JPH10237752A - 多層伸縮性不織布およびその製造方法 - Google Patents

多層伸縮性不織布およびその製造方法

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JPH10237752A
JPH10237752A JP3631897A JP3631897A JPH10237752A JP H10237752 A JPH10237752 A JP H10237752A JP 3631897 A JP3631897 A JP 3631897A JP 3631897 A JP3631897 A JP 3631897A JP H10237752 A JPH10237752 A JP H10237752A
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創一 小畑
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伸縮特性の優れる熱可塑性エラストマーは、
そのメルトブローン紡糸時にネットコンベア等製造設備
に粘着・膠着し良好な剥離が難しく、該不織布を工業的
に安定して製造することが未だ課題として残されてい
る。これを解決し、また、より伸縮特性の優れたメルト
ブローン不織布を得ること。 【構成】 不織布製造時に粘着性が実質上ない、薄く
て、かつ伸縮性のメルトブローン不織布を用い、その上
に直接、不織布製造時には粘着性があるが伸縮性の非常
に優れた熱可塑性エラストマーをメルトブローン紡糸す
る方法と、該方法により得られる、不織布製造時に実質
上粘着性のない目付30g/m2以下のメルトブローン
不織布(B)上に、製造時に粘着性のメルトブローン不
織布(A)が積層し接合してなる多層伸縮性不織布
(C)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱可塑性エラストマーを
用いメルトブローン法で紡糸して得られる伸縮性不織布
に係り、特に粘着(膠着)性のあるエラストマーをメル
トブローン紡糸して得られる伸縮性不織布の伸縮特性を
殺すことなく有効に発揮させ利用するための伸縮性多層
不織布に関するものである。かつまた、そのような不織
布を工業上安定に生産できる製造方法に関するものであ
る。なお本明細書においては、前記粘着および膠着の両
者を総称して単に粘着と記載している。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性エラストマーをメルトブローン
法で紡糸し、不織布とすることは知られており、例えば
熱可塑性ポリウレタンを用いてメルトブローン法で得ら
れた“エスパンシオーネ”〔鐘紡(株)社製商品名〕が
上市されている。
【0003】ところで、メルトブローン法による不織布
の製造は、溶融したポリマーを紡糸ノズルから吐出さ
せ、そのノズル吐出口を挟む両側部に配置された気体噴
出口より加熱空気を噴出させることにより、該吐出した
溶融ポリマーを細化させ、この細化させた繊維を実質的
に収束することなく移動するネットコンベア上に吹き当
て、該ネット上で気体流と分離して該ネット上に積層さ
せる。積層させた繊維は自己の有する熱によりその接触
点で接合し、いわゆるウェブ状物となるが、その際、即
ち冷却前に、加圧ローラーを用いて加圧し接合を強化す
ることも、また繊維が冷却後加熱加圧ローラーを用いて
加熱加圧し接合を強化することも行われる。いずれにし
ても、該積層させ繊維間を接合させたウェブ状物はネッ
トコンベアと共に移動し、その後該ネットコンベアから
巻取のための他の装置に渡されて移動し最終的にローラ
ー上に巻取られるものである。
【0004】熱可塑性エラストマーから得られる不織布
単体は非常に柔らかく、伸縮特性に優れたものであるこ
とは実験室的にもわかっている。しかし、この熱可塑性
エラストマーを用い、上記のメルトブローン法で製造す
