JPH10308354A - 半導体基板の製造方法 - Google Patents

半導体基板の製造方法

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JPH10308354A
JPH10308354A JP11778097A JP11778097A JPH10308354A JP H10308354 A JPH10308354 A JP H10308354A JP 11778097 A JP11778097 A JP 11778097A JP 11778097 A JP11778097 A JP 11778097A JP H10308354 A JPH10308354 A JP H10308354A
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substrate
manufacturing
temperature
semiconductor substrate
semiconductor
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JP11778097A
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Masaki Matsui
正樹 松井
Shoichi Yamauchi
庄一 山内
Hisazumi Oshima
大島  久純
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剥離用欠陥層を形成するためのイオン注入を
行なったときに、脱離温度を高くして途中工程での熱処
理温度を高く設定できるようにする。 【解決手段】 (a)単結晶シリコン基板18に、フッ
素,塩素などの電気陰性度が高く脱離温度が高い高温脱
離材料をイオン注入する。(b)絶縁膜14および多結
晶シリコン膜15を形成してパターン構造16を設け
る。(c)平坦化処理膜13を設けて表面を平坦化し、
ベースシリコン基板12を貼り合わせると共に1100
℃で熱処理によってイオン注入領域19を剥離用欠陥層
領域として剥離させ、剥離面を研磨してSOI基板を得
る。パターン構造16や平坦化処理膜13の形成時に、
脱離を起こすことなく熱処理温度を600℃程度まで高
く設定できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベース基板上に絶
縁膜を介して素子形成用の半導体層を設けてなる半導体
基板の製造方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】基板上に絶縁膜を介し
て素子形成用の単結晶の半導体層を形成してなる半導体
基板としては、例えば、半導体層としてシリコン単結晶
を設ける構成のSOI(Silicon On Insulator)基板が
ある。これは、基板となるシリコン基板上に酸化膜が形
成され、その上にシリコン単結晶膜が形成された構造を
有するもので、このような半導体基板を用いることによ
り、基板との絶縁分離工程を別途に実施する必要がなく
なり、分離性能が良く、高い集積度でシリコン単結晶膜
に素子を形成して集積回路を作り込むことができるもの
である。
【0003】この場合、SOI基板に設けているシリコ
ン単結晶膜の製造方法としては、従来より種々の方法が
あるが、その中で以下の3段階の工程を経て製造するよ
うにした半導体薄膜製造技術が特開平5−211128
に開示されている。以下に、その製造方法について図9
を用いて説明する。
【0004】まず、第1段階として、半導体基板1中へ
水素ガスもしくは希ガスをイオン化して所定の注入エネ
ルギで加速して注入することにより(図9(a)参
照)、半導体基板1の表面から所定深さに注入イオンが
分布するようにしてイオン注入領域2を形成する。次
に、第2段階として、この半導体基板1のイオン注入を
した側の面1aに、少なくとも1つの剛性材料から形成
されたベース基板3を貼り合わせ法などにより結合させ
る(同図(b)参照)。この場合のベース基板3は半導
体製の基板を用いることが可能で最終的にSOI基板を
形成させるという点では、酸化膜のような絶縁膜4を成
膜させた状態としておくことが望ましい。
【0005】次に、第3段階として、半導体基板1およ
びベース基板4を結合させた状態で熱処理を施すことに
より、イオン注入領域2に形成されるマイクロボイド
(微小気泡)部分Pを境界として半導体基板1と薄膜部
分が分離するように剥離し、ベース基板3上に絶縁膜4
を介してシリコン単結晶膜5が接着された構造のSOI
基板6が形成される(同図(c)参照)。
