JPH1025636A - ポリアミド嵩高加工糸の製造方法 - Google Patents
ポリアミド嵩高加工糸の製造方法Info
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- JPH1025636A JPH1025636A JP18307196A JP18307196A JPH1025636A JP H1025636 A JPH1025636 A JP H1025636A JP 18307196 A JP18307196 A JP 18307196A JP 18307196 A JP18307196 A JP 18307196A JP H1025636 A JPH1025636 A JP H1025636A
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Abstract
方に用いて製織することが可能であり、しかも、得られ
る織物は起毛しなくても繊細なタッチや外観を有し、膨
らみ感のあるスパンライクなものとなるポリアミド嵩高
加工糸を、操業性よく得ることができる製造方法を提供
する。 【解決手段】 ポリアミド未延伸糸を延伸した糸条A
と、ポリアミド延伸糸を延伸し、放縮率を糸条Aの放縮
率より1〜6%低く、かつ3%以上とした糸条Bとを流
体処理域に供給して、糸条Aを芯糸、糸条Bを鞘糸と
し、糸条表面にループ毛羽のない芯鞘構造糸とする、ポ
リアミド嵩高加工糸の製造方法。
Description
流処理を行い、糸条表面にループ毛羽のない芯鞘構造の
ポリアミド嵩高加工糸を製造する方法に関するものであ
る。
異なるフィード量で供給して流体乱流処理を行ない、糸
条にループ毛羽を有する芯鞘構造の嵩高糸を製造する方
法は、タスラン加工法として知られており、広く用いら
れている。
のオーバーフィード率を過大にして、2糸条間のフィー
ド差を大きくするほどより嵩高な加工糸が得られるが、
オーバーフィード率が増大すると、流体処理ゾーンでの
糸条の自由度が大きくなり過ぎ、得られる糸条にネップ
状の欠点が発生するという問題があった。
放縮率に差のある2種類のポリアミドマルチフィラメン
ト糸条を用いて、同じオーバーフィード率で流体乱流処
理し、ループ毛羽保持性に優れた芯鞘構造の嵩高加工糸
を製造する方法が記載されている。
羽を有する繊維であるため、経糸に使用して製織すると
開口不良が生じ、製織性が大きく低下するという問題が
あった。また、この嵩高加工糸を緯糸のみに使用して得
られた布帛は、十分なスパンライク風合を有していない
という問題があった。
点を解決し、糸条表面にループ毛羽がなく、経、緯糸の
両方に用いて製織することが可能であり、しかも、得ら
れる織物は起毛しなくても繊細なタッチや外観を有し、
膨らみ感のあるスパンライクなものとなるポリアミド嵩
高加工糸を、操業性よく得ることができる製造方法を提
供することを技術的な課題とするものである。
題を解決するために、鋭意検討の結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、ポリアミド未延伸糸を延伸し
た糸条Aと、ポリアミド延伸糸を延伸し、放縮率を糸条
Aの放縮率より1〜6%低く、かつ3%以上とした糸条
Bとを流体処理域に供給して、糸条Aを芯糸、糸条Bを
鞘糸とし、糸条表面にループ毛羽のない芯鞘構造糸とす
ることを特徴とするポリアミド嵩高加工糸の製造方法を
要旨とするものである。
する。本発明は、ポリアミド未延伸糸を延伸した糸条A
と、ポリアミド延伸糸を延伸した糸条Bとを合わせて流
体乱流処理を行うが、このとき、延伸によって、糸条B
の放縮率を糸条Aの放縮率より1〜6%低く、かつ3%
以上になるようにした後、流体乱流処理を行うものであ
る。
糸をそれぞれ延伸し、特定の放縮率差を有するようにし
た糸条A、Bを合わせて乱流処理を施すことによって、
供給率に差をつけなくても、乱流処理後の糸条に糸長差
を与えることができる。このため、一方の糸条が他方の
糸条を抱き込んで糸全体が集束し、ループ毛羽のない芯
鞘構造の加工糸を製造できる。すなわち、未延伸糸を延
伸した糸条Aは、放縮率が糸条Bより大きいため、流体
処理域で糸条Bより大きく収縮し、糸長が短くなり芯部
を構成する。そして、この芯糸を糸長の長い糸条Bが抱
き込んで鞘部を構成するが、糸条Bは延伸糸を適度に延
伸しているために多少収縮し、これによって糸全体が良