る場合、上記ネットコンベアあるいはその後の移動手段
等製造設備への粘着現象が発生し、特に目付の小さい強
力の弱いメルトブローン不織布については、それを工業
的に安定して得ることが出来ないというのが現状であ
る。
【0005】このような不都合を解消するために、ポリ
マーに添加剤を入れるなどの処方を取る場合がある。ま
た、それらの処方でも解消できないポリマーについて
は、離型紙あるいは粘着性のない非伸縮性不織布上に直
接メルトブローン法で紡糸するなどの方法で製造してい
る。しかし、このような手段を採ると、熱可塑性エラス
トマー不織布単体の場合に有する優れた特性が低下して
しまう。即ち実際の操業においては、粘着性が防げると
共にメルトブローン不織布の特性劣化が最小限に食い止
められる点とをバランスさせ妥協しているに過ぎない。
【0006】しかし熱可塑性エラストマーを用いたメル
トブローン不織布の用途展開が開けるにつれて、該不織
布に対しては、その伸縮特性をより発揮させることが益
々要請されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、熱可塑
性エラストマーのメルトブローン不織布単体は伸縮特性
は非常に優れてはいるが、メルトブローン紡糸時、ネッ
トコンベアからの良好な剥離が難しく該不織布を工業的
に安定して製造することが未だ課題として残されている
のであるり、また、より伸縮特性の優れたメルトブロー
ン不織布の出現が要請されているのである。即ち、本発
明は、上記のような課題、要請を克服する伸縮性メルト
ブローン不織布およびその製造方法を得ることをその主
題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決する熱可塑性エラストマーからなるメルトブローン
不織布とその製造方法につき鋭意検討した結果、基本的
には不織布製造時に粘着性が実質上ない、薄くて、かつ
伸縮性のメルトブローン不織布を用い、その上に直接、
不織布製造時には粘着性があるが伸縮性の非常に優れた
熱可塑性エラストマーをメルトブローン紡糸することで
目的の不織布が得られることを見出した。
【0009】即ち、本発明の請求項1の発明は、共に熱
可塑性エラストマーからなる伸縮性メルトブローン不織
布の少なくとも2層の積層体であって、該積層体は、不
織布製造時に実質上粘着性のない目付30g/m2以下
のメルトブローン不織布(B)上に、製造時に粘着性の
メルトブローン不織布(A)が積層し接合してなる、多
層伸縮性不織布(C)である。
【0010】また本発明の請求項2の発明は、請求項1
の発明のメルトブローン不織布(B)がブロッキング防
止剤を含有して実質上粘着性のないものとなっているも
のであることを特徴とする、請求項1発明に記載の多層
伸縮性不織布(C)である。
【0011】また本発明の請求項3および4の発明は、
前記請求項1の発明において、非粘着性メルトブローン
不織布の目付が、それぞれ20g/m2以下、10g/
2以下であることを特徴とする、請求項1に記載の多
層伸縮性不織布(C)である。
【0012】また本発明の請求項5の発明は、メルトブ
ローン不織布製造時に捕集手段等製造設備に粘着する傾
向を有する熱可塑性エラストマーからなるポリマー
(a)をメルトブローン紡糸し捕集し巻取って、製造設
備および巻取ウェブそれ自体に実質上粘着を有しないメ
ルトブローン不織布(C)を得る方法において、前記粘
着性エラストマーからなるポリマー(a)の不織布製造
時には実質上粘着性のない熱可塑性エラストマーからな
るポリマー(b)をメルトブローン紡糸し捕集手段上に
目付30g/m2以下のウェブ(B)として捕集して移
送を行わせ、該非粘着性移送ウェブ(B)上に、前記粘
着性エラストマーからなるポリマー(a)をメルトブロ
ーン紡糸して積層し接合した状態となし、該積層体を引
取ることを特徴とする、熱可塑性エラストマーからなる
多層伸縮性不織布の製造方法である。