【0006】実際には、この剥離された面には数nm程
度の凹凸が存在するため、この剥離面Pに研磨処理およ
びエッチング処理などを施してシリコン単結晶膜5を平
坦に仕上げると共に所定膜厚(例えば0.1μm)に調
整してSOI基板6として形成されるものである(同図
(d)参照)。
【0007】ところで、上述のような技術は、半導体基
板1内にイオン注入を行なって形成したイオン注入領域
で剥離を行なうので、途中の加工工程では、半導体基板
1内からイオンが脱離する温度つまり脱離温度以上に熱
処理温度をあげることができない。これによって、イオ
ン注入工程の実施の後に、例えば、半導体基板1の表面
に膜を形成する工程や酸化する工程などで高温にさらす
ことができず、熱処理に制約を受けることになる。
【0008】したがって、成膜工程などを実施する場合
には、例えば水素イオンに対する熱処理温度の上限は、
500℃程度となるので、それ以下の低い温度で可能な
処理プロセスを選択する必要がある。ところが、一般的
に、処理温度が低くなるほど、形成される膜の質は低下
する傾向にあり、また、成膜速度も著しく遅くなる傾向
にあり、このため、高温熱処理を使用して膜質を良好に
しようとする場合あるいは成膜速度を速くする場合に
は、イオン注入工程を成膜工程の後に行なう必要があ
る。
【0009】しかしながら、このように形成する膜を半
導体基板1の表面に部分的に配置することによりパター
ン構造を形成する場合には、その表面からイオン注入を
行なうと、材料の相違,膜厚差や段差などによるパター
ン構造の影響を受けて、半導体基板1内へのイオンの注
入深さが面内の位置によって異なるようになる。この結
果、ベース基板4を貼り合わせた状態で剥離工程を実施
すると、パターン構造の影響を受けたイオン注入領域の
面に沿った剥離がなされるため、剥離された面がイオン
注入領域の段差に対応した段差を有する状態となる。
【0010】したがって、剥離時に得られるシリコン単
結晶膜5の表面は、段差を有する面となる。このように
得られた剥離面を研磨工程により平坦化することは不可
能ではないが、その剥離面に初期的に残っている段差
は、研磨によって最終的に残すシリコン単結晶膜5の厚
さ寸法(例えば研磨段階では0.2μm程度)に比べて
何倍もの寸法となる場合があり、これを研磨処理により
平坦化することは困難であると共に、シリコン単結晶膜
5の膜厚を平行度を保ちながら精度良く研磨することが
非常に難しく、結果的にコスト高になる不具合がある。
【0011】換言すれば、半導体基板1上に段差が生じ
ている状態でイオン注入工程を実施して剥離面となる欠
陥層領域を形成して剥離を行なうには、面内に注入され
たイオン注入材料の注入深さがパターン構造により異な
るため剥離面を平坦にすることは困難となり、実用的に
は採用できないものである。
【0012】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、貼り合わせを行なう基板側に、成膜工
程やエッチング工程等によりパターン構造を形成する場
合に、熱処理温度の制約を少なくすることができるよう
にした半導体基板の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1ないし3の発明
によれば、半導体層用基板(18)に対して、剥離用欠
陥層を形成するためにあらかじめ半導体層用基板(1
8)に行なうイオン注入工程(P1)で、イオン注入の
材料を高温離脱材料つまり半導体層用基板(18)から
の脱離温度が例えば600℃以上の高温である材料をイ
オン化したものを用いるので、その後、貼り合わせ・剥
離工程(P4)を実施するまでの間の工程で、熱処理を
伴う加工工程がある場合でも、水素イオンなどをイオン
注入して行なう場合のものに比べて高温で行なうことが
でき、特に成膜工程などを実施する場合においてはより
品質の高い膜を形成することができるようになると共
に、製造工程における制約を少なくして加工処理の自由
度を高めることができる。なお、このときの熱処理温度
は、注入した高温脱離材料が半導体層用基板(18)か
ら脱離しないように、脱離温度以下に設定する必要があ
る。
【0014】また、高温脱離材料として、フッ素や塩素
などの電気陰性度が高く、シリコンなどの半導体層用基
板(18)の材料との結合力が高い材料を用いることに
より、貼り合わせ・剥離工程(P4)までの途中の工程
で、600℃程度までの高温の熱処理を行なうことがで
き、この場合でも、高温脱離材料を脱離させることなく
処理工程を実施することができる。
【0015】また、イオン注入工程(P1)の段階で高
温脱離材料の高濃度層をピークにして広い幅領域にわた
って形成されていた欠陥層は、この低温の熱処理によっ
