk −d1)2 …(25) 出力C:B10- 11k =B11- B01k =(yk −d3)2 …(26) 出力D:B11- 11k =(yk −d4)2 …(27) によって演算されたブランチメトリックが出力される。
【0071】ACS部23は、大略的に、タイミング回
路26と、演算手段である演算器27A,27Bと、A
CS本体演算部28とを備えて構成されている。タイミ
ング回路26は、前記ブランチメトリック演算器22の
各出力A,B,C,Dに対応して、それぞれ3段ずつ設
けられるレジスタ31A,32A,33A;31B,3
2B,33B;31C,32C,33C;31D,32
D,33Dを備えて構成されており、後述するような所
望とする過去のブランチメトリック抽出のために用いら
れる。
【0072】なお、ブランチメトリック演算器22とA
CS本体演算部28との間にこのタイミング回路26を
介在しても、入力データyに対する復号データの出力タ
イミングは、該レジスタ31A〜33Dの段数分だけ、
すなわち3サイクルだけ遅くなるけれども、これらのレ
ジスタ31A〜33Dは、フィードフォワード回路であ
り、後述するような生残りパスの演算には何ら問題を生
じることはない。
【0073】したがって、各レジスタ33A,33B,
33C,33Dからは、前記ブランチメトリック演算器
22の出力A,B,C,Dから3サイクルだけ遅延した
ブランチメトリックB00- 00,B00- 10,B1
- 01,B11- 11が、それぞれ出力されることに
なる。
【0074】各レジスタ33A,33B,33C,33
Dから出力されるブランチメトリックは、(1,7)R
LLおよびNRZI変換ならびにPR(1,2,1)特
性に対応したACS本体演算部28に入力され、加算器
41A,41B,41C,41D,41E,41Fにお
いて、レジスタ34A,34B,34C,34Dに保持
されていた1サイクルだけ以前のパスメトリックと相互
に加算される。加算器41A,41Bからのパスメトリ
ックのいずれかが選択器42Aで選択されて、生残りパ
スのパスメトリックとして、前記レジスタ34Aにおい
て次のサイクルまで保持され、同様に加算器41D,4
1Cでの加算結果は、選択器42Bで選択されて、前記
レジスタ34Dにおいて次のサイクルまで保持される。
また、加算器41E,41Fでの加算結果は、それぞれ
レジスタ34B,34Cにおいて次のサイクルまで保持
される。
【0075】このACS本体演算部28は、従来、加算
器41A,41B,41D,41Cにおいて過去の生残
りパスの各パスメトリックとブランチメトリックとを加
算してから生残りパスの判定を行っていたのに対して、
前記式17および式18でそれぞれ示すように、演算器
27A,27Bにおいてブランチメトリックを演算して
おき、その演算結果と2サイクル過去の生残りパスのパ
スメトリックとを加算したものを、1サイクル過去の生
残りパスのパスメトリックと比較するようにし、加算処
理と比較処理との間に1サイクルの余裕を生じさせ、レ
ジスタ45A,45Bを介在して前記パイプライン処理
を可能とするものである。
【0076】すなわち、演算器27Aは、減算器46A
と、加算器47Aと、レジスタ32Eと、レジスタ33
Eとを備えて構成されており、まず、減算器46Aで
は、現在のブランチメトリックB01- 00k からブラ
ンチメトリックB00- 00kの減算値が求められ、レ
ジスタ32Eに保持される。この減算値は、加算器47
Aにおいて、相対的に1サイクル過去のブランチメトリ
ックB11- 01k-1 と加算されて、レジスタ33Eに
保持される。
【0077】前記減算器46Aでの減算処理およびレジ
スタ32Eの入力確定は、1クロック周期内で行われ
る。したがって、減算器46Aで減算処理される現在の
ブランチメトリックB01- 00k ,B00- 00k
対して、加算器47Aで加算されるブランチメトリック
B11- 01k-1 を相対的に1サイクルだけ過去のデー
タとするためには、前記レジスタ32Eと並列に配置さ
れるレジスタ33Cとともに、もう1段レジスタ31C
が必要となる。このためタイミング回路26には、ブラ
ンチメトリック演算器22の各出力A,B,C,Dに対
して、それぞれ2段のレジスタ31A,32A;31
B,32B;31C,32C;31D,32Dが設けら
れている。また、加算器47Aでの加算結果を保持する
レジスタ32Eに対応して、レジスタ33A,33B,
33C,33Dが設けられている。こうして、レジスタ
33Eから出力される演算結果は、ACS本体演算部2
