JPH10320801A - 対物レンズ駆動装置 - Google Patents
対物レンズ駆動装置Info
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- JPH10320801A JPH10320801A JP14300597A JP14300597A JPH10320801A JP H10320801 A JPH10320801 A JP H10320801A JP 14300597 A JP14300597 A JP 14300597A JP 14300597 A JP14300597 A JP 14300597A JP H10320801 A JPH10320801 A JP H10320801A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 コーティング層により充分な摺動性を得、所
望のレンズ追従性を得ると共に摺動性の耐久性を向上す
る。 【解決手段】 支持軸5及びレンズホルダ3の軸受孔3
aの少なくとも一方に形成するコーティング層5aを、
ベース樹脂にフッ素系樹脂を分散したものとし、フッ素
系樹脂の表面扁析現象を利用して、コーティング層表面
側のフッ素系樹脂の比率を奥側より高めるようにする一
方で、上記コーティング層5aを、円筒度、真円度等の
寸法精度が損なわれずに得られるため仕上げ加工を要し
ない膜厚としての3μm以下とし、コーティング層5a
の表面側を削ることなくフッ素系樹脂が富んだ状態とし
て、当該コーティング層5aにより充分な摺動性を得る
ように構成してなるもの。
望のレンズ追従性を得ると共に摺動性の耐久性を向上す
る。 【解決手段】 支持軸5及びレンズホルダ3の軸受孔3
aの少なくとも一方に形成するコーティング層5aを、
ベース樹脂にフッ素系樹脂を分散したものとし、フッ素
系樹脂の表面扁析現象を利用して、コーティング層表面
側のフッ素系樹脂の比率を奥側より高めるようにする一
方で、上記コーティング層5aを、円筒度、真円度等の
寸法精度が損なわれずに得られるため仕上げ加工を要し
ない膜厚としての3μm以下とし、コーティング層5a
の表面側を削ることなくフッ素系樹脂が富んだ状態とし
て、当該コーティング層5aにより充分な摺動性を得る
ように構成してなるもの。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対物レンズ駆動装
置に関する。
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光学式記録再生装置としての例え
ば光ディスク装置等においては、ディスクに対して情報
信号を書き込み、またこれを読み取るために、ディスク
の情報ピットにレーザビームを正確に集光させる対物レ
ンズ駆動装置が備えられている。この対物レンズ駆動装
置としては、例えば、対物レンズを備えたレンズホルダ
を、支持軸に回動可能且つ軸方向に沿って移動可能に支
持して、ディスクに対してトラッキングやフォーカシン
グを行う所謂軸摺動型のものが知られている。
ば光ディスク装置等においては、ディスクに対して情報
信号を書き込み、またこれを読み取るために、ディスク
の情報ピットにレーザビームを正確に集光させる対物レ
ンズ駆動装置が備えられている。この対物レンズ駆動装
置としては、例えば、対物レンズを備えたレンズホルダ
を、支持軸に回動可能且つ軸方向に沿って移動可能に支
持して、ディスクに対してトラッキングやフォーカシン
グを行う所謂軸摺動型のものが知られている。
【0003】このような軸摺動型の対物レンズ駆動装置
では、ディスクの振れに対するレンズ追従性を良くする
ために、支持軸とこの支持軸が挿入されるレンズホルダ
の軸受孔に対し高摺動性及び高寸法精度(軸受隙間を狭
めてがたをなくすこと)が要求される。このような要求
に対し、摺動性を高める目的で、支持軸にPTFE(ポ
リテトラフルオロエチレン)を含む潤滑塗装を施す構成
が一般的に知られている。
では、ディスクの振れに対するレンズ追従性を良くする
ために、支持軸とこの支持軸が挿入されるレンズホルダ
の軸受孔に対し高摺動性及び高寸法精度(軸受隙間を狭
めてがたをなくすこと)が要求される。このような要求
