JPH10310828A - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

焼結鉱の製造方法

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JPH10310828A
JPH10310828A JP9121898A JP12189897A JPH10310828A JP H10310828 A JPH10310828 A JP H10310828A JP 9121898 A JP9121898 A JP 9121898A JP 12189897 A JP12189897 A JP 12189897A JP H10310828 A JPH10310828 A JP H10310828A
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JP9121898A
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Koichi One
公一 大根
Takazo Kawaguchi
尊三 川口
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】焼結操業に影響を及ぼさないように原料充填層
の高さ方向における炭材分布を制御し、焼結ベッドの焼
成状態を適正化して焼結鉱の品質を制御できる焼結鉱の
製造方法を提供する。 【解決手段】焼結ベッドの高さ方向別の焼成状態を推定
し、その推定結果に基づき、焼結機の給鉱部において、
炭材吹込用ノズル3からのパレット内の原料充填層5へ
の炭材吹き込み量を原料の堆積高さ方向別に調整し、焼
結ベッドの焼成状態を制御する。前記の焼成状態を推定
は、焼結機の各ウインドボックスにおけるCO、CO
2 またはO2 のガス濃度、および排ガス量の測定、排
鉱部において、連続的に焼成され移動してくる焼結ベッ
ドの断面の温度分布の測定(例えば、赤外線カメラ10
による映像を画像解析する)、または、前記のおよ
びの方法の併用(図9)、により行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドワイトロイド式
焼結機での焼結鉱の製造において、パレット上に層状に
装入された焼結原料を焼成することにより生成する焼結
鉱の充填層(以下、これを「焼結ベッド」という)の焼
成状態を制御し、焼結鉱の品質を高めて歩留まりの改善
を図ることができる焼結鉱の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】焼結原料は数種類の鉄鉱石、CaO源と
しての石灰石、SiO2 およびMgO源としての蛇紋
粉、燃料としての粉コークスおよび返鉱等で構成されて
いる。この焼結原料の配合設計は焼結機の操業者によっ
て行われる。
【0003】前記の鉄鉱石、石灰石等の原料は各原料槽
から定量切り出しされる。通常、これら原料槽は原料搬
送用ベルトコンベアの上部に直列に配置されており、最
下流までの原料槽から切り出された原料すべてがベルト
コンベア上で合流する仕組みになっている。
【0004】この合流後の原料(すなわち、焼結原料)
は造粒機まで搬送される。ここで原料に水分が添加され
て造粒が行われる。造粒後の原料は、さらに焼結機に装
入され、パレット内で層状に堆積されて原料充填層を形
成し、その最上部に点火される。さらに、原料充填層を
通して大気が下方吸引されることによって焼結反応が上
部から下部へ進行する。
【0005】ここで、焼結反応に必要な炭材は上述した
ように造粒物の中に含まれているが、炭材自身も粒度が
均一ではなく所定の粒度範囲内で分布しており、造粒時
における偏析が避けられず、造粒後の原料をパレット内
に装入した際に原料充填層内の高さ方向で炭材に分布が
生じる。そのため、焼結ベッドの高さ方向での焼成状態
が異なり、焼結ベッドの高さ方向で品質(強度、還元
率、還元粉化率等)が異なってくる。したがって、炭材
の分布が適正であるか否かを推定すること、および炭材