て、高温脱離材料が低濃度で分布する領域では欠陥が消
滅して結晶性が回復し、高温脱離材料の高濃度層に欠陥
層は集中するようになる。
【0016】請求項7の発明によれば、パターン構造形
成工程(P2)において、剥離面研磨工程(P5)で研
磨終了を検知するための研磨ストッパ(22)を有する
パターン構造(16)を半導体層用基板(18)に形成
する処理工程を含んでいるので、剥離面研磨工程(P
5)を実施して半導体層(21)を所定厚さ寸法まで研
磨したときに確実に終了することができ、これによっ
て、精度良く半導体層(21)を形成することができる
ようになる。
【0017】請求項8の発明によれば、研磨ストッパ
(22)を半導体層(21)に対して研磨速度が異なる
材質で形成して、剥離面研磨工程(P5)における研磨
中に研磨速度が異なる材質が研磨面として露出すること
により発熱量が変化するので、これによって研磨終了を
検知することができるようになり、精度良く半導体層
(21)を形成することができるようになる。また、請
求項9の発明では、研磨ストッパ(21)を、半導体層
用基板(18)に対する研磨速度よりも遅い研磨速度の
材料例えば酸化膜や窒化膜等のような材料により形成し
たので、研磨中に発熱量の変化が増大したことをもって
確実に研磨終了を検知することができる。
【0018】請求項10の発明によれば、貼り合わせ・
剥離工程(P4)に先立って、水素吸蔵処理工程(P
A)を実施することにより、半導体層用基板(18)内
に水素プラズマの処理を行なって内部に水素を吸蔵させ
るので、貼り合わせ・剥離工程(P4)では、剥離のた
めの熱処理温度を高温脱離材料のイオン注入層(19)
に対して剥離に必要な温度よりも低く設定することがで
き、したがって、途中の熱処理工程では600℃程度ま
での温度を設定することができると共に、最終段階での
剥離では熱処理温度を低く設定することができるように
なる。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)以下、本発明の第1の実施形態につ
いて図1ないし図4を参照しながら説明する。図3は本
発明でいうところの半導体基板であるSOI基板11を
模式的断面で示すもので、その構造は、ベース基板とし
てのベースシリコン基板12上に多結晶シリコン膜,ア
モルファスシリコン膜あるいは酸化シリコン膜などの平
坦化処理用膜13が形成され、この上に酸化シリコンな
どの絶縁膜14およびリン,ボロン等の不純物がドーピ
ングされた多結晶シリコン膜15などからなるパターン
構造16が形成され、さらに、その上に素子形成用の半
導体層としてのシリコン単結晶膜17が形成されてい
る。
【0020】この場合、本実施形態におけるSOI基板
11は、例えば、シリコン単結晶膜17中に素子形成工
程を経てFETなどの素子が形成されたときに、そのF
ETのゲート電極に対して、パターン構造16の絶縁膜
14中に埋込形成された多結晶シリコン膜15がバック
ゲートとして使用されるような構造の素子を形成するの
に適したもので、このような用途以外にも種々の素子を
形成するのに用いることができるものである。
【0021】次に、上記構成のSOI基板11を製造す
る方法について図1,2および図4を参照して説明す
る。図4はSOI基板11を製造する場合の全体の工程
の流れを概略的に示しており、まず、イオン注入工程P
1にて、シリコン単結晶膜17を形成するための半導体
層用基板としての単結晶シリコン基板18に対して、少
なくとも一方の面を鏡面研磨に仕上げた状態として、そ
の面に高温脱離材料としてのフッ素あるいは塩素などの
ハロゲン系元素のイオンを注入する(図1(a)参
照)。このとき、注入に要するエネルギのレベルとして
は、例えば、フッ素(F)では、単結晶シリコン基板1
8に1μm打ち込むのに300keV程度の加速が必要
である。
【0022】上述した高温脱離材料は、単結晶シリコン
基板18に打ち込まれた状態で、熱処理をしたときに、
例えば600℃以上の高温において初めて結合が解けて
脱離するという性質を有する材料として定義付けしてい
るもので、これは、シリコンなどの対象となる基板の物
質を構成する元素との結合エネルギである電気陰性度が
大きいものほどこのような脱離温度が高くなる性質を有
している。
【0023】そこで、実用的には、フッ素や塩素などの
ハロゲン系元素が高い電気陰性度を有することからこの
高温脱離材料に該当するものである。なお、電気陰性度
が高いという点からは、炭素(C),酸素(O)あるい
は窒素(N)なども該当することになるが、これらの元
素については、シリコンと化合して炭化物,酸化物ある
いは窒化物を生成してしまうことがあるので実用的には
