JPH10280298A - 消臭性シート - Google Patents

消臭性シート

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JPH10280298A
JPH10280298A JP10089497A JP10089497A JPH10280298A JP H10280298 A JPH10280298 A JP H10280298A JP 10089497 A JP10089497 A JP 10089497A JP 10089497 A JP10089497 A JP 10089497A JP H10280298 A JPH10280298 A JP H10280298A
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JP
Japan
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deodorant
paper
gas
sheet
tetravalent metal
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Application number
JP10089497A
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English (en)
Inventor
Toshiro Hirukawa
敏郎 蛭川
Noriyuki Yamamoto
則幸 山本
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】人体に対する安全性に優れ、消臭性に優れた消
臭性シートを提供する。 【解決手段】HZr2 (PO4 )3 ・H2 O、Na1.12Cu0.44 Zr
(PO4 2 ・H2O 等の四価金属燐酸塩、ハイドロタルサ
イト化合物又はその焼成物、水和酸化ジルコニウム又は
酸化ジルコニウム等の特定の消臭剤を担持させた消臭性
シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の消臭剤を含
有する消臭性シートに関し、このシートは空気のフィル
ター、食品等の各種包装材として有用である。
【0002】
【従来の技術】近年、快適な生活に対する要求は急激に
高まってきている。その1つとして消臭の機能が非常に
注目されており、空気のフィルター、食品等の各種包装
材等に消臭性を持たせる試みがなされている。消臭剤と
して活性炭やゼオライトが古くから知られており、芳香
属第一級アミンを活性炭に添着させたものや、活性炭の
pH調整をしたもの等が提案されている。また、鉄化合
物とアスコルビン酸を組み合わせたものや、アミノ基や
スルホン基を持つ高分子化合物も消臭剤として知られて
いる。しかし、これらは、人体に対する安全性が充分確
保されているとは言いがたいため、これらをシートに多
量には担持させられなかったり、耐熱性が劣るため、シ
ートに担持させる時に高温に加熱すると消臭性がなくな
ったり、悪臭ガスに対する消臭性が充分でないため、得
られるシートは消臭性が不充分であるという問題があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、人体に対す
る安全性に優れ、消臭性に優れた消臭性シートを提供し
ようとするものである。
【0004】
〔Aは1価金属であり、Bは2価金属であり、Mは4価金属であり、a、b、c、e及びnは0又は正数であって、bとcが共に0であることはなく、d及びfは正数であり、a、b、c、d、e及びfは式(a+b+2c+4d=2e+3f)を満たす。〕
【0005】
〔Mは4価金属であり、a、b、c及びdは式(a+4b=2c+3d)を満たす正数であり(但し、cは0であっても良い)、nは0又は正数である。〕
消臭剤ロ:下記一般式〔2〕で示される水に対して不溶
性又は難溶性の4価金属リン酸塩。 Ha b c d e (PO4 f ・nH2 O 〔2〕 〔Aは1価金属であり、Bは2価金属であり、Mは4価
金属であり、a、b、c、e及びnは0又は正数であっ
て、bとcが共に0であることはなく、d及びfは正数
であり、a、b、c、d、e及びfは式(a+b+2c
+4d=2e+3f)を満たす。〕 消臭剤ハ:ハイドロタルサイト化合物又はその焼成物、