を適正に分布させることが焼結鉱の品質を制御する上で
重要な因子となってくる。
【0006】焼結ベッドの高さ方向における品質の制御
方法としては、例えば、特開昭59−1643号公報に
記載されるように、焼結機の排ガス分析結果から焼成状
態を把握し、パレット速度や粉コークスの配合量を変更
する方法が知られている。しかし、パレット速度を変更
することは生産率に影響を及ぼす。また、粉コークスの
配合量を変更すると全体の粉コークス量が変化するた
め、焼結ベッドの高さ方向において部分的には焼成状態
を適正化し得るが、過剰品質の部分や品質が不充分な部
分も存在することとなる。したがって、この方法では、
焼結ベッドの焼成状態を把握することはできても焼結ベ
ッド全体の品質を制御することはできない。
【0007】上記の問題点を解決する方法として、例え
ば、特開平3−240926号公報に、焼結機の排ガス
分析結果から焼成状態を把握し、適正な炭材分布になる
ように給鉱部の原料装入装置の角度を変更して原料の粒
度偏析を制御する方法が記載されている。しかしなが
ら、原料の粒度偏析状態を変更することは、見かけ上は
炭材の分布を適正に制御しているのであるが、装入する
焼結原料全体の粒度分布をも変更することになる。その
結果、原料充填層の通気性等が変わり、焼結操業全体に
その影響が及ぶため、操業を乱すおそれがある。
【0008】さらに、例えば特開平7−126763号
公報に記載されるように、排ガス分析を行わず、焼結機
排鉱部での焼結層(焼結ベッド)の断面を赤外線カメラ
で撮影し、画像解析結果から焼成状態を把握し、装入原
料の装入層高や吸引量等を制御する方法がある。しか
し、この方法においても、焼成状態の把握はできても焼
結鉱の品質制御を行うまでには至っていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】焼結鉱の製造中におけ
る焼結ベッドの焼成状態を推定することは、焼成中の排
ガス分析結果や排鉱部での焼結ベッドの断面を撮影した
映像の画像解析結果から可能である。しかし、上述した
ように、その推定結果を用いての焼結ベッドの焼成状態
の制御技術の開発が充分ではなく、焼結鉱の品質制御が
適切にはなされていない。
【0010】本発明は、このような状況に鑑みなされた
もので、焼結操業に影響を及ぼさないように、原料充填
層(サージホッパーから供給された原料がパレット内に
層状に堆積した部分)内の高さ方向における炭材分布を
制御して焼結ベッドの焼成状態を適正化し、焼結鉱の品
質を制御して歩留まりを改善することができる焼結鉱の
製造方法を提案することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】焼結鉱の製造において、
その品質を制御することは非常に重要である。その際、
焼結鉱の品質はパレット内における焼結ベッドの高さ方
向で異なるため、品質不良部分のみを改善すればよく、
それによって過剰品質化を防ぎ、焼結鉱全体の品質を適
正に制御することができる。
【0012】一方、焼結原料中の褐鉄鉱の比率が増加し
ていくと同化反応が促進され、原料充填層ないしは焼結
ベッドの通気性が悪くなってくる。すなわち、褐鉄鉱は
従来用いられている赤鉄鉱に比べて石灰粉(CaO)と
の反応性に富んでおり、融液が生成しやすく、かつ融液
量が多く、そのため、融液が原料粒子間に入り込んで通
気性を阻害する。これは、炭材量が多く、熱過剰の状態
になると一層顕著になる。したがって、熱過剰な部分が
できると、その部分での通気性が悪化し、全体の通気性
を律速することとなり、生産率が下がる。また、炭材量
を低下させ、熱過剰な部分をなくしようとすると、特に
原料充填層の上部の炭材比率が低下し、歩留まりの低下
を引き起こす。それ故に、原料充填層の高さ方向におけ
る炭材量を適正化して熱過剰な部分をなくすることが重
要となってくる。
【0013】本発明はこのような考え方のもとになされ
たもので、その要旨は、下記(1)〜(3)の焼結鉱の
製造方法にある。
【0014】(1)焼結機の各ウインドボックスにおけ