に対し、摺動性を高める目的で、支持軸にPTFE(ポ
リテトラフルオロエチレン)を含む潤滑塗装を施す構成
が一般的に知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記支持軸にPTFE
を含む潤滑塗装を施すものでは、コーティング層の寸法
調整を行うべく、例えば切削や研削等による仕上げ加工
を要するのが一般的であるが、上記潤滑塗装は、例えば
エポキシ、フェノール、ポリアミドイミド等の接着性に
優れた基材に、潤滑性に優れたPTFEを数%添加した
ものであるため、上記仕上げ加工を行うと、摺動面に存
在するPTFEは断続的なものとなってしまい、充分な
摺動性を得ることができず、上述したレンズ追従性を所
望に得られないといった問題があった。
を含む潤滑塗装を施すものでは、コーティング層の寸法
調整を行うべく、例えば切削や研削等による仕上げ加工
を要するのが一般的であるが、上記潤滑塗装は、例えば
エポキシ、フェノール、ポリアミドイミド等の接着性に
優れた基材に、潤滑性に優れたPTFEを数%添加した
ものであるため、上記仕上げ加工を行うと、摺動面に存
在するPTFEは断続的なものとなってしまい、充分な
摺動性を得ることができず、上述したレンズ追従性を所
望に得られないといった問題があった。
【0005】そこで本発明は、コーティング層により充
分な摺動性を得ることができ、所望のレンズ追従性を得
ることができると共に摺動性の耐久性も向上できる対物
レンズ駆動装置を提供することを目的とする。
分な摺動性を得ることができ、所望のレンズ追従性を得
ることができると共に摺動性の耐久性も向上できる対物
レンズ駆動装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の対物レンズ駆動装置は、対物レンズを備
えると共に支持軸と軸受孔を介して支持されたレンズホ
ルダを、駆動機構によって前記支持軸線を中心に回動且
つ前記支持軸線方向に移動するように構成した対物レン
ズ駆動装置において、前記支持軸及び前記軸受孔の少な
くとも一方に、ベース樹脂にフッ素系樹脂を分散させて
なるコーティング層を形成し、このコーティング層の厚
さを、3μm以下としたことを特徴としている。
に、請求項1の対物レンズ駆動装置は、対物レンズを備
えると共に支持軸と軸受孔を介して支持されたレンズホ
ルダを、駆動機構によって前記支持軸線を中心に回動且
つ前記支持軸線方向に移動するように構成した対物レン
ズ駆動装置において、前記支持軸及び前記軸受孔の少な
くとも一方に、ベース樹脂にフッ素系樹脂を分散させて
なるコーティング層を形成し、このコーティング層の厚
さを、3μm以下としたことを特徴としている。
【0007】上記目的を達成するために、請求項2の対
物レンズ駆動装置は、請求項1に加えて、フッ素系樹脂
は微粒子からなり、フッ素系樹脂の表面扁析現象を利用
してコーティング層における表面側の前記フッ素系樹脂
の比率を奥側より高めたことを特徴としている。
物レンズ駆動装置は、請求項1に加えて、フッ素系樹脂
は微粒子からなり、フッ素系樹脂の表面扁析現象を利用
してコーティング層における表面側の前記フッ素系樹脂
の比率を奥側より高めたことを特徴としている。
【0008】このような本発明における対物レンズ駆動
装置によれば、支持軸及びレンズホルダの軸受孔の少な
くとも一方に、ベース樹脂にフッ素系樹脂が分散された
コーティング層が形成されるが、このベース樹脂にフッ
素系樹脂が分散されたコーティング層では、フッ素系樹
脂の表面扁析現象により、コーティング層表面側のフッ
素系樹脂の比率が奥側より高められている。また、上記
コーティング層が、円筒度、真円度等の寸法精度が損な
われずに得られ仕上げ加工を要しない膜厚としての3μ
m以下とされている。従って、コーティング層の表面側
は削られることなくフッ素系樹脂が富んだ状態にあり、
当該コーティング層により充分な摺動性が得られるよう
になっている。
装置によれば、支持軸及びレンズホルダの軸受孔の少な
くとも一方に、ベース樹脂にフッ素系樹脂が分散された
コーティング層が形成されるが、このベース樹脂にフッ
素系樹脂が分散されたコーティング層では、フッ素系樹
脂の表面扁析現象により、コーティング層表面側のフッ
素系樹脂の比率が奥側より高められている。また、上記