水和酸化ジルコニウム、及び酸化ジルコニウムより選ば
れる少なくとも1種。
【0006】(消臭剤イ)消臭剤イは、上記一般式
〔1〕で表される水に対して不溶性又は難溶性の4価金
属リン酸塩であり、水素を有する化合物である。この消
臭剤イは、トリメチルアミン、トリエチルアミン及びピ
リジン等のアミン類化合物並びにアンモニア等の塩基性
ガスに対して優れた消臭性を発揮するものである。上式
〔1〕におけるMの好ましい具体例として、ジルコニウ
ム、チタン、スズ、セリウム、ハフニウム等があり、ジ
ルコニウム、チタンがより好ましい。好ましい消臭剤イ
におけるa、b、c及びdの各係数は以下の数である。 a=1、b=1、c=1、d=1 a=1、b=2、c=0、d=3 a=2、b=1、c=0、d=2
【0007】a=1、b=1、c=1、d=1で示され
る4価金属リン酸塩は、平均粒径が1μm以下の非晶質
微粒子として得やすい化合物であり、a=1、b=2、
c=0、d=3で示される4価金属リン酸塩は、ナシコ
ン型結晶質化合物又は非晶質化合物であり、a=2、b
=1、c=0、d=2で示される4価金属リン酸塩は、
1水塩であるα型結晶、無水塩であるβ型結晶及び2水
塩であるγ型結晶等の層状構造を有する結晶質化合物又
は非晶質化合物である。特に好ましい上式〔1〕で表さ
れる4価金属リン酸塩は、結晶の層間距離が最も大き
く、消臭速度が大きいことから、a=2、b=1、c=
0、d=2の係数を有するγ型結晶である。
【0008】消臭剤イの好ましい具体例として以下の化
合物がある。 HTiO(PO4 ) HZrO(PO4 ) HZr2 (PO4 3 ・H2 O HTi2 (PO4 3 ・H2 O HSn2 (PO4 3 ・3H2 O H2 Zr(PO4 22 Ti(PO4 2 ・2H2 O H2 Sn(PO4 2 ・H2
【0009】(消臭剤ロ)消臭剤ロは、上記一般式
〔2〕で表される水に対して不溶性又は難溶性の4価金
属リン酸塩であり、1価金属及び/又は2価金属を有す
る化合物である。この消臭剤ロは、硫化水素やメチルメ
ルカプタン等の含硫黄系ガスや、酢酸、吉草酸、酪酸等
の低級脂肪酸に対して優れた消臭性を発揮するものであ
る。上式〔2〕におけるMの好ましい具体例として、ジ
ルコニウム、チタン、スズ、セリウム、ハフニウム等が
あり、ジルコニウム、チタンがより好ましい。消臭剤ロ
における1価又は2価の金属の好ましい具体例として、
リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、マグネシ
ウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、銅、
鉄、亜鉛、ニッケル、マンガン及びコバルト等がある。
これらの中でも、ナトリウム、カリウム、銅、亜鉛及び
マンガンが好ましい。好ましい消臭剤ロにおけるa、
b、c、d、e及びfの各係数は以下の式を満たす数で
ある(但し、a,b及びcは0であっても良く、bとc
が共に0であることはない)。 a+b+c=1、d=1、e=1、f=1 a+b+c=1、d=2、e=0、f=3 a+b+c=2、d=1、e=0、f=2 上式〔2〕で表される4価金属リン酸塩は、上式〔1〕
で表される化合物の水素の一部又は全部を、1価又は2
価の金属で置換した構造を有する化合物であり、特に好
ましいものは、式(a+b+c=2、d=1、e=0、
f=2)を満たす係数(但し、a,b及びcは0であっ
ても良く、bとcが共に0であることはない)を有する
γ型の層状構造を有する結晶質化合物である。
【0010】上式〔1〕で表される4価金属リン酸塩は
陽イオン交換性を有しているので、消臭剤ロは、上式
〔1〕における水素とのイオン交換により、1価金属及
び/又は2価金属を上式〔1〕で表される4価金属リン
酸塩に容易に担持させることができ、具体的には上式
〔1〕で表される4価金属リン酸塩を、1価金属及び/
又は2価金属の塩または水酸化物を含有する水溶液と接
触させることにより容易に担持させることができる。2
種以上の金属を担持させる場合、2種以上の金属を含有
する水溶液を用いて一度のイオン交換により担持させて
も、或いは複数回のイオン交換により担持させてもかま
わない。尚、1価金属と2価金属を担持させる場合、最
初に1価金属を担持させた後に2価金属を担持させる
と、イオン交換を効率的に行うことができる。1価金属
及び/又は2価金属の担持量は、上式〔1〕で表される
