JPH10331234A - 局部洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 人の肛門の洗浄力を向上することと、人の陰
部の衛生性を保つということを両立させる。 【解決手段】 規定の噴出位置から洗浄水を人の肛門に
対して噴出する肛門洗浄水噴出部を備えた局部洗浄装置
において、前記肛門洗浄水噴出部から人の肛門に対して
洗浄水が噴出されているとき、前記肛門洗浄水噴出部か
ら人の肛門に対して噴出された洗浄水によって人の陰部
が汚されることを阻止する陰部汚れ阻止手段を備える。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、局部洗浄装置の改
良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、規定の噴出位置から洗浄水を人の
肛門に対して噴出する肛門洗浄水噴出部を備えた局部洗
浄装置が知られている。この局部洗浄装置は、人の肛門
の洗浄力を向上させるという点において発展しつづけ、
現在では多量の汚れでもきれいに洗浄できるまでに到っ
ている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、この局部洗
浄装置の洗浄力が向上したあまり、局部洗浄装置の本来
的な意義に反する可能性が高まっている。すなわち、多
量の汚れでもきれいに洗浄できるということは、それだ
け洗浄後の洗浄水には多量の汚れが含まれるわけである
が、その多量の汚れを含んだ洗浄水が人の陰部を汚し、
衛生的に不利であるという新たな課題が発生している。

【０００４】このように、従来の局部洗浄装置は、人の
肛門の洗浄力を向上されることには十分配慮してきたも
のの、洗浄後の洗浄水の扱いに関しての配慮が不十分だ
ったのである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた発明の局部洗浄装置は、規定の噴出位置から
洗浄水を人の肛門に対して噴出する肛門洗浄水噴出部を
備えた局部洗浄装置において、前記肛門洗浄水噴出部か
ら人の肛門に対して洗浄水が噴出されているとき、前記
肛門洗浄水噴出部から人の肛門に対して噴出された洗浄
水によって人の陰部が汚されることを阻止する陰部汚れ
阻止手段を備える。

【０００６】本発明の局部洗浄装置は、陰部汚れ阻止手
段によって、前記肛門洗浄水噴出部から人の肛門に対し
て噴出された洗浄水によって人の陰部が汚されることを
回避できる。したがって、人の肛門の洗浄力を向上する
ことと、人の陰部の衛生性を保つということを両立でき
る。なお、ここでいう陰部汚れ阻止手段とは、人の肛門
と人の陰部との間に配置されたカーテンのようなもので
あれば十分であり、そのカーテンは、水膜で形成した
り、樹脂等で形成したりすることが考えられる。また、
直接人の陰部に洗浄水を噴出し、汚れることを回避しつ
つ洗浄することを可能としてもよい。

【０００７】また、肛門洗浄水噴出部が、前記噴出位置
から人が排泄動作をする際に邪魔にならない待機位置に
移動可能である場合には、人の排泄物で肛門洗浄水噴出
部を汚すことを防止できる。なお、この移動には、伸縮
方式、スイング方式等が考えられる。

【０００８】また、陰部汚れ阻止手段が、前記人の陰部
に洗浄水を噴出する陰部洗浄水噴出部である場合には、
人の肛門に対して噴出された洗浄水によって人の陰部が
汚されることを回避できるばかりでなく、人の陰部を洗
浄することができる。

【０００９】また、陰部洗浄水噴出部が、前記肛門洗浄
水噴出部と一体に形成されている場合には、陰部洗浄水
噴出部を形成するための特別な部材、スペースが不要と
なるり、安価で小型となる。

【００１０】また、陰部洗浄水噴出部が、直径が４ｍｍ
の噴出孔を備えている場合には、洗浄水が広がりをもっ
て人の肛門と人の陰部とに到達することができる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成・作用
を一層明らかにするために、以下本発明の好適な実施例
について説明する。

