JPH10327871A - 多分子発現カセット及びその利用 - Google Patents

多分子発現カセット及びその利用

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JPH10327871A
JPH10327871A JP9152864A JP15286497A JPH10327871A JP H10327871 A JPH10327871 A JP H10327871A JP 9152864 A JP9152864 A JP 9152864A JP 15286497 A JP15286497 A JP 15286497A JP H10327871 A JPH10327871 A JP H10327871A
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憲悟 園田
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正士 坂口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、鶏伝染性ファブリキウス嚢病ウイ
ルス(IBDV)の5’非翻訳領域のインターナル・リ
ボソーム・エントリーサイト(IRES)を利用するこ
とにより、単一のプロモーターで複数の外来遺伝子を鶏
又は鶏由来細胞に発現させるための多分子発現ベクター
を提供する。 【構成】 マレック病ウイルス1型(MDV1)のgB
遺伝子プロモーターの下流にニューカッスル病ウイルス
のFタンパク質(NDV−F)を結合し、更にその下流
にIRES活性を有する配列を含むIBDV遺伝子を連
結したDNA断片を含有するプラスミド及びウイルスベ
クター、該ウイルスベクターによって得られる組換え体
ウイルス、前記ベクター又は組換え体ウイルスを主成分
とするワクチン及び該ワクチンによる家禽の免疫方法、
並びに前記ベクター又は組換え体ウイルスを用いたペプ
チドの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、動物細胞又は動
物体内において2つ以上の外来遺伝子を発現させること
ができる新規な多分子発現カセット又は多分子発現ベク
ターに関する。本発明はまた、該多分子発現カセット、
または該多分子発現ベクターから得られる組換え体ウイ
ルスを用いた動物用多価ワクチンに関する。
【0002】
【従来技術】近年、養鶏規模の拡大に伴って飼育管理の
省力化が進められており、その一環として、ワクチン接
種に対する省力化が強く要望されている。これに応え
て、数種のワクチンを混合することにより接種回数を減
らすことを狙った混合ワクチンが既に開発され、野外で
広く用いられている。しかしながらこの方法では、ウイ
ルス種によっては異なる培養、精製を行う必要があり、
煩雑な操作を強いられる場合がある。また、既存の混合
ワクチンは基本的には不活化ワクチンであり、より自然
感染に近い免疫を賦与する生ワクチンに関しては、ウイ
ルス間の干渉や効果の持続等の問題により、省力的なワ
クチンは実現されていない。このような点を解決する一
つの手段として、ウイルスベクターによる多価ワクチン
の研究が盛んに行われている。
【0003】養鶏分野における多価生ワクチンを目的と
するウイルスベクターに関しては、鶏痘ウイルスや七面
鳥ヘルペスウイルスの応用研究が進んでいる。これらに
対して本発明者らは、より効果的なベクターを開発すべ
く、鶏のヘルペスウイルスの一種であるマレック病ウイ
ルス1型(MDV1)のベクター化について検討を行
い、その成果について数多くの報告を行ってきた。例え
ば、外来遺伝子を安定に保持し、かつマレック病(M
D)に対するワクチン効果に大きなダメージを与えない
外来遺伝子挿入可能部位として、US10遺伝子を同定
している{特願平4−205933(特開平6−227
57)フォース・インターナショナルシンポジウム・オ
ンマレックスディジーズ(4th International Symposiu
m on Marek'sDisease(1992)、アムステルダム;V
accine 1994 Vol.12 953-957}。このUS10遺伝子に
ニューカッスル病ウイルスF蛋白(以下、NDV−Fと
も称する)遺伝子を挿入した組換え体ウイルスは、SP
F鶏において十分なワクチン効果を示し、その効果は少
なくとも接種後24週にわたって持続する(フォース・
インターナショナルシンポジウム・オンマレックスディ
ジーズ、1992、アムステルダム)。
【0004】本発明者らは、更に実用的なウイルスベク
ターワクチンとすべく、遺伝子発現プロモーターに着目
し、MDV1の糖蛋白B(gB)遺伝子プロモーターを
NDV−F遺伝子の発現に応用した。その結果、移行抗
体を保有する動物(ニワトリ)でのワクチン効果は極め
て高く、市販雛に免疫した場合でもMD及びニューカッ
スル病(ND)の両者に対し安定して90%以上の防御
効果を付与した。また、その効果は1年以上にわたって
持続することを確認した(特願平7−160106
号)。このような研究成果を踏まえ、さらなる効果的か
つ省力的なワクチンを開発するためには、NDに加えて
他疾病の感染防御抗原遺伝子をも組み込んだ組換え体ウ
イルスの構築が必要となる。
【0005】一方、多価の発現系という観点では、ある
種のmRNA上のリボソーム結合部位に存在するインタ
ーナル・リボソーム・エントリーサイト(IRESと称
する)を利用した発現系が試みられている。コザックら
は、遺伝子の転写翻訳機構について研究する中で、鋳型
のDNAからRNAポリメラーゼにより転写されたmR
NAは、その5’末端にキャップ構造を有しており、こ
のキャップ構造を通してリボソーム複合体と会合し、ペ
プチドに翻訳されることを明らかにしている(Kozak,
M. J.Cell Biol., 108,229-241,1989)。殆どの蛋白質
