JPH10310391A - 荷役作業車用のアタッチメント - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的小さな多数の積み荷の一括荷役作業に
適しており、従来の荷役作業用のパレットに代わるアタ
ッチメントを提供すること。 【解決手段】 本発明によって、荷役作業車本体に取り
付けられたフォーク１，２と一体化されるアタッチメン
ト１１が提供される。具体的には、アタッチメント１１
は金属薄板やプラスチック製で、垂直部分１３と水平部
分１４からなり、垂直部分１３に形成された側縁部１６
が、バックレストの代わりに、リフトブラケット３のフ
ォークバー６，７の両端に螺着等の方法で着脱可能に取
り付けられて、後方から支持される。アタッチメント１
１の水平部分１４はフォーク１，２の水平部分１ｃ，２
ｃによって下方から支持されて補強される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、フォークリフトの
ような荷役作業車のフォークに取り付けて荷役作業を更
に容易にするための、荷役作業車用のアタッチメントに
関する。

【０００２】

【従来の技術】フォークリフトのような荷役作業車にお
いては、一般に図２に示すような左右一対のＬ形のフォ
ーク１，２と、それらを図示しないフォークリフト本体
側の上下方向に移動可能なマストに取り付けるためのリ
フトブラケット３が使用されている。リフトブラケット
３は、一定の間隔をおいてマストに取り付けられる左右
一対の縦方向の板材であるメインプレート４，５と、そ
れらに取り付けられた上下一対の横方向の強度部材であ
るフォークバー６，７等からなっている。また、フォー
ク１，２上の積み荷を後方において支持するために、門
形の枠状体であるバックレスト８が、その脚部８ａ，８
ｂに形成された複数個の穴にそれぞれボルト９を挿通し
て、フォークバー６，７の各両端に形成された雌ねじ穴
に螺着することにより、リフトブラケット３に取り付け
られている。

【０００３】Ｌ形のフォーク１，２の起立している側の
半部の基端部分１ａ，２ａは鉤形となっており、それら
の鉤形の部分がリフトブラケット３の上側のフォークバ
ー６に上から係合して、更にボルト１０をフォークバー
６に螺入することにより固着されている。ボルト１０に
加えて、フォークバー６上においてフォーク１，２の横
方向の位置を確実に保持すると共に、その位置を表示す
るために、フォークバー６の上面には多数の凹部６ａが
形成されている。フォーク１，２には積み荷等の重量に
よってそれらを前傾させようとする回転モーメントが作
用するが、それらの回転モーメントによる前方への力が
上側のフォークバー６によって支持されると共に、後方
への力が下側のフォークバー７によって支持される。

【０００４】一般的なフォーク１，２とリフトブラケッ
ト３、及びバックレスト８の構造は前述のようなもので
あるから、比較的小さな多数の積み荷を一括して搬送す
る荷役作業においては、図５に示したように個々の積み
荷１００が木やプラスチック製のパレットと呼ばれる台
板１０１上に積み上げられている状態で、そのパレット
１０１の下の隙間１０２に、フォーク１，２の略水平の
半部である先端側の部分１ｂ，２ｂを挿入してパレット
１０１をすくい上げ、マストによってパレットごと積み
荷１００を持ち上げると共に、フォーク１，２とパレッ
ト１０１及び積み荷１００を一体として若干後傾させた
状態で搬送するか、パレット１０１ごと積み荷１００を
持ち上げて、そのままトラックの荷台上等へ降ろす。

【０００５】その他、場合によっては、フォーク１，２
の上に予め板状のパレット１０１を取り付けて何らかの
固定手段によって固定することにより、パレット１０１
をフォーク１，２と一体の荷台として構成しておき、そ
の荷台上に人手等で前述のような個々の積み荷１００を
積み上げて同様に搬送することもある。いずれの場合も
積み荷１００をフォーク１，２及びパレット１０１と共
に後傾させることによって搬送するが、それによって積
み荷１００がフォークリフト本体のマストの方へ荷崩れ
しようとするので、枠状体であるバックレスト８によっ
て受け止めて荷崩れを防止している。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】フォーク１，２が比較
的幅の狭いものであるために、比較的小さな多数の積み
荷１００のようなものを移送する荷役作業では、フォー
ク１，２の上に直接に積み荷１００を載せることができ
ないので、前述のように板状のパレット１０１のような
ものを併用するが、パレット１０１は普通は木やプラス
チック製等であるから、摺動時の摩擦係数が大きいの
で、パレット１０１の上で積み荷１００を滑らせて移動
させることは難しい。無理に摺動させると積み荷１００
に傷が付くからである。従って、パレット１０１上に積
み荷１００を積み上げたり、パレット１０１上から積み
荷１００を外部へ移す場合には、人が個々の積み荷１０
０を手で持ち上げて移動させる他はない。

