JPH10275301A - 磁気記録方法 - Google Patents

磁気記録方法

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JPH10275301A
JPH10275301A JP8120797A JP8120797A JPH10275301A JP H10275301 A JPH10275301 A JP H10275301A JP 8120797 A JP8120797 A JP 8120797A JP 8120797 A JP8120797 A JP 8120797A JP H10275301 A JPH10275301 A JP H10275301A
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JP
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axis
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JP8120797A
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Seiichi Onodera
誠一 小野寺
Tetsuo Samoto
哲雄 佐本
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気記録媒体上に、短波長信号を、出力が高
く、ノイズの小さい磁気信号として記録する。 【解決手段】 磁気記録媒体10の磁化容易軸Mの角度
θexに対応させて磁気ヘッドのギャップ長を規制す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性層が形成され
た磁気記録媒体に、磁化反転によって情報信号を記録す
る磁気記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、磁気記録媒体としては、非磁
性支持体上に、酸化物磁性粉末あるいは合金磁性粉末等
の粉末磁性材料を塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、
ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂等
の有機結合材中に分散せしめた磁性塗料を、塗布、乾燥
することで磁性層が形成される、いわゆる塗布型の磁気
記録媒体が広く使用されている。
【0003】これに対して、高密度記録への要求の高ま
りとともに、Co−Ni,Co−Cr,Co等の金属磁
性材料をメッキや真空薄膜形成手段(真空蒸着法、スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法等)によって非
磁性支持体上に直接被着することで磁性層が形成され
る、いわゆる金属磁性薄膜型の磁気記録媒体が提案され
ている。
【0004】この金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、保
磁力,残留磁化、角形比及び電磁変換特性に優れるばか
りでなく、磁性層の厚みを極めて薄くできるため、記録
減磁や再生時の厚み損失が小さいこと、磁性層中に非磁
性材である結合剤を混入する必要がないため、磁性材料
の充填密度を高くできること等、数々の利点を有してい
る。
【0005】中でも真空蒸着法によって磁性層が形成さ
れる蒸着タイプの磁気記録媒体は、短波長領域で優れた
記録再生特性が得られることから既にハイバンド8ミリ
用テープやディジタルマイクロテープとして商品化され
ている。
【0006】ところで、磁気記録媒体の記録再生特性
は、磁性層の磁化容易軸に依存するところが大きい。特
に、短波長信号では、この磁化容易軸による影響が顕著
である。このため、例えば、蒸着タイプの磁気記録媒体
では、磁性層を蒸着形成する際に金属蒸気流を膜面に対
して斜めに入射させ、この金属蒸気流の入射角を制御す
ることで、磁性層の磁化容易軸を適正化しようとしてい
る。
【0007】しかしながら、本発明者等が検討を行った
ところ、磁気記録媒体の磁化容易軸をいくら制御して
も、信号磁界を印加する磁気ヘッドがこれに合ったもの
でなければ媒体の特性を十分に引き出せないことが判明
した。つまり、短波長記録領域で高再生出力を得るため
には、磁気記録媒体の磁気特性とともに、磁気ヘッドと
の組み合わせが重要である。これまでは、このような点
からの検討はほとんどなされておらず、記録再生特性を
十分に高めることができていないのが実情である。
【0008】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、短波長信号を、出力が大
きく、ノイズの小さい磁気信号として記録できる磁気記
録方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の磁気記録方法は、面内方向に対する磁化
容易軸の角度が25゜〜40゜の磁性層が形成された磁
気記録媒体に、磁気ヘッドによって信号記録を行うに際
して、上記磁気ヘッドのギャップ長Lg1を、0.125
μm≦Lg1≦0.175μmとすることを特徴とするも
のである。
【0010】また、面内方向に対する磁化容易軸の角度
が40゜〜60゜の磁性層が形成された磁気記録媒体
に、磁気ヘッドによって信号記録を行うに際して、上記
磁気ヘッドのギャップ長Lg2を、0.075μm≦Lg2
<0.125μmとすることを特徴とするものである。
【0011】さらに、面内方向に対する磁化容易軸の角
度が60゜〜90゜の磁性層が形成された磁気記録媒体
に、磁気ヘッドによって信号記録を行うに際して、上記
磁気ヘッドのギャップ長Lg3を、0.05≦Lg3<0.
