JPH10277180A

JPH10277180A - ゴルフクラブ

Info

Publication number: JPH10277180A
Application number: JP9099797A
Authority: JP
Inventors: Takanori Kato; 貴紀加藤
Original assignee: NIPPON BAINDAA KOGYO KK
Current assignee: NIPPON BAINDAA KOGYO KK
Priority date: 1997-04-01
Filing date: 1997-04-01
Publication date: 1998-10-20

Abstract

(57)【要約】【課題】ゴルフボール打撃時の衝撃がグリップに伝わ
るのを緩和する。【解決手段】ヘッド(4、10) のヒッティング面(5a)の
背後には衝撃緩和空間(A) を形成し、衝撃緩和空間内に
はその全容積に対する空隙率が５〜４０％の範囲となる
ように衝撃緩和部材(8) をほぼスイング前後方向に移動
可能に収容する。ゴルフボール(7) に向かうスイング時
に衝撃緩和部材をスイングの後方向に移動させ、ゴルフ
ボールの打撃時に衝撃緩和部材を衝撃緩和空間内のヒッ
ティング面背後の壁面に高速で衝突させ、打撃による衝
撃を緩和させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明はゴルフクラブに関
し、特にゴルフボールの打撃時においてグリップを握る
手への衝撃を緩和しうるようにしたクラブに関する。

【０００２】

【従来の技術】ゴルフクラブではシャフトの一端側にグ
リップを装着し、シャフトの他端側にヘッドを固定し、
ヘッドに、例えばアイアンやパターの場合にはほぼ平坦
面状のヒッティング面、ドライバーの場合にはほぼ球面
状又はほぼ平坦面状のヒッティング面を形成した構造が
一般的に採用されている。

【０００３】かかるゴルフクラブではヒッティング面の
ほぼ中央領域にスイート領域が存在し、スイート領域以
外の領域でゴルフボールを打撃すると、グリップを把持
する手に対する衝撃が大きく、スイート領域でゴルフボ
ールを打撃すると、グリップを把持する手に対する衝撃
が小さくなることが知られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のゴルフ
クラブではスイート領域でゴルフボールを打撃した場合
にはそれ以外の領域で打撃した場合に比して衝撃は小さ
いものの、ゴルフボール打撃時の衝撃がそのままシャフ
トを経てグリップに伝わりやすく、特に初心者の場合に
は手が痺れることがあった。

【０００５】本発明は、かかる問題点に鑑み、ゴルフボ
ール打撃時の衝撃がグリップに伝わるのを緩和するよう
にしたゴルフクラブを提供することを課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明に係るゴ
ルフクラブは、シャフト上端のグリップを把持し、シャ
フト下端のヘッドのヒッティング面でゴルフボールを打
撃するようにしたゴルフクラブにおいて、上記ヘッドの
ヒッティング面の背後には衝撃緩和空間が形成され、該
衝撃緩和空間内には上記衝撃緩和空間の全容積に対する
空隙率が５〜４０％の範囲となるように衝撃緩和部材が
ほぼスイング前後方向に移動可能に収容されており、ゴ
ルフボールに向かうスイング時に上記衝撃緩和部材が上
記衝撃緩和空間内のスイング後方向に移動され、ゴルフ
ボールに対する上記ヒッティング面の打撃時に上記衝撃
緩和部材が前方に高速移動され、上記衝撃緩和空間内の
ヒッティング面背後の壁面に衝突されて上記打撃による
衝撃を緩和可能となしたことを特徴とする。

【０００７】本発明はクラブの種類に限定されず、ドラ
イバー型クラブ、アイアン型クラブ、パターのいずれに
も適用できる。

【０００８】本発明の特徴の１つはヒッティング面の背
後に衝撃緩和空間を形成し、そこに衝撃緩和部材を移動
可能に収容し、ゴルフボールの打撃時に衝撃緩和部材を
ヒッティング面の背後に高速で衝突させ、その衝突によ
る前方への衝撃と、ゴルフボールの打撃によるヘッドの
背後方向に向かう衝撃を相互に打ち消し合わせ、衝撃緩
和部材の衝突時の反作用としての衝撃は衝撃緩和部材自
体及び／又はその衝撃緩和空間内の移動にて緩和するよ
うにした点にある。