【０００７】そこで本発明は、従来のパレットに代わる
ものとして、荷役作業車本体のフォーク側に、具体的に
はリフトブラケットに対して簡単・確実に、且つ着脱自
在に固定することができると共に、比較的小さな多数の
積み荷の一括荷役作業に適しており、その上面を滑らせ
て積み荷を移動させることも容易な、荷役作業車用のア
タッチメントを提供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項
に記載された荷役作業車用のアタッチメントを提供す
る。

【０００９】より具体的に、本発明の荷役作業車用のア
タッチメントは、その上に積み荷を載せるために上面が
平滑となっている水平部分と、水平部分の後方の一辺か
ら上方に立ち上がる垂直部分とを備えており、その水平
部分が荷役作業車に取り付けられたフォークの水平部分
によって下方から支持されて補強されると共に、その垂
直部分がフォークの垂直部分によって後方から支持され
て補強されるように、荷役作業車のフォークが一体的に
結合され得るように構成されていることを特徴とする。
特に、アタッチメントの垂直部分の側縁部を、荷役作業
車のマストによって上下方向に移動することができるリ
フトブラケットの一部であるフォークバーの端部に対し
て着脱可能に螺着等の方法で取り付けるのが好適であ
る。

【００１０】また、アタッチメントの水平部分の先端縁
部又は両側縁部のうちの少なくとも一部を下又は上に向
かって折り曲げられた形とすることができる。更に、そ
の水平部分の内部の空間に補強リブを設けることもでき
る。更に、その水平部分の内部の空間に、フォークの水
平部分と係合する手段を設けることもできる。

【００１１】

【作用】本発明の荷役作業車用のアタッチメントにおい
ては、水平部分の上面が平滑となっているので、荷役作
業の際にその上で積み荷を摺動させることができる。ま
た、アタッチメントの水平部分と垂直部分が、それに結
合されるフォークの水平部分と垂直部分によって下部或
いは後方から支持されて補強されるために、アタッチメ
ントの材料が薄肉であっても十分な強度が得られる。特
に、アタッチメントの垂直部分はバックレストの作用を
するもので、その側縁部をリフトブラケットのフォーク
バーの端部に対して螺着等の方法で取り付けると、アタ
ッチメントが確実にリフトブラケット及びフォークに取
り付けられるだけでなく、アタッチメントの着脱がきわ
めて容易になる。

【００１２】また、アタッチメントの水平部分の先端縁
部又は両側縁部のうちの少なくとも一部を下方向又は上
方向に向かって折り曲げられた形とすると、折り曲げら
れた縁部によって水平部分の強度が向上する。更に、先
端縁部又は両側縁部が下方向に向かって折り曲げられた
場合には、それによって形成される空間にフォークが装
着されるので好都合であり、その空間の内部に補強リブ
を設けることができるので水平部分の強度が一段と高く
なり、更に、その空間にフォークの水平部分と係合する
切り欠きやループ等を設けると、アタッチメントとフォ
ークの間の横方向の結合が一層強化されて、アタッチメ
ントの強度が向上する。

【００１３】

【発明の実施の形態】図１に本発明の好適な実施形態と
しての荷役作業車用のアタッチメント１１を斜視図とし
て例示する。図１に示すアタッチメント１１の主体は、
１枚の比較的薄い金属板（例えば鋼板）１２からなり、
金属板１２はプレス加工によって相互に接続したまま垂
直部分１３と水平部分１４との２つの部分に成形され
る。垂直部分１３の端縁に近い部分はプレス加工の際に
直角に折り曲げられて、１つの上縁部１５と左右２つの
側縁部１６とを形成する。それらの上縁部１５及び側縁
部１６を別の材料から製作して、成形後に本体の金属板
１２の縁部に沿って溶接してもよく、図１における側縁
部１６は、そのように別に製作したものを溶接した例を
示している。

