JPH10297712A - 物品の貯留装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】パレット３を多段に収納できるラック１４から
任意のパレット３を選択してこれに物品Ｗを移載して貯
留することができ、また任意のパレット３から目的とす
る物品Ｗを自由に取り出すことのできる物品の貯留装置
を提供する。 【解決手段】物品Ｗの受渡しコンベア８と該受渡しコン
ベア８の位置へ装入されたパレット８との間で物品Ｗの
受渡しを行う物品の受渡し装置２と、パレット３を複数
段に収納するラック１４と、前記受渡し装置２とラック
１４との間でパレット３を出し入れするパレット３の出
し入れ装置４とから成る。而して、受渡し装置２とラッ
ク１４とは、物品の受渡しコンベア８の上下方向を複数
段に区画した領域のうちの異なる任意の領域に配設され
ていることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、搬送ライン上を流
れる物品を指定された品種ごと等に、パレットに移載し
てラックへ収納して一時的に貯留し、必要に応じてこれ
を任意に取り出して搬送ライン上へ供給することのでき
る物品の貯留装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来において、搬送ライン上を流れる物
品を指定された品種ごと等に一時的に貯留する装置とし
ては、搬送ラインとＴ字状に交叉するローラコンベアを
設けると共に、ローラコンベアを所定間隔ごとに配置し
た領域を設け、この間歇配置したローラコンベア間に入
り込むことのできる梯子状のラックユニットを多数段配
置している。そして、上下の各ラックユニットを所定間
隔ごとにロープ等で連結し、吊り上げ及び吊り下げでき
るようにしている。

【０００３】而して、前記従来の貯留装置は、間歇配置
されたローラコンベア間の下方へ各ラックユニットが積
み重なって待機しており、この状態から順次製造された
物品が間歇配置されたローラコンベアの上方へ搬入され
る。そして、所定数の物品が搬入されたラックユニット
は、所定寸法だけ吊り上げられてローラコンベア上に載
置されている物品を掬い上げて移載する。このようにし
て順次複数段のラックユニットへ物品を移載し、貯留す
るものである。

【０００４】貯留状態から再び搬送ライン上へ物品を返
送する場合は、最も下段に位置するラックユニットから
これを吊り下げ、その途中で間歇配置されたローラコン
ベア上に物品を移載し、ラックユニットはローラコンベ
アの下方で待機する。ローラコンベアに移載された物品
はローラの駆動により搬入ライン側へ搬送され、ボール
コンベア等を経て搬送ラインへ戻される。そして、トラ
ックヤード等の所定の工程へ搬送される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来の
物品の貯留装置は、先にラックユニットへ移載した物品
が最後に搬出され、また最後にラックユニットへ移載し
た物品が最初に搬出される。そのため、各ラックユニッ
トへの物品の搬入順序と搬出順序とが制限され、ラック
ユニットへ移載して貯留している物品のうちの任意のも
のを自由に選択して取り出すことができず、多品種少ロ
ットの各種物品を同時に仕分けしてトラック輸送する物
流システム等へは適用できないでいた。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は従来の前記課題
に鑑みてこれを改良除去したものであって、パレットを
多段に収納できるラックから任意のパレットを選択して
これに物品を移載して貯留することができ、また任意の
パレットから目的とする物品を自由に取り出すことので
きる物品の貯留装置を提供せんとするものである。

【０００７】而して、前記課題を解決するために本発明
が採用した請求項１の手段は、物品の受渡しコンベアと
該受渡しコンベアの位置へ装入されたパレットとの間で
物品の受渡しを行う物品の受渡し装置と、パレットを複
数段に収納するラックと、前記受渡し装置とラックとの
間でパレットを出し入れするパレットの出し入れ装置と
から成り、前記受渡し装置とラックとは、物品の受渡し
コンベアの上下方向を複数段に区画した領域のうちの異
なる任意の領域に配設されていることを特徴とする物品
の貯留装置である。

【０００８】本発明が採用した請求項２の手段は、パレ
ットの出し入れ装置は、受渡し装置及びラックに対して
パレットを出し入れするためのフォークを備えているこ
とを特徴とする前記請求項１に記載の物品の貯留装置で
ある。