は、このようなキャップ依存的な翻訳機構によって合成
される。
【0006】これに対し、近年、一部のウイルスでは、
その複製の際に合成されるウイルス蛋白質は、キャップ
非依存的な翻訳機構によるとする例が報告された。すな
わち、ある種のウイルスRNAには、その5’末端側に
IRESと呼ばれる特殊な高次構造を有する領域が存在
し、リボソーム複合体はこの特殊構造を認識してRNA
に結合し、キャップ非依存的に蛋白質の翻訳を開始する
ことが明らかにされた。IRESは、これまでに脳心筋
炎ウイルス(Jang, S. K. J. Virology, 62, 2636-264
3, 1988)、ポリオウイルス(Pelletier, J. Nature, 3
34, 320-325, 1988)、C型肝炎ウイルス(Tsukiyama-K
ohara, K.J. Virology, 66, 1476-1483,1992)などのR
NAをゲノムとするウイルス及び免疫グロブリン重鎖結
合蛋白質(Macejak, D. G. Nature, 353, 90-94, 199
1)などのいくつかの真核生物の細胞内mRNAに存在
することが報告されており、この発現システムをレトロ
ウイルスベクター(細胞工学、第15巻3号、p386
−387、1996)やアデノ随伴ウイルスベクター
(第43回日本ウイルス学会抄録、p129、199
5)に応用する試みも始まっている。
【0007】一般に、ウイルスゲノムに挿入可能な遺伝
子サイズは、およそ当該ウイルスゲノムの数%とされて
おり、挿入できる遺伝子断片のサイズに限りがある(組
織培養 14(4) 107−111、1988)。し
たがって、従来の多価生ワクチンを目的とした発現系で
は、プロモーターの下流に外来遺伝子を結合した遺伝子
断片を1セットとし、これをウイルスベクター等に挿入
したものを発現ベクターとするため、挿入する外来遺伝
子を増やせば、それだけプロモーターの数も増えること
になり、挿入できる外来遺伝子の数は制限される。これ
に対し、IRESを用いる多価生ワクチン発現系は、上
記の問題点を解決する有用な方法と考えられる。しかし
ながら、IRESは、ウイルス感染において対象組織あ
るいは対象宿主への特異性を担っている可能性が示唆さ
れており(細胞工学、第15巻8号、p1106−11
13、1996)、種を超えて該IRESを使用すれば
発現効率が低下することが予測される。より効果的な多
価発現系を構築するには、その対象動物に感染性を有す
るウイルス等に由来するIRESを用いることが必要と
考えられる。例えば、鶏のワクチンを対象とした場合に
は、鶏細胞で機能するIRESを使用する必要がある
が、鶏を始めとする鳥類細胞において効果的にIRES
活性を示す核酸配列は未だに報告されていない。
【0008】そこで、本発明者等は、従来から養鶏産業
では重要な病気の一つとして位置づけられいる鶏伝染性
ファブリキウス嚢病に着目し、本発明を実施した。本感
染症の感染因子である鶏伝染性ファブリキウス嚢病ウイ
ルス(以下、IBDVと称する)は、ニワトリの免疫器
官の1つであるファブリキウス嚢(以下、F嚢とも称
す)を冒し、重篤な液性免疫不全を起こす(Cheville,
Amer J. Pathol. 51, 527-551, 1967)ウイルスで、ビ
ルナ科、ビルナ属に属し、2本鎖のRNAゲノムを有す
る正二十面体の非エンベロープウイルス(Kibenge, F.
S. B. J. Gen. Virol. 69, 1575-1775, 1988)である。
IBDVゲノムの塩基配列は、マント等(Mundt E., Vi
rology, 209, 10-18 1995)及びハドソン等(Hudson P.
J. et al.,Nucleic Acid Research 14, 12,5001-5012,
1986)により報告され、その5’末端非翻訳領域にはパ
ンハンドルと呼ばれる二次構造を取りうる配列が存在
し、ウイルスRNA複製に関与する可能性が指摘されて
おり、またリボソーム結合配列の存在が指摘されている
(Munt E., Virology, 209, p10-18, 1996)。しかしな
がら同論文において、そのIRES活性は明らかにされ
ていない。
【発明が解決しようとする課題】
【0009】上述したように、従来の鶏感染症に対する
多価ワクチン発現系では、挿入できる外来遺伝子数の制
限、又は発現効率の点で問題があった。本発明の目的
は、IBDVの5’非翻訳領域のIRESを利用するこ
とにより、単一のプロモーターで複数の外来遺伝子を鶏
又は鶏由来細胞に発現させるための多分子発現カセット
又は多分子発現ベクターを提供することにある。
【0010】また、本発明の他の目的は、上記の多分子
発現カセット又は多分子発現ベクターを含有する動物用
多価ワクチン及び該ワクチンで家禽類を免役する方法を
提供することにある。
【0011】本発明の更に他の目的は、上記の多分子発
現カセット、多分子発現ベクター又は該多分子発現ベク
ターよって得られる組換え体ウイルスを用いたペプチド
の製造方法を提供することにある
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、IBDVの
5’末端領域にIRES(IRESとしての活性を含む
RNA配列に相補的なDNA断片をiresと称する)
が存在することを明らかにし、更に、MDV1のgBプ
ロモーターの下流にNDV−F遺伝子、及びiresを
有するIBDVcDNAを連結したDNA断片を組み込
んだ組換えMDV1を作出したところ、同ウイルス感染
細胞中に、NDV−F蛋白質及びIBDV蛋白質の両蛋
白質が発現していることを確認し、本発明を完成するに
至った。
【0013】従って、本発明は、MDV1のgBプロモ
ーターの下流にNDV−F遺伝子及びiresを有する
IBDVcDNAを連結したDNA断片並びに該DNA
断片を含むプラスミド及びウイルスベクターを包含す