075μmとすることを特徴とするものである。
【0012】このように磁性層の磁化容易軸の角度に対
応させて、磁気ヘッドのギャップ長を設定すると、短波
長信号であっても、ノイズが小さく、出力の高い磁気信
号として磁性層上に記録される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態について説明する。
【0014】情報信号の磁気記録は、情報信号が記録さ
れる磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体に記録磁界を印
加する磁気ヘッドによって行われる。
【0015】上記磁気記録媒体は、図1に示すように非
磁性支持体1上に磁性層2が形成されて構成され、前記
磁性層2が微小領域毎に磁化反転されることで情報信号
が磁気信号として記録される。
【0016】上記磁気ヘッドは、例えば図2に示すよう
に、磁気ギャップgを有する磁気コア3にコイル4が巻
回されて構成される。この磁気ヘッド11では、コイル
4に信号電流を供給すると、電磁誘導現象によって、コ
イル4の周りに信号電流の向きに応じた方向で磁界が生
ずる。この磁界は、磁気コア4の中を大部分が通過する
が、磁気ギャップgの部分で僅かに外部にはみ出し、こ
のはみ出した磁界(記録磁界)を磁気記録媒体の磁性層
に印加することによって情報信号が磁気信号として記録
される。
【0017】本発明では、このような磁気記録方法にお
いて、出力が高く、ノイズの小さい磁気信号を高密度に
記録するために、磁性層2の磁化容易軸の角度に対応さ
せて磁気ヘッドのギャップ長を規制することとする。以
下、この磁性層2の磁化容易軸の角度と磁気ヘッド11
のギャップ長Lgの関係を、斜め蒸着タイプの磁気記録
媒体を例にして説明する。
【0018】まず、磁性層2が斜め蒸着法によって成膜
された磁気記録媒体を図3に示す。斜め蒸着法では、こ
の図3で模式的に示すように、磁性粒子5が非磁性支持
体1に対して斜め方向に結晶成長している。このような
磁性層2では、磁性粒子の結晶成長の起点から磁性粒子
の成長方向に沿って延在させた直線が磁化容易軸Mに相
当する。本発明では、この磁化容易軸Mの面内方向に対
する角度θex(以下、磁化容易軸の角度θexと称する)
を25゜〜90゜の範囲とする。このように磁性層の磁
化容易軸Mを面内方向とせず、面内方向に対して斜方あ
るいは垂直方向とすることにより、特に短波長領域にお
いて残留磁化が大きくなり、再生出力が向上する。
【0019】一方、上述のような電磁誘導型の磁気ヘッ
ド11によって磁性層2に磁気信号を記録する場合、磁
性層2の磁化容易軸Mの向きと、記録磁界の垂直成分と
面内成分のベクトル和が対応していることが望ましい。
【0020】ここで、磁気ヘッド11で生じる記録磁界
は磁気ギャップgのギャップ長Lgによって決まり、ギ
ャップ長Lgが短い程垂直成分の割合が大きくなり、面
内成分の割合が小さくなる。逆に、磁気ギャップgのギ
ャップ長Lgが長くなると、垂直成分の割合が小さくな
り、面内成分の割合が大きくなる。したがって、磁気記
録媒体10の磁化容易軸Mが垂直である場合には、磁気
ヘッドのギャップ長Lgは短い方が良く、磁気記録媒体
10の磁化容易軸Mが面内方向に近くづく程、磁気ギャ
ップgのギャップ長Lgは長目が好ましいことになる。
【0021】本発明では、このような観点から、磁性層
2の磁化容易軸Mの角度θexを3つの範囲に分け、これ
に対応して磁気ヘッド11のギャップ長Lg1,Lg2,L
g3を以下のように規制することとする。
【0022】 磁化容易軸Mの面内方向に対する角度:磁気ヘッドのギャップ長 25゜〜40゜ :0.125μm≦Lg1≦0.175μm 40゜〜60゜ :0.075μm≦Lg2<0.125μm 60゜〜90゜ :0.05μm≦Lg3<0.075μm 磁性層2の磁化容易軸Mと磁気ヘッド11のギャップ長
gをこのような組み合わせとすることによって、出力