【０００９】本発明が採用した請求項３の手段は、物品
の受渡し装置は、物品の搬入ラインと搬出ラインとの間
において枠組み形成されたパレットを支持する支持部材
と、該支持部材に支持されたパレットの物品載置面が、
前記搬入ライン及び搬出ラインの物品載置面よりも上方
又は下方に位置するように支持部材を昇降させる昇降部
材とから成ることを特徴とする前記請求項１又は２に記
載の物品の貯留装置である。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の構成を図面に示
す発明の実施の形態に基づいて説明すると次の通りであ
る。図１〜図７は本発明の一実施の形態に係るものであ
り、図１は物品の貯留装置１の全体を示す斜視図、図２
は貯留装置１を用いた物流システムの平面図、図３は貯
留装置１の側面図、図４は同正面図である。図５は受渡
し装置２を示すもので、図（Ａ）は受渡し前の状態を示
す側面図、図（Ｂ）は受渡し後の状態を示す側面図であ
る。また図６はパレット３の出し入れ装置４の昇降機構
を示す概略側面図である。図７の図（Ａ）及び（Ｂ）は
出し入れ装置４によるパレット３の受渡しを示す図面で
ある。

【００１１】図２に示すように、この貯留装置１を用い
た物流システムは、物品Ｗの搬入ライン５と搬出ライン
６とが所定間隔を置いて平行に敷設されており、両ライ
ンの間に入庫コンベア７と、受渡しコンベア８と、出庫
コンベア９及び物品Ｗを斜めに送りだすローラコンベア
１０とが一列に配列されてコンベア群を形成しており、
これらのコンベア群が平行して多数配列されている。ま
た搬入ライン５と入庫コンベア７との間には、Ｌ型に屈
曲形成されたローラコンベア１１が設置されている。

【００１２】前記受渡しコンベア８の前後には、図２及
び図５の図（Ａ），図（Ｂ）に最もよく表されているよ
うに、パレット３の受渡し装置２が配設されている。パ
レット３は、受渡しコンベア８の周囲を囲むことができ
るように軽量骨材等のフレームで枠組み形成されてお
り、物品Ｗよりも小さい幅寸法を有している。受渡し装
置２は、パレット３の前後端側フレーム３ａ及び３ｂを
支持するＶ字状の受け板からなる支持部材１２ａ及び１
２ｂと、該支持部材１２ａ及び１２ｂを昇降させる昇降
部材としてのジャッキ１３ａ及び１３ｂとからなる。ジ
ャッキ１３ａ及び１３ｂが上昇した位置では、支持部材
１２ａ及び１２ｂに支持されたパレット３は、受渡しコ
ンベア８よりも上方へ位置し（図５の図（Ｂ）で示す状
態）、またジャッキ１３ａ及び１３ｂが下降した位置で
は、パレット３は受渡しコンベア８よりも下方へ位置す
る（図５の図（Ａ）で示す状態）。

【００１３】また受渡しコンベア８の上方には、物品Ｗ
を載置した状態のパレット３を複数段にわたって貯留す
ることのできるラック１４が形成されている。ラック１
４には、パレット３の前後端側を支承する係止部材１５
が設けられている。而して、一組の左右の受渡しコンベ
ア８，８の中間位置には、パレット３の出し入れ装置４
が配設されている。出し入れ装置４の各受渡しコンベア
８側に面する部分の前後位置には、受渡し装置２に支持
されたパレット３の下方を支持することのできるフォー
ク１６ａ及び１６ｂが取り付けられている。

【００１４】出し入れ装置４は、図２及び図４に示すよ
うに、前後の端板に上下左右合計四個のガイドローラ１
７が取り付けられており、ガイドレール１８を挟持する
ことで安定した昇降動作が行えるようにされている。こ
の昇降機構は、図６に示すように、前後の端板にワイヤ
１９を連結し、モーター２０を介してこのワイヤ１９を
巻き取り又は巻き戻すようにしている。ワイヤ１９の他
端側にはカウンターウエイト２１が取り付けられてい
る。