る。
【0014】また、本発明は、上記DNA断片、プラス
ミド、ウイルスベクター又は該ウイルスベクターによっ
て得られる組換え体ウイルスを主成分とするワクチンを
包含する。
【0015】また、本発明は、上記、DNA断片、プラ
スミド、ウイルスベクター又は該ウイルスベクターによ
って得られる組換え体ウイルスを用いたペプチドの製造
方法を包含する。以下に、本発明について更に詳述す
る。
【0016】本発明のベクター、ワクチン及び方法は、
プロモーター−(外来遺伝子)m−(ires−外来遺
伝子)nなる式で表されるDNA断片からなる多分子発
現カセット及び該発現カセットが組み込まれた多分子発
現ベクターにより特徴づけられる。ここで、外来遺伝子
は任意の遺伝子、iresはIBDVゲノムの5’非翻
訳領域の塩基配列に相補的なDNA断片であり、mは0
又は1、nは1以上の整数値で、これらは連結したDN
A断片の数を表す。上記多分子発現カセット及び多分子
発現ベクターは培養細胞もしくは動物体内で複数の外来
遺伝子を発現し得る。
【0017】本発明を構成する上記の遺伝子断片の作製
及びベクターの構築は、サンブルック等が述べている、
RNAの抽出、逆転写反応とポリメラーゼ連鎖反応(P
CR)によるcDNAの合成と増幅及び遺伝子のクロー
ニング等の一般的な組換え技術により達成される(J.Sa
mbrook, et al., Molecular Cloning. A laboratoryman
ual. Cold Spring Harbor Laboratory, 1989)。また、
遺伝子断片のクローニング及び発現には、市販のベクタ
ーを使用できる。
【0018】まず、IBDVの5’非翻訳領域にIRE
Sが存在するかを調べた。IBDVは、通常のウイルス
増殖方法に準じて調製される。具体的には、IBDV雛
用生ワクチンとして使用されているK株を鶏胚繊維芽細
胞(以下、CEFと称す)に接種後、この細胞を一般の
動物細胞を培養するための合成培地中、37℃で培養
し、充分な細胞変性を呈した時点で培養上清を採取し、
遠心分離等の方法によりウイルスを精製、回収する。ま
た、野外分離株の場合は、接種後4日目のF嚢を培地で
20%乳剤としたものを出発材料として、同様な手法で
ウイルスを精製回収した。
【0019】回収したIBDVからのRNAの抽出は、
市販のRNA抽出キット、例えば、Cartrimox
−14 RNA Isolation Kit RIK
2.11:WA003(宝酒造株式会社)を用いて容易
に行うことができる。次いで、IBDVの目的とする領
域のcDNA断片の合成と増幅が、合成プライマー及び
TaKaRa RNA PCR kit:RR012A
(宝酒造株式会社)を用いて行われる。具体的には、配
列番号:1及び2に記載のプライマーの組合せでIBD
Vの5’非翻訳領域の全長とVP2遺伝子を含む約1.
5kbのcDNA断片、配列番号:2及び3に記載のプ
ライマーの組合せでIBDVの5’非翻訳領域の一部と
VP2遺伝子を含むcDNA断片、配列番号:1及び4
に記載のプライマーの組合せで非翻訳領域の全長とVP
2/4/3遺伝子を含む約3.2kbのcDNA断片を
それぞれ得ることができる。
【0020】このようにして得られたcDNA断片に終
止コドンが存在しない場合には、その3’側に、終止コ
ドンが付加される。具体的には、まず、DNAブランテ
ィングキット(宝酒造株式会社;DNA Blunti
ng Kit)及びT4ポリヌクレオチドキナーゼ(宝
酒造株式会社)を用いて、PCRにより得たcDNA断
片の末端を平滑化し、リン酸基を付加し、DNAライゲ
ーションキットバージョン2(宝酒造株式会社;DNA
Ligation Kit Ver.2)を用いて、
適当なベクター、例えば、pUC119(宝酒造株式会
社)のマルチクローニングサイトSmaIにクローニン
グする。次に、該断片が挿入されたpUC119をXh
oIで切断し、上記と同様の方法で、その末端を平滑化
した後、DNAライゲーションキットバージョン2を用
いてリンカーEcoRIストップコドン(ニッポンジー
ン;Linker EcoRI Stop Codo
n)を挿入する方法が取られる。
【0021】IBDVの5’非翻訳領域におけるIRE
Sの存在は、単一プロモーターの下流に、第1シストロ
ンとして、終止コドンを持つNDV−F遺伝子を挿入
し、その下流に第2シストロンとして、IBDVの5’
非翻訳領域の全長とVP2遺伝子を含む約1.5kbの
cDNA断片を挿入したジシストロン性の発現カセット
を組み込んだベクターを構築し、これを適当な動物細
胞、例えば、COS細胞に導入し、VP2を検出するこ
とにより達成される。すなわち、第1シストロンのND
V−Fはキャップ構造に依存した翻訳が行われるが、第
2シストロンのVP2については、キャップ構造が形成
されないため、IRESが存在しない限り蛋白質への翻
訳は行われない。したがって、第2シストロンのVP2
の発現を確認することにより、IBDVの5’非翻訳領
域に、IRESの存在が支持される。本発明において以
下に開示するように、第2シストロンとしてIBDVの
5’非翻訳領域の全長(1〜130bp)を有するVP
2遺伝子(cDNA断片)を挿入したところ、VP2遺
伝子の発現が確認され、IRES活性の存在が同定され
た。この時、5’非翻訳領域の1〜64bpを欠如した
非翻訳領域を有するVP2遺伝子を挿入した発現実験で
はVP2の発現が認められなかった。すなわち、配列番
号:9に示した配列上ではリボソーム結合部位、CUC
CUC(Munt E.,Virology, 209,p10-18, 1996)が存在
するにもかかわらず、IRES活性の発現にはIBDV
の5’非翻訳領域の前半部分の配列が必須であった。
【0022】プロモーターは、動物細胞内でプロモータ
ー活性を示すものであればどのようなものでもよく、ウ