好に集束され、ループ毛羽のない嵩高加工糸を得ること
ができる。
縮率を3%以上で、かつ糸条Aと糸条Bの放縮率の差を
1〜6%にする必要がある。糸条Bの放縮率が3%未満
であると、芯糸となる糸条Aを抱き込んで鞘部を構成し
ても、糸全体が良好に集束されないため、ループ毛羽の
発生した加工糸となる。
後の糸条に糸長差を与えることができないため、嵩高な
加工糸を製造することができず、膨らみ感のあるスパン
ライクな布帛を得ることができない。また、放縮率の差
が6%を超えると、乱流処理後の糸条の糸長差が大きく
なり過ぎ、ループ毛羽の生じた加工糸となり、この糸を
用いて製織すると、製織性が大きく低下したり、スパン
ライクな風合の低下した布帛となる。また、糸条Bの放
縮率の上限は、特に限定されるものではないが、12%程
度とし、糸条Aの放縮率は、4.0 〜13.0%程度とする。
後、一旦巻取られたものを用いても、高速紡糸して得ら
れた高配向未延伸糸を一旦巻取ることなく用いてもよ
い。そして、複屈折率が15×10-3〜45×10-3程度のもの
の場合、放縮率が4.0 〜13.0%程度の糸条Aとするため
には、延伸時には1.1 〜5.0 倍程度に延伸することが好
ましい。
00m/分程度で紡糸し、延伸倍率2.0 〜5.0 倍程度で延
伸した後、一旦巻取ったものや高配向未延伸糸を延伸し
たもので、複屈折率が45×10-3を超えるものをいい、放
縮率が3.0 〜12.0%程度の糸条Bとするためには、この
延伸糸をさらに、1.02〜1.35倍程度に延伸することが好
ましい。
糸条Bの熱水収縮率より大きく、かつその差が1〜18%
の糸条を使用して乱流処理を行えば、異収縮混繊糸とす
ることができ、この繊維を製編織した後、染色等の後工
程で熱を受けると、より膨らみ感の増したスパンライク
な風合を有する布帛とすることができる。
%、糸条Bの熱水収縮率の値は5〜15%とすることが好
ましい。また、糸条AとBの熱水収縮率をコントロール
するには、延伸時の熱処理条件を種々変更して行った
り、ポリマーの種類を変更すればよい。
あると、異収縮混繊糸とすることができず、熱水収縮率
の差が18%を超えると、膨らみ感の増したスパンライク
な風合を有する布帛とすることができるが、イラツキ感
のある布帛となりやすい。
伸糸としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン1
2、ナイロン46等の単独あるいはこれらの共重合物か
らなる繊維を採用することができ、本発明の効果を損な
わない範囲であれば、艶消剤、改質剤等を含んだもので
もよい。また、これらの繊維の断面形状は丸、偏平、中
空等いずれであってもよい。
図1は、本発明の一実施態様を示す概略工程図である。
未延伸糸Y1 は第1ローラ1より供給され、第1ローラ
1と第3ローラ3の間で延伸され、糸条Aとなる。この
場合、必要に応じて延伸ピンやヒータ(いずれも図示せ
ず)を使用してもよい。一方、延伸糸Y2 は第2ローラ
2から供給され、第2ローラ2と第3ローラ3の間で延
伸され、糸条Bとなる。そして、放縮率差が1〜6%と
なったこれらの糸条A、Bを流体噴射ノズル4に供給し
て流体乱流処理を施し、ターンローラ5を経て、巻取ロ
ーラ7でパッケージ6に巻き取る。
の状態にしたとき、繊維の内部構造変化や糸の形態変化
などによって生ずる糸条の収縮率をいい、図1の工程に
おいては、糸条を第3ローラ3から供給し、流体噴射ノ
ズル4を使用せずに巻取ローラ7で巻取るようにして、
まず、第3ローラ3と巻取ローラ7のローラ速度を等し
くし、巻取ローラ7の速度を徐々に低下させていき、第
3ローラ3と巻取ローラ7間の張力が0gとなる時点
(糸条に弛みが生じる時点)のオーバーフィード率で表
し、次式で算出する。 放縮率(%)=〔(第3ローラ3の速度−巻取ローラ7
の速度)/第3ローラ3の速度〕×100
エアー圧1.0 〜8.0kg/cm2 、オーバーフィード率2〜10
%に設定して行うことが好ましい。オーバーフィード率
が2%未満であると、芯糸と鞘糸がからみ合った形状の
混繊糸とすることができず、オーバーフィード率が10%
を超えると、糸条表面にループ毛羽の発生したものとな
る。ノズルの形状は、タスラン型やインターレース型を
用いることができる。また、図1に示す工程において、
第1ローラ1より供給される未延伸糸Y1 は、一旦巻き