【００１２】図１は、本発明に係る局部洗浄装置１０の
外観を示す斜視図である。図１において、１２は、人が
着座するための着座面を備えた便座本体であり、洗剤に
対しての強度が高いポリプロピレンを材料として形成さ
れている。１４は、便器本体（図示しない）の蓋として
の便蓋本体であり、便座本体１２と同じく洗剤に対して
の強度が高いポリプロピレンを材料として形成されてい
る。１６は、便座本体１２の一端部１２ａや他端部１２
ｂおよび便蓋本体１４の一端部１４ａや他端部１４ｂを
支持し、かつ便器本体に装着される回動支持部材であ
り、便座本体１２や便蓋本体１４と同じく洗剤に対して
の強度が高いポリプロピレンを材料として形成されてい
る。１８は、洗浄水源からノズル（後述する）へ通じる
通路を開閉するための操作部であり、回動支持部材１６
に取付けられている。

【００１３】図２は、局部洗浄装置１０の側面図を示
す。図２において、１２ｃは、便座本体１２の軸心であ
り、便座本体１２はこの軸心１２ｃを中心として回動す
る。同じように、１４ｃは、便蓋本体１４の軸心であ
り、便蓋本体１４はこの軸心１４ｃを中心として回動す
る。回動支持部材１６の支持部１６ｃには、一端部１４
ａや他端部１４ｂと連携して、便座本体１２と便器本体
とのなす角度が５０度付近に達すると、便座本体１２が
閉じ方向に回動することを阻止する阻止部材（図示しな
い）が内蔵されている。１２ｄは、便座本体１２の着座
面であり、軸心１２ｃからの水平距離Ｌ１が３０ｍｍ
に、また便蓋本体１４の上面１４ｄからの垂直距離Ｌ２
が２０ｍｍになるよう設計されている。２０は、人体の
局部に対して洗浄水を噴出するノズルである。このノズ
ル２０は、軸心１２ｃ、１４ｃ上に配設されており、軸
心１２ｃ、１４ｃとの間にデッドスペースを形成しない
よう配慮されている。１６ａは、回動支持部材１６を構
成する部材の一つである覆壁、１６ｂは、同じく回動支
持部材１６を構成する部材の一つであり、便器本体に装
着されるための底壁である。

【００１４】図３は、図２と同じく局部洗浄装置１０の
側面図を示すが、便座本体１２に着座した人の肛門およ
び陰部がノズル２０によって効果的に洗浄されるための
構成（必要な箇所には寸法）を記載したものである。ま
た、図４は、ノズル２０の先端に形成されたノズル先端
部２０ａの縦断面図（ａ）と上面図（ｂ）とを示す。図
３、図４を参照しつつ詳細を説明する。ノズル先端部２
０ａは、直径２．５mmのオリフィス穴と４ｍｍの噴出孔
を備えており、オリフィス穴での増速によって負圧とな
ったノズルヘッド内部に吸気穴から空気が巻き込まれ、
水と空気の混合化によって給水された洗浄水が広がりや
すくなっている。そのため、図３に示すように、待機位
置（Ａ地点）から噴出位置（Ｂ地点）までの７１．５ｍ
ｍ伸出した後、洗浄水を噴出することによって、人の肛
門と陰部を同時に洗浄（Ｃ地点）することが可能となる
のである。なお、ノズル先端部２０ａの噴出孔は、垂直
方向に対して１７°前方に傾いて形成されており、噴出
位置（Ｂ地点）から洗浄水を噴出した際に便座本体１２
となす角度が４３°となる。

【００１５】図５は、洋式便器１００と、この洋式便器
１００に載置される本発明に係る他の局部洗浄装置２０
０を示す分解斜視図である。

【００１６】まず、図５を参照しつつ、洋式便器１００
と局部洗浄装置２００の構成部品を紹介する。

【００１７】洋式便器１００は、主部品として、人が排
泄行為を行うための便器本体１０２（上面には、取付孔
１０３が２つ形成されている）と、この便器本体１０２
を洗浄するための水道水を貯留するタンク１０４とを有
する。

【００１８】また、洋式便器１００は、付属部品とし
て、水道源から給水した水道を止水するための止水栓１
０６と、この止水栓１０６に給水された水道を洋式便器
１００と局部洗浄装置２００とに分岐する分岐金具１０
８と、分岐金具１０８によって分岐された水道をタンク
１０５に導く給水ホースとを有する。