イルス由来のSV40初期、SV40後期もしくはgB
プロモーター又は動物細胞由来のβアクチンプロモータ
ーなどから選択するすることができる。好ましくは、ニ
ワトリに感染するウイルス由来のプロモーターが使用さ
れる。MDVをベクターとする組換え体ウイルスの場合
には、MDV1由来の糖蛋白質遺伝子プロモーター、好
ましくは、MDV1由来のgBプロモーターが使用され
る。
【0023】プロモーター又はIRESの下流に組み込
まれる外来遺伝子としては、ウイルス性疾病、細菌性疾
病、寄生虫病等各種鶏感染症のワクチン抗原となりうる
蛋白質をコードする種々の遺伝子又は抗原決定部分を保
持するその遺伝子断片等が挙げられる。例えば鶏を対象
とした多価ワクチンの調製においては、その組み込む外
来遺伝子として、ニューカッスル病ウイルス(NDV)
抗原をコードする遺伝子(例えばNDV−F蛋白又はH
N蛋白をコードする遺伝子)、鶏伝染性咽頭気管炎ウイ
ルスの糖蛋白をコードする遺伝子、IBDVのウイルス
構造蛋白をコードする遺伝子、鶏伝染性気管支炎ウイル
スのスパイク蛋白をコードする遺伝子、鶏貧血ウイルス
のカプシド蛋白、特にVP1及びVP2をコードする遺
伝子、鶏レオウイルスのカプシド蛋白、七面鳥鼻気管炎
ウイルス(TRTV)膜蛋白並びに鶏伝染性コリーザの
原因菌であるヘモフィラス・パラガリナルム(Heamophi
lus paragallinarum)のHA蛋白をはじめとする防御抗
原をコードする遺伝子、キャンピロバクター、サルモネ
ラ、大腸菌及びマイコプラズマの防御抗原遺伝子等が挙
げられる。更に、鶏コクシジウム症の因子であるアイメ
リア・マキシマ、アイメリア・テネラ、アイメリア・ブ
ルネッティー、アイメリア・アセルブリーナ、及びロイ
コチトゾーン症の因子であるロイコチトゾーン・カウレ
リイー等の原虫の防御抗原遺伝子が挙げられる。また、
ウイルス性疾病を予防する抗原としては、インフルエン
ザでは各蛋白(NP)が血清型を超えて予防効果を示す
重要な抗原であることが示されていることから、他のウ
イルスにおいても核蛋白遺伝子が重要な防御抗原遺伝子
である可能性が考えられる。さらには、サイトカインや
ホルモン等の生理活性物質をコードする遺伝子も含まれ
る。
【0024】このようにして得られる発現カセットをウ
イルスベクターに組み込むことによって、多価ウイルス
ワクチンを作製することができる。ウイルスベクターに
ジシストロン性の発現カセットを組み込む場合には、更
に、該発現カセットを親ウイルスゲノムに相同組換えに
よって挿入することによりベクターが構築される。ウイ
ルスベクターとしては、対象動物に対し、病原性を示さ
ないかあるいは病原性の弱いウイルスが利用され、これ
らのウイルスゲノム上のウイルス複製に影響しない部位
に、上記の発現カセットが挿入される。例えば、ニワト
リ感染症に対しては、MDV1のUS10遺伝子の間に
上記の発現カセットを挿入したプラスミドが構築され
る。このプラスミドと親ウイルスであるMDV1ゲノム
間で相同組換えを行うことにより、発現カセットが挿入
された組換え体ウイルスを得ることができる(特願平7
−160106号)。
【0025】動物細胞に前記ベクターを導入する際に
は、燐酸カルシウム共沈澱法、DEAEデキストラン
法、リポフェクチン法、エレクトロポレーション法など
一般的な遺伝導入方法が利用できる。具体的には、CE
F細胞にMDV1を感染させ、これに前記ベクターをエ
レクトロポレーション法で導入し、生じたウイルスプラ
ークに生産された外来遺伝子蛋白質を検出することによ
り、目的の組換え体ウイルスを作出することができる。
外来遺伝子の発現は、通常使用される、蛍光抗体法、E
LISA法、RIA法、ウエスタンブロット法等によっ
て確認される。上記方法に使用される抗体は、外来遺伝
子がコードする蛋白質を認識する抗体であればどのよう
なものでも良い。
【0026】このようにして得られる組換え体ウイルス
は、親ウイルス抗原とともに外来遺伝子がコードする蛋
白質を発現するため、多価ワクチンの材料とすることが
できる。また、組換え体ウイルス又は該組換え体ウイル
スが感染した細胞から得られるペプチドは、親ウイルス
又は外来遺伝子がコードする蛋白質を構成成分の一つと
するウイルスの検出並びに該ウイルスが産生する抗体の
検出系に利用することができ、診断薬を構築するための
材料となる。
【0027】
【発明の効果】本発明によると、多価ワクチンの材料と
なる複数の外来遺伝を発現する多分子発現カセット、多
分子発現ベクター及び該ベクターによって得られる組換
え体ウイルス、並びに、前記ベクター又は組換え体ウイ
ルスによって構成されるワクチン及び外来遺伝子に由来
するペプチドが提供される。
【0028】例えば、本発明を応用した組換え体ウイル
スによれば、ワクチンの中で最も効果的な生ワクチンの
形態をとりながら、一回の接種でより多く感染症に対す
るワクチネーションが可能な多価ワクチンが提供され、
従来から養鶏分野において要請されている省力化を達成
することが可能となる。また、今後の実用化が期待され
るDNAワクチンにおいても、従来技術では複数のプラ
スミドを混合せざるを得ないようなケースにおいても、
本技術を用いることで同一プラスミド上に複数の防御抗
原遺伝子をのせることが可能となり、製造コストの低減
が可能となる。以下、実施例に従い、本発明を更に詳細
に説明する。
【0029】組換え技術において汎用される制限酵素消
化、フェノール/クロロホルム処理及びエタノール沈殿
によるDNA断片の回収、DNA断片の末端のリン酸
化、脱リン酸化(以下BAP処理とも称す)、大腸菌の
形質転換法、大腸菌からのプラスミドの調製法、アガロ
ース電気泳動法(本実施例においては、DNA断片のサ
イズに応じて0.6〜1.2%アガロースを使用した)
並びに電気溶出法は常法に従った。制限酵素は宝酒造株
式会社又はNew England Biolab社よ
り購入した。DNA断片の末端の平滑化及びDNA断片