【０００９】従って、衝撃緩和空間内には衝撃緩和部材
がスイングの前後移動する空隙が存在していることが重
要である。この空隙は大きいほど衝撃緩和部材による衝
撃が大きくなり、その分だけ打撃時の大きな衝撃を緩和
できるが、衝撃緩和空間内の空隙が大き過ぎると、衝撃
緩和部材の衝突とゴルフボール打撃との間にタイムラグ
が生じ、打撃による衝撃がグリップに伝わった後に衝撃
緩和部材が衝突することが懸念される。そこで、衝撃緩
和空間内の空隙率を５〜４０％に設定しているが、ヘッ
ドの大きさや重さ、衝撃緩和部材の材質、通常のゴルフ
プレイヤーのスイング速度等を考慮すると、５〜１０％
が最適である。なお、この衝撃緩和空間の容積はクラブ
の種類によって適宜設定するのがよい。例えば、打撃時
における衝撃力の大きいドライバーやロングアイアンの
場合には容積を大きくし、衝撃力の小さいショートアイ
アンやパター等の場合には小さくするのが好ましい。

【００１０】また、衝撃緩和部材は衝撃緩和空間の壁面
への衝突にて打撃時の衝撃を緩和できれば、特に材料は
限定されないが、通常採用しうる材料、例えば鉄系材
料、アルミニウム系材料、チタン系材料、あるいはセラ
ミックス系材料、硬質樹脂材料、これらの複合材料等、
硬質の材料を使用する場合には粒状となすのがよい。本
件発明者らの試作によれば、衝撃緩和効果を期する上
で、粒径０．５〜５．０ｍｍ、好ましくは０．５〜２．
０ｍｍの粒状がよいことが確認されている。これは粒体
がヒッティング面背後の壁面に衝突して打撃時の衝撃を
緩和するのに十分な大きさであり、しかも衝突時の反動
による衝撃をその背後の多数の粒体の相互の衝突にて分
散されるとともに、粒体が衝撃緩和空間内を空隙を飛び
跳ねることによって衝撃が概ね吸収されるのに十分な大
きさであるからである。

【００１１】他方、鉛や鉛系合金等のような軟質金属材
料の場合、衝撃緩和部材は上述のように粒状としてもよ
いが、衝撃を吸収しやすいという材質的な特性があるの
で、一体的に形成してもよい。

【００１２】衝撃緩和空間はヘッド内のヒッティング面
背後の全領域に形成してもよく、又ゴルフボールの打撃
を行う領域であるヒッティング面のスイート領域の背後
のみに形成してもよい。但し、スイート領域の全体をカ
バーするように衝撃緩和空間を形成すると、衝撃緩和部
材の衝突による衝撃がスイート領域の全体に分散される
一方、ゴルフボールの打撃が小さな領域で起こるので、
打撃時の衝撃をカバーしきれないことが懸念される。

【００１３】そこで、衝撃緩和空間を複数の単位空間か
ら構成し、各単位空間内に衝撃緩和部材を収容し、複数
の各単位空間をヒッティング面のスイート領域のほぼ中
央に向かいかつ該ほぼ中央を通る直線に対して角度をな
すように傾斜させ、しかも複数の各単位空間のヒッティ
ング面背後の壁面をその長手方向に延びる中心線に対し
てほぼ垂直に形成すると、ヒッティング面のスイート領
域のほぼ中央近傍に複数の各単位空間内の衝撃緩和部材
が衝突し、衝突による衝撃が集中して打撃による衝撃を
確実に緩和できるばかりでなく、かえってゴルフボール
への打撃力となって飛距離を増大できることが期待され
る。

【００１４】ところで、ゴルフクラブのグリップはしっ
かりと把持していないと、ゴルフボール打撃時の衝撃に
よってヘッドのトウ側が遅れる、いわゆるヘッドの返り
が起きて飛行するゴルフボールにスライスが発生するこ
とがある。他方、シャフト回りのモーメントを考えた場
合、シャフト回りにはゴルフボール打撃による背後方向
に向かう反動トルクと、衝撃緩和部材の衝突に起因する
前方に向かう慣性モーメントとが作用するが、衝撃緩和
空間をヒッティング面の中央よりトウ側に形成すると、
シャフトと衝撃緩和空間内における衝撃緩和部材の衝突
位置との間の距離がシャフトとヒッティング面のゴルフ
ボール打撃位置との間の距離に比して大きく、慣性モー
メントが反動トルクよりも大きくなるので、上述の打撃
による衝撃は確実に緩和されるばかりでなく、ゴルフボ
ール打撃時の衝撃に起因するヘッドの返りを抑制でき
る。しかも、小さなスイング力で大きな慣性モーメント
が得られので、ゴルフボールの打撃力をアップして飛距
離を増大できることが期待される。

【００１５】

【作用及び発明の効果】本発明によれば、ゴルフボール
の打撃時に衝撃緩和部材がヒッティング面背後の壁面に
衝突して衝撃力を緩和するので、グリップには衝撃がほ
とんど伝わらない。その結果、初心者がゴルフクラブを
強い力でスイングしてゴルフボールを打撃しても手が痺
れることがない。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す具体例
に基づいて説明する。図１及び図２は本発明のゴルフク
ラブの好ましい実施形態を示す。本例のゴルフクラブ１
において、スチール製又はカーボン製の長尺のシャフト
２の上端部にはゴム製又は軟質合成樹脂製のグリップ３
が取付けられ、又シャフト２の下端にはドライバー型の
メタルヘッド４が取付けられている。