8に入力されるブランチメトリックをB00- 00k
B00- 10k ,B11- 01k ,B11- 11k とす
ると、式19で示すB00k を1サイクル進めたB00
k+1 となる。
【0078】同様に、演算器27Bは、減算器46B
と、加算器47Bと、レジスタ32Fと、レジスタ33
Fとを備えて構成されている。減算器46Bは、現在の
ブランチメトリックB10- 11k からブランチメトリ
ックB11- 11k を減算し、加算器47Bは、その減
算値に対して、1サイクル過去のブランチメトリックB
00- 10k-1 を加算する。こうして、レジスタ33F
からは、前記式20で示すブランチメトリックB11k
を1サイクル進めたB11k+1 が出力されることにな
る。
【0079】このようにして求められたブランチメトリ
ックB00k+1 は、加算器44Aにおいて、レジスタ3
4Dに保持されているパスメトリックP11k-1 と加算
されて、1段パイプライン処理を行うためのレジスタ4
5Aに保持される。レジスタ45Aの出力は、比較器4
3Aの入力Bcに入力されており、したがって比較器4
3Aには、前記加算器44Aの出力が1サイクル後に得
られることになる。レジスタ34Aに保持されているパ
スメトリックP00k-1 は、この比較器43Aの入力A
cに入力されている。この比較器43Aは、Ac<Bc
のときに出力Ycから1を出力し、それ以外では0を出
力する。したがって、この比較器43Aは前記式21で
示す比較演算を行い、その出力は、データ復号部24の
入力C1に入力されるとともに、選択器42Aの入力S
eに入力されている。前記選択器42Aの入力Aeに
は、加算器41Aによって求められたブランチメトリッ
クB00- 00k とパスメトリックP00k-1 との加算
値が入力されており、入力Beには、加算器41Bか
ら、ブランチメトリックB00- 10k とパスメトリッ
クP01k-1 との加算値が入力されている。この選択器
42Aは、出力Yeからレジスタ34Aに、入力Seが
1であるときには入力Aeへの入力を選択して出力し、
入力Seが0であるときには入力Beへの入力を出力す
る。これによって、レジスタ34Aで保持されるパスメ
トリックは、前記式2または式3で示すようになる。
【0080】同様に、演算器27Bからのブランチメト
リックB11k+1 は、加算器44Bにおいて、レジスタ
34Aに保持されているパスメトリックP00k-1 と加
算された後、1段パイプライン処理のレジスタ45Bに
入力される。レジスタ45Bの出力は、比較器43Bの
入力Bdに入力されており、したがって比較器43Bに
は、前記加算器44Bの出力が1サイクル後に得られる
ことになる。レジスタ34Dに保持されているパスメト
リックP11k-1 は、この比較器43Bの入力Adに入
力されている。この比較器43Bは、Ad<Bdのとき
に出力Ydから1を出力し、それ以外では0を出力す
る。したがってこの比較器43Bは、前記式22で示す
比較演算を行い、その出力は、データ復号部24の入力
C2に入力されるとともに、選択器42Bの入力Sfに
入力されている。前記選択器42Bの入力Afには、加
算器41Dによって求められたブランチメトリックB1
-11k とパスメトリックP11k-1 との加算値が入
力されており、他方の入力Bfには、加算器41Cか
ら、ブランチメトリックB11- 01k とパスメトリッ
クP10k-1 との加算値が入力されている。この選択器
42Bは、出力Yfからレジスタ34Dに、入力Sfが
1であるときには入力Afの値を選択して出力し、入力
Sfが0であるときには入力Bfへの入力を出力する。
これによって、レジスタ34Dに保持されるべきパスメ
トリックは、前記式5または式6で示すようになる。
【0081】上述のように構成されたACS部23は、
レジスタ45A,45Bを挿入することによって、加算
器41A,41B,41C,41D,41E,41F
と、比較器43A,43Bとの並列処理が可能となり、
前述の図9で示すビタビ復号器1のACS部3の最大ク
ロック周波数fmaxが、 fmax=1/(tco+tadd+tcmp+tsel+tsu) …(28) で表されるのに対して、tadd≦tcmpであるときには、 fmax=1/(tco+tcmp+tsel+tsu) …(29) とすることができ、tadd>tcmpである場合には、 fmax=1/(tco+tadd+tsel+tsu) …(30) とすることができる。ただし、taddは加算器5A,
5B,5C,5D,5E,5F;41A,41B,41
C,41D,41E,41Fでの遅延時間であり、tc