【００１９】一方、局部洗浄装置２００は、主部品とし
て、局部を洗浄する局部洗浄装置を有する本体２０２
と、この本体２０２とともに局部洗浄装置を内蔵するた
めの内蔵空間を形成するための内蔵空間形成部材２５０
とを有する。

【００２０】このうち、本体２０２には、連結ホース
（後述する）から給水した水道の流量を調節（止めるこ
とも含む）するツマミ２０４を有する流調止水弁２０６
と、流調止水弁２０６に給水された水道を局部に噴出す
るためのノズル２０８と、ノズル２０８から噴出するた
めの水道が水道源に逆流することを防止するための逆流
防止弁２１０と局部洗浄装置２００を洋式便器１００に
取り付けるための被取付孔２１２と、内蔵空間形成部材
２５０を本体２０２に装着するためのボス２１４とを有
する。

【００２１】また、内蔵空間形成部材２５０には、本体
２５０に取付けられるための被取付孔２５２と、人が着
座するための便座２５４と、便器本体１０２を覆うため
の便蓋２５６とを有する。

【００２２】また、局部洗浄装置２００は、付属部品と
して、表面に凹凸するナット入りブッシュ２８０と、分
岐金具１０８によって分岐された水道を局部洗浄装置２
００に導く連結フレキホース２８２とを有するのであ
る。

【００２３】次に、図５を参照しつつ、局部洗浄装置２
００を洋式便器１００へ取付ける取付作業について、取
付順に特徴を紹介する。

【００２４】まず、ナット（図示しない）が内蔵固定さ
れたナット入りブッシュ２８０を上方から便器本体１０
２の取付孔１０３に挿入する。ナット入りブッシュ２８
０は、表面に凹凸を有するため、一度挿入されると容易
に抜けないばかりでなく、回転しない。

【００２５】つづいて、被取付孔２１２とナット入りブ
ッシュ２８０とが重なるように本体２０２を載置する。
この作業は、両手で本体２０２の左右端を持ったとき、
上方から被取付孔２１２を通じてナット入りブッシュ２
８０を視認しながら行うことで、効率的となる。

【００２６】つづいて、ワッシャ２１６の穴と被取付孔
２１２とを介して取付ボルト２１８とナット入りブッシ
ュ２８０のナットとを締結させる。この作業は、ナット
が固定されているため、上方から取付ボルト２１８をド
ライバーで回転させるのみで完了する。

【００２７】つづいて、被取付孔２５２とボス２１４と
が重なるように内蔵空間形成部材２５０をはめ込む。こ
の作業は、ボス２１４が全て上方に向かっているため、
上方から下方へ内蔵空間形成部材２５０を降ろすのみで
完了する。

【００２８】最後に、ケース固定ネジ２５８とボス２１
４とを締結させる。この作業は、ボス２１４が全て上方
に向かっているため、上方からケース固定ネジ２５８を
ドライバーで回転させるのみで完了する。

【００２９】上記したように、局部洗浄装置２００を洋
式便器１００へ取付ける取付作業は、一方向からの力を
加えるだけでよいので、極めてシンプルであり、オート
メーション化もしやすい。さらに、その一方向が、上方
から下方への方向であるので、人が最も力を加えやす
く、手作業でも楽である。

【００３０】図６は、洋式便器１００に載置されている
局部洗浄装置２００を上方から見た上面図である。な
お、局部洗浄装置２００の便座２５４及び便蓋２５６
は、省略している。また、局部洗浄装置２００のうち流
調止水弁２０６近傍は、透視図的に描いている。

【００３１】図５、図６を参照しつつ、流調止水弁２０
６とその周辺部品について説明する。

【００３２】まず、流調止水弁２０６は、便器本体１０
２上方であって、止水栓１０６が存在する側（つまり、
向かって左側）に配設されている。このため、止水栓１
０６と流調止水弁２０６との距離が近く、連結フレキホ
ース２８２が短くて済む。