【００１７】このヘッド４はフェイス部５とヘッド本体
部６とを相互に固着して構成され、上記フェイス部５の
前面にはゴルフボール７を打撃するヒッティング面５ａ
が大略球面状をなすように形成され、該ヒッティング面
５ａの中央にはスイート領域が設定されている。また、
フェイス部５の後壁面にはヒッティング面５ａのスイー
ト領域とほぼ対向するように後壁部５ｂが突設されてい
る。

【００１８】他方、ヘッド本体部６には矩形状の凹部６
ａがフェイス部５の後壁部５ｂに臨んで凹設され、該凹
部６ａの前面開口がフェイス部５の後壁部５ｂで閉塞さ
れ、両者によって衝撃緩和空間Ａが形成されている。

【００１９】上記衝撃緩和空間Ａ内には衝撃緩和部材と
しての多数の硬質金属粒体８が収容されている。この硬
質金属粒体８は粒径０．５〜２．０ｍｍの鉄球からな
り、その収容量は衝撃緩和空間Ａの全容積に対する空隙
率が５〜１０％の範囲となるように設定されている。

【００２０】本例のゴルフクラブ１は通常のゴルフクラ
ブと同様に用いる。即ち、ゴルフボール７に対してスク
エアーに構え、グリップ３を握ってバックスイング及び
ダウンスイングを行ない、ヘッド４のスイート領域、好
ましくはその中央小領域Ｓでゴルフボール７を打撃すれ
ばよい。

【００２１】その際、ダウンスイング中にはヘッド４の
速度が次第に増加し、ゴルフボールの位置で加速度がゼ
ロとなってヘッド４の速度の最大となるが、多数の金属
粒体８は衝撃緩和空間Ａの背後方向に相対的に移動し、
衝撃緩和空間Ａ内の後壁部５ｂの背後には空隙が形成さ
れる。

【００２２】ヘッド４でゴルフボール７を打撃した瞬間
にはヘッド４には打撃による衝撃が作用するが、同時に
ヘッド４の速度は瞬間的にはゼロとなり、多数の金属粒
体８は衝撃緩和空間Ａ内を前方に高速移動して後壁部５
ｂに衝突し、その衝突による衝撃と打撃による衝撃とが
相互に打ち消し合う。他方、多数の金属粒体８には衝突
の反作用としての衝撃が作用するが、金属粒体８同士が
相互に衝突してその衝撃力が多数の金属粒体８に分散さ
れるとともに、後方側の金属粒体８が空隙内を飛び跳ね
ることによって衝突の反作用としての衝撃が吸収され、
結果的に打撃時の衝撃が緩和されることとなる。

【００２２】従って、グリップ３にはゴルフボール７の
打撃による衝撃はほとんど伝わらず、初心者であっても
手が痺れることなく、安定したスイングを行うことがで
きることとなる。

【００２３】図３は本発明の第２の実施形態を示し、こ
れはパター型のゴルフクラブに適用した例である。図に
おいて図２と同一符号は同一又は相当部分を示す。本例
ではヘッド１０内には一対の衝撃緩和空間Ａ、Ａが形成
され、該両衝撃緩和空間Ａ、Ａはヒッティング面５ａの
スイート領域の中央小領域Ｓの中央を通り、かつスイン
グ方向に延びる直線ｃに対して所定の角度、例えば約３
０度をなすように傾斜され、両衝撃緩和空間Ａ、Ａの長
手方向の中心線ａ、ａはスイート領域の中央小領域Ｓの
中央で交差するようになっている。また、衝撃緩和空間
Ａのヒッティング面５ａの背後の壁面５ｃは中心線ａに
対してほぼ垂直に形成され、又両衝撃緩和空間Ａ内には
多数の硬質金属粒体８が収容されている。

【００２４】本例では両衝撃緩和空間Ａ、Ａがスイート
領域の中央小領域Ｓの中央に指向するように傾斜されて
いるので、ゴルフボール７の打撃時における多数の硬質
金属粒体８の壁面５ｃへの衝突エネルギーがゴルフボー
ル７を打撃する中央小領域Ｓの中央に集中させることが
でき、これにより打撃による衝撃を緩和できる。なお、
本例の考え方をドライバー型ヘッドに適用すると、ゴル
フボール７の打撃力自体をアップさせて飛距離をアップ
させることができる。