るCO、CO2 またはO2 の濃度、および排ガス量を測
定することにより焼結ベッドの高さ方向別の焼成状態を
推定し、その推定結果に基づき、焼結機の給鉱部におい
て、パレット内で原料が堆積している部分への炭材吹き
込み量を原料の堆積高さ方向別に調整して焼結ベッドの
焼成状態を制御することを特徴とする焼結鉱の製造方
法。
【0015】(2)焼結機の排鉱部において、連続的に
焼成され移動してくる焼結ベッドの断面の温度分布を撮
影し、その映像を画像解析することにより焼結ベッドの
高さ方向別の焼成状態を推定し、その推定結果に基づ
き、焼結機の給鉱部において、パレット内で原料が堆積
している部分への炭材吹き込み量を原料の堆積高さ方向
別に調整して焼結ベッドの焼成状態を制御することを特
徴とする焼結鉱の製造方法。
【0016】(3)焼結機の各ウインドボックスにおけ
るCO、CO2 またはO2 の濃度、および排ガス量を測
定し、かつ、焼結機の排鉱部において、連続的に焼成さ
れ移動してくる焼結ベッドの断面の温度分布を撮影し、
その映像を画像解析することにより焼結ベッドの高さ方
向別の焼成状態を推定し、その推定結果に基づき、焼結
機の給鉱部において、パレット内で原料が堆積している
部分への炭材吹き込み量を原料の堆積高さ方向別に調整
して焼結ベッドの焼成状態を制御することを特徴とする
焼結鉱の製造方法。
【0017】ここで、焼結ベッドとは、前述したよう
に、パレット上に層状に装入された焼結原料(すなわ
ち、焼結原料層)を焼成することにより生成した焼結鉱
の充填層をいう。
【0018】
【発明の実施の形態】上記本発明((1)〜(3)の発
明)について、以下に詳述する。
【0019】上記(1)の焼結鉱の製造方法は、焼結ベ
ッドの高さ方向別の焼成状態を焼結機の機長方向におけ
る排ガスの分析を行うことにより推定し、その結果に基
づいて、焼結機の給鉱部において、パレット内で原料が
堆積している部分への炭材吹き込み量を原料の堆積高さ
方向別に調整し、焼結ベッド全体が均一に焼成されるよ
うに焼成状態を制御する方法である。これによって、焼
結鉱の品質を適正に制御することができる。
【0020】図1は、本発明の方法(前記(1)〜
(3)の焼結鉱の製造方法)を実施する際に用いる炭材
吹き込み装置の一例の構成を示す図である。図におい
て、焼結機の給鉱部に設けられたサージホッパー1から
供給された焼結原料はパレット内に層状に堆積する(同
図中に、焼結原料5と表示)。この給鉱部において、原
料が堆積している部分、すなわち原料充填層の前に炭材
吹き込み装置が設置されており、炭材(粉コークス、石
炭等)2はこの装置に高さを変えて取り付けられた複数
段の炭材吹込用ノズル3を介して直接原料充填層に吹き
込まれる。
【0021】炭材吹込用ノズル3の段数は何段でもよ
い。上記図1に示した例では、上段、中段および下段の
3段であるが、例えば、焼結ベッドの上部が熱不足と判
断された場合には、上段のノズル3を利用して炭材を原
料充填層に吹き込めばよい。なお、炭材吹き込みには圧
空、窒素等を用いることができる。
【0022】この炭材吹込用ノズル3を用いて炭材(粒
径1mm程度の粉コークス)を原料充填層に直接吹き込
んだときの高さ方向におけるカーボン濃度の変化の一例
を図2に示す。この関係は、後述する実施例で用いた生
産量15000T/Dの焼結機で得られた結果で、吹き
込み量を2kg/min・mとし、図1に示したように
3段設けられた炭材吹込用ノズルのうちの上段のノズル
を用いて炭材吹き込みを行った場合である(図中に矢印
で表示)。
【0023】この図から、炭材吹込用ノズルから炭材を
吹き込むことにより、高さ方向でのカーボン濃度を制御
することが可能であることがわかる。原料充填層に直接
炭材を吹き込むと、その後すぐに原料がかぶさってくる
ので粒度偏析はほとんど起こらず、吹き付けた位置に炭
材が留まる。したがって、高さ方向の品質を制御するこ
とが可能とある。
【0024】前記(1)の発明の方法においては、焼結
ベッドの高さ方向別の焼成状態は、焼結機の機長方向に