4価金属リン酸塩のイオン交換容量内であれば、最大1
00%まで所望により自由に制御することができるが、
含硫黄系ガスや、低級脂肪酸等に対して十分な消臭性を
発揮させるためには、上記金属の担持量を、イオン交換
容量の25%(αリン酸ジルコニウムの場合、1.6ミ
リグラム当量/g)以上、より好ましくは50%(αリ
ン酸ジルコニウムの場合、3.2ミリグラム当量/g)
以上とするのが良い。一方、水素イオンを有する消臭剤
ロは塩基性ガスに対する消臭性を有しているので、含硫
黄系ガスや低級脂肪酸等と共に塩基性ガスを同時に消臭
することを希望する場合、金属担持量をイオン交換容量
の100%未満の範囲で適宜調整することもできる。
【0011】消臭剤イと消臭剤ロは、紫外線を照射する
ことにより悪臭ガス、特にアンモニアガス、脂肪族アミ
ンガス等の塩基性悪臭ガスに対する消臭能を再生する機
能を有している。即ち、消臭能がなくなるまで消臭剤を
一旦使用した後に、紫外線を照射して、消臭剤を再利用
したり、或いは紫外線の照射下で消臭を行うことによ
り、消臭剤の寿命を延長させることができる。紫外線照
射による消臭能の再生機能は、消臭剤ロよりも消臭剤イ
において強く発揮できる。これは、消臭剤イと消臭剤ロ
は光触媒機能を有しており、この光触媒機能を消臭剤イ
において消臭剤ロより強く発揮できるためと推定され
る。紫外線は太陽光や蛍光灯の光にも含まれているた
め、これらの光でも当然再生できる。
【0012】(消臭剤ハ)消臭剤ハは、ハイドロタルサ
イト化合物又はその焼成物、水和酸化ジルコニウム、及
び酸化ジルコニウムより選ばれる少なくとも1種であ
る。この消臭剤ハは、これらの化合物はホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド等のアルデヒド類や酢酸、吉草
酸、酪酸等の低級脂肪酸に対して優れた消臭性を発揮す
るものである。
【0013】ハイドロタルサイト化合物は下記一般式
〔3〕で表わされるハイドロタルサイト構造を有する化
合物であり、最も好ましい化合物としてマグネシウム−
アルミニウムハイドロタルサイトがある。 M1 (1-x) 2 x (OH)2 n- (x/n) ・mH2 O 〔3〕 (M1 は2価の金属であり、M2 は3価の金属であり、
xは0より大きく0.5以下の数であり、An-は炭酸イ
オン、硫酸イオン等のn価の陰イオンであり、mは正数
である。)
【0014】ハイドロタルサイト焼成物は、ハイドロタ
ルサイト化合物を約500℃以上で焼成し、炭酸根や水
酸基が脱離することにより得られる化合物である。
【0015】水和酸化ジルコニウムは、結晶質及び非晶
質のいずれであっても良く、オキシ水酸化ジルコニウ
ム、水酸化ジルコニウム、含水酸化ジルコニウム及び酸
化ジルコニウム水和物と同義の化合物である。本発明に
おける水和酸化ジルコニウムは公知の化合物であり、特
にその製法は限定されない。好ましい製法として湿式法
があり、オキシ塩化ジルコニウム水溶液等のジルコニウ
ム含有水溶液を、水やアルカリ水溶液で加水分解するこ
とにより、容易に水和酸化ジルコニウムを得ることがで
きる。
【0016】酸化ジルコニウムは、結晶質及び非晶質の
いずれであっても良いが、高い消臭性を発揮させるには
非晶質が好ましい。本発明における酸化ジルコニウムと
しては、市販品をそのまま使用してもよく、又上記水和
酸化ジルコニウムを焼成した無水物を用いても良い。水
和酸化ジルコニウムを焼成して非晶質の酸化ジルコニウ
ムを得る際の好ましい焼成温度は150 ℃〜350 ℃であ
る。
【0017】塩基性ガス、含硫黄系ガス、アルデヒド類
ガス、及び低級脂肪酸ガスなどの性質の異なるガスを同
時に消臭するために、上記の消臭剤を2種以上を併用す
ることができる。例えば、各種の消臭剤を担持させた複
数の消臭性シートを、それらの端部又は中央部を線又は
面で接触させてバインダーを介して共有させて複合化し
たり、複数種の消臭剤を1枚の消臭性シートに担持させ
ることができる。2種以上の消臭剤を併用する際の各消
臭剤の併用割合に特に制限はなく、消臭の対象とするガ
スの種類によって適宜混合比を調整すればよい。
【0018】本発明における消臭剤は、いずれも通常粉
体状で得られ、好ましい平均粒径は0.01〜20μm
であり、より好ましくは0.01〜10μであり、さら
に好ましくは0.01〜5μmである。平均粒径が0.