が高く、ノイズの小さい磁気信号が高密度に記録できる
ようになる。
【0023】なお、磁性層2の磁化容易軸Mは、試料振
動型磁気測定器(Vibrating Sample
Magnetometer)によって測定される。
【0024】すなわち、磁気記録媒体の磁性層に、各種
方向から磁界を印加し、それぞれの磁界に対する保磁力
を測定することによって、保磁力の角度依存性を求め
る。そして、保磁力の最小値に対応する角度をなす軸
(磁化困難軸)と直交する軸を磁化容易軸とし、この軸
の面内方向に対する角度(配向角)を求める。但し、こ
こで求められる磁化容易軸は、反磁界の影響を含めたも
のである。
【0025】以上のような磁気記録方法において、磁気
記録媒体としては、例えば上述のような磁性層が真空蒸
着法によって形成される、蒸着タイプのものが用いられ
る。この磁性層を形成するための蒸着装置を図4に示
す。
【0026】この蒸着装置は、内部が高真空状態となさ
れたチャンバー21内に、巻き出しロール22,巻き取
りロール23,冷却キャン24よりなる走行系と、蒸着
源である金属磁性材料25が収容された坩堝26とを収
容することにより構成されている。
【0027】上記巻き出しロール22,冷却キャン2
4,巻き取りロール23には、長尺状の非磁性支持体2
7が順次掛け渡され、前記巻き出しロール22より冷却
キャン24側に送り出されて最終的に前記巻き取りロー
ル23に巻き取られるようになされている。また、上記
冷却キャン24の内部には、図示しない冷却装置が設け
られ、前記非磁性支持体27の温度上昇による変形等を
制御するようになされている。
【0028】上記坩堝26は、前記冷却キャン24の下
方であって、該冷却キャン24の接線方向と略平行とな
るような位置に冷却キャン24に対して対向配置されて
いる。そして、この坩堝26内に収容される金属磁性材
料25が電子銃等によって加熱蒸発させられ、前記冷却
キャン24の外周囲を図中D方向に走行する非磁性支持
体27上に磁性層として被着形成されるようになされて
いる。
【0029】また、上記冷却キャン24の外周囲近傍に
は、図5に示すように。蒸着源から加熱蒸発した金属蒸
気流の入射領域Aと入射角θ1,θ2を規制する第1のマ
スク28と第2のマスク29が設けられている。このう
ち、第1のマスク28は、第2のマスク29よりも非磁
性支持体27の走行方向の上流側に配設されている。ま
た、第2のマスク29は、冷却キャン24の外周面に沿
って湾曲した板材であり、第1のマスク28に対して所
定距離を隔てて配設されている。この第1のマスク28
と第2のマスク29は、非磁性支持体27の所定範囲を
覆うものであり、蒸着源から加熱蒸発した金属蒸気流3
0は、この第1のマスク28と第2のマスク29の間の
領域Aに、これらマスク28,29でそれぞれ規制され
る入射角θ1,θ2(冷却キャンの法線に対して図中時計
回りの角度)で斜めに蒸着される。ここで形成される蒸
着膜の磁化容易軸Mは、この蒸着源の入射角θ1,θ2
よって決まり、この第1のマスク18と第2のマスク2
9の配設位置を調整することによって所望の磁化容易軸
Mで蒸着膜が形成されることになる。
【0030】なお、マスクで規制される金属蒸気の入射
角θ1,θ2と、そのような入射角とした場合に形成され
る金属磁性薄膜の磁化容易軸Mの角度θexを表1に示
す。
【0031】
【表1】
【0032】但し、磁化容易軸Mの角度θexが90゜の
金属磁性薄膜を成膜する場合には、坩堝26を冷却キャ
ン24の直下に配置し、入射角θ1を−30゜以内、入
射角θ2を30゜以内とするのが望ましい。
【0033】磁気記録媒体の磁性層は、例えばこのよう
な蒸着装置によって形成され、この場合、蒸着源として
はCo単独、あるいはCoを主体とする合金材料が用い
られる。合金材料としては、Co−Ni合金,Co−C
r合金等が挙げられる。磁性層は、これら蒸着膜よりな
る単層構成であっても、2層以上の蒸着膜よりなる多層
構成であっても良い。多層構成の場合、磁性層全体での
