JPH10276637A - 魚釣り用リールの回転制動装置 - Google Patents

魚釣り用リールの回転制動装置

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JPH10276637A
JPH10276637A JP9249297A JP9249297A JPH10276637A JP H10276637 A JPH10276637 A JP H10276637A JP 9249297 A JP9249297 A JP 9249297A JP 9249297 A JP9249297 A JP 9249297A JP H10276637 A JPH10276637 A JP H10276637A
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rotor
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 極めて簡単な操作で、回転部又は制動体とリ
ール本体との間での、回転部の逆転時における迅速な逆
転止めを無音状態で可能にし、仕掛けの投擲後、魚のア
タリを待っているときに、急に大きな負荷がかかって
も、釣り糸が切断することがなく、しかも、仕掛けへの
餌の取付け時に、ロータ等の回転部が逆転することによ
って生じていた糸絡みの発生を防止することが可能な魚
釣り用リールの回転制動装置を提供する。 【解決手段】 ハンドルの回転に連動回転するロータ7
の逆転時に、該ロータ7と一体的に回転するように制動
体連結用一方向クラッチ20を介して制動体24をロー
タ7に連結し、 該制動体24を、リール本体1に支持
した操作部材17の操作で圧接して制動可能にする。操
作部材17の先端に、その操作時に制動体24に当接す
る主制動片18と、操作部材17の非操作時に制動体2
4に当接する副制動片19とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロータの逆回転時
に一体的に回転する制動体に、リール本体に設けた制動
操作部材によって制動がかけられる魚釣り用リールの回
転制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の回転制動装置としては、
特開平7−163277号公報、実公平6−42465
号公報等に開示されているように、ロータを含む回転部
と制動体との間に、ころがり型一方向クラッチを設ける
ことによって、回転部の逆転止め時における係合歯と係
合爪との衝突音の発生を防止し、回転部の逆転時におけ
る制動体との遊びを無くして、迅速な逆転止めとこれに
起因する糸切れ等のトラブルの防止を図ったものが提案
されている(以下、「先行技術A」という)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先行技
術Aに開示された回転制動装置においては、回転部又は
制動体の何れかに係合歯を形成し、この係合歯に係合す
る係合片をリール本体に設けているので、回転部又は制
動体とリール本体との間で、回転部の逆転時における迅
速な逆転止めができず、係合歯と係合爪との衝突音が発
生するという問題があった。
【0004】また、逆転時に回転部、又は、これと一体
的に回転可能に一方向クラッチを介して連結された制動
体に形成された係合歯と、リール本体に形成された係合
爪とを係合可能に切り換えて、回転部の逆転に起因する
釣り糸の繰り出しを防止するものであるため、仕掛けの
投擲後、魚のアタリを待っているときに、急に大きなア
タリ等の負荷がかかると、回転部の逆転が拘束されてい
るために、釣り糸が切断してしまうという問題がある。
【0005】また、前述の大きな負荷による糸切れの問
題を解消すべく、係合歯と係合爪との係合を解除する
と、仕掛けへの餌の取付け時に、ロータ等の回転部が逆
転して糸絡みが生じ、釣りができなくなるとう問題があ
った。
【0006】従って、釣り人は、前記問題の解消のため
に、仕掛けを取り込んで、餌付けの都度に、係合歯と係
合爪とを係合させ、仕掛けを投入後、魚のアタリを待つ
都度に、係合歯と係合爪との係合を解除しなければなら
ないという煩雑な作業を強いられ、この作業を怠ると、
前述の糸切れや糸絡みを招く問題があった。
【0007】本発明は、先行技術Aが包蔵する問題を解
決し、即ち、極めて簡単な操作で、回転部又は制動体と
リール本体との間での、回転部の逆転時における迅速な
逆転止めを無音状態で可能にし、仕掛けの投擲後、魚の
アタリを待っているときに、急に大きな負荷がかかって
も、釣り糸が切断することがなく、しかも、仕掛けへの
餌の取付け時に、ロータ等の回転部が逆転することによ
って生じていた糸絡みの発生を防止することが可能な魚
釣り用リールの回転制動装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】以下、本発明の実施形態
を示す図面に対応付けて本発明を説明する。但し、本発
明は図示の形態に限定されない。
【0009】請求項1の本発明は、ハンドルの回転に連
動回転するロータ(7)の逆転時に、前記ロータ(7)
と一体的に回転するように、制動体連結用一方向クラッ
チ(20)を介して制動体(24)を前記ロータ(7)
に連結し、前記制動体(24)を、リール本体(1)に
支持した操作部材(17)の操作で圧接して制動可能に
した魚釣り用リールの回転制動装置において、前記操作
部材(17)の先端に、前記操作部材(17)の操作時
に前記制動体(24)に当接する主制動片(18)と、
前記操作部材(17)の非操作時に前記制動体(24)
に当接する副制動片(19)とを設けることを特徴とし
ている。
【0010】本発明のこの特徴によれば、下記効果がも
たらされる。
【0011】 操作部材の操作・非操作によって、ロ
ータを含む回転部に逆転止め制動力を付与することがで
きるので、仕掛けの投擲後等に、操作部材の操作を止め
ても、回転部に逆転止め制動力を付与することができ、
釣り糸の繰り出しを拘束する状態に、無音状態で遊びを
生ずることなく速やかに移ることができる。
【0012】 仕掛けの投擲後のアタリ待ち時には、
回転部に逆転止め制動力を付与しているだけであるか
ら、急に大きなアタリ等の負荷が釣り糸にかかっても、
回転部の逆転は許容されるので、釣り糸の切断及びこれ
に起因するトラブルの発生の防止を図ることができる。
【0013】 仕掛けの取り込み後の餌付け時等にお
いても、回転部には逆転止め制動力がかかっているの
で、釣り糸の繰り出しによる糸絡み並びにこれに起因す
るトラブルの防止を図ることができる。
【0014】 更に、魚のアタリ感知時に魚が根等に
走る場合には、操作部材を少し操作することによって制
動体への逆転制動力の解除ができるので、回転部の無負
荷での逆転によるフリー状態で、釣り糸の繰り出しがで
き、魚の習性を利用して魚の走りを速やかに停止させる
ことができる。
【0015】 更に、獲物の取り込み中等における竿
の煽り時には、操作部材を大きく操作することによっ
て、制動体への逆転制動力の付与が可能なため、この制
動力を付与したままでの竿の煽りと釣り糸の巻取り操作
を行うことができる。
【0016】 以上のように、操作部材の非操作及び
操作によって、回転部への逆転止め制動力を付与する状
態と付与しない状態とを、他の部材を操作することなく
迅速に切り換えることができる。
【0017】請求項2の本発明は、請求項1の装置にお
いて、前記操作部材(17)の非操作時に前記制動体
(24)に当接する前記副制動片(19)を、リール本
体(1)に変移可能に支持した切換部材(25)によっ
て、前記制動体(24)に当接可能位置と当接不能位置
とに切換保持することを特徴としている。
【0018】本発明のこの特徴によれば、切換部材によ
って制動片を制動体に当接可能位置に切換保持させるこ
とにより、仕掛けの投擲後に竿を保持した状態での魚の