mpは比較器7A,7B;43A,43Bでの遅延時間
であり、tselは選択器8A,8B;42A,42B
での遅延時間であり、tcoはレジスタ6A,6B,6
C,6D;34A,34B,34C,34Dの出力確定
時間であり、tsuはレジスタ6A,6B,6C,6
D;34A,34B,34C,34Dのセットアップ時
間である。
【0082】したがって本発明では、tcmpとtad
dとの小さい方の遅延時間の影響がなくなり、高速動作
を行うことができる。
【0083】なお、加算器44A,44Bでの加算によ
る遅延時間とレジスタ45A,45Bでのセットアップ
時間との和は、前記式29または式30の右辺における
合計遅延時間よりも短く、最大クロック周波数fmax
に影響を及ぼすことはない。また、演算器27A,27
Bでの演算も、レジスタ33E,33Fによって、加算
器44A,44Bでの加算処理および比較器43A,4
3Bでの比較処理と並列に行うことができ、前記最大ク
ロック周波数fmaxに影響を及ぼすことはない。
【0084】さらにまた、上述の例ではレジスタ45
A,45Bは、加算器44A,44Bと比較器43A,
43Bとの間に介在されているけれども、加算器44
A,44Bの入力側から比較器43A,43Bの出力側
までの間のいずれの箇所に介在されてもよい。
【0085】また、タイミング回路26におけるレジス
タの段数は、ブランチメトリック演算器22の出力に対
するパイプライン処理の段数に対応して決定される。す
なわち、図1で示すように、パイプライン処理の段数が
0段である場合には、レジスタは31A,32A,33
A;31B,32B,33B;31C,32C,33
C;31D,32D,33Dのそれぞれ3段ずつとな
り、パイプライン処理の段数が1段である場合には、レ
ジスタは2段ずつとなり、パイプライン処理の段数が2
段である場合には、レジスタは1段ずつとなり…、場合
によっては、演算器27A,27Bの出力側にタイミン
グ回路を設ける必要もある。
【0086】本発明の実施の第2の形態について、図2
に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0087】前記式23で示すブランチメトリックの演
算式を変形すると、 (y−dn)2 =y2 −2・y・dn+dn2 …(31) となる。ここで、y2 は、各ブランチメトリックに共通
であり、各ブランチメトリックには、前述のようにその
相対値が重要であり、したがって右辺を、 −2・y・dn+dn2 …(32) と変形することができる。
【0088】ここで、各期待値dnの公約数をLとし
て、dn=Mn・Lとすると、上式は、 −2・y・Mn・L+Mn2 ・L2 …(33) となる。また、すべてのブランチメトリックを同じ値で
割っても、割切れれば大小関係の精度は失われないの
で、上式をLで割ると、 −2・y・Mn+Mn2 ・L …(34) となる。さらにMn・Lが偶数であるとすると、上式を
2で割ることができ、 −y・Mn+Mn2 ・L/2 …(35) と表すことができる。
【0089】したがって、前記式19,20に沿った前
記演算器27A,27Bでのブランチメトリック演算
は、上記式35を用いると、 B00k+1 =B11- 01k +B01- 00k+1 −B00- 00k+1 =(yk −d3)2 +(yk+1 −d1)2 −(yk+1 −d0)2 =(−yk ・M3+M32 ・L/2) +(−yk+1 ・M1+M12 ・L/2) −(−yk+1 ・M0+M02 ・L/2) =−yk ・M3+yk+1 ・(−M1+M0) +(M32 +M12 −M02 )・L/2 …(36) B11k+1 =B00- 10k +B10- 11k+1 −B11- 11k+1 =(yk −d1)2 +(yk+1 −d3)2 −(yk+1 −d4)2 =(−yk ・M1+M12 ・L/2) +(−yk+1 ・M3+M32 ・L/2) −(−yk+1 ・M4+M42 ・L/2) =−yk ・M1+yk+1 ・(−M3+M4) +(M12 +M32 −M42 )・L/2 …(37) とすることができる。
【0090】ここで、PR(1,2,1)特性の場合、
前述のように、期待値はd0,d1,d3,d4の4値
であり、入力データy、すなわち前段のアナログ/ディ
ジタル変換器の出力中心が0となるように調整されてい
るとすると、前記期待値は、 d0=−2/L d1=−1・L d3=+1・L d4=+2・L …(38) となる。
【0091】すなわち、M0=−2,M1=−1,M3
=+1,M4=+2となり、これを前記式36に代入す