【００２５】図４は本発明の第３の実施形態を示し、図
において図２と同一符号は同一又は相当部分を示す。本
例では衝撃緩和空間Ａがヘッド４のスイート領域の中央
小領域Ｓの中央を通り、かつスイング方向に延びる直線
ｃよりトウ側の部位に形成されている。

【００２６】通常、ゴルフボール７の打撃時にはその衝
撃に起因してヘッド４のトウ側が遅れる、いわゆるヘッ
ド４の返りが起き、打撃したゴルフボール７にスライス
が発生しやすい。これに対し、本例では衝撃緩和空間Ａ
がトウ側に形成されているので、多数の硬質金属粒体８
の衝突によるシャフト２回りの慣性モーメントＭがゴル
フボール７の打撃の衝撃によるシャフト２回りの反動ト
ルクＴに比して大きくなり、グリップ３には衝撃がほと
んど伝わらないばかりでなく、ヘッド４の返りを小さく
して正確な方向にゴルフボール７を飛ばすことができ
る。しかも、多数の硬質金属粒体８の衝突によるシャフ
ト２回りの慣性モーメントによってゴルフボール７に対
する打撃力をアップさせることができ、小さいスイング
力でゴルフボール７の飛距離をさらにアップさせること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るゴルフクラブの第１の実施形態
を示す概略斜視図である。

【図２】上記実施形態におけるヘッドの断面平面図で
ある。

【図３】本発明の第２の実施形態を示すヘッドの断面
平面図である。

【図４】本発明の第３の実施形態を示すヘッドの断面
平面図である。

【符号の説明】

１ゴルフクラブ２シャフト３グリップ４、１０ヘッド５ａヒッティング面７ゴルフボール８金属粒体（衝撃緩和部材）Ａ衝撃緩和空間Ｓスイート領域の中央小領域

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号ＦＩＡ６３Ｂ 53/04 Ａ６３Ｂ 53/04 Ｋ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】シャフト上端のグリップを把持し、シャ
フト下端のヘッドのヒッティング面でゴルフボールを打
撃するようにしたゴルフクラブにおいて、上記ヘッド内にはヒッティング面の背後に衝撃緩和空間
が形成され、該衝撃緩和空間内には上記衝撃緩和空間の
全容積に対する空隙率が５〜４０％の範囲となるように
衝撃緩和部材がほぼスイング前後方向に移動可能に収容
されており、ゴルフボールに向かうスイング時に上記衝撃緩和部材が
上記衝撃緩和空間内のスイング後方向に移動され、ゴル
フボールに対する上記ヒッティング面の打撃時に上記衝
撃緩和部材が前方に高速移動され、上記衝撃緩和空間内
のヒッティング面背後の壁面に衝突されて上記打撃によ
る衝撃を緩和可能となしたことを特徴とするゴルフクラ
ブ。
【請求項２】上記衝撃緩和空間が上記衝撃緩和部材を
各々収容する複数の単位空間からなり、該複数の各単位
空間が上記ヒッティング面のスイート領域のほぼ中央に
向かいかつ該ほぼ中央を通る直線に対して角度をなすよ
うに傾斜して形成され、上記複数の各単位空間の上記ヒ
ッティング面背後の壁面がその長手方向に延びる中心線
に対してほぼ垂直に形成され、上記ヒッティング面のス
イート領域のほぼ中央近傍に上記複数の各単位空間内の
衝撃緩和部材が衝突可能となした請求項１記載のゴルフ
クラブ。
【請求項３】上記衝撃緩和空間が上記ヒッティング面
の中央よりトウ側に形成されており、ゴルフボール打撃
時における上記衝撃緩和部材の衝撃緩和空間内のヒッテ
ィング面背後の壁面への衝突にてゴルフボール打撃時の
衝撃に起因する上記ヘッドの返りを抑制可能となした請
求項１記載のゴルフクラブ。
【請求項４】上記衝撃緩和部材は、５〜１０％の空隙
率となるように上記衝撃緩和空間内に収容されている請
求項１ないし３のいずれかに記載のゴルフクラブ。
【請求項５】上記衝撃緩和部材が粒径０．５〜５．０
ｍｍの硬質金属粒又はセラミックス粒等の複数の硬質粒
体によって構成され、該複数の粒体の相互の衝突と移動
とによって上記打撃による衝撃を緩和しうるようになし
た請求項１ないし４のいずれかに記載のゴルフクラブ。
【請求項６】上記衝撃緩和部材が鉛又は鉛系合金等の
軟質金属材料を用いて一体的に形成され、該軟質金属材
料の衝撃吸収特性と移動とによって上記打撃による衝撃
を緩和しうるようになした請求項１ないし４のいずれか
に記載のゴルフクラブ。