【００１５】次に、このように構成された貯留装置１を
利用した物流システムの動作態様を説明する。先ず、搬
入ライン５から供給される物品Ｗをパレット３へ移載
し、これをラック１４の所望する段へ係止させて貯留す
る場合を説明する。この場合は、Ｌ型のローラコンベア
１１を前進又は後退させて物品Ｗを受け取る受渡しコン
ベア８を選択する。そして、図５の図（Ａ）に示すよう
に、該当する受渡しコンベア８の受渡し装置２におい
て、支持部材１２ａ及び１２ｂに支持されたパレット３
の物品載置面（上面）が、受渡しコンベア８の上面より
も下方へ位置するべく、ジャッキ１３ａ及び１３ｂを下
降させて待機させる。

【００１６】搬入ライン５から供給される物品Ｗは、Ｌ
型のローラコンベア１１から入庫コンベア７を経て受渡
しコンベア８へ順次搬入されて来る。受渡しコンベア８
は、物品Ｗの供給状態に応じて間歇駆動し、物品Ｗを所
定間隔ごとに整列して載置する。そして、所定数の物品
Ｗが載置されると、図５の図（Ｂ）に示すように、受渡
し装置２のジャッキ１３ａ及び１３ｂを昇降動作させ
る。昇降動作の途中において、支持部材１２ａ及び１２
ｂに支持された枠体のパレット３が物品Ｗの下方に当接
してこれを掬い上げるようになり、受渡しコンベア８か
らパレット３へ物品Ｗの移載が行われる。

【００１７】然る後は、出し入れ装置４のフォーク１６
ａ及び１６ｂをパレット３の下面側と受渡しコンベア８
の上面との間へ装入し、支持部材１２ａ及び１２ｂを若
干下降させてパレット３をフォーク１６ａ及び１６ｂに
支持させる（図７の図（Ａ）の状態）。そして、この状
態からフォーク１６ａ及び１６ｂを退入動作させ、出し
入れ装置４へパレット３を取り込む。次に、モータ２０
を駆動させて出し入れ装置４を昇降させ、ラック１４の
所望する段に対応する空間へフォーク１６ａ及び１６ｂ
を前進させてパレット３を装入し、出し入れ装置４を少
しだけ下降させてパレット３の前後端側がラック１４の
係止部材１５へ引っ掛かってこれに係止されるようにす
る。これにより、多数の物品Ｗを載置したパレット３
を、ラック１４の所望する段に収納することが可能であ
る。

【００１８】以後は、上記とは逆の要領で物品Ｗの載置
されていない空のパレット３を、出し入れ装置４のフォ
ーク１６ａ及び１６ｂを前進後退させてラック１４のい
ずれかの段から取り込み、受渡し装置８の支持部材１２
ａ及び１２ｂに支持させ、図５の図（Ａ）で示す待機状
態にする。これにより、１サイクルが終了する。然る後
は、上述した各動作を繰り返して、順次、所望するラッ
ク１４の段へ物品Ｗを載置したパレット３を収納保持
し、物品Ｗを貯留することが可能である。

【００１９】この貯留状態から、パレット３を取り出し
て物品Ｗを受渡し装置２の受渡しコンベア８へ移載する
場合は、前記空のパレット３をラック１４から取り出し
て受渡し装置８の支持部材１２ａ及び１２ｂへ支持させ
る場合と同じ要領で行えばよい。支持部材１２ａ及び１
２ｂへ支持させるときに、パレット３に載置された状態
の物品Ｗは、パレット３の下降動作の途中において受渡
しコンベア８の上面へ移載され、パレット３は受渡しコ
ンベア８の上面よりも下方へ低下して図５の図（Ａ）で
示す待機状態となる。

【００２０】受渡しコンベア８上へ移載された物品Ｗ
は、出庫コンベア９及びローラコンベア１０を経て搬出
ライン６へ送り出される。このとき、ローラコンベア１
０は物品Ｗを搬出ライン６の搬送方向に対して斜め前方
へ送り出すことができ、物品Ｗの方向性に狂いが生じな
いようにしている。すなわち、搬送ライン６上へ物品Ｗ
が向きを変更されることなく、ローラコンベア１０から
送りだされるようにしている。