ると、 B00k+1 =−yk ・M3+yk+1 ・(−M1+M0) +(M32 +M12 −M02 )・L/2 =−yk ・(+1)+yk+1 ・{−(−1)+(−2)} +{(+1)2 +(−1)2 −(−2)2 }・L/2 =−(yk +yk+1 )+(−L) …(39) となる。
【0092】ここで、負の数を2の補数形式で表現する
と、 B00k+1 =Inv(yk +yk+1 )+1+(−L) =Inv(yk +yk+1 )+(−L+1) …(40) と表すことができる。ただし、Inv(x)は、全ビッ
トの反転を表し、また+1は、全ビットの反転が−1倍
してから1を減算した値に等しくなるので、正確に−1
倍とするための補正値である。
【0093】前記式37についても、前記Mnを代入す
ると、 B11k+1 =−yk ・M1+yk+1 ・(−M3+M4) +(M12 +M32 −M42 )・L/2 =−yk ・(−1)+yk+1 ・{−(+1)+(+2)} +{(−1)2 +(+1)2 −(+2)2 }・L/2 =yk +yk+1 +(−L) …(41) となる。
【0094】このような式40および式41を用いてブ
ランチメトリックB00k+1 およびB11k+1 をそれぞ
れ求めるようにした本発明の実施の第2の形態のビタビ
復号器51は、図2で示すように構成することができ
る。なお、このビタビ復号器51において、前述のビタ
ビ復号器21に類似し、対応する部分には同一の参照符
号を付して、その説明を省略する。
【0095】このビタビ復号器51では、ACS部52
に設けられる演算器53A,53Bは、アナログ/ディ
ジタル変換器からの入力データyを入力とし、それぞれ
前記式40および式41に対応している。演算器53A
は、入力データyの1サイクル遅延用のレジスタ54A
と、そのレジスタ54Aでの遅延値と入力値との加算を
行う加算器55Aと、パイプライン処理用のレジスタ5
6Aと、該レジスタ56Aのデータを全ビット反転する
反転器57と、定数(−L+1)を加算する加算器58
Aと、パイプライン処理用のレジスタ59Aとを備えて
構成されている。
【0096】これに対して、演算器53Bは、入力デー
タyとその1サイクル遅延した値との加算を行うための
レジスタ54Bおよび加算器55Bと、パイプライン処
理用のレジスタ56Bと、定数(−L)を加算する加算
器58Bと、パイプライン処理用のレジスタ59Bとを
備えて構成されている。なお、レジスタ54B、加算器
55Bおよびレジスタ56Bは、前述のレジスタ54
A、加算器55Aおよびレジスタ56Aにそれぞれ対応
しており、加算器58Bに前記レジスタ56Aからの出
力を直接入力することによって、構成を簡略化するよう
にしてもよい。
【0097】このように構成することによって、減算器
が不要となり、また加算器58A,58Bにおける一方
の入力が定数となって、該加算器58A,58Bの構成
を簡略化することもでき、回路構成を簡略化することが
できる。
【0098】本発明の実施の第3の形態について、図3
に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0099】図3は、本発明の実施の第3の形態のビタ
ビ復号器61の構成を示すブロック図である。このビタ
ビ復号器61は、前段の等化器が、前記図8(b)で示
すPR(1,1)特性の場合を想定している。したがっ
て、ブランチメトリック演算器62の各出力A,B,
C,Dからは、それぞれ、 出力A:B00- 00k =B01- 00k =(yk −d0)2 …(42) 出力B:B00- 10k =(yk −d1)2 …(43) 出力C:B10- 11k =(yk −d1)2 …(44) 出力D:B11- 11k =B10- 11k =(yk −d2)2 …(45) が出力される。
【0100】したがって、前記式36,式37と同様に
して、ブランチメトリックB00k+1 ,B00k+1 を求
めると、 B00k+1 =B11- 01k +B01- 00k+1 −B00- 00k+1 =(−2・yk ・d1+d12 ) +(−2・yk+1 ・d0+d02 ) −(−2・yk+1 ・d0+d02 ) =−2・yk ・d1+d12 =B11- 01k …(46) B11k+1 =B00- 10k +B10- 11k+1 −B11- 11k+1 =(−2・yk ・d1+d12 ) +(−2・yk+1 ・d2+d22 ) −(−2・yk+1 ・d2+d22 ) =−2・yk ・d1+d12 =B00- 10k =B00k+1 …(47) となる。