誘いや探り等のやり取りにおいて、操作部材の非操作時
における回転部への逆転止め制動力の付与を阻止するこ
とができるので、操作部材の非操作時にはフリーでの回
転部の正逆転が可能となり、操作部材の操作時には回転
部への制動力を制御して、同回転部の正回転による釣り
糸の巻き取り、及び、その逆回転による釣り糸の繰り出
し操作を容易に行うことができ、魚の引き等に応じてた
やり取りを自由に制御することができる。
【0019】請求項3の本発明は、請求項2の装置にお
いて、前記ロータ(7)を含む回転部又は制動体(2
4)に係合歯(7a)を形成すると共に、前記係合歯
(7a)に係脱可能にリール本体(1)に設けられた係
合爪(48)を、前記切換部材(25)によって、前記
係合歯(7a)への係合可能位置と係合不能位置とに切
換保持することを特徴としている。
【0020】本発明のこの特徴によれば、切換部材の切
換操作により、係合歯に対して係合爪を係合可能位置と
係合不能位置とに切換保持できるため、釣り場の移動や
仕掛けへの餌の取付時等において、回転部の逆転による
釣り糸の繰り出しを阻止することができ、これに起因す
るトラブルを阻止できる。
【0021】請求項4の本発明は、請求項2または請求
項3の装置において、前記操作部材(17)と前記切換
部材(25)とを連結部材(30)によって連結し、前
記操作部材(17)の前記制動体(24)への当接操作
時に前記切換部材(25)を作動して、前記副制動片
(19)を前記制動体(24)への当接不能位置に、又
は、前記係合爪(48)を前記係合歯(7a)への係合
不能位置に切換保持することを特徴としている。
【0022】本発明のこの特徴によれば、操作部材の制
動体への当接操作時に、切換部材による制動片の制動体
当接不能位置への切換、又は、係合爪の係合歯係合不能
位置への切換ができ、釣行時の竿への糸通しや仕掛けの
装着、釣り場の移動時、又は、仕掛けに餌を付けた後の
仕掛けの投擲、アタリ待ち時等に、逆転制動または逆転
止め状態に切り換えていても、アタリ感知時の手返しの
一連の動作による操作部材の操作と同時にこれ等の状態
を切換解除できるから、この切換忘れによるトラブルを
阻止できる。
【0023】請求項5の本発明は、請求項1乃至請求項
4の何れか1つの装置において、前記操作部材(17)
の非操作時に前記制動体(24)に当接する副制動片
(19)の当接力を調整する調整手段(27)を、前記
操作部材(17)による副制動片(19)の駆動系とリ
ール本体(1)との間に設けたことを特徴としている。
【0024】本発明のこの特徴によれば、調整手段によ
って、操作部材の非操作時における制動体への制動片の
当接力、即ち、制動力の調整ができるため、操作部材の
非操作時における制動力を釣り糸の耐衝撃力や対象魚の
引き等に合わせることができ、アタリ時の糸切れや不測
の釣り糸の繰り出しの防止が図れる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施形態に
かかる回転制動装置Aを、図1乃至図5を参照して説明
する。
【0026】図1は、本発明の第1の実施形態にかかる
回転制動装置Aが組み込まれたスピニングリールの全体
構成を示している。このスピニングリールは、竿管(図
示せず)への取付脚1aを有するリール本体1と、その
リール本体1に回転自在に装着されたハンドル軸2と、
リール本体1の前端部に保持筒12を介して取り付けら
れたベアリング3aと、リール本体1の前端部に嵌合さ
れたベアリング3bと、これらベアリング3a、3bの
内周に回転自在に装着された軸筒4とを有している。
【0027】ハンドル軸2は、リール本体1の側方に配
置されたハンドル(図示せず)の操作によって軸線周り
に回転駆動される。ハンドル軸2にはマスター歯車5が
一体回転可能に装着され、そのマスター歯車5は軸筒4
の後端部に設けられたピニオン6と噛み合っている。軸
筒4の前端部にはロータ7がナット8によって一体回転
可能に取り付けられている。従って、ハンドル軸2が回
転すると、その回転がマスター歯車5、ピニオン6及び
軸筒4を介してロータ7に伝達されてロータ7が軸筒4
と共に回転する。
【0028】軸筒4の中心にはスプール軸9がその軸線
方向に移動自在に装着される。スプール軸9の先端(図
1の左端)には、スプール10が取り付けられている。
スプール軸9の後端はオシレート機構11と連結され
る。オシレート機構11は、マスター歯車5の回転をス
プール軸9の軸線方向の運動に変換して、スプール10
をリールの前後方向に往復運動させる。
【0029】ロータ7の外周には一対のサポートアーム
7a、7aが設けられ、それらのサポートアーム7a、
7aの先端には、ベールアームホルダ13及びベールア
ームレバー14がピン(図示せず)を中心として回転自
在に取り付けられている。ベールアームレバー14には
釣り糸(図示せず)を案内するためのラインローラ15
が取り付けられ、そのラインローラ15とベールアーム
ホルダ13との間にベールアーム16が装着されてい
る。ベールアーム16を釣り糸の巻き取り位置に倒して
ラインローラ15に釣り糸を巻き掛けた状態でハンドル
を正転させると、ロータ7が正転しつつスプール10が
前後に往復して釣り糸が巻き取られる。
【0030】図1に示すように、リール本体1の保持筒
12の外周には、ベアリング3cを介してドラム型の制
動体24が回転自在に装着されている。制動体24は、
その外周に折り返し部を有しており、この折り返し部の
内周に外側制動面24aが形成されている。又、制動体
24は、その中央部にボス部を有しており、このボス部
の外周に、上記外側制動面24aと対向する内側制動面
24bが形成されている。
【0031】リール本体1には、操作部材17がピン2
6を中心として回動操作可能に取り付けられている。操
作部材17の先端上面には、上述した制動体24の外側
制動面24aに当接可能な主制動片18が設けられ、そ
の先端下面には、上述した制動体24の内側制動面24
bに当接可能な副制動片19が設けられている。
【0032】本発明の第1の実施形態にかかる回転制動
装置Aにおいては、構造を簡略化するために、主制動片
18と副制動片19とを一体的に形成している。即ち、
本発明の第1の実施形態にかかる回転制動装置Aにおい
ては、主制動片18及び副制動片19を一体的に有する
略U字状の制動ブロックが、操作部材18の先端に取り
付けられている。
【0033】図1及び図3に示すように、操作部材17
をリール本体1に揺動可能に支持している軸26の上方
において、操作部材17とリール本体1との間にバネ2
8が配置されている。即ち、このバネ28の一端は、リ
ール本体1に形成されたネジ孔に螺合された雄ネジ27
に内装されており、その他端は、操作部材17に当接し
ている。従って、操作部材17の非操作状態において、
バネ28の弾発力によって、副制動片19が制動体24
の内側制動面24bに当接する。上述したバネ28の弾
発力の調整は、バネ28を内装したネジ27の螺合量に
応じて行なわれる。このように、バネ28及びこれを内
装したネジ27は、制動力を調整するための調整手段を
構成している。
【0034】図1乃至図3に示すように、制動体24と
ロータ7との間には一方向クラッチ20が設けられてい
る。この一方向クラッチ20は、制動体24に固定され
るか又は制動体24と一体に設けられる内輪22と、内
輪22の外周面上に転動可能に設けられる複数(図では
6個)の円柱状のころがり部材23…と、ころがり部材
23に外周側から接するように設けられた外輪21と、
各ころがり部材23に隣接して配置される保持器23a
と、ころがり部材23と保持器23aとの間に配置され
てころがり部材23をロータ7の逆転方向(図2の矢印
Y方向)に付勢する圧縮コイルばね23bとを有してい
る。
【0035】内輪22の外周には略六角形状のカム部2
2aが形成されている。ころがり部材23、保持器23
a及び圧縮コイルバネ23bは、カム部22aの各面に