磁化容易軸が上述の条件を満たしていれば良い。また、
蒸着雰囲気に酸素ガスを導入することで、磁性層中ある
いは磁性層の表層部を酸化物層としても構わない。
【0034】磁性層の適正な厚さは、用いる再生ヘッド
によって異なる。
【0035】例えば、上述の電磁誘導現象を利用する磁
気ヘッドを再生ヘッドとして用いる場合には、薄い厚さ
範囲では磁性層の厚さが厚くなる程再生出力が大きくな
るが、磁性層の厚さが記録波長の1/4を越える範囲で
は、それ以上に厚さを厚くしても再生出力は増大しな
い。また、磁性層の厚さが厚くなると、成膜に時間がか
かり、磁気記録媒体の生産性が低下する。したがって、
磁性層の厚さを余り厚くしても意味がなく、100nm
〜250nmとするのが適当であり、記録波長の1/4
に相当する厚さ(例えば記録波長が1μmの場合には2
50nm)とするのが最も好ましい。
【0036】また、磁性薄膜の抵抗値が磁性量によって
変化する磁気抵抗効果現象を利用して再生を行う磁気ヘ
ッド(MRヘッド)の場合、異方性磁気抵抗効果を有す
る磁性薄膜(AMR素子)を用いるヘッドと、例えば反
強磁性層、第1の強磁性層、非磁性層、第2の強磁性層
とが積層された積層体(GMR素子)を用いるヘッド等
があり、この素子の違いによって最適な厚さは異なる
が、いずれも20nm〜200nm、さらには50nm
〜100nmの厚さ範囲であれば十分実用的な特性が得
られる。なお、GMR素子を用いるヘッドの場合は、感
度が高いので、磁性層の厚さを20nm〜50nmとす
るのがより望ましい。
【0037】以上が磁気記録媒体の基本的な構成である
が、この磁気記録媒体では、この種の磁気記録媒体で通
常用いられている付加的な構成をもたせ、さらなる特性
の改善を図るようにしても良い。
【0038】例えば、図6に示すように、磁性層2上に
保護層5を設け、走行性や耐久性の改善を図るようにし
ても良い。この保護層3としては、カーボンの他、C
N、CrO2、Al23、BN、Co酸化物、MgO、
SiO2、Si34、SiNx、SiC、SiNx−Si
2、ZrO2、TiO2、TiC等よりなる単層膜、2
種類以上の材料膜を組み合わせた多層膜、あるいは2種
類以上の材料よりなる複合膜が用いられる。これら保護
層5は、スパッタリング法,CVD法,真空蒸着法、イ
オンプレーティング法等の薄膜形成技術によって成膜さ
れる。また、この保護層5の上に、さらに潤滑剤や防錆
剤等よりなるトップコート層6を設けることも可能であ
る。
【0039】この他、非磁性支持体1と磁性層2の間
に、微粒子を含有する下塗層を設け、この微粒子の突起
形状を磁性層表面に浮き出させることで磁性層2の表面
性を制御したり、非磁性支持体1の磁性層2が形成され
る側とは反対側の面にバックコート層7を設け、走行性
や耐久性を向上させるようにしても良い。
【0040】一方、磁気記録媒体に記録磁界を印加する
磁気ヘッドとしては、磁気記録で通常用いられる電磁誘
導型の磁気ヘッドが使用される。この磁気ヘッドとして
は、積層型磁気ヘッド、フェライトヘッド、MIG(メ
タル・イン・ギャップ)ヘッド等が挙げられる。
【0041】なお、積層型磁気ヘッドは、金属磁性薄膜
を一対の基板により膜厚方向で挟み込み一体化してなる
一対の磁気コア半体が、金属磁性薄膜の端面同士を対向
させるように突き合わせ、接合一体化されてなるもので
ある。この積層型磁気ヘッドでは、突き合わされた金属
磁性薄膜の端面同士の間に磁気ギャップgが形成され
る。
【0042】フェライトヘッドは、Mn−Zn系フェラ
イトやNi−Zn系フェライト等の強磁性酸化物磁性材
料よりなる一対の磁気コア半体同士が突き合わされ、接
合一体化されてなるものである。このフェライトヘッド
では、磁気コア半体同士の突き合わせ面の間に磁気ギャ
ップgが形成される。
【0043】また、MIGヘッドは、上記フェライトヘ
ッドの磁気コア半体の突き合わせ面に金属磁性薄膜を配
することで、飽和磁束密度等の磁気特性の向上を図った