【００３３】この流調止水弁２０６には、向かって左側
に突出するスピンドル２０５が回動自在に接続されてお
り、このスピンドル２０５が回転することによって流路
面積が変更するようになっている。さらに、スピンドル
２０５は、洋式便器１００の上面を這うように配設され
ており、洋式便器１００との干渉を回避している。

【００３４】このスピンドル２０５の先端には、人が操
作するためのツマミ２０４が接続されているおり、この
ツマミ２０４を回動させることによってスピンドル２０
５も回転する。なお、ツマミ２０４の表面には、凹凸が
形成されており、人が握りやすいようになっている。

【００３５】また、流調止水弁２０６と連結フレキホー
ス２８２が接続される接続部２０７は、洋式便器１００
の上面を這うように配設されており、洋式便器１００と
の干渉を回避している。

【００３６】なお、本発明は、上記実施の態様に限られ
るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種
々の態様において実施することができ、例えば次のよう
な変形も可能である。

【００３７】（１）上記実施の形態では、便座２５４お
よび便蓋２５６は内蔵空間形成部材２５０に軸支されて
いるが、これに限らず本体２０２に軸支されるように構
成してもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明に係る便座装置１０の外観を示
す斜視図。

【図２】図２は、便座装置１０の側面図。

【図３】図３は、図２と同じく局部洗浄装置１０の側面
図を示す。

【図４】図４は、ノズル２０の縦断面図（ａ）および上
面図（ｂ）を示す。

【図５】図５は、洋式便器１００と、この洋式便器１０
０に載置される本発明に係る便座装置２００を示す分解
斜視図。

【図６】図６は、洋式便器１００に載置されている便座
装置２００を上方から見た上面図。

【符号の説明】

１０…局部洗浄装置、１２ａ…一端部、１２ｂ…他端
部、１２ｃ…軸心 １２…便座本体、１４ａ…一端部、１４ｂ…他端部、１
４ｃ…軸心 １４ｄ…上面、１４…便蓋本体、１６ｃ…支持部、１６
…回動支持部材 ２０…ノズル、２０ａ…ノズル先端部、１００…洋式便
器 １０２…便器本体、１０３…取付孔、１０４…タンク、
１０５…タンク １０６…止水栓、１０８…分岐金具、２００…局部洗浄
装置 ２０２…本体、２０４…ツマミ、２０５…スピンドル、
２０６…流調止水弁 ２０７…接続部、２０８…ノズル、２１０…逆流防止
弁、２１２…被取付孔 ２１４…ボス、２１６…ワッシャ、２１８…取付ボルト ２５０…内蔵空間形成部材、２５０…本体、２５２…被
取付孔 ２５４…便座、２５６…便蓋、２５８…ケース固定ネ
ジ、２８０…ブッシュ ２８２…連結フレキホース

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 規定の噴出位置から洗浄水を人の肛門に
   対して噴出する肛門洗浄水噴出部を備えた局部洗浄装置
   において、 前記肛門洗浄水噴出部から人の肛門に対して洗浄水が噴
   出されているとき、前記肛門洗浄水噴出部から人の肛門
   に対して噴出された洗浄水の飛散によって人の陰部が汚
   されることを阻止する陰部汚れ阻止手段を備えたことを
   特徴とする局部洗浄装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の局部洗浄装置において、 前記肛門洗浄水噴出部は、前記噴出位置から人が排泄動
   作をする際に邪魔にならない待機位置に移動可能である
   ことを特徴とする局部洗浄装置。
3. 【請求項３】 請求項１ないし２いずれかに記載の局部
   洗浄装置において、 前記陰部汚れ阻止手段は、前記人の陰部に洗浄水を噴出
   する陰部洗浄水噴出部を備えることを特徴とする局部洗
   浄装置。
4. 【請求項４】 請求項３記載の局部洗浄装置において、 前記陰部洗浄水噴出部は、前記肛門洗浄水噴出部と一体
   に形成されていることを特徴とする局部洗浄装置。
5. 【請求項５】 請求項４記載の局部洗浄装置において、 前記陰部洗浄水噴出部は、直径が４ｍｍの噴出孔を備え
   ていることを特徴とする局部洗浄装置。