JPH10261278A - 磁気ヘッドリフトアップ構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 とくに磁界変調記録方式の光磁気ディスク装
置に対して有用な磁気ヘッドをロードまたはアンロード
する磁気ヘッドリフトアップ構造に関し、磁気ヘッドの
リフトアップ機構を簡略化することを目的とする。 【解決手段】 キャリッジ２から延出したロードビーム
５に取付けた磁気ヘッド３を媒体１のデータ記録面に対
しロードまたはアンロードする磁気ヘッドリフトアップ
構造において、一端がキャリッジに固定され、他端にロ
ードビームと係合する係合片11b-1 を有する可撓ビーム
11b と、アンロード時に可撓ビームに衝接するストッパ
部11d と、ロード時に可撓ビームに係止する係止部11ｅ
とを有するヘッドリフトアップ部材11と、可撓ビームと
係止部とを係合して磁気ヘッドをロードするロード手段
13と、可撓ビームと係止部との係合を外して磁気ヘッド
をアンロードするアンロード手段12とを具備し構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、とくに磁界変調記
録方式の光磁気ディスク装置に対して有用な磁気ヘッド
をロードまたはアンロードする磁気ヘッドリフトアップ
構造に関する。

【０００２】近年、コンピュータなどで扱う情報量が増
加するに伴い大容量の情報記憶装置が必要になり、大容
量で媒体の持ち運びができるなどの理由で光磁気ディス
ク装置が使用されてきている。

【０００３】光磁気ディスク装置には、光変調記録方式
と磁界変調方式がある。磁界変調方式では、高周波で磁
界を反転させるために磁気コイルの巻き数を少なくして
インピーダンス及びインダクタンスを小さくしなければ
ならない。しかし、巻き数の少ない磁気コイルでは発生
する磁界も小さいため、磁気ヘッドのコアを光磁気ディ
スクのデータ記録面に極力近づける必要がある。

【０００４】一方、光磁気ディスク装置は、媒体可換な
装置であるため、媒体が挿入されたときに媒体と衝突し
ないように磁気ヘッドを退避させる必要がある。このた
め、磁気ヘッドを媒体に接近させたり, 媒体から退避さ
せることのできる簡単な磁気ヘッドリフトアップ構造が
要望されている。

【０００５】

【従来の技術】図３の要部構成図に示すように、従来の
光磁気ディスク装置においては、キャリッジ２は、光源
から光学系を通して出射するレーザビームを絞る対物レ
ンズ（図示略）と、その焦点を媒体１のデータ記録面に
結ばせてできた光スポット４上に位置決めした磁気ヘッ
ド３とを備えている。

【０００６】磁気ヘッド３はロードビーム５の先端に取
付けられており、そのロードビーム５はキャリッジ２に
繋がれて磁気ヘッド３をロードビーム５自体のばね変形
による一定のばね圧力で媒体１に接触している。この磁
気ヘッド３を媒体１の高速回転によりデータ記録面に生
じる気流により浮上させ、リニアモータの移動子である
キャリッジ２を図示しない固定子に沿って媒体半径方向
に移動させることにより光スポット４を目標トラックに
追従させ、データの記録・再生を行っている。

【０００７】媒体１を光磁気ディスク装置に挿入または
排出するときは、リフトアップ部材６ａがロードビーム
５を２点鎖線で示す位置に押し上げ、磁気ヘッド３を媒
体１から離し退避させる。ストッパ７は、リフトアップ
部材６ａがロードビーム５を押し上げ過ぎるのを防止し
ている。

【０００８】図４は、このリフトアップ機構を示す要部
斜視図である。ロードビーム５を押し上げるリフトアッ
プ部材６ａは第１の支持ピン６ｃを中心に回動する。セ
ット部材６ｂは第２の支持ピン６ｄを中心に回動し、セ
ット部材６ｂに立設した係合ピン６ｂ−１がリフトアッ
プ部材６ａの第１の凹み６ａ−１に係合するか、あるい
は第２の凹み６ａ−２に係合するかでリフトアップ部材
６ａの姿勢が決められる。

【０００９】捩じりばね６ｅは両端部をリフトアップ部
材６ａとセット部材６ｂとに係合し、セット部材６ｂの
係合ピン６ｂ−１と第１の凹み６ａ−１または第２の凹
み６ａ−２との係合を保持する。

【００１０】リフトアップ部材６ａの姿勢には、図示し
ない磁気ヘッドをロードするか、アンロードするかの２
通りがある。即ち、係合ピン６ｂ−１が、係合ピン６ｂ
−１の回転軌跡と第１の凹み６ａ−１の回転軌跡との交
点Ｘで係合しているとき、ロードビーム５はロード状態
になって磁気ヘッドをロードする。