それぞれ一つずつ配置されている。外輪21は、ロータ
7の内周面に固定されるか又はロータ7と一体に設けら
れ、その外輪21の内周には円筒面21aが形成されて
いる。保持器23aは、制動体24に固定されるか、又
は、制動体24と一体に設けられる。
【0036】この一方向クラッチ20によれば、ロータ
7及び外輪21に正転運動(図2の矢印X方向)が伝達
された場合には、ころがり部材23が圧縮コイルバネ2
3bを縮めつつ外輪21と内輪22との隙間が拡大する
方向に変位して、外輪21と内輪22との間で自由に回
転可能となる。従って、内輪22に対する外輪21の正
転が許容される。即ち、ハンドルによりロータ7を正転
させた場合には、外輪21と内輪22とは、ころがり部
材23による楔作用が発揮されることなく、自由な正転
が可能になる。
【0037】一方、ロータ7及び外輪21に逆転運動
(図2の矢印Y方向)が伝達された場合には、ころがり
部材23がカム部22aの角部に乗り上げて、外輪21
と内輪22との間に挟み込まれる。これにより、ころが
り部材23と外輪21及び内輪22との間に楔作用が生
じて、外輪21と内輪22との相対回転が規制され、外
輪21と内輪22とが一体に逆転するようになる。即
ち、ハンドルによりロータ7を逆転させた場合には、外
輪21と内輪22とは、ころがり部材23による楔作用
により、相互の回転が規制される。
【0038】このようにハンドルの回転に連動回転する
ロータ7の逆転時に、該ロータ7と一体的に回転するよ
うに、ロータ7は一方向クラッチ20を介して制動体2
4に連結されている。
【0039】本発明の上述した第1の実施形態の回転制
動装置Aの作動について説明する。
【0040】操作部材17の非操作時には、副制動片1
9は制動体24の内側制動面24bにバネ28の調節可
能な当接力で当接され、これによって制動体24に制動
力が付与されて、サブブレーキONの状態に置かれる
(図1参照)。その結果、制動体24のリール本体1に
対する回転は、バネ28の弾発力に起因する所定の制動
力の下に拘束されながら、ロータ7の制動体24に対す
る正転のみが一方向クラッチ20の楔作用によって許容
される。
【0041】操作部材17をバネ28の弾発力に抗して
小さく操作すると、副制動片19は制動体24から離隔
する。この際、操作部材18の操作ストロークが小さい
ために、操作部材18の先端上面に設けられた主制動部
18は制動体24に当接せず、サブブレーキOFF・メ
インブレーキOFFの状態に置かれる。その結果、制動
体24のリール本体1に対する正転及び逆転の何れも可
能になる。従って、一方向クラッチ20の楔作用に拘わ
らず、ロータ7の正転及び逆転の何れも可能になる。
【0042】操作部材17を大きく操作すると、副制動
片19は制動体24の内側制動面24bから離隔する
が、操作部材17の先端上面に設けられた主制動部18
が制動体24の外側制動面24aに当接して、メインブ
レーキONの状態に置かれる。その結果、制動体24の
リール本体1に対する回転は、釣り人による操作部材1
7の任意に調節可能な操作力に起因する任意の制動力の
下に拘束されながら、ロータ7の制動体24に対する正
転はフリーの状態で、ロータ7のリール本体1に対する
逆転は一方向クラッチ20の楔作用によって拘束され
る。
【0043】このように、操作部材17の操作・非操作
によって、ロータ7、即ち、回転部に逆転止め制動力を
付与することができるので、仕掛けへの餌の取付けや仕
掛けの投擲後のアタリ待ち時等に、操作部材17の操作
を行わないことにより、釣り糸の繰り出しを阻止する状
態に、無音状態で遊びを生ずることなく速やかに移るこ
とができる。
【0044】従って、仕掛けの投擲後のアタリ待ち時
に、大きなアタリ等の負荷が釣り糸にかかっても、ロー
タ7にはバネ28による逆転止め制動力がかかっている
だけで、逆転は許容されるので、釣り糸の切断およびこ
れに起因するトラブルの発生の防止を図ることができ
る。
【0045】又、仕掛けへの餌の取付け時にも、ロータ
7にはバネ28による逆転止め制動力がかかっているの
で、釣り糸の繰り出しによる糸絡みの防止を図ることが
できる。
【0046】更に、魚のアタリ感知時に魚が根等に走る
場合には、操作部材17を小さく操作することによっ
て、制動体24への逆転制動力の解除ができるので、ロ
ータ7の無負荷での逆転によるフリー状態で、釣り糸の
繰り出しができる。
【0047】更に、獲物の取り込み中等における竿の煽
り時には、操作部材17を大きく操作することによっ
て、制動体24への逆転制動力の付与が可能なため、こ
の制動力を付与したままでの竿の煽りと釣り糸の巻取り
操作を行うことができる。
【0048】以上のように、操作部材17の非操作状態
と、操作部材17の操作の程度に応じたロータ7への逆
転止め制動力を付与する状態とを、他の部材を操作する
ことなく迅速に切り換えることができる。
【0049】勿論、上述したように、操作部材17の非
操作時には、副制動片19は制動体24の内側制動面2
4bにバネ28の調節可能な当接力で当接され、これに
よって制動体24に制動力が付与されるが、この操作部
材17を竿管から離れる方向に押し付けることによっ
て、制動体22の内側制動面24bに対する副制動片1
9の当接力を調節し、もって、制動体24への制動力を
制御することも可能である。
【0050】本発明の上述した第1の実施形態の回転制
動装置Aの一方向クラッチ20においては、内輪22の
外周に略六角形状のカム部22aが形成され、一方、外
輪21の内周に円筒面21aが形成されているものとし
て説明したが、内輪22の外周に円筒面を形成する一
方、外輪21の内周に略六角形状のカム部を形成しても
よい。勿論、このカム部は多角形状を有していればよ
く、略六角形状に限られるものではない。
【0051】又、一方向クラッチ20の内輪22は、ロ
ータ7の軸筒4の外周に固定され、又は、一体に設けら
れたものとして説明したが、これを、ロータ7の前壁後
面、或いは、ロータ7の筒部内周面等のハンドル操作に
よって回転されるロータ7の回転伝達系の何れかの位置
に設けてもよい。
【0052】又、一方向クラッチ20の外輪21を、ハ
ンドル操作によって回転されるロータ7の回転伝達系に
設ける一方、内輪22を制動体24に設けたものとして
説明したが、外輪21を制動体24に設ける一方、内輪
22をロータ7の回転伝達系に設けてもよい。
【0053】又、制動力を調整するための調整手段は、
バネ28及びこれを内装したネジ27によって構成され
るものとして説明したが、同調整手段はこれらに限定さ
れるものではなく、例えば、操作手段17の揺動中心を
形成する軸26の周りに、一端を操作手段17に取り付
けたトーションバネを配置し、その他端とリール本体1
との取付位置を変化させるものでもよい。
【0054】本発明の上述した第1の実施形態にかかる
回転制動装置Aに、リール本体1に変位可能に支持され
た切換部材25を付加し、これによって、操作部材17
の非操作時に、副制動片19を、制動体24の内側制動
面24bに当接可能な位置と当接不能な位置に切換保持
するように構成することも可能である。
【0055】この切換部材25を図4(a)及び(b)
を参照して以下に説明する。
【0056】図4(a)及び(b)から明らかなよう
に、切換部材25は、リール本体1の下部に揺動可能に
設けられたレバー29を有している。レバー29は、ス
トッパ34aを有するレバーカム34を一体的に有して
おり、そのレバーカム34の揺動中心から一方向に偏移
した位置には、ピン34bが設けられている。レバー2
9はレバーカム34と一体的に揺動するが、その揺動範
囲は、リール本体1に設けられ、上記ストッパ34aに
選択的に接触する下方突起41及び上方突起42によっ
て制限されている。レバーカム34には、その回転方向
に弾発力を付与するためのデッドポイントバネ37が取
り付けられている。即ち、バネ37の一端をレバーカム