01μm未満では再凝集しやすく、取扱いが困難になる
恐れがあり、又平均粒径が20μm より大きくなると、
消臭剤粒子が消臭性シートから脱落し易くなる恐れがあ
る。
【0019】本発明における消臭剤は、200〜300
℃で加熱したり、紫外光に暴露しても、構造及び組成が
全く変化せず、又何等変色を起こさず、安定である。従
って、本発明の消臭性シートを製造する際の加工や保
存、さらには使用時において、消臭剤の劣化を防止する
ための温度制御及び遮光等の制約をうけることがない。
【0020】○シート 本発明におけるシートは、柔軟で、折り曲げ可能なもの
であれば、その材質、微構造等に制限はない。好ましい
材質は樹脂、紙等、或いはこれらの複合物であり、好ま
しい微構造は多孔質である。シートの好ましい具体例と
して、和紙、合成紙、不織布、樹脂フィルム等があり、
特に好ましいシートは天然パルプ及び/又は合成パルプ
からなる紙である。
【0021】○シートの製造方法 好ましい天然パルプとして、木材パルプ、靱皮繊維、葦
パルプ、バガスパルプ、ワラパルプ、竹パルプ等があ
り、好ましい合成パルプとして、ポリプロピレン、ポリ
エチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニ
ル、ポリスチレン、アルミナ繊維、炭素繊維、ガラス繊
維、ジルコニア繊維、アルミナ・シリカ繊維等からなる
合成繊維がある。
【0022】天然パルプを使用すると、微細に枝分かれ
した繊維間に消臭剤粒子の粉末が挟まれ、特に結合剤を
使用しなくても実用的な担持体となるが、耐薬品性の点
で天然パルプの繊維は合成パルプよりも若干劣るので、
使用される系によってはこの点を改善することができる
合成パルプを使用しても良い。合成パルプを使用する場
合には、繊維間に粉末を挟み込むことにより消臭剤粒子
を担持することが困難となることがあるので、抄紙後の
乾燥工程において繊維の一部を溶融し、粉末と繊維との
間の付着力を増加させたり、繊維の一部に別の熱可塑性
樹脂繊維を混在させることも良い。このように天然パル
プと合成パルプとを適当な割合で混合して使用すると、
種々の特性を調整した紙を得ることができ、一般に合成
パルプの割合を多くすると、強度、耐水性、耐薬品性及
び耐油性等に優れた紙を得ることができ、一方、天然パ
ルプの割合を多くすると、吸水性、ガス透過性、親水
性、成形加工性及び風合い等に優れた紙を得ることがで
きる。
【0023】○担持方法 シートに上記の消臭剤を担持させる方法には、特に制限
はない。消臭剤の担持は、シートの製造時又はシートの
製造後のいずれでもよく、例えば紙に担持する場合、抄
紙工程のいずれかの工程において消臭剤を導入したり、
バインダーと共に消臭剤を分散させた液体を、予め製造
した紙に塗布、浸漬又は吹き付ける方法がある。
【0024】以下、一例として、抄紙工程時に消臭剤を
導入する方法について、更に詳細に説明する。抄紙工程
自体は公知の方法に従って行えばよく、例えば以下のよ
うにして行うことができる。まず、所定の割合で消臭剤
とパルプとを含むスラリーに、カチオン性及びアニオン
性の凝集剤をそれぞれ全スラリー重量の5重量%以下添
加して凝集体を生成する。各凝集剤の使用量をスラリー
全重量の5%より多くすると、凝集体が大きくなり過ぎ
たり、所定の大きさの凝集体とならず、消臭剤粒子を均
一に分散した紙を得ることが困難となることがあるの
で、その使用量は5%以下とすることが好ましい。つい
で、この凝集体を公知の方法によって抄紙を行うと共
に、これを温度100〜190℃で乾燥させることによ
り、消臭剤を担持した紙を得ることができる。
【0025】好ましいカチオン性の無機凝集剤として、
硫酸アルミニウム、水酸化亜鉛等があり、好ましいカチ
オン性有機凝集剤として、カチオン性デンプン、ポリア