【0013】また本発明の請求項6の発明は、メルトブ
ローン不織布製造時に捕集手段等製造設備に粘着する傾
向を有する熱可塑性エラストマーからなるポリマー
(a)をメルトブローン紡糸し捕集し巻取って、製造設
備および巻取ウェブそれ自体に実質上粘着を有しないメ
ルトブローン不織布(C)を得る方法において、実質上
粘着性のない熱可塑性エラストマーからなるポリマー
(b)をメルトブローン紡糸した予め得られている目付
30g/m2以下の伸縮性不織布(B)を用い、該非粘
着性不織布(B)を捕集手段上に載せて移送し、該非粘
着性不織布(B)上に、粘着傾向を有する熱可塑性エラ
ストマーからなるポリマー(a)をメルトブローン紡糸
して積層し接合した状態となし、該積層体を引取ること
を特徴とする、熱可塑性エラストマーからなる多層伸縮
性不織布の製造方法である。
【0014】さらにまた本発明の請求項7の発明は、請
求項5または請求項6の発明において、実質上粘着性の
ないメルトブローンウェブまたは不織布が、そのポリマ
ー(b)中にブロッキング防止剤を含有して実質上粘着
性のないものとしているものであることを特徴とする、
請求項5または請求項6のいずれかに記載した多層伸縮
性不織布の製造方法である。
【0015】さらにまた本発明の請求項8、9の発明
は、請求項5または請求項6の発明において、非粘着性
メルトブローン不織布の目付が、それぞれ20g/m2
以下、10g/m2以下であることを特徴とする、請求
項5または請求項6のいずれかに記載の多層伸縮性不織
布(C)の製造方法である。
【0016】本発明においては、熱可塑性エラストマー
からなる粘着性のあるメルトブローン不織布、即ち伸縮
特性の優れたメルトブローン不織布の優れた伸縮特性を
実質上低下させることなく、かつメルトブローン製造設
備への粘着を阻止するために、同じく熱可塑性エラスト
マーのメルトブローンからなるウェブもしくは不織布で
あるが、非粘着性とした、しかも薄い伸縮性ウェブもし
くは不織布を、いわば“下敷き材”として用い、その上
に前記粘着性のある熱可塑性エラストマーのメルトブロ
ーン紡糸を行い積層した不織布とすることによって、伸
縮性不織布としての伸縮特性の低下がなく、製造時の通
過性、巻き戻し時の解除性の不都合さを解決したもので
ある。
【0017】本発明で使用する熱可塑性エラストマーは
スチレン系、ウレタン系など特に限定されるものではな
い。ウレタン系エラストマーについて述べれば、これま
でに公知の溶融紡糸可能なものであればすべて用いるこ
とができるが、より好ましいものとしては、低分子量の
ジオールとジカルボン酸の縮合重合でポリエステルジオ
ール、ラクタムの開環重合で得たポリラクトンジオー
ル、ポリオキシアルキレングリコール、ポリアルキレン
カーボネートグリコールなどの平均分子量500〜30
00のポリマーグリコール、有機ジイソシアネート、活
性水素原子を2個有する低分子化合物とを反応させて得
た熱可塑性ポリウレタンである。
【0018】とりわけ好ましい熱可塑性ポリウレタンと
しては、炭素数2〜12の脂肪族ジオールまたは脂環族
ジオール、例えば、エチレングリコール、プロパンジオ
ール、l,4―ブタンジオール、1,5―ペンタンジオ
ール、3―メチルーl,5―ペンタンジオール、ネオペ
ンチルグリコールなどの直鎖状または側鎖状の脂肪族ジ
オールあるいは脂環族ジオールから選ばれた少なくとも
l種類のジオールと、脂肪族ジカルボン酸、例えば、コ
ハク酸、グルタル酸、アジピン酸、またはそれらジカル
ボン酸のエステルなどから選ばれた、少なくともl種類
のジカルボン酸あるいはそのエステルとを反応して得た
平均分子重600〜3000のポリエステルジオール
と、有機ジイソシアネートとして、例えば、フェニレン
ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4
´ージフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ま