コーティング層が、円筒度、真円度等の寸法精度が損な
われずに得られ仕上げ加工を要しない膜厚としての3μ
m以下とされている。従って、コーティング層の表面側
は削られることなくフッ素系樹脂が富んだ状態にあり、
当該コーティング層により充分な摺動性が得られるよう
になっている。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1及び図2は本発明の一実施形態
における対物レンズ駆動装置を表したものであり、本実
施形態の対物レンズ駆動装置1は概略、対物レンズ2を
保持するレンズホルダ3と、このレンズホルダ3に形成
された軸受孔3aと、この軸受孔3aに挿入されて上記
レンズホルダ3を支持する支持軸5と、を備えている。
基づいて説明する。図1及び図2は本発明の一実施形態
における対物レンズ駆動装置を表したものであり、本実
施形態の対物レンズ駆動装置1は概略、対物レンズ2を
保持するレンズホルダ3と、このレンズホルダ3に形成
された軸受孔3aと、この軸受孔3aに挿入されて上記
レンズホルダ3を支持する支持軸5と、を備えている。
【0010】上記レンズホルダ3は高弾性樹脂より形成
されている。この高弾性樹脂として、本実施形態におい
ては、PPS(ポリフェニレンサルファイド)を例えば
炭素繊維等で強化したものを用いているが、例えば液晶
樹脂、フェノール、エポキシ樹脂等を例えば炭素繊維等
で強化したものを用いても良く、また炭素繊維以外のフ
ィラーで強化したものを用いても良く、さらにまた例え
ばエポキシ樹脂、LCP等のそのものの曲げ弾性率が高
い樹脂を単体で用いても良い。そして、このような高弾
性樹脂を用いることによって、レンズホルダ3の高次共
振周波数が、高速化が図れる所望のレベルまで高くされ
ている。
されている。この高弾性樹脂として、本実施形態におい
ては、PPS(ポリフェニレンサルファイド)を例えば
炭素繊維等で強化したものを用いているが、例えば液晶
樹脂、フェノール、エポキシ樹脂等を例えば炭素繊維等
で強化したものを用いても良く、また炭素繊維以外のフ
ィラーで強化したものを用いても良く、さらにまた例え
ばエポキシ樹脂、LCP等のそのものの曲げ弾性率が高
い樹脂を単体で用いても良い。そして、このような高弾
性樹脂を用いることによって、レンズホルダ3の高次共
振周波数が、高速化が図れる所望のレベルまで高くされ
ている。
【0011】レンズホルダ3の略中央には光軸方向に沿
って上記軸受孔3aが貫通形成されている。上記レンズ
ホルダ3には、上記軸受孔3aを中心にして対物レンズ
2の反対側にバランサ6が固着されている。このレンズ
ホルダ3の外周面には、軸受孔3aを挟んだ対称位置
に、一対のフォーカシング用駆動コイル7,7及び一対
のトラッキング用駆動コイル8,8がそれぞれ固着され
ている。
って上記軸受孔3aが貫通形成されている。上記レンズ
ホルダ3には、上記軸受孔3aを中心にして対物レンズ
2の反対側にバランサ6が固着されている。このレンズ
ホルダ3の外周面には、軸受孔3aを挟んだ対称位置
に、一対のフォーカシング用駆動コイル7,7及び一対
のトラッキング用駆動コイル8,8がそれぞれ固着され
ている。
【0012】上記軸受孔3aには、外ヨーク9の底部略
中央に立設固定された上記支持軸5が挿入されている。
この支持軸5を固定する外ヨーク9は、支持軸5を挟ん
で対称位置に位置する外周縁部が、直角に折り曲げられ
て上記駆動コイル7,8と対向するようにそれぞれ立ち
上がっており、この各立ち上がり部分に、上記駆動コイ
ル7,8に対向する一対のマグネット10,10がそれ
ぞれ固定されている。このマグネット10は、フォーカ
シング用駆動コイル7に対向するフォーカシング用マグ
ネット10aと、トラッキング用駆動コイル8に対向す
るトラッキング用マグネット10bと、からなる。フォ
ーカシング用マグネット10aは、N極とS極が支持軸
方向に並ぶように分極着磁され、一方トラッキング用マ
グネット10bは、N極とS極が周方向に並ぶように分
極着磁されている。
中央に立設固定された上記支持軸5が挿入されている。
この支持軸5を固定する外ヨーク9は、支持軸5を挟ん
で対称位置に位置する外周縁部が、直角に折り曲げられ
て上記駆動コイル7,8と対向するようにそれぞれ立ち