の連結は、DNAブランティングキット(宝酒造株式会
社:DNA Blunting kit)及びDNAライゲーションキッ
トバージョン2(宝酒造株式会社)をそれぞれ用い、添
付のプロトコールに従って行った。
【0030】
【実施例】実施例1:IBDVcDNA断片の作製 (1)ウイルス株 IBDVとして、極めて高い致死率を示す超強毒株のK
a361株(Takase K. et al., J. Vet. Med. Sci. 55
(1), 137-139, 1993)及びヒナ用生ワクチンとして使用
されている弱毒株のK株(山田ら, 畜産の研究, 41, 49
4-500, 1987)を用いた。
【0031】(2)IBDV粒子の調製 IBDV−K株をCEFに接種後、該CEFを牛胎児血
清(以下、FBSと称す)を3%に含むイーグルMEM
(日水株式会社:以下、E.MEMと称す)培地中、3
7℃で培養し、細胞変性効果を強く呈した時点で培養上
清を採取した。培養上清中に含まれる細胞断片等を微量
高速遠心幾(トミーMRX−150)により15Krp
m、5分間の遠心分離により除いた後、40%シュクロ
ース液をクッションとする22Krpm、2時間の超遠
心(株式会社日立製作所、RPS40T)を行い、IB
DV粒子を沈渣として得た。超強毒株については、4週
齢鶏にKa361株を経口投与後4日目にF嚢を摘出
し、E.MEMを4倍容加えた後破砕し20%乳剤とし
た。このものを上記と同様に15Krpmで5分間粗遠
心後、その上清を超遠心にかけウイルス粒子を沈渣とし
て回収した。
【0032】(3)IBDV RNAの調製 IBDV粒子中のRNAは、Catrimox−14
RNA Isolation Kit RIK2.11
(宝酒造株式会社、WA003)を用い、添付のプロト
コールに従って調製した。
【0033】(4)IBDV RNAに相補的なcDN
A断片の増幅 IBDV RNAに相補的な4種のcDNA断片をRT
−PCRにより増幅した(図1)。RT−PCRは、T
aKaRa RNA LA PCR Kit(AMV)
(宝酒造株式会社、RR012A)及びプライマーとし
て配列表の配列番号:1〜4の塩基配列を有する合成D
NA(宝酒造株式会社)を用い、添付のプロトコールに
従って実施した。PCRは以下の条件、すなわち、94
℃2分の反応の後、94℃1分、60℃1分、72℃2
分の反応を35サイクル行い、引き続き、72℃10分
の反応条件で行った。反応終了後、フェノール・クロロ
ホルム処理、引き続きエタノール沈殿で増幅産物を回収
した。プライマーの塩基配列は、既報の塩基配列(Mund
t E., Virology, 209, 10-18 1995及びHudson P.J.et a
l., Nucleic Acid Research 14, 12,5001-5012, 1986)
から求めた。 a)5’非翻訳領域の全長とVP2コード領域を含むc
DNAの増幅 IBDVのK株及びKa361株由来のRNAを鋳型に
し、配列番号:1及び2のプライマーを用いて、5’非
翻訳領域の全長とVP2コード領域 のcDNAを増幅
した。IBDVのK株及びKa361株由来のcDNA
をそれぞれiK1.5及びiKa1.5と命名した。 b)5’非翻訳領域の後半部とVP2コード領域を含む
cDNAの増幅 IBDVのK株のRNAを鋳型とし、配列番号:3及び
2のプライマーを用いて5’非翻訳領域の一部を含むV
P2領域のcDNAを増幅した。得られたcDNAをK
1.5と命名した。 c)5’非翻訳領域の全長を含むVP2/4/3領域c
DNAの増幅 IBDVのK株のRNAを鋳型とし、配列番号:1及び
4を用いて5’非翻訳領域の全長を含むVP2/4/3
領域のcDNA増幅した。得られたcDNAをiKGと
命名した。
【0034】(5)pUC119へのクローニング 上記の各IBDVcDNA断片をプラスミドpUC11
9(宝酒造株式会社)のマルチクローニングサイトSm
aI部位にクローニングした(図1)。まず、IBDV
cDNA断片の末端を平滑化し、その5’末端にT4ポ
リヌクレオチドキナーゼ(宝酒造株式会社)でリン酸基
を付加した。このcDNA断片を、予めSmaIで消化
し、アルカリフォスファターゼ(宝酒造株式会社)で
5’末端を脱リン酸化したpUC119に、DNAライ
ゲーションキットバージョン2を用いて挿入し、このプ
ラスミドで大腸菌を形質転換した。常法により、形質転
換体から目的のプラスミドを保持する菌体をクローニン
グし、該プラスミドを回収した。iKG断片が挿入され
たプラスミドはpiKGと名付けた(図1)。また、i
Ka1.5、iK1.5及びK1.5の各cDNA断片
が挿入されたプラスミドについては、これらをXhoI
消化し、末端平滑処理した後、その部位にリンカーEc
oRI終止コドン(ニッポンジーン:Linker EcoRI Sto
p Codon)を挿入した。終止コドンが挿入されたプラス
ミドを含む形質転換体から該プラスミドを回収し、それ
ぞれpiKa1.5S、piK1.5S、pK1.5S
と名付けた(図2)。これらのうち、piK1.5Sに
含まれる5’非翻訳領域の塩基配列の決定を宝酒造株式
会社遺伝子解析センターに依頼した。オートシークエン
サーを用いて決定された塩基配列のうち、IRES活性
にとって重要な領域、すなわち、5’非翻訳領域の前半
部分を配列表の配列番号:9に示す。
【0035】実施例2:単一プロモーターにより2種の
タンパク質を発現するプラスミドの構築 (1)挿入断片iKa1.5S、iK1.5S及びK
1.5Sの作製 piKa1.5S、piK1.5S、pK1.5Sを制
限酵素KpnI及びEcoRIで消化し、末端平滑処理
することによりiKa1.5、iK1.5及びK1.5
の各cDNA断片に終止コドンが付加した断片、iKa
1.5S、iK1.5S及びK1.5Sを得た(図
3)。
【0036】(2)発現プラスミドpS(FiKa1.