【００１１】このロードビーム５がロード状態で、リフ
トアップ部材６ａに図示しない回動手段により時計回り
のモーメントを加えてリフトアップ部材６ａを矢印Ａ方
向に回転させると、係合ピン６ｂ−１の回転軌跡と第２
の凹み６ａ−２の回転軌跡との交点Ｙで係合して、リフ
トアップ部材６ａがロードビーム５を押し上げて磁気ヘ
ッド３を媒体１から離してアンロードする。

【００１２】また、ロードビーム５がアンロード状態の
とき、セット部材６ｂに図示しない別の回動手段により
反時計回りのモーメントを加えてセット部材６ｂを矢印
Ｂ方向に回転させると、係合ピン６ｂ−１は第２の凹み
６ａ−２から離れてＹ点からＸ点に移動し、第１の凹み
６ａ−１に係合する。このとき、リフトアップ部材６ａ
はロードビーム５から離れ、磁気ヘッド１をロードビー
ム５自体のばね変形による一定のばね圧力で媒体１に接
触させロードする。

【００１３】なお、リフトアップ部材６ａ及びセット部
材６ｂを回動するそれぞれの回動手段は、媒体１の挿
入、排出のとき及び書込み不可能な媒体１が挿入された
ときに発せられるアンロード指令及びロード指令により
駆動され、ロード、アンロードは磁気ヘッドが媒体の半
径方向のどの位置にあっても行われる。

【００１４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の磁気ヘッドのリフトアップ機構は、リフトアップ
部材、セット部材、第１の支持ピン、第２の支持ピン及
び係合ピンを第１，第２の凹みに押し当てるための捩じ
りばねなど多くの構成部品を必要とし、そのために製造
コストが低減できないという問題があった。

【００１５】上記問題点に鑑み、本発明は磁気ヘッドの
リフトアップ構造を簡略化することを目的とする。

【００１６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の磁気ヘッドリフトアップ構造においては、
キャリッジから延出したロードビームに取付けた磁気ヘ
ッドを媒体のデータ記録面に対しロードまたはアンロー
ドする磁気ヘッドリフトアップ構造において、一端が前
記キャリッジに固定され、他端にロードビームと係合す
る係合片を有する可撓ビームと、アンロード時に前記可
撓ビームに衝接するストッパ部と、ロード時に前記可撓
ビームに係止する係止部とを有するヘッドリフトアップ
部材と、前記可撓ビームと係止部とを係合して前記磁気
ヘッドをロードするロード手段と、前記可撓ビームと係
止部との係合を外して前記磁気ヘッドをアンロードする
アンロード手段とを具備し構成する。

【００１７】このように構成することにより、アンロー
ド手段の駆動により係止部に係合した可撓ビームを開放
し、開放された可撓ビームの復帰ばね圧力を係合片とロ
ードビームとの係合点に作用させるとロードビームはば
ね変形して磁気ヘッドをアンロードすることができる。

【００１８】あるいは、ロード手段の駆動により可撓ビ
ームとロードビームとの係合を外してロードビームを開
放すると、ロードビーム自体のばね圧力により磁気ヘッ
ドをロードすることができる。

【００１９】

【発明の実施の形態】以下、図面に示した実施例に基づ
いて本発明の要旨を詳細に説明する。なお、従来図にお
いて説明した部分は同一符号を用い、その説明も省略す
る。

【００２０】図１の要部構成図に示すように、本発明の
光磁気ディスク装置は、従来と同様に、キャリッジ２か
ら延出したロードビーム５の先端に取付けられた磁気ヘ
ッド３はロードビーム５自体の一定のばね圧力で媒体１
のデータ記録面に接触し、媒体１の高速回転により浮上
する。リニアモータの移動子であるキャリッジ２は媒体
半径方向に移動して光スポット４を目標トラックに追従
させ、データの記録・再生を行う。

【００２１】しかし、磁気ヘッド３を取付けたロードビ
ーム５をロード状態またはアンロード状態にする磁気ヘ
ッドリフトアップ構造が従来と異なる。本発明の磁気ヘ
ッドリフトアップ構造は、ばね性を有する板金で形成し
たリフトアップ部材１１と、このリフトアップ部材１１
に作用してロードビーム５をアンロード状態にするアン
ロード手段１２と、ロード状態にするロード手段１３と
で構成する。