ものであり、やはりこの金属磁性薄膜が配された突き合
わせ面の間に磁気ギャップgが形成される。
【0044】また、これらはいずれもバルク状の磁気コ
アを用いるものであるが、スパッタリング法等の薄膜形
成技術によって形成される上部磁気コア、ギャップ膜、
導体コイル層、下部磁気コア等よりなる薄膜磁気ヘッド
を用いるようにしても良い。この薄膜磁気ヘッドでは、
磁気記録媒体摺動面に臨む上部磁気コアと下部磁気コア
の間に磁気ギャップgが形成される。
【0045】磁気ヘッドとしては、以上のような各種タ
イプのものがいずれも使用可能であるが、高密度記録で
は磁性層の保磁力が比較的高く設定されるので、磁気ヘ
ッドについてもこれに見合うような高い飽和磁束密度を
有することが望ましい。
【0046】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて、実験結果に基づいて説明する。
【0047】実験例1 この実験例で作製した磁気テープは、非磁性支持体上
に、Co−O系金属磁性薄膜、カーボン保護膜及び潤滑
剤層が順次形成され、非磁性支持体のこれら各層が形成
された側とは反対側の面にバックコート層が形成されて
なるものである。
【0048】このような磁気テープを次のようにして作
製した。
【0049】まず、厚さ10μm、幅150mmのポリ
エチレンテレフタレートフィルム(非磁性支持体)を用
意し、この表面に、アクリルエステルを主成分とする水
溶性ラテックス粒子を分散させた塗料を塗布することで
下塗層を形成した。なお、このラテックス粒子の塗布密
度は、1000万個/mm2である。
【0050】続いて、この下塗層上に、図4に示す蒸着
装置によって、Co−O系の金属磁性薄膜を160nm
の厚さで成膜した。この成膜条件を以下に示す。
【0051】成膜条件 インゴット:Co テープライン速度:0.17m/秒 蒸着時真空度:7×10-2Pa 酸素導入量:3.3×10-63/秒 なお、成膜された金属磁性薄膜の磁化容易軸の角度θex
を、VSMで測定される保磁力の角度依存性から求めた
ところ約10゜であった。
【0052】続いて、この金属磁性薄膜上に、スパッタ
リング法によってカーボン保護層を約10nmの厚さで
形成した。
【0053】次いで、非磁性支持体の磁性層が形成され
た側とは反対側の面に、カーボンとウレタン樹脂からな
るバックコート塗料を0.6μmの厚さで塗布すること
によってカーボン保護層を形成し、その後、カーボン保
護層表面にパーフルオロポリエーテルをトップコートす
ることで潤滑剤層を形成した。
【0054】そして、このようにして各層が形成された
テープ原反を8mm幅に裁断することによって磁気テー
プを作製した。
【0055】次に、以上のようにして作製された磁気テ
ープについて、8mmビデオテープレコーダを用いて電
磁変換特性を測定した。
【0056】ここで、磁気テープへの記録は、ギャップ
長が0.2μm、0.15μm、0.10μmあるいは
0.05μmの磁気ヘッドを用いてそれぞれ行った。こ
の磁気ヘッドは、突き合わされる磁気コア半体の突き合
わせ面にFe−Ta−N系金属磁性薄膜が配されたMI
Gヘッドであり、飽和磁束密度が約1.6Tである。ま
た、情報信号の記録波長は0.5μmである。
【0057】再生は、記録で用いた磁気ヘッドのうちギ
ャップ長が0.15μmのものを用いて行った。
【0058】この電磁変換特性の測定結果を表2に示
す。なお、電磁変換特性は、ギャップ長が0.15μm
の磁気ヘッドで記録を行ったときの再生出力を0dBと
した値である。
【0059】実験例2 金属磁性薄膜を成膜するに際して、蒸着粒子の入射角θ
1,θ2を変え、金属磁性薄膜の磁化容易軸を主面に対し
て25゜傾くようにしたこと以外は実験例1と同様にし
て磁気テープを作製した。
【0060】そして、作製した磁気テープについて、実
験例1と同様にしてギャップ長が異なる各種磁気ヘッド
によって記録を行った後、ギャップ長が0.15μmの