【００２１】ところで、本発明は上述した実施の形態に
限定されるものではなく、適宜の変更が可能である。例
えば、受渡し装置２は、図８に示すように、パレット３
を受渡しコンベア８の上面よりも低くなるように支持す
る支持部材２２を設けるだけでよい。この場合は、出し
入れ装置４のフォーク１６ａ及び１６ｂが受渡しコンベ
ア８の前後側でパレット３の前後端側の下面側を支承す
るようにすればよい。フォーク１６ａ及び１６ｂの昇降
動作に伴い、パレット３と受渡しコンベア８との間で物
品Ｗの受渡しを行うことが可能である。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように本発明にあっては、
受渡しコンベアの上方側に、物品を載置した状態のパレ
ットを複数段に係止させて収納することができるラック
を設置し、このラックと受渡しコンベアとの間でパレッ
トの出し入れを行う装置を設けたからラックの各段に、
それぞれ異なる物品を収納することができ、また異なる
物品ごとに任意に選択して取り出すことが可能であり、
多品種少ロットの物品を取り扱う物流システムの貯留装
置として最適である。

【００２３】また受渡しコンベアの上面に対してパレッ
トを昇降させることで、受渡しコンベアとパレットとの
間で複数の物品を一括して移載することができ、物品の
搬入及び搬出を効率よく行うことが可能である。また受
渡し装置自体を簡単な構造とすることが可能である。

【００２４】更に、受渡しコンベアの上方にラックを設
けて物品を貯留するようにしたから、貯留装置自体の設
置面積を小さくすることが可能であり、スペース的にも
有利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る物品の貯留装置の全体を示す斜視
図である。

【図２】本発明に係る貯留装置を用いた物流システムの
平面図である。

【図３】本発明に係る貯留装置の側面図である。

【図４】本発明に係る貯留装置の正面図である。

【図５】本発明に係る受渡し装置を示すもので、図
（Ａ）は受渡し前の状態を示す側面図、図（Ｂ）は受渡
し後の状態を示す側面図である。

【図６】本発明に係るパレットの出し入れ装置の昇降機
構を示す概略側面図である。

【図７】本発明に係るパレットの受渡し状態を示すもの
であり、図（Ａ）は受渡し前の状態を示す正面図、図
（Ｂ）は受渡し後の状態を示す図面である。

【図８】本発明に係るパレットの受渡し装置の別形態を
示す側面図である。

【符号の説明】

１…貯留装置 ２…受渡し装置 ３…パレット ３ａ…パレットの
前端 ３ｂ…パレットの後端 ４…出し入れ装置 ５…搬入ライン ６…搬出ライン ７…入庫コンベア ８…受渡しコンベ
ア ９…出庫コンベア １０…ローラコン
ベア １１…Ｌ型のローラコンベア １２ａ，１２ｂ…
支持部材 １３ａ，１３ｂ…ジャッキ １４…ラック １５…係止部材 １６ａ，１６ｂ…
フォーク １７…ガイドローラ １８…ガイドレー
ル １９…ワイヤ ２０…モータ ２１…カウンターウエイト ２２…支持部材

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】物品の受渡しコンベアと該受渡しコンベア
   の位置へ装入されたパレットとの間で物品の受渡しを行
   う物品の受渡し装置と、パレットを複数段に収納するラ
   ックと、前記受渡し装置とラックとの間でパレットを出
   し入れするパレットの出し入れ装置とから成り、前記受
   渡し装置とラックとは、物品の受渡しコンベアの上下方
   向を複数段に区画した領域のうちの異なる任意の領域に
   配設されていることを特徴とする物品の貯留装置。
2. 【請求項２】パレットの出し入れ装置は、受渡し装置及
   びラックに対してパレットを出し入れするためのフォー
   クを備えていることを特徴とする前記請求項１に記載の
   物品の貯留装置。
3. 【請求項３】物品の受渡し装置は、物品の搬入ラインと
   搬出ラインとの間において枠組み形成されたパレットを
   支持する支持部材と、該支持部材に支持されたパレット
   の物品載置面が、前記搬入ライン及び搬出ラインの物品
   載置面よりも上方又は下方に位置するように支持部材を
   昇降させる昇降部材とから成ることを特徴とする前記請
   求項１又は２に記載の物品の貯留装置。