取ることなく、紡糸から連続して供給してもよい。
羽がないため、製織時には経糸、緯糸の両方に用いるこ
とができる。そして、得られる布帛は、繊細なタッチや
外観を有し、膨らみ感のあるスパンライク調のものとな
る。
る。なお、実施例における各物性値は次のように評価し
た。 (1)放縮率 前記の方法で測定した。 (2)毛羽数 毛羽測定器F−インデックス(敷島紡績株式会社製)を
用いて測定したものであり、糸長1mあたりの高さ0.5m
m 以上のループ毛羽の数をカウントした。 (3)布帛の風合 得られた嵩高加工糸を経、緯に用い、経密度66本/2.54
cm、緯密度50本/2.54cmで製織し、染色した後、得られ
た布帛の風合を次のように評価した。パネラー10人にそ
れぞれ手触りと視覚で膨らみ感のあるスパンライク風合
を10段階(優れたものを10とする)で評価させ、合計点
より次の4段階で表した。 100 〜85点 ◎ 84 〜70点 ○ 69 〜40点 △ 39 〜 0点 × (4)熱水収縮率 乱流処理を行う前のそれぞれの糸条を採取し、JIS
L−1090に準じて測定した。
℃で測定した。)2.51のナイロン6チップを用い、紡糸
温度260 ℃、紡糸速度1000m/分で紡糸したナイロン6
繊維糸条(690d/30f)を一旦巻取り、ポリアミド未延
伸糸として、図1に示す第1ローラに供給した。第1ロ
ーラ1の表面速度90m/分、第3ローラ3の表面速度30
0 m/分とし、延伸倍率3.3 で延伸して糸条A(放縮率
8.8 %、熱水収縮率12.5%)とした。一方、ポリアミド
延伸糸として、同様のチップを用いて、紡糸温度260
℃、紡糸速度1200m/分で紡糸し、延伸倍率3.0 倍で延
伸し、弛緩熱処理(190℃) したナイロン6繊維糸条(14
0 d/96f)を使用し、第2ローラ2の表面速度285 m
/分、第3ローラ3の表面速度300 m/分とし、延伸倍
率1.06で延伸して糸条B(放縮率5.5 %、熱水収縮率5.
2 %)とした。糸条AとBともに流体噴射ノズル4(イ
ンターレース型)に供給し、エアー圧3.0kg/cm2 で乱流
処理した後、ターンローラ5を経て、表面速度280 m/
分の巻取ローラ7でパッケージ6に巻取った。得られた
嵩高糸のループ毛羽数、この嵩高糸より得られた布帛の
風合の評価結果を表1に示す。
延伸する倍率及びポリアミド延伸糸を第2ローラ2と第
3ローラ3間で延伸する倍率を表1に示すように種々変
更し、さらに、ポリアミド延伸糸の弛緩熱処理温度を実
施例2は150 ℃、比較例1は100 ℃、比較例2、3は13
0 ℃とした以外は、実施例1と同様に行った。得られた
嵩高糸のループ毛羽数、この嵩高糸より得られた布帛の
風合の評価結果を表1に示す。
ポリアミド延伸糸として40d/68fのものを用い、ポリ
アミド未延伸糸を第1ローラ1と第3ローラ3間で延伸
する倍率及びポリアミド延伸糸を第2ローラ2と第3ロ
ーラ3間で延伸する倍率を表1に示すように種々変更
し、ポリアミド延伸糸の弛緩熱処理を行わなかった以外
は、実施例1と同様に行った。得られた嵩高糸のループ
毛羽数、この嵩高糸より得られた布帛の風合の評価結果
を表1に示す。
酸を溶媒とし、濃度1g/dl、温度25℃で測定した。)
2.49のナイロン6共重合体チップを用い、紡糸温度260
℃、紡糸速度4000m/分で紡糸したナイロン6共重合体
繊維糸条( 30d/6f)を一旦巻取り、ポリアミド未延
伸糸として、図1に示す第1ローラに供給した。第1ロ
ーラ1の表面速度 340m/分、第3ローラ3の表面速度
425m/分とし、延伸倍率1.25で延伸して糸条A(放縮
率11.3%、熱水収縮率24.0%)とした。一方、ポリアミ
ド延伸糸として、上記と同様に得られた高配向未延伸糸
(40d/68f)を延伸倍率1.15倍で延伸し、弛緩熱処理
(温度190 ℃) して得られたナイロン6共重合体繊維糸
条(35d/68f)を使用し、第2ローラ2の表面速度 3
94m/分、第3ローラ3の表面速度 425m/分とし、延
伸倍率1.08で延伸して糸条B(放縮率6.7 %、熱水収縮
率5.0 %)とした。実施例1と同様に、糸条AとBを乱
流処理し、嵩高加工糸を得た。得られた嵩高糸のループ
毛羽数、この嵩高糸より得られた布帛の風合の評価結果
を表1に示す。
得られた嵩高糸は、糸条Aが芯糸、糸条Bが鞘糸の芯鞘
構造を呈し、ループ毛羽のない嵩高糸であり、製織工程
における張力やしごきによって芯糸と鞘糸の混繊がずれ