【0101】したがって、ブランチメトリックB00
k+1 ,B11k+1 を特別に演算する必要はなく、通常の
ブランチメトリックB11- 01k またはB00- 10
k を流用すればよく、ACS部63は、前述のACS本
体演算部28のみの構成とすることができる。このよう
にして、回路構成を簡略化することができる。
【0102】なお、この図3のビタビ復号器61では、
ブランチメトリックB00k+1 としてブランチメトリッ
ク演算器62の出力Cを用い、ブランチメトリックB1
k+1 として出力Bを用いるようにしているけれども、
上式から明らかなように、ブランチメトリックB00
k+1 ,B11k+1 に、出力B,Cのいずれかを共通に用
いるようにしてもよい。
【0103】本発明の実施の第4の形態について、図4
に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0104】図4は、本発明の実施の第4の形態のビタ
ビ復号器におけるACS本体演算部71の構成を示すブ
ロック図である。このACS本体演算部71には、前記
演算器27A,27Bなどから、ブランチメトリックB
00k+1 ,B11k+1 が入力されるとともに、前記タイ
ミング回路26などからブランチメトリックB00-
k-1 ,B01- 00k-1 ,B10- 11k-1 ,B11
- 11k-1 が入力される。
【0105】注目すべきは、このACS本体演算部71
では、前記ビタビ復号器11と同様に、レジスタ34
A,34B,34C,34Dに保持されるパスメトリッ
クは、パスメトリック監視回路72で監視されており、
いずれかのレジスタでオーバーフローが生じると、各レ
ジスタ34A,34B,34C,34Dの後段側に個別
的に配置されるオーバーフロー防止回路73A,73
B,73C,73Dが、一斉に前記オーバーフロー防止
演算を行うことである。
【0106】しかしながら、前記式21,式22におい
て、右辺はパスメトリックの演算結果を1サイクル遅延
したものであるから、前記オーバーフロー防止演算を行
うと、左辺の演算結果にはオーバーフロー防止演算が行
われ、右辺の演算結果にはオーバーフロー防止演算が行
われていないという問題が生じる。
【0107】このため、ACS本体演算部71では、前
記加算器44Aおよびレジスタ45Aと並列に加算器7
4Aおよびレジスタ75Aを設け、加算器74Aには、
前記オーバーフロー防止回路73Dを介して出力される
レジスタ34Dのパスメトリックが、オーバーフロー防
止回路76Aを介して入力されている。このオーバーフ
ロー防止回路76Aは、オーバーフローが生じないよう
に、入力Xhに入力されたパスメトリックに対して、常
時、一定値を減算するなどしてオーバーフロー防止演算
を行い、出力Yhから前記加算器74Aへ出力する。
【0108】したがって、レジスタ75Aに保持される
パスメトリックはオーバーフロー防止演算が行われたも
のであり、前記レジスタ45Aのパスメトリックと、選
択器77Aによって選択されて、前記比較器43Aの入
力Bcに入力される。なお、加算器44Bおよびレジス
タ45Bに関しても同様に、加算器74Bおよびレジス
タ75Bが並列に設けられるとともに、その入力側には
オーバーフロー防止回路76Bが設けられ、出力側には
選択器77Bが設けられる。
【0109】パスメトリック監視回路72は、通常時に
はローレベルを出力しており、オーバーフローを検知す
るとハイレベルを出力する。この出力は、オーバーフロ
ー防止回路73A,73B,73C,73Dの入力Sg
に入力されるとともに、選択器77A,77Bの入力S
iに入力される。オーバーフロー防止回路73A,73
B,73C,73Dは、前記入力Sgがローレベルであ
るときには、入力Xgに入力される各レジスタ34A,
34B,34C,34Dのデータを出力Ygから、その
まま出力しており、入力Sgがハイレベルとなると、オ
ーバーフロー防止演算を行う。これに対して、選択器7
7A,77Bは、入力Siがローレベルである通常時に
は、入力Biに入力されるレジスタ45A,45Bのス
トア内容を出力Yiからそれぞれ出力しており、前記入
力Siがハイレベルとなるオーバーフロー防止演算時に
は、入力Aiに入力されるレジスタ75A,75Bのス
トア内容を選択して出力する。
【0110】したがって、比較器43A,43Bの入力
Ac,Adと、入力Bc,Bdとに同時にオーバーフロ
ー防止演算が施された値が入力されることになり、前記
パイプライン処理によって演算処理速度の高速化を図っ