上がっており、この各立ち上がり部分に、上記駆動コイ
ル7,8に対向する一対のマグネット10,10がそれ
ぞれ固定されている。このマグネット10は、フォーカ
シング用駆動コイル7に対向するフォーカシング用マグ
ネット10aと、トラッキング用駆動コイル8に対向す
るトラッキング用マグネット10bと、からなる。フォ
ーカシング用マグネット10aは、N極とS極が支持軸
方向に並ぶように分極着磁され、一方トラッキング用マ
グネット10bは、N極とS極が周方向に並ぶように分
極着磁されている。
【0013】外ヨーク9の底部上には、内ヨーク11が
該外ヨーク9に重なるようにして取り付けられており、
この内ヨーク11における支持軸5を挟んで対称位置に
位置する外周縁部であって上記駆動コイル7,8より内
側に位置する外周縁部が、レンズホルダ3に設けられた
開口部に介挿されるように直角にそれぞれ折り曲げられ
て立ち上がっている。以上のようにして、内側から順
に、内ヨーク11、各駆動コイル7,8、マグネット1
0、外ヨーク9が、支持軸5を中心とする対称位置に配
置されて、これらを通る略閉磁路が形成される構成にな
されている。
該外ヨーク9に重なるようにして取り付けられており、
この内ヨーク11における支持軸5を挟んで対称位置に
位置する外周縁部であって上記駆動コイル7,8より内
側に位置する外周縁部が、レンズホルダ3に設けられた
開口部に介挿されるように直角にそれぞれ折り曲げられ
て立ち上がっている。以上のようにして、内側から順
に、内ヨーク11、各駆動コイル7,8、マグネット1
0、外ヨーク9が、支持軸5を中心とする対称位置に配
置されて、これらを通る略閉磁路が形成される構成にな
されている。
【0014】次に、本実施形態の特徴をなす点について
説明する。本実施形態においては、上記支持軸5が、図
2に示されるように、例えばステンレスからなるシャフ
ト基材5bと、このシャフト基材5bの表面に形成され
たコーティング層5aと、から構成され、且つ当該コー
ティング層5aが、ベース樹脂としての例えばフェノー
ルレジンにフッ素系樹脂としての例えばPTFEを分散
したコーティング層にされていると共に、円筒度、真円
度等の寸法精度が損なわれずに得られるため仕上げ加工
を要しない膜厚としての3μm以下とされている。
説明する。本実施形態においては、上記支持軸5が、図
2に示されるように、例えばステンレスからなるシャフ
ト基材5bと、このシャフト基材5bの表面に形成され
たコーティング層5aと、から構成され、且つ当該コー
ティング層5aが、ベース樹脂としての例えばフェノー
ルレジンにフッ素系樹脂としての例えばPTFEを分散
したコーティング層にされていると共に、円筒度、真円
度等の寸法精度が損なわれずに得られるため仕上げ加工
を要しない膜厚としての3μm以下とされている。
【0015】上記支持軸5は、以下に説明する工程によ
り製造されている。すなわち、先ずシャフト基材5bと
なる例えばステンレスシャフトの表面を、溶剤やアルカ
リ脱脂等で洗浄し、次いでフェノールレジンにPTFE
微粒子を10体積%分散しさらに溶剤にて希釈した溶液
に、上記ステンレスシャフト5bを浸漬し、次いでこの
ステンレスシャフト5bを上記溶液から引き上げた後に
130°Cで30分の硬化を行う。すると、ステンレス
シャフト5bの表面には約1.5μmのコーティング層
5aが形成される。
り製造されている。すなわち、先ずシャフト基材5bと
なる例えばステンレスシャフトの表面を、溶剤やアルカ
リ脱脂等で洗浄し、次いでフェノールレジンにPTFE
微粒子を10体積%分散しさらに溶剤にて希釈した溶液
に、上記ステンレスシャフト5bを浸漬し、次いでこの
ステンレスシャフト5bを上記溶液から引き上げた後に
130°Cで30分の硬化を行う。すると、ステンレス
シャフト5bの表面には約1.5μmのコーティング層
5aが形成される。
【0016】このコーティング層5aは、PTFE(フ
ッ素系樹脂)の表面扁析現象により、コーティング層表
面側のPTFEの比率が奥側(ステンレスシャフト5b
側)より高くなっている。すなわち、コーティング層5
aの表面側はPTFEに富み、奥側はフェノールレジン
に富んだ状態になっている。
ッ素系樹脂)の表面扁析現象により、コーティング層表