クリルアミド−カチオン性モノマー共重合体、ポリビニ
ルベンジルトリメチル、アンモニウムクロライド、ポリ
ビニルピリジン塩、縮合型高分子凝集剤としての陽性ポ
リアミド、水溶性尿素樹脂、ポリチオ尿素塩、陽性ポリ
尿素、ポリアミノトリアゾール、アミン−エピクロルヒ
ドリン重縮合物塩、アンモニアエピクロルヒドリン重縮
合物塩等があり、好ましいアニオン性有機凝集剤とし
て、重合型高分子のカルボキシル−メチル−スターチ
(CMS)、カルボキシル−メチル−セルロース(CM
C)、ポリアクリルアミド−カチオン性モノマー共重合
体、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、マレイン酸共
重合体等がある。アニオン性凝集剤とカチオン性凝集剤
とを併用すと、消臭剤粒子とパルプとの凝集を良好に行
うことができる。尚、上記以外の凝集剤としてポリアク
リルアミド系等のノニオン系或いは両性凝集剤も使用す
ることができる。
【0026】又、抄紙工程時又は抄紙工程後に、塗布、
浸漬又は吹き付け等により、紙に対する消臭剤の付着力
を向上させる好ましいバインダーとして、以下のものが
ある。即ち、天然樹脂、天然樹脂誘導体、フェノール樹
脂、キシレン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ケトン樹
脂、クマロン・インデン樹脂、石油樹脂、テルペン樹
脂、環化ゴム、塩化ゴム、アルキド樹脂、ポリアミド樹
脂、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、塩化ビニル・酢酸
ビニル共重合樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコ
ール、ポリビニルブチラール、塩素化ポリプロピレン、
スチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン及びセルロ
ース誘導体等である。尚、アルミナ繊維等の無機繊維を
用いる場合、紙100重量部あたり5重量部以内のNB
Rラテックス或いはSBRラテックス等の結合剤を併用
することが好ましい。
【0027】塗布、浸漬又は吹き付けにより消臭剤を担
持させることが好ましい紙として、例えば雑種紙、薄葉
紙(例えば、ティッシュペーパー、トイレットペーパ
ー、ナプキン、タオル紙及び生理用紙)、包装用紙、塗
工紙(例えばアート紙、コート紙)、非塗工紙、印刷用
紙、図面用紙、ラミネート紙等があり、板紙としては、
段ボール紙、白板紙、黄板紙、チップボール紙、コルゲ
ート紙、紙幣原子及び台紙等がある。
【0028】○消臭剤の担持量 一般に、担持量を増やせば、消臭性をより強力に発揮さ
せ、またより長期に持続させることができるが、ある程
度以上に担持させても消臭性の効果に大きな差が生じな
いので、消臭剤の好ましい担持量は、抄紙工程時に消臭
剤を担持させて、シートの表面と内部の全体に消臭剤を
担持させる場合、シート100重量部当たり0.1〜1
0重量部であり、塗布等、シートの表面に消臭剤を担持
させる場合、0.05〜1g/m2 である。
【0029】本発明の消臭性シートは、消臭剤が化学的
及び物理的に優れた安定性を有しているため、加工法に
制限はなく、長期に亘って消臭性を発揮させることがで
きる。従って、成形することができる形態には特に制限
がなく、通常の紙に可能な形態は全て可能であり、例え
ばパイプ、ハニカム、箱、巻物、袋及び折り紙で作られ
る各種形態等がある。
【0030】○用途 本発明の消臭紙は消臭性を必要とする種々の分野で利用
することができ、具体的な使用分野として例えば、医療
用包装紙、食品用包装紙、鮮度保持紙、紙製衣料、空気
清浄用フィルター、壁紙、ティッシュペーパー、トイレ