たは脂環族のジイソシアネートを主体とした有機ジイソ
シアネートと、活性水素原子を2個有する低分子化合
物、例えば、ジオール、アミノアルコール、ヒドラジ
ン、ジアミンなどから選ばれた鎖伸長剤を所望の組成比
で選び、溶融重合法、塊状重合法、あるいは溶液重合法
などで重合して熱可塑性ポリウレタンとする。
【0019】この熱可塑性ポリウレタンは、均一性の良
いメルトブローン不織布を得るためには、ポリウレタン
製造時の組成において、ソフトセグメントとなるポリマ
ージオールの含有量が45〜75重量%となるようにす
ることが好ましい。また、鎖伸長剤は特に低分子量の脂
肪族ジオール又はイソホロンジアミンから選ばれた化合
物を主体とした鎖伸長剤を用いて重合したポリウレタン
であって、ポリウレタンの固有粘度[η]が0.5〜
1.5d1/gの範囲となるように重合度を調整するこ
とが好ましい。ポリウレタン中のソフトセグメントの含
有量が45重量%に満たない場合は、紡糸性や極細繊維
化の点では良いが、不織布の柔軟化、伸縮性、形態の安
定化、面の平滑性などの点で好ましくない。また、ソフ
トセグメントの含有量が75重量%を越えて多くなる
と、不纖布としての柔軟性の点では良いが、紡糸性、極
細繊維化が悪くなり、地合いの良い不織布が得られなく
なる。一方、ポリウレタンの固有粘度[η]が小さい場
合には十分に細化した繊維が得られないし、不均一な太
さの繊維のメルトブローン不幟布になる。また、ポリウ
レタンの固有粘度[η]が大きい場合には溶融粘度が高
くなり良好な繊維流の形成が得られない。
【0020】本発明において、粘着性のない伸縮性のメ
ルトブローン不織布(B)は、結合する相手の熱可塑性
エラストマー(a)からなるメルトブローン不織布の非
常に優れた伸縮特性を殺すことなく、多層積層体として
高度な伸縮性を発揮させるために、その目付量が薄目付
であることが望ましい。その意味で該不織布としては、
その目付が30g/m2以下であることが肝要であり、
より好ましくは20g/m2以下であり、さらに好まし
くは10g/m2以下である。
【0021】粘着性のないメルトブローン不織布とする
には、熱可塑性エラストマー中に例えばブロッキング防
止剤を加えることでその目的を達することができる。そ
のブロッキング防止剤としては、高級脂肪酸ビスアミド
やモンタン酸エステル、あるいはモンタン酸エステルと
モンタン酸金属塩との混合物が好適である。
【0022】高級脂肪酸ビスアミドは、炭素数14〜3
5までの飽和の高級脂肪酸と炭素数1〜10までの脂肪
族ジアミンから製造される。該高級脂肪酸としては、例
えば、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、バルミチン酸、
ヘプタデシル酸、モンタン酸などが挙げられる。該脂肪
族ジアミンとしては、例えば、メチレンジアミン、エチ
レンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレン
ジアミンなどが挙げられる。前記高級脂肪酸と脂肪族ジ
アミンから生じる高級脂肪酸ビスアミドの中で、メチレ
ンビスステアリン酸アミド、テトラメチレンビスステア
リン酸アミド、エチレンビスモンタン酸アミド、テトラ
メチレンビスモンタン酸アミドなどが好ましい。より好
ましくはメチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビ
スステアリン酸アミドである。
【0023】モンタン酸エステルは、鎖の長さがC2O
〜C35の直鎖飽和カルボン酸混合物とエチレングリコ
ール、プロピレングリコールなどの多価アルコールと反
応して得られるエステルであり、モンタン酸金属塩とは
モンタン酸と周期律第I〜III種属の金属、例えば、
リチウム、ナトリウム、カリウム、アルミニウムなどの
金属塩である。
【0024】このブロッキング防止剤は、用いる熱可塑