ても、オーバーフロー防止演算も行うことができる。
【0111】本発明の実施の第5の形態について、図5
に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0112】図5は、本発明の実施の第5の形態のビタ
ビ復号器におけるACS本体演算部81の構成を示すブ
ロック図である。このACS本体演算部81において、
前述のACS本体演算部71に類似し、対応する部分に
は同一の参照符号を付して、その説明を省略する。注目
すべきは、このACS本体演算部81では、前記オーバ
ーフロー防止回路73A,73B,73C,73Dが、
それぞれレジスタ34A,34B,34C,34Dの前
段側に設けられていることである。また、加算器44
A,44Bの前段側にも、オーバーフロー防止回路73
E,73Fがそれぞれ設けられており、レジスタ34
D,34Aのストア内容が、このオーバーフロー防止回
路73E,73Fを介して加算器44A,44Bに入力
されることになる。
【0113】このようにしてもまた、比較器43A,4
3Bの入力Ac,Adへの入力と、入力Bc,Bdへの
入力とに、同時にオーバーフロー防止演算を施した値を
入力することができる。
【0114】なお、本発明はビットの最小反転間隔が2
ビット以上であれば実施することができ、2−7RLL
変換やEFM変換によって符号化されたデータに関して
も実施することができる。
【0115】
【発明の効果】請求項1の発明に係るビタビ復号器は、
以上のように、予め定める符号化規則によって、ビット
の最小反転間隔が2ビット以上となるように符号化され
たディジタルデータに対して、ブランチメトリックと過
去の生残りパスのパスメトリックとを加算し、それらを
相互に比較して、最も確からしいものを選択し保持する
ようにしたビタビ復号器において、演算手段によって、
過去のブランチメトリックと現在のブランチメトリック
とを相互に加減算して、前記最小反転間隔以上0が連続
したときに到達すべき第1の状態S00やS000に関
連する演算結果と、前記最小反転間隔以上1が連続した
ときに到達すべき第2の状態S11やS111に関連す
る第2の演算結果とを求め、こうして求めた演算結果の
ブランチメトリックに対して、加算すべきパスメトリッ
クを2サイクル過去の値として、その2サイクル過去の
パスメトリックと前記第1および第2の演算結果とを第
1および第2の加算手段で加算して第1および第2の加
算値を求め、その第1および第2の加算値と第1および
第2の状態での生残りパスのパスメトリックとを比較手
段において比較する。
【0116】それゆえ、1段パイプライン処理が可能と
なり、加算手段の入力側から比較手段の出力側の間のい
ずれかの箇所に、レジスタなどで実現される第1のデー
タ保持手段を介在することができ、その介在した第1の
データ保持手段よりも前段側の演算処理と後段側の演算
処理とを並列処理可能として、高速動作、すなわち最大
クロック周波数を高くすることができる。
【0117】また請求項2の発明に係るビタビ復号器で
は、以上のように、前記演算手段は、その出力段に、第
2のデータ保持手段をさらに有する。
【0118】それゆえ、ブランチメトリックの加減算も
また、前記パイプライン処理によって、前述のような加
算処理や比較処理と並列に行うことができ、さらに高速
動作が可能となる。
【0119】さらにまた請求項3の発明に係るビタビ復
号器は、以上のように、PR(1,2,1)特性を利用
した請求項1記載のビタビ復号器であって、再生信号を
PR(1,2,1)特性で等化すると、入力データの過
去のサンプルデータと現在のサンプルデータとを加算
し、さらにその全ビットの反転値に定数を加えたもの
は、前記最小反転間隔以上0が連続したときに到達すべ
き第1の状態S00に関連する第1の演算結果に対応し
ており、また過去のサンプルデータと現在のサンプルデ
ータとを加算して、さらに予め定める定数を加算したも
のは、前記最小反転間隔以上1が連続したときに到達す
べき第2の状態S11に関連する第2の演算結果に対応
することを利用する。
【0120】それゆえ、減算処理がなく、また定数の加
算は通常の加算処理に比べて処理を簡略化することがで
きるので、構成を簡略化することができる。
【0121】また請求項4の発明に係るビタビ復号器
は、以上のように、ビットの最小反転間隔が2ビット以
上となるように予め定める符号化規則によって符号化さ
れたディジタルデータを、前記符号化規則およびPR
(1,1)特性を利用して最尤復号するためのビタビ復
号器において、S00やS000などの第1の状態から