5S)の構築 SV40後期プロモーターの下流にNDV−F遺伝子及
びiKa1.5Sを連結した発現プラスミドpS(Fi
Ka1.5S)を構築した。まず、NDV−F遺伝子を
含むプラスミドXLIII10H(Sato et al. Virus Re
search 7, p241-255,1987)を制限酵素XhoIで消化
し、アガロース電気泳動、クロロホルム処理及びエタノ
ール沈殿により、NDV−F遺伝子を含むDNA断片を
回収した。該NDV−F遺伝子断片をpUC119のS
alIサイトにクローニングした。更にこのプラスミド
をBsmIとBbeIで部分消化し、上記手順によりN
DV−F遺伝子を回収し、平滑末端処理後、pUC11
8(宝酒造株式会社)のSmaIサイトにクローニング
し、pFを構築した(図4)。本プラスミドをKpnI
とXbaIで消化後、上記手順によってNDV−F遺伝
子を含む断片を回収し、平滑末端処理後、発現ベクター
pSVL(ファルマシア社)のSmaIサイトに挿入し
てpSFを得た(図5)。次いで、これをSacI消
化、末端平滑処理及び脱リン酸化した後、iKa1.5
S断片を挿入し、NDV−F遺伝子の下流にiKa1.
5Sが結合したプラスミドpS(FiKa1.5S)を
回収した(図6)。
【0037】(3)発現プラスミドpCAG(FiK
1.5S)、pCAG(FK1.5S)の構築 ニワトリβアクチンプロモーターの下流に、NDV−F
遺伝子及びiKa1.5Sを連結した発現プラスミドp
CAG(FiK1.5S)並びにNDV−F遺伝子及び
K1.5Sを連結した発現プラスミドpCAG(FK
1.5S)を構築した(図7、8)。まず、実施例2−
(2)で得たpFをXbaIで消化し、末端を平滑化し
た後、iK1.5S又はK1.5S断片を挿入した。こ
れらをKpnI、SalI及びFspI(FspIによ
る消化は、目的のDNA断片とベクターとのサイズの差
を生じさせるために用いた)で消化して、NDV−F及
びiK1.5Sを含む断片FiK1.5S並びにNDV
−F及びK1.5Sを含む断片FK1.5Sを得た(図
7)。次に、βアクチンプロモーターを有する発現ベク
ターpCAGn−mcs−polyA(特開平8−27
1369)をHindIIIで消化し、末端平滑化した
後、上記の各断片を挿入した。このようにして得られた
FiK1.5Sを含むプラスミドをpCAG(FiK
1.5S)、FK1.5Sを含むプラスミドをpCAG
(FK1.5S)と名付けた(図8)。
【0038】(4)pS(FiKa1.5S)、pCA
G(FiK1.5S)及びpCAG(FK1.5S)の
発現 カバーグラス3枚(MATSUNAMI,No.1,1
8x18)の入った直径5cmシャーレに約100万個
のCOS細胞を播き、FBSを10%含むダルベッコ変
法イーグルMEM培地(以下10%FBS−DMEMと
も称す)中で37℃4時間培養した。次いで無血清のD
MEMで2回洗浄後、無血清DMEMを2mlを添加し
た。該COS細胞に、pS(FiKa1.5S)、pC
AG(FiK1.5S)又はpCAG(FK1.5S)
の1μgを含む無血清DMEM100μlとLipof
ectAMINE Raegent(GIBCO BR
L社)10μlを含む無血清DMEM100μlとを混
和して15分間室温に放置したものを添加し、37℃1
6時間培養した。次いで、培地を10%FBS−DME
Mに交換してさらに37℃で48時間培養した。カバー
グラスを取り出し、20分間室温でアセトン固定し、間接
蛍光抗体法に供した。NDV−F遺伝子の発現確認に
は、一次抗体としてNDVのF蛋白に対するモノクロー
ナル抗体#313(Y.Umino et al. J.gen.virol. 71,p
1199,1990)を、二次抗体としてFITC標識抗マウス
IgG(Cappel社)を用いた。また、IBDV遺
伝子の発現確認には、一次抗体としてIBDV免疫SP
Fニワトリ血清を、二次抗体としてFITC標識抗ニワ
トリIgG(Kirkegaard & Perry
Laboratories,Inc.)を用いた。すな
わち、上記アセトン固定した細胞とFBSを5%含むP
BS緩衝液で100倍希釈した各一次抗体とを4℃で一
晩反応させ、PBS緩衝液で洗浄した。次いで、FBS
を5%含むPBS緩衝液で0.05mg/mlに希釈し
た二次抗体を37℃で2時間反応させ、PBS緩衝液で
洗浄した後、蛍光顕微鏡下で細胞を観察した。その結
果、pS(FiKa1.5S)又はpCAG(FiK
1.5S)を導入したCOS細胞は、NDV−F遺伝子
及びIBDVのVP2遺伝子の両方を発現していたのに
対し、pCAG(FK1.5S)を導入したCOS細胞
では、VP2は発現されていなかった。これは、IBD
Vの5’非翻訳領域にIRESとしての機能が存在する
ことを示唆する。
【0039】実施例3:組換え体ウイルスの作出 (1)FiKG断片の作製 まず、実施例1−(5)で作製したpiKGを制限酵素
KpnI、Sse83871及びFspIで消化し、上
記手順によりiKGを含む断片を回収後、末端平滑化し
た。次に、実施例2−(3)で得たpFをXbaIで消
化し、脱リン酸化した後、上記のiKGを挿入した。得
られたプラスミドをKpnI及びSse83871で消
化し、末端を平滑化することにより、NDV−F遺伝子
とIBDVのiKGcDNA断片が結合したFiKG断
片を作製した(図9)。
【0040】(2)pA4P(FiK1.5S)及びp
A4P(FiKG)プラスミドの構築 MDV1のgBプロモーター(特願平7−16010
6、WO96/38565)の下流に、NDV−F及び
iK1.5S又はNDV−F及びiKGを連結し、更に
該DNA断片をMDVゲノムの遺伝子断片間に挿入した
プラスミドpA4P(FiK1.5S)及びpA4P
(FiKG)を構築した。まず、MDV1のgBプロモ
ーターの下流にNDV−Fを結合させた断片PFを作製
した(図10)。実施例2−(2)で構築したpSFを
HindIII及びEcoRIにより部分消化して35
0bpの塩基配列部分を除去し、配列表の配列番号:5
及び6に記載の塩基配列から構成されるリンカー、すな
わち、EcoRI、FspI及びHindIIIの制限
酵素認識配列を含むDNA断片(EFH)を挿入した。
得られたプラスミドを更にBsaBI及びSalIで消
化して450bp塩基配列部分を除去し、配列表の配列
番号:7及び8に記載の塩基配列から構成され、Bsa
BI、NruI、SnaBI、FspI及びSalI制
限酵素認識配列を持つリンカー(BNSF)を挿入し
た。さらに、該プラスミドをHindIII及びXho
Iで消化してSV40後期プロモーターを除いた後、末
端平滑化及び脱リン酸化を行い,ここにMDV1のgB
プロモーター断片を挿入した。このようにして得られた
プラスミドをFspIで消化し、アガロース電気泳動に
より、gBプロモーターとNDV−Fが結合した約2.