性エラストマーに対して0.3重量%以上、2.0重量
%以下の範囲てあることが好ましく、より好ましくは
0.7〜1.5重量%の範囲である。
【0025】本発明の多層伸縮性メルトブローン不織布
を得るための方法としては、2つの方法が挙げられる。
その一つは、製造時に粘着性のない方の熱可塑性エラス
トマーからなる薄目付の伸縮性不織布(B)を製造し巻
取っておき、これ(B)を本発明不織布(C)の製造
時、図1のように、製造時に粘着性のある方の熱可塑性
エラストマーを紡糸し、捕集するネットコンベ上に導
き、その上に直接、粘着性のある該熱可塑性エラストマ
ー(a)をメルトブローン法により紡糸し、両者が積層
した伸縮性不織布を得る方法である。
【0026】他の一つは図2に示す方法で、共通の捕集
ネットコンベア上に2つのメルトブローン紡糸ダイを設
置し、製造時粘着性のない方の熱可塑性エラストマー
(b)をメルトブローン紡糸し、捕集したウェブ上面
に、製造時に粘着性のある方の熱可塑性エラストマー
(a)をメルトブローン紡糸し、両者が積層した伸縮性
不織布とする方法である。
【0027】上記方法のいずれにしても、積層した不織
布2層は、少なくとも粘着性のある方の熱可塑性エラス
トマー(a)のメルトブローン紡糸時に、それ自体が有
する熱で接着される。しかし必要とあれば、積層後熱圧
着などの加工を施してもよい。
【0028】なおこれまでは、本発明の多層伸縮性不織
布(C)として、非粘着性の不織布(B)がいわば下敷
き層となり、その上に粘着性の不織布(A)が積層結合
した2層からなる形態のものを説明したが、2層形態の
ものに限定されるものではなく、前記不織布(A)層の
上にさらに不織布(B)層を積層結合した、即ち図3に
示すように、不織布(A)層を中心層とし、不織布
(B)層でサンドイッチ状に挟んだ3層形態に構成でき
ることも明らかである。この場合、不織布(B)の目付
としては、不織布(A)の特性を活かすためには、該不
織布(A)の両面の不織布(B)の合計目付が30g/
2以下となるように両不織布(B)を選択する。また
目的により、該2層または3層がさらに反復するか、あ
るいは組み合わさった、より多層形態のものとすること
も可能であるが、この場合も、不織布(B)の目付は、
前記の説明と同様、1層の不織布(A)に対して30g
/m2以下となるようにすることが肝要である。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0030】実施例1;2層の不織布が共に熱可塑性ポ
リウレタンを用いた多層伸縮性メルトブローン不織布の
例である。 〔非粘着性メルトブローン不織布の作製〕原料ポリマー
としてはポリブチレンアジペートポリオールと4,4´
−ジフェニレンメタンジイソシアネートおよび1,4−
ブタンジオールからなるポリエステル系ポリウレタン樹
脂(b)を用い、またブロッキング防止剤としては高級
脂肪酸ビスアミドを用いた。即ち、後者を1.0重量%
添加した前者樹脂組成物を溶融し、常法によりメルトブ
ローン紡糸を行い、巻取り、目付10g/m2の非粘着
性メルトブローン不織布(B)を予じめ作製した。この
不織布(B)は、その製造時捕集ネット等の製造装置に
粘着することがなく、該ネット端では容易に剥がれて良
好な巻取りが出来、かつ巻き取った不織布間での粘着も
なく、スムースな巻き出しが可能なものであった。 〔多層不織布の作製〕粘着性メルトブローン不織布の原
料ポリマーとしてはポリメチルペンタンアジペートポリ
オールと4,4´−ジフェニレンメタンジイソシアネー
トおよび1,4−ブタンジオールからなるポリエステル
系ポリウレタン樹脂(a)を用い、これをメルトブロー
ン紡糸できるように用意した。前記非粘着性メルトブロ
ーン不織布(B)を巻き出し、メルトブローン紡糸装置
の捕集ネット上に導き、該捕集ネットの回動と共に前進
移動させるように構成した。この捕集ネットを回動さ