面側のPTFEの比率が奥側(ステンレスシャフト5b
側)より高くなっている。すなわち、コーティング層5
aの表面側はPTFEに富み、奥側はフェノールレジン
に富んだ状態になっている。
【0017】本発明者はこれを実験により確認した。図
3は本実施形態おいて得られたコーティング層5aに対
する表面分析装置(ESCA)を用いてのESCA分析
結果を表した特性図である。図より明らかなように、P
TFEに帰属するフッ素量が、層の深さが深い所(層深
さ100Å以降)に比して表面付近(層深さ10Å)で
極めて多く検出されているのが判る。
3は本実施形態おいて得られたコーティング層5aに対
する表面分析装置(ESCA)を用いてのESCA分析
結果を表した特性図である。図より明らかなように、P
TFEに帰属するフッ素量が、層の深さが深い所(層深
さ100Å以降)に比して表面付近(層深さ10Å)で
極めて多く検出されているのが判る。
【0018】さて、このように構成された対物レンズ駆
動装置では、フォーカシング用駆動コイル7,7に、所
定の駆動電流を流すことにより、この駆動電流と磁気回
路内の磁束とによって推力が発生し、レンズホルダ3が
その光軸方向(支持軸5に沿って)に移動してフォーカ
シング動作が行われ、またトラッキング用駆動コイル
8,8に、所定の駆動電流を流すことにより、この駆動
電流と磁気回路内の磁束とによって推力が発生し、レン
ズホルダ3が支持軸5を中心として揺動、すなわちトラ
ッキング方向に移動してトラッキング動作が行われる。
動装置では、フォーカシング用駆動コイル7,7に、所
定の駆動電流を流すことにより、この駆動電流と磁気回
路内の磁束とによって推力が発生し、レンズホルダ3が
その光軸方向(支持軸5に沿って)に移動してフォーカ
シング動作が行われ、またトラッキング用駆動コイル
8,8に、所定の駆動電流を流すことにより、この駆動
電流と磁気回路内の磁束とによって推力が発生し、レン
ズホルダ3が支持軸5を中心として揺動、すなわちトラ
ッキング方向に移動してトラッキング動作が行われる。
【0019】この時、上記支持軸5表面のコーティング
層5aは、上述したように、PTFEの表面扁析現象に
より、PTFEの量が多く、しかも従来技術では削り取
られていたコーティング層の表面が削り取られていない
ため、当該コーティング層5aの表面は特に優れた摺動
性を有しており、所望のレンズ追従性が得られる。
層5aは、上述したように、PTFEの表面扁析現象に
より、PTFEの量が多く、しかも従来技術では削り取
られていたコーティング層の表面が削り取られていない
ため、当該コーティング層5aの表面は特に優れた摺動
性を有しており、所望のレンズ追従性が得られる。
【0020】また、この摺動性の向上により摺動性の耐
久性が向上されている。
久性が向上されている。
【0021】本発明者はこれを実験により確認した。図
4は摺動性と耐久時間との関係を本発明と従来技術とで
比較して表した特性図であり、本実施形態に対応するの
が線分A、従来技術に対応するのが線分Bである。すな
わち、線分Bは、支持軸の表面にPTFEを含む潤滑塗
装を施し、当該潤滑塗装膜を研削仕上げしたものを示し
ており、線分Aは、支持軸5の表面に、フェノールレジ
ンにPTFEを分散させたコーティング層を形成したも
のを示している。また、相手材の軸受孔3aを有するレ
ンズホルダ3としては、PPSより構成されたものを実
験に用いている。なお、この図においては、Y軸のレベ
ルが低い方が摺動性が良いことを示している。
4は摺動性と耐久時間との関係を本発明と従来技術とで
比較して表した特性図であり、本実施形態に対応するの
が線分A、従来技術に対応するのが線分Bである。すな
わち、線分Bは、支持軸の表面にPTFEを含む潤滑塗
装を施し、当該潤滑塗装膜を研削仕上げしたものを示し
ており、線分Aは、支持軸5の表面に、フェノールレジ
ンにPTFEを分散させたコーティング層を形成したも
のを示している。また、相手材の軸受孔3aを有するレ
ンズホルダ3としては、PPSより構成されたものを実
験に用いている。なお、この図においては、Y軸のレベ
ルが低い方が摺動性が良いことを示している。
【0022】図より明らかなように、従来技術の線分B
は、初期摺動性(図示左側部分参照)を含む摺動性が悪