適していない。
【0024】さて、上述のようにして高温脱離材料によ
るイオン注入をすると、単結晶シリコン基板18内には
所定深さの高濃度層をピークとして深さ方向の広い範囲
に渡って分布する状態となり、これによってイオン注入
層19が形成される。なお、このイオン注入層19は、
後述するように、貼り合わせ・剥離工程P4に至る工程
での熱処理(熱処理温度は、高温脱離材料の脱離温度よ
りも低い温度)を経ることにより、高温脱離材料が脱離
しない状態で再分布してごく薄い領域に剥離用欠陥層が
形成されるようになっている。
【0025】次に、パターン構造形成工程P2にて、単
結晶シリコン基板18の表面にパターン構造16を形成
する。単結晶シリコン基板18の表面を熱酸化して絶縁
膜14としての熱酸化膜14a(膜厚は例えば0.1μ
m)を形成し、続いて、CVD法などにより多結晶シリ
コンを堆積させてフォトリソグラフィ処理を経てエッチ
ング等によりパターニングして多結晶シリコン膜15
(膜厚は例えば0.35μm)を形成し、さらに酸化膜
14b(膜厚は例えば0.1μm)をCVD法などによ
り堆積させて、パターン構造16を形成する。
【0026】さて、上述した熱酸化工程、CVDによる
膜堆積工程で単結晶シリコン基板18は熱処理されるこ
とになるが、そのときの熱処理温度は高温脱離材料が脱
離する温度よりも低く設定されており、したがって、こ
れらの工程中に高温脱離材料はシリコン基板18から脱
離することはない。しかし、イオン注入の段階で高温脱
離材料の高濃度層をピークにして広い幅領域にわたって
形成されていた欠陥層は、この低温の熱処理によって、
高温脱離材料が低濃度で分布する領域では欠陥が消滅し
て結晶性が回復し、高温脱離材料の高濃度層に欠陥層は
集中するようになる。
【0027】次に、このパターン構造16を有する単結
晶シリコン基板18を、ベース基板としてのベースシリ
コン基板12に貼り合わせるために表面を平坦にする必
要がある。そこで、平坦化処理工程P3(図4参照)と
して、単結晶シリコン基板18の表面上にシリコン系の
ガスソースを用いたCVD法もしくはシリコンターゲッ
トをスパッタリングもしくは加熱蒸着等のPVD法によ
り多結晶シリコンもしくはアモルファスシリコン、酸化
シリコン等の平坦化処理用膜13を所定膜厚(膜厚は例
えば5〜10μm程度)で堆積する(図1(c)参
照)。
【0028】上述の場合に、多結晶シリコンもしくはア
モルファスシリコン、酸化シリコン層等の平坦化処理用
膜13の堆積においてはイオン注入層19での剥離の発
生を防ぐため単結晶シリコン基板18の加熱温度は高温
脱離材料が脱離する温度以下の低温で行う必要がある。
そして、この工程においても、熱処理を経ることによ
り、欠陥層がさらに狭い領域に集中するようになる。次
に、ベース基板12との貼り合わせ用に成膜した平坦化
処理用膜13を研磨し(例えば膜厚2〜3μm程度まで
研磨する)下地のパターン構造16に起因する表面段差
をなくすと共に、表面の面粗度も向上させる(図2
(a)参照)。
【0029】次に、貼り合わせ・剥離工程P4では、単
結晶シリコン基板18の研磨面とベースシリコン基板1
2を貼り合わせた上で、接合用の熱処理を行う。ここ
で、ベースシリコン基板12は少なくとも貼り合わせる
面が鏡面研磨されている。また、ベースシリコン基板1
2の貼り合わせる面に酸化膜を形成した状態で使用する
こともできる。
【0030】そして、貼り合わせに際しては、例えば、
硫酸(HSO)と過酸化水素水(H)の混合
液(HSO:H=4:1)による洗浄及び純
水洗浄を順次施した後、スピン乾燥で基板表面に吸着す
る水分量を制御して、単結晶シリコン基板18とベース
シリコン基板12との貼り合わせ面を密着させる。これ
により、2枚のシリコン基板18,12はそれぞれの表
面に形成されたシラノール基、及び表面に吸着した水分
子の水素結合によって接着される(図2(b)参照)。
【0031】この後、貼り合わせたシリコン基板18,
12を、窒素雰囲気中あるいは酸素雰囲気中で、例えば
1100℃で1時間程度の熱処理を行うことで貼り合わ
せ面で脱水縮合反応を生じさせ、2枚のシリコン基板1
8,12を直接接合させて一体化させる。この接合工程
の高温熱処理によって、第1シリコン基板内部に形成さ
れた欠陥層Pの部分で単結晶シリコン基板18は割れて
剥離する(図2(b)参照)。この場合、欠陥層Pは狭
い領域で、しかも酸化膜14の表面から一定の距離に形
成されているため、酸化膜14の表面から剥離した欠陥
層Pの面までの単結晶シリコン膜17の厚みは一定で均
一なものを得ることができる。
【0032】次に、剥離面研磨工程P5では、剥離され