せ、その上の該不織布(B)上に直接、上記ポリエステ
ル系ポリウレタン樹脂(a)からなる溶融ポリマーをメ
ルトブローン紡糸し、該不織布(B)と積層、一体化さ
せ(図1)、2層からなる目付60.0g/m2の伸縮
性不織布を得た。
【0031】実施例2;非粘着性不織布(B)10g/
2の代わりに、非粘着性不織布20g/m2を用いた以
外は実施例1と同様の方法で総目付60g/m2の2層
伸縮性不織布を得た。
【0032】実施例3;非粘着性不織布(B)10g/
2の代わりに、非粘着性不織布30g/m2を用いた以
外は実施例1と同様の方法で総目付60g/m2の2層
伸縮性不織布を得た。
【0033】比較例1;非粘着性不織布(B)10g/
2の代わりに、非粘着性不織布40g/m2を用いた以
外は実施例1と同様の方法で総目付60g/m2の2層
伸縮性不織布を得た。
【0034】参考例1;非粘着性不織布を用いず、PE
T(ポリエチレンテレフタレート)繊維にPET/PE
(ポリエチ)の芯鞘接着繊維を配合してなる乾式ウェブ
を水流絡合させて得られた不織布を用い、この不織布上
に、実施例1で用いた粘着性ポリウレタンポリマー
(a)をメルトブローン紡糸し、積層後、該水流絡合不
織布を取り除いて、目付60g/m2のポリウレタンポ
リマー(a)からなる伸縮性不織布(A)を得た。
【0035】参考例2;実施例1で用いた非粘着性ポリ
マー(b)をメルトブローン紡糸して、目付60g/m
2のメルトブローン不織布を得た。
【0036】以上の実施例、比較例および参考例につ
き、その100%伸長後の伸長回復物性を以下の表1に
示す。
【0037】
【表1】
【0038】伸縮特性を表す指標として用いるY/Xの
値を比較すると、実施例3と比較例1とでは非粘着性メ
ルトブローン不織布層の目付をそれぞれ30、40g/
2にしたものであるが、実施例3ではY/Xは大きく
なり、優れた伸縮性を示した。さらに実施例2、1では
非粘着性メルトブローン不織布をそれぞれ20、10g
/m2としたものであるが、その目付減少に伴い、より
優れた伸縮性を示した。また残留歪についても実施例1
で示した伸縮性不織布が最も小さい値を示した。
【0039】
【発明の効果】本発明においては、熱可塑性エラストマ
ーのメルトブローン不織布であるが非粘着(膠着)性と
した、しかも薄い伸縮性メルトブローン不織布を、いわ
ば“下敷き材”として用い、その上に粘着(膠着)性の
ある熱可塑性エラストマーのメルトブローン紡糸を行い
積層した不織布とすることによって、伸縮性不織布とし
て伸縮特性が優れたものが得られ、製造方法としては製
造時の通過性を問題なくし、かつ巻取り、巻戻しも安定
して行うことができ、工業的な安定な製造を可能したも
のである。即ち本発明は、熱可塑性エラストマー性メル
トブロー不織布それ自体として、またその製造方法とし
て、実際上で役に立つ有益なものである。このような本
発明のエラストマー性メルトブロー不織布は、その特性
を活かして、例えばおむつのバックシートやウエスト部
材などに好適に適用できる。等に好適に適用することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層伸縮性不織布の製造法の一例を示
す図である。
【図2】本発明の多層伸縮性不織布の製造法の他の一例
を示す図である。
【図3】本発明多層伸縮性不織布の一例の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 メルトブローン紡糸ノズル 2 捕集ネットコンベアー 3 巻取りローラー A 製造時に粘着(膠着)性を示す熱可塑性エラストマ
ーからなるメルトブローン不織布 B 製造時に粘着(膠着)性を示さない熱可塑性エラス
トマーからなるメルトブローン不織布 C 本発明で得られる多層伸縮性不織布 a メルトブロー不織布(A)の製造原料の熱可塑性エ
ラストマー b メルトブロー不織布(B)の製造原料の熱可塑性エ
ラストマー