遷移するブランチ、たとえば状態S10へのブランチの
ブランチメトリックと、S11やS111などの第2の
状態から遷移するブランチ、たとえば状態S01へのブ
ランチのブランチメトリックとは、ともに過去のブラン
チメトリックと現在のブランチメトリックとを相互に加
減算した値に対応していることを利用して、これら第1
の状態から遷移するブランチのブランチメトリックまた
は第2の状態から遷移するブランチのブランチメトリッ
クのいずれかに対して、第1の状態での生残りパスのパ
スメトリックおよび第2の状態での生残りパスのパスメ
トリックをそれぞれ加算して求めた第1および第2の加
算値から、生残りパスを判定する。
【0122】それゆえ、特別な演算処理手段を設けるこ
となく、ブランチメトリック演算器の出力の引回しを追
加するだけで前記パイプライン処理が可能となり、簡単
な構成で高速動作を行うことができる。
【0123】さらにまた請求項5の発明に係るビタビ復
号器は、以上のように、生残りパスのパスメトリックを
保持しておくべき第3のデータ保持手段の出力側にオー
バーフロー防止演算を行う演算器を設けると、該オーバ
ーフロー防止演算が行われるときには、その出力がオー
バーフロー防止演算が行われていない1サイクル前のパ
スメトリックとなることに対応して、加算手段および第
1のデータ保持手段の組合せを並列にもう1組設けてお
き、オーバーフロー防止演算が行われるときには、その
もう1組の側に設けた演算器によって同様のオーバーフ
ロー防止演算を行い、比較器で比較されるデータを同じ
タイミングでのデータとする。
【0124】それゆえ、前記パイプライン処理を可能と
しても、オーバーフロー防止演算も従来通り行うことが
できる。
【0125】また請求項6の発明に係るビタビ復号器
は、以上のように、前記パスメトリックを保持しておく
べき第3のデータ保持手段の入力側および前記第1のデ
ータ保持手段の入力側に、オーバーフロー防止のための
演算を行う演算器を設ける。
【0126】それゆえ、比較器で比較されるデータを、
同じタイミングでオーバーフロー防止演算が行われたデ
ータとして、前記パイプライン処理を可能としても、従
来通りオーバーフロー防止演算も行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態のビタビ復号器の構
成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の第2の形態のビタビ復号器の構
成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施の第3の形態のビタビ復号器の構
成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の第4の形態のビタビ復号器にお
けるACS本体演算部の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の第5の形態のビタビ復号器にお
けるACS本体演算部の構成を示すブロック図である。
【図6】1−7RLL変換の変換テーブルを示す図であ
る。
【図7】前記1−7RLL変換およびNRZI変換によ
って得られるデータおよびその記録マークを説明するた
めの図である。
【図8】ビットの最小反転間隔が2チャネルビット以上
である符号化規則と、PR特性とを考慮した再生データ
の状態遷移図である。
【図9】典型的な従来技術のビタビ復号器の構成を示す
ブロック図である。
【図10】ビタビ復号器におけるデータ復号部の具体的
構成を示すブロック図である。
【図11】他の従来技術のビタビ復号器の構成を示すブ
ロック図である。
【図12】一般的なディジタル回路の高速化手法を説明
するための図である。
【符号の説明】
21,51,61 ビタビ復号器 22,62 ブランチメトリック演算器 23,52,63 ACS部 24 データ復号部 26 タイミング回路 27A,27B;53A,53B 演算器(演算手
段) 28,71,81 ACS本体演算部 31A〜31D;32A〜32D;33A〜33D
レジスタ 33E,33F レジスタ(第2のデータ保持手
段) 34A〜34D レジスタ(第3のデータ保持手
段) 41A〜41F 加算器 42A,42B 選択器 43A,43B 比較器(比較手段) 44A,44B 加算器(加算手段) 45A,45B レジスタ(第1のデータ保持手
段) 55A,55B 加算器(第1の加算器) 57 反転器(反転手段) 58A 加算器(第2の加算器) 58B 加算器(第3の加算器) 73A〜73F オーバーフロー防止回路(演算