た欠陥層Pの面を研磨処理により平坦化および平滑化し
て面粗度を向上させた状態に形成する。これによって、
ベースシリコン基板12上にパターン構造16を有した
状態で半導体膜17を所定厚さに形成したSOI基板1
1が形成される。
【0033】なお、本実施形態において形成するSOI
基板11を得るときに、単結晶シリコン基板18は、単
結晶シリコン膜17の品質を確保するために、通常半導
体装置を形成する場合のものと同様に不純物濃度が一定
値に管理された製品ウェハを用いることが望ましいのに
対して、貼り合わせるベースシリコン基板12は、酸化
膜14を介して単結晶シリコン膜17を保持する基板と
しての機能を果すことで十分であるから、不純物濃度を
特に管理していないダミーウェハを用いることができ
る。
【0034】したがって、ベースシリコン基板12とし
ては安価なものを用いることができ、さらに、剥離後の
単結晶シリコン基板18は表面を研磨等の平坦化処理を
行うことで再び他のSOI基板11を製造するためのも
のとして使用することができるようになり(リサイク
ル)、資源の有効活用ができると共に、総じてコストの
低減を図ることができるものである。
【0035】このような第1の実施形態によれば、半導
体層用基板18にイオン注入工程P1で高温脱離材料を
イオン化して注入することにより、脱離温度を600℃
程度以上まで高めることができ、これによって、貼り合
わせ・剥離工程P4までの間に実施する処理工程で60
0℃程度までの高温での熱処理が可能となり、成膜工程
や熱処理工程の制約が少なくなって成膜の品質向上を図
れると共に、製造工程の自由度が高くなる。
【0036】(第2の実施形態)図5ないし図7は本発
明の第2の実施形態を示すもので、以下、第1の実施形
態と異なる部分について説明する。本実施形態において
は、図7に示すように、半導体基板としてのSOI基板
20は、絶縁膜としての酸化膜14が半導体層としての
シリコン単結晶膜21の面に部分的に露出するようにし
て形成することにより研磨ストッパ22として設けられ
ている。そして、素子形成用のシリコン単結晶膜21
は、SOI基板20の表面に島状に形成されており、絶
縁分離された状態とされている。
【0037】図5および図6は、SOI基板20の製造
工程に対応した状態の各断面を示すもので、イオン注入
工程P1は、第1の実施形態と同様にして行なわれ(図
5(a)参照)、フッ素あるいは塩素などの高温脱離材
料をイオン化して所定エネルギで加速することによりイ
オン注入しイオン注入層19が形成される。
【0038】次に、パターン形成工程P1(図5(b)
参照)においては、第1の実施形態と異なり、単結晶シ
リコン基板18にあらかじめ研磨ストッパ22の形成用
に凹部18aをフォトリソグラフィ処理でドライエッチ
ング等により形成し、この凹部18aに対応して酸化膜
が形成されて研磨ストッパ22として設けられる。以降
の工程については、第1の実施形態とほぼ同様である。
【0039】平坦化処理工程P3では、平坦化処理用膜
13を表面に形成して(図5(c)参照)、所定厚さま
で研磨により除去して平坦化をはかる(図6(a)参
照)。以下、貼り合わせ・剥離工程P4では、前述同様
にしてシリコン基板18の表面にベース基板12を対向
させた状態で貼り合わせを行ない、熱処理を行なって剥
離をする(図6(b)参照)。
【0040】上述の状態では、剥離した面の研磨ストッ
パ22が形成されている部分に、極薄いシリコン膜18
bが残った状態になっており、これを剥離面研磨工程P
5にて研磨処理を行なって除去する。このとき、研磨処
理が進んでシリコン膜18bがなくなると、研磨ストッ
パ22の表面が研磨面として露出するようになる。シリ
コン酸化膜である研磨ストッパ22はシリコン膜18b
の研磨レートよりも遅いこと、また研磨布との摩擦熱が
シリコンとシリコン酸化膜とで異なることから、研磨に
より発生する熱量の変化が増大するようになる。これを
例えば研磨布の温度変化として温度センサ等により検出
することで研磨面が研磨ストッパ22の表面に達したこ
とを検知することができ、この時点で研磨処理を停止す
る。
【0041】これにより、半導体層21として薄く均一
な厚さで精度の良い半導体層を得ることができるように
なる。また、形成された半導体層となる単結晶シリコン
膜21はそのままの状態で絶縁分離された島状に形成さ
れるので、あらかじめ必要な形状に形成しておくことに
より、その後形成する素子の製造工程を簡略化すること
ができる。
【0042】なお、上述の研磨ストッパ22は、好まし
くは研磨面の面積で30〜50%の比率を占めるように
パターン構造16を形成すると良い。また、上述したよ
うな研磨速度の違いに起因して発生する発熱量の変化を