いと共に、経時的に摺動性がさらに悪化し耐久性が悪い
(図示右側部分参照)というのが判るが、本実施形態の
線分Aは、初期から良好な摺動性が得られると共に以降
もこの良好なレベルが維持されるというのが判る。
は、初期摺動性(図示左側部分参照)を含む摺動性が悪
いと共に、経時的に摺動性がさらに悪化し耐久性が悪い
(図示右側部分参照)というのが判るが、本実施形態の
線分Aは、初期から良好な摺動性が得られると共に以降
もこの良好なレベルが維持されるというのが判る。
【0023】なお、本実施形態の装置では、潤滑塗装膜
の加工や、加工代を得るための潤滑塗装の重ね塗り等が
不要なため、製造コストの低減が図られている。また、
コーティング層5aの奥側は、接着性に優れたフェノー
ルレジンに富んでいるため、当該コーティング層5aは
シャフト基材5bに対して強固に密着されている。
の加工や、加工代を得るための潤滑塗装の重ね塗り等が
不要なため、製造コストの低減が図られている。また、
コーティング層5aの奥側は、接着性に優れたフェノー
ルレジンに富んでいるため、当該コーティング層5aは
シャフト基材5bに対して強固に密着されている。
【0024】以上本発明者によってなされた発明を実施
形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形
態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範
囲で種々変形可能であるというのはいうまでもなく、例
えば、上記実施形態においては、フッ素系樹脂をPTF
Eとしているが、これに限定されるものではなく、例え
ばPFA、FEP、ETFE等としても良い。
形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形
態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範
囲で種々変形可能であるというのはいうまでもなく、例
えば、上記実施形態においては、フッ素系樹脂をPTF
Eとしているが、これに限定されるものではなく、例え
ばPFA、FEP、ETFE等としても良い。
【0025】また、上記実施形態においては、ベース樹
脂としてフェノールレジンを用いているが、これに限定
されるものではなく、例えばアクリル、エポキシ、ポリ
アミドイミド等を用いても良く、これらのように接着性
に優れた樹脂を用い、シャフト基材5bに対する密着力
を高めるのが、より好ましい。
脂としてフェノールレジンを用いているが、これに限定
されるものではなく、例えばアクリル、エポキシ、ポリ
アミドイミド等を用いても良く、これらのように接着性
に優れた樹脂を用い、シャフト基材5bに対する密着力
を高めるのが、より好ましい。
【0026】また、上記実施形態においては、コーティ
ング方法を浸漬としているが、吹き付け塗装等でも良
い。
ング方法を浸漬としているが、吹き付け塗装等でも良
い。
【0027】また、上記実施形態においては、支持軸5
側にコーティング層を形成するようにしているが、軸受
孔3a側に形成するようにしても良く、また支持軸5側
と軸受孔3a側の両方に形成するようにしても良い。
側にコーティング層を形成するようにしているが、軸受
孔3a側に形成するようにしても良く、また支持軸5側
と軸受孔3a側の両方に形成するようにしても良い。
【0028】また、軸受孔3aを含む周囲を軸受部とし
てレンズホルダ3の他の部分と別体とし両者を異材同士
で構成したものに対しても本発明を同様に適用でき、さ
らに支持軸5がレンズホルダ3に取り付けられ、固定側
となるフレーム側(例えば外ヨーク9)に軸受を設けて
当該軸受に上記レンズホルダ3に取り付けられた支持軸
5を支承するように構成した対物レンズ駆動装置に対し
ても同様に適用できる。
てレンズホルダ3の他の部分と別体とし両者を異材同士
で構成したものに対しても本発明を同様に適用でき、さ
らに支持軸5がレンズホルダ3に取り付けられ、固定側
となるフレーム側(例えば外ヨーク9)に軸受を設けて
当該軸受に上記レンズホルダ3に取り付けられた支持軸
5を支承するように構成した対物レンズ駆動装置に対し
ても同様に適用できる。