磁気ヘッドによって再生出力を測定した。その結果を表
2に示す。
【0061】実験例3 金属磁性薄膜を成膜するに際して、蒸着粒子の入射角θ
1,θ2を変え、金属磁性薄膜の磁化容易軸を主面に対し
て30゜傾くようにしたこと以外は実験例1と同様にし
て磁気テープを作製した。
【0062】そして、作製した磁気テープについて、実
験例1と同様にしてギャップ長が異なる各種磁気ヘッド
によって記録を行った後、ギャップ長が0.15μmの
磁気ヘッドによって再生出力を測定した。その結果を表
2に示す。
【0063】実験例4 金属磁性薄膜を成膜するに際して、蒸着粒子の入射角θ
1,θ2を変え、金属磁性薄膜の磁化容易軸を主面に対し
て40゜傾くようにしたこと以外は実験例1と同様にし
て磁気テープを作製した。
【0064】そして、作製した磁気テープについて、実
験例1と同様にしてギャップ長が異なる各種磁気ヘッド
によって記録を行った後、ギャップ長が0.15μmの
磁気ヘッドによって再生出力を測定した。その結果を表
2に示す。
【0065】実験例5 金属磁性薄膜を成膜するに際して、蒸着粒子の入射角θ
1,θ2を変え、金属磁性薄膜の磁化容易軸を主面に対し
て50゜傾くようにしたこと以外は実験例1と同様にし
て磁気テープを作製した。
【0066】そして、作製した磁気テープについて、実
験例1と同様にしてギャップ長が異なる各種磁気ヘッド
によって記録を行った後、ギャップ長が0.15μmの
磁気ヘッドによって再生出力を測定した。その結果を表
2に示す。
【0067】実験例6 金属磁性薄膜を成膜するに際して、蒸着粒子の入射角θ
1,θ2を変え、金属磁性薄膜の磁化容易軸を主面に対し
て60゜傾くようにしたこと以外は実験例1と同様にし
て磁気テープを作製した。
【0068】そして、作製した磁気テープについて、実
験例1と同様にしてギャップ長が異なる各種磁気ヘッド
によって記録を行った後、ギャップ長が0.15μmの
磁気ヘッドによって再生出力を測定した。その結果を表
2に示す。
【0069】実験例7 金属磁性薄膜を成膜するに際して、蒸着粒子の入射角θ
1,θ2を変え、金属磁性薄膜の磁化容易軸を主面に対し
て90゜傾くようにしたこと以外は実験例1と同様にし
て磁気テープを作製した。
【0070】そして、作製した磁気テープについて、実
験例1と同様にしてギャップ長が異なる各種磁気ヘッド
によって記録を行った後、ギャップ長が0.15μmの
磁気ヘッドによって再生出力を測定した。その結果を表
2に示す。
【0071】
【表2】
【0072】まず、金属磁性薄膜の磁化容易軸の角度θ
exを10゜にした場合を見ると、磁気ヘッドのギャップ
長を変えても再生出力はほとんど変わらず、磁化容易軸
の角度θexをそれよりも大きくした実験例に比べて再生
出力が大きく劣っている。
【0073】このことから、金属磁性薄膜の磁化容易軸
は、磁性層の主面に対してある程度立っていること、す
なわち25゜以上の角度をなしていることが必要なこと
がわかる。
【0074】次に、金属磁性薄膜の磁化容易軸の角度θ
exを25゜以上にした場合を見ると、各実験例で再生出
力が最も大きくなるときのギャップ長が異なることがわ
かる。
【0075】金属磁性薄膜の磁化容易軸の角度θexが2
5゜あるいは30゜の場合には、磁気ヘッドのギャップ
長が0.15μmの場合に最も再生出力が大きくなる。
【0076】また、金属磁性薄膜の磁化容易軸の角度θ
exが40゜あるいは50゜の場合には、磁気ヘッドのギ
ャップ長が0.10μmの場合に最も再生出力が大きく
なる。
【0077】さらに、金属磁性薄膜の磁化容易軸の角度
θexが60゜あるいは90゜の場合には、磁気ヘッドの
ギャップ長が0.05μmの場合に最も再生出力が大き
くなる。
【0078】このように、再生出力が最も大きくなるギ
ャップ長は、磁性層の磁化容易軸が垂直に近くづく程短
くなり、高出力を得るためには磁化容易軸に対応させて
磁気ヘッドのギャップ長を選択する必要があることがわ
かる。