おける排ガス分析を行うことにより推定する。すなわ
ち、焼結機の各ウインドボックスにおけるCO、CO2
またはO2 の濃度、および排ガス量を経時的に測定する
ことにより、ガス組成とカーボンの燃焼効率の時間的推
移を把握することができるので、それによって焼結ベッ
ドの高さ方向の焼成状態を推定することが可能となる。
なお、後述する実施例に示すように、燃焼効率を求め
ず、CO、CO2 またはO2 の濃度の時間的推移から焼
成状態を推定し、それに基づいて炭材吹き込みを行って
もよい。このことは、排ガス分析と次に述べる排鉱部で
の焼結ベッドの断面の温度分布の測定とを組み合わせて
焼結ベッドの高さ方向別の焼成状態を推定する場合にお
いても同様である。
【0025】排ガス分析および排ガス量の測定は各ウイ
ンドボックスについて行う。なお、この場合、後述する
図3に示すように、例えばウインドボックスを焼結機の
機長方向に3分割し、分割したそれぞれのウインドボッ
クスを通過する排ガスをまとめて、分析および排ガス量
の測定に供してもよい。
【0026】排ガス分析は、CO、CO2 またはO2
ついて行えばよいが、焼成状態の推定をより的確に行う
ために、これらのガス成分のうちいずれか二つ以上の成
分について測定してもよい。また、排ガス量の測定は連
続的もしくは一定時間毎に行えばよい。
【0027】このようにして得られた排ガス分析および
排ガス量の測定結果からカーボンの燃焼効率を把握し、
焼結ベッドの高さ方向別の焼成状態を推定するこができ
るので、その推定結果に基づいて、上記のように、焼結
機の給鉱部においてパレット内の原料充填層に直接炭材
を吹き込む。例えば、焼結ベッドの上層で燃焼効率が低
下して熱の供給が足りないと判断された場合、原料充填
層の上層に炭材を吹き込むことによってその部分の焼結
鉱の品質を改善することができる。
【0028】前記(2)の焼結鉱の製造方法では、焼結
ベッドの焼成状態を推定する方法として、焼結機の排鉱
部において、連続的に焼成されて移動してくる焼結ベッ
ドの断面の温度分布を撮影し、その映像を画像解析装置
により解析する方法を用いる。温度分布の撮影には、赤
外線カメラ等を用いればよい。また、焼結ベッドの断面
の温度分布の撮影は、焼結鉱がパレットから排出される
瞬間をとらえて行えば、温度分布をより正確に撮し取る
ことができる。この方法も焼成状態の推定に有効な方法
であり、その結果をもとに、パレット内の原料充填層に
直接炭材を吹き込んで焼結ベッドの焼成状態を適正化
し、焼結鉱の品質を制御することができる。
【0029】さらに、前記(3)の焼結鉱の製造方法で
は、(1)の発明の方法で用いる排ガス分析と(2)の
発明の方法で用いる排鉱部での焼結ベッドの断面の温度
分布の測定とを組み合わせてコンピュータで総合的に解
析を行い、焼成状態を推定して、その結果をもとに焼結
ベッドの焼成状態を適正化し、焼結鉱の品質を制御する
方法である。
【0030】上記の排ガス分析、焼結ベッドの断面の温
度分布の測定のどちらか一方のデータだけでは、ノイズ
を拾った場合、操業アクションを実施してしまう場合が
あるが、両者を組み合わせて焼成状態を推定することと
すれば、二つの手法で焼結ベッドの焼成状態を監視し、
同一の方向性が得られた場合にのみ操作を実施すること
ができるので、ノイズによる誤操作を少なくすることが
可能となる。
【0031】上記本発明の焼結鉱の製造方法によれば、
焼結操業に影響を及ぼさずに焼結原料充填層における炭
材分布を制御して、焼結ベッドの焼成状態を適正化し、
焼結鉱の品質を制御することができる。その結果、歩留
まりを改善することが可能となる。
【0032】
【実施例】
(実施例1)焼結機の機長方向の排ガス分析結果を使用
する本発明(前記(1)の発明)の焼結鉱の製造方法を
実施した。用いた設備の概略構成を図3に示す。
【0033】生産量15000T/Dの焼結機におい
て、コークス配合率が3.5重量%の焼結原料をサージ
ホッパー1から切り出し、パレットに装入した。その
後、点火炉4で原料充填層の表面に着火し、焼成を行う
とともに、各ウインドボックスにおいて、排ガス分析を