検知する方法以外に、何らかの方法により検知をするこ
とができれば、研磨ストッパ22の面積やパターニング
を適宜に行なうことができる。
【0043】(第3の実施形態)図8は本発明の第3の
実施形態を示すもので、この実施形態においては、前述
した第1あるいは第2の実施形態における製造工程(図
4参照)に加えて、貼り合わせ・剥離工程P4の前に水
素吸蔵処理工程PAを実施するようにしたところであ
る。
【0044】すなわち、この水素吸蔵処理工程PA(図
8参照)では、平坦化処理膜13を形成した単結晶シリ
コン基板18に対して、水素雰囲気中で熱処理、あるい
は水素プラズマの処理を行うことにより水素をシリコン
基板18内部に導入する。この後、水素の脱離温度より
も低温で熱処理を行なうことにより、シリコン基板18
の欠陥層領域に水素を吸蔵(occlution )させるのであ
る。そして貼り合わせ・剥離工程P4の熱処理を行うこ
とで、欠陥層P部分で剥離させる。このとき、水素吸蔵
処理工程PAを実施した効果としては、熱処理温度を低
く設定することができるようになることである。
【0045】このような第3の実施形態によれば、水素
吸蔵処理工程PAを実施することにより、最終段階にお
ける剥離のための熱処理では1000℃を超える高温で
の熱処理をする必要がなくなり、途中段階の工程では熱
処理を高温(600℃程度まで)行なえるようにしなが
ら、最終段階では水素をイオン注入した場合と同様に低
い温度で熱処理が行なえるようになる。
【0046】本発明は、上記実施例にのみ限定されるも
のではなく、次のように変形また拡張できる。単結晶シ
リコン基板18に形成する酸化膜14aは、イオン注入
工程P1を実施する前にあらかじめ形成しておくことも
できる。この場合には、イオン注入は、酸化膜14aを
介して注入することになるが、工程的には必要に応じて
いずれの方法の採用することができる。
【0047】貼り合わせ・剥離工程P4では、剥離の熱
処理温度を1100℃程度に設定しているが、この剥離
のための熱処理温度としては、1000℃以上で、好ま
しくは1100℃〜1170℃の範囲が適用可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すSOI基板の各
製造工程における模式的な縦断側面図(その1)
【図2】SOI基板の各製造工程における模式的な縦断
側面図(その2)
【図3】完成したSOI基板の模式的な縦断側面図
【図4】工程該略図
【図5】本発明の第2の実施形態を示す図1相当図
【図6】図2相当図
【図7】図3相当図
【図8】本発明の第3の実施形態を示す図4相当図
【図9】従来例を示すSOI基板の各製造工程における
模式的な縦断側面図
【符号の説明】
11はSOI基板(半導体基板)、12はベースシリコ
ン基板(ベース基板)13は平坦化処理用膜、14は絶
縁膜、14a,14bは酸化膜、15は多結晶シリコン
膜、16はパターン構造、17は単結晶シリコン膜(半
導体層)、18は単結晶シリコン基板(半導体層用基
板)、19はイオン注入層(剥離用欠陥層)、20はS
OI基板(半導体基板)、21は単結晶シリコン膜(半
導体層)、22は研磨ストッパである。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベース基板(12)上に絶縁膜(14)
    を介して素子形成用の半導体層(17,21)を設けて
    なる半導体基板(11,20)の製造方法において、 前記半導体層(17,21)を形成するための半導体層
    用基板(18)の表面から所定深さにイオン注入を行な
    ってイオン注入層(19)を形成するイオン注入工程
    (P1)と、 この半導体層用基板(18)と前記ベース基板(12)
    とを絶縁膜(14)を介した状態で貼り合わせると共に
    熱処理を行なって前記イオン注入層(19)により形成
    される剥離用欠陥層部分で前記半導体層用基板(18)
    を剥離して前記半導体層(17,21)を形成する貼り
    合わせ・剥離工程(P4)とを設け、 前記イオン注入工程(P1)においては、前記半導体層
    用基板(18)に注入するイオンとして、その半導体層
    用基板(18)内部からの脱離温度が600℃を超える
    高温となる材料である高温脱離材料を用いていることを
    特徴とする半導体基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体基板の製造方法
    において、 前記イオン注入工程(P1)で用いる高温脱離材料は、
    フッ素,塩素などのハロゲン系の元素のイオンであるこ