34に、その他端をリール本体1にそれぞれ取り付ける
ことによって、レバーカム34にその回転方向に対する
弾発力を付与し、もって、切換状態を確実に保持するよ
うに構成されている。
【0057】上述した切換部材25は、副制動片19の
制動体24への当接可能位置と当接不能位置とを、連結
部材30aを介して切換保持する。即ち、連結部材30
aは、略C字状の形状を有しており、ネジ35によっ
て、リール本体1に揺動可能に支持されている。連結部
材30aの一端31は、操作部材17の先端部分の下面
に当接可能である。一方、連結部材30aの他端32に
は、略U字状の溝33が形成されており、この溝33内
に上述したレバーカム34のピン34bが挿入されてい
る。
【0058】切換部材25のレバー29の操作によっ
て、レバーカム34を時計方向に回転させて、そのスト
ッパ34aを下方突起41に接触させると、連結部材3
0aが反時計方向に揺動して、操作部材17を僅かに上
方に持ち上げる(図4(a)参照)。このような状態に
おいては、操作部材17の先端は、制動体24の外側制
動面24aと内側制動面24bとの中間の位置に置か
れ、換言すれば、主制動片18及び副制動片19は、制
動体24の外側制動面24a及び内側制動面24bにそ
れぞれ当接せず、サブブレーキOFF・メインブレーキ
ONの状態に置かれる。(図3参照)。
【0059】切換部材25のレバー29の操作によっ
て、レバーカム34を反時計方向に回転させて、そのス
トッパ34aを上方突起42に接触させると、連結部材
30aが時計方向に揺動して、その一端31が操作部材
17の先端部分の下面から離れる。これにより、操作部
材17の非操作時には、副制動片19は制動体24の内
側制動面24bにバネ28の調節可能な当接力で当接さ
れて、サブブレーキONの状態に置かれ、これによって
制動体24に制動力が付与される(図1参照)。
【0060】このようにして、操作部材17の非操作時
において、切換部材25によって、副制動片19は制動
体24への当接可能な位置(図1)及び当接不能な位置
(図3)に切換保持される。
【0061】上述した連結部材30aは、ネジ35を中
心として揺動可能に支持されるものとして説明したが、
これを揺動可能ではなく、上下動可能に構成することも
可能である。図5は、上述した連結部材30aの変形
例、即ち、上下動可能に構成された連結部材30bと、
切換部材25との組合せの態様を示している。
【0062】図5に示した連結部材30bも、上述した
連結部材30aと同様に、略C字状の形状を有してお
り、その一端31は、操作部材17の先端部分の下面に
当接可能であるが、その他端32には、横方向に伸びる
長孔36cが形成されている。又、連結部材30bの、
一端31と他端32とを接続する垂直部分の上部及び下
部には、縦方向に伸びる長孔36a及び36bがそれぞ
れ形成されている。
【0063】この連結部材30bの他端32に形成され
た長孔36cには、レバーカム35のピン34bが挿入
されている。一方、連結部材30bの長孔36a及び3
6bには、リール本体1に設けられたガイドピン39及
び40がそれぞれ挿入されている。
【0064】このような連結部材30bと切換部材25
との組合せにおいては、切換部材25のレバー29の操
作によって、レバーカム34を時計方向に回転させて、
そのストッパ34aを下方突起41に接触させると、連
結部材30bが上方に移動して、操作部材17を僅かに
上方に持ち上げる(図5(a)参照)。このような状態
においては、操作部材17の先端は、制動体24の外側
制動面24aと内側制動面24bとの中間の位置に置か
れ、換言すれば、主制動片18及び副制動片19は、制
動体24の外側制動面24a及び内側制動面24bにそ
れぞれ当接せず、サブブレーキOFF・メインブレーキ
OFFの状態に置かれる(図3参照)。
【0065】切換部材25のレバー29の操作によっ
て、レバーカム34を反時計方向に回転させて、そのス
トッパ34aを上方突起42に接触させると、連結部材
30bが下方に移動して、その一端31が操作部材17
の先端部分の下面から離れる。これにより、操作部材1
7の非操作時には、副制動片19は制動体24の内側制
動面24bにバネ28の調節可能な当接力で当接され
て、サブブレーキONの状態に置かれ、これによって制
動体24に制動力が付与される(図1参照)。
【0066】次に、本発明の第2の実施形態にかかる回
転制動装置Bを図6乃至図8を参照して説明する。
【0067】本発明の第2の実施形態にかかる回転制動
装置Bは、下記の点を除き、本発明の上述した第1の実
施形態にかかる、連結部材30aを備えた回転制動装置
Aと同一である: レバーカム34が、ピン34bの代わりに、カム部
34cを有している。
【0068】 連結部材30cの一端31にU字状の
溝43が形成されている。
【0069】 連結部材30cの他端32にカム面4
4が形成されている。
【0070】 連結部材30cを揺動可能に支持する
ネジ35の周りにバネ45を設けて、連結部材30cを
反時計方向に揺動させるための弾発力を、同連結部材3
0cに付与している。
【0071】従って、これ等の構造上の相違を有する構
成要素を除き、第1の実施形態にかかる本発明の回転制
動装置Aと第2の実施形態にかかる本発明の回転制動装
置Bとの同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明
を省略する。
【0072】図7(a)及び(b)に示すように、レバ
ーカム34の揺動中心から一方向に偏移した位置には、
カム部34cが設けられている。
【0073】連結部材30cは、上述した連結部材30
aと同様に、略C字状の形状を有しているが、その一端
31は上方部分31a及び下方部分31bに分岐して、
その間に横方向に開放された略U字状の溝43を形成し
ている。上方部分31aと下方部分31bとの間隔、即
ち、略U字状の溝43の幅は、操作部材17の先端部分
の厚さよりも若干大きく、その略U字状の溝43内に操
作部材17の先端部分が収められている。
【0074】連結部材30cの他端32には、レバーカ
ム34のカム部34cが当接可能なカム面44が形成さ
れている。
【0075】連結部材30cを揺動可能に支持するネジ
35の周りにバネ45が設けられている。このバネ45
の一端は、上述した略U字状の溝43内に係合され、そ
の他端は、リール本体1に取り付けられている。その結
果、連結部材30cを反時計方向に揺動させるための弾
発力が連結部材30cに付与されている。
【0076】本発明の上述した第2の実施形態にかかる
回転制動装置Bにおいて、切換部材25のレバー29の
操作によって、レバーカム34を時計方向に回転させ
て、そのストッパ34aを下方突起41に接触させる
と、連結部材30cがバネ45の弾発力によって反時計
方向に揺動して、操作部材17を僅かに上方に持ち上げ
る(図7(a)参照)。このような状態においては、操
作部材17の先端は、制動体24の外側制動面24aと
内側制動面24bとの中間の位置に置かれ、換言すれ
ば、主制動片18及び副制動片19は、制動体24の外
側制動面24a及び内側制動面24bにそれぞれ当接せ
ず、サブブレーキOFF・メインブレーキOFFの状態
に置かれる。
【0077】切換部材25のレバー29の操作によっ
て、レバーカム34を反時計方向に回転させて、そのス
トッパ34aを上方突起42に接触させると、レバーカ
ム34のカム部34cが連結部材30cのカム面44に
接触しながら、連結部材30cがバネ45の弾発力に抗
して時計方向に揺動して、操作部材17の先端部分の下
方への移動を許容する。これにより、操作部材17の非
操作時には、副制動片19は制動体24の内側制動面2
4bにバネ28の調節可能な当接力で当接して、サブブ
レーキONの状態に置かれ、これによって制動体24に
制動力が付与される(図6及び図7(b)参照)。