5Kbの断片PFを得た。
【0041】次に、MDV1ゲノムをHindIII消
化して得られるHindIII−B断片を、さらにEc
oRIで消化することによって得られる2.8Kbpの
DNA断片A4(図11)をpUC119のEcoRI
部位に挿入したしたプラスミド(pA4)をBalIで
消化した後、脱リン酸化した。これに上記のPF断片を
挿入した(図11)。得られたプラスミド(pA4P
F)をXbaI及びSnaBIで消化して、NDV−F
及びSV40 polyAシグナルを除いた後、末端平
滑化及び脱リン酸化を行った。ここに、実施例2−
(3)で作製したFiK1.5S又は実施例3−(1)
で作製したFiKGを挿入した。このようにして得られ
たプラスミドをpA4P(FiK1.5S)及びpA4
P(FiKG)とそれぞれ名付けた(図12)。
【0042】(3)組換え体ウイルスrMDV1−US
10P(FiK1.5S)及びrMDV1−US10P
(FiKG)の作出 特願平7−160106及び特願平4−205933号
に記載の方法に従い、MDV1のUS10遺伝子内にg
Bプロモーター、NDV−F及びiK1.5S断片を挿
入した組換え体ウイルスrMDV1−US10P(Fi
K1.5S)並びにgBプロモーター、NDV−F及び
iKG断片を挿入した組換え体ウイルスrMDV1−U
S10P(FiKG)を作出した。すなわち、pA4P
(FiK1.5S)及びpA4P(FiKG)をそれぞ
れPmacIで消化して直鎖状とした後、これをエレク
トロポレーション法によりMDV1感染CEFに導入
し、FBSを1〜5%添加したE.MEM培地中、37
℃で数日間培養した。PBSで洗浄した後、FBSを5
%含むE.MEM培地で10000倍希釈したモノクロ
ーナル抗体#313とを室温で30分間反応させた。洗
浄した後、FBSを5%含むE.MEM培地で300倍
に希釈したHRP標識抗マウスIgG(バイオラッド
社)を、室温で30分間反応させ、ジアミノベンチジン
(DAB、同仁化学)で発色し、NDV−F蛋白を発現
している組換え体ウイルスをクローニングした。得られ
た組換え体ウイルスがIBDV蛋白も発現していること
を蛍光抗体法により確認した。すなわち、カバーグラス
3枚の入った直径5cmシャーレに、組換え体ウイルス
10,000PFUを含むCEF細胞300万個を播
き、37℃、48時間培養し、実施例2−(4)に記載
の方法に従い、IBDV蛋白を検出した。また、このよ
うにして得た組換え体ウイルスrMDV1−US10P
(FiK1.5S)及びrMDV1−US10P(Fi
KG)は 、MDV1免疫SPFニワトリ血清とも特異
的に反応した。
【0043】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 GGATACGATC GGTCTGACCC CG 22
【0044】
【配列表】
配列番号:2 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 CTCTTAACAC GCAGTCGAGG TTGT 24
【0045】
【配列表】
配列番号:3 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 ATGGAACTCC TCCTTCTACA ACGC 24
【0046】
【配列表】
配列番号:4 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 TGTTGTAAGG CCGAATTGGT GTCC 24
【0047】
【配列表】
配列番号:5 配列の長さ:12 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 AATTCTGCGC AA 12
【0048】
【配列表】
配列番号:6 配列の長さ:12 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 GACGCGTTTC GA 12
【0049】
【配列表】
配列番号:7 配列の長さ:23 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 TGATCTCGCG ATACGTATGC GCA 23
【0050】
【配列表】
配列番号:8 配列の長さ:23 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸(合成DNA) 配列 ACTAGAGCGC TATGCATACG CGT 23
【0051】
【配列表】
配列番号:9 配列の長さ:64 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA 配列 GGATACGATC GGTCTGACCC CGGGGGAGTC ACCCGGGGAC AGGCCGTCAA GGCCTTGTTC 60 CTGG 64
【図面の簡単な説明】
【図1】プラスミドpUC119にIBDV cDNA
及びその断片を挿入したプラスミド(piKa1.5、
piK1.5、pK1.5又はpiKG)を構築する手
順を示す図。
【図2】piKa1.5、piK1.5及びpK1.5
に終止コドンリンカーを挿入したプラスミド(piKa
1.5S、piK1.5S及びpK1.5S)を構築す
る手順を示す図。
【図3】図2に記載のプラスミドから終止コドンリンカ
ーが付加されたIBDV cDNA断片(iKa1.5
S、iK1.5S及びK1.5S)を調製する手順を示
す図。
【図4】プラスミドpUC118にプラスミドXLIII
10H中のNDV−F遺伝子を挿入したプラスミドpF
を構築する手順を示す図。
【図5】SV40プロモーターの下流に、NDV−F遺
伝子を挿入したプラスミドpSFを構築する手順を示す
図。
【図6】pSFのNDV−F遺伝子の下流に、iKa
1.5Sを挿入したプラスミドpS(FiKa1.5
S)を構築する手順を示す図。
【図7】pFのNDV−F遺伝子の下流に、iK1.5
S又はK1.5Sを挿入したプラスミドを構築し、該プ