【0079】そして、以上のデータを総合的に見ると、
金属磁性薄膜の磁化容易軸の角度θexが25゜〜40゜
の場合には磁気ヘッドのギャップ長Lg1を0.125μ
m≦Lg1≦0.175μmとし、金属磁性薄膜の磁化容
易軸の角度θexが40゜〜60゜の場合には磁気ヘッド
のギャップ長Lg2を0.075μm≦Lg2<0.125
μmとし、金属磁性薄膜の磁化容易軸の角度θexが60
゜〜90゜の場合には磁気ヘッドのギャップ長Lg3
0.05μm≦Lg2<0.075μmとするのが良いこ
とがわかる。
【0080】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の磁気記録方法では、磁気記録媒体の磁化容易軸の角
度に対応させて、磁気ヘッドのギャップ長を規制するの
で、短波長信号を、出力が高く、ノイズの小さい磁気信
号として記録することが可能である。したがって、本発
明は、磁気記録の分野での短波長記録化に大きく貢献で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録方法で用いる磁気記録媒体の
一例を示す要部概略断面図である。
【図2】本発明の磁気記録方法で用いる磁気ヘッドの一
例を示す模式図である。
【図3】磁性層が斜め蒸着法によって形成された磁気記
録媒体を示す模式図である。
【図4】磁性層を形成するための蒸着装置を示す模式図
である。
【図5】図4に示す蒸着装置の金属蒸気の入射角を示す
模式図である。
【図6】本発明の磁気記録方法で用いる磁気記録媒体の
他の例を示す要部概略断面図である。
【符号の説明】
1 非磁性支持体、2 磁性層、3 磁気コア、4 コ
イル、10 磁気記録媒体、11 磁気ヘッド、g 磁
気ギャップ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 面内方向に対する磁化容易軸の角度が2
    5゜〜40゜の磁性層が形成された磁気記録媒体に、磁
    気ヘッドによって信号記録を行うに際して、 上記磁気ヘッドのギャップ長Lg1を、0.125μm≦
    g1≦0.175μmとすることを特徴とする磁気記録
    方法。
  2. 【請求項2】 上記磁気記録媒体の磁性層の厚さが、2
    0nm〜200nmであることを特徴とする請求項1記
    載の磁気記録方法。
  3. 【請求項3】 上記磁気記録媒体の磁性層が、蒸着法に
    よって形成されていることを特徴とする請求項1記載の
    磁気記録方法。
  4. 【請求項4】 面内方向に対する磁化容易軸の角度が4
    0゜〜60゜の磁性層が形成された磁気記録媒体に、磁
    気ヘッドによって信号記録を行うに際して、 上記磁気ヘッドのギャップ長Lg2を、0.075μm≦
    g2<0.125μmとすることを特徴とする磁気記録
    方法。
  5. 【請求項5】 上記磁気記録媒体の磁性層の厚さが、2
    0nm〜200nmであることを特徴とする請求項4記
    載の磁気記録方法。
  6. 【請求項6】 上記磁気記録媒体の磁性層が、蒸着法に
    よって形成されていることを特徴とする請求項4記載の
    磁気記録方法。
  7. 【請求項7】 面内方向に対する磁化容易軸の角度が6
    0゜〜90゜の磁性層が形成された磁気記録媒体に、磁
    気ヘッドによって信号記録を行うに際して、 上記磁気ヘッドのギャップ長Lg3を、0.05≦Lg3
    0.075μmとすることを特徴とする磁気記録方法。
  8. 【請求項8】 上記磁気記録媒体の磁性層の厚さが、2
    0nm〜200nmであることを特徴とする請求項7記
    載の磁気記録方法。
  9. 【請求項9】 上記磁気記録媒体の磁性層が、蒸着法に
    よって形成されていることを特徴とする請求項7記載の
    磁気記録方法。
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