【0078】このようにして、操作部材17の非操作時
において、切換部材25によって、副制動片19は制動
体24への当接可能な位置及び当接不能な位置に切換保
持される。
【0079】図7(b)に示したサブブレーキONの状
態で、操作部材17を引き上げれば、連結部材30cが
反時計方向に揺動し、これに伴ってレバーカム34がレ
バー29と共に時計方向に揺動し、その結果、図7
(a)に示す状態に切換保持される。従って、サブブレ
ーキONからサブブレーキOFFへの切換を、切換部材
25のレバー29を操作することなく、操作部材17の
引上げ操作のみで行なうことができる。勿論、サブブレ
ーキ解除後は、操作部材17の操作によって、メインブ
レーキを所望の制動力でかけることは可能である。
【0080】本発明の上述した第2の実施形態にかかる
回転制動装置Bにおいて、連結部材30cとは異なる、
図8に示した連結部材30dを使用すれば、サブブレー
キONからサブブレーキOFFへの切換のみならず、サ
ブブレーキOFFからサブブレーキONへの切換を、切
換部材25のレバー29を操作することなく、操作部材
17の引上げ操作のみで行なうことができる。
【0081】この連結部材30dを図8を参照しながら
説明する。
【0082】連結部材30dは、カム面44の上端に段
部44aが形成されていることを除き、上述した連結部
材30cと同一である。即ち、この段部44aは、図8
(a)に示すサブブレーキOFFの状態で、レバーカム
34のカム部34cに接触し、連結部材30cが図8に
おいて時計方向に揺動するときに、レバーカム34を反
時計方向に揺動させるように構成されている。
【0083】このように構成すれば、連結部材30dお
よびレバーカム34の何れか一方の揺動によって何れか
他方が連動して揺動するので、レバーカム34側にバネ
37を設ければ、連結部材30dそのものに弾発力を付
与するためのバネをネジ35の周りに設ける必要はな
い。
【0084】切換部材25のレバー29の操作によるサ
ブブレーキON・OFFの切換動作は、上述した連結部
材30cを用いた場合と同一であるので、その説明を省
略する。
【0085】図8(b)に示すサブブレーキONの状態
で、操作部材17を引き上げれば、、連結部材30dが
反時計方向に揺動し、これに伴ってレバーカム34がレ
バー29と共に時計方向に揺動し、その結果、図8
(a)に示す状態に切換保持される。
【0086】又、図8(a)に示すサブブレーキOFF
の状態で、操作部材17を押し下げれば、連結部材30
dが時計方向に揺動し、これに伴ってレバーカム34が
レバー29と共に反時計方向に揺動し、その結果、図8
(b)に示す状態に切換保持される。
【0087】次に、本発明の第3の実施形態にかかる回
転制動装置Cを図9乃至図11を参照して説明する。
【0088】本発明の第3の実施形態にかかる回転制動
装置Cは、下記の点を除き、本発明の上述した第1の実
施形態にかかる回転制動装置Aと同一である: 操作部材17の先端が、第1部材17a及び第2部
材17bの2つの部材に分岐しており、この第1部材1
7aの先端に、主制動片18及び副制動片19を一体的
に有する略U字状の制動ブロックが取り付けられてい
る。
【0089】 切換部材25が、操作部材17の第1
部材17a及び第2部材17bとそれぞれ選択的に接触
可能な部材46及び47を有している。
【0090】従って、これ等の構造上の相違を有する構
成要素を除き、第1の実施形態にかかる本発明の回転制
動装置Aと第3の実施形態にかかる本発明の回転制動装
置Cとの同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明
を省略する。
【0091】操作部材17の先端は、図9及び図10に
示すように、第1部材17a及び第2部材17bの2つ
の部材に分岐しており、第1部材17aの先端に、主制
動片18及び副制動片19を一体的に有する略U字状の
制動ブロックが取り付けられている。勿論、このような
制動ブロックを使用することなく、主制動片18及び副
制動片19をそれぞれ別体に形成し、主制動片18を第
1部材17aの先端上面に、副制動片19を第1部材1
7aの先端下面にそれぞれ取り付けてもよい。
【0092】切換部材25は、リール本体1に変位可能
に支持されており、副制動片19が制動体24の内側制
動面24bに当接可能な位置(図9参照)(サブブレー
キON)と、当接不能な位置(図10参照)(サブブレ
ーキOFF)とに切換保持できるように構成されてい
る。
【0093】即ち、切換部材25は、後端にレバー29
を備え、リール本体1に回転可能に支持された連結部材
30eを有している。連結部材30eの先端には、操作
部材17の第1部材17aの下面と接触して、同第1部
材17aを僅かに上方に持ち上げ、もって、上述した副
制動片19と制動体24の内側制動面24bとの接触を
解除して、副制動片19を制動体24に当接不能な位置
に保持するための、即ち、サブブレーキOFFの状態を
保持するためのカム46が設けられている。
【0094】更に、連結部材30eの上述したカム46
よりも僅かに内側の部分には、レバー29を回転させ
て、カム46と操作部材17の第1部材17aの下面と
の接触が解除された状態において、上記操作部材17の
第2部材17bの先端に係合するピン47が設けられて
いる。即ち、図9に示されるように、カム46の回転に
より、これと操作部材17の第1部材17aの下面との
接触が解除されたサブブレーキONの状態で、操作部材
17を引き上げると、その第2部材17bは、ピン47
を上方に持ち上げるようにして、カム46を回転させ、
このカム46の回転によって、操作部材17の第1部材
17aを僅かに上方に持ち上げ、もって、上述した副制
動片19と制動体24の内側制動面24bとの接触が解
除されて、副制動片19が制動体24に当接不能な位
置、即ち、サブブレーキOFFの状態に保持される。
【0095】上述したカム46とリール本体1との間に
は、バネ37が設けられ、副制動片19が制動体22に
当接可能な位置(図11(b)参照)と、当接不能な位
置(図11(a)参照)との切換保持が確実になされ
る。
【0096】次に、本発明の第4の実施形態にかかる回
転制動装置Dを図12乃至図15を参照して説明する。
【0097】本発明の第4の実施形態にかかる回転制動
装置Dは、下記の点を除き、本発明の上述した第1の実
施形態にかかる、連結部材30aを備えた回転制動装置
Aと同一である: ロータ7の内周面に係合歯7aが形成されており、
一方、リール本体1には、この係合歯7aに係脱可能な
係合爪48が揺動可能に支持され、もって、ロータ7の
正転のみを許容するように構成されている。
【0098】 連結部材30fの一端31とその揺動
中心部との間に、操作部材17の先端部分を受け入れる
ためのガイド溝43が形成されている。
【0099】 副制動片19が、3段階に切換可能な
切換部材25によって、制動体24への当接可能位置と
当接不能位置とに切換保持される。
【0100】 係合爪48が、上記切換部材25によ
って、係合歯7aへの係合可能位置と係合不能位置とに
切換保持される。
【0101】従って、これ等の構造上の相違を有する構
成要素を除き、第1の実施形態にかかる、連結部材30
aを備えた本発明の回転制動装置Aと第3の実施形態に
かかる本発明の回転制動装置Cとの同一の構成要素に同
一の符号を付し、その説明を省略する。
【0102】図12乃至図15に示すように、ロータ7
の後部の内周面には、係合歯7aが形成されており、一
方、リール本体1には、この係合歯7aに係脱可能な係
合爪48が、ピン49によって揺動可能に支持されてい
る。
【0103】上記係合爪48は、その下端に係合部48
bを有しており、上記ピン49の周りには、係合部48
bを係合歯7aに弾発的に係合させるためのバネ50が
設けられている。更に、係合爪48の下端側部分には、