ットペーパー等がある。以下、本発明を実施例によりさ
らに具体的に説明する。
【0031】
【実施例及び比較例】
(実施例1〜13及び比較例1〜4)本発明における特
定の消臭剤を所定の重量比で配合した各種の消臭剤
[A]〜[M](下記表1,2。表中における混合比は
重量比である。)、又は比較のための従来の消臭剤
[a]〜[d](下記表2)を、アクリル樹脂系バイン
ダーに、固形分に対して10wt%添加した。これを、
和紙に対し消臭剤が1.0g/m2 となるように塗布
し、150℃で乾燥して消臭性のコーティング加工紙を
得た。また、比較として消臭剤を担持させないコーティ
ング加工紙も作製した(比較例5)。
【0032】(実施例14〜26及び比較例5〜8)本
発明における特定の消臭剤を所定の重量比で配合した各
種の消臭剤[A]〜[M](下記表1,2、実施例14
〜26)、又は比較のための従来の消臭剤[a]〜
[d](下記表2、比較例5〜8)を、パルプに対して
2wt%となるように木材パルプに添加、さらにカチオ
ン性及びアニオン性凝集剤を適量添加、混合した。タッ
ピスタンダードシートマシーンにより抄紙し、120℃
のプレス乾燥することにより消臭紙を得た。また、比較
として消臭剤を含有しない紙も作製した(比較例1
0)。
【0033】(消臭性試験)実施例及び比較例で得た各
試料について、下記表5に示した5種の各ガスに対する
消臭性を以下のようにして評価した。即ち、試料をテド
ラーバッグ(1リットル)に入れ密封し、ついでガスを注入
し、ガスを注入し終えた時から24時間後に、テドラー
バッグ中のガス濃度を検知管(ガステック株式会社製)
又はガスクロマトグラフィー(島津製作所株式会社製)
により測定した。尚、テドラーバッグにガスを注入した
時のガス初期濃度は下記表5の通りである。但し、ガス
発生源が液体である場合、約2時間放置して完全にガス
化した後に試料をガスと接触させた。ガス濃度の測定方
法は、ガスの種類によって適宜選択し、硫黄系悪臭ガス
はガスクロマトグラフィーを用い、その他のガスについ
ては、検知管を用いた。尚、測定機器の制限から、100p
pmを越える高濃度の場合は、測定可能な濃度に適宜希釈
してガスクロマトグラフィーを行い、得られた測定値を
希釈倍率に従って原濃度に換算した。上記のようにして
得られた消臭性試験の結果を下記表4〜7に示した(表
中にNDとあるのは検出限界以下であることを示す)。
【0034】
【表1】
【0035】*1)HDT:Al/Mgハイドロタルサ
イト化合物
【0036】
【表2】
【0037】*1)クラレ株式会社製商品名:クラレコ
ール3GCー H
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】
【0041】
【表6】
【0042】
【表7】
【0043】上記表4の実施例1,2 及び上記表6の実施
例14,15 の結果から、消臭剤イを含有するシートはアン
モニア等の塩基性ガスに対する消臭性が優れていること
がわかる。上記表4の実施例3 〜5 及び上記表6の実施
例16〜18の結果から、消臭剤ロを含有するシートは、硫
化水素、メチルメルカプタン等の含硫黄系ガスに対する
消臭性が特に優れており、アンモニア等の塩基性ガスに
対しても優れた消臭性を有していることがわかる。上記
表4の実施例6 〜8 及び上記表6の実施例19〜21の結果
から、消臭剤ハを含有させたシートは、アセトアルデヒ
ド等のアルデヒド類ガス及び酢酸等の低級脂肪酸ガスに
対する消臭性が優れていることがわかる。上記表5の実
施例9 及び上記表6の実施例22の結果から、消臭剤イと
消臭剤ロを含有するシートは塩基性ガス、含硫黄系ガス
及び低級脂肪酸ガスに対する消臭性が優れていることが
わかる。上記表5の実施例10及び上記表6の実施例23の