【００２２】このリフトアップ部材１１は、図２の単体
斜視図に示すように、ばね用ステンレス板金を用いてプ
レス加工により一体形成した、基部１１ａと可撓ビーム
１１ｂと係合片１１ｂ−１とストッパ部１１ｄ及び係止
部１１ｅを備え構成する。

【００２３】以下、図１及び図２を参照しながら各要素
を説明する。リフトアップ部材１１の基部１１ａは、そ
の取付け面を媒体１のデータ記録面に対し垂直にしてキ
ャリッジ２にねじ止めする。

【００２４】可撓ビーム１１ｂは、この基部１１ａの後
端を直角Ｌ形に折り曲げ、さらにその折曲部から板面を
媒体１のデータ記録面に平行にし且つロードビーム５に
沿わせて延出形成する。この可撓ビーム１１ｂは、ロー
ドビーム５のアンロード方向（矢印Ｅ上方向）にばね付
勢される。

【００２５】係合片１１ｂ−１は、ロードビーム５に下
側から係合するように可撓ビーム１１ｂの先端に直角か
ぎ形に突出させて形成する。この係合片１１ｂ−１はロ
ードビーム５をアンロード状態にするとき、ロードビー
ム５に係合し可撓ビーム１１ｂのアンロード方向のばね
圧力によりロードビーム５を押し上げ、ロードビーム５
をロード状態からアンロード状態にする。

【００２６】ストッパ部１１ｄは、基部１１ａからロー
ドビーム５に沿って延伸したストッパビーム１１ｃの先
端部を図面の表方向に直角Ｌ形に折り曲げて形成する。
そして、ストッパ部１１ｄの下端面は、ロードビーム５
をアンロード状態にした可撓ビーム１１ｂの中央付近を
衝接する。

【００２７】係止部１１ｅは、ストッパ部１１ｄの下端
面の一部をロード方向（下方向）に延出し且つその下端
面が下方向に透視して可撓ビーム１１ｂ面と重なるよう
に形成する。それにより、後述のロード手段１３により
可撓ビーム１１ｂがストッパ部１１ｄに衝接した状態か
らロード方向に押し下げられて係止部１１ｅの先端面に
達したとき、この重なり分だけ図面の表方向にばね復帰
し（ストッパ部１１ｄは、可撓ビーム１１ｂが衝接した
状態では図面の裏方向にばね変形している）可撓ビーム
１１ｂを引っ掛けて係止する。

【００２８】アンロード手段１２は、装置筐体側に固定
された回動手段（図示略）により回動するアンロード用
偏心カム１２ａと直角Ｌ形のアンロードレバー１２ｂと
基台１２ｃとで構成する。

【００２９】このアンロードレバー１２ｂは、一方の折
曲部１２ｂ−１の一端を装置筐体に固定した基台１２ｃ
に回動可能に枢着し、アンロード用偏心カム１２ａに常
時ばね接触するように引張ばね１２ｄでばね付勢され
る。

【００３０】また、他方の折曲部１２ｂ−２は媒体半径
方向に延伸し、アンロード動作時に磁気ヘッド３が媒体
半径方向のどの位置にあってもストッパ部１１ｄを押せ
るようにキャリッジ２の移動距離に相当する分だけ延ば
した長さにする。そして、この折曲部１２ｂ−２は、リ
フトアップ部材１１のストッパ部１１ｄとの間に僅かな
間隙を設けることでキャリッジ２と共に動くストッパ部
１１ｄとの摩擦抵抗をなくす。

【００３１】ロード手段１３は、装置筐体側に固定され
た別の回動手段（図示略）により回動するロード用偏心
カム１３ａで構成し、このロード用偏心カム１３ａはキ
ャリッジ２の移動中は可撓ビーム１１ｂに接触しない姿
勢で停止する。

【００３２】つぎに、磁気ヘッドのロード及びアンロー
ドについて説明する。いま、ロードビーム５がロード状
態（実線図示状態）にあって可撓ビーム１１ｂが係止部
１１ｅに係止しているとき、アンロード指令により回動
手段（図示略）がアンロード用偏心カム１２ａを矢印Ｃ
方向に回動すると、アンロードレバー12b の折曲部12b-
1 はアンロード用偏心カム１２ａに押されて矢印Ｇ方向
に回動し、アンロードレバー12b の折曲部12b-2 がスト
ッパ部１１ｄを図面の裏、Ｄ方向に押してストッパビー
ム１１ｃがばね変位させ、係止部１１ｅの先端面に係止
している可撓ビーム１１ｂを外す。