【００１４】このようにして、金属板１２の垂直部分１
３の外側には、上縁部１５と両側縁部１６によって上部
と左右を囲まれた空間１７が形成されるので、従来から
用いられている、図２に示したようなフォーク１，２と
リフトブラケット３及びバックレスト８の結合構造にお
いて、リフトブラケット３のフォークバー６，７の両端
からボルト９を外すことによりバックレスト８を取り外
して、バックレスト８の代わりにアタッチメント１１の
垂直部分１３を取り付ける。そのために、垂直部分１３
の両側縁部１６にはフォークバー６，７の両端の雌ねじ
穴の位置に合致する穴１６ａ，１６ｂを予め穿孔してお
き、ボルト９をそれらの穴１６ａ，１６ｂに挿通してフ
ォークバー６，７の両端に螺着する。

【００１５】アタッチメント１１の水平部分１４は、金
属板１２のプレス加工の際に先端縁部１８と左右の側縁
部１９を下方へ直角に折り曲げることにより、水平部分
１４の下部に薄くて偏平な空間２０を形成する。空間２
０にはリフトブラケット３に支持されたフォーク１，２
の先端側の部分１ｂ，２ｂを含む水平部分１ｃ，２ｃが
後方から進入して、水平部分１４の下面に接触してそれ
を支持する。水平部分１４の先端縁部１８と両側縁部１
９を下方へ折り曲げた理由は、水平部分１４の剛性を高
めると共に、フォーク１，２を覆い隠すためである。な
お、その変形例として、水平部分１４の先端縁部１８と
両側縁部１９を上方へ折り曲げることも可能であって、
それによって、アタッチメント１１の水平部分１４から
積み荷が滑り落ちるのを阻止することができる高さの低
い縁部突条が形成される。

【００１６】また、空間２０内において、水平部分１４
の下面に、フォーク１，２の先端側の部分１ｂ，２ｂと
係合するループ状のものを溶接して、それにフォーク
１，２の先端側の部分１ｂ，２ｂを挿入することによ
り、水平部分１４とフォーク１，２を横方向に結合しも
よい。

【００１７】なお、通常はリフトブラケット３にボルト
９によって取り付けられているバックレスト８を取り外
して、代わりにアタッチメント１１の垂直部分１３を取
り付ける例を説明したが、アタッチメント１１の垂直部
分１３の空間１７を、バックレスト８をそのまま覆うこ
とができる大きさに製作すれば、バックレスト８を取り
外さないで、その上に重ねてアタッチメント１１の垂直
部分１３を取り付け、ボルト９によって垂直部分１３と
バックレスト８を同時にリフトブラケット３のフォーク
バー６，７に螺着することもできる。それによって、垂
直部分１３が、後方からバックレスト８によっても補強
されることになる。

【００１８】本発明の好適な実施形態としてのアタッチ
メント１１の更に詳細な構造を図３及び図４に示す。こ
れらの図面は図１よりも具体的な細部構造を示すもの
で、図３はアタッチメント１１の平面図であり、図４は
同じく側面図である。図３及び図４に示すように、アタ
ッチメント１１の水平部分１４における空間２０には横
方向のリブ２１が３本設けられて、水平部分１４を補強
すると共に、フォーク１及び２の水平部分１ｃ，２ｃが
通過する部分において切り欠き２１ａ又はループ２１ｂ
を形成し、アタッチメント１１の水平部分１４をフォー
ク１，２に対して横方向に固定している。

【００１９】アタッチメント１１の垂直部分１３の側縁
部１６と、フォーク１，２の垂直部分１ｄ，２ｄとを支
持しているリフトブラケット３の上下のフォークバー
６，７は、前述のように左右のメインプレート４，５に
溶接されて支持されるが、メインプレート４，５にはそ
れぞれ２又は３本のローラー軸２２が設けられており、
ローラー軸２２には図４に示すようにローラー２３が装
着されている。ローラー２３は図示しないマストの内面
に係合して転動し、リフトブラケット３がフォーク１，
２やアタッチメント１１と共に上下方向に移動するとき
に、ガイドローラーとなって摺動摩擦を低減する。