器) 74A,74B 加算器(加算手段) 75A,75B レジスタ(第1のデータ保持手
段) 76A,76B オーバーフロー防止回路(演算
器) 77A,77B 選択器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビットの最小反転間隔が2ビット以上とな
    るように予め定める符号化規則によって符号化されたデ
    ィジタルデータを、前記符号化規則を利用して最尤復号
    するためのビタビ復号器において、 過去のブランチメトリックと現在のブランチメトリック
    とを相互に加減算する演算手段と、 前記演算手段の演算結果のうち、前記最小反転間隔以上
    0が連続したときに到達すべき第1の状態に関連する第
    1の演算結果および前記最小反転間隔以上1が連続した
    ときに到達すべき第2の状態に関連する第2の演算結果
    に対して、第2の状態での生残りパスのパスメトリック
    および第1の状態での生残りパスのパスメトリックをそ
    れぞれ加算して、第1および第2の加算値を得る加算手
    段と、 前記第1および第2の加算値と、前記第1の状態での生
    残りパスのパスメトリックおよび第2の状態での生残り
    パスのパスメトリックとをそれぞれ比較して、生残りパ
    スを判定する比較手段と、 前記加算手段の入力側から比較手段の出力側の間のいず
    れかに介在される第1のデータ保持手段とを含むことを
    特徴とするビタビ復号器。
  2. 【請求項2】前記演算手段は、その出力段に、第2のデ
    ータ保持手段をさらに有することを特徴とする請求項1
    記載のビタビ復号器。
  3. 【請求項3】PR(1,2,1)特性を利用した請求項
    1記載のビタビ復号器であって、前記演算手段は、 過去のサンプルデータと現在のサンプルデータとを相互
    に加算する第1の加算器と、 前記第1の加算器の出力の全ビットを反転する反転手段
    と、 前記反転手段の出力と予め定める定数とを相互に加算す
    る第2の加算器と、 前記第1の加算器の出力と予め定める定数とを相互に加
    算する第3の加算器とを備えることを特徴とするビタビ
    復号器。
  4. 【請求項4】ビットの最小反転間隔が2ビット以上とな
    るように予め定める符号化規則によって符号化されたデ
    ィジタルデータを、前記符号化規則およびPR(1,
    1)特性を利用して最尤復号するためのビタビ復号器に
    おいて、 前記最小反転間隔以上0が連続したときに到達すべき第
    1の状態から遷移するブランチのブランチメトリックま
    たは前記最小反転間隔以上1が連続したときに到達すべ
    き第2の状態から遷移するブランチのブランチメトリッ
    クのいずれかに対して、第1の状態での生残りパスのパ
    スメトリックおよび第2の状態での生残りパスのパスメ
    トリックをそれぞれ加算して、第1および第2の加算値
    を得る加算手段と、前記第1および第2の加算値と、前
    記第2の状態での生残りパスのパスメトリックおよび第
    1の状態での生残りパスのパスメトリックとをそれぞれ
    比較して、生残りパスを判定する比較手段と、 前記加算手段の入力側から比較手段の出力側の間のいず
    れかに介在される第1のデータ保持手段とを含むことを
    特徴とするビタビ復号器。
  5. 【請求項5】前記加算手段および第1のデータ保持手段
    の組合せを並列にもう1組設け、前記パスメトリックを
    保持しておくべき第3のデータ保持手段の出力側および
    前記もう1組の加算手段の入力側にオーバーフロー防止
    のための演算を行う演算器を設け、 前記比較手段へは、オーバーフロー防止演算を行うか否
    かに対応して、2組の第1のデータ保持手段の出力を選
    択的に入力することを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    かに記載のビタビ復号器。
  6. 【請求項6】前記パスメトリックを保持しておくべき第
    3のデータ保持手段の入力側および前記第1のデータ保
    持手段の入力側に、オーバーフロー防止のための演算を
    行う演算器を設けることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載のビタビ復号器。
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