【0029】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の対物レンズ
駆動装置は、支持軸及びレンズホルダの軸受孔の少なく
とも一方に形成するコーティング層を、ベース樹脂にフ
ッ素系樹脂を分散したものとし、フッ素系樹脂の表面扁
析現象を利用して、コーティング層表面側のフッ素系樹
脂の比率を奥側より高めるようにする一方で、上記コー
ティング層を、円筒度、真円度等の寸法精度が損なわれ
ずに得られるため仕上げ加工を要しない膜厚としての3
μm以下とし、コーティング層の表面側を削ることなく
フッ素系樹脂が富んだ状態として、当該コーティング層
により充分な摺動性を得るように構成したものであるか
ら、所望のレンズ追従性を得ることが可能となると共に
摺動性の耐久性を向上することが可能となる。
駆動装置は、支持軸及びレンズホルダの軸受孔の少なく
とも一方に形成するコーティング層を、ベース樹脂にフ
ッ素系樹脂を分散したものとし、フッ素系樹脂の表面扁
析現象を利用して、コーティング層表面側のフッ素系樹
脂の比率を奥側より高めるようにする一方で、上記コー
ティング層を、円筒度、真円度等の寸法精度が損なわれ
ずに得られるため仕上げ加工を要しない膜厚としての3
μm以下とし、コーティング層の表面側を削ることなく
フッ素系樹脂が富んだ状態として、当該コーティング層
により充分な摺動性を得るように構成したものであるか
ら、所望のレンズ追従性を得ることが可能となると共に
摺動性の耐久性を向上することが可能となる。
【図1】本発明の一実施形態における対物レンズ駆動装
置を表した平面図である。
置を表した平面図である。
【図2】図1中のX−X線に沿う断面図である。
【図3】本実施形態おいて得られたコーティング層に対
するESCA分析結果を表した特性図である。
するESCA分析結果を表した特性図である。
【図4】摺動性と耐久時間との関係を本発明と従来技術
とで比較して表した特性図である。
とで比較して表した特性図である。
3a 軸受孔 5 支持軸 5a コーティング層
Claims (2)
- 【請求項1】 対物レンズを備えると共に支持軸と軸受
孔を介して支持されたレンズホルダを、駆動機構によっ
て前記支持軸線を中心に回動且つ前記支持軸線方向に移
動するように構成した対物レンズ駆動装置において、 前記支持軸及び前記軸受孔の少なくとも一方に、ベース
樹脂にフッ素系樹脂を分散させてなるコーティング層を
形成し、 このコーティング層の厚さを、3μm以下としたことを
特徴とする対物レンズ駆動装置。 - 【請求項2】 フッ素系樹脂は微粒子からなり、 フッ素系樹脂の表面扁析現象を利用してコーティング層
における表面側の前記フッ素系樹脂の比率を奥側より高
めたことを特徴とする請求項1記載の対物レンズ駆動装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14300597A JPH10320801A (ja) | 1997-05-16 | 1997-05-16 | 対物レンズ駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14300597A JPH10320801A (ja) | 1997-05-16 | 1997-05-16 | 対物レンズ駆動装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10320801A true JPH10320801A (ja) | 1998-12-04 |
Family
ID=15328745
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14300597A Withdrawn JPH10320801A (ja) | 1997-05-16 | 1997-05-16 | 対物レンズ駆動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10320801A (ja) |
-
1997
- 1997-05-16 JP JP14300597A patent/JPH10320801A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20040803 |