位置決め用孔48cが形成されており、この位置決め用
孔48cに、リール本体1側に保持された位置決めワイ
ヤ51の先端が引っ掛けられている。
【0104】連結部材30fは略C字状の形状を有して
おり、そのほぼ中央の位置において、ネジ35によって
リール本体1に揺動可能に支持されている。この連結部
材30fの一端31は、上述した係合爪48側に伸び
て、係合爪48の上端48aと係合している。連結部材
30fの他端、即ち、下端にはU字状の溝33が形成さ
れている。連結部材30fの一端31とその揺動中心部
との間には、操作部材17の先端部分を受け入れるため
のガイド溝43が形成されている。
【0105】切換部材25は、リール本体1の下部に揺
動可能に設けられたレバー29を有している。レバー2
9は、ストッパ34aを有するレバーカム34を一体的
に有しており、そのレバーカム34の上方部分には、上
述した連結部材30fのU字状の溝33内に挿入される
ピン34bが設けられている(図14参照)。レバー2
9はレバーカム34と一体的に揺動するが、その揺動範
囲は、リール本体1に設けられ、上記ストッパ34aに
選択的に接触する下方突起41及び上方突起42によっ
て制限されている。
【0106】更に、上記レバーカム34の揺動位置は、
3段階に切換可能な位置決め機構52によって確保され
る。即ち、レバーカム34の周囲に、3つの凹部34
c、34d、34eが形成されると共に、レバーカム3
4付近のリール本体1には、これらの凹部34c、34
d、34eの何れか1つに弾発的に係合される先端部を
有する板バネ52aが設けられている。
【0107】上述した構造を採用することによって、切
換部材25によって、副制動片19を制動体24への当
接可能位置(サブブレーキON)と当接不能位置(サブ
ブレーキOFF)とに切換保持するのみならず、係合爪
48を係合歯7aへの係合可能位置(アンチブレーキO
N)と係合不能位置(アンチブレーキOFF)とに切換
保持することができる。
【0108】即ち、切換部材25のレバー29を図13
(a)におけるように、右側に位置させると、連結部材
30fは時計方向に揺動して、副制動片19が制動体2
4に当接し、この状態において、係合爪48は係合歯7
aに係合し、その結果、アンチブレーキON及びサブブ
レーキONの状態に置かれる。従って、一方向クラッチ
20による楔作用及び係合爪48の係脱作用によって、
ロータ7の正転のみが許容される。
【0109】切換部材25のレバー29を図13(b)
におけるように、中央に位置させると、連結部材30f
は反時計方向に僅かに揺動し、これに伴って係合爪48
は時計方向に僅かに揺動して、副制動片19の制動体2
4への当接状態を維持しながら、係合爪48と係合歯7
aとの係合が解除され、その結果、アンチブレーキOF
F及びサブブレーキONの状態に置かれる。従って、一
方向クラッチ20による楔作用によって、ロータ7の逆
転に制動がかかる。
【0110】切換部材25のレバー29を図13(c)
におけるように、左側に位置させると、連結部材30f
は反時計方向に更に揺動し、これに伴って副制動片19
が制動体24から離隔し、同時に、係合爪48は時計方
向に更に揺動し、その結果、アンチブレーキOFF及び
サブブレーキOFFの状態に置かれる。従って、ロータ
7の正転及び逆転の何れもが可能になる。
【0111】又、図13(a)に示したアンチブレーキ
ON及びサブブレーキONの状態で、操作部材17の引
上げ操作を行なうと、連結部材30fが反時計方向に揺
動すると同時に、係合爪48が時計方向に揺動して、図
13(c)に示したアンチブレーキOFF及びサブブレ
ーキOFFの状態に置かれる。従って、切換部材25を
操作することなく、操作部材17の引上げ操作のみで、
ロータ7の正転及び逆転の何れもが可能に切換保持する
ことができる。
【0112】更に、図13(c)に示したアンチブレー
キOFF及びサブブレーキOFFの状態で、操作部材1
7の押下げ操作を行なうと、連結部材30fが時計方向
に揺動すると同時に、係合爪48が反時計方向に揺動し
て、図13(a)に示したアンチブレーキON及びサブ
ブレーキONの状態に置かれる。従って、切換部材25
を操作することなく、操作部材17の押下げ操作のみ
で、ロータ7の正転のみが許容される状態に切換保持す
ることができる。
【0113】上述した本発明の第4の実施形態にかかる
回転制動装置Dにおいては、ロータ7の後部の内周面に
係合歯7aが形成されたものとして説明したが、この係
合歯をロータ7の軸筒に設けることも可能であり、又、
ロータ7ではなく、制動体24の後部に設けることも可
能である。
【0114】又、係合歯7a及び係合爪48は、ロータ
7の正転のみを許容するように構成されているものとし
て説明したが、ロータ7の正転及び逆転の双方を規制す
るように構成することも可能である。
【0115】次に、本発明の第5の実施形態にかかる回
転制動装置Eを図16乃至図18を参照して説明する。
【0116】本発明の第5の実施形態にかかる回転制動
装置Eは、下記の点を除き、本発明の上述した第1の実
施形態にかかる回転制動装置Aと同一である: 制動体24が、中央にボスを有するディスク型に形
成されており、ディスクの裏面に外側制動面24aが形
成されており、ボスの外周に内側制動面24bが形成さ
れている。
【0117】 操作部材17の先端に、上記制動体2
4の外側制動面24aに当接可能な断面略C字状の主制
動片18が取り付けられており、この主制動片18の下
面に、上記制動体24の内側制動面24bに当接可能な
副制動片19が一体的に形成されている。
【0118】 操作部材17の非操作時において、連
結部材30gを有する切換部材25によって、副制動片
19は制動体24への当接可能な位置及び当接不能な位
置に切換保持される。
【0119】従って、これ等の構造上の相違を有する構
成要素を除き、第1の実施形態にかかる本発明の回転制
動装置Aと第5の実施形態にかかる本発明の回転制動装
置Eとの同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明
を省略する。
【0120】第1の実施形態にかかる本発明の回転制動
装置Aにおいては、制動体24はドラム型に形成されて
いるが、第5の実施形態にかかる本発明の回転制動装置
Eにおいては、図16及び図17に示すように、制動体
24は中央にボスを有するディスク型に形成されてい
る。この制動体24のディスクの裏面、即ち、一方向ク
ラッチ20の内輪22が取り付けられる側と反対側の面
には、外側制動面24aが形成されており、一方、その
ボスの外周には内側制動面24b形成されている。
【0121】操作部材17の先端には、主制動片18及
び副制動片19からなる制動ブロックが取り付けられて
いる。即ち、この制動ブロックは、制動体24の外側制
動面24aに当接可能な断面略C字状の主制動片18
と、この主制動片18の下面に一体的に形成され、制動
体24の内側制動面24bに当接可能な副制動片19と
からなっている。この制動ブロックは、断面略C字状の
主制動片18を操作部材17の先端に嵌め込むことによ
って、同操作部材17に取り付けられている。勿論、こ
のような制動ブロックを使用することなく、主制動片1
8及び副制動片を別体に形成し、前者を操作部材17の
先端部の端面に、後者を同先端部の下面にそれぞれ取り
付けてもよい。
【0122】切換部材25は、後端にレバー29を備
え、リール本体1に回転可能に支持された連結部材30
gを有している。連結部材30gの先端には、操作部材
17の先端部の下面と接触して、これを僅かに上方に持
ち上げ、もって、上述した副制動片19と制動体24の
内側制動面24bとの接触を解除して、副制動片19を
制動体24に当接不能な位置に保持するための、即ち、
サブブレーキOFFの状態を保持するためのカム53が
設けられている(図17参照)勿論、この切換部材25
においては、本発明の上述した第3の実施形態にかかる