【００２０】なお、アタッチメント１１の材料は、薄い
鋼板に限らず、積み荷１００に接触する上面が平滑なも
のであれば、他の金属板や、強化プラスチック材料の成
形品等であってもよい。言うまでもなく、プラスチック
材料を使用するような場合には成形のためのプレス加工
を行うことはできないが、その場合にはアタッチメント
１１全体を一体として型成形するか、或いは幾つかの部
分に分けて型成形をしたものを、適当な方法で接合する
とよい。また、アタッチメント１１を金属板から製作す
る場合でも、全体を１枚の金属シートからプレス成形す
る必要はなく、幾つかの部分に分けて成形したものを接
合して一体化することにより、アタッチメント１１を形
成してもよいことは言うまでもない。

【００２１】

【発明の効果】荷役作業車に本発明のアタッチメントを
使用する場合、このアタッチメントは荷役作業車のリフ
トブラケットに対して簡単・確実に、且つ着脱自在に固
定することができる。また、このアタッチメントは比較
的小さな多数の積み荷の一括荷役作業に適しているだけ
でなく、その上面が平滑であるから、上面を滑らせて積
み荷を移動させることも容易であり、それによって積み
荷に傷を付ける心配がない。更に、このアタッチメント
は、その中に骨格のように組み込まれるフォークによっ
て下方及び後方から支持されて補強されることになるの
で、水平部分や垂直部分が比較的薄い金属板やプラスチ
ック製の板であっても、十分に高い強度が得られるとい
う利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のアタッチメントの好適な実施形態の構
造を示す斜視図である。

【図２】一般的なフォークとそれに関連する部分の構造
を示す斜視図である。

【図３】図１のアタッチメントを更に詳細に示す平面図
である。

【図４】図１のアタッチメントを更に詳細に示す側面図
である。

【図５】従来のパレットによる荷役方法を示す斜視図で
ある。

【符号の説明】

１，２…フォーク １ｃ，２ｃ…フォークの水平部分 １ｄ，２ｄ…フォークの垂直部分 ３…リフトブラケット ６，７…フォークバー ９，１０…ボルト １１…アタッチメント １３…垂直部分 １４…水平部分 １５…上縁部 １６…側縁部 １８…先端縁部 １９…両側縁部 ２０…空間 ２１…横方向のリブ ２３…ローラー １００…積み荷 １０１…パレット

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも、積み荷を載せるために上面
   が平滑となっている水平部分と、前記水平部分の後方の
   一辺から上方に立ち上がる垂直部分とからなり、荷役作
   業車のフォークに対して装着されたときに、前記水平部
   分が前記フォークの水平部分によって下方から支持され
   て補強されると共に、前記垂直部分が前記フォークの垂
   直部分によって後方から支持されて補強されるように、
   前記フォークと結合するための構成を備えていることを
   特徴とする、荷役作業車用のアタッチメント。
2. 【請求項２】 アタッチメントの前記垂直部分の側縁部
   が、前記荷役作業車のマストによって上下方向に移動す
   ることができるリフトブラケットの一部であるフォーク
   バーの端部に対して着脱可能に取り付けられることを特
   徴とする、請求項１に記載されたアタッチメント。
3. 【請求項３】 アタッチメントの前記水平部分が、下方
   向又は上方向に向かって折り曲げられた先端縁部又は両
   側縁部の少なくとも１つを備えていることを特徴とす
   る、請求項１又は２のいずれか１項に記載されたアタッ
   チメント。
4. 【請求項４】 アタッチメントの前記水平部分が、内部
   の空間に補強リブを備えていることを特徴とする、請求
   項１ないし３のいずれか１項に記載されたアタッチメン
   ト。
5. 【請求項５】 アタッチメントの前記水平部分が、内部
   の空間に前記フォークの水平部分に係合する手段を備え
   ていることを特徴とする、請求項１ないし４のいずれか
   １項に記載されたアタッチメント。