たり分離することがなく、良好な形態堅牢性を有するも
のであった。そして、この嵩高糸から得られた布帛は膨
らみ感のあるスパンライク風合に優れるものであった。
比較例1は、糸条Aと糸条Bの放縮率の差が小さ過ぎた
ため、嵩高な加工糸を製造することができず、膨らみ感
のあるスパンライクな布帛を得ることができなかった。
比較例2、3は、糸条Bの放縮率が小さ過ぎ、かつ糸条
Aと糸条Bの放縮率の差が大き過ぎたため、糸全体が良
好に集束せず、ループ毛羽の発生した加工糸となり、製
織性が大きく低下し、得られた布帛もスパンライクな風
合を有しないものであった。
のない、良好な形態堅牢性を有する芯鞘構造の嵩高加工
糸を簡易な装置で安価に得ることができる。したがっ
て、得られる嵩高加工糸を経、緯糸の両方に用いて製織
することが可能となり、得られる織物は、繊細なタッチ
や外観を有し、膨らみ感に優れたスパンライクなものと
なる。さらには、乱流処理前の2種類のマルチフィラメ
ントの熱水収縮率の差を1〜18%とすると、この嵩高加
工糸から得られる布帛は、後工程で熱処理することによ
って、さらに膨らみ感に優れたスパンライク織物とする
ことが可能となる。
図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 ポリアミド未延伸糸を延伸した糸条A
と、ポリアミド延伸糸を延伸し、放縮率を糸条Aの放縮
率より1〜6%低く、かつ3%以上とした糸条Bとを流
体処理域に供給して、糸条Aを芯糸、糸条Bを鞘糸と
し、糸条表面にループ毛羽のない芯鞘構造糸とすること
を特徴とするポリアミド嵩高加工糸の製造方法。 - 【請求項2】 糸条Aの熱水収縮率が糸条Bの熱水収縮
率より1〜18%大きいことを特徴とする請求項1記載の
ポリアミド嵩高加工糸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18307196A JP3535315B2 (ja) | 1996-07-12 | 1996-07-12 | ポリアミド嵩高加工糸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18307196A JP3535315B2 (ja) | 1996-07-12 | 1996-07-12 | ポリアミド嵩高加工糸の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1025636A true JPH1025636A (ja) | 1998-01-27 |
JP3535315B2 JP3535315B2 (ja) | 2004-06-07 |
Family
ID=16129250
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18307196A Expired - Fee Related JP3535315B2 (ja) | 1996-07-12 | 1996-07-12 | ポリアミド嵩高加工糸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3535315B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017226941A (ja) * | 2016-06-24 | 2017-12-28 | 東レ株式会社 | 織編物及びポリアミド芯鞘型混繊糸の元糸 |
-
1996
- 1996-07-12 JP JP18307196A patent/JP3535315B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017226941A (ja) * | 2016-06-24 | 2017-12-28 | 東レ株式会社 | 織編物及びポリアミド芯鞘型混繊糸の元糸 |
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Publication number | Publication date |
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JP3535315B2 (ja) | 2004-06-07 |
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