行ってCOおよびCO2 の濃度を求め、さらに排ガス量
を求めた。その際、図3に示したように、ウインドボッ
クスを3分割し、分割したそれぞれのウインドボックス
を通過する排ガスをまとめて分析および排ガス量の測定
に供した。給鉱部に最も近い上層部用ガス分析計6で得
られた結果により焼結ベッドの上層における焼成状態を
推定することができ、また、中層部用ガス分析計7およ
び下層部用ガス分析計8で得られた結果により、それぞ
れ焼結ベッドの中層および下層における焼成状態を推定
することができる。
【0034】排ガス分析結果および排ガス量の測定結果
から、焼結ベッドの高さ(上層、中層および下層)別に
各分析値、およびカーボンの燃焼効率の経時変化をコン
ピュータ9でリアルタイムに求めた。なお、コンピュー
タによる解析は一定時間毎に行ってもよい。
【0035】測定結果の一例を図4〜図6に示す。な
お、これらの図において、横軸は時間を表す。
【0036】図4はおよび図5は、それぞれCO濃度お
よびCO2 濃度の時間的推移を焼結ベッドの高さ方向別
に示したものであり、図6はそれから求めた燃焼効率の
時間的推移を同じく焼結ベッドの高さ方向別に示したも
のである。
【0037】図6に示したように、原料の種類や造粒状
態が異なることに起因して、上層部および中層部で燃焼
効率が低下してきたので、アクチュエータである炭材吹
き込み用ノズルへ信号を伝送し、原料充填層の上層部お
よび中層部に炭材を吹き込んだ。炭材吹込量は、上層部
で3kg/min・m、中層部で1kg/min・mと
なるように調整した。下層部については燃焼効率の低下
が認められなかったので、炭材吹き込みは行わなかっ
た。
【0038】なお、アクチュエータでのアクションはリ
アルタイムの解析結果に基づいて行ったが、コンピュー
タで1回/1時間程度のデータの平均化を行い、その結
果に基づいて行う方がよい。これは、リアルタイムの解
析結果に基づくのではアクションが細かすぎ、データが
収束しない可能性があるからである。また、焼結ベッド
の焼成状態の経過如何によっては、例えば、8時間(操
業の1シフト)のデータの平均をとってアクションにつ
なげていくことも可能である。このことは、次に述べる
排鉱部での焼結ベッドの断面の温度分布の測定結果を利
用する場合においても同様である。
【0039】図4および図5中に矢印を付して示した炭
材吹き込み(図4においては、さらに炭材吹き込み中
止)の表示は、燃焼効率を求めず、CO濃度またはCO
2 濃度の時間的推移に基づいて炭材吹き込み(または、
吹き込みの中止)を行うとしたら、これら図中に矢印を
付して示した位置(時間)で行うことになる、というこ
とを意味している。
【0040】このときの焼結鉱の歩留(5mm篩い残留
分の割合)の変化を表1に示す。炭材の吹き込みを行わ
なかった従来法(ベース)と比較すると、前記(1)の
発明を実施することにより、特に上層部の歩留の改善が
著しく、焼結鉱全体の歩留が改善されたことがわかる。
これは、焼結鉱の品質(強度)が向上した結果、粉の発
生が減少したことによるものである。
【0041】
【表1】
【0042】(実施例2)焼結機の排鉱部での焼結ベッ
ドの断面の温度分布の測定結果を使用する本発明(前記
(2)の発明)の焼結鉱の製造方法を実施した。用いた
設備の概略構成を図7に示す。
【0043】生産量15000T/Dの焼結機におい
て、コークス配合率が3.5重量%の焼結原料をサージ
ホッパー1から切り出し、パレットに装入し、その後、
点火炉4で着火して焼成を行い、焼結機の排鉱部で、焼
結ベッドの断面を赤外線カメラ10で撮影し、コンピュ
ータ9で画像解析を行って焼結ベッドの断面の温度分布
の経時変化を求めた。
【0044】このデータから、焼結ベッドの高さ(上
層、中層および下層)別に、赤熱部(ここでは、150
℃以上を赤熱部とした)の面積比率をリアルタイムに求
めた。なお、コンピュータによる解析は一定時間毎に行
ってもよい。
【0045】測定結果の一例を図8に示す。なお、図の
横軸は時間を表す。