回転制動装置Cにおける切換部材25におけると同様
に、カム53をバネ(図示せず)を介してリール本体1
に連結して、切換状態を確保するように構成することが
望ましい。
【0123】切換部材25のレバー29の操作により、
カム53が図18(b)に示す状態に置かれているとき
には、カム53は操作部材17の先端部の下面から離隔
し、これにより、副制動片19はバネ28の弾発力によ
って制動体24の内側制動面24bに当接して、サブブ
レーキONの状態に置かれる(図16参照)。このよう
な状態で、操作部材17を引き上げると、主制動片18
は制動体24の外側制動面24aに当接して、釣り人に
よる調整可能な任意の制動力によるメインブレーキON
の状態に置かれる。
【0124】切換部材25のレバー29の操作により、
カム53が図18(a)に示す状態に置かれているとき
には、カム53は操作部材17の先端部の下面に当接し
て、これを上方に若干持ち上げ、これにより、副制動片
19はバネ28の弾発力に抗して制動体24の内側制動
面24bから離隔して、サブブレーキOFFの状態に置
かれる(図17参照)。勿論、このような状態で、操作
部材17を引き上げれば、主制動片18は制動体24の
外側制動面24aに当接して、釣り人による調整可能な
任意の制動力によるメインブレーキONの状態に置かれ
る。
【0125】次に、本発明の第6の実施形態にかかる回
転制動装置Fを図19乃至図21を参照して説明する。
【0126】本発明の第6の実施形態にかかる回転制動
装置Fは、下記の点を除き、本発明の上述した第1の実
施形態にかかる回転制動装置Aと同一である: 一方向クラッチ20が制動体24とロータ7の軸筒
4との間に配置されている。
【0127】 制動体24がディスク型に形成されて
おり、その後面に主制動面24aが、その前面に副制動
面24bがそれぞれ形成されている。
【0128】 制動体24の主制動面24aに当接可
能な主制動片18と、制動体24の副制動面24bに当
接可能な副制動片19とからなる摺動ブロックSが、操
作部材17の操作によってロータ7の軸線方向と平行な
方向に移動可能である。
【0129】 切換部材25によって、上記摺動ブロ
ックSの移動が制御可能であり、その結果、副制動片1
9は制動体24への当接可能な位置及び当接不能な位置
に切換保持される。
【0130】従って、これ等の構造上の相違を有する構
成要素を除き、第1の実施形態にかかる本発明の回転制
動装置Aと第6の実施形態にかかる本発明の回転制動装
置Fとの同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明
を省略する。
【0131】一方向クラッチ20の基本構造は、第1の
実施形態にかかる本発明の回転制動装置Aにおいて使用
された一方向クラッチ20と同一であるが、図19及び
図20に示すように、その内輪22はロータ7の軸筒4
側に取り付けられる。一方、内輪21は、制動体24の
前面に固定、又は、一体的に形成される。このようにし
て、一方向クラッチ20は、制動体24とロータ7の軸
筒4との間に配置されている。
【0132】制動体24は、ディスク型に形成されてお
り、保持筒12の先端に、同保持筒12に対して変位可
能に嵌め込まれている。制動体24の後面には、主制動
面24aが、その前面には、副制動面24bがそれぞれ
形成されている。
【0133】制動体24に制動力を付与するための摺動
ブロックSは、ロータ7の軸線方向と平行な方向に移動
できるようにリール本体1に取り付けられ、その後端部
が、操作部材17の先端にピン56によって連結されて
いる。この摺動ブロックSは、円柱状の主制動片18
と、この主制動片18の先端部を延長することによって
形成された円柱状の副制動片19とからなっている。主
制動片18は、制動体24の主制動面24aに当接可能
であり、一方、副制動片19は、制動体24の副制動面
24bに当接可能である。
【0134】即ち、図19及び図20から明らかなよう
に、制動体24の上方の位置において、リール本体1に
は、円柱状の主制動片18及び副制動片19からなる摺
動ブロックSが、スプール軸9の軸線方向と平行な方向
に摺動可能に配置されている。この状態において、摺動
ブロックSの先端は、リール本体1に形成された案内孔
1c内に挿入されている。操作部材17の先端には、長
孔17bが形成されており、この長孔17bに挿入され
たピン56を介して、摺動ブロックSの後端が操作部材
17の先端に回転可能に連結されている。
【0135】円柱状の主制動片18は、その略中央下部
に第1の溝54が形成されている。円柱状の副制動片1
9は、上記主制動片18の先端を延長することによって
形成されており、これらの連結部分の下部には、第2の
溝55が形成されている。第1の溝54の幅は、第2の
溝55の幅よりも若干大きい。
【0136】摺動ブロックSの第2の溝55内には、制
動体24の縁が収められている。このような状態におい
て、操作部材17にはバネ28の弾発力が作用して、摺
動ブロックSを、図19及び図20において右側に引き
寄せている。従って、操作部材17の非操作時には、摺
動ブロックSの第2の溝55の一方の面55aが、制動
体24の前面と接触して、制動体24を保持筒12に押
し付け、このようにして、制動体24には、上述したバ
ネ28の弾発力の作用による制動力が付与される(図2
0(a)参照)。
【0137】操作部材17を、バネ38の弾発力に抗し
て引き上げると、摺動ブロックSは、図19及び図20
において左側に引き寄せられる。従って、摺動ブロック
Sの第2の溝55の他方の面55bが、制動体24の後
面と接触して、制動体24を、リール本体1の案内孔1
cの周りの挟持部材1bに押し付け、このようにして、
制動体24には、バネ38の弾発力に抗した操作部材1
8の引き上げ力による制動力が付与される(図20
(c)参照)。
【0138】上述した摺動ブロックSの副制動片19
は、リール本体1に変位可能に支持した切換部材25に
よって、制動体24に当接可能な位置と当接不能な位置
とに切換保持可能に構成されている。
【0139】換言すれば、上述した操作部材17と切換
部材25とは、連結部材30h、即ち、連動レバーによ
って連結され、操作部材17による制動体24への当接
操作時に、切換部材25を作動して、副制動片19を制
動体24への当接不能な位置に切換保持するように構成
されている。
【0140】即ち、図21に示すように、切換部材25
は、リール本体1の下部に揺動可能に設けられたレバー
29を有している。レバー29は、一端にカム部34c
を他端にストッパ34aを有するレバーカム34を一体
的に備えている。レバー29はレバーカム34と一体的
に揺動するが、その揺動範囲は、リール本体1に設けら
れ、上記ストッパ34aに選択的に接触する下方突起4
1及び上方突起42によって制限されている。
【0141】連結部材30hは、ネジ35によってリー
ル本体1に揺動可能に支持されている。連結部材30h
の上端31は、上述した摺動ブロックSの第1の溝54
内に収められ、または、そこから離脱するように構成さ
れている。上述したネジ35の周りには、第1のバネ4
5が配置され、これによって、連結部材30hは図21
において反時計方向に回転して、その上端31が摺動ブ
ロックSの第1の溝54内に収められるように構成され
ている。
【0142】連結部材30hの下端は、上述したレバー
カム34のカム部34cに第2のバネ37を介して連結
されている。従って、図21(a)に示すように、レバ
ー29を同図における反時計方向に回転させると、レバ
ーカム34のカム部34cによって、第1のバネ45に
抗して、連結部材30hの下端が外側に押し出され、一
方、連結部材30hの上端31が摺動ブロックSの第1
の溝54内から離脱する。このとき、第2のバネ37の
作用によって、レバーカム34のストッパ34aが上方
突起42に接触した状態でロックされ、このようにし