【００３３】外れた可撓ビーム１１ｂはアンロード方向
にばね復帰する。その復帰の途中で可撓ビーム１１ｂの
係合片１１ｂ−１がロードビーム５に下側から係合し、
復帰ばね圧力によりロードビーム５を上方向に押し上げ
てアンロード状態（点線図示状態）にするとともに、ス
トッパ部１１ｄに復帰ばね圧力を有して衝接する。

【００３４】可撓ビーム１１ｂをストッパ部１１ｄで止
めることにより、ロードビーム５の曲げ過ぎや磁気ヘッ
ド３の上げ過ぎをなくし、磁気ヘッド３を媒体１のデー
タ記録面から所定高さに保持することができ、またその
ような位置関係に設計する。

【００３５】逆に、ロードビーム５がアンロード状態に
あってリフトアップ部材１１の可撓ビーム１１ｂがスト
ッパ部１１ｄに衝接しているとき、ロード指令により回
動手段がロード用偏心カム１３ａを矢印Ｈ方向に回動す
ると、可撓ビーム１１ｂはロード用偏心カム１３ａによ
ってロード方向（下方向）に押し下げられる。

【００３６】押し下げられた可撓ビーム１１ｂが係止部
１１ｅの下端面を過ぎたとき、係止部１１ｅは可撓ビー
ム１１ｂとの重なり分だけ図面の表方向にばね復帰し、
可撓ビーム１１ｂを自動的に引っ掛けて係止する。

【００３７】この係止位置では、ロードビーム５は可撓
ビーム１１ｂの係合片１１ｂ−１との係合が外れて自由
になり、ロードビーム５は自分自身のばね圧力で磁気ヘ
ッド３を媒体１のデータ記録面に接触させロードする。

【００３８】なお、可撓ビームは係止部から外れると跳
ねて振動し易いので、可撓ビームとアンロードレバーに
合成ゴム板などの制振材（図示略）を被着するか、リフ
トアップ部材１１を制振鋼板で製作するなどして振動を
抑制する。

【００３９】また、アンロード用、ロード用回動手段
は、従来同様に媒体の挿入、排出のとき及び書込み不可
能な媒体が挿入されたときに発せられるアンロード指令
及びロード指令によって駆動され、アンロードは磁気ヘ
ッドが媒体の半径方向のどの位置にあっても行われる
が、ロードは媒体の最外周トラック位置でのみ行われ
る。

【００４０】このように、リフトアップ部材をばね性を
有する板金で一体形成したことにより、従来の複数部品
の機能を１つの部品に集約できるため、磁気ヘッドを取
付けたロードビームをロードまたはアンロード状態にす
るリフトアップ機構を簡略化することができる。他方、
リフトアップ部材に作用するアンロード手段及びロード
手段は従来の回動手段の変形応用により構成できるた
め、総じて部品点数を増やすことなく部品コストを低減
することができる。

【００４１】

【発明の効果】以上、詳述したように本発明によれば、
光磁気ディスク装置などにおいて、磁気ヘッドを取付け
たロードビームのリフトアップ機構を１つの部品に簡略
化できるので部品コストが低減されて、光磁気ディスク
装置を安価に提供できるといった産業上極めて有用な効
果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明による一実施例の要部構成図

【図２】 図１の可撓ビームの単体斜視図

【図３】 従来技術による要部構成図

【図４】 図３のリフトアップ部材とセット部材との係
合を説明する斜視図

【符号の説明】

１：媒体 ２：キャリッジ ３：磁気ヘッド ５：ロードビーム １１：リフトアップ部材 １１ａ：基部 １１ｂ：可撓ビーム １１ｂ−１：係合片 １１ｃ：ストッパビーム １１ｄ：ストッパ部 １１ｅ：係止部 １２：アンロード手段 １３：ロード手段

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 キャリッジから延出したロードビーム
   に取付けた磁気ヘッドを媒体のデータ記録面に対しロー
   ドまたはアンロードする磁気ヘッドリフトアップ構造に
   おいて、 一端が前記キャリッジに固定され、他端にロードビーム
   と係合する係合片を有する可撓ビームと、アンロード時
   に前記可撓ビームに衝接するストッパ部と、ロード時に
   前記可撓ビームに係止する係止部とを有するヘッドリフ
   トアップ部材と、 前記可撓ビームと係止部とを係合し
   て前記磁気ヘッドをロードするロード手段と、 前記可撓ビームと係止部との係合を外して前記磁気ヘッ
   ドをアンロードするアンロード手段と、 を具備してなることを特徴とする磁気ヘッドリフトアッ
   プ構造。