【0046】原料の種類や造粒状態が異なることに起因
して、赤熱部の面積比が上層部および中層部で低下して
きたので、アクチュエータである炭材吹き込み用ノズル
へ信号を伝送し、原料充填層の上層部および中層部に炭
材を吹き込んだ。炭材吹込量は、上層部で3kg/mi
n・m、中層部で1kg/min・mとなるように調整
した。下層部については炭材の吹き込みは行わなかっ
た。なお、アクチュエータでのアクションはリアルタイ
ムの解析結果に基づいて行ったが、実施例1で述べたと
同じ理由で、コンピュータにより1回/1時間程度のデ
ータの平均化を行い、その結果に基づいて行う方がよ
い。
【0047】このときの焼結鉱の歩留の変化を表2に示
す。前記(2)の発明を方法により、特に上層部での歩
留が改善された。
【0048】
【表2】
【0049】(実施例3)前記(1)の排ガス分析の結
果と前記(2)の排鉱部での焼結ベッドの断面の温度分
布の測定結果とを組み合わせて焼成状態を推定する本発
明(前記(3)の発明)の焼結鉱の製造方法を実施し
た。用いた設備の概略構成を図9に示す。
【0050】生産量15000T/Dの焼結機におい
て、コークス配合率が3.5重量%の焼結原料をサージ
ホッパー1から切り出し、パレットに装入し、その後、
点火炉4で着火して焼成を行った。その際、図9に示し
たように、ウインドボックスを3分割し、分割したそれ
ぞれのウインドボックスを通過する排ガスについて、排
ガス分析を行ってCOおよびCO2 の濃度を求め、さら
に排ガス量を求めるとともに、焼結機の排鉱部で、焼結
ベッドの断面を赤外線カメラ10で撮影し、コンピュー
タ9で画像解析を行って焼結ベッドの断面の温度分布の
経時変化を求めた。
【0051】これらのデータから、実施例1および実施
例2におけると同様、焼結ベッドの高さ(上層、中層お
よび下層)別に、COおよびCO2 の濃度およびカーボ
ンの燃焼効率の経時変化、ならびに赤熱部(150℃以
上の部分)の面積比率をコンピュータ9でリアルタイム
に求めた。
【0052】測定結果の一例を図10〜図12に示す。
なお、これらの図において、横軸は時間を表す。
【0053】図10および図11は、それぞれCO濃度
と赤熱部(150℃以上の部分)の面積比率、およびC
2 濃度と赤熱部の面積比率の時間的推移を焼結ベッド
の高さ方向別に示したものである。また、図12はCO
濃度およびCO2 濃度から求めた燃焼効率と赤熱部の面
積比率の時間的推移を同じく焼結ベッドの高さ方向別に
示したものである。
【0054】焼成状態の推定は、燃焼効率および赤熱部
の面積比率のデータを併せ、コンピュータで総合的に解
析することにより行った。すなわち、図12に示したよ
うに、原料充填層の上層部および中層部において、燃焼
効率および面積比率の両方が低下してきたと判断された
ので、アクチュエータである炭材吹き込み用バーナーへ
信号を伝送し、上層部および中層部に炭材を吹き込ん
だ。炭材吹込量は、上層部で3kg/min・m、中層
部で1kg/min・mとなるように調整した。下層部
については炭材の吹き込みは行わなかった。なお、アク
チュエータでのアクションはリアルタイムの解析結果に
基づいて行ったが、実施例1で述べたと同じ理由で、コ
ンピュータにより1回/1時間程度のデータの平均化を
行い、その結果に基づいて行う方がよい。
【0055】図10および図11中に矢印を付して示し
た炭材吹き込みの表示は、燃焼効率を求めず、CO濃度
と赤熱部の面積比率、またはCO2 濃度と赤熱部の面積
比率の時間的推移に基づいて炭材吹き込みを行うとした
ら、これら図中に矢印を付して示した位置(時間)で行
うことになる、ということを意味している。
【0056】このときの歩留変化を表3に示す。前述し
たように、排ガス分析結果と排鉱部での焼結ベッドの断
面の温度分布の測定結果とを組み合わせて焼結ベッドの
焼成状態を監視すれば、誤操作を少なくすることができ
るので、実施例1および2に比べ歩留の改善が大きかっ
た。
【0057】
【表3】
【0058】
【発明の効果】本発明の焼結鉱の製造方法によれば、焼