結果から、消臭剤イと消臭剤ハを含有するシートは塩基
性ガス及び低級脂肪酸ガスに対する消臭性が優れている
ことがわかる。上記表5の実施例11及び上記表6の実施
例24の結果から、消臭剤ロと消臭剤ハを含有するシート
は含硫黄系ガス、アルデヒド類ガス及び低級脂肪酸ガス
に対する消臭性が特に優れており、塩基性ガスに対して
も優れていることがわかる。上記表5の実施例12〜13及
び上記表7の実施例25,26 の結果から、消臭剤イ、消臭
剤ロ及び消臭剤ハを含有するシートは、塩基性ガス、含
硫黄系ガス、アルデヒド類ガス及び低級脂肪酸ガスの多
様な悪臭ガスに対する消臭性が特に優れていることがわ
かる。
【0044】実施例1で得た試料を多量のアンモニアガ
スを充填した容器中に放置して、一旦消臭性をなくした
後に、試料に殺菌灯で紫外線を8日間照射して、上記の
試験方法と同様にしてアンモニアガスに対する消臭性試
験を行った所、上記表4の実施例1と同様に優れた消臭
性を発揮した。
【0045】
【発明の効果】本発明の消臭性シートは、水に対して不
溶性又は難溶性であり、人体に対する安全性に優れた消
臭剤を含有するものであり、優れた消臭性を有する。即
ち、消臭剤イを含有する消臭性シートは、塩基性ガスに
対する消臭性に優れ、消臭剤ロを含有する消臭性シート
は、含硫黄系ガスや低級脂肪酸ガスに対する消臭性に優
れ、消臭剤ハを含有する消臭性シートは、アルデヒド類
ガスや低級脂肪酸ガスに対する消臭性に優れる。又、消
臭剤イと消臭剤ロは、紫外線の照射により塩基性ガスに
対する消臭性を再生させることができる。従って、本発
明の消臭性シートは、空気清浄用フィルター、食品等の
各種包装材として有用である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式〔1〕で示される水に対して不
    溶性又は難溶性の4価金属リン酸塩を担持させたことを
    特徴とする消臭性シート。 Ha b c (PO4 d ・nH2 O 〔1〕 〔Mは4価金属であり、a、b、c及びdは式(a+4
    b=2c+3d)を満たす正数であり(但し、cは0で
    あっても良い)、nは0又は正数である。〕
  2. 【請求項2】下記一般式〔2〕で示される水に対して不
    溶性又は難溶性の4価金属リン酸塩を担持させたことを
    特徴とする消臭性シート。 Ha b c d e (PO4 f ・nH2 O 〔2〕 〔Aは1価金属であり、Bは2価金属であり、Mは4価
    金属であり、a、b、c、e及びnは0又は正数であっ
    て、bとcが共に0であることはなく、d及びfは正数
    であり、a、b、c、d、e及びfは式(a+b+2c
    +4d=2e+3f)を満たす。〕
  3. 【請求項3】ハイドロタルサイト化合物又はその焼成
    物、水和酸化ジルコニウム、及び酸化ジルコニウムより
    選ばれる少なくとも1種を担持させたことを特徴とする
    消臭性シート。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003049396A (ja) * 2001-07-31 2003-02-21 Toagosei Co Ltd 消臭性紙、およびこれを用いる糞尿臭の消臭方法
WO2003056947A1 (fr) * 2002-01-08 2003-07-17 Japan Tobacco Inc. Filtre anti-fumee et article a fumer
JP2007538173A (ja) * 2004-05-18 2007-12-27 アクゾ ノーベル エヌ.ブイ. ハイドロタルサイトを含む板紙

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