    とを特徴とする半導体基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の半導体基板の
    製造方法において、 前記イオン注入工程(P1)から前記貼り合わせ・剥離
    工程(P4)に至るまでの間に行なわれる処理工程で
    は、熱処理温度が前記高温脱離材料の脱離温度よりも低
    い温度に設定され、その熱処理によって前記イオン注入
    層(19)に分布する前記高温脱離材料を脱離させるこ
    となく狭い高濃度分布領域に剥離用欠陥層を集中させる
    ことを特徴とする半導体基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の半
    導体基板の製造方法において、 前記イオン注入工程(P1)の後に、前記半導体層用基
    板(18)に対して表面の加工処理を行なうことにより
    パターン構造(16)を形成するパターン構造形成工程
    (P2)を設けたことを特徴とする半導体基板の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の半導体基板の製造方法
    において、 前記パターン構造形成工程(P2)は、前記半導体層用
    基板(18)に対して成膜処理あるいはエッチング処理
    などにより表面にパターン構造(16)を形成すること
    を特徴とする半導体基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載の半
    導体基板の製造方法において、 前記半導体層用基板(18)の表面に平坦化処理用膜
    (13)を形成すると共にその表面を研磨処理を行なっ
    て平坦化する平坦化処理工程(P3)を設けたことを特
    徴とする半導体基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載の半
    導体基板の製造方法において、 前記パターン構造形成工程(P1)は、前記剥離面研磨
    工程(P5)における研磨終了を検知するための研磨ス
    トッパ(22)を前記半導体層用基板(18)に形成す
    る処理工程を含んでいることを特徴とする半導体基板の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の半導体基板の製造方法
    において、 前記研磨ストッパ(22)は、前記剥離面研磨工程(P
    5)における研磨中に発熱量の変化を検出することによ
    り研磨終了を検知可能となるように研磨速度が異なる材
    質で形成されることを特徴とする半導体基板の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項7または8に記載の半導体基板の
    製造方法において、 前記研磨ストッパ(22)は、前記半導体層用基板(1
    8)に対する研磨速度よりも遅い研磨速度の材料により
    形成されていることを特徴とする半導体基板の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし9のいずれかに記載の
    半導体基板の製造方法において、 前記貼り合わせ・剥離工程(P4)に先立って、前記半
    導体層用基板(18)内に水素プラズマの処理を行なう
    ことにより内部に水素を吸蔵させる水素吸蔵処理工程
    (PA)を設け、 前記貼り合わせ・剥離工程(P4)は、剥離のための熱
    処理温度を前記高温脱離材料のイオン注入層(19)に
    対して剥離に必要な温度よりも低く設定することを特徴
    とする半導体基板の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005093898A (ja) * 2003-09-19 2005-04-07 Sanyo Electric Co Ltd 結晶基板および素子の製造方法
JP2008288569A (ja) * 2007-04-06 2008-11-27 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体基板の作製方法
JP2009502534A (ja) * 2005-07-30 2009-01-29 ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. 両面をプラズマ処理し、片面だけを湿式処理することによって面同士を互いに接着する方法

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