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】共に熱可塑性エラストマーからなる伸縮性
    メルトブローン不織布の少なくとも2層の積層体であっ
    て、該積層体は、不織布製造時に実質上粘着性のない目
    付30g/m2以下のメルトブローン不織布(B)上
    に、製造時に粘着性のメルトブローン不織布(A)が積
    層し接合してなる、多層伸縮性不織布(C)。
  2. 【請求項2】前記メルトブローン不織布(B)がブロッ
    キング防止剤を含有して実質上粘着性のないメルトブロ
    ーン不織布であることを特徴とする、請求項1に記載の
    多層伸縮性不織布(C)。
  3. 【請求項3】前記非粘着性メルトブローン不織布の目付
    が20g/m2以下であることを特徴とする、請求項1
    に記載の多層伸縮性不織布(C)。
  4. 【請求項4】前記非粘着性メルトブローン不織布の目付
    が10g/m2以下であることを特徴とする、請求項1
    に記載の多層伸縮性不織布(C)。
  5. 【請求項5】メルトブローン不織布製造時に捕集手段等
    製造設備に粘着する傾向を有する熱可塑性エラストマー
    からなるポリマー(a)をメルトブローン紡糸し捕集し
    巻取って、製造設備および巻取ウェブそれ自体に実質上
    粘着を有しないメルトブローン不織布(C)を得る方法
    において、前記粘着性エラストマーからなるポリマー
    (a)の不織布製造時には実質上粘着性のない熱可塑性
    エラストマーからなるポリマー(b)をメルトブローン
    紡糸し捕集手段上に目付30g/m2以下のウェブ
    (B)として捕集して移送を行わせ、該非粘着性移送ウ
    ェブ(B)上に、前記粘着性エラストマーからなるポリ
    マー(a)をメルトブローン紡糸して積層し接合した状
    態となし、該積層体を引取ることを特徴とする、熱可塑
    性エラストマーからなる多層伸縮性不織布の製造方法。
  6. 【請求項6】メルトブローン不織布製造時に捕集手段等
    製造設備に粘着する傾向を有する熱可塑性エラストマー
    からなるポリマー(a)をメルトブローン紡糸し捕集し
    巻取って、製造設備および巻取ウェブそれ自体に実質上
    粘着を有しないメルトブローン不織布(C)を得る方法
    において、実質上粘着性のない熱可塑性エラストマーか
    らなるポリマー(b)をメルトブローン紡糸した予め得
    られている目付30g/m2以下の伸縮性不織布(B)
    を用い、該非粘着性不織布(B)を捕集手段上に載せて
    移送し、該非粘着性不織布(B)上に、粘着傾向を有す
    る熱可塑性エラストマーからなるポリマー(a)をメル
    トブローン紡糸して積層し接合した状態となし、該積層
    体を引取ることを特徴とする、熱可塑性エラストマーか
    らなる多層伸縮性不織布の製造方法。
  7. 【請求項7】前記の実質上粘着性のないメルトブローン
    ウェブまたは不織布が、そのポリマー(b)中にブロッ
    キング防止剤を含有して実質上粘着性のないものとして
    いるものであることを特徴とする、請求項5または請求
    項6のいずれかに記載した多層伸縮性不織布の製造方
    法。
  8. 【請求項8】前記非粘着性メルトブローン不織布の目付
    が20g/m2以下であることを特徴とする、請求項5
    または請求項6のいずれかに記載の多層伸縮性不織布
    (C)の製造方法。
  9. 【請求項9】前記非粘着性メルトブローン不織布の目付
    が10g/m2以下であることを特徴とする、請求項5
    または請求項6のいずれかに記載の多層伸縮性不織布
    (C)の製造方法。
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