結操業に影響を及ぼさずに焼結原料充填層の高さ方向に
おける炭材分布を制御して、焼結ベッドの焼成状態を適
正化し、焼結鉱の品質を制御することができる。これに
より、歩留の改善を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するための炭材吹き込み装
置の一例の構成を示す図である。
【図2】炭材を原料充填層に直接吹き込んだときの高さ
方向におけるカーボン濃度変化の一例を示す図である。
【図3】本発明の焼結鉱の製造方法(焼結ベッドの焼成
状態の推定を排ガス分析により行う方法)の実施例で用
いた装置の概略構成を示す図である。
【図4】実施例で得られた結果で、排ガス中のCO濃度
の経時変化を示す図である。
【図5】実施例で得られた結果で、排ガス中のCO2
度の経時変化を示す図である。
【図6】実施例で得られた結果で、カーボン燃焼効率の
経時変化を示す図である。
【図7】本発明の焼結鉱の他の製造方法(焼結ベッドの
焼成状態の推定を排鉱部の焼結ベッドの断面の温度分布
の測定により行う方法)の実施例で用いた装置の概略構
成を示す図である。
【図8】実施例で得られた結果で、赤熱部の面積比率の
経時変化を示す図である。
【図9】本発明の焼結鉱のさらに他の製造方法(焼結ベ
ッドの焼成状態の推定を排ガス分析および排鉱部の焼結
ベッドの断面の温度分布の測定により行う方法)の実施
例で用いた装置の概略構成を示す図である。
【図10】実施例で得られた結果で、CO濃度と赤熱部
の面積比率の経時変化を示す図である。
【図11】実施例で得られた結果で、CO2 濃度と赤熱
部の面積比率の経時変化を示す図である。
【図12】実施例で得られた結果で、カーボン燃焼効率
および赤熱部の面積比率の経時変化を示す図である。
【符号の説明】
1:サージホッパー 2:炭材(粉コークス、石炭等) 3:炭材吹込用ノズル 4:点火炉 5:焼結原料 6:上層部用ガス分析計 7:中層部用ガス分析計 8:下層部用ガス分析計 9:コンピュータ 10:赤外線カメラ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焼結機の各ウインドボックスにおけるC
    O、CO2 またはO2 の濃度、および排ガス量を測定す
    ることにより焼結ベッドの高さ方向別の焼成状態を推定
    し、その推定結果に基づき、焼結機の給鉱部において、
    パレット内で原料が堆積している部分への炭材吹き込み
    量を原料の堆積高さ方向別に調整して焼結ベッドの焼成
    状態を制御することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  2. 【請求項2】焼結機の排鉱部において、連続的に焼成さ
    れ移動してくる焼結ベッドの断面の温度分布を撮影し、
    その映像を画像解析することにより焼結ベッドの高さ方
    向別の焼成状態を推定し、その推定結果に基づき、焼結
    機の給鉱部において、パレット内で原料が堆積している
    部分への炭材吹き込み量を原料の堆積高さ方向別に調整
    して焼結ベッドの焼成状態を制御することを特徴とする
    焼結鉱の製造方法。
  3. 【請求項3】焼結機の各ウインドボックスにおけるC
    O、CO2 またはO2 の濃度、および排ガス量を測定
    し、かつ、焼結機の排鉱部において、連続的に焼成され
    移動してくる焼結ベッドの断面の温度分布を撮影し、そ
    の映像を画像解析することにより焼結ベッドの高さ方向
    別の焼成状態を推定し、その推定結果に基づき、焼結機
    の給鉱部において、パレット内で原料が堆積している部
    分への炭材吹き込み量を原料の堆積高さ方向別に調整し
    て焼結ベッドの焼成状態を制御することを特徴とする焼
    結鉱の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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