ラスミドからNDV−F遺伝子とiK1.5Sが連結し
たFiK1.5S断片又はNDV−F遺伝子とK1.5
S断片が連結したFK1.5S断片を調製する手順を示
す図。
【図8】ニワトリβアクチンプロモーターの下流に、F
iK1.5Sを挿入したプラスミドpCAG(FiK
1.5S)又はFK1.5Sを挿入したプラスミドpC
AG(FK1.5S)を構築する手順を示す図。
【図9】pFのNDV−F遺伝子の下流に、piKGの
iKG断片を挿入したプラスミドpFiKGを構築し、
該プラスミドからNDV−F遺伝子とiKG断片が連結
したFiKG断片を調製する手順を示す図。
【図10】pSFのSV40後期プロモーターを除去
し、そこにMDV1由来のgBプロモーターを挿入した
プラスミドを構築し、該プラスミドからgBプロモータ
ーとNDV−F遺伝子が連結したPF断片を調製する手
順を示す図。
【図11】MDV1のUS10領域を含むA4断片がク
ローニングされたプラスミドpA4に、PF断片を挿入
したプラスミドpA4PFを構築する手順を示す図。
【図12】pA4PFのNDV−F遺伝子を除去し、そ
こにFiK1.5Sを挿入したプラスミドpA4P(F
iK1.5S)及びFiKGを挿入したプラスミドpA
4P(FiKG)を構築する手順を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12P 21/02 C12P 21/02 C //(C12N 15/09 ZNA C12R 1:92) (C12N 7/00 C12R 1:92) (C12P 21/02 C12R 1:92)

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の外来遺伝子を発現させる多分子発
    現カセットであって、プロモーター−(外来遺伝子)m
    −(ires−外来遺伝子)nなる式で表されるDNA
    断片、ここで、外来遺伝子は任意の遺伝子、iresは
    鶏伝染性ファブリキウス嚢病ウイルス(IBDVと称す
    る)に由来するインターナル・リボソーム・エントリー
    サイトを形成するRNAに相補的なDNA断片であり、
    mは0又は1、nは1以上の整数値を表す、からなるこ
    とを特徴とする多分子発現カセット。
  2. 【請求項2】 前記RNAがIBDVゲノムの5’非翻
    訳領域からなることを特徴とする請求項1に記載の多分
    子発現カセット。
  3. 【請求項3】 前記5’非翻訳領域がIBDV分節Aで
    あることを特徴とする請求項2に記載の多分子発現カセ
    ット。
  4. 【請求項4】 前記5’非翻訳領域が配列表の配列番
    号:9に記載の塩基配列、又は該塩基配列に対し、1も
    しくは数個の塩基が置換、欠失あるいは付加された塩基
    配列を有し、該配列から転写されたRNAがインターナ
    ル・リボソーム・エントリーサイトを形成することを特
    徴とする請求項2又は3に記載の多分子発現カセット。
  5. 【請求項5】 前記プロモーターが動物細胞由来である
    ことを特徴とする請求項1に記載の多分子発現カセッ
    ト。
  6. 【請求項6】 前記動物細胞由来のプロモーターが鶏の
    βアクチンプロモーターであることを特徴とする請求項
    5に記載の多分子発現カセット。
  7. 【請求項7】 前記プロモーターがウイルス由来である
    ことを特徴とする請求項1に記載の多分子発現カセッ
    ト。
  8. 【請求項8】 前記ウイルス由来のプロモーターがマレ
    ック病1型ウイルス糖蛋白質B(gB)遺伝子のプロモ
    ーターであることを特徴とする請求項7に記載の多分子
    発現カセット。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれかに記載の多
    分子発現カセットが組み込まれたことを特徴とする多分
    子発現ベクター。
  10. 【請求項10】 前記多分子発現ベクターがプラスミド
    であることを特徴とする請求項9に記載の多分子発現ベ
    クター。
  11. 【請求項11】 前記多分子発現ベクターがウイルスゲ
    ノムであることを特徴とする請求項9に記載の多分子発
    現ベクター。
  12. 【請求項12】 前記ウイルスゲノムがマレック病ウイ
    ルス由来であることを特徴とする請求項11に記載の多
    分子発現ベクター。
  13. 【請求項13】 請求項11又は12に記載の多分子発
    現ベクターをウイルスゲノムとする組換え体ウイルス。
  14. 【請求項14】 前記組換え体ウイルスが鳥類又は鳥類
    細胞に感染性を有することを特徴とする請求項13に記
    載の組換え体ウイルス。
  15. 【請求項15】 前記鳥類がニワトリであることを特徴
    とする請求項14に記載の組換え体ウイルス。
  16. 【請求項16】 請求項1ないし8のいずれかに記載の
    多分子発現カセット、請求項9ないし12のいずれかに
    記載の多分子発現ベクター、請求項13ないし15のい
    ずれかに記載の組換え体ウイルスを含有することを特徴
    とする動物用ワクチン。
  17. 【請求項17】 請求項1ないし8のいずれかに記載の
    多分子発現カセット、請求項9ないし12のいずれかに
    記載の多分子発現ベクター、請求項13ないし15のい
    ずれかに記載の組換え体ウイルスを用いることを特徴と
    するペプチドの製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の方法により得られ
    るペプチド。
  19. 【請求項19】 請求項16のワクチン又は18に記載
    のペプチドを用いることを特徴とする家禽類の免疫方
    法。
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