て、連結部材30hの上端31が上述した摺動ブロック
Sの第1の溝54から離脱した状態(図21(b)参照
)に保持され、換言すれば、副制動片19が制動体2
4への当接可能な位置に保持される(図19及び図20
(a)参照)。
【0143】一方、図21(a)に示すように、レバー
29を同図における時計方向に回転させると、レバーカ
ム34のカム部34c及び第2のバネ37によって、連
結部材30hの下端は内側に引き寄せられる。この動作
は、第1のバネ45の作用によって助長される。このよ
うに連結部材30hの下端が内側に引き寄せられると、
連結部材30hの上端31が摺動ブロックSの第1の溝
54内に収められる。
【0144】このとき、第1のバネ45及び第2のバネ
37の作用によって、レバーカム34のストッパ34a
が下方突起41に接触した状態でロックされ、このよう
にして、連結部材30hの上端31が摺動ブロックSの
第1の溝54内に収められた状態に保持され(図20
(b)参照 )、換言すれば、副制動片19が制動体2
4への当接不能な位置に保持される(図20(b)及び
(c)参照)。
【0145】ここにおいて、本発明の第6の実施形態の
装置Fの特徴は、連結部材30hの上端31が摺動ブロ
ックSの第1の溝54内に収められた状態において、連
結部材30hの上端31が、摺動ブロックSの第1の溝
54の前方の面54aに接触しているときは、制動体2
4は、摺動ブロックSの第2の溝55内において、その
後方の面55b及び前方の面55aの何れにも接触しな
いことにある(図20(b)参照)。このような状態に
おいては、制動体24には制動力が付与されていないの
で、ハンドルの操作によってロータ7を正・逆何れの方
向にも自由に回転させることができる。
【0146】上述したように、摺動ブロックSにおける
第1の溝54の幅は、第2の溝55の幅よりも若干大き
い。従って、連結部材30hの上端31が摺動ブロック
Sの第1の溝54内に収められた状態においても、摺動
ブロックSは、図20(b)において左側に摺動可能で
ある。従って、操作部材17の操作によって摺動ブロッ
クSが、図20(c)に示すように、左側に摺動して、
摺動ブロックSの第2の溝55における後方の面55b
が制動体24に接触すると、制動体24に制動力が付与
され、その結果、制動体24に対してロータ7は正方向
に回転可能であるものの、その逆方向への回転は、一方
向クラッチ20の楔作用によって規制される。
【0147】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、極めて簡
単な操作で、回転部又は制動体とリール本体との間で
の、回転部の逆転時における迅速な逆転止めを無音状態
で可能にし、仕掛けの投擲後、魚のアタリを待っている
ときに、急に大きな負荷がかかっても、釣り糸が切断す
ることがなく、しかも、仕掛けへの餌の取付け時に、ロ
ータ等の回転部が逆転することによって生じていた糸絡
みの発生を防止することが可能な魚釣り用リールの回転
制動装置を提供することができ、かくして、産業上有用
な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態にかかる回転制動装置
が組み込まれたスピニングリールの全体構成を示す図。
【図2】図1の装置の一方向クラッチを示す断面図。
【図3】図1の装置における副制動片の制動体への当接
不能状態を示す部分拡大断面図。
【図4】図1の装置の切換部材による切換状態を示す断
面図。
【図5】図1の装置における連結部材の変形例を示す断
面図。
【図6】本発明の第2の実施形態にかかる回転制動装置
が組み込まれたスピニングリールの全体構成を示す図。
【図7】図6の装置の切換部材による切換状態を示す断
面図。
【図8】図6の装置における連結部材の変形例を示す断
面図。
【図9】本発明の第3の実施形態にかかる回転制動装置
が組み込まれたスピニングリールの全体構成を示す図。
【図10】図9の装置における副制動片の制動体への当
接不能状態を示す部分拡大断面図。
【図11】図9の装置の切換部材による切換状態を示す
断面図。
【図12】本発明の第4の実施形態にかかる回転制動装
置が組み込まれたスピニングリールの全体構成を示す
図。
【図13】図12の装置の切換部材による切換状態を示
す断面図。
【図14】図12の装置の切換部材の要部を示す部分拡
大断面図。
【図15】図12の装置における副制動片の制動体への
当接不能状態を示す部分拡大断面図。
【図16】本発明の第5の実施形態にかかる回転制動装
置が組み込まれたスピニングリールの全体構成を示す
図。
【図17】図16の装置における副制動片の制動体への
当接不能状態を示す部分拡大断面図。
【図18】図16の装置の切換部材による切換状態を示
す断面図。
【図19】本発明の第6の実施形態にかかる回転制動装
置が組み込まれたスピニングリールの全体構成を示す
図。
【図20】図19の装置における主制動片及び副制動片
を備えた摺動ブロックの摺動状態を示す部分拡大断面
図。
【図21】図19の装置の切換部材による切換状態を示
す断面図。
【符号の説明】
A:本発明の第1の実施形態にかかる回転制動装置 B:本発明の第2の実施形態にかかる回転制動装置 C:本発明の第3の実施形態にかかる回転制動装置 D:本発明の第4の実施形態にかかる回転制動装置 E:本発明の第5の実施形態にかかる回転制動装置 F:本発明の第6の実施形態にかかる回転制動装置 1:リール本体 7:ロータ 17:操作部材 18:主制動片 19:副制動片 20:一方向クラッチ 24:制動体 25:切換部材 30:連結部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハンドルの回転に連動回転するロータの
    逆転時に、前記ロータと一体的に回転するように、制動
    体連結用一方向クラッチを介して制動体を前記ロータに
    連結し、 前記制動体を、リール本体に支持した操作部材の操作で
    圧接して制動可能にした魚釣り用リールの回転制動装置
    において、 前記操作部材の先端に、前記操作部材の操作時に前記制
    動体に当接する主制動片と、前記操作部材の非操作時に
    前記制動体に当接する副制動片とを設けることを特徴と
    する魚釣り用リールの回転制動装置。
  2. 【請求項2】 前記操作部材の非操作時に前記制動体に
    当接する前記副制動片を、リール本体に変移可能に支持
    した切換部材によって、前記制動体に当接可能位置と当
    接不能位置とに切換保持することを特徴とする請求項1
    に記載した魚釣り用リールの回転制動装置。
  3. 【請求項3】 前記ロータを含む回転部又は制動体に係
    合歯を形成すると共に、 前記係合歯に係脱可能にリール本体に設けられた係合爪
    を、前記切換部材によって、前記係合歯への係合可能位
    置と係合不能位置とに切換保持することを特徴とする請
    求項2に記載した魚釣り用リールの回転制動装置。
  4. 【請求項4】 前記操作部材と前記切換部材とを連結部
    材によって連結し、 前記操作部材の前記制動体への当接操作時に前記切換部
    材を作動して、前記副制動片を前記制動体への当接不能
    位置に、又は、前記係合爪を前記係合歯への係合不能位
    置に切換保持することを特徴とする、請求項2又は請求
    項3に記載した魚釣り用リールの回転制動装置。
  5. 【請求項5】 前記操作部材の非操作時に前記制動体に
    当接する前記副制動片の当接力を調整する調整手段を、
    前記操作部材による前記副制動片の駆動系とリール本体
    との間に設けたことを特徴とする、請求項1乃至請求項
    4の何れか1つに記載した魚釣り用リールの回転制動装
    置。
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